傾斜面を有する寝具用空気袋
【課題】仰臥状態にある人の体位を横向きに傾斜させることにより、いびきの発生を防止し快適な睡眠を確保することができる持ち運び可能なる流体袋を提供する。複数の流体袋を密着して重ね合わせた部分を支点として扇状に傾斜面を形成し、任意の傾斜角度を得ることができる。
【解決手段】寝具上に仰臥する人体を横向きに傾斜させることができる傾斜面を有する流体袋であって、前記流体袋に流体を供給した際に略三角柱状に膨張する二以上の流体袋を少なくとも頂点近傍を密着して重ね合わせ、当該密着して重ね合わせた頂点部分を床面の長手方向に配置し、前記流体袋に流体を供給することによって流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点として扇状に膨張させることによって最上部に重置された流体袋の上面に傾斜面を有する寝具用流体袋である。
【解決手段】寝具上に仰臥する人体を横向きに傾斜させることができる傾斜面を有する流体袋であって、前記流体袋に流体を供給した際に略三角柱状に膨張する二以上の流体袋を少なくとも頂点近傍を密着して重ね合わせ、当該密着して重ね合わせた頂点部分を床面の長手方向に配置し、前記流体袋に流体を供給することによって流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点として扇状に膨張させることによって最上部に重置された流体袋の上面に傾斜面を有する寝具用流体袋である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は傾斜角を形成することができる空気袋に関し、特に就寝中仰臥状態にある人の体位を横向きに傾斜させることができる傾斜面を有する寝具用空気袋に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に就寝中の人の上気道は起床時に比較して狭くなっている。これは睡眠によって顎の筋肉の緊張がとけ顎が喉の奥の方へ下がっていくからである。このために就寝中の人の呼吸抵抗は起床時に比べて大きなものになっている。更に肉体疲労、ストレス、風邪、花粉症、呼吸筋の老化や咽頭や鼻の病気等によって鼻詰まりを起こしている人は苦しさのあまり口を開けて呼吸する。口を開くと口中に空気が入り込み、口中の圧力が上がり、舌の根元がより沈下し、同時に軟口蓋や口蓋垂も下垂して空気の通る道がますます狭くなる。
【0003】
従来いびきを防止する方法としては、市販のいびき薬、各種いびき防止グッズやレーザーメス等を用いた手術等が知られている。
市販のいびき薬、例えば点鼻薬等は鼻粘膜の充血を改善することによりいびきを防止する効果があるが、長く使っていると次第に使用量が増え、副作用の心配も考えられる。
また各種いびき防止グッズの代表的なものとしては、磁気を用いた鼻クリップが知られている。これは鼻の中心部である軟骨部をクリップによって挟むことにより、鼻の通りをスムーズにして呼吸抵抗を小さくし、開口を防止し、いびきの発生原因である上気道を広げ、鼻腔や気道の組織の振動や、空気が通る時の摩擦抵抗量を軽減することによりいびきを防止するものである。
【0004】
又、別のいびき防止グッズとしては、プラスチック製のマスクを装着し、空気を送り込む装置をマスクに管で繋いで空気を送り込む。この空気の圧力が閉塞した上気道を広げることによりいびきや無呼吸を防ぐことができる。
しかしこれらのいびき防止グッズは毎晩装着する必要があり、就寝中に無意識に鼻をこすったり、外してしまったりすることも多く、誤飲や鼻の粘膜を傷付けるといった危険性もある。また、一体のマスクを複数人によって使用するのは衛生上好ましくないという欠点もある。また夏場はプラスチック製のマスクで汗をかき衛生上好ましくない。さらに取り外しが必要なので、夜中に起き上がる際に煩雑であった。
【0005】
このような欠点を防止するものとして、ベッドの短手方向半分を可動とし、該可動部における傾斜角度を調整するいびき防止用ベッドが知られている(特許文献1参照)。さらに可動式ベッドとしては特許文献2に開示された技術が存在する。
しかし、上記のベッドはベッド本体を可動するためにシリンダ等の装置が必要であり、手軽に持ち運ぶことが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3715900号公報
【特許文献2】特開昭63−222711号公報
【特許文献3】特許第1945996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、仰臥状態にある人の体位を横向きに傾斜させることにより、いびきの発生を防止し快適な睡眠を確保することができ、持ち運びが可能な寝具用流体袋を提供することにある。
また本発明の他の目的は、複数の流体袋を密着して重ね合わせた部分を支点として扇状に傾斜面を形成することができ、任意の傾斜角度を得ることができる流体袋を提供することにある。
【0008】
また本発明の他の目的は、傾斜面を形成した際に人体の滑り止めを防止することができる空気袋を提供することを目的とする。
さらに本発明の他の目的は、ベッド本体の可動に伴う人体の体位が変わることによって人体の転落を防止することにもある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)寝具上に仰臥する人体を横向きに傾斜させることができる傾斜面を有する流体袋であって、流体を供給することによって略三角柱状、球状、又は円柱状のいずれか一の形状に膨張する流体袋を傾斜面の下に配置し、前記傾斜面の長手方向一端部を支持部として床面の長手方向に配置し、前記流体袋に流体を供給することによって前記傾斜面の支持部を支点として傾斜面に傾斜角を形成することを特徴とする傾斜面を有する寝具用流体袋である。
(2)寝具上に仰臥する人体を横向きに傾斜させることができる傾斜面を有する流体袋であって、前記流体袋に流体を供給した際に略三角柱状に膨張する二以上の流体袋を少なくとも頂点近傍を密着して重ね合わせ、当該密着して重ね合わせた頂点部分を床面の長手方向に配置し、前記流体袋に流体を供給することによって流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点として扇状に膨張させることによって最上部に重置された流体袋の傾斜面に傾斜角を形成する傾斜面を有する寝具用流体袋である。
(3)前記傾斜面における支持部近傍に、長手方向に沿って凸状体を設けることによって傾斜面を形成した際に人体の側面が当該凸状体に密着することによって人体の滑りを防止することができる上記(1)又は(2)記載の傾斜面を有する寝具用流体袋である。
【0010】
(4)前記各流体袋に供給する流体量を調整することによって、前記最上部に重置された流体袋の傾斜面を傾斜角度35〜80°の範囲で調整することができる上記(1)乃至(3)のいずれか一に記載された傾斜面を有する寝具用流体袋である。
(5)前記流体袋の傾斜面に、寝具上に仰臥する人体が収まる大きさの凹部が形成されていることを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれか一に記載された傾斜面を有する寝具用流体袋である。
(6)前記流体袋に供給される流体が気体である場合において当該気体を供給することによって傾斜面を形成した際に、前記傾斜面に穿設された細孔より暖気又は冷気を噴射させることを特徴とする上記(1)乃至(5)のいずれか一に記載された傾斜面を有する寝具用流体袋である。
(7)前記流体袋を長手方向に二以上分断して縦置し、各流体袋に供給される流体量を調整することにより、各流体袋の膨張硬度の調整することができる上記(1)乃至(6)のいずれか一に記載された傾斜面を有する寝具用流体袋である。
【0011】
(8)上記(1)乃至(7)のいずれか一に記載された傾斜面を有する寝具用流体袋を寝台上に配置し、寝具用流体袋が前記寝台全面の半分以上の面積を占めるように短手方向片側に配置されたことを特徴とするいびき防止用安眠ベッドである。
(9)前記寝台上における流体袋が配置されている長手方向端部と他端の長手方向端部近傍に凸状の落下防止用ストッパが設置されていることを特徴とする上記(8)記載のいびき防止用安眠ベッドである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、仰臥状態にある人の体位を横向きに傾斜させることにより、いびきの発生を防止し快適な睡眠を確保することができる持ち運び可能な寝具用流体袋を提供する効果を奏する。
また本発明の他の目的は、複数の流体袋を密着して重ね合わせた部分を支点として扇状に傾斜面に傾斜角を形成することができ、任意の傾斜角度を得ることができる寝具用流体袋を提供するという効果を奏する。
また本発明は、傾斜角を形成した際に人体の滑り止めを防止することができる寝具用流体袋を提供するという効果を奏する。
さらに本発明は、ベッド本体の可動に伴う人体の体位が変わることによって人体の転落を防止することができる寝具用流体袋を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る実施形態1の斜視図である。
【図2】図1に係る傾斜角度の調整を表す正面概念図である。(a)は流体袋を膨張させる前の状態を示す図、(b)は一の流体袋を膨張させた状態を示す図、(c)は流体袋を完全に膨張させた状態を示す図である。
【図3】本発明に係る実施形態2の斜視図である。
【図4】本発明に係る実施形態3の斜視図である。
【図5】本発明に係る実施形態4の斜視図である。
【図6】本発明に係る実施形態5の斜視図である。
【0014】
【図7】本発明に係る実施形態6の斜視図である。
【図8】本発明に係る実施形態7の斜視図である。
【図9】本発明に係る実施形態8の斜視図である。
【図10】本発明に係る寝具用空気袋の一例を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る寝具用空気袋を流体袋の配置されている側からみた側面概念図である。
【図12】本発明に係る実施形態11の正面概念図である。
【図13】本発明に係る実施形態12の斜視図である。
【図14】本発明に係る実施形態13の斜視図である。
【図15】本発明に係る実施形態13の正面概念図である。
【図16】本発明に係る実施形態14の正面概念図である。
【図17】本発明に係る実施形態14に使用される流体袋の断面概念図である。
【図18】本実施例に係る寝具用流体袋の斜視図である。
【図19】本実施例に係るいびき防止用安眠ベッドの制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態は本発明の例示であって本発明を以下の形態に限定するものではない。
実施形態1
図1は、本発明に係る実施形態1の斜視図である。
図1に示す如く、実施形態1に係る寝具用流体袋1は、図示しない人体を横向きに傾斜させることができる傾斜面2を有するものである。
本実施形態1における流体袋は、略三角柱状の二体の流体袋3A,3Bを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせた重ね合わせ部4を有する。本実施形態1における流体袋においては、かかる重ね合わせ部4が支持部となる。
前記流体袋3A,3Bの重ね合わせた頂点部分(重ね合わせ部4の根元)を床面の長手方向に配置し、各流体袋3A,3Bに図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点5として図に示す如く扇状に膨張させることができる。そして流体を送り込み流体袋を膨張させると、流体袋の最上部に位置する流体袋3Aの傾斜面2に傾斜角を形成することできる。
【0016】
実施形態1に用いる流体としては、水や油等の液体、空気や窒素等の気体が挙げられる。取り扱いや移動便宜に鑑みると空気を利用するのが好ましい。
ここで前記流体袋に供給する流体量を調整することによって、流体袋の傾斜面を支点からの傾斜角度30〜80°の範囲で調整することができる。傾斜角30°未満ではいびきを防止する際に効果が期待できず、80°を超えると横向きとなった人体が回転する可能性が高くなるため好ましくない。好ましくは35〜75°が、より好ましくは45〜70°である。
【0017】
このような傾斜角度の調整は、前記流体袋3A,3Bの膨張率を調整することによる。図2(a)に示す如く、寝具7上に仰臥する人体Pが、いびきをかきはじめた場合、図2(b)に示す如く流体袋3Aのみを膨張させて傾斜角度を付加する。このような角度でいびきがおさまらない場合は、更に3Bに流体を供給することによって、傾斜面2の傾斜角度を上げることが可能である。
また複数の流体袋を多重式とすることによって傾斜角度を最大の80°に設定した場合であっても従来よりも短時間で所定傾斜角度を得ることが可能となった。また多重式を採用すれば、流体圧を抑制することもでき、傾斜時間の短縮も可能となったことから消費電力をおさえることができ、現在問題となっているCO2の削減に寄与することも可能である。
【0018】
ここで、流体袋に用いられる材料としては、可撓性があれば特に制限はないが、軟質塩化ビニル、テフロン(登録商標)66、ナイロン材、ポリエステル材、プラスチック材、ラミネート材、ウレタン材等が好ましい。これらの材料は膨縮を繰り返しても屈曲性、耐久性に優れ、軽量であり持ち運びの際にも極めて有用である。
また流体袋の裏面には生ゴムを吹き付け等によって塗布してもよい。生ゴムを被覆することによって、より機密性が向上するため好ましい。
この際、最上部に位置する流体袋3Aの傾斜面2には、少し固めで厚いシートを積層すると良い。例えば、ウレタン樹脂等の表層用シートを被覆するのが好ましい。また硬質ウレタン樹脂と軟質塩ビ等の軟質ウレタン樹脂とを積層して用いても良い。表層用シートの材料としては、仰臥している人体が沈み込まないようにするために適していればどのような材料を用いても良い。
またはポリエステル等の通気性のある材料を表層用シートとして採用しても良いし、ウレタン樹脂と通気性のある材料を積層して構成しても良い。
さらに最上部には予め気体を充填して膨らませておいたエアーマットを積層しても良い。
このような寝具用空気袋1は、携帯することも可能であり、例えば旅先の旅館の布団やベッド上に設置して使用することも可能である。
【0019】
実施形態2
図3は、本発明に係る実施形態2の斜視図である。図1と同じ機能を有する部材については、図1と同じ符号を使用する。
図3に示す如く、実施形態2に係る寝具用流体袋30は図示しない人体を横向きに傾斜させることができる傾斜面2を有するものである。
【0020】
流体袋は、略三角柱状の二体の流体袋3A,3Bを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせた重ね合わせ部(支持部)4を有する。このような構造において、各流体袋3A,3Bに図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、前記流体袋3A,3Bの頂点(重ね合わせ部4の根元)を床面の長手方向に配置し、前記流体袋に流体を供給することによって流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点5として図に示す如く扇状に膨張させることができる。そして流体を送り込み流体袋を膨張させると、流体袋の最上部に位置する流体袋3Aの上面の傾斜面2に傾斜角を形成することできる。
【0021】
本実施形態2に係る寝具用流体袋30においては、更に前記最上部に位置する流体袋3Aの上面であって支点5近傍において、長手方向に沿って凸状体34が設けられている。かかる凸状体34を形成することによって、傾斜面2を形成した際に、人体の肩部等が凸状体34に接触することによって、人体の傾斜面2からの滑落を防止することができる。傾斜面2を設けても人体がベッド等の平坦部に滑落してしまうと、人体を横向きにすることができず、本発明の効果が得られない可能性がある。ベットからの落下を防止する技術は知られていたが、本実施形態2における凸状体34を用いれば、人体の滑落を防止するという優れた効果を奏する。
さらに流体袋の上面において人体の重量を支えるために硬質材料のフレームを短手方向に内臓して張り渡しても良い。例えば、図3の点線で示したフレーム36を任意に配置することができる。フレーム36は、例えば形状記憶合金等の金属金具やプラスチック等の硬質材料によって形成することができる。
【0022】
実施形態3
図4は、本発明に係る実施形態3の斜視図である。
図4に示す如く、実施形態3に係るいびき防止用安眠ベッド40は、傾斜面42を有する流体袋を寝台51上に配置し、寝具用流体袋が前記寝台51全面の半分以上の面積を占めるように短手方向片側に配置されている点に特徴を有する。寝台51の表面はウレタン樹脂からなる表層用シート48が全面に貼られており、その表層用シート48上に寝具用流体袋と後述する落下防止用ストッパ49が載置されている。
【0023】
流体袋は、略三角柱状の三体の流体袋43A,43B,43Cを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせた重ね合わせ部(支持部)44を有する。このような構造において、各流体袋43A,43B,43Cに図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、前記流体袋43A,43B,43Cの頂点(重ね合わせ部44の根元)を床面の長手方向に配置し、前記流体袋に流体を供給することによって流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点として図に示す如く扇状に膨張させることができる。そして流体を送り込み流体袋を膨張させると、流体袋の最上部に位置する流体袋43Aの上面の傾斜面42に傾斜角を形成することできる。
【0024】
本実施形態3に係るいびき防止用安眠ベッド40においては、更に寝台51の表層用シート48上に流体袋が配置されている長手方向端部と他端の長手方向端部近傍に凸状の落下防止用ストッパ49が設置されている。かかる落下防止用ストッパ49は、傾斜面42により反転した人体が寝台51から落下することを防止している。
【0025】
実施形態4
図5は、本発明に係る実施形態4の斜視図である。図4と同じ機能を有する部材については、図4と同じ符号を使用する。
図5に示す如く、実施形態4に係るいびき防止用安眠ベッド50は、傾斜面42が形成された寝具用流体袋を寝台51上に配置し、寝具用流体袋が前記寝台51全面の半分以上の面積を占めるように短手方向片側に配置されている点に特徴を有する。本実施形態4においては、巾方向の約2/3の部分に流体袋の支点45が配置されている。寝台51の表面はウレタン樹脂からなる表層用シート48が全面に貼られており、その表層用シート48上に寝具用流体袋と後述する落下防止用ストッパ49及び流体枕46が載置されている。
【0026】
流体袋は、略三角柱状の三体の流体袋43A,43B,43Cを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせた重ね合わせ部(支持部)を有する。このような構造において、各流体袋43A,43B,43Cに図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、前記流体袋43A,43B,43Cの頂点(重ね合わせ部の根元)を床面の長手方向に配置し、前記流体袋に流体を供給することによって流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点45として図に示す如く扇状に膨張させることができる。そして流体を送り込み流体袋を膨張させると、流体袋の最上部に位置する流体袋43Aの上面の傾斜面42に傾斜角を形成することできる。
この際、最上部に位置する流体袋43Aの傾斜面42には、少し固めで厚いシートを積層すると良い。例えば、ウレタン樹脂等の表層用シートを被覆するのが好ましい。仰臥している人体が沈み込まないようにするためである。さらに流体袋43Aと43B及び\又は43Bと43Cの境界部にウレタン樹脂等のシートを挟持しても良い。
【0027】
本実施形態4に係るいびき防止用安眠ベッド50においては、更に前記最上部に位置する流体袋43Aの上面であって支点45近傍において、長手方向に沿って凸状体54が設けられている。かかる凸状体54を形成することによって、傾斜面42を形成した際に、人体の肩部等が凸状体54に接触することによって、人体の傾斜面42からの滑落を防止することができる。傾斜面42を設けても人体がベッド等の平坦部に滑落してしまうと、人体を横向きにすることができず、本発明の効果が得られない可能性がある。
本実施形態4に係るいびき防止用安眠ベッド50においては、更に寝台51の表層用シート48上に流体袋が配置されている長手方向端部と他端の長手方向端部近傍に凸状の落下防止用ストッパ49が設置されている。かかる落下防止用ストッパ49は、傾斜面42により反転した人体が寝台51から落下することを防止している。
【0028】
また本実施形態4においては傾斜時に流体枕46が流体膨張によって形成されるようになっている。傾斜面42が形成され、人体が横向きになった際に、寝台51上の平坦部55に人体の頭部が横向きに載置される。この際、図示しない流体経路より流体を流体枕46内に供給することによって、寝台51上における流体袋の反対側の平坦部55上の人体の頭部の位置に配置された流体枕46が人体の肩幅の高さ分だけ膨張することになる。かかる流体枕46を設け、流体袋を膨張させると共に枕の下に配置されている流体枕も膨張し始めるので、枕の人体が反転した際にも人体の頭部が自然に平坦部上に移動することから、就寝者の体。頭部分等に疲れないという効果を奏する。さらに流体枕46上には、いびきを検知するためのマイク56が設置されている。かかるマイク56は図示しない人体より発生したいびきを電気信号に変換して図示しない制御装置に送信する。
【0029】
実施形態5
図6は、本発明に係る実施形態5の斜視図である。
図6に示す如く、実施形態5に係る寝具用流体袋60は人体Pを横向きに傾斜させることができる傾斜面62を形成するものである。
【0030】
流体袋は、略三角柱状の二体の流体袋63A,63Bを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせた重ね合わせ部(支持部)を有する。このような構造において、各流体袋63A,63Bに図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、前記流体袋63A,63Bの頂点(重ね合わせ部の根元)を床面の長手方向に配置し、前記流体袋に流体を供給することによって流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点として図に示す如く扇状に膨張させることができる。そして流体を送り込み流体袋を膨張させると、流体袋の最上部に位置する流体袋63Aの上面の傾斜面62に傾斜角を形成することできる。
【0031】
本実施形態5に係る寝具用空気袋60においては、前記最上部に重置された流体袋63Aの傾斜面62に、図6に示す如く寝具上に仰臥する人体Pが収まる大きさの凹部65が形成されていることを特徴とする。かかる凹部65は深さが30〜150mm、好ましくは50〜100mm、より好ましくは60mm〜80mmである。
また、前記流体袋63Aに供給される流体が気体である場合において当該気体を供給することによって傾斜面62を形成した際に、前記傾斜面62の凹部65に穿設された複数の細孔66より暖気又は冷気を噴射させることができる。
【0032】
細孔66は任意の大きさ及び数を穿設することができる。例えば、直径20μm〜100μmの細孔66を、幅方向に60個×長手方向180個形成した場合、計3.8mm2〜5.2mm2の気体噴射面積を確保することが可能である。
上記構造を設けることによって、人体の加重が加わると、ミクロの孔が人体で押されて開口し、冬場は暖かい空気を噴出することができ、体が温まり冷え性等が改善される。一方、夏場は冷たい空気を噴出させることもできる。ただし、人体で押されない状態で開口するように構成しても良い。
また上記構造を設けることによって、流体袋に供給された空気等が少しずつ時間をかけて細孔から排出される。そして最上部の流体袋の空気等が排出された後、二段目の空気を排出するようにエアー弁を信号によって解放することができる。
【0033】
実施形態6
図7は、本発明に係る実施形態6の斜視図である。本実施形態6は、2名で使用可能な寝具用流体袋である。
図7(a)は、寝具上に仰臥する2体の人体P1及びP2を頭部方向から視た正面概念図である。図7(b)は人体P1及びP2を横向きに傾斜させた状態を示す正面概念図である。
【0034】
本実施形態6は表層用シート78上に寝具用流体袋を二体設置したものである(符号70A,70B)。夫々の流体袋は、略三角柱状の二体の流体袋73A,73Bを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせて構成されている。このような構造において、各流体袋73A,73Bに図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、前記流体袋73A,73Bの頂点(重ね合わせ部の根元)を床面の長手方向に配置し、前記流体袋に流体を供給することによって流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点として図7(b)に示す如く扇状に膨張させることができる。そして流体を送り込み流体袋を膨張させると、流体袋の最上部に位置する流体袋73Aの上面の傾斜面72に傾斜角を形成することできる。
二体の寝具用流体袋70A及び70Bは、別々に可動することができる。すなわち、人体P1よりいびきが発生した場合は、寝具用流体袋70Aのみ可動させることができる。
【0035】
本実施形態6に係る寝具用流体袋においては、更に表層用シート78上に設置された寝具用流体袋70Bの側方に凸状の落下防止用ストッパ79が設置されている。かかる落下防止用ストッパ79は、寝具用流体袋70Bの傾斜面72より反転した人体が表層用シート78から落下することを防止している。
また本実施形態6においては傾斜時に流体枕76A、76Bが流体膨張によって形成されるようになっている。傾斜面72に傾斜角が形成され、人体が横向きになった際に、表層用シート78上の平坦部に人体の頭部が横向きに載置される。この際、図示しない流体経路より流体を流体枕76A,76B内に供給することによって、表層用シート78上における流体袋の反対側の平坦部上の人体の頭部の位置に配置された流体枕76A,76Bが人体の肩幅の高さ分だけ膨張することになる。かかる流体枕76A,76Bを設けることによって、人体が反転した際にも人体の頭部が自然に平坦部上に移動することから、就寝者の快適な睡眠を確保することができる。
【0036】
実施形態7
図8は 本発明に係る実施形態7の斜視図である。本実施形態7は、2名で使用可能な寝具用流体袋の他の実施形態である。
図8は、寝具上に仰臥する人体P1及びP2を頭部方向から視た正面概念図であって、人体P1及びP2を横向きに傾斜させた状態を示す図である。
【0037】
本実施形態7は表層用シート88上に寝具用流体袋を二体設置したものである(符号80A,80B)。夫々の流体袋は、略三角柱状の二体の流体袋83A,83Bを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせて構成されている。このような構造において、各流体袋83A,83Bに図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、前記流体袋83A,83Bの頂点(重ね合わせ部の根元)を床面の長手方向に配置し、前記流体袋に流体を供給することによって流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点として図8に示す如く扇状に膨張させることができる。そして流体を送り込み流体袋を膨張させると、流体袋の最上部に位置する流体袋83Aの上面の傾斜面82に傾斜角を形成することできる。かかる傾斜面82の傾斜角は左右対称形になるように形成されている。
二体の寝具用流体袋80A及び80Bは、別々に可動することができる。すなわち、人体P1よりいびきが発生した場合は、寝具用流体袋80Aのみ可動させることができる。
【0038】
また本実施形態7においては傾斜時に流体枕86A、86Bが流体膨張によって形成されるようになっている。傾斜面82に傾斜角が形成され、人体が横向きになった際に、表層用シート88上の平坦部に人体の頭部が横向きに載置される。この際、図示しない流体経路より流体を流体枕86A,86B内に供給することによって、表層用シート88上における流体袋の反対側の平坦部上の人体の頭部の位置に配置された流体枕86A,86Bが人体の肩幅の高さ分だけ膨張することになる。かかる流体枕86A,86Bを設けることによって、人体が反転した際にも人体の頭部が自然に平坦部上に移動することから、就寝者の快適な睡眠を確保することができる。
【0039】
実施形態8
図9は、本発明に係る実施形態8の斜視図である。特に流体袋に流体を供給する接続構造に関する。
図9に示す如く、実施形態8に係る寝具用空気袋90は、図示しない人体を横向きに傾斜面92を傾斜させることができる。
【0040】
流体袋は、略三角柱状の二体の流体袋93A,93Bを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせた重ね合わせ部(支持部)94を有する。このような構造において、各流体袋93A,93Bの側面には夫々2箇所にカプラ97A,97B,97C,97Dが設けてある。さらに正面にはカプラ97E,97Fが設けられている。また背面(図には示されていない)等にも夫々複数のカプラを設けることができる。前記流体袋93A,93Bの頂点(重ね合わせ部94の根元)を床面の長手方向に配置した後、流体管98を任意のカプラに接続することによって、前記流体袋に流体を供給することによって流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点95として図8に示す如く扇状に膨張させることができる。そして流体を送り込み流体袋を膨張させると、流体袋の最上部に位置する流体袋93Aの傾斜面92に傾斜角を形成することできる。
符号96は、傾斜面92が傾斜した際に、仰臥している人体の左足の滑落を防止するためのストッパーである。人体が横向きになった際に右足と左足とで、ストッパーを挟むようにすれば、左足の股関節の疲労を抑止することができる。好ましくは、ストッパー96の巾を50mm〜200mmとするのが好ましい。
なお図9においては、このように複数のカプラを接続することによって、寝具用空気袋90をベッドの右半分に設置した場合、左半分に設置した場合、また流体袋は右肩が傾斜する方法が主流であるが、左肩が傾斜するようにしても良い。この際も就寝者の頭部から離れた足元の位置のカプラを選択して流体管98を接続することができるので、流体供給時の騒音によって就寝が妨げられることがなくなる。
【0041】
実施形態9
図10は、本発明に係る寝具用空気袋の斜視図である。
図10に示す如く、実施形態9に係る寝具用空気袋100は図示しない人体を横向きに傾斜面を傾斜させることができる。
【0042】
流体袋は、略三角柱状の四体の流体袋103A,104A,105A,106Aと一体の103Bを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせる。このような構造において、各流体袋103A,104A,105A,106A及び103Bに図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点として扇状に膨張させることができる。そして流体を送り込み流体袋を膨張させると、流体袋の最上部に位置する流体袋103A,104A,105A,106Aの傾斜面に傾斜角を形成することできる。仰臥する人体における頭部は106Aに、上半身は105Aに、腰部は104Aに、足部は103Aに配置されるように構成されている。
ここで本実施形態9に係る寝具用空気袋100は、流体袋103A,105A,106A及び103Bへは0.5kg/cm2〜1.0kg/cm2(0.05MPa〜0.1Mpa)、好ましくは0.3〜0.8kg/cm2(0.03MPa〜0.08MPa)、より好ましくは0.1〜0.5kg/cm2(0.01MPa〜0.05MPa)の圧力になるように空気を供給し、流体袋104Aへは常に前述の流体袋に比較して低圧力になるように0.3kg/cm2〜0.8kg/cm2(0.03MPa〜0.08MPa)の範囲で空気を供給することができる。
【0043】
実施形態10
図11は、本発明に係る寝具用空気袋を流体袋の配置されている側からみた側面概念図である。
図11に示す如く、実施形態10に係る寝具用空気袋110は図示しない人体を横向きに傾斜面を傾斜させることができる。
【0044】
流体袋は、略三角柱状の一体の113Aと、四体の流体袋113B,114B,115B,116Bを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせる。このような構造において、各流体袋113A及び113B,114B,115B及び116Bに、図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点として扇状に膨張させることができる。そして流体を送り込み流体袋を膨張させると、流体袋の最上部に位置する流体袋113Aの傾斜面に傾斜角を形成することできる。仰臥する人体における頭部は113Bに、上半身は114Bに、腰部は115Bに、足部は116Bの位置に配置されるように構成されている。
【0045】
ここで本実施形態10に係る寝具用空気袋110は、流体袋113A,113B,114B及び116Bへは0.5kg/cm2〜1.0kg/cm2(0.05MPa〜0.1Mpa)、好ましくは0.3〜0.8kg/cm2(0.03MPa〜0.08MPa)、より好ましくは0.1〜0.5kg/cm2(0.01MPa〜0.05MPa)の圧力になるように空気を供給し、流体袋115Bへは常に前述の流体袋に比較して低圧力になるように0.3kg/cm2〜0.8kg/cm2(0.03MPa〜0.08MPa)の範囲で空気を供給することができる。
上記構成を採用することによって、二段目で流体圧を変えても最上部の流体袋によって自然な圧変化を人体に加えることができ、腰痛を持つ人に適した寝具を提供することができ、継ぎ目がなく肌触りも良いので年配者にも適した寝具を提供することができる。
【0046】
実施形態11
図12は、本発明に係る実施形態11の正面概念図である。本実施形態11は、左右両方の傾斜を任意に選択可能な寝具用流体袋である。
本実施形態11は寝台148上に寝具用流体袋を二体設置したものである(符号140A,140B)。図12において、傾斜面140Bは傾斜していない状態にある。夫々の流体袋は、略三角柱状の二体の流体袋143A,143Bを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせて構成されている。このような構造において、各流体袋143A,143Bに図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、前記流体袋143A,143Bの頂点(重ね合わせ部の根元)を床面の長手方向に配置し、流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点として図12に示す如く寝具用流体袋140Bを扇状に膨張させることができる。そして流体を送り込み流体袋を膨張させると、流体袋の最上部に位置する流体袋143Aの傾斜面142に傾斜角を形成することできる。
二体の寝具用流体袋140A及び140Bは、就寝前に任意に可動を選択することができる。すなわち、好みに応じて左右の傾斜を選択できる点に特徴を有している。
【0047】
本実施形態11に係る寝具用流体袋においては、寝具用流体袋140Aの上に重ねた寝具用流体袋140Bの滑りを防止するために、流体袋における重ね合わせた頂点部分にマグネット147を配置している。更に前記マグネット147と密着するマグネット149は寝台148に内臓されている。
寝具用流体袋140Bの滑りを防止する構造としては、他の構造を採用しても良い。例えば、寝具用流体袋140Aの上面にリング状の輪を形成しておいて、その輪に寝具用流体袋140Bの端部に設けられた二本の紐を結び付けて固定しても良い。
【0048】
実施形態12
図13は、本発明に係る実施形態12の斜視図である。
図13に示す如く、実施形態12に係るいびき防止用安眠ベッド150は、傾斜面152を有する流体袋153A,153B,153Cを寝台151上に配置し、寝具用流体袋が前記寝台151全面の半分以上の面積を占めるように短手方向片側に配置されている点に特徴を有する。寝台151の表面はウレタン樹脂からなる表層用シート158が全面に貼られている。
【0049】
流体袋は、球状の三体の流体袋153A,153B,153Cを長手方向に並べて配置して形成している。流体袋を球状に形成することにより、内部気圧が略均等に分散されるため、傾斜角形成時間を短縮することができ、また空気圧が球体内全体に均一にかかるため、長期間に渡って流体袋の破損を防止することができる。また、傾斜面152は、硬質ウレタン樹脂板154と軟質ウレタン樹脂又はエアーマット155を積層することによって形成されている。
前記流体袋153は、大きさを変化させても良い。例えば、膨張した際の直径について153Aを500mm、153Bを400mm、153Cを300mmに制御することによって、頭部方向を傾斜角を大きくし、脚部に向って傾斜角を小さくし、傾斜面152の傾斜角に変化をもたせることができる。
このような構造において、傾斜面152の支持部を床面の長手方向に配置し、各流体袋153A,153B,153Cに図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、傾斜面152の根元を支点として傾斜面152に傾斜角を形成することできる。
【0050】
実施形態13
図14は、本発明に係る実施形態13の斜視図である。
図14に示す如く、実施形態13に係るいびき防止用安眠ベッド160は、傾斜面162を有する流体袋163を寝台161上に配置し、寝具用流体袋163が前記寝台161全面の半分以上の面積を占めるように短手方向片側に配置されている点に特徴を有する。寝台161の表面はウレタン樹脂からなる表層用シート168が全面に貼られている。
【0051】
流体袋は、円柱状の流体袋163が配置して形成されている。また、傾斜面162は、硬質ウレタン樹脂板164と軟質ウレタン樹脂又はエアーマット165を積層することによって形成されている。
このような構造において、傾斜面162の支持部を床面の長手方向に配置し、各流体袋163に図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、傾斜面162の支持部を支点として傾斜面162に傾斜角を形成することできる。
図15は、本実施形態13に係るいびき防止用安眠ベッド160の正面概念図である。
このような構造において、各流体袋163に図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、前記流体袋163の支持部を支点として図15に示す如く傾斜面162に傾斜角度を形成することができる。
かかる流体袋163は、ポリエステル、軟質塩ビ、ウレタン樹脂、ナイロン等によって形成されている内層174と繊維生地による外層175から形成されている。外層175は、内層の膨張を制御するものである。外層は、麻、ナイロン製生地、綿、フッ素樹脂等の圧力に耐える生地によって形成されている。外層の材料は、弾力性、耐久性があれば特に材料は限定されない。
傾斜面162の底面には、長手方向に沿って両端2箇所に、脚部167が形成されている。脚部167は、傾斜面162を寝台161とフラットにした場合に、空気の抜けた流体袋を収納する空間を傾斜面162の下方に形成する機能を有する。
さらに傾斜面162の支持部に角度検出装置を備えても良い。傾斜角を形成する際に、角度を検出して、傾斜面162の傾斜角を制御することができる。
【0052】
実施形態14
図16は、本発明に係る実施形態14の斜視図である。
図16に示す如く、実施形態14に係るいびき防止用安眠ベッド170は、傾斜面172を有する一体の流体袋173を寝台171上に配置し、寝具用流体袋173が前記寝台171の図示しない人体の頭部部分の下方に配置されている点に特徴を有する。寝台171の表面はウレタン樹脂からなる表層用シート178が全面に貼られている。
【0053】
流体袋173としては、球状のものが配置されている。また、傾斜面172は、硬質ウレタン樹脂板174と、軟質ウレタン樹脂又はエアーマット175を積層することによって形成されている。
さらに流体袋173に空気を供給した際に、寝台171の短手方向外側への流体袋173の移動を防止するために、ずれ防止網177が張り渡されている。かかるずれ防止網177は、布や革等の可撓性があり、傾斜面172を寝台171とフラットにした際に折り畳める素材で形成されている。
このような構造において、傾斜面172の支持部を床面の長手方向に配置し、各流体袋173に図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、傾斜面172の根元を支点として傾斜面172に傾斜角を形成することできる。
【0054】
図17は、本実施形態14に使用される流体袋173の断面概念図である。
かかる流体袋173は、外層180と、内層181の二層から形成されている。内層の内側には空気184が充填されている。符号186は、図示しない流体経路より流体を流体袋173内部に搬送するための流体経路の一部である。
前記外層180は、耐圧力、耐久性のある麻、ナイロン製生地、綿、フッ素樹脂等の繊維生地によって形成されている。前記内層181は、ポリエステル、ウレタン、ウレタンゴム、ナイロン、軟質塩化ビニル等の材料によって形成されるが、弾力性、耐久性があれば材質は問わない。外層180は、内層181の膨張を制御する機能を有する。
【実施例】
【0055】
本発明に係る傾斜面を形成する寝具用流体袋の実施例について図面に則して説明する。
図18は、本実施例に係る寝具用流体袋120の斜視図である。
図18に示す如く、本実施例に係る寝具用空気袋120は人体Pを横向きに傾斜させることができる傾斜面122が形成されたいびき防止用安眠ベッドである。
【0056】
実施例に使用される流体袋は、略三角柱状の三体の流体袋123A,123B,123Cを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせた重ね合わせ部を有する。このような構造において、各流体袋123A,123B,123Cには流体供給管136より流体を送り込むことにより、前記流体袋123A,123B,123Cの頂点を支点として図に示す如く扇状に膨張させることができる。流体を送り込み流体袋123A,123B,123Cを膨張させると、流体袋123の最上部に位置する流体袋123Aの上面に傾斜面122を形成することできる。
【0057】
本実施例に係る寝具用空気袋120においては、更に前記最上部に位置する流体袋123Aの上面であって支点近傍において、長手方向に沿って凸状体124が設けられている。かかる凸状体124を形成することによって、傾斜面122を形成した際に、人体Pの肩部等が凸状体124に接触することによって、人体の傾斜面122からの滑落を防止することができる。本実施例における凸状体124を用いれば、人体Pの滑落を防止するという優れた効果を奏する。
また本実施例においては、図16に示す如く寝具用流体袋は寝台127の巾方向の半分より多くの面積を占めている点に特徴を有する。
【0058】
また本実施例においては傾斜時に流体枕126が流体膨張によって形成されるようになっている。傾斜面122が形成され、人体Pが横向きになった際に、寝台127上の平坦部に人体Pの頭部が横向きに載置される。この際、流体供給管135より空気を流体枕126内に供給することによって、寝台127上の傾斜部分の反対側の平坦部の人体Pの頭部の位置に配置された流体枕126が膨らみ、枕が肩幅の高さに調整される。
また人体Pの喉には、いびきを検知するための咽喉マイク138が設置されている。かかる咽喉マイクは人体Pより発生したいびきを電気信号に変換して制御装置に送信する。
さらに前記寝台上における流体袋が配置されている端部と他端長手方向に凸状の落下防止用ストッパ129が設置されている。このような落下防止用ストッパ129は、人体Pの寝台からの落下を防止する効果を有する。
【0059】
本実施例において、流体としては空気を用いている。空気の供給は周知の方法を用いることができる。
ここでは、給気ポンプ131と、切替弁及び排気弁を内蔵した弁機構130と具備している。給気ポンプ131より取り込まれた空気は弁機構130の切替弁を介して流体供給管135,136より流体袋123A,123B,123C、流体枕126、凸状体124、落下防止用ストッパ129に供給される。
この際、必要に応じて部分的に空気の供給を制御することが可能である。例えば、流体袋123Aに空気を供給し、流体袋123B及び123Cに空気を供給しないことによって比較的緩い傾斜角の傾斜面122を形成することができる。また必要に応じて流体枕126や落下防止ストッパ129を使用しないことも可能である。
【0060】
本実施例における弁機構130は、給気ポンプ131からの圧搾空気を送る際に、流体供給管135,136を連通せしめる給気状態と、前記流体袋123A等から流体供給管136等を介して逆流しようとする空気の流れを止める閉栓状態と、空気を逆流させて排気弁132より外部へ排気せしめる排気状態とを任意に切り替える機能を具備している。
給気ポンプ131としては、ダイアフラム方式、モーター方式、ロータリー方式等のポンプを用いることができる。
【0061】
次に本実施例の制御方法について説明する。
図19は、本実施例に係るいびき防止用安眠ベッドの制御手順を示すフローチャートである。いびき防止用安眠ベッドの運転が開始されると、咽喉マイク138によりいびき検知が開始される(ステップS1)。いびきの有無は図示しない制御装置のCPUによって判断される(ステップS2)。
咽喉マイク138によりいびきが検知されず、CPUがいびき無しと判断した場合は、上記のフローを繰り返す。
一方、微振動センサー又は咽喉マイク138によりいびきが検知され、検知信号がCPUに入力されると、CPUはいびき有りと判断し、給気ポンプ131から流体供給管136を介して流体袋123Aに空気を供給し流体袋123Aを膨張させる。この際、予めに設定しておけば、流体袋123Aのみならず、流体袋123B及び123Cを膨張させることも可能である。このように複数の流体袋を予め重ね合わせておくことによって任意の傾斜角度を素早く形成することができる。また流体袋以外の流体枕126、凸状体124、落下防止用ストッパ129にも予め設定により空気を供給することができる。
【0062】
任意の流体袋123A等を膨張させた後、流体ポンプの運転を間断運転に切り替え流体袋の膨張を維持する(ステップS4)。弁機構130によって閉栓状態により、流体袋等に供給された空気をそのまま袋内に維持して、流体袋等の膨張状態を所定時間保持する(ステップS5)。
ここで、本実施例においては流体袋の膨張状態を維持する際に、咽喉マイク138によりいびき検知が再開され(ステップS6)、CPUがその検知結果に基づいて、いびきの再発の有無を判断する(ステップS7)。
【0063】
咽喉マイク138によりいびきが検知されず、CPUが人体からのいびきが停止したと判断した場合、弁機構130の排気弁132より空気を排気して(ステップS8)、流体袋等を収縮させ膨張を解除することができる(ステップS9)。
この際、供給された空気は30分以内で排出され、傾斜面を水平に戻すことができる。また空気を抜く方法としては約60秒〜90秒程度で排出することもできる。排気弁132としてはマグネット弁を用いることができる。空気の排出は挿入ポンプ側から抜くこともできる。
以上の如く、本実施例においては、流体袋等の膨張状態を維持する際に、咽喉マイク138の検知結果に基づいて、いびきの再発の有無を判断すると共に、給気ポンプ131と弁機構130を制御することによって、人体Pからのいびきの再発の有無に応じて、流体袋123A等への空気の供給と、空気の排気を制御することが可能となり、結果として就寝者の快適な睡眠を確保することができる。
【0064】
本実施例の他の制御方法について以下説明する。
第一にタイマーを使用して作動開始時間を設定する。この際の設定時間としては、就寝後3分〜60分が好ましい。
当初に設定された作動開始時間に達すると、エアーポンプ(例えば、ダイヤフラム方式)が起動し、傾斜面の下面に配置された流体袋に空気が供給される。傾斜面の傾斜角は、エアーポンプのエアー噴出し量とポンプ運転時間、及び流体袋の大きさによって決まる。傾斜面についての傾斜角の形成は、空気供給後、60秒〜180秒が好ましい。
傾斜面の傾斜角として、例えば、60〜70度の角度でエアーポンプを停止、または間断運転をし、流体袋の膨張を維持する。この状態で10分〜60分停止する。
30分経過後、再びエアーポンプが起動し、流体袋より弁機構を介して空気が排出され、傾斜面が水平に戻る。傾斜面が戻る時間や速度は、傾斜角を形成する際と同等が好ましい。例えば、時間は90秒〜180秒が好ましい。
傾斜面がフラットな状態に戻った後、当初に設定された作動開始時間に達すると、再びエアーポンプが起動し、上記のフローを繰り返す。
【符号の説明】
【0065】
1,30 寝具用流体袋
2,42 傾斜面
3A,3B,43A,43B 流体袋
4 重ね合わせ部(支持部)
5 支点
7 寝具
34 凸状体
40,50 いびき防止用安眠ベッド
46 流体枕
49 落下防止用ストッパ
51 寝台
【技術分野】
【0001】
本発明は傾斜角を形成することができる空気袋に関し、特に就寝中仰臥状態にある人の体位を横向きに傾斜させることができる傾斜面を有する寝具用空気袋に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に就寝中の人の上気道は起床時に比較して狭くなっている。これは睡眠によって顎の筋肉の緊張がとけ顎が喉の奥の方へ下がっていくからである。このために就寝中の人の呼吸抵抗は起床時に比べて大きなものになっている。更に肉体疲労、ストレス、風邪、花粉症、呼吸筋の老化や咽頭や鼻の病気等によって鼻詰まりを起こしている人は苦しさのあまり口を開けて呼吸する。口を開くと口中に空気が入り込み、口中の圧力が上がり、舌の根元がより沈下し、同時に軟口蓋や口蓋垂も下垂して空気の通る道がますます狭くなる。
【0003】
従来いびきを防止する方法としては、市販のいびき薬、各種いびき防止グッズやレーザーメス等を用いた手術等が知られている。
市販のいびき薬、例えば点鼻薬等は鼻粘膜の充血を改善することによりいびきを防止する効果があるが、長く使っていると次第に使用量が増え、副作用の心配も考えられる。
また各種いびき防止グッズの代表的なものとしては、磁気を用いた鼻クリップが知られている。これは鼻の中心部である軟骨部をクリップによって挟むことにより、鼻の通りをスムーズにして呼吸抵抗を小さくし、開口を防止し、いびきの発生原因である上気道を広げ、鼻腔や気道の組織の振動や、空気が通る時の摩擦抵抗量を軽減することによりいびきを防止するものである。
【0004】
又、別のいびき防止グッズとしては、プラスチック製のマスクを装着し、空気を送り込む装置をマスクに管で繋いで空気を送り込む。この空気の圧力が閉塞した上気道を広げることによりいびきや無呼吸を防ぐことができる。
しかしこれらのいびき防止グッズは毎晩装着する必要があり、就寝中に無意識に鼻をこすったり、外してしまったりすることも多く、誤飲や鼻の粘膜を傷付けるといった危険性もある。また、一体のマスクを複数人によって使用するのは衛生上好ましくないという欠点もある。また夏場はプラスチック製のマスクで汗をかき衛生上好ましくない。さらに取り外しが必要なので、夜中に起き上がる際に煩雑であった。
【0005】
このような欠点を防止するものとして、ベッドの短手方向半分を可動とし、該可動部における傾斜角度を調整するいびき防止用ベッドが知られている(特許文献1参照)。さらに可動式ベッドとしては特許文献2に開示された技術が存在する。
しかし、上記のベッドはベッド本体を可動するためにシリンダ等の装置が必要であり、手軽に持ち運ぶことが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3715900号公報
【特許文献2】特開昭63−222711号公報
【特許文献3】特許第1945996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、仰臥状態にある人の体位を横向きに傾斜させることにより、いびきの発生を防止し快適な睡眠を確保することができ、持ち運びが可能な寝具用流体袋を提供することにある。
また本発明の他の目的は、複数の流体袋を密着して重ね合わせた部分を支点として扇状に傾斜面を形成することができ、任意の傾斜角度を得ることができる流体袋を提供することにある。
【0008】
また本発明の他の目的は、傾斜面を形成した際に人体の滑り止めを防止することができる空気袋を提供することを目的とする。
さらに本発明の他の目的は、ベッド本体の可動に伴う人体の体位が変わることによって人体の転落を防止することにもある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)寝具上に仰臥する人体を横向きに傾斜させることができる傾斜面を有する流体袋であって、流体を供給することによって略三角柱状、球状、又は円柱状のいずれか一の形状に膨張する流体袋を傾斜面の下に配置し、前記傾斜面の長手方向一端部を支持部として床面の長手方向に配置し、前記流体袋に流体を供給することによって前記傾斜面の支持部を支点として傾斜面に傾斜角を形成することを特徴とする傾斜面を有する寝具用流体袋である。
(2)寝具上に仰臥する人体を横向きに傾斜させることができる傾斜面を有する流体袋であって、前記流体袋に流体を供給した際に略三角柱状に膨張する二以上の流体袋を少なくとも頂点近傍を密着して重ね合わせ、当該密着して重ね合わせた頂点部分を床面の長手方向に配置し、前記流体袋に流体を供給することによって流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点として扇状に膨張させることによって最上部に重置された流体袋の傾斜面に傾斜角を形成する傾斜面を有する寝具用流体袋である。
(3)前記傾斜面における支持部近傍に、長手方向に沿って凸状体を設けることによって傾斜面を形成した際に人体の側面が当該凸状体に密着することによって人体の滑りを防止することができる上記(1)又は(2)記載の傾斜面を有する寝具用流体袋である。
【0010】
(4)前記各流体袋に供給する流体量を調整することによって、前記最上部に重置された流体袋の傾斜面を傾斜角度35〜80°の範囲で調整することができる上記(1)乃至(3)のいずれか一に記載された傾斜面を有する寝具用流体袋である。
(5)前記流体袋の傾斜面に、寝具上に仰臥する人体が収まる大きさの凹部が形成されていることを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれか一に記載された傾斜面を有する寝具用流体袋である。
(6)前記流体袋に供給される流体が気体である場合において当該気体を供給することによって傾斜面を形成した際に、前記傾斜面に穿設された細孔より暖気又は冷気を噴射させることを特徴とする上記(1)乃至(5)のいずれか一に記載された傾斜面を有する寝具用流体袋である。
(7)前記流体袋を長手方向に二以上分断して縦置し、各流体袋に供給される流体量を調整することにより、各流体袋の膨張硬度の調整することができる上記(1)乃至(6)のいずれか一に記載された傾斜面を有する寝具用流体袋である。
【0011】
(8)上記(1)乃至(7)のいずれか一に記載された傾斜面を有する寝具用流体袋を寝台上に配置し、寝具用流体袋が前記寝台全面の半分以上の面積を占めるように短手方向片側に配置されたことを特徴とするいびき防止用安眠ベッドである。
(9)前記寝台上における流体袋が配置されている長手方向端部と他端の長手方向端部近傍に凸状の落下防止用ストッパが設置されていることを特徴とする上記(8)記載のいびき防止用安眠ベッドである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、仰臥状態にある人の体位を横向きに傾斜させることにより、いびきの発生を防止し快適な睡眠を確保することができる持ち運び可能な寝具用流体袋を提供する効果を奏する。
また本発明の他の目的は、複数の流体袋を密着して重ね合わせた部分を支点として扇状に傾斜面に傾斜角を形成することができ、任意の傾斜角度を得ることができる寝具用流体袋を提供するという効果を奏する。
また本発明は、傾斜角を形成した際に人体の滑り止めを防止することができる寝具用流体袋を提供するという効果を奏する。
さらに本発明は、ベッド本体の可動に伴う人体の体位が変わることによって人体の転落を防止することができる寝具用流体袋を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る実施形態1の斜視図である。
【図2】図1に係る傾斜角度の調整を表す正面概念図である。(a)は流体袋を膨張させる前の状態を示す図、(b)は一の流体袋を膨張させた状態を示す図、(c)は流体袋を完全に膨張させた状態を示す図である。
【図3】本発明に係る実施形態2の斜視図である。
【図4】本発明に係る実施形態3の斜視図である。
【図5】本発明に係る実施形態4の斜視図である。
【図6】本発明に係る実施形態5の斜視図である。
【0014】
【図7】本発明に係る実施形態6の斜視図である。
【図8】本発明に係る実施形態7の斜視図である。
【図9】本発明に係る実施形態8の斜視図である。
【図10】本発明に係る寝具用空気袋の一例を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る寝具用空気袋を流体袋の配置されている側からみた側面概念図である。
【図12】本発明に係る実施形態11の正面概念図である。
【図13】本発明に係る実施形態12の斜視図である。
【図14】本発明に係る実施形態13の斜視図である。
【図15】本発明に係る実施形態13の正面概念図である。
【図16】本発明に係る実施形態14の正面概念図である。
【図17】本発明に係る実施形態14に使用される流体袋の断面概念図である。
【図18】本実施例に係る寝具用流体袋の斜視図である。
【図19】本実施例に係るいびき防止用安眠ベッドの制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態は本発明の例示であって本発明を以下の形態に限定するものではない。
実施形態1
図1は、本発明に係る実施形態1の斜視図である。
図1に示す如く、実施形態1に係る寝具用流体袋1は、図示しない人体を横向きに傾斜させることができる傾斜面2を有するものである。
本実施形態1における流体袋は、略三角柱状の二体の流体袋3A,3Bを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせた重ね合わせ部4を有する。本実施形態1における流体袋においては、かかる重ね合わせ部4が支持部となる。
前記流体袋3A,3Bの重ね合わせた頂点部分(重ね合わせ部4の根元)を床面の長手方向に配置し、各流体袋3A,3Bに図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点5として図に示す如く扇状に膨張させることができる。そして流体を送り込み流体袋を膨張させると、流体袋の最上部に位置する流体袋3Aの傾斜面2に傾斜角を形成することできる。
【0016】
実施形態1に用いる流体としては、水や油等の液体、空気や窒素等の気体が挙げられる。取り扱いや移動便宜に鑑みると空気を利用するのが好ましい。
ここで前記流体袋に供給する流体量を調整することによって、流体袋の傾斜面を支点からの傾斜角度30〜80°の範囲で調整することができる。傾斜角30°未満ではいびきを防止する際に効果が期待できず、80°を超えると横向きとなった人体が回転する可能性が高くなるため好ましくない。好ましくは35〜75°が、より好ましくは45〜70°である。
【0017】
このような傾斜角度の調整は、前記流体袋3A,3Bの膨張率を調整することによる。図2(a)に示す如く、寝具7上に仰臥する人体Pが、いびきをかきはじめた場合、図2(b)に示す如く流体袋3Aのみを膨張させて傾斜角度を付加する。このような角度でいびきがおさまらない場合は、更に3Bに流体を供給することによって、傾斜面2の傾斜角度を上げることが可能である。
また複数の流体袋を多重式とすることによって傾斜角度を最大の80°に設定した場合であっても従来よりも短時間で所定傾斜角度を得ることが可能となった。また多重式を採用すれば、流体圧を抑制することもでき、傾斜時間の短縮も可能となったことから消費電力をおさえることができ、現在問題となっているCO2の削減に寄与することも可能である。
【0018】
ここで、流体袋に用いられる材料としては、可撓性があれば特に制限はないが、軟質塩化ビニル、テフロン(登録商標)66、ナイロン材、ポリエステル材、プラスチック材、ラミネート材、ウレタン材等が好ましい。これらの材料は膨縮を繰り返しても屈曲性、耐久性に優れ、軽量であり持ち運びの際にも極めて有用である。
また流体袋の裏面には生ゴムを吹き付け等によって塗布してもよい。生ゴムを被覆することによって、より機密性が向上するため好ましい。
この際、最上部に位置する流体袋3Aの傾斜面2には、少し固めで厚いシートを積層すると良い。例えば、ウレタン樹脂等の表層用シートを被覆するのが好ましい。また硬質ウレタン樹脂と軟質塩ビ等の軟質ウレタン樹脂とを積層して用いても良い。表層用シートの材料としては、仰臥している人体が沈み込まないようにするために適していればどのような材料を用いても良い。
またはポリエステル等の通気性のある材料を表層用シートとして採用しても良いし、ウレタン樹脂と通気性のある材料を積層して構成しても良い。
さらに最上部には予め気体を充填して膨らませておいたエアーマットを積層しても良い。
このような寝具用空気袋1は、携帯することも可能であり、例えば旅先の旅館の布団やベッド上に設置して使用することも可能である。
【0019】
実施形態2
図3は、本発明に係る実施形態2の斜視図である。図1と同じ機能を有する部材については、図1と同じ符号を使用する。
図3に示す如く、実施形態2に係る寝具用流体袋30は図示しない人体を横向きに傾斜させることができる傾斜面2を有するものである。
【0020】
流体袋は、略三角柱状の二体の流体袋3A,3Bを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせた重ね合わせ部(支持部)4を有する。このような構造において、各流体袋3A,3Bに図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、前記流体袋3A,3Bの頂点(重ね合わせ部4の根元)を床面の長手方向に配置し、前記流体袋に流体を供給することによって流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点5として図に示す如く扇状に膨張させることができる。そして流体を送り込み流体袋を膨張させると、流体袋の最上部に位置する流体袋3Aの上面の傾斜面2に傾斜角を形成することできる。
【0021】
本実施形態2に係る寝具用流体袋30においては、更に前記最上部に位置する流体袋3Aの上面であって支点5近傍において、長手方向に沿って凸状体34が設けられている。かかる凸状体34を形成することによって、傾斜面2を形成した際に、人体の肩部等が凸状体34に接触することによって、人体の傾斜面2からの滑落を防止することができる。傾斜面2を設けても人体がベッド等の平坦部に滑落してしまうと、人体を横向きにすることができず、本発明の効果が得られない可能性がある。ベットからの落下を防止する技術は知られていたが、本実施形態2における凸状体34を用いれば、人体の滑落を防止するという優れた効果を奏する。
さらに流体袋の上面において人体の重量を支えるために硬質材料のフレームを短手方向に内臓して張り渡しても良い。例えば、図3の点線で示したフレーム36を任意に配置することができる。フレーム36は、例えば形状記憶合金等の金属金具やプラスチック等の硬質材料によって形成することができる。
【0022】
実施形態3
図4は、本発明に係る実施形態3の斜視図である。
図4に示す如く、実施形態3に係るいびき防止用安眠ベッド40は、傾斜面42を有する流体袋を寝台51上に配置し、寝具用流体袋が前記寝台51全面の半分以上の面積を占めるように短手方向片側に配置されている点に特徴を有する。寝台51の表面はウレタン樹脂からなる表層用シート48が全面に貼られており、その表層用シート48上に寝具用流体袋と後述する落下防止用ストッパ49が載置されている。
【0023】
流体袋は、略三角柱状の三体の流体袋43A,43B,43Cを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせた重ね合わせ部(支持部)44を有する。このような構造において、各流体袋43A,43B,43Cに図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、前記流体袋43A,43B,43Cの頂点(重ね合わせ部44の根元)を床面の長手方向に配置し、前記流体袋に流体を供給することによって流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点として図に示す如く扇状に膨張させることができる。そして流体を送り込み流体袋を膨張させると、流体袋の最上部に位置する流体袋43Aの上面の傾斜面42に傾斜角を形成することできる。
【0024】
本実施形態3に係るいびき防止用安眠ベッド40においては、更に寝台51の表層用シート48上に流体袋が配置されている長手方向端部と他端の長手方向端部近傍に凸状の落下防止用ストッパ49が設置されている。かかる落下防止用ストッパ49は、傾斜面42により反転した人体が寝台51から落下することを防止している。
【0025】
実施形態4
図5は、本発明に係る実施形態4の斜視図である。図4と同じ機能を有する部材については、図4と同じ符号を使用する。
図5に示す如く、実施形態4に係るいびき防止用安眠ベッド50は、傾斜面42が形成された寝具用流体袋を寝台51上に配置し、寝具用流体袋が前記寝台51全面の半分以上の面積を占めるように短手方向片側に配置されている点に特徴を有する。本実施形態4においては、巾方向の約2/3の部分に流体袋の支点45が配置されている。寝台51の表面はウレタン樹脂からなる表層用シート48が全面に貼られており、その表層用シート48上に寝具用流体袋と後述する落下防止用ストッパ49及び流体枕46が載置されている。
【0026】
流体袋は、略三角柱状の三体の流体袋43A,43B,43Cを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせた重ね合わせ部(支持部)を有する。このような構造において、各流体袋43A,43B,43Cに図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、前記流体袋43A,43B,43Cの頂点(重ね合わせ部の根元)を床面の長手方向に配置し、前記流体袋に流体を供給することによって流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点45として図に示す如く扇状に膨張させることができる。そして流体を送り込み流体袋を膨張させると、流体袋の最上部に位置する流体袋43Aの上面の傾斜面42に傾斜角を形成することできる。
この際、最上部に位置する流体袋43Aの傾斜面42には、少し固めで厚いシートを積層すると良い。例えば、ウレタン樹脂等の表層用シートを被覆するのが好ましい。仰臥している人体が沈み込まないようにするためである。さらに流体袋43Aと43B及び\又は43Bと43Cの境界部にウレタン樹脂等のシートを挟持しても良い。
【0027】
本実施形態4に係るいびき防止用安眠ベッド50においては、更に前記最上部に位置する流体袋43Aの上面であって支点45近傍において、長手方向に沿って凸状体54が設けられている。かかる凸状体54を形成することによって、傾斜面42を形成した際に、人体の肩部等が凸状体54に接触することによって、人体の傾斜面42からの滑落を防止することができる。傾斜面42を設けても人体がベッド等の平坦部に滑落してしまうと、人体を横向きにすることができず、本発明の効果が得られない可能性がある。
本実施形態4に係るいびき防止用安眠ベッド50においては、更に寝台51の表層用シート48上に流体袋が配置されている長手方向端部と他端の長手方向端部近傍に凸状の落下防止用ストッパ49が設置されている。かかる落下防止用ストッパ49は、傾斜面42により反転した人体が寝台51から落下することを防止している。
【0028】
また本実施形態4においては傾斜時に流体枕46が流体膨張によって形成されるようになっている。傾斜面42が形成され、人体が横向きになった際に、寝台51上の平坦部55に人体の頭部が横向きに載置される。この際、図示しない流体経路より流体を流体枕46内に供給することによって、寝台51上における流体袋の反対側の平坦部55上の人体の頭部の位置に配置された流体枕46が人体の肩幅の高さ分だけ膨張することになる。かかる流体枕46を設け、流体袋を膨張させると共に枕の下に配置されている流体枕も膨張し始めるので、枕の人体が反転した際にも人体の頭部が自然に平坦部上に移動することから、就寝者の体。頭部分等に疲れないという効果を奏する。さらに流体枕46上には、いびきを検知するためのマイク56が設置されている。かかるマイク56は図示しない人体より発生したいびきを電気信号に変換して図示しない制御装置に送信する。
【0029】
実施形態5
図6は、本発明に係る実施形態5の斜視図である。
図6に示す如く、実施形態5に係る寝具用流体袋60は人体Pを横向きに傾斜させることができる傾斜面62を形成するものである。
【0030】
流体袋は、略三角柱状の二体の流体袋63A,63Bを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせた重ね合わせ部(支持部)を有する。このような構造において、各流体袋63A,63Bに図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、前記流体袋63A,63Bの頂点(重ね合わせ部の根元)を床面の長手方向に配置し、前記流体袋に流体を供給することによって流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点として図に示す如く扇状に膨張させることができる。そして流体を送り込み流体袋を膨張させると、流体袋の最上部に位置する流体袋63Aの上面の傾斜面62に傾斜角を形成することできる。
【0031】
本実施形態5に係る寝具用空気袋60においては、前記最上部に重置された流体袋63Aの傾斜面62に、図6に示す如く寝具上に仰臥する人体Pが収まる大きさの凹部65が形成されていることを特徴とする。かかる凹部65は深さが30〜150mm、好ましくは50〜100mm、より好ましくは60mm〜80mmである。
また、前記流体袋63Aに供給される流体が気体である場合において当該気体を供給することによって傾斜面62を形成した際に、前記傾斜面62の凹部65に穿設された複数の細孔66より暖気又は冷気を噴射させることができる。
【0032】
細孔66は任意の大きさ及び数を穿設することができる。例えば、直径20μm〜100μmの細孔66を、幅方向に60個×長手方向180個形成した場合、計3.8mm2〜5.2mm2の気体噴射面積を確保することが可能である。
上記構造を設けることによって、人体の加重が加わると、ミクロの孔が人体で押されて開口し、冬場は暖かい空気を噴出することができ、体が温まり冷え性等が改善される。一方、夏場は冷たい空気を噴出させることもできる。ただし、人体で押されない状態で開口するように構成しても良い。
また上記構造を設けることによって、流体袋に供給された空気等が少しずつ時間をかけて細孔から排出される。そして最上部の流体袋の空気等が排出された後、二段目の空気を排出するようにエアー弁を信号によって解放することができる。
【0033】
実施形態6
図7は、本発明に係る実施形態6の斜視図である。本実施形態6は、2名で使用可能な寝具用流体袋である。
図7(a)は、寝具上に仰臥する2体の人体P1及びP2を頭部方向から視た正面概念図である。図7(b)は人体P1及びP2を横向きに傾斜させた状態を示す正面概念図である。
【0034】
本実施形態6は表層用シート78上に寝具用流体袋を二体設置したものである(符号70A,70B)。夫々の流体袋は、略三角柱状の二体の流体袋73A,73Bを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせて構成されている。このような構造において、各流体袋73A,73Bに図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、前記流体袋73A,73Bの頂点(重ね合わせ部の根元)を床面の長手方向に配置し、前記流体袋に流体を供給することによって流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点として図7(b)に示す如く扇状に膨張させることができる。そして流体を送り込み流体袋を膨張させると、流体袋の最上部に位置する流体袋73Aの上面の傾斜面72に傾斜角を形成することできる。
二体の寝具用流体袋70A及び70Bは、別々に可動することができる。すなわち、人体P1よりいびきが発生した場合は、寝具用流体袋70Aのみ可動させることができる。
【0035】
本実施形態6に係る寝具用流体袋においては、更に表層用シート78上に設置された寝具用流体袋70Bの側方に凸状の落下防止用ストッパ79が設置されている。かかる落下防止用ストッパ79は、寝具用流体袋70Bの傾斜面72より反転した人体が表層用シート78から落下することを防止している。
また本実施形態6においては傾斜時に流体枕76A、76Bが流体膨張によって形成されるようになっている。傾斜面72に傾斜角が形成され、人体が横向きになった際に、表層用シート78上の平坦部に人体の頭部が横向きに載置される。この際、図示しない流体経路より流体を流体枕76A,76B内に供給することによって、表層用シート78上における流体袋の反対側の平坦部上の人体の頭部の位置に配置された流体枕76A,76Bが人体の肩幅の高さ分だけ膨張することになる。かかる流体枕76A,76Bを設けることによって、人体が反転した際にも人体の頭部が自然に平坦部上に移動することから、就寝者の快適な睡眠を確保することができる。
【0036】
実施形態7
図8は 本発明に係る実施形態7の斜視図である。本実施形態7は、2名で使用可能な寝具用流体袋の他の実施形態である。
図8は、寝具上に仰臥する人体P1及びP2を頭部方向から視た正面概念図であって、人体P1及びP2を横向きに傾斜させた状態を示す図である。
【0037】
本実施形態7は表層用シート88上に寝具用流体袋を二体設置したものである(符号80A,80B)。夫々の流体袋は、略三角柱状の二体の流体袋83A,83Bを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせて構成されている。このような構造において、各流体袋83A,83Bに図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、前記流体袋83A,83Bの頂点(重ね合わせ部の根元)を床面の長手方向に配置し、前記流体袋に流体を供給することによって流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点として図8に示す如く扇状に膨張させることができる。そして流体を送り込み流体袋を膨張させると、流体袋の最上部に位置する流体袋83Aの上面の傾斜面82に傾斜角を形成することできる。かかる傾斜面82の傾斜角は左右対称形になるように形成されている。
二体の寝具用流体袋80A及び80Bは、別々に可動することができる。すなわち、人体P1よりいびきが発生した場合は、寝具用流体袋80Aのみ可動させることができる。
【0038】
また本実施形態7においては傾斜時に流体枕86A、86Bが流体膨張によって形成されるようになっている。傾斜面82に傾斜角が形成され、人体が横向きになった際に、表層用シート88上の平坦部に人体の頭部が横向きに載置される。この際、図示しない流体経路より流体を流体枕86A,86B内に供給することによって、表層用シート88上における流体袋の反対側の平坦部上の人体の頭部の位置に配置された流体枕86A,86Bが人体の肩幅の高さ分だけ膨張することになる。かかる流体枕86A,86Bを設けることによって、人体が反転した際にも人体の頭部が自然に平坦部上に移動することから、就寝者の快適な睡眠を確保することができる。
【0039】
実施形態8
図9は、本発明に係る実施形態8の斜視図である。特に流体袋に流体を供給する接続構造に関する。
図9に示す如く、実施形態8に係る寝具用空気袋90は、図示しない人体を横向きに傾斜面92を傾斜させることができる。
【0040】
流体袋は、略三角柱状の二体の流体袋93A,93Bを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせた重ね合わせ部(支持部)94を有する。このような構造において、各流体袋93A,93Bの側面には夫々2箇所にカプラ97A,97B,97C,97Dが設けてある。さらに正面にはカプラ97E,97Fが設けられている。また背面(図には示されていない)等にも夫々複数のカプラを設けることができる。前記流体袋93A,93Bの頂点(重ね合わせ部94の根元)を床面の長手方向に配置した後、流体管98を任意のカプラに接続することによって、前記流体袋に流体を供給することによって流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点95として図8に示す如く扇状に膨張させることができる。そして流体を送り込み流体袋を膨張させると、流体袋の最上部に位置する流体袋93Aの傾斜面92に傾斜角を形成することできる。
符号96は、傾斜面92が傾斜した際に、仰臥している人体の左足の滑落を防止するためのストッパーである。人体が横向きになった際に右足と左足とで、ストッパーを挟むようにすれば、左足の股関節の疲労を抑止することができる。好ましくは、ストッパー96の巾を50mm〜200mmとするのが好ましい。
なお図9においては、このように複数のカプラを接続することによって、寝具用空気袋90をベッドの右半分に設置した場合、左半分に設置した場合、また流体袋は右肩が傾斜する方法が主流であるが、左肩が傾斜するようにしても良い。この際も就寝者の頭部から離れた足元の位置のカプラを選択して流体管98を接続することができるので、流体供給時の騒音によって就寝が妨げられることがなくなる。
【0041】
実施形態9
図10は、本発明に係る寝具用空気袋の斜視図である。
図10に示す如く、実施形態9に係る寝具用空気袋100は図示しない人体を横向きに傾斜面を傾斜させることができる。
【0042】
流体袋は、略三角柱状の四体の流体袋103A,104A,105A,106Aと一体の103Bを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせる。このような構造において、各流体袋103A,104A,105A,106A及び103Bに図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点として扇状に膨張させることができる。そして流体を送り込み流体袋を膨張させると、流体袋の最上部に位置する流体袋103A,104A,105A,106Aの傾斜面に傾斜角を形成することできる。仰臥する人体における頭部は106Aに、上半身は105Aに、腰部は104Aに、足部は103Aに配置されるように構成されている。
ここで本実施形態9に係る寝具用空気袋100は、流体袋103A,105A,106A及び103Bへは0.5kg/cm2〜1.0kg/cm2(0.05MPa〜0.1Mpa)、好ましくは0.3〜0.8kg/cm2(0.03MPa〜0.08MPa)、より好ましくは0.1〜0.5kg/cm2(0.01MPa〜0.05MPa)の圧力になるように空気を供給し、流体袋104Aへは常に前述の流体袋に比較して低圧力になるように0.3kg/cm2〜0.8kg/cm2(0.03MPa〜0.08MPa)の範囲で空気を供給することができる。
【0043】
実施形態10
図11は、本発明に係る寝具用空気袋を流体袋の配置されている側からみた側面概念図である。
図11に示す如く、実施形態10に係る寝具用空気袋110は図示しない人体を横向きに傾斜面を傾斜させることができる。
【0044】
流体袋は、略三角柱状の一体の113Aと、四体の流体袋113B,114B,115B,116Bを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせる。このような構造において、各流体袋113A及び113B,114B,115B及び116Bに、図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点として扇状に膨張させることができる。そして流体を送り込み流体袋を膨張させると、流体袋の最上部に位置する流体袋113Aの傾斜面に傾斜角を形成することできる。仰臥する人体における頭部は113Bに、上半身は114Bに、腰部は115Bに、足部は116Bの位置に配置されるように構成されている。
【0045】
ここで本実施形態10に係る寝具用空気袋110は、流体袋113A,113B,114B及び116Bへは0.5kg/cm2〜1.0kg/cm2(0.05MPa〜0.1Mpa)、好ましくは0.3〜0.8kg/cm2(0.03MPa〜0.08MPa)、より好ましくは0.1〜0.5kg/cm2(0.01MPa〜0.05MPa)の圧力になるように空気を供給し、流体袋115Bへは常に前述の流体袋に比較して低圧力になるように0.3kg/cm2〜0.8kg/cm2(0.03MPa〜0.08MPa)の範囲で空気を供給することができる。
上記構成を採用することによって、二段目で流体圧を変えても最上部の流体袋によって自然な圧変化を人体に加えることができ、腰痛を持つ人に適した寝具を提供することができ、継ぎ目がなく肌触りも良いので年配者にも適した寝具を提供することができる。
【0046】
実施形態11
図12は、本発明に係る実施形態11の正面概念図である。本実施形態11は、左右両方の傾斜を任意に選択可能な寝具用流体袋である。
本実施形態11は寝台148上に寝具用流体袋を二体設置したものである(符号140A,140B)。図12において、傾斜面140Bは傾斜していない状態にある。夫々の流体袋は、略三角柱状の二体の流体袋143A,143Bを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせて構成されている。このような構造において、各流体袋143A,143Bに図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、前記流体袋143A,143Bの頂点(重ね合わせ部の根元)を床面の長手方向に配置し、流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点として図12に示す如く寝具用流体袋140Bを扇状に膨張させることができる。そして流体を送り込み流体袋を膨張させると、流体袋の最上部に位置する流体袋143Aの傾斜面142に傾斜角を形成することできる。
二体の寝具用流体袋140A及び140Bは、就寝前に任意に可動を選択することができる。すなわち、好みに応じて左右の傾斜を選択できる点に特徴を有している。
【0047】
本実施形態11に係る寝具用流体袋においては、寝具用流体袋140Aの上に重ねた寝具用流体袋140Bの滑りを防止するために、流体袋における重ね合わせた頂点部分にマグネット147を配置している。更に前記マグネット147と密着するマグネット149は寝台148に内臓されている。
寝具用流体袋140Bの滑りを防止する構造としては、他の構造を採用しても良い。例えば、寝具用流体袋140Aの上面にリング状の輪を形成しておいて、その輪に寝具用流体袋140Bの端部に設けられた二本の紐を結び付けて固定しても良い。
【0048】
実施形態12
図13は、本発明に係る実施形態12の斜視図である。
図13に示す如く、実施形態12に係るいびき防止用安眠ベッド150は、傾斜面152を有する流体袋153A,153B,153Cを寝台151上に配置し、寝具用流体袋が前記寝台151全面の半分以上の面積を占めるように短手方向片側に配置されている点に特徴を有する。寝台151の表面はウレタン樹脂からなる表層用シート158が全面に貼られている。
【0049】
流体袋は、球状の三体の流体袋153A,153B,153Cを長手方向に並べて配置して形成している。流体袋を球状に形成することにより、内部気圧が略均等に分散されるため、傾斜角形成時間を短縮することができ、また空気圧が球体内全体に均一にかかるため、長期間に渡って流体袋の破損を防止することができる。また、傾斜面152は、硬質ウレタン樹脂板154と軟質ウレタン樹脂又はエアーマット155を積層することによって形成されている。
前記流体袋153は、大きさを変化させても良い。例えば、膨張した際の直径について153Aを500mm、153Bを400mm、153Cを300mmに制御することによって、頭部方向を傾斜角を大きくし、脚部に向って傾斜角を小さくし、傾斜面152の傾斜角に変化をもたせることができる。
このような構造において、傾斜面152の支持部を床面の長手方向に配置し、各流体袋153A,153B,153Cに図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、傾斜面152の根元を支点として傾斜面152に傾斜角を形成することできる。
【0050】
実施形態13
図14は、本発明に係る実施形態13の斜視図である。
図14に示す如く、実施形態13に係るいびき防止用安眠ベッド160は、傾斜面162を有する流体袋163を寝台161上に配置し、寝具用流体袋163が前記寝台161全面の半分以上の面積を占めるように短手方向片側に配置されている点に特徴を有する。寝台161の表面はウレタン樹脂からなる表層用シート168が全面に貼られている。
【0051】
流体袋は、円柱状の流体袋163が配置して形成されている。また、傾斜面162は、硬質ウレタン樹脂板164と軟質ウレタン樹脂又はエアーマット165を積層することによって形成されている。
このような構造において、傾斜面162の支持部を床面の長手方向に配置し、各流体袋163に図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、傾斜面162の支持部を支点として傾斜面162に傾斜角を形成することできる。
図15は、本実施形態13に係るいびき防止用安眠ベッド160の正面概念図である。
このような構造において、各流体袋163に図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、前記流体袋163の支持部を支点として図15に示す如く傾斜面162に傾斜角度を形成することができる。
かかる流体袋163は、ポリエステル、軟質塩ビ、ウレタン樹脂、ナイロン等によって形成されている内層174と繊維生地による外層175から形成されている。外層175は、内層の膨張を制御するものである。外層は、麻、ナイロン製生地、綿、フッ素樹脂等の圧力に耐える生地によって形成されている。外層の材料は、弾力性、耐久性があれば特に材料は限定されない。
傾斜面162の底面には、長手方向に沿って両端2箇所に、脚部167が形成されている。脚部167は、傾斜面162を寝台161とフラットにした場合に、空気の抜けた流体袋を収納する空間を傾斜面162の下方に形成する機能を有する。
さらに傾斜面162の支持部に角度検出装置を備えても良い。傾斜角を形成する際に、角度を検出して、傾斜面162の傾斜角を制御することができる。
【0052】
実施形態14
図16は、本発明に係る実施形態14の斜視図である。
図16に示す如く、実施形態14に係るいびき防止用安眠ベッド170は、傾斜面172を有する一体の流体袋173を寝台171上に配置し、寝具用流体袋173が前記寝台171の図示しない人体の頭部部分の下方に配置されている点に特徴を有する。寝台171の表面はウレタン樹脂からなる表層用シート178が全面に貼られている。
【0053】
流体袋173としては、球状のものが配置されている。また、傾斜面172は、硬質ウレタン樹脂板174と、軟質ウレタン樹脂又はエアーマット175を積層することによって形成されている。
さらに流体袋173に空気を供給した際に、寝台171の短手方向外側への流体袋173の移動を防止するために、ずれ防止網177が張り渡されている。かかるずれ防止網177は、布や革等の可撓性があり、傾斜面172を寝台171とフラットにした際に折り畳める素材で形成されている。
このような構造において、傾斜面172の支持部を床面の長手方向に配置し、各流体袋173に図示しない流体経路より流体を送り込むことにより、傾斜面172の根元を支点として傾斜面172に傾斜角を形成することできる。
【0054】
図17は、本実施形態14に使用される流体袋173の断面概念図である。
かかる流体袋173は、外層180と、内層181の二層から形成されている。内層の内側には空気184が充填されている。符号186は、図示しない流体経路より流体を流体袋173内部に搬送するための流体経路の一部である。
前記外層180は、耐圧力、耐久性のある麻、ナイロン製生地、綿、フッ素樹脂等の繊維生地によって形成されている。前記内層181は、ポリエステル、ウレタン、ウレタンゴム、ナイロン、軟質塩化ビニル等の材料によって形成されるが、弾力性、耐久性があれば材質は問わない。外層180は、内層181の膨張を制御する機能を有する。
【実施例】
【0055】
本発明に係る傾斜面を形成する寝具用流体袋の実施例について図面に則して説明する。
図18は、本実施例に係る寝具用流体袋120の斜視図である。
図18に示す如く、本実施例に係る寝具用空気袋120は人体Pを横向きに傾斜させることができる傾斜面122が形成されたいびき防止用安眠ベッドである。
【0056】
実施例に使用される流体袋は、略三角柱状の三体の流体袋123A,123B,123Cを断面三角形状の頂点近傍を密着して重ね合わせた重ね合わせ部を有する。このような構造において、各流体袋123A,123B,123Cには流体供給管136より流体を送り込むことにより、前記流体袋123A,123B,123Cの頂点を支点として図に示す如く扇状に膨張させることができる。流体を送り込み流体袋123A,123B,123Cを膨張させると、流体袋123の最上部に位置する流体袋123Aの上面に傾斜面122を形成することできる。
【0057】
本実施例に係る寝具用空気袋120においては、更に前記最上部に位置する流体袋123Aの上面であって支点近傍において、長手方向に沿って凸状体124が設けられている。かかる凸状体124を形成することによって、傾斜面122を形成した際に、人体Pの肩部等が凸状体124に接触することによって、人体の傾斜面122からの滑落を防止することができる。本実施例における凸状体124を用いれば、人体Pの滑落を防止するという優れた効果を奏する。
また本実施例においては、図16に示す如く寝具用流体袋は寝台127の巾方向の半分より多くの面積を占めている点に特徴を有する。
【0058】
また本実施例においては傾斜時に流体枕126が流体膨張によって形成されるようになっている。傾斜面122が形成され、人体Pが横向きになった際に、寝台127上の平坦部に人体Pの頭部が横向きに載置される。この際、流体供給管135より空気を流体枕126内に供給することによって、寝台127上の傾斜部分の反対側の平坦部の人体Pの頭部の位置に配置された流体枕126が膨らみ、枕が肩幅の高さに調整される。
また人体Pの喉には、いびきを検知するための咽喉マイク138が設置されている。かかる咽喉マイクは人体Pより発生したいびきを電気信号に変換して制御装置に送信する。
さらに前記寝台上における流体袋が配置されている端部と他端長手方向に凸状の落下防止用ストッパ129が設置されている。このような落下防止用ストッパ129は、人体Pの寝台からの落下を防止する効果を有する。
【0059】
本実施例において、流体としては空気を用いている。空気の供給は周知の方法を用いることができる。
ここでは、給気ポンプ131と、切替弁及び排気弁を内蔵した弁機構130と具備している。給気ポンプ131より取り込まれた空気は弁機構130の切替弁を介して流体供給管135,136より流体袋123A,123B,123C、流体枕126、凸状体124、落下防止用ストッパ129に供給される。
この際、必要に応じて部分的に空気の供給を制御することが可能である。例えば、流体袋123Aに空気を供給し、流体袋123B及び123Cに空気を供給しないことによって比較的緩い傾斜角の傾斜面122を形成することができる。また必要に応じて流体枕126や落下防止ストッパ129を使用しないことも可能である。
【0060】
本実施例における弁機構130は、給気ポンプ131からの圧搾空気を送る際に、流体供給管135,136を連通せしめる給気状態と、前記流体袋123A等から流体供給管136等を介して逆流しようとする空気の流れを止める閉栓状態と、空気を逆流させて排気弁132より外部へ排気せしめる排気状態とを任意に切り替える機能を具備している。
給気ポンプ131としては、ダイアフラム方式、モーター方式、ロータリー方式等のポンプを用いることができる。
【0061】
次に本実施例の制御方法について説明する。
図19は、本実施例に係るいびき防止用安眠ベッドの制御手順を示すフローチャートである。いびき防止用安眠ベッドの運転が開始されると、咽喉マイク138によりいびき検知が開始される(ステップS1)。いびきの有無は図示しない制御装置のCPUによって判断される(ステップS2)。
咽喉マイク138によりいびきが検知されず、CPUがいびき無しと判断した場合は、上記のフローを繰り返す。
一方、微振動センサー又は咽喉マイク138によりいびきが検知され、検知信号がCPUに入力されると、CPUはいびき有りと判断し、給気ポンプ131から流体供給管136を介して流体袋123Aに空気を供給し流体袋123Aを膨張させる。この際、予めに設定しておけば、流体袋123Aのみならず、流体袋123B及び123Cを膨張させることも可能である。このように複数の流体袋を予め重ね合わせておくことによって任意の傾斜角度を素早く形成することができる。また流体袋以外の流体枕126、凸状体124、落下防止用ストッパ129にも予め設定により空気を供給することができる。
【0062】
任意の流体袋123A等を膨張させた後、流体ポンプの運転を間断運転に切り替え流体袋の膨張を維持する(ステップS4)。弁機構130によって閉栓状態により、流体袋等に供給された空気をそのまま袋内に維持して、流体袋等の膨張状態を所定時間保持する(ステップS5)。
ここで、本実施例においては流体袋の膨張状態を維持する際に、咽喉マイク138によりいびき検知が再開され(ステップS6)、CPUがその検知結果に基づいて、いびきの再発の有無を判断する(ステップS7)。
【0063】
咽喉マイク138によりいびきが検知されず、CPUが人体からのいびきが停止したと判断した場合、弁機構130の排気弁132より空気を排気して(ステップS8)、流体袋等を収縮させ膨張を解除することができる(ステップS9)。
この際、供給された空気は30分以内で排出され、傾斜面を水平に戻すことができる。また空気を抜く方法としては約60秒〜90秒程度で排出することもできる。排気弁132としてはマグネット弁を用いることができる。空気の排出は挿入ポンプ側から抜くこともできる。
以上の如く、本実施例においては、流体袋等の膨張状態を維持する際に、咽喉マイク138の検知結果に基づいて、いびきの再発の有無を判断すると共に、給気ポンプ131と弁機構130を制御することによって、人体Pからのいびきの再発の有無に応じて、流体袋123A等への空気の供給と、空気の排気を制御することが可能となり、結果として就寝者の快適な睡眠を確保することができる。
【0064】
本実施例の他の制御方法について以下説明する。
第一にタイマーを使用して作動開始時間を設定する。この際の設定時間としては、就寝後3分〜60分が好ましい。
当初に設定された作動開始時間に達すると、エアーポンプ(例えば、ダイヤフラム方式)が起動し、傾斜面の下面に配置された流体袋に空気が供給される。傾斜面の傾斜角は、エアーポンプのエアー噴出し量とポンプ運転時間、及び流体袋の大きさによって決まる。傾斜面についての傾斜角の形成は、空気供給後、60秒〜180秒が好ましい。
傾斜面の傾斜角として、例えば、60〜70度の角度でエアーポンプを停止、または間断運転をし、流体袋の膨張を維持する。この状態で10分〜60分停止する。
30分経過後、再びエアーポンプが起動し、流体袋より弁機構を介して空気が排出され、傾斜面が水平に戻る。傾斜面が戻る時間や速度は、傾斜角を形成する際と同等が好ましい。例えば、時間は90秒〜180秒が好ましい。
傾斜面がフラットな状態に戻った後、当初に設定された作動開始時間に達すると、再びエアーポンプが起動し、上記のフローを繰り返す。
【符号の説明】
【0065】
1,30 寝具用流体袋
2,42 傾斜面
3A,3B,43A,43B 流体袋
4 重ね合わせ部(支持部)
5 支点
7 寝具
34 凸状体
40,50 いびき防止用安眠ベッド
46 流体枕
49 落下防止用ストッパ
51 寝台
【特許請求の範囲】
【請求項1】
寝具上に仰臥する人体を横向きに傾斜させることができる傾斜面を有する流体袋であって、流体を供給することによって略三角柱状、球状、又は円柱状のいずれか一の形状に膨張する流体袋を傾斜面の下に配置し、前記傾斜面の長手方向一端部を支持部として床面の長手方向に配置し、前記流体袋に流体を供給することによって前記傾斜面の支持部を支点として傾斜面に傾斜角を形成することを特徴とする傾斜面を有する寝具用流体袋。
【請求項2】
寝具上に仰臥する人体を横向きに傾斜させることができる傾斜面を有する流体袋であって、前記流体袋に流体を供給した際に略三角柱状に膨張する二以上の流体袋を少なくとも頂点近傍を密着して重ね合わせ、当該密着して重ね合わせた頂点部分を床面の長手方向に配置し、前記流体袋に流体を供給することによって流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点として扇状に膨張させることによって最上部に重置された流体袋の傾斜面に傾斜角を形成する傾斜面を有する寝具用流体袋。
【請求項3】
前記傾斜面における支持部近傍に、長手方向に沿って凸状体を設けることによって傾斜面に傾斜角を形成した際に人体の側面が当該凸状体に密着することによって人体の滑りを防止することができる請求項1又は2記載の傾斜面を有する寝具用流体袋。
【請求項4】
前記各流体袋に供給する流体量を調整することによって、前記流体袋の傾斜面を傾斜角度35〜80°の範囲で調整することができる請求項1乃至3のいずれか一に記載された傾斜面を有する寝具用流体袋。
【請求項5】
前記流体袋の傾斜面に、寝具上に仰臥する人体が収まる大きさの凹部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載された傾斜面を有する寝具用流体袋。
【請求項6】
前記流体袋に供給される流体が気体である場合において当該気体を供給することによって傾斜面に傾斜角を形成した際に、前記傾斜面に穿設された細孔より暖気又は冷気を噴射させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載された傾斜面を有する寝具用流体袋。
【請求項7】
前記流体袋を長手方向に二以上分断して縦置し、各流体袋に供給される流体量を調整することにより、各流体袋の膨張硬度の調整することができる請求項1乃至6のいずれか一に記載された傾斜面を有する寝具用流体袋。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一に記載された傾斜面を有する寝具用流体袋を寝台上に配置し、寝具用流体袋が前記寝台全面の半分以上の面積を占めるように短手方向片側に配置されたことを特徴とするいびき防止用安眠ベッド。
【請求項9】
前記寝台上における流体袋が配置されている長手方向端部と他端の長手方向端部近傍に凸状の落下防止用ストッパが設置されていることを特徴とする請求項8記載のいびき防止用安眠ベッド。
【請求項1】
寝具上に仰臥する人体を横向きに傾斜させることができる傾斜面を有する流体袋であって、流体を供給することによって略三角柱状、球状、又は円柱状のいずれか一の形状に膨張する流体袋を傾斜面の下に配置し、前記傾斜面の長手方向一端部を支持部として床面の長手方向に配置し、前記流体袋に流体を供給することによって前記傾斜面の支持部を支点として傾斜面に傾斜角を形成することを特徴とする傾斜面を有する寝具用流体袋。
【請求項2】
寝具上に仰臥する人体を横向きに傾斜させることができる傾斜面を有する流体袋であって、前記流体袋に流体を供給した際に略三角柱状に膨張する二以上の流体袋を少なくとも頂点近傍を密着して重ね合わせ、当該密着して重ね合わせた頂点部分を床面の長手方向に配置し、前記流体袋に流体を供給することによって流体袋における重ね合わせた頂点部分を支点として扇状に膨張させることによって最上部に重置された流体袋の傾斜面に傾斜角を形成する傾斜面を有する寝具用流体袋。
【請求項3】
前記傾斜面における支持部近傍に、長手方向に沿って凸状体を設けることによって傾斜面に傾斜角を形成した際に人体の側面が当該凸状体に密着することによって人体の滑りを防止することができる請求項1又は2記載の傾斜面を有する寝具用流体袋。
【請求項4】
前記各流体袋に供給する流体量を調整することによって、前記流体袋の傾斜面を傾斜角度35〜80°の範囲で調整することができる請求項1乃至3のいずれか一に記載された傾斜面を有する寝具用流体袋。
【請求項5】
前記流体袋の傾斜面に、寝具上に仰臥する人体が収まる大きさの凹部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載された傾斜面を有する寝具用流体袋。
【請求項6】
前記流体袋に供給される流体が気体である場合において当該気体を供給することによって傾斜面に傾斜角を形成した際に、前記傾斜面に穿設された細孔より暖気又は冷気を噴射させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載された傾斜面を有する寝具用流体袋。
【請求項7】
前記流体袋を長手方向に二以上分断して縦置し、各流体袋に供給される流体量を調整することにより、各流体袋の膨張硬度の調整することができる請求項1乃至6のいずれか一に記載された傾斜面を有する寝具用流体袋。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一に記載された傾斜面を有する寝具用流体袋を寝台上に配置し、寝具用流体袋が前記寝台全面の半分以上の面積を占めるように短手方向片側に配置されたことを特徴とするいびき防止用安眠ベッド。
【請求項9】
前記寝台上における流体袋が配置されている長手方向端部と他端の長手方向端部近傍に凸状の落下防止用ストッパが設置されていることを特徴とする請求項8記載のいびき防止用安眠ベッド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−143237(P2011−143237A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−254353(P2010−254353)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(592074511)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(592074511)
【Fターム(参考)】
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