説明

充電式電動工具

【課題】 充電式電動工具において、本機の重心位置を先端工具の動作線に近付ける技術を提供する。
【解決手段】 バッテリ110と、バッテリ110から供給される電力で駆動されるモータ111と、モータ111から回転動力を受けて先端工具119を駆動するメカ機構部113,115,117と、モータ111及びメカ機構部113,115,117を収容するとともに、先端領域に先端工具119が配置される工具本体103と、を有し、先端工具119が当該先端工具119の長軸方向に動作することで加工作業を遂行する充電式電動工具であって、モータ111の重量とバッテリ110の重量を加算した重量が、メカ機構部113,115,117の重量よりも軽く設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータをバッテリで駆動する充電式電動工具に関し、特に先端工具が当該先端工具の長軸方向に動作することにより被加工材に所定の加工作業を遂行する充電式電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の充電式電動工具として、例えば特開2006−175592号公報(特許文献1)には、モータを駆動するバッテリが搭載された充電式の電動ハンマドリルが開示されている。この公報に記載の充電式ハンマドリルは、バッテリで駆動されるモータ及び当該モータからの回転動力を受けてハンマビットを駆動するメカ機構部(ハンマビットを長軸方向に直線動作させる運動変換機構及び長軸方向周りに回転動作させる動力伝達機構によって構成される)が工具本体としてのハウジングに収容されている。モータは当該モータの回転軸線が先端工具としてのハンマビットの動作方向である長軸方向と交差するように配置されている。また、工具本体の後方(ハンマビットの反対側)には、作業者が握るハンドグリップがハンマビットの長軸方向と交差する方向に延在して設けられ、その延在端部である下端部(モータの後方)にバッテリが装着される構成としている。
【0003】
ハンマドリルのような電動工具は、例えばハンマビットを垂直な壁に向けて水平に加工作業を行う態様、天井に向けて上向きに加工作業を行う態様、床面に向けて下向きに加工作業を行う態様等、様々な使用態様で用いられる。このため、作業者の疲労を軽減するには、電動工具を使用する際の操作性(使い勝手)を向上することが重要となる。特にハンマドリルの場合、作業者はハンドグリップを把持して前方への押圧力を加えつつ被加工材にハンマビットを押し付けた状態で加工作業を遂行するが、当該加工作業時に生ずるハンマビットの打撃方向の振動(重心周りの前後方向のモーメント)が大きいほど作業者の受ける負担が大となる。上記のモーメントの大きさは、電動工具の重心位置が大きく影響する。すなわち、重心位置がハンマビットの長軸線(動作線)から遠いほど大きくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−175592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記に鑑み、充電式電動工具において、本機の重心位置を先端工具の動作線に近付ける技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を達成するため、本発明に係る充電式電動工具の好ましい形態によれば、バッテリとモータとメカ機構部と工具本体とを有し、先端工具が当該先端工具の長軸方向に動作することで加工作業を遂行する充電式電動工具が構成される。モータはバッテリから供給される電力で駆動される。メカ機構部はモータから回転動力を受けて先端工具を駆動する。なお、本発明における「先端工具が当該先端工具の長軸方向に動作する」とは、先端工具が工具本体に対し長軸方向に相対的に動作する態様のみならず、先端工具が工具本体と共に長軸方向に動作する態様を包含する。また「メカ機構部」とは、例えば電動工具が、被加工材としてのコンクリート壁等に対する穴開け作業に用いられるハンマドリルの場合であれば、モータの回転運動を直線運動に変換して先端工具としてのハンマビットを長軸方向に打撃する機械的な機構部と、モータの回転動力をハンマビットに伝達して当該ハンマビットを長軸周りに回転させる機械的な機構部がこれに該当する。また、本発明における「充電式電動工具」としては、典型的には、被加工材に対するハツリ作業、穴開け作業に用いられるハンマ、ハンマドリルのような打撃工具が該当するが、ネジ締め作業に用いられるネジ締め機、あるいは釘やステープル等の打込み作業に用いられる打込み機等を広く包含する。
【0007】
本発明においては、特徴的な構成としてモータの重量とバッテリの重量を加算した重量が、メカ機構部の重量よりも軽く設定された構成とされる。先端工具の動作線と交差する方向において、モータ及びバッテリは、先端工具を駆動するメカ機構部よりも先端工具の動作線から離れた位置に配置されている。このため、モータの重量とバッテリの重量との加算重量をメカ機構部の重量よりも軽く設定したことで、電動工具の重心位置を先端工具の動作線に接近させることが可能となり、加工作業時に生ずる先端工具の長軸方向の重心周りの振動、特に前後方向のモーメントを低減することができる。その結果、作業者の負担が軽減するとともに、操作性が向上する。
【0008】
本発明に係る充電式電動工具の更なる形態によれば、先端工具が、少なくとも長軸方向に直線状に動作するハンマビットとして設定されており、メカ機構部が、ハンマビットの長軸方向に直線状に動作してハンマビットを打撃する打撃子を含んで構成される。
本発明によれば、ハンマビットを長軸方向に打撃動作するハンマ、あるいはハンマビットが打撃動作しつつ長軸周りに回転動作するハンマドリル等の打撃工具において、加工作業時のハンマビット長軸方向の振動を低減することができる。
【0009】
本発明に係る充電式電動工具の更なる形態によれば、メカ機構部を挟んで先端工具と反対側に作業者が把持する把持部を有する。そして把持部は、少なくともその一部が先端工具の動作線上の後方領域に配置されている。このように、把持部の少なくとも一部を先端工具の動作線上に配置することで、作業者は把持部を把持して先端工具を被加工材に押し付けつつ加工作業を行うとき、被加工材に対して押し易くなり、操作性が向上する。
【0010】
本発明に係る充電式電動工具の更なる形態によれば、モータの回転軸線が先端工具の長軸方向の動作線に対して交差し、かつ傾斜するようにモータが配置されている。このように傾斜配置とすることで、直交状に配置する場合に比べて当該モータの重心位置を先端工具の動作線上に近付けることが可能となり、結果として電動工具自体の重心位置を先端工具の動作線上により一層近付けることができる。
【0011】
本発明に係る充電式電動工具の更なる形態によれば、メカ機構部を挟んで先端工具と反対側に作業者が把持する把持部を有し、当該把持部は、先端工具の長軸方向と交差する方向に延在されるとともに、当該延在方向の一端部にバッテリが装着されている。そして、把持部の中心軸線に対しバッテリの中心軸線が先端工具と反対側に位置するように配置されている。このような配置とすることで、電動工具の重心位置が先端工具側から把持部側へと移動する。すなわち電動工具の重心位置が把持部の中心軸線に近付くことになり、その分、本体部103の先端側が軽くなり、操作性を向上できる。
【0012】
本発明に係る充電式電動工具の更なる形態によれば、モータが直流ブラシレスモータである。直流ブラシレスモータは、音が静かで寿命が長いことに加え、小型化が可能なことから、電動工具の軽量化を図る上で有効となる。
【0013】
本発明に係る充電式電動工具の更なる形態によれば、バッテリがリチウムイオン電池である。このように、バッテリとしてリチウムイオン電池を用いることにより、パワー(電力)を落とすことなく、軽量化を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、充電式電動工具において、本機の重心位置を先端工具の動作線に近付け、これにより操作性の向上に資する技術が提供されることとなった。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係るハンマドリルの全体構成を示す断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態につき、図1を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態では、充電式電動工具の一例として電動式のハンマドリルを用いて説明する。本実施形態のハンマドリル101は、図1に示すように、概括的に見て、ハンマドリル101の外郭を形成する本体部103、当該本体部103の先端領域(図示左側)にツールホルダ137を介して着脱自在に取付けられるハンマビット119を主体として構成されている。本体部103は、本発明における「工具本体」に対応し、ハンマビット部119は、本発明における「先端工具」に対応する。また、ハンマビット119は、ツールホルダ137によってその長軸方向への相対的な往復動が可能に、かつその周方向への相対的な回動が規制された状態で保持される。なお説明の便宜上、本体部103がハンマビット119の長軸方向を水平方向とする向きに置かれた状態において、ハンマビット119側を前、その反対側を後という。
【0017】
本体部103は、半割構造のハウジングによって形成されており、駆動モータ111を収容したモータ収納部105と、運動変換機構113、打撃要素115及び動力伝達機構117を収容したギア収納部107と、作業者が握るハンドグリップ109とを一体に備えている。運動変換機構113、打撃要素115及び動力伝達機構117によってハンマビット119の駆動機構部が構成されており、当該駆動機構部が、本発明における「メカ機構部」に対応する。ハンドグリップ109は、本発明における「把持部」に対応する。モータ収納部105は、ハンマビット119の長軸方向を水平方向とした状態において、ギア収納部107の下方に形成されている。ハンドグリップ109は、ギア収納部107の後方に形成されている。
【0018】
駆動モータ111の回転出力は、運動変換機構113によって直線運動に適宜変換された上で打撃要素115に伝達され、当該打撃要素115を介してハンマビット119の長軸方向(図1における左右方向)への衝撃力を発生する。また、駆動モータ111の回転出力は、動力伝達機構117によって適宜減速された上でハンマビット119に伝達され、当該ハンマビット119が周方向に回転動作される。駆動モータ111は、本発明における「モータ」に対応する。駆動モータ111は、出力軸112の軸線(モータ回転軸線)の延長線がハンマビット119の長軸線(動作線)に対し後方に傾斜した状態で交差するように配置されている。本実施の形態では、駆動モータ111として、DC(直流)ブラシレスモータが用いられている。駆動モータ111は、ハンドグリップ109のグリップ部109Aに配置されたトリガ109aを作業者が引き操作することによって通電駆動される。
【0019】
ハンドグリップ109は、ハンマビット119の長軸方向と交差する上下方向に延在するグリップ部109Aを有するとともに、当該グリップ部109Aの上端部と下端部には、それぞれ前方に向かって突出する連接部109B,109Cが形成され、上の連接部109Bがギア収納部107の後部に連接され、下の連接部109Cがモータ収納部105の後部に連接されている。これによりハンドグリップグ109は、ループ状ハンドル(D形ハンドル)を構成している。ハンドグリップ109のグリップ部109Aにおける一方の延在端部である下側の連接部109C側には、バッテリ装着部109Dが形成され、当該バッテリ装着部109Dには、バッテリパック110が着脱自在に装着されている。
【0020】
バッテリパック110は、モータ収納部105の後方領域に配置され、その下端面がモータ収納部105の下端面と概ね同一平面となるように設定されている。また、バッテリパック110の中心軸線Xがハンドグリップ109のグリップ部109Aの中心軸線Yよりも後方となるように設定されている。バッテリパック110は、駆動モータ111に電力を供給する複数の充電用電池を容器でまとめたものであり、本実施の形態では充電式電池として18Vのリチウムイオン二次電池を用いている。バッテリパック110は、本発明における「バッテリ」に対応する。
【0021】
運動変換機構113は、駆動モータ111の出力軸112から小傘歯車121及び大傘歯車123を介して回転駆動される中間軸125、中間軸125の回転に伴い回転体127を介して当該中間軸125の長軸方向(ハンマビット119の長軸方向)に揺動される揺動部材としての揺動リング129、揺動リング129の揺動動作に伴いシリンダ141内をハンマビット119の長軸方向に直線状に往復移動する筒状ピストン131を主体として構成される。なおシリンダ141は、ツールホルダ137の後方領域に一体に形成された筒状部材である。一方、動力伝達機構117は、中間軸125と共に回転する小径の第1平歯車133及び当該第1平歯車133と噛み合い係合する大径の第2平歯車135等の複数のギアからなるギア減速機構を主体として構成され、駆動モータ111の回転力をツールホルダ137に伝達する。これによりツールホルダ137が鉛直面内にて回転され、それに伴い当該ツールホルダ137により保持されたハンマビット119が回転する構成とされる。なお、運動変換機構113及び動力伝達機構117の構成については、従来周知ゆえ、その詳細な説明を省略する。
【0022】
打撃要素115は、筒状ピストン131内に摺動自在に配置された打撃子としてのストライカ143と、ツールホルダ137に摺動自在に配置された中間子としてのインパクトボルト145とを主体として構成される。ストライカ143は、筒状ピストン131の摺動動作に伴う空気室131aの空気バネ(圧力変動)を介して駆動され、インパクトボルト145に衝突(打撃)し、当該インパクトボルト145を介してハンマビット119に打撃力を伝達する。
【0023】
上記のように構成されるハンマドリル101においては、トリガ109aの手指による引き操作によって駆動モータ111が通電駆動されると、その回転出力は、運動変換機構113を介して直線運動に変換された後、打撃要素115を介してハンマビット119に長軸方向の直線動作(ハンマ動作)を行わせる。またハンマビット119には、上記の直線動作に加え、駆動モータ111の回転出力によって駆動される動力伝達機構117により周方向の回転動作(ドリル動作)が加えられる。すなわち、ハンマドリル101は、ハンマビット119を被加工材(例えば、コンクリート)に押し付けた状態において、当該ハンマビット119に長軸方向のハンマ動作と周方向のドリル動作を行わせ、これによって被加工材に穴開け作業を遂行することができる。
【0024】
ハンマドリル101の場合、作業者はハンドグリップ109を把持して前方への押圧力を加えつつ加工作業を行うが、当該加工作業時に生ずるハンマビット119の打撃方向の振動、特に重心周りの前後方向のモーメントが大きいほど作業者が受ける負担も大きくなる。上記のモーメントの大きさは、ハンマドリル101の重心位置が影響する。ハンマビット119の長軸方向と交差する上下方向において、駆動モータ111及びバッテリパック110が、ハンマビット119の駆動機構部よりもハンマビット119の長軸線から離れた下方位置に配置された構成では、ハンマドリル101の重心位置は、一般にハンマビット119の長軸線よりも下方に位置している。
【0025】
さて、本実施の形態では、駆動モータ111をDCブラシレスモータによって構成する一方、バッテリパック110を18Vのリチウムイオン二次電池によって構成し、これにより、バッテリパック110の重量と駆動モータ111の重量とを加算した重量(以下、モータ等の重量という)を、ハンマビット119を長軸方向に直線駆動し、かつ長軸周りに回転駆動する駆動機構部としての、運動変換機構113、打撃要素115及び動力伝達機構117の総重量(以下、メカ機構部の重量という)よりも軽くなるように設定している。なお、駆動機構部とは、より具体的には、駆動モータ111の回転運動を直線運動に変換してハンマビット119を打撃するために備えられるところの、出力軸112からインパクトボルト145に至る一連の部材と、駆動モータ111の回転動力をハンマビット119に伝達するために備えられるところの、出力軸112からツールホルダ137に至る一連の部材(一部の部材は直線駆動と回転駆動を兼用する)とをいう。
【0026】
因みに、本出願人が製造している既存の同一機種のハンマドリルの場合、ハンマビットの駆動機構部の重量とモータ等の重量との重量比が、駆動機構部の重量を1としたとき、モータ等の重量が略1.2であった。これに対し、本実施の形態では、上記構成、すなわち駆動モータ111をDCブラシレスモータによって構成する一方、バッテリパック110を18Vのリチウムイオン二次電池によって構成したことにより、ハンマビット119の駆動機構部の重量とモータ等の重量との重量比につき、駆動機構部の重量を1としたとき、モータ等の重量を略0.9に設定することができた。
【0027】
上記のように、モータ等の重量を駆動機構部の重量よりも軽くしたことにより、ハンマドリル101の重心位置が上方へと変位されることになる。すなわち、本実施の形態によれば、ハンマドリル101の重心位置を既存のハンマドリルに比べてハンマビット119の長軸線(動作線)に接近させることができる。これにより、作業者がハンドグリップ109を把持して本体部103に前方への押圧力を加えつつハンマビット119を被加工材に押し付けた状態で加工作業を行うとき、ハンマビット119の打撃動作に伴い長軸方向に生ずる重心周りの振動、特に前後方向のモーメントを低減することが可能となり、その結果、作業者の負担が軽減するとともに、操作性を向上することができる。また、駆動モータ111をDCブラシレスモータによって構成するとともに、バッテリパック110を18Vのリチウムイオン二次電池によって構成したことにより、パワーを落とすことなく、ハンマドリル101の軽量化をも実現することができる。
【0028】
また、本実施の形態では、本体部103の後端部(ハンマビット119と反対側)に連接されるハンドグリップ109が、ハンマビット119の長軸線の延長線上に位置するように配置されている。このため、作業者はハンドグリップ109のグリップ部109Aを把持してハンマビット119を被加工材に押し付けつつ加工作業を行うとき、被加工材に対して押し易くなる。すなわち、比較的軽い力でハンマビット119の被加工材に対する当接状態を維持することが可能となり、操作性が向上する。
【0029】
また、本実施の形態によれば、駆動モータ111につき、出力軸112がハンマビット119の長軸方向に対して後方に傾斜して交差する配置とされている。このように傾斜配置とすることで、直交状に配置する場合に比べて当該駆動モータ111の重心位置をハンマビット119の長軸線に近付く上方へと変位することが可能となり、ハンマドリル101の重心位置をハンマビット119の長軸線により一層近付けることができる。
【0030】
また、本実施の形態によれば、バッテリパック110の中心軸線Xがハンドグリップ109のグリップ部109Aの中心軸線Yよりも後側となるように、バッテリパック110をハンドグリップ109のバッテリ装着部109Dに配置している。このような配置としたときは、ハンマドリル101の重心位置が後方へと変位することになる。このことは、ハンマドリル101の重心位置がハンドグリップ109の中心軸線Xに近付くことになるため、ハンマビット119の長軸方向(前後方向)の重量バランスがよくなる。つまり、本体部103の先端側が比較的軽くなり、ハンマドリル101を取り扱う際の操作性を向上できる。
【0031】
なお、上述した実施の形態は、ハンマビット119が長軸方向のハンマ動作と周方向のドリル動作を行うハンマドリル101の場合で説明したが、ハンマビット119が長軸方向のハンマ動作のみを行なうハンマに適用できることは勿論である。
また、ハンマドリル、ハンマといった打撃工具に限らず、ドライバビットに長軸周りの衝撃を加えつつ回転動作させてネジ締めを行うことが可能なインパクトドライバ、あるいはドライバビットを長軸周りに回転動作させてネジ締めを行うスクリュドライバのようなネジ締め機、更にはドライバが長軸方向に直線動作することで釘、あるいはステープルを打込む各種打込み機等に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0032】
101 ハンマドリル(充電式電動工具)
103 本体部(工具本体)
105 モータ収納部
107 ギア収納部
109 ハンドグリップ(把持部)
109A グリップ部
109B 上の連接部
109C 下の連接部
109D バッテリ装着部
109a トリガ
110 バッテリパック(バッテリ)
111 駆動モータ
112 出力軸
113 運動変換機構(メカ機構部)
115 打撃要素(メカ機構部)
117 動力伝達機構(メカ機構部)
119 ハンマビット(先端工具)
121 小傘歯車
123 大傘歯車
125 中間軸
127 回転体
129 揺動リング
131 筒状ピストン
131a 空気室
133 第1平歯車
135 第2平歯車
137 ツールホルダ
141 シリンダ
143 ストライカ
145 インパクトボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリと、
前記バッテリから供給される電力で駆動されるモータと、
前記モータから回転動力を受けて先端工具を駆動するメカ機構部と、
前記モータ及びメカ機構部を収容するとともに、先端領域に前記先端工具が配置される工具本体と、
を有し、
前記先端工具が当該先端工具の長軸方向に動作することで加工作業を遂行する充電式電動工具であって、
前記モータの重量とバッテリの重量を加算した重量が、前記メカ機構部の重量よりも軽く設定されていることを特徴とする充電式電動工具。
【請求項2】
請求項1に記載の充電式電動工具であって、
前記先端工具が、少なくとも長軸方向に直線状に動作するハンマビットとして設定されており、前記メカ機構部が、前記ハンマビットの長軸方向に直線状に動作して前記ハンマビットを打撃する打撃子を含んで構成されることを特徴とする充電式電動工具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の充電式電動工具であって、
前記メカ機構部を挟んで前記先端工具と反対側に作業者が把持する把持部を有し、当該把持部は少なくとも一部が前記先端工具の動作線上の後方領域に配置されていることを特徴とする充電式電動工具。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の充電式電動工具であって、
前記モータの回転軸線が前記先端工具の長軸方向の動作線に対して交差し、かつ傾斜するように前記モータが配置されていることを特徴とする充電式電動工具。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の充電式電動工具であって、
前記メカ機構部を挟んで前記先端工具と反対側に作業者が把持する把持部を有し、当該把持部は、前記先端工具の長軸方向と交差する方向に延在されるとともに、当該延在方向の一端部に前記バッテリが装着されており、
前記バッテリの中心軸線に対し前記把持部の中心軸線が前記先端工具側に位置するように配置されていることを特徴とする充電式電動工具。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載の充電式電動工具であって、
前記モータが直流ブラシレスモータであることを特徴とする充電式電動工具。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の充電式電動工具であって、
前記バッテリがリチウムイオン電池であることを特徴とする充電式電動工具。

【図1】
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【公開番号】特開2011−88233(P2011−88233A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−241657(P2009−241657)
【出願日】平成21年10月20日(2009.10.20)
【出願人】(000137292)株式会社マキタ (1,210)
【Fターム(参考)】