説明

傾斜計

【課題】突起部を有する被測定面であっても、その突起部を回避して、被測定面の正確な傾斜角度を容易に測定することができる傾斜計を提供する。
【解決手段】傾斜計1は、被測定面23に設けられた突起部30を回避可能な長さを有している複数の突設部10,11を備える。遊技釘36が配された遊技盤23の傾斜角を測定する場合には、遊技釘36の無い部分23aと23bを選択し、突設部10と11を遊技盤23に当接させる。このとき、突設部10と11との間に遊技釘36が配されていたとしても、釘を回避して突設部10と11を遊技盤23に当接できるため、突設部10と11との間の遊技釘36は障害とはならない。傾斜計の本体1aの傾斜角は遊技盤23の傾斜角と同じ傾斜角となり、本体の表示部2には遊技盤23の傾斜角が表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傾斜計に関し、より詳述すれば、被測定面に設けられた部材を避けて被測定面の傾斜角度を計測可能な傾斜計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、弾球遊技機例えばパチンコ遊技機を設置する時は、遊技機を鉛直線よりも僅かに後方に傾斜させて設置する。遊技機の傾斜角は、浅過ぎると遊技球が流下するときに遊技釘に絡み難くなるうえに、遊技球が入賞口に入り難くなるなどの問題が生じる。また、傾斜角が深過ぎても遊技球が遊技盤ベースに当たって跳ね回ることとなる。すなわち、傾斜角が浅くても深くても遊技球は暴れて、遊技球の安定した流下が望めないので、このような設置をした遊技機では正常な遊技が行えず、遊技者の興趣が削がれてしまう。
【0003】
このように、遊技機で遊技を楽しむためには、遊技機の遊技盤面が適正な傾斜角に調整されていることは重要な課題である。しかし、遊技盤面には様々な遊技部材が設けられており、それらの遊技部材が突起部となって傾斜計を遊技盤面に当接することができない。
そこで、傾斜計を使用して遊技盤の傾斜角を計測する手段として、遊技機の外枠の内壁面に傾斜角度を測定し得る傾斜計を配設して、傾斜計の測定値を遊技盤を開いて確認する遊技機(特許文献1参照)が知られている。
【特許文献1】特開平09−155055号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のように、遊技機の外枠の内壁面に傾斜計を設けた場合には、外枠の傾斜角を計測しているので、外枠が歪んでいる場合には、遊技に実際に影響する遊技盤の傾斜角を正確に表示していない虞れがあった。さらに、外枠の内壁面に設置した傾斜計の表示を確認するためには、遊技盤を開く必要があり、その状態では、遊技盤の荷重によって外枠がさらに歪んでしまうので、遊技可能な状態の遊技盤の傾斜角を確認することができない。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされており、その目的とするところは、突起部を有する被測定面であっても、その突起部を回避して、被測定面の正確な傾斜角度を容易に測定することができる傾斜計を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために、第1の発明による傾斜計1は、被測定面23の傾斜角を測定するために、被測定面23に設けられた突起部30を回避可能な長さを有している複数の突設部10,11を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、被測定面23に突起部30があっても、傾斜計1の複数の突設部10,11が前記突起部30を避けて直接被測定面23に当接することができるので、被測定面23の傾斜角を正確に測定することができる。
【0008】
第2の発明による遊技機は、第1の発明に記載の傾斜計において、突設部10,11の少なくとも1つが、被測定面23と平行して対向する傾斜計本体の対向面3上を移動可能に設けられていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、第1の発明による傾斜計1の一部の突設部10,11が、被測定面23の突起部30を避けることができない場合であっても、被測定面23と平行して対向する傾斜計本体の対向面3上を、その突設部10,11が移動することによって、被測定面23の突起部30の無い場所を選ぶことができるので、全ての突設部10,11が被測定面23に当接して、被測定面23の傾斜角を正確に測定することができる。
【0010】
第3の発明による傾斜計1は、第1または第2の発明による傾斜計において、傾斜計1の底部に傾斜計1を支持可能な脚部15が設けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、その脚部15によって傾斜計1を被測定面23の手前側に設置して、被測定面23に傾斜計1の突設部10,11を当接させることができる。従って、あらかじめ、被測定面23が調整されるべき傾斜角に傾斜計1を固定してから、傾斜計1の全ての突設部10,11が当接するように被測定面23を移動調整すれば、被測定面23を傾斜計1の傾斜角と同じ傾斜角に調整することができる。
【0012】
第4の発明による傾斜計1は、第1乃至第3の発明による傾斜計において、傾斜計1の上部に傾斜計1を支持可能な吊り下げ部15が設けられていることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、その吊り下げ部15によって傾斜計1を被測定面23の手前側に吊り下げ設置して、被測定面23に傾斜計1の突設部10,11を当接させることができる。従って、あらかじめ、被測定面23が調整されるべき傾斜角に傾斜計1を固定してから、傾斜計1の全ての突設部10,11が当接するように被測定面23を移動調整すれば、被測定面23を傾斜計1の傾斜角と同じ傾斜角に調整することができる。
【0014】
第5の発明による傾斜計1は、第1乃至第4の発明による傾斜計において、被測定面23に当接する傾斜計の突設部10,11には、被測定面23に設けられた突起部30を収容可能な凹部13,14が設けられていることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、傾斜計1の突設部10,11が被測定面23の突起部30を避けることができない場合であっても、被測定面23に当接する傾斜計1の突設部10,11の先端部分の凹部13,14が、その突起部30を収容して、前記凹部13,14の周縁部で被測定面23に当接し、傾斜計1を突起部30によって被測定面23に固定することができるので、被測定面23の傾斜角を正確に測定することができる。
【0016】
第6の発明による傾斜計1は、第1乃至第5の発明による傾斜計において、被測定面23が弾球遊技機の遊技盤面23であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、弾球遊技機の遊技盤面の遊技部材を避けて、傾斜計の突設部を遊技盤面に当接することができるので、遊技盤面の傾斜角を正確に測定することができる。
【0018】
さらに、本発明による傾斜計によれば、突起部を有する被測定面であっても、その突起部を回避して、被測定面の正確な傾斜角度を容易に測定することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について説明する。なお、本実施形態は本発明の一例にすぎずなんらこれに限定解釈されるものではなく、本発明の範囲内で設計変更可能である。
【0020】
本発明は、突起部を有した被測定物の傾斜角を測定する傾斜計であって、例えば弾球遊技機例えばパチンコ遊技機の遊技盤の傾斜角を測定する場合に好適である。そこで、以下に本発明による傾斜計でパチンコ遊技機の遊技盤の傾斜角を測定する場合について説明する。
【実施例1】
【0021】
パチンコ遊技機は、図1に示すように、外枠21の前面に内枠22が回動自在に軸支され、該内枠22の背後には可変表示手段27が嵌装されていると共に、該内枠22の前面には、遊技盤ベース26に種々の遊技部材30を備えて構成されている遊技盤23が着脱自在に装着されている。また、前記内枠22の前面左側には、ガラス板24を嵌めたフロント扉25が回動自在に軸支されている。
従って、この遊技盤23の傾斜角を測定するには、遊技盤23の表面(以下、本実施例における被測定面をいう。)に突状に備えられている遊技部材30(以下、本実施例における突起部をいう。)を回避する必要があり、本実施例の傾斜計は以下に詳述する特有の構成を有することでこのような問題を解決している。
【0022】
ここで遊技部材30とは、パチンコ遊技機において遊技に必要な全ての部材を言い、例えば、遊技領域Aを区画すると共に、該遊技領域に発射ソレノイドから打ち出される遊技球を導くガイドレール31、前記表示手段27の変動表示を起動すると共に、大当たりとするか否かの抽選処理を起動するチューリップ式の普通電動役物からなる始動入賞口32、大当たり時に開放するアタッカと称する特別電動役物の大入賞口33、一般入賞口となる左右の入賞口34、遊技領域での入賞を逃したアウト球を排出するアウト口35、遊技盤ベース26に打たれている多数の遊技釘36などが一例として挙げられる。
【0023】
図2は、本発明による傾斜計1の一例である。
傾斜計1の本体1aは、被測定面23と平行して対向する対向面3を有する箱型の測定部であって、図中矢印方向(a1)の傾斜計本体1aの傾斜角を測定する。そして、少なくとも一面には、測定した傾斜角を表示する表示部2を有している。
さらに、傾斜計1は、前記対向面3上に夫々同じ長さを有する突設部10,11を有し、その長さは、少なくとも遊技盤23の盤面上の突起部である遊技釘36よりも十分に長いことを要する。例えば、遊技釘36の露出部が16.8mmである場合には、他の遊技部材を回避することも考慮して、120mm程度が妥当である。
突設部10,11は、本実施例では角柱状であるが、特にこれに限定されず、夫々前記長さを有していればどのような形状でもよい。
なお、本実施例では突設部の数は2本であるが、必要に応じて突設部の本数を増加することは設計変更の範囲内である。
【0024】
図3は、上記傾斜計1によって、遊技盤23の傾斜角を測定する方法を説明する。
【0025】
このような、遊技釘36が多数配された遊技盤23において、まず、遊技釘36の無い部分23aと23bを選択し、突設部10と11を遊技盤23に当接させる。このとき、突設部10と11との間に遊技釘36が配されていたとしても、釘を回避して突設部10と11を遊技盤23に当接できるため、突設部10と11との間の遊技釘36は障害とはならず、突設部10、11は同時に遊技盤23に当接される。
従って、傾斜計1の本体が遊技盤23の傾斜角と同じ傾斜角となり、本体の表示部2には遊技盤23の傾斜角が表示される。
遊技盤23の傾斜角を調整する場合には、調整作業の最後に、上記遊技盤23の傾斜角の測定を行い、適正な傾斜角に調整されたか否かを確認する。
【0026】
図4は、本発明による傾斜計1の他の一例であって、被測定面23の側から前記傾斜計1の対向面3を見た図である。
前記突設部10,11のうち、一方の突設部10が、前記対向面3の面上を移動可能に配設されている場合を示す。突設部10を対向面3の面上を移動可能にする構成は、移動の前後において、突設部10が対向面3の面上の設置角度が変化しないように設置されれば、いかなる構成であってもよい。例えば、対向面3の面上に溝を配し、その溝を突設部10が移動してもよいし、または、突設部10を傾斜計1の本体から分離可能にし、かつ、対向面3を磁性体で構成することによって、突設部10を対向面3上の任意の場所に吸着可能にしてもよい。
【0027】
このような構成による傾斜計1を使用すれば、傾斜計1の突設部10,11が遊技釘36等を回避することができない場合であっても、突設部10,11を遊技盤23に当接することが可能である。そのような場合の測定方法を以下に説明する。
【0028】
まず、遊技盤23の盤面上において、遊技釘36の無い第1の部分23bに突設部11を当接させる。次に、遊技釘36の無い第2の部分23aに合わせて、突設部10を傾斜計1の対向面3上で移動させ、その第2の部分23aに突設部10を当接させる。
突設部10を傾斜計1の対向面3上を移動させることによって、突設部10,11が同時に遊技盤23に当接可能となる。従って、傾斜計の本体1aが遊技盤23の傾斜角と同じ傾斜角となり、本体の表示部2には遊技盤23の傾斜角が表示される。
【0029】
遊技盤23の傾斜角を調整する場合には、調整作業の最後に、上記遊技盤23の傾斜角の測定を行い、適正な傾斜角に調整されたか否かを確認する。
【0030】
図5は、本発明による傾斜計1の他の一例であって、被測定面23の側から前記傾斜計1の対向面3を見た図である。
本実施例による傾斜計1は、傾斜計の本体1aと、その傾斜計の本体1aの対向面3に回動可能に配した回動部材12と、その回動部材12の面上に設けた突設部10及び11からなる。
回動部材12は、その長手方向の中心を対向面3に軸支し、該軸支部分12aを中心に対向面3に沿って左右方向に回動可能に配置されている(矢印a2参照)。
前記突設部10及び11は、夫々、回動部材12上に固定させても良いが、突設部10と11の少なくとも一方を回動部材12の面上で矢印b方向に移動可能に配設させても良い。
【0031】
このような構成において、遊技盤23の傾斜角を測定する場合には、まず、遊技釘36が多数配設された遊技盤23の盤面上において、遊技釘36の無い第1の部分23bに突設部11を当接させる。次に、遊技釘36の無い第2の部分23aに合わせて、回動部材12を所定方向に回動させ、さらに、突設部10を所定方向に移動させることによって、突設部10をその第2の部分23aに当接させる。
回動部材12の回動と突設部10の移動によって、突設部10,11が同時に遊技盤23に当接可能となる。従って、傾斜計の本体1aが遊技盤23の傾斜角と同じ傾斜角となり、本体の表示部2には遊技盤23の傾斜角が表示される。
そして、遊技盤23の傾斜角を調整する場合には、調整作業の最後に、上記遊技盤23の傾斜角の測定を行い、適正な傾斜角に調整されたか否かを確認する。
【0032】
図6は、本発明による傾斜計1の他の一例であって、前記突設部10,11の被測定面23に当接する部分に凹部13,14が設けられている。
その凹部13,14は、遊技盤23の盤面上の突起部である遊技釘36を収容するに十分な広さと深さを有している。
さらに、突設部10は、図4及び図5に示すように移動可能な各構成を設けてもよい。
【0033】
このような構成によれば、前述の各測定方法で遊技盤23の傾斜角を測定する作業においても、突設部10および11が遊技釘36を回避することができない場合にも対処可能である。そのような場合の測定方法を以下に説明する。
【0034】
遊技釘36が多数配された遊技盤23において、突設部11の凹部14が、遊技盤23の第1の部分23dに配された遊技釘36bを内包し、さらに、突設部10の凹部13が、遊技盤23の第2の部分23cに配された遊技釘36aを内包させて、突設部10と11を遊技盤23に同時に当接する。
従って、傾斜計の本体1aが遊技盤23の傾斜角と同じ傾斜角となり、本体の表示部2には遊技盤23の傾斜角が表示される。
【0035】
そして、傾斜計1の突設部10と11の凹部13,14が、夫々、選択した遊技釘36が内包されるように、遊技釘36に突設部10,11を被せ、突設部10,11が遊技盤23に押し付けて当接させる。
突設部10、11の遊技盤23への当接が完了すると、遊技釘36が凹部13,14の内壁の上面に当接して傾斜計1を支持するので、傾斜計1が安定して固定される。
突設部10および11は夫々同じ長さであるので、傾斜計1の傾斜角は遊技盤23の傾斜角と同じ傾斜角となり、本体の表示部2には遊技盤23の傾斜角が表示される。遊技盤23の傾斜角を調整する場合には、調整作業の最後に、上記遊技盤23の傾斜角の測定を行い、適正な傾斜角に調整されたか否かを確認する。
【実施例2】
【0036】
本実施例は、本発明による傾斜計1をあらかじめ所望の傾斜角に固定しておき、遊技盤23を傾斜計1の傾斜角に合わせて調整する方法を説明する。
【0037】
本実施例による傾斜計1は、図7に示すように、傾斜計1の底部が脚部15により、旋回、揺動、回転可能に支持されており、脚部15は、支持部材、例えば三脚16に固定されている。脚部15には、傾斜計1を所望の傾斜角に固定するための固定機構が設けられており、固定機構は、傾斜計1を固定可能であればよく、例えばネジを締めこむことによって傾斜計1が固定されてもよく、または、スナップによって傾斜計1を締め付けるものであってもよい。
さらに、傾斜計1の突設部10は、少なくとも上下方向に移動可能であって、前述の実施例1で説明した、突設部10が傾斜計1の対向面3上を移動する構成であってもよい。
【0038】
このような構成において、まず、遊技盤23の手前側に傾斜計1を設置し、脚部15の固定機構により、あらかじめ、傾斜計1の表示部2の表示を確認しながら、遊技盤23が調整されるべき傾斜角に傾斜計1を固定する。
次に、傾斜計1の一方の突設部、例えば下側の突設部11を遊技盤23に当接させ、他側の突設部、例えば上側の突設部10と遊技盤23との隙間を確認する。
突設部10と遊技盤23に隙間がある場合には、その隙間がなくなるまで遊技盤23の角度を調整する(図中矢印参照。)。
そして、その隙間がなくなって、全ての突設部10,11が遊技盤23に当接したときに、遊技盤23の傾斜は傾斜計1の傾斜角と等しくなり、遊技盤23は調整されるべき傾斜角に調整される。
上記では、遊技盤23が傾きすぎている場合を説明したが、逆に、遊技盤23が起きすぎていた場合には、先に、上側の突設部10を遊技盤23に当接し、下側の突設部11と遊技盤23に隙間が生じることとなる。そして、突設部11と遊技盤23の隙間がなくなるように遊技盤23の傾斜角を調整すれば、遊技盤23は調整されるべき傾斜角に調整される。
【0039】
また、遊技盤23と突設部10または11との隙間が微少である場合には、突設部10を上方へ移動させ、突設部10と突設部11の距離を離すことによって、その隙間が拡大するので、正確な調整をすることができる。
【0040】
なお、遊技盤23に配された遊技部材30が、突設部10,11が遊技盤23に当接することの障害になる場合には、前述の実施例1で説明したように、傾斜計1に突設部10が傾斜計1の対向面3上を移動する構成を設ければ、突設部10,11は遊技部材30を回避して遊技盤23に当接可能となる。
【0041】
図8は、上記した遊技盤23を傾斜計1の傾斜角に合わせて調整する方法の他の変形例であって、傾斜計1の上部に傾斜角を固定可能な吊り下げ部15を設けたものである。
【0042】
傾斜計1の上部は吊り下げ部15により、旋回、揺動、回転可能に支持されており、吊り下げ部15は、吊り下げ部材17に固定され、吊り下げ部材17の他端は、傾斜計1の重量を支持可能な面に固定部材18で固定される。固定部材18は、例えば吸盤や磁石等によって構成される。
吊り下げ部材15には、傾斜計1を所望の傾斜角に固定するための固定機構が設けられており、固定機構は、傾斜計1を固定可能であればよく、例えばネジを締めこむことによって傾斜計1が固定されてもよく、または、スナップによって傾斜計1を締め付けるものであってもよい。
さらに、傾斜計1の突設部10は、少なくとも上下方向に移動可能であって、前述の実施例1で説明した、突設部10が傾斜計1の対向面3上を移動する構成であってもよい。
【0043】
このような構成において、まず、遊技盤23の手前側に傾斜計1を設置し、脚部15の固定機構により、あらかじめ、傾斜計1の表示部2の表示を確認しながら、遊技盤23が調整されるべき傾斜角に傾斜計1を固定する。
次に、傾斜計1の一方の突設部、例えば下側の突設部11を遊技盤23に当接させ、他側の突設部、例えば上側の突設部10と遊技盤23との隙間を確認する。
突設部10と遊技盤23に隙間がある場合には、その隙間がなくなるまで遊技盤23の角度を調整する(図中矢印参照。)。
そして、その隙間がなくなって、全ての突設部10,11が遊技盤23に当接したときに、遊技盤23の傾斜は傾斜計1の傾斜角と等しくなり、遊技盤23は調整されるべき傾斜角に調整される。
上記では、遊技盤23が傾きすぎている場合を説明したが、逆に、遊技盤23が起きすぎていた場合には、先に、上側の突設部10を遊技盤23に当接し、下側の突設部11と遊技盤23に隙間が生じることとなる。そして、突設部11と遊技盤23の隙間がなくなるように遊技盤23の傾斜角を調整すれば、遊技盤23は調整されるべき傾斜角に調整される。
【0044】
また、遊技盤23と突設部10または11との隙間が微少である場合には、突設部10を上方へ移動させ、突設部10と突設部11の距離を離すことによって、その隙間が拡大するので、正確な調整をすることができる。
【0045】
なお、遊技盤23に配された遊技部材30が、突設部10,11が遊技盤23に当接することの障害になる場合には、前述の実施例1で説明したように、傾斜計1に突設部10が傾斜計1の対向面3上を移動する構成を設ければ、突設部10,11は遊技部材30を回避して遊技盤23に当接可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】パチンコ遊技機の一例を示す概略斜視図。
【図2】本発明による傾斜計の一例を示す説明図。
【図3】本発明による傾斜計によって遊技盤の傾斜角を測定する方法を示す説明図。
【図4】被測定面の側から傾斜計を見た側面図。
【図5】被測定面の側から傾斜計を見た側面図。
【図6】凹部が設けられた突設部の説明図。
【図7】脚部を備えた傾斜計の説明図。
【図8】吊り下げ部を備えた傾斜計の説明図。
【符号の説明】
【0047】
1 傾斜計
10,11 突設部
23 被測定面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
突起部を有する被測定面の傾斜角を測定するための複数の突設部を備える傾斜計において、
該突設部は、前記突起部を回避可能な長さを有していることを特徴とする傾斜計。
【請求項2】
突設部の少なくとも1つが、被測定面と平行して対向する傾斜計本体の対向面上を移動可能に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の傾斜計。
【請求項3】
傾斜計の底部には、傾斜計を支持可能な脚部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の傾斜計。
【請求項4】
傾斜計の上部には、傾斜計を支持可能な吊り下げ部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の傾斜計。
【請求項5】
被測定面に当接する傾斜計の突設部には、被測定面に設けられた突起部を収容可能な凹部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の傾斜計。
【請求項6】
被測定面が、弾球遊技機の遊技盤面であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の傾斜計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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