説明

傾斜搬送型フローコンベヤ

【課題】コンベヤケースの上り勾配となる傾斜搬送領域に粉粒体の減少に応じて残留する粉粒体を搬送負荷の大幅な増加を必要とせずに簡便かつ効率よく確実に回収する傾斜搬送型フローコンベヤを提供すること。
【解決手段】コ字型に屈曲成形した棒材からなる左右一対の粉粒体搬送用アタッチメント121をチェーン長手方向に等間隔で多数設けたコンベヤチェーン120が少なくとも上り勾配の傾斜搬送領域110bを備えたコンベヤケース110内で粉粒体Mを搬送しながら循環走行するとともに、粉粒体Mの減少に応じて傾斜搬送領域110bに残留する粉粒体Mを掬い取る残留粉粒体用回収手段123が粉粒体搬送用アタッチメント121の少なくとも一対の両側に付設されている傾斜搬送型フローコンベヤ100。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セメント、粉末肥料、穀物、おが屑などの粉粒体がもつ内部摩擦を利用して左右一対の粉粒体搬送用アタッチメントをチェーン長手方向に等間隔で多数設けたコンベヤチェーンによりコンベヤケース内で粉粒体を搬送するフローコンベヤであって、特に、上り勾配の傾斜搬送領域を備えたコンベヤケース内で粉粒体を搬送する傾斜搬送型フローコンベヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の傾斜搬送型フローコンベヤとして、棒材からなる粉粒体搬送用アタッチメントを左右一対で固設したコンベヤチェーンを用いて上り勾配の傾斜搬送領域を備えたコンベヤケース内で粉粒体を搬送するものが知られている。
【0003】
そして、このような傾斜搬送型フローコンベヤ500に用いられるコンベヤチェーン520は、図7に示すように、一本の棒材からなる粉粒体搬送用アタッチメント521が、コンベヤケース510のケース上板に沿って側方に延びる上方部材とコンベヤケース510のケース側壁に沿って下方に延びる側方部材とこの側方部材の下部で底板に沿って内方向に延びる下方部材とで略コ字型に形成された粉粒体搬送用アタッチメント521を構成する一部材をチェーン本体522に固設している(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭57−155111号公報(第1頁、図5乃至図11)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したような従来の傾斜搬送型フローコンベヤ500では、単に、粉粒体搬送用アタッチメント521をチェーン本体522のチェーン長手方向に等間隔で多数設けたコンベヤチェーン520を使用しているため、投入された粉粒体の搬送量が減少すると、粉粒体がもつ内部摩擦を利用することができず、上り勾配となる傾斜搬送領域の傾斜立ち上がり部において粉粒体が残留し易く、この残留した粉粒体を放置すると腐敗、異臭などの問題があるばかりでなく、別品種の粉粒体を引き続いて搬送する際にはこの残留した粉粒体が異物として混入し、搬送された粉粒体の純度を著しく低下させるという問題があった。
【0006】
このような従来の傾斜搬送型フローコンベヤ500の問題を解決するために、スクレーパと称する多数の掻き板をチェーン長手方向に等間隔で設けたコンベヤチェーンを採用することもあるが、多数の掻き板を設けた分だけチェーン重量が増大して多大な搬送力を必要とするばかりでなく、コンベヤケースの傾斜立ち上がり部におけるケース底板との近接間隔を調整するために多大な調整作業負担と高度な装置設計精度が要求されるという厄介な問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、従来の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、コンベヤケースの上り勾配となる傾斜搬送領域の傾斜立ち上がり部に粉粒体の減少に応じて残留する粉粒体を搬送負荷の大幅な増加を必要とせずに簡便かつ効率よく確実に回収する傾斜搬送型フローコンベヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
まず、請求項1に係る本発明は、コ字型に屈曲成形した棒材からなる左右一対の粉粒体搬送用アタッチメントをチェーン長手方向に等間隔で多数設けたコンベヤチェーンが少なくとも上り勾配の傾斜搬送領域を備えたコンベヤケース内で粉粒体を搬送しながら循環走行する傾斜搬送型フローコンベヤにおいて、前記粉粒体の減少に応じて傾斜搬送領域に残留する粉粒体を掬い取る残留粉粒体用回収手段が、前記粉粒体搬送用アタッチメントの少なくとも一対の片側または両側に付設されていることにより、前述したような課題を解決したものである。
【0009】
請求項2に係る本発明は、請求項1に係る発明の構成に加えて、前記残留粉粒体用回収手段が、前記傾斜搬送領域の傾斜立ち上がり部に残留した粉粒体をケース底部に近接した状態で掬い取る掬い板と該掬い板の両側方へ折曲させて形成して掬い取られた粉粒体を収集する左右一対の側壁板とで構成されていることにより、前述したような課題をさらに解決したものである。
【0010】
請求項3に係る本発明は、請求項2に係る発明の構成に加えて、前記残留粉粒体用回収手段が、前記掬い板と左右一対の側壁板とに連設されて掬い取られた粉粒体の拡散を抑制する拡散抑制壁板を備えていることにより、前述したような課題をさらに解決したものである。
【0011】
請求項4に係る本発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに係る発明の構成に加えて、前記残留粉粒体用回収手段が、前記粉粒体搬送用アタッチメントに付設した板状のケースクリーナ部材を介して取り付けられていることにより、前述したような課題をさらに解決したものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の傾斜搬送型フローコンベヤは、コ字型に屈曲成形した棒材からなる左右一対の粉粒体搬送用アタッチメントをチェーン長手方向に等間隔で多数設けたコンベヤチェーンが少なくとも上り勾配の傾斜搬送領域を備えたコンベヤケース内で粉粒体を搬送しながら循環走行することにより、コンベヤチェーンに多数設けた左右一対の粉粒体搬送用アタッチメントが粉粒体の粒子相互に生じる内部摩擦を利用して粉粒体を後方へ漏らすことなく搬送することができるばかりでなく、以下のような本発明に特有の効果を奏することができる。
【0013】
すなわち、請求項1に係る本発明の傾斜搬送型フローコンベヤは、残留粉粒体用回収手段が粉粒体搬送用アタッチメントの少なくとも一対の片側または両側に付設されていることにより、通常稼働の場合には粉粒体搬送用アタッチメントが粉粒体の粒子相互に生じる内部摩擦を利用して粉粒体を搬送し、粉粒体の減少に伴って粉粒体の粒子相互に生じるべき内部摩擦が減少してコンベヤケースの傾斜搬送領域に粉粒体が残留した場合には搬送すべき粉粒体の投入を停止した後にコンベヤチェーンを空運転して残留粉粒体用回収手段がケース底板に沿って循環走行するため、傾斜搬送領域に残留する粉粒体を簡便に掬い取ることができる。
【0014】
請求項2に係る本発明の傾斜搬送型フローコンベヤによれば、請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、残留粉粒体用回収手段が掬い板とこの掬い板の両側方へ折曲させて形成した左右一対の側壁板とで構成されていることにより、掬い板が傾斜搬送領域に残留する粉粒体をケース底部に近接した状態で掬い取るとともに左右一対の側壁板が掬い取られた粉粒体を収集するため、傾斜搬送領域に残留する粉粒体をコンベヤチェーンの側方に漏らさずに効率良くコンベヤケースから回収することができる。
【0015】
請求項3に係る本発明の傾斜搬送型フローコンベヤによれば、請求項2に係る発明が奏する効果に加えて、残留粉粒体用回収手段が掬い板と左右一対の側壁板とに連設された拡散抑制壁板を備えていることにより、拡散抑制壁板が掬い板と側壁板との連結構造を補強するとともにコンベヤケース内において掬い取られた粉粒体の拡散を抑制するため、残留粉粒体用回収手段の耐久性を向上させることができ、また、傾斜搬送領域の傾斜立ち上がり部に残留した粉粒体をコンベヤケースから確実に回収することができる。
【0016】
請求項4に係る本発明の傾斜搬送型フローコンベヤによれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに係る発明が奏する効果に加えて、残留粉粒体用回収手段が粉粒体搬送用アタッチメントに付設した板状のケースクリーナ部材を介して取り付けられていることにより、板状のケースクリーナ部材が残留粉粒体用回収手段を粉粒体搬送用アタッチメントのコ字型に屈曲成形した棒材に取り付けるための取り付けブラケットとして機能するため、残留粉粒体用回収手段を左右一対の粉粒体搬送用アタッチメントに対して簡便に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施例である傾斜搬送型フローコンベヤの概要図。
【図2】図1に示す傾斜搬送型フローコンベヤに用いたコンベヤチェーンの拡大図。
【図3】図2に示すコンベヤチェーンをX1−X1方向から見た図。
【図4】図3に示すコンベヤチェーンを拡大した正面図。
【図5】本発明の第1実施例で用いたコンベヤチェーンを一部拡大した俯瞰図。
【図6】本発明の第2実施例で用いたコンベヤチェーンを一部拡大した俯瞰図。
【図7】従来の傾斜搬送型フローコンベヤに用いたコンベヤチェーンの構成図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、コ字型に屈曲成形した棒材からなる左右一対の粉粒体搬送用アタッチメントをチェーン長手方向に等間隔で多数設けたコンベヤチェーンが少なくとも上り勾配の傾斜搬送領域を備えたコンベヤケース内で粉粒体を搬送しながら循環走行する傾斜搬送型フローコンベヤにおいて、粉粒体の減少に応じて傾斜搬送領域に残留する粉粒体を掬い取る残留粉粒体用回収手段が粉粒体搬送用アタッチメントの少なくとも一対の両側に付設され、コンベヤケースの上り勾配となる傾斜搬送領域の傾斜立ち上がり部に残留した粉粒体を搬送負荷の大幅な増加を必要とせずに簡便かつ効率よく確実に回収するものであれば、その具体的な態様は、如何なるものであっても構わない。
【0019】
すなわち、本発明の傾斜搬送型フローコンベヤは、セメント、粉末肥料、穀物などの粉粒体がもつ内部摩擦を利用して左右一対の粉粒体搬送用アタッチメントをチェーン長手方向に等間隔で多数設けたコンベヤチェーンによりコンベヤケース内で粉粒体を搬送するものであれば、その粉粒体搬送用アタッチメントのアタッチメント形態は如何なるものであっても何ら構わない。
【0020】
そして、本発明の傾斜搬送型フローコンベヤは、少なくとも上り勾配の傾斜搬送領域を備えたコンベヤケース内で粉粒体を搬送しながら循環走行するものであれば如何なる搬送領域の組み合わせであっても良く、例えば、投入口を備えた下部水平搬送領域から上り勾配の排出口を備えた傾斜搬送領域へ粉粒体を搬送するものであるが、これ以外の搬送領域の組み合わせであっても良い。
【0021】
また、本発明で採用する残留粉粒体用回収手段の素材については、強度と耐摩耗性が保てるものであれば如何なるものであっても良く、金属、プラスチック等の板状体を使用することができる。
【0022】
さらに、前述した残留粉粒体用回収手段の取り付け個数については、粉粒体搬送用アタッチメントの少なくとも一対の片側または両側に付設されていれば良く、例えば、全ての粉粒体搬送用アタッチメントに取り付ける必要は無く、チェーン長手方向に1〜5個程度を連続して付設すれば、搬送負荷の大幅な増加を必要とせずに、簡便かつ効率よく確実に回収することができる。
【実施例】
【0023】
以下、本発明の実施例である傾斜搬送型フローコンベヤ100を図1乃至図6に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明の第1実施例である傾斜搬送型フローコンベヤの概要図であり、図2は、図1に示す傾斜搬送型フローコンベヤに用いたコンベヤチェーンの拡大図であり、図3は、図2に示すコンベヤチェーンをX1−X1方向から見た図であり、図4は、図3に示すコンベヤチェーンを拡大した正面図であり、図5は、本発明の第1実施例で用いたコンベヤチェーンを一部拡大した俯瞰図であり、図6は、本発明の第2実施例で用いたコンベヤチェーンを一部拡大した俯瞰図である。
【0024】
まず、本発明の第1実施例である傾斜搬送型フローコンベヤ100は、図1に示すように、おが屑からなる粉粒体Mの投入口111を備えた下部水平搬送領域110aとこの下部水平搬送領域110aから粉粒体Mの排出口112を備えた上り勾配となる傾斜搬送領域110bとで構成されるコンベヤケース110と、左右一対の粉粒体搬送用アタッチメント121をチェーン本体122のチェーン長手方向に等間隔で多数設けたコンベヤチェーン120と、このコンベヤチェーン120を循環走行させる駆動スプロケット130と、この駆動スプロケット130の対向して設けられた従動スプロケット140とを基本的な装置構成として備えている。
これにより、本実施例である傾斜搬送型フローコンベヤ100は、コンベヤチェーン120を駆動スプロケット130と従動スプロケット140との間を循環走行させながら、投入口111から投入された粉粒体Mを下部水平搬送領域110aから上り勾配の傾斜搬送領域110bを経て排出口112から搬出するようになっている。
【0025】
そして、前述したコンベヤチェーン120の粉粒体搬送用アタッチメント121は、コ字型に屈曲成形した棒材からなり、コンベヤチェーン120のチェーン長手方向に等間隔で多数設けられている。
これにより、粉粒体搬送用アタッチメント121は、通常の搬送稼働の場合に粉粒体Mの粒子相互に生じる内部摩擦を利用して粉粒体Mを後方へ漏らすことなく搬送するようになっている。
【0026】
つぎに、本実施例である傾斜搬送型フローコンベヤ100が最も特徴とするコンベヤチェーン120の粉粒体搬送用アタッチメント121に付設した金属板からなる残留粉粒体用回収手段123について、図2乃至図5に基づいて詳しく説明する。
すなわち、この残留粉粒体用回収手段123は、前述した粉粒体搬送用アタッチメント121の少なくとも一対の両側に付設されている。
これにより、前述した粉粒体の減少に伴って粉粒体Mの粒子相互に生じるべき内部摩擦が減少してコンベヤケース110の傾斜搬送領域110bにおける傾斜立ち上がり部Yに粉粒体Mが残留した場合に、搬送すべき粉粒体Mの投入を一旦停止した後、コンベヤチェーン120を空運転させ、残留粉粒体用回収手段123をケース底板に沿って循環走行させながら傾斜搬送領域110bの傾斜立ち上がり部Yに残留した粉粒体Mを掬い取るようになっている。
【0027】
そして、前述した残留粉粒体用回収手段123は、掬い板123aとこの掬い板123aの両側方へ折曲させて形成した左右一対の側壁板123b、123bとで構成されている。
これにより、掬い板123aが傾斜搬送領域110bの傾斜立ち上がり部Yに残留した粉粒体Mをケース底部に近接した状態で掬い取るとともに左右一対の側壁板123b、123bが掬い取られた粉粒体Mを収集するようになっている。
なお、本実施例では、残留粉粒体用回収手段123は、一対の粉粒体搬送用アタッチメント121の両側に取り付けられたものを示したが、残留粉粒体用回収手段123は、複数の粉粒体搬送用アタッチメント121の片側に左右交互に取り付けられていても何ら差し支えない。
【0028】
さらに、前述した残留粉粒体用回収手段123は、粉粒体搬送用アタッチメント121に溶接加工を用いて付設した板状のケースクリーナ部材124を介してボルトとナットとからなる固着手段125で一体に取り付けられている。
これにより、板状のケースクリーナ部材124が残留粉粒体用回収手段123を粉粒体搬送用アタッチメント121のコ字型に屈曲成形した棒材に取り付けるための取り付けブラケットとして機能するため、残留粉粒体用回収手段123が左右一対の粉粒体搬送用アタッチメント121に対して簡便に取り付けられている。
【0029】
加えて、前述した残留粉粒体用回収手段123は、粉粒体Mの残留を許容する範囲に見合った距離Lだけケースクリーナ部材124の先端から後退して取り付けられている。
これにより、残留粉粒体用回収手段123の先端とコンベヤケース110のケース底板との間に粉粒物Mが噛み込まれるのを防止するとともに残留粉粒体用回収手段123から粉粒物Mがこぼれるのを防止している。
【0030】
このようにして得られた本実施例の傾斜搬送型フローコンベヤ100は、残留粉粒体用回収手段123がコンベヤチェーン120のチェーン長手方向に等間隔で設けたコ字型の棒材からなる多数の粉粒体搬送用アタッチメント121の少なくとも一対の両側に付設されていることにより、通常の搬送稼働の場合には粉粒体Mの粒子相互に生じる内部摩擦を利用して粉粒体Mを後方へ漏らすことなく搬送することができるとともに、コンベヤケース110の傾斜搬送領域110bにおける傾斜立ち上がり部Yに粉粒体Mが残留した場合には、搬送すべき粉粒体Mの投入を一旦停止した後、コンベヤチェーン120を空運転させ、残留粉粒体用回収手段123をケース底板に沿って循環走行させながら傾斜搬送領域110bの傾斜立ち上がり部Yに残留した粉粒体Mを掬い取るため、傾斜搬送領域110bの傾斜立ち上がり部Yに残留する粉粒体Mを搬送負荷の大幅な増加を必要とせずに簡便かつ効率よく確実に回収することができ、従来の傾斜搬送型フローコンベヤにおいて生じがちなコンベヤケース内に残留する粉粒体Mの腐敗や混入などを防止することができるなど、その効果は甚大である。
【0031】
つぎに、本発明の第2実施例である傾斜搬送型フローコンベヤ200について、図6に基づいて説明する。
ここで、本発明の第2実施例である傾斜搬送型フローコンベヤ200における残留粉粒体用回収手段223の具体的な構成を除く基本的な構成については、前述した第1実施例の傾斜搬送型フローコンベヤ100と全く同じであるため、第1実施例の傾斜搬送型フローコンベヤ100に関する明細書、および、図1乃至図5に示す100番台の符号を200番台の符号に読み替えることによって、残留粉粒体用回収手段223の具体的な構成を除く基本的な装置構成については、その説明を省略する。
【0032】
そこで、本発明の第2実施例の傾斜搬送型フローコンベヤ200が最も特徴とする残留粉粒体用回収手段223の具体的な構成について図6により詳しく説明する。
すなわち、第2実施例の傾斜搬送型フローコンベヤ200における残留粉粒体用回収手段223は、掬い板223aと左右一対の側壁板223b、223bとに連設された拡散抑制壁板223cを備えている。
【0033】
このようにして得られた本発明の第2実施例の傾斜搬送型フローコンベヤ200は、前述した第1実施例の傾斜搬送型フローコンベヤ100が奏する効果に加えて、拡散抑制壁板223cが掬い板223aと側壁板223bとの連結構造を補強するとともにコンベヤケース210内において掬い取られた粉粒体Mの拡散を抑制するため、残留粉粒体用回収手段223の耐久性を向上させることができるなど、その効果は甚大である。
【符号の説明】
【0034】
100 ・・・ 傾斜搬送型フローコンベヤ
110 ・・・ コンベヤケース
110a・・・ 下部水平搬送領域
110b・・・ 傾斜搬送領域
111 ・・・ 投入口
112 ・・・ 排出口
120 ・・・ コンベヤチェーン
121 ・・・ 粉粒体搬送用アタッチメント
122 ・・・ チェーン本体
123 ・・・ 残留粉粒体用回収手段
123a・・・ 掬い板
123b・・・ 側壁板
124 ・・・ ケースクリーナ部材
125 ・・・ 固着手段
130 ・・・ 駆動スプロケット
140 ・・・ 従動スプロケット
200 ・・・ 傾斜搬送型フローコンベヤ
220 ・・・ コンベヤチェーン
221 ・・・ 粉粒体搬送用アタッチメント
222 ・・・ チェーン本体
223 ・・・ 残留粉粒体用回収手段
223a・・・ 掬い板
223b・・・ 側壁板
223c・・・ 拡散抑制壁板
224 ・・・ ケースクリーナ部材
500 ・・・ 傾斜搬送型フローコンベヤ
510 ・・・ コンベヤケース
520 ・・・ コンベヤチェーン
521 ・・・ 粉粒体搬送用アタッチメント
522 ・・・ チェーン本体
M ・・・ 粉粒体
L ・・・ ケースクリーナの先端と残留粉粒体用回収手段の先端との距離
Y ・・・ 傾斜搬送領域110bの傾斜立ち上がり部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コ字型に屈曲成形した棒材からなる左右一対の粉粒体搬送用アタッチメントをチェーン長手方向に等間隔で多数設けたコンベヤチェーンが少なくとも上り勾配の傾斜搬送領域を備えたコンベヤケース内で粉粒体を搬送しながら循環走行する傾斜搬送型フローコンベヤにおいて、
前記粉粒体の減少に応じて傾斜搬送領域に残留する粉粒体を掬い取る残留粉粒体用回収手段が、前記粉粒体搬送用アタッチメントの少なくとも一対の片側または両側に付設されていることを特徴とする傾斜搬送型フローコンベヤ。
【請求項2】
前記残留粉粒体用回収手段が、前記傾斜搬送領域の傾斜立ち上がり部に残留した粉粒体をケース底部に近接した状態で掬い取る掬い板と該掬い板の両側方へ折曲させて形成して掬い取られた粉粒体を収集する左右一対の側壁板とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の傾斜搬送型フローコンベヤ。
【請求項3】
前記残留粉粒体用回収手段が、前記掬い板と左右一対の側壁板とに連設されて掬い取られた粉粒体の拡散を抑制する拡散抑制壁板を備えていることを特徴とする請求項2に記載の傾斜搬送型フローコンベヤ。
【請求項4】
前記残留粉粒体用回収手段が、前記粉粒体搬送用アタッチメントに付設した板状のケースクリーナ部材を介して取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の傾斜搬送型フローコンベヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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