説明

充電回路及びその充電電流調整方法

【課題】2次電池への充電電流を更に精度よく所望の値に制御することができる2次電池の充電回路及びその充電電流調整方法を得る。
【解決手段】電流−電圧変換回路2が、充電電流検出用抵抗Rsenに流れた電流を電圧に変換してモニタ電圧CCMONを生成し、充電電流制御回路4は、該モニタ電圧CCMONが、所定の定電圧Vrefを可変抵抗R11及びR12で分圧して生成した基準電圧CCREFになるように充電用トランジスタM1の動作制御を行うようにする制御動作において、基準電圧生成回路3の可変抵抗R11及びR12の各抵抗値を可変設定することにより、充電電流ichgを所望の電流値にするための設定値をなす基準電圧CCREFを可変設定できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2次電池に供給する充電電流の検出を行うための充電電流検出用抵抗を用いた、2次電池の充電を行う充電回路及びその充電電流調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図5は、従来の充電回路の回路例を示した図である。
図5の充電回路100において、電流−電圧変換回路101は、2次電池120への充電電流ichgを検出するための充電電流検出用抵抗Rsenに流れる電流を電圧に変換して充電電流ichgに応じた充電電流モニタ電圧CCMONを生成して出力し、充電電流制御回路102は、充電電流モニタ電圧CCMONが所定の基準電圧CCREFになるように、PMOSトランジスタ104の動作制御を行っていた。
【0003】
ここで、充電電流検出用抵抗Rsenを流れる充電電流ichgに対して正確な充電電流モニタ電圧CCMONを生成するために、電流−電圧変換回路101を構成する差動増幅回路111の入力オフセットをなくすようにオフセット調整が行われていた。
図6は、図5の差動増幅回路111の回路例を示した図である。
図6において、差動対をなすNMOSトランジスタM111及びM112には、それぞれ直列にトリミング抵抗R111及びR112が対応して接続されており、差動増幅回路111の入力オフセットをなくすように、該トリミング抵抗R111及びR112をトリミングして抵抗値を調整しオフセット調整を行っていた(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特許第2962246号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前記のような差動増幅回路111のオフセット調整を行った場合、抵抗のトリミング精度によって差動増幅回路111の入力オフセット電圧のばらつきが0.5mV発生する。充電電流検出用抵抗Rsenの抵抗値をrsenとした場合、差動増幅回路111に入力オフセット電圧のばらつきが0.5mV発生すると、充電電流ichgは所望の値から1/(2×rsen)mAのばらつきが発生する。このことは、例えば、rsen=0.1Ωとすると、充電電流ichgが最低5mAばらつくことを意味しており、充電電流ichgのばらつきをこれ以上小さくすることができなかった。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、2次電池への充電電流を更に精度よく所望の値に制御することができる2次電池の充電回路及びその充電電流調整方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る充電回路は、2次電池の充電を行う充電回路において、
入力された制御信号に応じて、前記2次電池への充電電流の供給制御を行う充電用トランジスタと、
該充電用トランジスタと直列に接続された、前記充電電流の検出を行うための充電電流検出用抵抗と、
該充電電流検出用抵抗の両端電圧から、前記充電電流に応じた電圧のモニタ電圧を生成して出力する電流−電圧変換回路部と、
所定の基準電圧を生成して出力する基準電圧生成回路部と、
前記モニタ電圧が該基準電圧になるように前記充電用トランジスタの動作制御を行う充電電流制御回路部と、
を備え、
前記基準電圧生成回路部は、前記充電電流が所望の電流値になるように前記基準電圧を調整する電圧調整手段を有するものである。
【0007】
具体的には、前記基準電圧生成回路部は、
所定の定電圧を生成して出力する定電圧回路と、
可変抵抗を使用して該定電圧を分圧し、前記基準電圧として出力する分圧回路と、
を備え、
前記分圧回路は、前記可変抵抗における抵抗値の調整が行われて前記基準電圧の調整が行われるようにした。
【0008】
この場合、前記可変抵抗は、トリミングによって抵抗値の調整が行われるようにしてもよい。
【0009】
また、前記電流−電圧変換回路部は、前記充電電流検出用抵抗の両端電圧が対応する入力端にそれぞれ入力され、該両端電圧の差電圧を増幅して出力する差動増幅回路を備え、該差動増幅回路の各入力トランジスタは、該差動増幅回路の入力オフセット電圧が所定値以上に大きくなるように電流駆動能力が異なるようにした。
【0010】
この場合、前記差動増幅回路の各入力トランジスタは、トランジスタサイズが異なるMOSトランジスタからなるようにしてもよい。
【0011】
また、この発明に係る充電回路の充電電流調整方法は、入力された制御信号に応じて、2次電池への充電電流の供給制御を行う充電用トランジスタと、該充電用トランジスタと直列に接続され、前記充電電流の検出を行うための充電電流検出用抵抗とを備え、前記充電電流に応じた電圧を生成し、該生成した電圧が所定の基準電圧になるように前記充電用トランジスタの動作制御を行って前記2次電池の充電を行う充電回路の充電電流調整方法において、
前記充電電流が所望の電流値になるように前記基準電圧の電圧調整を行うようにした。
【0012】
具体的には、所定の定電圧を分圧して前記基準電圧を生成し、
前記充電電流が所望の値になるように該分圧比の調整を行うようにした。
【0013】
この場合、前記所定の定電圧を分圧する可変抵抗の抵抗値を調整して、前記充電電流が所望の値になるように調整するようにした。
【0014】
また、前記可変抵抗は、トリミングによって抵抗値の調整が行われるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の充電回路及びその充電電流調整方法によれば、2次電池への充電電流が所望の電流値になるように前記基準電圧の電圧調整を行うようにしたことから、2次電池への充電電流を更に精度よく所望の値に制御することができる。
【0016】
更に、本発明の充電回路において、前記電流−電圧変換回路部は、前記充電電流検出用抵抗の両端電圧が対応する入力端にそれぞれ入力され、該両端電圧の差電圧を増幅して出力する差動増幅回路を備え、該差動増幅回路の各入力トランジスタは、該差動増幅回路の入力オフセット電圧が所定値以上に大きくなるように電流駆動能力が異なるようにした。このことから、充電電流検出用抵抗に電流が流れているにもかかわらず、電流−電圧変換回路部からのモニタ電圧が0Vになることを防止することができ、より正確に充電電流に対する電流−電圧変換を行うことができると共に、所望の充電電流を得るための基準電圧の電圧調整をより正確に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、図面に示す実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
第1の実施の形態.
図1は、本発明の第1の実施の形態における充電回路の回路例を示した図である。
図1の充電回路1は、リチウムイオン電池等のような2次電池5の充電を行うものであり、ACアダプタ6を電源にして所定の充電電流ichgで2次電池5の充電を行う。
【0018】
図1において、充電回路1は、充電電流ichgの検出を行うための充電電流検出用抵抗Rsenと、ゲートに入力された制御信号に応じた充電電流ichgを2次電池5に供給するPMOSトランジスタからなる充電用トランジスタM1とを備えている。更に、充電回路1は、充電電流検出用抵抗Rsenに流れた電流を電圧に変換して充電電流モニタ電圧(以下、モニタ電圧と呼ぶ)CCMONとして出力する電流−電圧変換回路2と、基準電圧CCREFを生成して出力する基準電圧生成回路3と、モニタ電圧CCMONが基準電圧CCREFになるように充電用トランジスタM1の動作制御を行う充電電流制御回路4とを備えている。なお、電流−電圧変換回路2は電流−電圧変換回路部を、基準電圧生成回路3は基準電圧生成回路部を、充電電流制御回路4は充電電流制御回路部をそれぞれなす。また、電流−電圧変換回路2、基準電圧生成回路3及び充電電流制御回路4は1つのICに集積されるようにしてもよい。
【0019】
また、電流−電圧変換回路2は、差動増幅回路11、PMOSトランジスタM11及び抵抗R1,R2で構成されている。また、基準電圧生成回路3は、所定の定電圧Vrefを生成して出力する定電圧回路13及び可変抵抗R11,R12で構成され、充電電流制御回路4は、誤差増幅回路15で構成されている。以下、充電電流検出用抵抗Rsenの抵抗値をrsenとし、抵抗R1及びR2の抵抗値をそれぞれr1及びr2とする。
電源電圧Vddが出力されるACアダプタ6の出力端と2次電池5の正電極との間には、充電電流検出用抵抗Rsenと充電用トランジスタM1が直列に接続され、ACアダプタ6の出力端と充電電流検出用抵抗Rsenとの接続部は接続端子7に接続されている。また、充電電流検出用抵抗Rsenと充電用トランジスタM1のソースとの接続部は接続端子8に接続されている。
【0020】
接続端子7と接地電圧との間には、抵抗R1、PMOSトランジスタM11及び抵抗R2が直列に接続され、抵抗R1とPMOSトランジスタM11との接続部が差動増幅回路11の非反転入力端に接続されている。差動増幅回路11の反転入力端は接続端子8に接続され、差動増幅回路11の出力端はPMOSトランジスタM11のゲートに接続されている。PMOSトランジスタM11と抵抗R2との接続部が電流−電圧変換回路2の出力端をなし、該出力端からモニタ電圧CCMONが出力される。
所定の定電圧Vrefと接地電圧との間に可変抵抗R11及びR12が直列に接続され、可変抵抗R11とR12との接続部から基準電圧CCREFが出力される。
誤差増幅回路15において、非反転入力端にはモニタ電圧CCMONが、反転入力端には基準電圧CCREFがそれぞれ入力され、出力端が接続端子9を介して充電用トランジスタM1のゲートに接続されている。
【0021】
このような構成において、充電電流ichgが充電電流検出用抵抗Rsenに流れると、充電電流検出用抵抗Rsenの両端に(ichg×rsen)の電圧差が生じる。充電電流検出用抵抗Rsenの両端の各電圧が電流−電圧変換回路2に入力され、該電圧差(ichg×rsen)が、差動増幅回路11で(r2/r1)倍されてモニタ電圧CCMONとして出力される。差動増幅回路11において、反転入力端に対して非反転入力端に+V1の入力オフセット電圧がある場合、モニタ電圧CCMONは下記(1)式のように表される。
CCMON=(ichg×rsen−V1)×(r2/r1)…………(1)
【0022】
充電電流制御回路4の誤差増幅回路15は、モニタ電圧CCMONが基準電圧CCREFに等しくなるように充電用トランジスタM1の動作制御を行う。
ここで、誤差増幅回路15において、反転入力端に対して非反転入力端に+V2の入力オフセット電圧がある場合、充電用トランジスタM1は、誤差増幅回路15によって、下記(2)式になるように動作制御される。
CCREF=CCMON−V2………………(2)
【0023】
前記(1)式及び(2)式から、基準電圧CCREFと充電電流ichgとの関係は下記(3)式のように表される。
CCREF=(ichg×rsen−V1)×(r2/r1)−V2………………(3)
【0024】
前記(3)式において、rsenは既知であることから、V1、V2及び(r2/r1)を測定すれば、充電電流ichgが所定の設定値ichg1になるようにするための基準電圧CCREFの電圧値CCREF1が下記(4)式から算出することができる。
CCREF1=(ichg1×rsen−V1)×(r2/r1)−V2………………(4)
したがって、基準電圧CCREFが前記(4)式で示した電圧値CCREF1になるように可変抵抗R11及び/又はR12をトリミングして抵抗値を調整することにより、充電電流ichgの電流値が設定値ichg1になるように調整することができる。
【0025】
このようにすることにより、製造工程に起因するバイアス電流のばらつきや抵抗値の絶対値のばらつきに影響されることがなく、充電電流ichgを所望の値に精度よく調整することができる。基準電圧CCREFの1mVは、充電電流ichgの(r1/r2)×(1/rsen)mAに相当し、r1/r2を小さくすることによってトリミングの精度を上げることができる。例えば、rsen=0.1Ωで、r1/r2=0.1である場合、基準電圧CCREFの1mVは、充電電流ichgの1mAに相当し、従来よりもトリミング精度を上げることができる。
【0026】
図2は、基準電圧生成回路3の可変抵抗R11及びR12の具体的な回路例を示した図である。
図2において、可変抵抗R11は、直列に接続されたm(mは正の整数)個の固定抵抗RA1〜RAmと各固定抵抗RA1〜RAmに対応して並列に接続されたヒューズFA1〜FAmで構成され、可変抵抗R12は、直列に接続されたn(nは正の整数)個の固定抵抗RB1〜RBnと各固定抵抗RB1〜RBnに対応して並列に接続されたヒューズFB1〜FBnで構成されている。基準電圧CCREFが前記(4)式で示した電圧値CCREF1になるように、ヒューズFA1〜FAm及びFB1〜FBnをトリミングで選択的に切断して可変抵抗R11及びR12の抵抗値を調整することにより、充電電流ichgの電流値が設定値ichg1になるように調整できる。なお、固定抵抗RA1〜RAm及びRB1〜RBnは同じ抵抗値であってもよいし、異なる抵抗値であってもよい。
【0027】
このように、本第1の実施の形態における充電回路は、充電電流検出用抵抗Rsenに流れた電流を電圧に変換してモニタ電圧CCMONを生成し、該モニタ電圧CCMONが、所定の定電圧Vrefを可変抵抗R11及びR12で分圧して生成した基準電圧CCREFになるように充電用トランジスタM1の動作制御を行うようにする制御動作において、充電電流ichgを所望の電流値にするための設定値をなす基準電圧CCREFを可変設定できるようにしたことから、2次電池への充電電流を更に精度よく所望の値に制御することができる。
【0028】
第2の実施の形態.
前記第1の実施の形態では、可変抵抗R11及びR12のトリミングを行う際、電流−電圧変換回路2の差動増幅回路11に、抵抗R1の両端電圧差が小さくなる方向に入力オフセット電圧があると、充電電流検出用抵抗Rsenに電流が流れているにもかかわらず、モニタ電圧CCMONが0Vになるという可能性があった。そこで、電流−電圧変換回路2の差動増幅回路11に対して、製造ばらつきで生じる入力オフセット電圧よりも大きな入力オフセット電圧がつくようにオフセット調整するようにしてもよく、このようにしたものを本発明の第2の実施の形態とする。
【0029】
図3は、本発明の第2の実施の形態における充電回路の回路例を示した図である。なお、図3では、図1と同じもの又は同様のものは同じ符号で示し、ここではその説明を省略して図1との相違点のみ説明する。
図3における図1との相違点は、図1の差動増幅回路11に対して、製造ばらつきで生じる入力オフセット電圧よりも大きな入力オフセット電圧がつくようにオフセット調整を行ったことにあり、これに伴って、図1の差動増幅回路11を差動増幅回路11aに、図1の電流−電圧変換回路2を電流−電圧変換回路2aに、図1の充電回路1を充電回路1aにそれぞれした。
【0030】
図3の充電回路1aは、リチウムイオン電池等のような2次電池5の充電を行うものであり、ACアダプタ6を電源にして所定の充電電流ichgで2次電池5の充電を行う。
図3において、充電回路1aは、充電電流検出用抵抗Rsenと、充電用トランジスタM1と、充電電流検出用抵抗Rsenに流れた電流を電圧に変換してモニタ電圧CCMONとして出力する電流−電圧変換回路2aと、基準電圧生成回路3と、充電電流制御回路4とを備えている。また、電流−電圧変換回路2aは、差動増幅回路11a、PMOSトランジスタM11及び抵抗R1,R2で構成されている。なお、電流−電圧変換回路2aは電流−電圧変換回路部をなし、電流−電圧変換回路2a、基準電圧生成回路3及び充電電流制御回路4は1つのICに集積されるようにしてもよい。
【0031】
図4は、図3の差動増幅回路11aの内部回路例を示した図である。
図4において、差動増幅回路11aは、一対の入力トランジスタをなすNMOSトランジスタM21,M22、該各入力トランジスタの負荷をなすカレントミラー回路を形成するPMOSトランジスタM23,M24及び前記各入力トランジスタに所定の定電流を供給する定電流源21で構成されている。
PMOSトランジスタM23及びM24の各ソースはそれぞれ電源電圧Vddに接続され、PMOSトランジスタM23及びM24の各ゲートは接続されて該接続部はPMOSトランジスタM24のドレインに接続されている。
【0032】
PMOSトランジスタM23のドレインはNMOSトランジスタM21のドレインに、PMOSトランジスタM24のドレインはNMOSトランジスタM22のドレインにそれぞれ接続されている。NMOSトランジスタM21及びM22の各ソースは接続され、該接続部と接地電圧との間に定電流源21が接続されている。NMOSトランジスタM21のゲートが差動増幅回路11aの反転入力端を、NMOSトランジスタM22のゲートが差動増幅回路11aの非反転入力端をそれぞれなしている。
【0033】
このような構成において、NMOSトランジスタM21及びM22の各トランジスタサイズが異なるように形成されており、このようにすることにより、差動増幅回路11aには入力オフセット電圧が設けられている。
通常、MOSトランジスタの飽和電流idは、ゲート−ソース間電圧をVgsとし、しきい値電圧をVthとすると、下記(5)式のように表すことができる。なお、説明を簡単にするため、下記(5)式ではチャネル長変調の項は省略している。
id=β/2×(Vgs−Vth)………………(5)
β=μ×Cox×(W/L)
但し、μは絶対誘電率を、Coxは単位面積当たりの酸化膜容量を、Wはチャネル幅を、Lはチャネル長をそれぞれ示している。
【0034】
前記(5)式より、ゲート−ソース間電圧Vgsは下記(6)式のようになる。
Vgs=(2×id/β)1/2+Vth………………(6)
【0035】
ここで、NMOSトランジスタM21のβをβ1としたときに、NMOSトランジスタM22のβが4×β1になるようにした場合、NMOSトランジスタM21とM22のゲートーソース間電圧Vgsの電圧差ΔVgsは、下記(7)式のように示すことができる。
ΔVgs=(2×id/β1)1/2+Vth−[{2×id/(4×β1)}1/2+Vth]=(2×id/β1)1/2/2………………(7)
このように、差動増幅回路11aの2つのNMOSトランジスタM21及びM22のβを異なる値にすることにより、NMOSトランジスタM21及びM22の各ゲート−ソース間電圧Vgsが異なる値になるため、差動増幅回路11aに対して、製造ばらつきで生じる入力オフセット電圧よりも大きな入力オフセット電圧を設けることができる。
【0036】
このように、本第2の実施の形態における充電回路は、電流−電圧変換回路2aで電流−電圧変換を行う差動増幅回路11aにおいて、製造ばらつきで生じる入力オフセット電圧よりも大きな入力オフセット電圧がつくように、入力トランジスタをなす各NMOSトランジスタM21及びM22のβが異なるように形成したことから、前記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができると共に、充電電流検出用抵抗Rsenに電流が流れているにもかかわらず、モニタ電圧CCMONが0Vになることを防止することができ、より正確に充電電流ichgに対する電流−電圧変換を行うことができると共に、所望の充電電流ichgを得るための基準電圧CCREFの電圧調整をより正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1の実施の形態における充電回路の回路例を示した図である。
【図2】図1の基準電圧生成回路3の可変抵抗R11及びR12の具体的な回路例を示した図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態における充電回路の回路例を示した図である。
【図4】図3の差動増幅回路11aの内部回路例を示した図である。
【図5】従来の充電回路の回路例を示した図である。
【図6】図5の差動増幅回路111の回路例を示した図である。
【符号の説明】
【0038】
1,1a 充電回路
2,2a 電流−電圧変換回路
3 基準電圧生成回路
4 充電電流制御回路
5 2次電池
6 ACアダプタ
11,11a 差動増幅回路
13 定電圧回路
15 誤差増幅回路
Rsen 充電電流検出用抵抗
M1 充電用トランジスタ
M11 PMOSトランジスタ
R1,R2 抵抗
R11,R12 可変抵抗

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2次電池の充電を行う充電回路において、
入力された制御信号に応じて、前記2次電池への充電電流の供給制御を行う充電用トランジスタと、
該充電用トランジスタと直列に接続された、前記充電電流の検出を行うための充電電流検出用抵抗と、
該充電電流検出用抵抗の両端電圧から、前記充電電流に応じた電圧のモニタ電圧を生成して出力する電流−電圧変換回路部と、
所定の基準電圧を生成して出力する基準電圧生成回路部と、
前記モニタ電圧が該基準電圧になるように前記充電用トランジスタの動作制御を行う充電電流制御回路部と、
を備え、
前記基準電圧生成回路部は、前記充電電流が所望の電流値になるように前記基準電圧を調整する電圧調整手段を有することを特徴とする充電回路。
【請求項2】
前記基準電圧生成回路部は、
所定の定電圧を生成して出力する定電圧回路と、
可変抵抗を使用して該定電圧を分圧し、前記基準電圧として出力する分圧回路と、
を備え、
前記分圧回路は、前記可変抵抗における抵抗値の調整が行われて前記基準電圧の調整が行われることを特徴とする請求項1記載の充電回路。
【請求項3】
前記可変抵抗は、トリミングによって抵抗値の調整が行われることを特徴とする請求項2記載の充電回路。
【請求項4】
前記電流−電圧変換回路部は、前記充電電流検出用抵抗の両端電圧が対応する入力端にそれぞれ入力され、該両端電圧の差電圧を増幅して出力する差動増幅回路を備え、該差動増幅回路の各入力トランジスタは、該差動増幅回路の入力オフセット電圧が所定値以上に大きくなるように電流駆動能力が異なることを特徴とする請求項1、2又は3記載の充電回路。
【請求項5】
前記差動増幅回路の各入力トランジスタは、トランジスタサイズが異なるMOSトランジスタからなることを特徴とする請求項4記載の充電回路。
【請求項6】
入力された制御信号に応じて、2次電池への充電電流の供給制御を行う充電用トランジスタと、該充電用トランジスタと直列に接続され、前記充電電流の検出を行うための充電電流検出用抵抗とを備え、前記充電電流に応じた電圧を生成し、該生成した電圧が所定の基準電圧になるように前記充電用トランジスタの動作制御を行って前記2次電池の充電を行う充電回路の充電電流調整方法において、
前記充電電流が所望の電流値になるように前記基準電圧の電圧調整を行うことを特徴とする充電回路の充電電流調整方法。
【請求項7】
所定の定電圧を分圧して前記基準電圧を生成し、
前記充電電流が所望の値になるように該分圧比の調整を行うことを特徴とする請求項6記載の充電回路の充電電流調整方法。
【請求項8】
前記所定の定電圧を分圧する可変抵抗の抵抗値を調整して、前記充電電流が所望の値になるように調整することを特徴とする請求項7記載の充電回路の充電電流調整方法。
【請求項9】
前記可変抵抗は、トリミングによって抵抗値の調整が行われることを特徴とする請求項8記載の充電回路の充電電流調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−55652(P2009−55652A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−217223(P2007−217223)
【出願日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】