説明

充電式走行玩具、走行玩具用充電装置、及び走行玩具用走行路

【目的】 短時間で充電でき、速い走行スピードを得ることができる充電式走行玩具を提供する。
【構成】 シャーシ11の中央には直流モータ14が取り付けられ、その回転軸が後方の走行車輪12に接続されている。直流モータ14はカバー16により覆われている。このカバー16上には充電式のコンデンサ18が搭載されている。シャーシ11全体はボデイ20により覆われている。直流モータ14とコンデンサ18は接続金具22により電気的に接続されており、この接続金具22の端部は、シャーシ11の底面に充電用端子24として露出している。この充電用端子24に電圧を印加してコンデンサ18を充電する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、充電電力により走行する充電式走行玩具、充電式走行玩具を充電する走行玩具用充電装置、及び充電式走行玩具が走行する走行玩具用走行路に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電池を動力源として走行する走行玩具は、特に男子の間で人気がある玩具として昔からよく知られている。通常の電池では、頻繁に新しい電池に交換しなければならず費用がかかるために、ニッカド(NiCd)電池のような充電式電池を使用した充電式走行玩具が注目されている。外部から充電することにより、繰り返し走行させることができて経済的であると共に、電池交換の煩わしさがないというメリットがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の充電式走行玩具では、充電式電池としてニッカド電池を使用しているため、1個当たりの電圧が1.2Vと低く、速い走行スピードが得られないと共に、小型のものは放電電流が少ないという問題があった。また、長い放電時間とスピードを確保するためには、容量の大きなニッカド電池や複数個のニッカド電池を使用する必要があり、充電式走行玩具が重くなり、大型化すると共に、長い充電時間が必要であるという問題があった。
【0004】このように、従来の充電式走行玩具は、スピード感に欠けると共に、短時間で手軽に遊ぶことができず、遊びとしての面白さに欠けるという問題があった。本発明の第1の目的は、短時間で充電でき、速い走行スピードを得られることができる充電式走行玩具を提供することにある。本発明の第2の目的は、走行中の充電式走行玩具を充電することができる走行玩具用充電装置を提供することにある。
【0005】本発明の第3の目的は、充電式走行玩具を短時間で手軽に充電することができる走行玩具用充電装置を提供することにある。本発明の第4の目的は、充電式走行玩具を面白く変化に富んだ方法で走行させることができる走行玩具用走行路を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、走行玩具本体と、前記走行玩具本体を走行させる走行車輪と、前記走行車輪を回転するモータと、前記モータに電力を供給し、充放電可能なコンデンサと、前記コンデンサに接続され、外部から前記コンデンサを充電するための充電用端子とを有することを特徴とする充電式走行玩具によって達成される。
【0007】上記第2の目的は、電力を供給する充電用電源と、充電式走行玩具が走行する走行路と、前記充電用電源に接続され、前記走行路を走行中の前記充電式走行玩具の充電用端子に接触する給電レールとを有することを特徴とする走行玩具用充電装置によって達成される。上記第3の目的は、電力を供給する充電用電源と、充電式走行玩具を載置する載置台と、前記充電用電源に接続され、充電時に前記載置台に載置された前記充電式走行玩具の充電用端子に接触する給電端子と、充電時に前記充電式走行玩具の走行車輪が空転するように、前記載置台を移動する移動手段とを有することを特徴とする走行玩具用充電装置によって達成される。
【0008】上記第4の目的は、上述した充電式走行玩具が走行する走行玩具用走行路において、充電式走行玩具の充電用端子に接触することにより、前記充電式走行玩具のコンデンサに充電された電力を放電する放電部と、前記放電部を間欠的に露出して、前記充電式走行玩具の走行を妨害する妨害手段とを有することを特徴とする走行玩具用走行路によって達成される。
【0009】
【作用】本発明によれば、走行玩具本体と、走行玩具本体を走行させる走行車輪と、走行車輪を回転するモータと、モータに電力を供給し、充放電可能なコンデンサと、コンデンサに接続され、外部から前記コンデンサを充電するための充電用端子とにより充電式走行玩具を構成したので、短時間で充電でき、速い走行スピードを得ることができる。
【0010】また、本発明によれば、電力を供給する充電用電源と、充電式走行玩具が走行する走行路と、充電用電源に接続され、走行路を走行中の充電式走行玩具の充電用端子に接触する給電レールとにより走行玩具用充電装置を構成したので、走行中の充電式走行玩具を充電することができる。更に、本発明によれば、電力を供給する充電用電源と、充電式走行玩具を載置する載置台と、充電用電源に接続され、充電時に載置台に載置された充電式走行玩具の充電用端子に接触する給電端子と、充電時に充電式走行玩具の走行車輪が空転するように、載置台を移動する移動手段とにより走行玩具用充電装置を構成したので、充電式走行玩具を短時間で手軽に充電することができる。
【0011】また、本発明によれば、充電式走行玩具が走行する走行玩具用走行路に、充電式走行玩具の充電用端子に接触することにより、充電式走行玩具のコンデンサに充電された電力を放電する放電部と、放電部を間欠的に露出して、充電式走行玩具の走行を妨害する妨害手段とを設けたので、面白く変化に富んだ方法で走行させることができる。
【0012】
【実施例】
1.充電式走行玩具本発明の一実施例による充電式走行玩具を図1乃至図3を用いて説明する。本実施例による充電式走行玩具は、自動車の形態を模したものである。充電式走行玩具10は、図1に示すように、走行玩具本体としてシャーシ11が設けられ、シャーシ11には走行車輪12が取付けられている。シャーシ11の中央には直流モータ14が取り付けられ、その回転軸が後方の走行車輪12に接続されている。直流モータ14はカバー16により覆われている。このカバー16上には、本実施例の特徴である充電式のコンデンサ18が搭載されている。シャーシ11全体はボデイ20により覆われている。
【0013】直流モータ14とコンデンサ18は接続金具22により電気的に接続されており、この接続金具22の端部は、図2に示すように、シャーシ11の底面に充電用端子24として露出している。この充電用端子24に電圧を印加するとコンデンサ18が充電される。本実施例で用いられるコンデンサ18は電気二重層コンデンサ(松下電器製「ゴールドキャパシタ(商品名)」)であり、ファラッド(F)オーダの超大容量の小型の蓄電素子である。この電気二重層コンデンサは、短時間で充電でき、蓄積容量が大きく、充電電圧に応じた高い放電電圧(例えば3V)を得ることができ、しかも非常に小型軽量であるという特徴を有している。また、この電気二重層コンデンサは原理的に極性がなく、充電時の電圧の極性を考慮する必要がない。充電電圧の極性を反転すれば出力電圧の極性も反転する。本実施例では、このような電気二重層コンデンサの特質を利用して、従来の問題点を解決した画期的な充電式走行玩具を実現している。
【0014】また、本実施例の充電式走行玩具10では、蓄電素子であるコンデンサ18と直流モータ14を、切換えスイッチ等を介在させることなく直結している。したがって、コンデンサ18を充電すると直流モータ14にも電圧が印加され、走行車輪が回転してしまうが、コンデンサ18の充電に何の支障も生じることはない。それは、本実施例のコンデンサ18は5〜15秒という非常に短時間で急速充電することができるため、充電中に直流モータ14により走行車輪を回転させても充電時間が特に長くなったり、電力を無駄にしたりすることがないからである。
【0015】なお、本発明では充電時に走行車輪12が回転することを利用して、充電時に走行車輪12を空転させるようにして、空転音から充電状態を耳で確認するようにしている。次に、図3を用いて、本実施例による充電式走行玩具の組立て方法について説明する。
【0016】まず、シャーシ11に走行車輪12を取り付ける。続いて、走行車輪12が取り付けられたシャーシ11の中央に直流モータ14を設置する。続いて、L字型の2本の接続金具22を、下端部の充電用端子24がシャーシ11底面から露出するようにシャーシ11に取り付ける。次に、直流モータ14を覆うカバー16を取り付ける。このとき、カバー16の穴16aから接続金具22の上端部が突出するようにする。続いて、カバー16上に突出した接続金具22の上端部の穴22aに、コンデンサ18の端子18aを挿入する。このようにしてコンデンサ18が固定される。
【0017】最後に、ボデイ20を上から被せて充電式走行玩具の組立てを終了する。このように本実施例によれば、ハンダを用いることなくコンデンサを簡単に取付け固定することができる。本発明の他の実施例による充電式走行玩具を図4を用いて説明する。図1乃至3に示す第1の実施例の充電式走行玩具と同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略又は簡略にする。
【0018】本実施例の充電式走行玩具は、小型の直流モータ14と小型のコンデンサ18を用いて小型化を実現しようとしている。シャーシ11上に直流モータ14とコンデンサ18を並べて載置する。本実施例においても、接続金具22の端部をシャーシ11の底面に充電用端子24として露出している。直流モータ14とコンデンサ18は接続金具22により電気的に接続されている。
【0019】2.走行玩具システム(1)
本発明の第1の実施例による走行玩具システムについて図5乃至図14を用いて説明する。本実施例の走行玩具システムは、図5に示すように、サーキット形式の走行路30として構成されている。走行路30は基本的には直線走行路32と曲線走行路34と回転走行路36とを組合わせて構成されている。走行路30の走行開始位置には充電式走行玩具を充電するために充電装置40が設けられている。また、走行路に変化をもたらすために、障害走行路50、60が設けられ、充電式走行玩具の走行回数を計数するための計数装置70が設けられている。
【0020】充電装置40について図6を用いて説明する。充電装置40は走行路30の途中に挿入されて設けられている。充電用走行路41の中央には上下動可能な給電レール42が設けられている。充電用走行路41の側部には電力を供給する充電用電源として電池ボックス43が設けられている。電池ボックス43には例えば2〜4本の電池(図示せず)を収納することができる。電池ボックス43に収納された電池から給電レール42に電力が供給されている。
【0021】電池ボックス43の上部には充電スイッチ44が設けられている。充電スイッチ44を押下すると、充電用走行路41中央の給電レール42が突出するようになっている。図6(a)に示すように、充電式走行玩具10が走行してくるタイミングで、充電スイッチ44を押下する。すると、図6(b)に示すように、給電レール42が充電用走行路41から突出する。充電式走行玩具10が充電用走行路41上を走行すると、突出した給電レール42と充電式走行玩具10の充電用端子24とが接触してコンデンサ18が充電される。このようにして給電された充電式走行玩具10は再び走行路30を周回する。
【0022】なお、給電レール42における充電電圧の極性を反転させれば、充電用走行路41を走行してきた充電式走行玩具10のコンデンサ18は直ちに放電して逆極性に充電されるので、前進走行してきた充電式走行玩具10は急停止した後に高速で後退走行する。次に、障害走行路50について図7を用いて説明する。
【0023】障害走行路50上には障害物51が設けられ、充電式走行玩具10の走行を妨害する。また、障害走行路50途中には上下動する放電部52が設けられている。放電部52は現実の走行路上のオイルに模したものである。妨害手段であるコントローラ54は、放電部52を間欠的に上下動し、充電式走行玩具10の走行を妨害する。
【0024】放電部52が上方に突出した状態のときに、その上を充電式走行玩具10が走行すると、充電式走行玩具10の充電用端子24が放電部52に接触して、コンデンサ18の電力が放電され、充電式走行玩具10は急速にエネルギを失う。放電部52が下方に凹んだ状態のときには、その上を充電式走行玩具10が走行しても、充電式走行玩具10の充電用端子24が放電部52に接触しないので、コンデンサ18の電力は維持される。
【0025】次に、他の障害走行路60について図8を用いて説明する。障害走行路60では、走行路30の途中に回転トラップ61が設けられている。回転トラップ61は駆動装置62により常に回転している。回転トラップ61の内面は、凹凸路面の領域61aや、放電路面の領域61bや、通常の走行路面の領域(図示せず)等の複数の領域に分かれている。
【0026】充電式走行玩具10の走行時に障害走行路60の路面がどの領域であるかにより走行状態が変化する。走行路が凹凸路面の領域61aであると、充電式走行玩具10が引掛って走行状態が変化する。また、走行路が放電路面の領域61bであると、充電式走行玩具10の充電用端子24が放電部52に接触して、コンデンサ18の電力が放電され、充電式走行玩具10は急速にエネルギを失う。走行路が幸運にも通常の走行路面の領域であれば、何の障害とはならずそのときの走行状態が維持される。
【0027】次に、計数装置70について図9を用いて説明する。計数装置70には、計数用走行路71が設けられており、この計数用走行路71にはセンサ72が設けられている。競争させる充電式走行玩具10の底面には異なる色テープ(図示せず)を予め貼付しておく。充電式走行玩具10が計数用走行路71上を走行すると、センサ72により充電式走行玩具10の色テープの色が検出され、充電式走行玩具10の周回数が計数される。充電式走行玩具10の周回数は表示部73に表示される。
【0028】このように本実施例によれば、サーキット形式の走行路を障害走行路による障害を乗り越えて充電式走行玩具を周回させ、計数装置により計数した周回数を競いあって、スリリングで興趣溢れるサーキットゲームを楽しむことができる。
2.1充電装置(1)
本実施例による走行玩具システムで用いることができる充電装置の他の具体例について図10乃至図12を用いて説明する。
【0029】上述した充電装置40は走行中の充電式走行玩具10に対して充電したが、本具体例の充電装置80は、充電式走行玩具10を一旦停止させて充電する方式を採用している。大電力を確実に充電できるようにするためである。図10に示すように、充電用走行路81には、充電式走行玩具10を停止するためのストッパ82と、充電式走行玩具10の後輪が載置される載置板83が設けられている。チャージレバー84によりストッパ82と載置板83を動かして充電する。
【0030】充電用走行路81の側部には電力を供給する充電用電源として電池ボックス89が設けられている。電池ボックス89には例えば2〜4本の電池(図示せず)が収納されている。電池ボックス89に収納された電池から給電端子85に電力が供給されている。まず、図10(a)に示すように、充電式走行玩具10に充電するためにチャージレバー84を押下すると、ストッパ82が立ち上がる。すなわち、図10(b)に示すように、スライドレバー86が前に押し出されてラック87に噛み合っているピニオン88が回転し、ストッパ82が立ち上がる。充電式走行玩具10はストッパ82に当たり充電位置で停止する。
【0031】次に、図11(a)に示すように、ストッパ82を更に押下して、充電位置で停止した充電式走行玩具10の屋根を押し付ける。すると、図11(b)に示すように、充電式走行玩具10の後輪を支えていた載置板83が押し下げられ、充電式走行玩具10が下がって、図11(c)に示すように、充電式走行玩具10の充電用端子24が給電端子85に接触してコンデンサ18が充電される。
【0032】コンデンサ18が充電されると、直流モータ14により後方の走行車輪12が回転するが、図11(c)に示すように、載置板83と走行車輪12との間には隙間があるために空転して、充電式走行玩具10が前進することはない。なお、遊技者は走行車輪が空転する音を聞いて、充電状態を耳で確認することができる。
【0033】次に、図12に示すように、チャージレバー84から手を離すと、載置板83が元の位置に上がり、ストッパ82が前に倒れて元の位置に戻る。充電された充電式走行玩具10は勢いよく前に飛び出して走行する。このように、本具体例によればチャージレバーを押下するという簡単な動作で充電式走行玩具に大電力を確実に充電することができる。
【0034】2.2充電装置(2)
本実施例による走行玩具システムで用いることができる充電装置の更に他の具体例について図13及び図14を用いて説明する。上述した充電装置80はチャージレバー84を押下するだけで充電式走行玩具10に充電したが、本具体例の充電装置90は駆動機構を更に単純化したものである。
【0035】図13に示すように、充電用走行路91には、充電式走行玩具10を停止するためのストッパ92と、充電式走行玩具10の後輪が載置される載置板93が設けられている。ストッパレバー94とチャージレバー95によりストッパ92と載置板93を動かして充電する。充電用走行路91の側部には電力を供給する充電用電源として電池ボックス96が設けられている。電池ボックス96には例えば2〜4本の電池(図示せず)が収納されている。電池ボックス96に収納された電池から給電端子97に電力が供給されている。
【0036】まず、ストッパレバー94を回すと、図13R>3(b)、(c)に示すように、ストッパ92が立ち上がり、走行してきた充電式走行玩具10がストッパ92に当接して充電位置で停止する。更に、ストッパレバー94を更に回すと、図14(b)に示すように、載置板93が押し下げられる。この状態で、図14(a)に示すように、チャージレバー95を押下して充電式走行玩具10の屋根を押し付けると、充電式走行玩具10の充電用端子24が給電端子97に強く押し付けられてコンデンサ18が充電される。
【0037】このように、本具体例によればストッパレバーとチャージレバーを操作する必要があるものの、簡単で安価な機構で充電式走行玩具に確実に充電することができる。
3.走行玩具システム(2)
本発明の第2の実施例による走行玩具システムについて図15乃至図18を用いて説明する。
【0038】本実施例の走行玩具システムは、図15に示すように、ジャンプ形式の走行路100として構成されている。走行路100は、直線走行路101とジャンプ走行路102と回収走行路103により構成されている。直線走行路101の手前には充電装置110が載置されている。充電式走行玩具10を充電装置110により充電し、直線走行路101に発射する。充電式走行玩具10はジャンプ走行路102によりジャンプする。ジャンプした距離を競って遊ぶ。ジャンプした充電式走行玩具10は回収走行路103によりUターンし、遊技者の手元に戻るようになっている。
【0039】充電装置110の概略について図16を用いて説明する。図16に示すように、充電装置110には、充電式走行玩具10を載置する載置台112が設けられ、載置台112上方にはチャージカバー114が設けられている。載置台112の側部には電力を供給する充電用電源として電池ボックス116が設けられている。電池ボックス116には例えば2〜4本の電池(図示せず)が収納される。
【0040】載置台112に充電式走行玩具10を載置し、図16(b)に示すように、チャージカバー114を押下すると、内部に載置された充電式走行玩具10が充電される。充電後、チャージカバー114から手を離すと、図16(a)に示すように、充電装置110の前部が開いて充電された充電式走行玩具10が勢いよく飛び出してくる。
【0041】なお、充電式走行玩具10のコンデンサ18は、前述したように充電電圧に応じて放電電圧も高くなる。例えば、4本の電池を用いて6Vの充電電圧で充電した場合には、放電電圧は約4.5Vとなる。また、2本の電池を用いて3Vの充電電圧で充電した場合には、約2.5〜3.0Vの放電電圧となる。このように充電電圧が高くなれば放電電圧も高くなるが、必ずしもより高い放電電圧が必要なわけではない。放電電圧が約4.5Vの場合には、充電式走行玩具10の走行車輪12は非常に高速で回転し、充電式走行玩具10は超高速で走行しようとするが、走行路が滑りやすい場合には空転してかえってうまく走行しない場合がある。このような場合には充電電圧を低くした方がかえってうまく走行する。したがって、走行路に応じて充電電圧を調節することが望ましい。
【0042】本実施例の充電装置110では、充電電圧を調整するために使用する電池の本数を変更している。そのためには、普通の電池と同じ形態をしていて正極と負極が直結しているダミー電池を用意しておき、通常の電池の代わりにダミー電池を電池ボックス116に収納する。例えば、3本の電池を使用する場合には、3本の電池の間に1本のダミー電池を挿入させて電池ボックス116に収納すればよい。このようにすれば、非常に簡単に充電電圧を調整することができる。
【0043】次に、充電装置110の機構の詳細について図17を用いて説明する。載置台112には、充電式走行玩具10を停止させるためのストッパ120と、充電式走行玩具10を載置する載置板122が設けられている。ストッパ120と載置板122は載置台112の側板124に回動自在に取り付けられている。ストッパ120と載置板122の間には、充電用の給電端子125が設けられている。
【0044】チャージカバー114が回動する支点は、側板124に固定された支柱123により支えられている。チャージカバー114の上下動に応じて押圧プレート126が上下動する。押圧プレート126はコイルバネ128により上方に向かって常に付勢されている。充電装置110の動作について図18を用いて説明する。
【0045】図18(a)に示すように、充電装置110の載置台112に充電式走行玩具10を収納する。その状態でチャージカバー114を押下する。チャージカバー114が押下されると、押圧プレート126がストッパ120の端と載置板122の端を押下する。ストッパ120は支点を中心にして回動して立上がり、充電式走行玩具10の前進を押さえる。
【0046】載置板122も、図18(b)に示すように、支点を中心にして回動して傾き、充電式走行玩具10を前方に傾けさせる。すると、充電式走行玩具10の充電用端子24が給電端子125に接触してコンデンサ18が充電される。載置板122の傾きにより充電式走行玩具10の後部が浮いて後方の走行車輪12がフリーとなるので、充電されても走行車輪12は空転する。
【0047】なお、コンデンサ18の充電状態は、前述した充電装置の場合と同様に、走行車輪の空転音から耳で確認することができる。
4.走行玩具システム(3)
本発明の第3の実施例による走行玩具システムについて図19及び図20を用いて説明する。
【0048】本実施例の走行玩具システムは、図19に示すように、箱型の自由走行コース130として構成されている。自由走行コース130には多数の穴131が開けられている。自在に曲げることができるフレキシブルガイドレール132をその穴131に差込んでコースを自由に設計する。同様に、ジャンプ台133を自由走行コース130の穴131に差込んで固定して、コースに変化をもたらすようにしてもよい。
【0049】充電式走行玩具10を充電装置110により充電して、自由走行コース130外の所定位置から発進してコース内を走行させて遊技する。この自由走行コース130は、図20(a)に示すように、持ち運びが便利なように折り畳めるようになっている。この折り畳んだ自由走行コース130内に、充電式走行玩具10や充電装置110やフレキシブルガイドレール132やジャンプ台133等の遊技に必要なもの全てを収納することができる。
【0050】図19では折り畳んだ自由走行コース130を平らに広げて構成したが、図20(b)に示すように、自由走行コース130の中央部で大きな段差を形成し、オフロードコースのように構成してもよいし、図20R>0(c)に示すように、自由走行コース130の中央部を持ち上げて山型とし、ヒルクライムコースのように構成してもよい。
【0051】5.走行玩具システム(4)
本発明の第4の実施例による走行玩具システムについて図21を用いて説明する。本実施例の走行玩具システムは、図21に示すように、凹凸のある走行コース140として構成されている。走行コース140には、コース毎にガイドレール141が設けられ、充電式走行玩具10がコースアウトすることなくジグザグ走行するようにしている。走行コース途中には、充電式走行玩具10がジャンプすれば越えられるような隙間を設けて、コースに変化をもたらしている。
【0052】走行コース140の出発位置には、充電式走行玩具10を充電する充電装置110が設けられている。走行コース140の到着位置には、充電式走行玩具10が到着したことを表示するゴール表示装置150が設けられている。遊技者は充電装置110を用いて充電式走行玩具10を充電し、同時に走行コース140上に発進する。ジグザグ走行しながら、どちらが先にゴールするかを競争する。
【0053】6.変形例本発明による充電式走行玩具及び走行玩具システムは、上述した実施例の他、いろいろなタイプの充電式走行玩具及び走行玩具システムとして展開することができる。例えば、上記実施例では充電式走行玩具を自動車の形態に模した走行玩具として構成したが、二輪車等の他の乗り物の形態を模した走行玩具としてもよいし、人形や馬等の動物の形態を模した走行玩具としてもよい。
【0054】また、上記実施例における走行玩具システムはあくまでも一例であって、短時間で大容量充電できるという充電式走行玩具の特徴を利用して、興趣溢れる他の走行玩具システムを構成してもよい。
【0055】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、走行玩具本体と、走行玩具本体を走行させる走行車輪と、走行車輪を回転するモータと、モータに電力を供給し、充放電可能なコンデンサと、コンデンサに接続され、外部から前記コンデンサを充電するための充電用端子とにより充電式走行玩具を構成したので、短時間で充電でき、速い走行スピードを得ることができる。
【0056】また、本発明によれば、電力を供給する充電用電源と、充電式走行玩具が走行する走行路と、充電用電源に接続され、走行路を走行中の充電式走行玩具の充電用端子に接触する給電レールとにより走行玩具用充電装置を構成したので、走行中の充電式走行玩具を充電することができる。更に、本発明によれば、電力を供給する充電用電源と、充電式走行玩具を載置する載置台と、充電用電源に接続され、充電時に載置台に載置された充電式走行玩具の充電用端子に接触する給電端子と、充電時に充電式走行玩具の走行車輪が空転するように、載置台を移動する移動手段とにより走行玩具用充電装置を構成したので、充電式走行玩具を短時間で手軽に充電することができる。
【0057】また、本発明によれば、充電式走行玩具が走行する走行玩具用走行路に、充電式走行玩具の充電用端子に接触することにより、充電式走行玩具のコンデンサに充電された電力を放電する放電部と、放電部を間欠的に露出して、充電式走行玩具の走行を妨害する妨害手段とを設けたので、面白く変化に富んだ方法で走行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による充電式走行玩具の斜視図である。
【図2】本発明の一実施例による充電式走行玩具を下側からみた斜視図である。
【図3】本発明の一実施例による充電式走行玩具の分解斜視図である。
【図4】本発明の他の実施例による充電式走行玩具の斜視図である。
【図5】本発明の第1の実施例による走行玩具システムの斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施例による走行玩具システムにおける充電装置を示す斜視図である。
【図7】本発明の第1の実施例による走行玩具システムにおける障害走行路を示す斜視図である。
【図8】本発明の第1の実施例による走行玩具システムにおける他の障害走行路を示す斜視図である。
【図9】本発明の第1の実施例による走行玩具システムにおける計数装置を示す斜視図である。
【図10】本発明の第1の実施例による走行玩具システムにおける充電装置の他の具体例を示す図(その1)である。
【図11】本発明の第1の実施例による走行玩具システムにおける充電装置の他の具体例を示す図(その2)である。
【図12】本発明の第1の実施例による走行玩具システムにおける充電装置の他の具体例を示す図(その3)である。
【図13】本発明の第1の実施例による走行玩具システムにおける充電装置の更に他の具体例を示す図(その1)である。
【図14】本発明の第1の実施例による走行玩具システムにおける充電装置の更に他の具体例を示す図(その2)である。
【図15】本発明の第2の実施例による走行玩具システムの斜視図である。
【図16】本発明の第2の実施例による走行玩具システムにおける充電装置を示す斜視図である。
【図17】本発明の第2の実施例による走行玩具システムにおける充電装置の機構を示す斜視図(その1)である。
【図18】本発明の第2の実施例による走行玩具システムにおける充電装置の機構を示す斜視図(その2)である。
【図19】本発明の第3の実施例による走行玩具システムの斜視図(その1)である。
【図20】本発明の第3の実施例による走行玩具システムの斜視図(その2)である。
【図21】本発明の第4の実施例による走行玩具システムの斜視図である。
【符号の説明】
10…充電式走行玩具
11…シャーシ
12…走行車輪
14…直流モータ
16…カバー
16a…穴
18…コンデンサ
18a…端子
20…ボデイ
22…接続金具
22a…穴
24…充電用端子
30…走行路
32…直線走行路
34…曲線走行路
36…回転走行路
40…充電装置
41…充電用走行路
42…給電レール
43…電池ボックス
44…充電スイッチ
50…障害走行路
51…障害物
52…放電部
54…コントローラ
60…障害走行路
61…回転トラップ
61a…凹凸路面の領域
61b…放電路面の領域
62…駆動装置
70…計数装置
71…計数用走行路
72…センサ
73…表示部
80…充電装置
81…充電用走行路
82…ストッパ
83…載置板
84…チャージレバー
85…給電端子
86…スライドレバー
87…ラック
88…ピニオン
89…電池ボックス
90…充電装置
91…充電用走行路
92…ストッパ
93…載置板
94…ストッパレバー
95…チャージレバー9
96…電池ボックス
97…給電端子
100…走行路
101…直線走行路
102…ジャンプ走行路
103…回収走行路
110…充電装置
112…載置台
114…チャージカバー
116…電池ボックス
120…ストッパ
122…載置板
123…支柱
124…側板
125…給電端子
126…押圧プレート
128…コイルバネ
130…自由走行コース
131…穴
132…フレキシブルガイドレール
133…ジャンプ台
140…走行コース
141…ガイドレール
150…ゴール表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】 走行玩具本体と、前記走行玩具本体を走行させる走行車輪と、前記走行車輪を回転するモータと、前記モータに電力を供給し、充放電可能なコンデンサと、前記コンデンサに接続され、外部から前記コンデンサを充電するための充電用端子とを有することを特徴とする充電式走行玩具。
【請求項2】 電力を供給する充電用電源と、充電式走行玩具が走行する走行路と、前記充電用電源に接続され、前記走行路を走行中の前記充電式走行玩具の充電用端子に接触する給電レールとを有することを特徴とする走行玩具用充電装置。
【請求項3】 電力を供給する充電用電源と、充電式走行玩具を載置する載置台と、前記充電用電源に接続され、充電時に前記載置台に載置された前記充電式走行玩具の充電用端子に接触する給電端子と、充電時に前記充電式走行玩具の走行車輪が空転するように、前記載置台を移動する移動手段とを有することを特徴とする走行玩具用充電装置。
【請求項4】 請求項1記載の充電式走行玩具が走行する走行玩具用走行路において、充電式走行玩具の充電用端子に接触することにより、前記充電式走行玩具のコンデンサに充電された電力を放電する放電部と、前記放電部を間欠的に露出して、前記充電式走行玩具の走行を妨害する妨害手段と、を有することを特徴とする走行玩具用走行路。

【図2】
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【図17】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図10】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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