充填機器および充填方法
【課題】パッケージ内部の無菌性を可能な限り高くするホイルバッグへの飲料充填機器および充填方法を提供すること。
【解決手段】この充填機器は、高温の充填物でパッケージ2を充填する充填装置と、パッケージ2を密封する密封装置とを備え、パッケージ2は、パッケージ2を開くためのパッケージ・シールを有し、この充填機器はさらに、パッケージ・シールが高温充填物と接触するようにパッケージ2を旋回させる旋回機構22を備える。充填方法は、パッケージ2に高温の充填物を充填するステップと、パッケージ2を密封するステップとを含み、パッケージ2は、パッケージ・シールを有し、パッケージ2は、パッケージ・シールが高温充填物と接触するように旋回される。
【解決手段】この充填機器は、高温の充填物でパッケージ2を充填する充填装置と、パッケージ2を密封する密封装置とを備え、パッケージ2は、パッケージ2を開くためのパッケージ・シールを有し、この充填機器はさらに、パッケージ・シールが高温充填物と接触するようにパッケージ2を旋回させる旋回機構22を備える。充填方法は、パッケージ2に高温の充填物を充填するステップと、パッケージ2を密封するステップとを含み、パッケージ2は、パッケージ・シールを有し、パッケージ2は、パッケージ・シールが高温充填物と接触するように旋回される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温充填物を充填する機器および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料業界では、傷みやすい飲料を、それが熱いうちに充填して、飲料の充填時に生じ得る細菌の量を最小限に抑えることが知られている。さらに、周知のパッケージには、パッケージが充填された後で、密封キャップなどのパッケージ・シールで閉じることができるものがある。こうすると、飲料が気密シール付きのパッケージに詰められ、それによって保存期間を可能な限り長くすることができる。
【0003】
飲料パッケージとして知られているのは、例えばホイル・バッグであり、これは、その空のときの重量が軽いという特徴がある。
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0131735号明細書
【特許文献2】英国特許第993003号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、パッケージ内部の無菌性を可能な限り高くするようにし、このようにして最短保存期間をさらに長くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に記載の機器および請求項12に記載の方法によって解決される。従属請求項には、好ましい実施形態を開示する。
【0006】
この機器の場合、旋回機構が設けられ、それによって、パッケージ・シールの内側が高温充填物と接触するようにパッケージを旋回させることができる。充填後もこの充填物は依然として熱いので、旋回によってパッケージ中の充填物と接触し得るパッケージ・シールによって殺菌効果を発揮することができる。
【0007】
パッケージを充填するには、異なる可能性がある。一つめとして、充填物は、パッケージに既に挿入された(例えば、溶着された)注ぎ口を介して導入することができる。充填物は、パッケージの開口を介して充填することもでき、次いで、この開口を注ぎ口で密封式に閉じることができる。この工程では、密封キャップは、注ぎ口にあらかじめ取り付けておくこともできるし、最初は取り付けずに後で取り付けることもできる。二つめとして、パッケージ・シールに隣接して、あるいは、まだ挿入されていないパッケージ・シールの位置に隣接して位置決めされた開口を介してパッケージを充填することも可能である。手順に応じて、充填装置を構成することができる。
【0008】
密封するのにも様々な可能性がある。注ぎ口に密封キャップを配置することが可能である。パッケージに(開いている、または閉じている)注ぎ口を挿入し、このようにして注ぎ口用の開口を密封することが可能である。注ぎ口の位置以外の位置でパッケージの開口を密封することも可能である。それぞれの場合に、それに応じて密封装置が構成される。
【0009】
良好な殺菌効果を得るために、ある期間、充填物がパッケージ・シールと接触したままになっていると有利である。したがって、搬送面を備えた装置を設け、例えば搬送することによってパッケージを旋回位置で保持し得ると有利である。
【0010】
充填物とパッケージ・シールとの間で良好な接触を実現するために、30°、45°、60°、75°、90°、100°、120°、140°、150°、180°、270°、または360°よりも大きく旋回させることが有利である。というのは、こうすると、パッケージ・シール付近に溜まった空気その他のガスを排気し得るからである。
【0011】
さらに、この旋回機構が固定用ブラケットを備えると有利である。こうすると、例えば、ホイル・バッグの場合、パッケージが固定用ブラケットの間からいくらか突き出ることができ、それによって、その下に配置された搬送器のベルトによってパッケージを捕らえ、このようにして固定用ブラケットからパッケージを取り出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
添付の図を用いて、この機器および方法の実施形態を説明する。
【0013】
以下では、パッケージを説明する例として直立型バッグなどのホイル・バッグを論じる。
【0014】
図1に、ホイル・バッグ2を旋回させる旋回機構22を示す。図1の機器の場合、例えば旋回機構22の左側に配置し得る充填システムは示していないが、この充填システムから、ホイル・バッグ2を旋回機構22に渡すことができる。
【0015】
各ホイル・バッグ2は、上端部に注ぎ口3を有し、注ぎ口3は、密封キャップ4で密封される(図3参照)。ホイル・バッグ2が充填物で充填された後で、ホイル・バッグ2を密封するために密封キャップ4が被せられる。この工程では、ホイル・バッグ2は、旋回機構22上に置かれているか、あるいは、ホイル・バッグ2は、この工程の後で旋回機構22に置かれる。
【0016】
ホイル・バッグ2が充填された後で、密封キャップ4と共に注ぎ口3をホイル・バッグ2に密封式に取り付けることも可能である。密封装置は、注ぎ口3に既に被さっているか、あるいは後で被せる。注ぎ口3を密封式に取り付けた結果、注ぎ口3のために設けられたホイル・バッグ2の開口が密封される。例えば、ホイル・バッグ2の上縁部全体が開いている場合、この開口を介してホイル・バッグ2に充填物を導入することができる。その後、注ぎ口3が適切な位置に配置され(図3参照)、ホイル・バッグ2の上端部は合わせて溶着され、次いで、注ぎ口3が密封式に取り付けられる。
【0017】
別の可能性は、注ぎ口3および密封キャップ4とは無関係にホイル・バッグ2を充填することである。そのために、上縁部に、または別の位置にさえ、開口を設けることができ、充填ステップの後で溶着によってこの開口を密封することができる。これは、密封式に取り付けられる注ぎ口3と共に行うこともできるし、このような注ぎ口3なしで行うこともできる。
【0018】
旋回機構上にホイル・バッグが配置される前に、あるいは、ホイル・バッグが旋回機構に配置されてから、各種の密封を行うことができる。したがって、密封装置は、旋回機構の近くにあるか、あるいは旋回機構は、この密封装置の一部を形成する。
【0019】
旋回機構22は底部片10を有し、この上にホイル・バッグ2を立たせることができる。さらに、旋回機構22は、ホイル・バッグ2を支持する裏当て片11を有する。裏当て片11の反対側に固定用ブラケット12が設けられる。
【0020】
旋回機構22は、図1の右下に旋回し得る。図1に、破線で最終位置を示す。この旋回位置にあるときに、ホイル・バッグ2は、搬送器のベルト21の上に位置される。ホイル・バッグ2は、搬送器のベルト21上に載せて運ぶことができる。旋回の結果、高温充填物は、このときホイル・バッグ2の下端部にある密封キャップ4の内側と接触する。搬送器のベルト21上を搬送された結果、このバッグは、ある期間この位置に留まり、そのため、高温充填物は、温度の影響によって密封キャップ4の内側で殺菌効果を受ける十分な時間が与えられる。
【0021】
図2に、旋回機構22が旋回軸13の周りで旋回し得る様子を示す。固定されていない軸の周りで、ただしその代わりに関節式フレームなどによって旋回させることも可能である。
【0022】
図2では、ホイル・バッグ2’が、旋回位置における位置8のところで搬送器のベルト21と接触する様子がわかる(図2の破線描写部を参照されたい)。位置8で、ホイル・バッグ2’は、固定用ブラケット12の先の尖った部分の間から突き出る(図3も参照されたい)。この接触の結果、搬送器のベルト21は、固定用ブラケット12’からホイル・バッグ2’を引き出すことができる。このようにして、ホイル・バッグ2’が旋回機構22から確実に取り出される。
【0023】
搬送器のベルト21の下端部のところに、クランプ14を備えた移動装置15を示す。この移動装置15を使用して、急冷浴20の中にホイル・バッグ2を移動させることができる。急冷浴20中には、水などの冷却液19がある。ホイル・バッグ2を挿入し得る受け口16を有する搬送器17は、冷却液19内を循環する。急冷浴20を通って運ばれた結果、ホイル・バッグ2、したがってその中に含まれる飲料が、ホイル・バッグ2をパッケージし得る程度に冷却される。
【0024】
図3に、注ぎ口3を有するホイル・バッグ2を示す。注ぎ口3は、ホイル・バッグ2の上端部のところに密封式に取り付けられる。注ぎ口3は、密封キャップ4で閉じられる。ホイル・バッグ2は側縁部5および6を有し、そこには溶着用のとじ目がある。ここで、これらの側方ホイル(そのうち、側方ホイル7が見える)が合わせて溶着される。
【0025】
図3でわかるように、ホイル・バッグ2は、区域8の下端部のところでベース・プレート10の上を突き出る。
【0026】
本発明による方法では、ホイル・バッグ2は、充填され、その後、密封キャップ4で閉じられるが、これは、注ぎ口3を密封することによって、あるいは、別の充填開口を合わせて溶着することによって行われる。その後、ホイル・バッグ2は、旋回機構22に移される。ここで、ホイル・バッグ2は、底部片10上に立たされ、裏当て片11によって支持される。旋回機構22の前部に固定用ブラケット12が設けられ、ホイル・バッグ2は、位置8のところで固定用ブラケット12の間から突き出る。旋回機構22を、例えば、100°〜150°旋回させることによって、密封キャップ4は、ホイル・バッグの下端部に移動する。したがって、密封キャップ4の内側が、ホイル・バッグ2内の高温充填物と接触する。こうすると、充填物は依然として十分に熱いので、密封キャップ4の内側の細菌が少なくとも部分的に少なくなる。
【0027】
旋回角度は、密封キャップ4の内側が依然として高温充填物と接触する限り、大きくすることも小さくすることもできる。ホイル・バッグを適切に充填することによって、少なくとも30°、45°、60°、75°、または90°も適切な角度になることがある。180°または270°あるいは360°まで旋回角を大きくしても、密封キャップ4の内側で殺菌が行われる。旋回角の上限は、45°、60°、75°、90°、100°、120°、140°、160°、180°、270°、または360°とし得る。
【0028】
旋回の結果、注ぎ口3の内面での殺菌効果も実施される。
【0029】
搬送器のベルト21は、位置8で接触することによって、固定用ブラケット12からホイル・バッグ2を引き出すことができる。次いで、搬送器21は、ホイル・バッグ2をこの旋回位置のところで下向きに運ぶ。この期間中、殺菌効果が維持される。次いで、ホイル・バッグ2は、移動装置15のクランプ14によって急冷浴20に移される。搬送器17の周りで循環する受け口16が急冷浴20内に設けられ、それによって、冷却液内でホイル・バッグ2が冷却される。
【0030】
この機器全体は、サイクル単位で動作する。すなわち、旋回機構22は、1サイクル内で、上側位置から旋回位置に移動し、再度戻る。搬送器21と、移動装置15と、好ましくは急冷浴20の搬送器17も、これに対応してサイクル単位で動作する。
【0031】
この機器は、いくつかのホイル・バッグ2を同時に次々に処理し得る複数のトラックを有する。こうすると、スループットを高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】機器の3次元概略図である。
【図2】2次元概略断面図である。
【図3】機器内のホイル・バッグの3次元概略図である。
【符号の説明】
【0033】
2 ホイル・バッグ
2’ ホイル・バッグ
3 注ぎ口
4 密封キャップ
5 側縁部
6 側縁部
7 側方ホイル
8 位置、区域
10 底部片、ベース・プレート
11 裏当て片
12 固定用ブラケット
12’ 固定用ブラケット
13 旋回軸
14 クランプ
15 移動装置
16 受け口
17 搬送器
19 冷却液
20 急冷浴
21 搬送器ベルト、搬送器
22 旋回機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温充填物を充填する機器および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料業界では、傷みやすい飲料を、それが熱いうちに充填して、飲料の充填時に生じ得る細菌の量を最小限に抑えることが知られている。さらに、周知のパッケージには、パッケージが充填された後で、密封キャップなどのパッケージ・シールで閉じることができるものがある。こうすると、飲料が気密シール付きのパッケージに詰められ、それによって保存期間を可能な限り長くすることができる。
【0003】
飲料パッケージとして知られているのは、例えばホイル・バッグであり、これは、その空のときの重量が軽いという特徴がある。
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0131735号明細書
【特許文献2】英国特許第993003号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、パッケージ内部の無菌性を可能な限り高くするようにし、このようにして最短保存期間をさらに長くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に記載の機器および請求項12に記載の方法によって解決される。従属請求項には、好ましい実施形態を開示する。
【0006】
この機器の場合、旋回機構が設けられ、それによって、パッケージ・シールの内側が高温充填物と接触するようにパッケージを旋回させることができる。充填後もこの充填物は依然として熱いので、旋回によってパッケージ中の充填物と接触し得るパッケージ・シールによって殺菌効果を発揮することができる。
【0007】
パッケージを充填するには、異なる可能性がある。一つめとして、充填物は、パッケージに既に挿入された(例えば、溶着された)注ぎ口を介して導入することができる。充填物は、パッケージの開口を介して充填することもでき、次いで、この開口を注ぎ口で密封式に閉じることができる。この工程では、密封キャップは、注ぎ口にあらかじめ取り付けておくこともできるし、最初は取り付けずに後で取り付けることもできる。二つめとして、パッケージ・シールに隣接して、あるいは、まだ挿入されていないパッケージ・シールの位置に隣接して位置決めされた開口を介してパッケージを充填することも可能である。手順に応じて、充填装置を構成することができる。
【0008】
密封するのにも様々な可能性がある。注ぎ口に密封キャップを配置することが可能である。パッケージに(開いている、または閉じている)注ぎ口を挿入し、このようにして注ぎ口用の開口を密封することが可能である。注ぎ口の位置以外の位置でパッケージの開口を密封することも可能である。それぞれの場合に、それに応じて密封装置が構成される。
【0009】
良好な殺菌効果を得るために、ある期間、充填物がパッケージ・シールと接触したままになっていると有利である。したがって、搬送面を備えた装置を設け、例えば搬送することによってパッケージを旋回位置で保持し得ると有利である。
【0010】
充填物とパッケージ・シールとの間で良好な接触を実現するために、30°、45°、60°、75°、90°、100°、120°、140°、150°、180°、270°、または360°よりも大きく旋回させることが有利である。というのは、こうすると、パッケージ・シール付近に溜まった空気その他のガスを排気し得るからである。
【0011】
さらに、この旋回機構が固定用ブラケットを備えると有利である。こうすると、例えば、ホイル・バッグの場合、パッケージが固定用ブラケットの間からいくらか突き出ることができ、それによって、その下に配置された搬送器のベルトによってパッケージを捕らえ、このようにして固定用ブラケットからパッケージを取り出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
添付の図を用いて、この機器および方法の実施形態を説明する。
【0013】
以下では、パッケージを説明する例として直立型バッグなどのホイル・バッグを論じる。
【0014】
図1に、ホイル・バッグ2を旋回させる旋回機構22を示す。図1の機器の場合、例えば旋回機構22の左側に配置し得る充填システムは示していないが、この充填システムから、ホイル・バッグ2を旋回機構22に渡すことができる。
【0015】
各ホイル・バッグ2は、上端部に注ぎ口3を有し、注ぎ口3は、密封キャップ4で密封される(図3参照)。ホイル・バッグ2が充填物で充填された後で、ホイル・バッグ2を密封するために密封キャップ4が被せられる。この工程では、ホイル・バッグ2は、旋回機構22上に置かれているか、あるいは、ホイル・バッグ2は、この工程の後で旋回機構22に置かれる。
【0016】
ホイル・バッグ2が充填された後で、密封キャップ4と共に注ぎ口3をホイル・バッグ2に密封式に取り付けることも可能である。密封装置は、注ぎ口3に既に被さっているか、あるいは後で被せる。注ぎ口3を密封式に取り付けた結果、注ぎ口3のために設けられたホイル・バッグ2の開口が密封される。例えば、ホイル・バッグ2の上縁部全体が開いている場合、この開口を介してホイル・バッグ2に充填物を導入することができる。その後、注ぎ口3が適切な位置に配置され(図3参照)、ホイル・バッグ2の上端部は合わせて溶着され、次いで、注ぎ口3が密封式に取り付けられる。
【0017】
別の可能性は、注ぎ口3および密封キャップ4とは無関係にホイル・バッグ2を充填することである。そのために、上縁部に、または別の位置にさえ、開口を設けることができ、充填ステップの後で溶着によってこの開口を密封することができる。これは、密封式に取り付けられる注ぎ口3と共に行うこともできるし、このような注ぎ口3なしで行うこともできる。
【0018】
旋回機構上にホイル・バッグが配置される前に、あるいは、ホイル・バッグが旋回機構に配置されてから、各種の密封を行うことができる。したがって、密封装置は、旋回機構の近くにあるか、あるいは旋回機構は、この密封装置の一部を形成する。
【0019】
旋回機構22は底部片10を有し、この上にホイル・バッグ2を立たせることができる。さらに、旋回機構22は、ホイル・バッグ2を支持する裏当て片11を有する。裏当て片11の反対側に固定用ブラケット12が設けられる。
【0020】
旋回機構22は、図1の右下に旋回し得る。図1に、破線で最終位置を示す。この旋回位置にあるときに、ホイル・バッグ2は、搬送器のベルト21の上に位置される。ホイル・バッグ2は、搬送器のベルト21上に載せて運ぶことができる。旋回の結果、高温充填物は、このときホイル・バッグ2の下端部にある密封キャップ4の内側と接触する。搬送器のベルト21上を搬送された結果、このバッグは、ある期間この位置に留まり、そのため、高温充填物は、温度の影響によって密封キャップ4の内側で殺菌効果を受ける十分な時間が与えられる。
【0021】
図2に、旋回機構22が旋回軸13の周りで旋回し得る様子を示す。固定されていない軸の周りで、ただしその代わりに関節式フレームなどによって旋回させることも可能である。
【0022】
図2では、ホイル・バッグ2’が、旋回位置における位置8のところで搬送器のベルト21と接触する様子がわかる(図2の破線描写部を参照されたい)。位置8で、ホイル・バッグ2’は、固定用ブラケット12の先の尖った部分の間から突き出る(図3も参照されたい)。この接触の結果、搬送器のベルト21は、固定用ブラケット12’からホイル・バッグ2’を引き出すことができる。このようにして、ホイル・バッグ2’が旋回機構22から確実に取り出される。
【0023】
搬送器のベルト21の下端部のところに、クランプ14を備えた移動装置15を示す。この移動装置15を使用して、急冷浴20の中にホイル・バッグ2を移動させることができる。急冷浴20中には、水などの冷却液19がある。ホイル・バッグ2を挿入し得る受け口16を有する搬送器17は、冷却液19内を循環する。急冷浴20を通って運ばれた結果、ホイル・バッグ2、したがってその中に含まれる飲料が、ホイル・バッグ2をパッケージし得る程度に冷却される。
【0024】
図3に、注ぎ口3を有するホイル・バッグ2を示す。注ぎ口3は、ホイル・バッグ2の上端部のところに密封式に取り付けられる。注ぎ口3は、密封キャップ4で閉じられる。ホイル・バッグ2は側縁部5および6を有し、そこには溶着用のとじ目がある。ここで、これらの側方ホイル(そのうち、側方ホイル7が見える)が合わせて溶着される。
【0025】
図3でわかるように、ホイル・バッグ2は、区域8の下端部のところでベース・プレート10の上を突き出る。
【0026】
本発明による方法では、ホイル・バッグ2は、充填され、その後、密封キャップ4で閉じられるが、これは、注ぎ口3を密封することによって、あるいは、別の充填開口を合わせて溶着することによって行われる。その後、ホイル・バッグ2は、旋回機構22に移される。ここで、ホイル・バッグ2は、底部片10上に立たされ、裏当て片11によって支持される。旋回機構22の前部に固定用ブラケット12が設けられ、ホイル・バッグ2は、位置8のところで固定用ブラケット12の間から突き出る。旋回機構22を、例えば、100°〜150°旋回させることによって、密封キャップ4は、ホイル・バッグの下端部に移動する。したがって、密封キャップ4の内側が、ホイル・バッグ2内の高温充填物と接触する。こうすると、充填物は依然として十分に熱いので、密封キャップ4の内側の細菌が少なくとも部分的に少なくなる。
【0027】
旋回角度は、密封キャップ4の内側が依然として高温充填物と接触する限り、大きくすることも小さくすることもできる。ホイル・バッグを適切に充填することによって、少なくとも30°、45°、60°、75°、または90°も適切な角度になることがある。180°または270°あるいは360°まで旋回角を大きくしても、密封キャップ4の内側で殺菌が行われる。旋回角の上限は、45°、60°、75°、90°、100°、120°、140°、160°、180°、270°、または360°とし得る。
【0028】
旋回の結果、注ぎ口3の内面での殺菌効果も実施される。
【0029】
搬送器のベルト21は、位置8で接触することによって、固定用ブラケット12からホイル・バッグ2を引き出すことができる。次いで、搬送器21は、ホイル・バッグ2をこの旋回位置のところで下向きに運ぶ。この期間中、殺菌効果が維持される。次いで、ホイル・バッグ2は、移動装置15のクランプ14によって急冷浴20に移される。搬送器17の周りで循環する受け口16が急冷浴20内に設けられ、それによって、冷却液内でホイル・バッグ2が冷却される。
【0030】
この機器全体は、サイクル単位で動作する。すなわち、旋回機構22は、1サイクル内で、上側位置から旋回位置に移動し、再度戻る。搬送器21と、移動装置15と、好ましくは急冷浴20の搬送器17も、これに対応してサイクル単位で動作する。
【0031】
この機器は、いくつかのホイル・バッグ2を同時に次々に処理し得る複数のトラックを有する。こうすると、スループットを高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】機器の3次元概略図である。
【図2】2次元概略断面図である。
【図3】機器内のホイル・バッグの3次元概略図である。
【符号の説明】
【0033】
2 ホイル・バッグ
2’ ホイル・バッグ
3 注ぎ口
4 密封キャップ
5 側縁部
6 側縁部
7 側方ホイル
8 位置、区域
10 底部片、ベース・プレート
11 裏当て片
12 固定用ブラケット
12’ 固定用ブラケット
13 旋回軸
14 クランプ
15 移動装置
16 受け口
17 搬送器
19 冷却液
20 急冷浴
21 搬送器ベルト、搬送器
22 旋回機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温の充填物でパッケージ(2)を充填する充填装置と、
前記パッケージ(2)を密封する密封装置とを備える充填機器であって、前記パッケージ(2)は、前記パッケージ(2)を開くためのパッケージ・シール(3、4)を有し、前記充填機器はさらに、
前記パッケージ・シール(3、4)が前記高温充填物と接触するように前記パッケージ(2)を旋回させる旋回機構(22)を備える、充填機器。
【請求項2】
前記密封装置は、前記パッケージ(2)に密封キャップ(4)を配置して密封することができることを特徴とする、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記密封装置は、例えば、前記パッケージ(2)のホイル材料を合わせて溶着することによって、前記パッケージ・シール(3、4)に隣接して配置された開口を密封することを特徴とする、請求項1または2に記載の機器。
【請求項4】
前記密封装置は、例えば溶着によって、前記パッケージ(2)の開口にパッケージ・シール(3、4)またはその一部(3)を挿入することを特徴とする、請求項1から3の一項に記載の機器。
【請求項5】
前記パッケージ(2)を充填する前記充填装置は、前記パッケージ・シール(3)の一部によって形成されることを特徴とする、請求項1から4の一項に記載の機器。
【請求項6】
前記パッケージ(2)を充填する前記充填装置は、前記パッケージ・シール(3、4)に隣接して、あるいは、前記パッケージ・シール(3、4)用に設けられた位置にある開口によって形成されることを特徴とする、請求項1から4の一項に記載の機器。
【請求項7】
搬送器表面(21)などの装置(21)を設け、例えば搬送することによって、前記パッケージ(2)を旋回位置で保持することができることを特徴とする、請求項1から6の一項に記載の機器。
【請求項8】
前記装置(21)は搬送器のベルトを備えることを特徴とする、請求項7に記載の機器。
【請求項9】
前記旋回機構(22)は、前記パッケージ(2)を、少なくとも30°、45°、60°、75°、90°、100°、120°、140°、150°、180°、270°、または360°旋回することができることを特徴とする、請求項1から8の一項に記載の機器。
【請求項10】
前記旋回機構(22)は、固定用ブラケット(12)を備えることを特徴とする、請求項1から9の一項に記載の機器。
【請求項11】
前記固定用ブラケット(12)は、旋回位置で前記パッケージ(2)の下にあることを特徴とする、請求項10に記載の機器。
【請求項12】
パッケージ(2)に高温の充填物を充填するステップと、
前記パッケージ(2)を閉じるステップとを含む充填方法であって、
前記パッケージ(2)は、パッケージ・シール(3、4)を有し、
前記パッケージ(2)は、前記パッケージ・シール(3、4)が前記高温充填物と接触するように旋回される、方法。
【請求項13】
前記パッケージ(2)に密封キャップ(4)を配置して密封することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記パッケージ・シール(3、4)に隣接して配置された開口を閉じて前記パッケージを密封することを特徴とする、請求項12または13の一項に記載の方法。
【請求項15】
例えば溶着によって、前記パッケージの開口にパッケージ・シール(3、4)またはその一部(3)を挿入して、前記パッケージを密封することを特徴とする、請求項12から14の一項に記載の方法。
【請求項16】
前記パッケージ・シールの一部(3)を介して前記パッケージに前記充填物を充填することを特徴とする、請求項12から15の一項に記載の方法。
【請求項17】
前記パッケージ・シール(3、4)に隣接して、あるいは、前記パッケージ・シール(3、4)用に設けられた位置に配置した開口を介して、前記パッケージに前記充填物を充填することを特徴とする、請求項12から15の一項に記載の方法。
【請求項18】
旋回後、前記パッケージ(2)は、ある期間その向きで保持され、それと同時に、例えば搬送されることを特徴とする、請求項12から17の一項に記載の方法。
【請求項19】
前記パッケージ(2)は、少なくとも30°、45°、60°、75°、90°、100°、120°、140°、150°、180°、270°、または360°旋回されることを特徴とする、請求項12から18の一項に記載の方法。
【請求項20】
前記パッケージ(2)は、固定用ブラケット(12)に寄りかかるように旋回されることを特徴とする、請求項12から19の一項に記載の方法。
【請求項21】
前記旋回ステップの後で、前記パッケージ(2)の一部は、前記固定用ブラケット(12)の下に位置し、前記部分は、排出用の搬送器のベルト(21)と接触することを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項1】
高温の充填物でパッケージ(2)を充填する充填装置と、
前記パッケージ(2)を密封する密封装置とを備える充填機器であって、前記パッケージ(2)は、前記パッケージ(2)を開くためのパッケージ・シール(3、4)を有し、前記充填機器はさらに、
前記パッケージ・シール(3、4)が前記高温充填物と接触するように前記パッケージ(2)を旋回させる旋回機構(22)を備える、充填機器。
【請求項2】
前記密封装置は、前記パッケージ(2)に密封キャップ(4)を配置して密封することができることを特徴とする、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記密封装置は、例えば、前記パッケージ(2)のホイル材料を合わせて溶着することによって、前記パッケージ・シール(3、4)に隣接して配置された開口を密封することを特徴とする、請求項1または2に記載の機器。
【請求項4】
前記密封装置は、例えば溶着によって、前記パッケージ(2)の開口にパッケージ・シール(3、4)またはその一部(3)を挿入することを特徴とする、請求項1から3の一項に記載の機器。
【請求項5】
前記パッケージ(2)を充填する前記充填装置は、前記パッケージ・シール(3)の一部によって形成されることを特徴とする、請求項1から4の一項に記載の機器。
【請求項6】
前記パッケージ(2)を充填する前記充填装置は、前記パッケージ・シール(3、4)に隣接して、あるいは、前記パッケージ・シール(3、4)用に設けられた位置にある開口によって形成されることを特徴とする、請求項1から4の一項に記載の機器。
【請求項7】
搬送器表面(21)などの装置(21)を設け、例えば搬送することによって、前記パッケージ(2)を旋回位置で保持することができることを特徴とする、請求項1から6の一項に記載の機器。
【請求項8】
前記装置(21)は搬送器のベルトを備えることを特徴とする、請求項7に記載の機器。
【請求項9】
前記旋回機構(22)は、前記パッケージ(2)を、少なくとも30°、45°、60°、75°、90°、100°、120°、140°、150°、180°、270°、または360°旋回することができることを特徴とする、請求項1から8の一項に記載の機器。
【請求項10】
前記旋回機構(22)は、固定用ブラケット(12)を備えることを特徴とする、請求項1から9の一項に記載の機器。
【請求項11】
前記固定用ブラケット(12)は、旋回位置で前記パッケージ(2)の下にあることを特徴とする、請求項10に記載の機器。
【請求項12】
パッケージ(2)に高温の充填物を充填するステップと、
前記パッケージ(2)を閉じるステップとを含む充填方法であって、
前記パッケージ(2)は、パッケージ・シール(3、4)を有し、
前記パッケージ(2)は、前記パッケージ・シール(3、4)が前記高温充填物と接触するように旋回される、方法。
【請求項13】
前記パッケージ(2)に密封キャップ(4)を配置して密封することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記パッケージ・シール(3、4)に隣接して配置された開口を閉じて前記パッケージを密封することを特徴とする、請求項12または13の一項に記載の方法。
【請求項15】
例えば溶着によって、前記パッケージの開口にパッケージ・シール(3、4)またはその一部(3)を挿入して、前記パッケージを密封することを特徴とする、請求項12から14の一項に記載の方法。
【請求項16】
前記パッケージ・シールの一部(3)を介して前記パッケージに前記充填物を充填することを特徴とする、請求項12から15の一項に記載の方法。
【請求項17】
前記パッケージ・シール(3、4)に隣接して、あるいは、前記パッケージ・シール(3、4)用に設けられた位置に配置した開口を介して、前記パッケージに前記充填物を充填することを特徴とする、請求項12から15の一項に記載の方法。
【請求項18】
旋回後、前記パッケージ(2)は、ある期間その向きで保持され、それと同時に、例えば搬送されることを特徴とする、請求項12から17の一項に記載の方法。
【請求項19】
前記パッケージ(2)は、少なくとも30°、45°、60°、75°、90°、100°、120°、140°、150°、180°、270°、または360°旋回されることを特徴とする、請求項12から18の一項に記載の方法。
【請求項20】
前記パッケージ(2)は、固定用ブラケット(12)に寄りかかるように旋回されることを特徴とする、請求項12から19の一項に記載の方法。
【請求項21】
前記旋回ステップの後で、前記パッケージ(2)の一部は、前記固定用ブラケット(12)の下に位置し、前記部分は、排出用の搬送器のベルト(21)と接触することを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2007−30991(P2007−30991A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−202473(P2006−202473)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(500502657)インダグ ゲゼルシャフト フィア インダストリーベダルフ ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー ベトリープス コマンディトゲゼルシャフト (7)
【氏名又は名称原語表記】INDAG Gesellschaft fuer Industriebedarf mbH & Co. Betriebs KG
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(500502657)インダグ ゲゼルシャフト フィア インダストリーベダルフ ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー ベトリープス コマンディトゲゼルシャフト (7)
【氏名又は名称原語表記】INDAG Gesellschaft fuer Industriebedarf mbH & Co. Betriebs KG
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]