説明

充電器、電池パック装着ユニット、及び電池パックユニット

【課題】電池パック毎に専用に設計された充電器を用意する事態を回避できるようにした充電器及び電池パックユニットを提供する。
【解決手段】充電器は、電池パック2を充電可能な充電器であって、充電対象の電池パック2を装着可能な装着部1と、前記装着部1に装着された電池パック2に対して、所定の充電電力を供給するための充電回路40を有する充電部3とを備えており、前記装着部1と前記充電部3とを着脱式に構成してなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池パックをセットして充電可能な充電器、電池パック装着ユニット、及び電池パックユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電池パックを充電する充電器は開発されている。この充電器は、電池パックをセットし、ACアダプタを接続して電池パックを充電する。
一方、電池パックは、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ICレコーダ、MPプレイヤー等の給電対象の電池駆動機器毎に専用に設計されることが一般的である。このため、従来は各電池パック毎に、電池パックの大きさや電極端子の位置、充電時の充電電流や電圧等の条件などに応じて、専用に設計された充電器が用いられてきた。
しかしながら、このような方法では、電池パックの提供者側にとっては、電池パック毎に専用の充電器を設計する必要が生じ、設計のコストがかかるという問題がある。特に、新たな機種が開発される毎に、一々これに対応した充電器を用意しなければならず、また過去の機種においても一定期間内は供給する必要があり、他品種の少量生産や管理を強いられ、負担となっていた。
一方、ユーザー側においても、使用する電池駆動機器毎にそれぞれ専用の充電器を用意しなければならず、嵩張る上、どの電池パックに対してどの充電器が対応しているか、管理が大変となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−166825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来のこのような問題点に鑑みてなされたものである。本発明の主な目的は、電池パック毎に専用に設計された充電器を用意する事態を回避できるようにした充電器、電池パック装着ユニット、及び電池パックユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の側面に係る充電器は、電池パック2を充電可能な充電器であって、充電対象の電池パック2を装着可能な装着部1と、前記装着部1に装着された電池パック2に対して、所定の充電電力を供給するための充電回路40を有する充電部3とを備えており、前記装着部1と前記充電部3とを着脱式に構成してなることを特徴とする。
これにより、電池パック毎に、該電池パックの形状や電極の位置などに応じて装着部を用意すると共に、充電部を共通として装着部を交換して使用可能とすることができ、異なる電池パックを充電するために専用の充電器をそれぞれ用意しなければならない事態を回避できる。
【0006】
本発明の第2の側面にかかる充電器によれば、前記充電部3が、電池パック2を充電するための充電電力を外部から受けるためのコネクタ9を有して、該コネクタ9を、規格化されたコネクタとすることができる。
これにより、規格化されたコネクタを介して給電できるため、ACアダプタ等の外部電源を用意する必要がなくなり、充電器をコンパクトにできる利点が得られる。
【0007】
本発明の第3の側面にかかる充電器によれば、前記コネクタ9をUSBコネクタ9Aとすることができる。
これにより、広く普及しているUSBの給電ポートを利用して給電できるため、ACアダプタ等の外部電源を用意する必要がなくなり、充電器をコンパクトにできる利点が得られる。
【0008】
本発明の第4の側面にかかる充電器によれば、前記充電部3が、前記USBコネクタ9Aを、可撓性を有するケーブル49を介して前記充電部3から引き出して、前記装着部1が、前記USBコネクタ9Aを嵌入するためのコネクタ嵌入凹部29を備えることができる。
これにより、USBコネクタを充電部に直付けとせず、ケーブルを介して引き出すことで取り回しをよくし、一方で装着部と連結した状態では、ケーブルが邪魔にならないように保持できる。
【0009】
本発明の第5の側面にかかる充電器によれば、前記充電部3が、外形を箱状とし、該箱状の長方形状の一面を、前記装着部1と結合させるための充電部側結合面30Aとしており、前記装着部1は、前記充電部3と結合させるための装着部側結合面10Aを、前記充電部側結合面30Aよりも長手方向を短く形成し、短手方向を該充電部側結合面30Aと略等しくしており、前記装着部側結合面10Aと対向する端面を、前記充電部側結合面30Aと略等しくしており、前記充電部3と装着部1とを結合させた状態で、充電器の側面1Sに凹部50を形成させ、該凹部50に、前記USBコネクタ9Aを配置することができる。
これにより、充電部と装着部を装着させた状態でもUSBコネクタを凹部に配置することで、可撓性のあるUSBケーブルが充電器の表面からはみ出す事態を回避し、収まりよくできる。
【0010】
本発明の第6の側面にかかる充電器によれば、前記充電部3が、前記装着部1と電気的に接続するための充電部側コネクタ5を備えて、前記装着部1が、前記充電部3と電気的に接続するための装着部側コネクタ7を備えて、前記装着部側コネクタ7を雌型とし、前記充電部側コネクタ5を雄型として、該装着部側コネクタ7と該充電部側コネクタ5とを係合させるよう構成することができる。
これにより、電池パックを装着可能な装着部側コネクタを雌型の端子として、接点部分にユーザーが誤って指などを触れにくい構造とでき、安全性を高めることができる。
【0011】
本発明の第7の側面にかかる充電器によれば、前記装着部1は、電池パック2を所定の姿勢で配置するための電池装着凹部20を設けて、前記電池装着凹部20は、電池パック2を装着した状態で、該電池パック2の周囲を囲む周壁を設けて、前記壁部は、電池パック2の出力端子2Sを設けた端子面2X側と面する第一壁22と、前記第一壁22と対向させて、電池パック2の端子面2Xと対向する底面2Y側と面する第二壁24とを有して、前記第一壁22は、電池パック2を前記電池装着凹部20に装着した状態で、端子面2Xを覆うように迫り出す形状に突出させたひさし部26を設けて、前記第二壁24は、電池パック2を前記電池装着凹部20に装着した状態で、底面2Yを表出させる取出凹部25を設けることができる。
これにより、電池装着凹部において、電池パックの出力端子と接続する端子類をひさし部で覆うことにより、指などの接触や埃から保護する一方、反対側の底面においては、取出凹部に表出させた底面にユーザーが指をかけて電池パックの着脱作業を容易にできる利点が得られる。
【0012】
本発明の第8の側面にかかる電池パック装着ユニットは、電池パック2を充電可能な充電部3を接続することで、充電器を構成可能な電池パック装着ユニットであって、充電対象の電池パック2を装着可能な電池装着凹部20と、充電部3と脱着自在に連結すると共に、電気的に接続するための装着部側コネクタ7とを備えており、前記電池装着凹部20に電池パック2を装着し、かつ前記装着部側コネクタ7を介して充電部3と連結した状態で、該充電部3から所定の充電電力の供給を受けて、電池パック2を充電可能に構成している。
これにより、電池パックの形状や電極の位置などに応じた電池パック装着ユニットを、充電対象となる電池パックに応じて交換することで、充電部を共通としながら、充電対象となる電池パックを装着して充電できる。また、電池パック毎に専用の充電器を用意することなく、電池パック装着ユニットのみを交換して多種の電池パックに対応して充電できる。
【0013】
本発明の第9の側面にかかる電池パックユニットは、充電可能な電池パック2と、前記電池パック2を装着可能であって、かつ、該電池パック2に対して所定の充電電力を供給する充電部3に脱着自在に連結される装着部1とを備えており、前記装着部1に前記電池パック2を装着すると共に、該装着部1を前記充電部3に連結して該電池パック2を充電する。
これにより、電池パックと、該電池パックの形状や電極の位置などに応じた装着部とをユニットとして、これらを交換することにより、充電部を共通としながら、異なる電池パックを便利に充電できる。また、電池パック毎に専用の充電器を用意することなく、多種の電池パックに対応して充電できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施例1に係る充電器の斜視図である。
【図2】図1の充電器の使用状態を示す斜視図である。
【図3】図1の充電器の充電部と装着部の脱着構造を示す分解斜視図である。
【図4】図3の充電器を背面下側から見た斜視図である。
【図5】図1の充電器の分解断面図である
【図6】図1の充電器の連結構造を示す断面図である
【図7】図1の充電器の内部構造を示す分解斜視図である。
【図8】図1の充電器に電池パックを装着する状態を示す斜視図である。
【図9】図1の充電器に他の電池パックを装着する状態を示す斜視図である。
【図10】図1の充電器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための充電器及び電池パックユニットを例示するものであって、本発明は充電器及び電池パックユニットを以下のものに特定しない。なお、特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部材の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。また、一部の実施例、実施形態において説明された内容は、他の実施例、実施形態等に利用可能なものもある。
【実施例1】
【0016】
図1〜図10に、本発明の実施例1に係る充電器を示す。これらの図において、図1は実施例1に係る充電器を斜め上方から見た斜視図、図2は図1の充電器の使用状態を示す斜視図、図3は図1の充電器の充電部と装着部の脱着構造を示す分解斜視図、図4は図3の充電器を背面下側から見た斜視図、図5は図1に示す充電器の分解断面図、図6は図1の充電器の充電部と装着部の連結構造を示す断面図、図7は図1の充電器の内部構造を示す分解斜視図、図8は図1の充電器に電池パックを装着する状態を示す斜視図、図9は図1の充電器に他の電池パックを装着する状態を示す斜視図、図10は図1の充電器のブロック図を、それぞれ示している。
【0017】
これらの図に示す充電器は、充電対象の電池パック2を装着可能な装着部1と、この装着部1に装着された電池パック2に対して、所定の充電電力を供給するための充電回路40を有する充電部3とで構成している。充電器は、図3と図4に示すように、装着部1と充電部3とを着脱自在に連結できる構造としている。この充電器は、充電したい電池パック2を装着可能な装着部1を充電部3に装着すると共に、この装着部1に電池パック2を装着する状態で、充電部3から装着部1に充電電力を供給して電池パック2を充電する。さらに、この充電器は、異なるタイプの電池パック2を充電する場合には、この電池パック2を装着可能な装着部1に交換すると共に、この装着部1に電池パック2を装着する状態で充電部3から充電電力を供給して電池パック2を充電する。
さらに、本発明は、充電可能な電池パック2と、この電池パック2を脱着自在に装着可能であって、かつ、この電池パック2に対して所定の充電電力を供給する充電部3に脱着自在な装着部1とで電池パックユニットを構成して、充電部1に対して、電池パックユニットを交換することで、異なるタイプの電池パック2を充電することができる。
さらにまた、本発明は、電池パック2を脱着自在に装着可能な装着部1を、電池パック2を充電可能な充電部3を接続することで充電器を構成可能な電池パック装着ユニットとして、この装着部3に電池パック2を装着し、かつ充電部3と連結した状態で、充電部3から充電電力の供給を受けて、電池パック2を充電することもできる。
(装着部1)
【0018】
装着部1は、充電対象の電池パック2を脱着自在に装着すると共に、充電部3に脱着自在に連結されて、充電部3から供給される充電電力で電池パック2を充電する。装着部1は、充電部3に脱着自在に連結される装着ケース10を備えている。装着部1は、この装着ケース10の装着部側結合面10Aを、充電部3の充電部側結合面30Aに対向する姿勢として充電部3に連結される。装着部1は、充電部3に脱着自在に連結するために、装着ケース10の装着部側結合面10Aに、充電部3の連結凸部33を嵌入する連結凹部13を設けている。さらに、装着部1は、装着ケース10の上面に、電池パック2を装着するための電池装着凹部20を設けている。
【0019】
さらに、図の装着部1は、充電部3と電気的に接続するための装着部側コネクタ7と、電池装着部20にセットされる電池パック2の出力端子2Sに接触する接続端子8とを備えている。図の装着部1は、装着部側コネクタ7と接続端子8とをサブ回路基板6に固定しており、このサブ回路基板6を装着ケース10の内部に収納している。装着部1は、装着ケース10の定位置に配置されるサブ回路基板6を介して、装着部側コネクタ7を連結凹部13の内側に配置すると共に、接続端子8を電池装着凹部20の定位置に配置している。
ここで、電池パック装着ユニットを構成する装着部3は、充電対象の電池パック2を装着可能な電池装着凹部20と、充電部3に脱着自在に連結されて、電気的に接続するための装着部側コネクタ7とを備えて、電池装着凹部20に電池パック2を装着し、かつ装着部側コネクタ7を介して充電部3と連結する状態で、充電部3から所定の充電電力の供給を受けて、電池パック2を充電可能に構成することができる。
(装着ケース10)
【0020】
装着ケース10はプラスチック製で、平面形状を略四角形とする上ケース11と下ケース12とを別々に成形して連結している。上ケース11は、上面プレート11Aの周囲に周壁11Bを有する形状に成形しており、下ケース12は、下面プレート12Aの周囲に周壁12Bを有する形状に成形している。図の装着ケース10は、上ケース11と下ケース12とを対向する周壁11B、12Bで互いに連結して、内部に形成される収納室15にサブ回路基板6を収納している。
(連結凹部13)
【0021】
連結凹部13は、装着ケース10の装着部側結合面10Aに設けた凹部であって、充電部3の充電部側結合面30Aに設けた連結凸部33を嵌入できる内形としている。装着ケース10は、装着部側結合面10Aには周壁11B、12Bを設けることなく、装着部側の端部を筒状として、充電部3の連結凸部33を挿入する連結凹部13を設けている。装着ケース10は、図3、図5、及び図6に示すように、連結凹部13に挿入される連結凸部33の先端面と対向する隔壁14を、装着部側結合面10Aよりも内側に位置して設けており、この隔壁14によって、上ケース11と下ケース12の内側を連結凹部13と収納室15とに区画している。この隔壁14は、上下に分割しており、上ケース11と下ケース12にそれぞれ一体成形して設けて互いに連結している。装着ケース10は、隔壁14の外側面と上ケース11の内面と下ケース12の内面とで形成される空間を連結凹部13としている。
(電池装着凹部20)
【0022】
電池装着凹部20は、上ケース11の上面に開口するように設けている。装着ケース10は、上ケース11の表面に凹部を設けて、この凹部を電池装着凹部20としている。電池装着凹部20は、充電対象となる特定の電池パック2を脱着自在に連結できる形状に成形している。図に示す装着部1は角形の電池パック2を装着するので、電池装着凹部20は、底面となる底プレート21を四角形として4辺に周壁を設けて、その開口部の内形を四角形としている。四角形の電池装着凹部20を形成する4辺の周壁は、電池パック2の端子面2Xと対向する第一壁22と、電池パック2の両側面と対向する一対の側壁23と、電池パック2の底面2Yと対向する第二壁24とからなり、これらの周壁を底プレート21に対して略垂直に成形している。この形状の電池装着凹部20は、電池パック2を抜けないようにセットできる。
(取出凹部25)
【0023】
さらに、図の装着ケース10は、第二壁24に、電池装着凹部20にセットされた電池パック2の取出凹部25を設けている。取出凹部25は、電池装着凹部20の上縁に向かって開口幅が広くなる形状としている。取出凹部25は、ここにユーザーが指等を入れて、電池パック2を簡単に取り出しできる。
(ひさし部26)
【0024】
さらに、上ケース11は、図5の断面図に示すように、電池パックの端子面と対向する第一壁22の上端縁にひさし部26を設けている。図の上ケース11は、四角形である電池装着凹部20の開口縁を内側に突出させてひさし部26としている。この構造によって、電池装着凹部20は、第一壁22をアンダーカット形状としている。アンダーカット形状の電池装着凹部20は、ここにセットした電池パック2の抜けを防止できる。とくに、第一壁22に設けた接続端子8で電池パック2の端子面2Xを、弾性的に押圧する状態での電池パック2の抜けを防止できる。さらに、第一壁22の上端にひさし部を設けることで、第一壁22から表出する接続端子8の露出を抑えて、ユーザーの指や異物などの接触を有効に防止しながら、埃等などからも保護できる。
(接続端子8)
【0025】
電池装着凹部20は、第一壁22に、電池パック2の出力端子2Sに接触する接続端子8を配置している。電池装着部20は、接続端子8を定位置に配置するために、接続端子8の金属線を出入りできるように案内するガイドスリット27を設けている。図4の電池装着凹部20は、第一壁22に、3列のガイドスリット27を、図において上下に伸びるように設けている。3列の接続端子8を定位置に配置するためである。第一壁22は、セットされる電池パック2の出力端子2Sに接触する位置に接続端子8を配置するようにガイドスリット27を設けている。ガイドスリット27は、その幅を、接続端子8の金属線の外径よりも広くして、金属線の接続端子8を自由に出入りできるようにガイドしている。
【0026】
接続端子8は、弾性変形できる金属線で、一端をサブ回路基板6にハンダ付けなどの方法で固定している。さらに、接続端子8は、金属線を折曲加工して、電池パック2の出力端子2Sに接触する接点部8Aと、この接点部8Aを弾性的に電池パック2の出力端子2Sに押圧する弾性アーム部8Bとを設けている。この接続端子8は、金属線を第二壁22のガイドスリット27に案内して、接点部8Aを弾性的に突出させて、電池パック2の出力端子2Sに弾性的に押圧する。図の接続端子8は、金属線の一端をサブ回路基板6に固定しているが、装着ケースに一端を固定して、接点部をガイドスリットから弾性的に突出する構造とすることもできる。装着ケースに固定される接続端子は、リード線(図示せず)を介してサブ回路基板に接続され、あるいは、連結凹部に配置される装着部側コネクタ(詳細には後述する)に接続されて電池パックを充電することができる。
【0027】
装着部1は、充電対象となる電池パック2を電池装着凹部20にセットする状態で、第一壁22から表出する接続端子8を電池パック2の出力端子2Sに接触させて充電する。したがって、装着部1は、充電対象となる電池パック2の端子面2Xに設けた出力端子2Sと対向する位置に接続端子8を配置している。ここで、図に示す3列の接続端子8は、正負の充電端子8aと、温度検出端子8bとからなる。3列の接続端子8は、装着される電池パック2の出力端子2Sである正負の電極端子2aと、温度端子2bに対向して配置している。すなわち、正負の充電端子8aは正負の電極端子2aと対向する位置に、温度検出端子8bは温度端子2bと対向する位置に配置している。
【0028】
図8に示す電池パック2Aは、端子面2Xの片側に3つの出力端子2Sを並べて設けている。したがって、この電池パック2Aが装着される装着部1Aは、図に示すように、第一壁22Aの片側であって、電池パック2Aの出力端子2Sと対向する位置に3つの接続端子8を並べて配置している。
【0029】
また、図9に示す電池パック2Bは、端子面2Xの片側(図において左側)に2つの出力端子2Sを設けて、その反対側(図において右側)に1つの出力端子2Sを設けている。したがって、この電池パック2Bが装着される装着部1Bの電池装着凹部20Bは、図に示すように、第一壁22Bの片側であって、電池パック2Bの2つの出力端子2Sと対向する位置に2つの接続端子8を並べて配置し、その反対側であって、電池パック2Bの1つの出力端子2Sと対向する位置に1つの接続端子8を配置している。
【0030】
さらに、図示しないが、装着部は、充電対象となる特定の電池パックを脱着自在に装着可能な電池装着凹部を設けると共に、この電池装着凹部の第一壁には、ここにセットされる電池パックの出力端子と対向する位置に接続端子を配置することにより、種々のタイプの電池パックを充電することができる。すなわち、装着部は、セットする電池パックの外形や構造に対応して、電池装着凹部の内形や大きさ、接続端子の形状や配置を変更して製造することにより、種々の電池パックを装着して充電できる。
(サブ回路基板6)
【0031】
サブ回路基板6は、複数の接続端子8と装着部側コネクタ7とを定位置に固定している。このサブ回路基板6は、装着ケース10の内部の定位置に配置されて、各々の接続端子8を電池装着凹部20の第一壁22のガイドスリット27から表出させると共に、装着部側コネクタ7を連結凹部13の内側に配置している。すなわち、複数の接続端子8と装着部側コネクタ7とをサブ回路基板6を介して装着ケース10の定位置に配置している。この構造は、複数の接続端子8と装着部側コネクタ7の両方を直接にサブ回路基板6に固定し、複数の接続端子8と装着部側コネクタ7と回路基板4とを組立アッセンブリーとして、装着ケース10に配置できるので、能率よく簡単に組み立てできる特徴がある。ただ、装着部は、必ずしもサブ回路基板を備える必要はなく、装着部側コネクタと接続端子とを直接に装着ケースに固定して、これらをリード線等で電気接続することもできる。
【0032】
図5ないし図7の装着ケース10は、収納室15内の定位置にサブ回路基板6を配置するために、サブ回路基板6を貫通して定位置に連結する位置決めリブ16を上ケース11に一体成形して設けている。一方、サブ回路基板6には、この位置決めリブ16を連結するために連結穴6Aを設けている。図の位置決めリブ16は、サブ回路基板6の連結穴6Aに挿入される挿入部16Aを下端に設けると共に、下端部を段差形状として、この段差部16Bをサブ回路基板6の上面に当接させて保持する形状としている。さらに、図5に示す上ケース11は、サブ回路基板6に固定された接続端子8の固定部を保護する補強リブ17を、電池装着凹部20の底プレート21から下方に突出して一体成形して設けており、この補強リブ17の下端もサブ回路基板6の上面に当接させてサブ回路基板6を保持する構造としている。さらに、下ケース12は、サブ回路基板6の下面に当接して、サブ回路基板6を所定の位置に支持する支持リブ18を設けている。以上の構造は、位置決めリブ16の挿入部16Aをサブ回路基板6の連結穴6Aに挿入してサブ回路基板6を定位置に位置決めしながら、位置決めリブ16の段差部16B及び補強リブ17と支持リブ18とでサブ回路基板6を上下から挟着する状態で保持して装着ケース10の定位置に配置できる。ただ、サブ回路基板は、図示しないが、嵌合構造や係止構造、ネジ止め等により装着ケース内の定位置に配置することもできる。
(装着部側コネクタ7)
【0033】
装着部側コネクタ7は、連結凹部13の内側に表出する状態で固定している。この装着部側コネクタ7は、連結凹部13に挿入される連結凸部33に設けた充電部側コネクタ5が接続されて充電部3に電気接続される。充電部側コネクタ5に接続される装着部側コネクタ7は、充電部3の充電回路40から電池パック2の充電電力が供給される。装着部側コネクタ7に供給される充電電力は、サブ回路基板6を介して接続端子8の充電端子8aに供給されると共に、充電端子8aに接触する電極端子2aを介して電池パック2に供給されて電池パック2を充電する。さらに、装着部側コネクタ7は、電池パック2の温度端子2bに接触する温度検出端子8bからの信号を充電部側コネクタ5を介して充電部1側に伝送する。
【0034】
図に示す装着部側コネクタ7は、雌型のコネクタで、連結凸部33に固定された雄型のコネクタである充電部側コネクタ5に係合されて互いに電気接続するようにしている。雌型のコネクタである装着部側コネクタ7は、互いに平行な姿勢で配列された複数の絶縁プレート7Aの間に接触端子7aを設けている。この装着部側コネクタ7は、隣接する絶縁プレート7Aの間に雄型のコネクタである充電部側コネクタ5の出力端子板5aが挿入されて、接触端子7aと出力端子板5aが電気接続される。このように、装着部側コネクタ7を雌型のコネクタとする構造は、装着部1の電池装着凹部13に電池パック2を装着する状態で、電池パック2の電力が装着部側コネクタ7を介して外部に漏れる弊害、例えば、連結凹部13の内側に表出する装着部側コネクタ7にユーザーの指が接触して感電したり、異物が接触して電池パック2がショートする等の弊害を確実に防止できる。
【0035】
図5と図7に示す装着部側コネクタ7は、サブ回路基板6の端部に固定されており、サブ回路基板6を装着ケース10の収納室15に配置する状態で、隔壁14に開口して設けたコネクタ窓14Aから外部に表出させて連結凹部13の内側に配置している。図3と図7に示す下ケース12は、装着部側コネクタ7をコネクタ窓14Aの定位置に固定するために、隔壁14をコネクタ窓14Aの両側で外側に折曲して折曲部14Bを設けており、対向する折曲部14Bの間に装着部側コネクタ7を嵌入するようにしている。さらに、図に示す装着部側コネクタ7は、ケーシングの両側に、下ケース12に連結するための嵌合凸部7Bを突出して設けている。この装着部側コネクタ7は、両側の嵌合凸部7Bを隔壁14の折曲部14Bに設けた位置決め凹部14bに嵌入して下ケース12の定位置に固定している。
(充電部3)
【0036】
充電部3は、装着部1が脱着自在に連結されて、装着部1にセットされた電池パック2を充電する充電電力を装着部1に供給して電池パック2を充電する。充電部3は、外形を箱状とする本体ケース30を備えている。充電部3は、この本体ケース30の充電部側結合面30Aに、装着部1の装着部側結合面10Aを対向させる姿勢として装着部1を連結させる。充電部3は、装着部1を脱着自在に連結するために、本体ケース30の充電部側結合面30Aに、装着部1の連結凹部13に嵌入される連結凸部33を設けている。
【0037】
さらに、充電部3は、装着部1に装着された電池パック2に対して、所定の充電電力を供給して充電する充電回路40と、電池パック2を充電するための充電電力を外部から受けるためのコネクタ9と、装着部1と電気的に接続するための充電部側コネクタ5とを備えている。図5ないし図7、及び図10に示す充電部3は、充電回路40を実現する電子部品を実装してなる回路基板4を備えており、この回路基板4を本体ケース30の内部に収納している。回路基板4は、ケーブル49を介してコネクタ9を接続すると共に、一端に充電部側コネクタ5を固定して、連結凸部33の定位置に配置している。
(本体ケース30)
【0038】
本体ケース30は、プラスチック製の第1ケース31と第2ケース32とからなる。第1ケース31は、第1表面プレート31Aの周囲に外周壁31Bを一体的に成形しており、第2ケース32は、第2表面プレート32Aの周囲に外周壁32Bを一体的に成形している。図の本体ケースは、第1ケース31と第2ケース32とを対向する外周壁31B、32Bで互いに連結して、全体の形状を箱形としている。
(連結凸部33)
【0039】
連結凸部33は、本体ケース30の充電部側結合面30Aから突出する凸部で、装着部1の装着部側結合面10Aに設けた連結凹部13に嵌入できる外形としている。図3ないし図9の本体ケース30は、第1ケース31と第2ケース32を連結して、充電部側結合面30Aから突出する連結凸部33を一体的に成形して設けている。連結凸部33は、第1表面プレート31Aの突出部31aと第2表面プレート32の突出部32aとを周囲の外周壁31B、32Bで連結して、充電部側結合面30Aから突出する形状としている。
【0040】
図4の充電部3は、本体ケース30の充電部側結合面30Aに、連結凸部33を設けてなる連結領域30aと、連結凸部33を設けない非連結領域30bとを設けて、連結領域30aを装着部1の装着部側結合面10Aに対向させている。図4の本体ケース30は、長方形の充電部側結合面30Aの長手方向の端部に非連結領域30bを設けている。図の充電器は、充電部3の充電部側結合面30Aの長手方向の長さを装着部1の装着部側結合面10Aの長手方向の長さよりも長くすると共に、充電部3の充電部側結合面30Aの短手方向の長さを装着部1の装着部側結合面10Aの短手方向の長さとほぼ等しくしている。この充電器は、図1に示すように、充電部3に装着部1を連結する状態で、充電部3と装着部1との外周面が同一面となるように、具体的には、充電部3と装着部1との連結部分における上面、下面、及び一方の側面が同一平面となるようにしている。したがって、充電部3の連結凸部33は、装着部1の装着部側結合面10Aの外周よりもひとまわり小さな外形として、装着部1の連結凹部13に嵌入できるようにしている。
(収納スペース35)
【0041】
さらに、本体ケース30は、内部に形成される収納スペース35に回路基板4を収納している。図に示す本体ケース30は、第1ケース31の内側と第2ケース32の内側に、互いに連結される区画壁34を設けており、この区画壁34と外周壁31B、32Bの内側に回路基板4の収納スペース35を設けている。この区画壁34は、上下に分割しており、第1ケース31と第2ケース32にそれぞれ一体成形して設けて互いに連結している。図7の本体ケース30は、充電部側結合面30Aと反対側の端面と、非連結領域側20bの側面に沿って区画壁34を設けている。すなわち、図の本体ケース30は、連結凸部33を形成する外周壁31B、32Bと、連結領域30a側の側面の外周壁31B、32Bと、区画壁34との内側に回路基板4の収納スペース35を設けている。
【0042】
さらに、図の本体ケース30は、回路基板4を定位置に配置するために、収納スペース35を形成する外周壁31B、32Bと区画壁34の内周面に複数の位置決めリブ36、37を設けている。図の位置決めリブ36、37は、回路基板4の外周縁に交差する姿勢で設けており、これらの位置決めリブ36、37の内面に回路基板4の外周縁を対向する姿勢で配置して、回路基板4を収納スペース35の定位置に位置決めしている。さらに、位置決めリブ37は、段差形状に成形しており、この段差部37Bを回路基板4の表面に当接させて、回路基板4の上面と下面を支持する支持部としている。以上の構造は、位置決めリブ36、37で回路基板4の外周縁を位置決めしながら、位置決めリブ37の段差部37Bで回路基板4を上下から挟着する状態で保持して本体ケース30の定位置に配置している。ただ、回路基板は、図示しないが、嵌合構造や係止構造、ネジ止め等により本体ケース内の定位置に配置することもできる。
(回路基板4)
【0043】
充電部3は、図10のブロック図に示すように、コネクタ9を介して外部電源から供給される電力で電池パック2を充電する充電回路40と、電池パック2から入力される電池温度と電池電圧とから電池パック2の充電を制御する保護回路41と、電池パック2の充電状態や異常を外部に表示する表示部42とを備えている。したがって、回路基板4は、これらの回路を実現する電子部品を実装している。
【0044】
充電回路40は、外部電源に接続されるコネクタ9から供給される電力を、電池パック2を充電する充電電力に変換して出力する。電池パック2をリチウムイオン電池とする充電器にあっては、この充電回路40が定電流定電圧充電して電池パック2を充電する。また、電池パックをニッケル水素電池やニッケルカドミウム電池とする充電器にあっては、充電回路が定電流充電して電池パックを充電する。さらに、充電回路40は、電池パック2の満充電を検出して充電を停止する。
【0045】
保護回路41は、電池温度と電池電圧を検出して電池パック2を保護しながら充電をコントロールする。電池温度は、電池パック2に内蔵される温度センサ46で検出されて、電池パック2の端子面2Xに設けた温度端子2bから出力される信号から検出する。保護回路41は、電池パック2の充電電流を制限する温度を記憶するメモリ43を備えている。メモリ43は、電池温度に対する許容電流を記憶している。許容電流は、その温度において電池パック2に流すことができる最大電流であって、この電流よりも少ない電流で使用される。したがって、保護回路41は、電池温度から電池パック2を充電する電流を許容電流よりも小さく制御して電池パック2を保護する。また、保護回路は、電池パックの充電を許容する最高温度と最低温度を記憶して、この最高温度と最低温度との間で充電を許容するように制御することもできる。最高温度と最低温度は、電池の種類により最適温度に設定され、たとえばリチウムイオン電池においては、最高温度を約60℃〜70℃、最低温度を約−10℃〜0℃とすることができる。
【0046】
さらに、保護回路41は、電池パック2の電圧を検出して充電を制御する。この保護回路41は、充電している電池パック2の電圧が最高電圧まで上昇すると充電を停止する。図10に示す保護回路41は、電池温度や電池電圧の異常を検出すると、充電回路40を制御して電池パック2の充電を停止する。
【0047】
表示部42は、充電回路40や保護回路41から電池パック2の充電状態や異常等を示す信号が入力されて、このことを外部に表示する。図に示す表示部42は、光源である発光ダイオード44と、この発光ダイオード44の点灯状態を制御する点灯回路45とを備えている。表示部42は、充電回路40が電池パック2を充電する状態と、電池パック2が満充電となって充電を停止する状態とを検出して、点灯回路45が発光ダイオード44を点灯させる。点灯回路45は、電池パック2の充電が開始されると、発光ダイオード44を点灯させて充電中であることを表示し、電池パック2が満充電されると発光ダイオード44を消灯させて充電が完了したことを表示する。さらに、点灯回路45は、電池パック2の電圧が異常に上昇し、あるいは、電池温度が異常に上昇する状態では、電池パック2の異常として発光ダイオード44を点滅させる。この表示部42は、単色の発光ダイオード44の点灯状態を制御して、電池パック2の充電状態や異常等を表示できる。
【0048】
ただ、表示部は、電池パックの充電状態や異常を、発光ダイオードの発光色を変化させて表示することもできる。例えば、表示部は、電池パックの充電中においては、発光ダイオードをオレンジ色に発光させると共に、電池パックの残容量に応じて発光ダイオードの点滅周期を変更させることもできる。この表示部は、電池パックが満充電に近づくにつれて発光ダイオードの点滅周期を短くして充電状態をユーザーに表示することができる。さらに、電池パックが満充電されると、緑色に点灯させて電池パックが満充電されたことを表示できる。また、電池の異常時には、他の色に点滅させ、あるいは多色に点滅させて、あるいはまた、特定の点滅パターンで点滅させてこのことを表示することもできる。
【0049】
図9に示す回路基板4は、上面に発光ダイオード44を固定している。本体ケース30は、上ケース31に発光ダイオード44の開口窓38を設けており、この開口窓38から発光ダイオード44を表出させて外部に表示している。ただ、本体ケースは、発光ダイオードを表出させる開口窓を設けることなく、発光ダイオードの発光を透過させて外部に表示することもできる。このケースは、透光性を有するプラスチックで製作する。とくに、このケースは、発光ダイオードと対向する部分を薄く成形して、発光ダイオードから照射される光を外部に透過する透光部を設けて、効率よく外部に発光させることもできる。
(充電部側コネクタ5)
【0050】
さらに、充電部3は、充電回路40の出力側に、充電部側コネクタ5を接続している。図5と図7に示す充電部側コネクタ5は、回路基板4の端部に固定されており、回路基板4を本体ケース30の収納スペース35に配置する状態で、連結凸部33の下面側に設けた収納凹部33Aに表出する状態で配置している。この充電部側コネクタ5は、連結凸部33を連結凹部13に挿入する状態で、連結凹部13に設けた装着部側コネクタ7に接続されて装着部1に電気接続される。装着部側コネクタ7に接続される充電部側コネクタ5は、充電回路40から出力される充電電力を装着部1側に供給する。さらに、この充電部側コネクタ5は、電池パック2の温度端子2bからの信号を充電部側コネクタ5を介して受け取る。
【0051】
図に示す充電部側コネクタ5は、収納凹部33Aに開口して設けたコネクタ窓33Bから外部に表出させて収納凹部33Aの内側に配置している。図の第2ケース32は、充電部側コネクタ5を収納凹部33Aの定位置に固定するために、外周壁32Bにコネクタ窓33Bを開口すると共に、充電部側コネクタ5の収納スペース35側の端面に当接する支持凸部39を一体成形して設けている。充電部側コネクタ5は、両側面がコネクタ窓33Bの開口縁で位置決めされると共に、後端面が支持凸部39で支持されて第2ケース32の定位置に配置される。
【0052】
図に示す充電部側コネクタ5は、雄型のコネクタで、連結凹部13に固定された雌型のコネクタである装着部側コネクタ7に係合されて互いに電気接続するようにしている。雄型のコネクタである充電部側コネクタ5は、互いに平行な姿勢で配列された複数の出力端子板5aを備えている。図に示す連結凸部33は、外部に表出する充電部側コネクタ5を保護するために、充電部側コネクタ5の上側をカバーするカバー壁33Cを第1ケース31に一体成形して設けている。図のカバー壁33Cは、充電部側コネクタ5を構成する複数の出力端子板5aの上面に沿って設けている。充電部側コネクタ5は、下面側の収納凹部33Aに配置されると共に、このカバー壁33Cによって上面側がカバーされて、上方からの異物によるショート等を有効に防止している。
(コネクタ9)
【0053】
さらに、充電部3は、充電回路40の入力側に、ケーブル49を介してコネクタ9を接続している。コネクタ9は、規格化されたコネクタで、従来のように、ACアダプタ等の外部電源を用意することなく、簡単に給電できるようにしている。図に示すコネクタ9は、USBコネクタ9Aとしている。USBコネクタ9Aであるコネクタ9は、USBの給電ポートを外部電源として利用する。コネクタ9は、外部電源に接続される状態で、外部電源から供給される電力をケーブル49を介して回路基板4の充電回路40に供給する。ただし、コネクタは必ずしもUSBコネクタとする必要はなく、電源から電力が供給される他の全ての構造とすることができる。たとえば、充電部は、外部接続されるACアダプタから給電することもできる。さらに、充電部は、商用電源のコンセントに接続されるプラグ刃を備えて、このプラグ刃から供給される交流電力を直流に変換して電池パックを充電することもできる。この充電部は、供給される交流電力を直流電力に変換する整流回路を備えて、整流回路で変換された直流電力を、電池パックを充電できる充電電力に充電回路で変換して出力する。
(ケーブル49)
【0054】
ケーブル49は、可撓性を有しており、後端を本体ケース30の内部に挿入して回路基板4に接続すると共に、先端にはコネクタ9を接続して、本体ケース30から外部に引き出している。本体ケース30の外部に引き出されたケーブル49は、本体ケース30の外周壁31B、32Bに設けた外周溝51に案内している。図の本体ケース30は、装着部1と反対側の端面と、非連結領域側20bの側面とに外周溝51を設けている。外周溝51は、ケーブル49を案内する断面形状の溝形としている。この構造は、本体ケース30の外形を大きくすることなく、本体ケース30の外周に沿って外周溝51を設けて、ケーブル49をコンパクトに収納できる。
【0055】
さらに、図の装着ケース10は、装着部側結合面10Aと反対側の端部において、充電部3の充電部側結合面30Aの非連結領域30bと対向する突出部1Tを設けており、この突出部1Tに、コネクタ9の先端部を嵌入するコネクタ嵌入凹部29を設けている。図の突出部1Tは、充電部3側の対向面であって、非連結領域30bと対向する面にコネクタ嵌入凹部29を設けている。この構造は、図1に示すように、電池パックを充電しない状態において、コネクタ9の先端部をコネクタ嵌入凹部29に挿入することで、コネクタ9の先端部を保護できる。ケーブル49は、コネクタ9をコネクタ嵌入凹部29に案内する状態で、外周溝51の外部にはみ出すことなく、外周溝51内に収納できる長さとしている。
【0056】
さらに、図に示す充電器は、充電部3の非連結領域30b側の側部と、装着部1の端部に設けた突出部1Tとを、装着部1の側面1Sから突出させることにより、充電器の側面1Sに凹部50を形成している。この充電器は、図1に示すように、電池パックを充電しない状態において、本体ケース30の外周溝51にケーブル49を収納しながら、コネクタ9の先端部を装着ケース10のコネクタ嵌入凹部29に挿入して、コネクタ8を充電器の側面1Sに形成される凹部50にコンパクトに収納できる。とくに、可撓性のあるケーブル49とコネクタ9とを充電器の外側にはみ出させることなく、外観良く収納しながら、ケーブル49とコネクタ9とを保護できる。
(挿入ガイド52)
【0057】
さらに、充電器は、充電部3の連結凸部33と装着部1の連結凹部13とに、連結凸部33を正しい姿勢で連結凹部13に挿入するための挿入ガイド52を設けている。図に示す連結凸部33と連結凹部13は、連結凸部33の挿入方向に延びる複数の挿入ガイド52を設けている。図3と図4に示す挿入ガイド52は、連結凸部33の表面に設けたガイド溝53と、装着部1の連結凹部13の内面に設けたガイド凸条54とからなる。図に示す連結凸部33は、上面と下面の両側にそれぞれガイド溝53を設けている。また、装着部1も連結凹部13の内面であって、上面と下面の両側部にそれぞれガイド凸条54を設けている。連結凸部33のガイド溝53と連結凹部13のガイド凸条54は、互いに対向する位置に設けており、ガイド溝53にガイド凸条54を案内する状態で連結凸部33を連結凹部13に挿入できるようにしている。このように、挿入ガイド52を介して連結凸部33を連結凹部13に挿入する構造は、互いに係合される装着部側コネクタ7と充電部側コネクタ5とを正しい方向に接触させて接触不良を低減できる。図に示すガイド溝53とガイド凸条54は連結凸部33に対して左右を非対称に設けており、連結凸部33が逆向きに連結凹部13に挿入されるのを防止している。
(係止機構55)
【0058】
さらに、図4と図6に示す連結凸部33は、下面側に設けられるガイド溝53の一方を幅広に成形しており、この幅広のガイド溝53Aを、連結凸部33と連結凹部13の係止機構55に併用している。この係止機構55は、連結凹部13に挿入された連結凸部33を係止して、連結凸部33が連結凹部13から抜けるのを防止する。図に示す係止機構55は、幅広のガイド溝53A内に配設されて、連結凸部33の表面(図において下面)に対して出入り自在に配置された係止フック56と、この係止フック56を一端に有すると共に、ユーザーに押されて、この係止フック56を連結凸部33の内部に向かって移動させる操作部57と、この操作部57を係止フック56の突出方向に弾性的に押し出して、係止フック56を幅広のガイド溝53A内に突出させる弾性体58と、連結凹部13の内面に設けられると共に、幅広のガイド溝53A内に案内されて係止フック56が係止される係止凸部59とで構成している。
【0059】
この係止機構55は、連結凸部33を連結凹部13に案内する状態で、係止凸部59が幅広のガイド溝53Aに案内される。幅広のガイド溝53A内において、係止フック56と係止凸部59は、互いに対向する傾斜面に沿って摺動し、連結凸部33を連結凹部13に完全に挿入する状態では、係止フック56が係止凸部59に係止される。この状態で、連結凸部33は、連結凹部13に抜けない状態で連結される。連結凸部33を連結凹部13から引き抜く時には、操作部57を押して係止フック56と係止凸部59との係止状態を解除した状態で、装着部1と充電部3とを離して連結凸部33を連結凹部13から引き抜く。
【符号の説明】
【0060】
1…装着部 1A…装着部
1B…装着部
1S…側面
1T…突出部
2…電池パック 2A…電池パック
2B…電池パック
2S…出力端子
2a…電極端子
2b…温度端子
2X…端子面
2Y…底面
3…充電部
4…回路基板
5…充電部側コネクタ 5a…出力端子板
6…サブ回路基板 6A…連結穴
7…装着部側コネクタ 7A…絶縁プレート
7a…接触端子
7B…嵌合凸部
8…接続端子 8A…接点部
8B…弾性アーム部
8a…充電端子
8b…温度検出端子
9…コネクタ 9A…USBコネクタ
10…装着ケース 10A…装着部側結合面
11…上ケース 11A…上面プレート
11B…周壁
12…下ケース 12A…下面プレート
12B…周壁
13…連結凹部
14…隔壁 14A…コネクタ窓
14B…折曲部
14b…位置決め凹部
15…収納室
16…位置決めリブ 16A…挿入部
16B…段差部
17…補強リブ
18…支持リブ
20…電池装着凹部 20A…電池装着部
20B…電池装着部
21…底プレート
22…第一壁 22A…第一壁
22B…第一壁
23…側壁
24…第二壁
25…取出凹部
26…ひさし部
27…ガイドスリット
29…コネクタ嵌入凹部
30…本体ケース 30A…充電部側結合面
30a…連結領域
30b…非連結領域
31…第1ケース 31A…第1表面プレート
31a…突出部
31B…外周壁
32…第2ケース 32A…第2表面プレート
32a…突出部
32B…外周壁
33…連結凸部 33A…収納凹部
33B…コネクタ窓
33C…カバー壁
34…区画壁
35…収納スペース
36…位置決めリブ
37…位置決めリブ 37B…段差部
38…開口窓
39…支持凸部
40…充電回路
41…保護回路
42…表示部
43…メモリ
44…発光ダイオード
45…点灯回路
46…温度センサ
49…ケーブル
50…凹部
51…外周溝
52…挿入ガイド
53…ガイド溝 53A…幅広のガイド溝
54…ガイド凸条
55…係止機構
56…係止フック
57…操作部
58…弾性体
59…係止凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池パックを充電可能な充電器であって、
充電対象の電池パックを装着可能な装着部と、
前記装着部に装着された電池パックに対して、所定の充電電力を供給するための充電回路を有する充電部と、
を備えており、
前記装着部と前記充電部とを着脱式に構成してなることを特徴とする充電器。
【請求項2】
請求項1に記載の充電器であって、
前記充電部が、電池パックを充電するための充電電力を外部から受けるためのコネクタを有しており、
該コネクタが、規格化されたコネクタであることを特徴とする電池パック。
【請求項3】
請求項2に記載の充電器であって、
前記コネクタが、USBコネクタであることを特徴とする電池パック。
【請求項4】
請求項3に記載の充電器であって、
前記充電部は、前記USBコネクタを、可撓性を有するケーブルを介して前記充電部から引き出しており、
前記装着部は、前記USBコネクタを嵌入するためのコネクタ嵌入凹部を備えてなることを特徴とする充電器。
【請求項5】
請求項4に記載の充電器であって、
前記充電部は、外形を箱状とし、該箱状の長方形状の一面を、前記装着部と結合させるための充電部側結合面としており、
前記装着部は、
前記充電部と結合させるための装着部側結合面を、前記充電部側結合面よりも長手方向を短く形成し、短手方向を該充電部側結合面と略等しくしており、
前記装着部側結合面と対向する端面を、前記充電部側結合面と略等しくしており、
前記充電部と前記装着部とを結合させた状態で、充電器の側面に凹部を形成させ、
該凹部に、前記USBコネクタを配置するよう構成してなることを特徴とする充電器。
【請求項6】
請求項2から5のいずれか一に記載の充電器であって、
前記充電部は、前記装着部と電気的に接続するための充電部側コネクタを備えており、
前記装着部は、前記充電部と電気的に接続するための装着部側コネクタを備えており、
前記装着部側コネクタを雌型とし、前記充電部側コネクタを雄型として、該装着部側コネクタと充電部側コネクタとを係合させるよう構成してなることを特徴とする充電器。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一に記載の充電器であって、
前記装着部は、電池パックを所定の姿勢で配置するための電池装着凹部を設けており、
前記電池装着凹部は、電池パックを装着した状態で、該電池パックの周囲を囲む壁部を設けており、
前記壁部は、
電池パックの電極端子を設けた端子面側と面する第一壁と、
前記第一壁と対向させて、電池パックの端子面と対向する底面側と面する第二壁と、
を有しており、
前記第一壁は、電池パックを前記電池装着凹部に装着した状態で、端子面を覆うように迫り出す形状に突出させたひさし部を設けており、
前記第二壁は、電池パックを前記電池装着凹部に装着した状態で、底面を表出させる取出凹部を設けてなることを特徴とする充電器。
【請求項8】
電池パックを充電可能な充電部を接続することで、充電器を構成可能な電池パック装着ユニットであって、
充電対象の電池パックを装着可能な電池装着凹部と、
充電部と脱着自在に連結すると共に、電気的に接続するための装着部側コネクタと、
を備えており、
前記電池装着凹部に電池パックを装着し、かつ前記装着部側コネクタを介して充電部と連結した状態で、該充電部から所定の充電電力の供給を受けて、電池パックを充電可能に構成してなることを特徴とする電池パック装着ユニット。
【請求項9】
充電可能な電池パックと、
前記電池パックを装着可能であって、かつ、該電池パックに対して所定の充電電力を供給する充電部に脱着自在に連結される装着部と、
を備えており、
前記装着部に前記電池パックを装着すると共に、該装着部を前記充電部に連結して該電池パックを充電するようにしてなる電池パックユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−99120(P2013−99120A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−239785(P2011−239785)
【出願日】平成23年10月31日(2011.10.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】