説明

充電装置、電子機器、二次電池パック、二次電池パック保安管理システム、および、二次電池パック保安管理方法

【課題】二次電池パックを電源として作動する電子機器が通信機能を保有していない状況下で、または、通信機能が正規の作動を行えないような状況下で、ネットワーク上の所定の保守サポートサーバから二次電池パックの品質に関する情報を取得可能にして二次電池パックに係る保安管理に供する。
【解決手段】二次電池パック120を電源として作動する電子機器110が充電装置100に接続されたときに、電力線搬送通信(105、106)を通してネットワークNW上の保守サポートサーバ11にアクセスして、当該二次電池パック120に関する市場回収等の保安管理情報を取得して、電子機器110のシステムコントローラ112(その電池制御部114)の管理下で、表示部118への表示と充電の禁止等の適切な処置を講じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、携帯情報端末装置等の電池駆動型電子機器の電源として用いられる二次電池パックが品質不良のものである場合に、ユーザがそのような二次電池パックであることを認識できるようにしたり、或いは、充電を禁止するなど適切に対処できるようにした充電装置、電子機器、二次電池パック、二次電池パック保安管理システム、および、二次電池パック保安管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、種々の分野で電池駆動の電子機器が多用される状況にある。このような電子機器では主電源として、或いは、補助電源として、二次電池パックが適用されることが多い。
一方、リチウムイオン電池のような繰り返し充放電可能な二次電池において、製造不具合に起因して市場回収を行うに到ったケースも散見される。
このような場合、関係企業は報道機関を通じて、或いはまた、インターネットやダイレクトメール等によって、当該二次電池ないしこの種の二次電池を用いる電子機器のユーザに市場回収を行う旨を呼びかけるのが通例であるが、その回収率は甚だ不十分な状況にある(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
他方、ユーザが使用する二次電池が正規の使用に耐える状態を維持しているか否かの診断を受けるべく、通信ネットワーク上に開設されたサービス対応サーバにアクセスして動作状態データを送ると、該サービス対応サーバから診断結果が返されるようにした電池電源装置の交換回収システムが既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示されたシステムでは、当該二次電池が装着されている電子機器が通信ネットワークへの接続に適合するものであることを前提とし、このような電子機器に備えられた通信機能部を利用して、通信ネットワークを経由して上述のようなサービス対応サーバにアクセスする。
【特許文献1】特許第3549818号公報(段落0002〜段落0007等)
【非特許文献1】携帯機器用リチウムイオン電池自主回収促進協議会ホームページ、リチウムイオン電池回収の実施状況について[平成20年3月11日検索]、<URL:http://www.li-ion-kaishu.jp/recall.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1所載の電池電源装置の交換回収システムでは、当該電池電源を用いる電子機器本体が通信ネットワークへの接続に適合するような機器である場合には、ユーザには相応の利便性が提供されるものである。
しかしながら、昨今普及の著しい多くの二次電池駆動の電子機器は、必ずしも通信ネットワークへの接続に適合するような仕様のものであるわけではない。
即ち、所謂普及機と呼ばれるような等級のデジタルカメラでは大多数の機種が通信ネットワークへの接続に適合するような仕様ではない。
従って、これらの機種に該当するデジタルカメラでは、特許文献1所載のような電池電源装置の交換回収システムを利用することはできない。
【0005】
また、一方、携帯電話機の場合、通信事業者との契約を解除すると通話や電子メール等の通信機能は利用できなくなるが、デジタルカメラとしての機能や、ゲーム機、或いは、目覚まし時計としての機能は継続的に有効に作動するため、これらの機能部のみ使用し続けるといったユーザも少なくない。
ユーザにおいて上述のような態様で継続的に使用される携帯電話機についても、その通信機能は既に閉止されているため、当然ながら、特許文献1所載のような電池電源装置の交換回収システムを利用することはできない。
【0006】
本発明は、上述のような状況に鑑みてなされたものであり、二次電池(二次電池パック)を電源として作動する電子機器が通信機能を保有していない状況下で、或いはまた、通信機能を保有していてもその通信機能部が正規の作動を行えないような状況下で、ネットワーク上の所定の保守サポートサーバから二次電池パックの品質に関する情報を取得可能にして、ユーザがそのような二次電池パックであることを認識できるようにしたり、或いは、充電を禁止するなど適切に対処できるようにした充電装置、電子機器、二次電池パック、二次電池パック保安管理システム、および、二次電池パック保安管理方法を提供することを目的とする。尚、通信機能が正規の通りに作動する場合の(通信用)電子機器に適用される二次電池パックに関する保安管理の技術に関して本発明を実施することを排除する趣旨ではない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するべく、本願では次に列記するような技術を提案する。
本発明の請求項1の充電装置は:
自己の仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持する第一電池情報保持部を有する二次電池パックを作動用電源として装着するための二次電池パック装着部と前記第一電池情報に対応する第二電池情報を外部から収集する電池情報収集部とを有する電子機器に適合する充電装置であって、
電力線から供給される電源電圧を所定の充電用直流電圧に変換する充電用電圧変換部と、
前記電子機器が接続されたときには前記電池情報収集部からの情報収集要求に応じて所定の通信手段を通してネットワーク上の所定の保守サポートサーバから前記第二電池情報を取得して当該接続された電子機器に供給する電池情報取得供給部と、
を備えていることを特徴とする。
【0008】
上記請求項1の充電装置は、自己の仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持する第一電池情報保持部を有する二次電池パックを作動用電源として装着するための二次電池パック装着部と前記第一電池情報に対応する第二電池情報を外部から収集する電池情報収集部とを有する電子機器に対しその二次電池パックの充電に用いるに適合する。
【0009】
この充電装置は、電力線から供給される電源電圧を所定の充電用直流電圧に変換する充電用電圧変換部と、上述のような電子機器が接続されたときには、その電池情報収集部からの情報収集要求に応じて所定の通信手段を通してネットワーク上の所定の保守サポートサーバから該当する第二電池情報を取得して当該接続された電子機器に供給する電池情報取得供給部と、を備えている。
当該電子機器側では、二次電池パックの第一電池情報保持部から取得した第一電池情報と、充電装置の電池情報取得供給部から供給された第二電池情報とに基づいて、当該二次電池パックの良否判定等を行うことが可能になる。
【0010】
本発明の請求項2の充電装置は:
自己の仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持する第一電池情報保持部を有する二次電池パックを作動用電源として装着するための二次電池パック装着部を有する電子機器に適合する充電装置であって、
電力線から供給される電源電圧を所定の充電用直流電圧に変換する充電用電圧変換部と、
前記電子機器が接続されたときにはその電子機器の前記二次電池パック装着部に装着された二次電池パックの前記第一電池情報保持部から前記第一電池情報を読み出す第一電池情報読み出し部と、
前記第一電池情報に対応する第二電池情報を所定の通信手段を通してネットワーク上の所定の保守サポートサーバから取得する電池情報収集部と、
前記第一電池情報読み出し部によって読み出された第一電池情報と前記電池情報収集部が取得した第二電池情報とに基づいて前記電子機器の二次電池パック装着部に装着された二次電池パックの良否を判定し該判定結果に応じた所定の制御動作を実行する電池制御部と、
を備えていることを特徴とする。
【0011】
上記請求項2の充電装置は、自己の仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持する第一電池情報保持部を有する二次電池パックを作動用電源として装着するための二次電池パック装着部を有する電子機器に対しその二次電池パックの充電に用いるに適合する。
この充電装置は、電力線から供給される電源電圧を所定の充電用直流電圧に変換する充電用電圧変換部を有し、この充電用電圧変換部の出力によって該当する二次電池パックを充電する。
【0012】
この充電装置に電子機器が接続されたときには、その電子機器の二次電池パック装着部に装着された二次電池パックの前記第一電池情報保持部から前記第一電池情報を、第一電池情報読み出し部が読み出す。
また、電池情報収集部が、前記第一電池情報に対応する第二電池情報を所定の通信手段を通してネットワーク上の所定の保守サポートサーバから取得する。
更に、電池制御部が、第一電池情報読み出し部によって読み出された第一電池情報と電池情報収集部が取得した第二電池情報とに基づいて、当該電子機器の二次電池パック装着部に装着された二次電池パックの良否を判定し該判定結果に応じた、例えば該判定結果の表示、或いは、充電動作の禁止等、所定の制御動作を実行する。
【0013】
本発明の請求項3の充電装置は:
請求項1または請求項2の何れかの充電装置において特に、前記通信手段は、前記電力線を通して電力線搬送通信により前記ネットワーク上の所定の保守サポートサーバにアクセス可能に構成されていることを特徴とする。
上記請求項3の充電装置では、前記通信手段は、前記電力線を通して電力線搬送通信により前記ネットワーク上の所定の保守サポートサーバにアクセス可能に構成されている。
前記ネットワーク上の所定の保守サポートサーバにアクセスを電力線搬送通信により行うため、通信用の別途の信号線を特設することなく電力線を通して上記の保守サポートサーバから所要の電池情報(第二電池情報)を取得できる。
【0014】
本発明の請求項4の充電装置は:
請求項1または請求項2の何れかの充電装置において特に、前記通信手段は、前記ネットワーク上の所定の保守サポートサーバにアクセス可能に構成されている無線LANまたは移動体通信もしくは近距離無線通信による通信手段であることを特徴とする。
上記請求項4の充電装置では、前記通信手段は、前記ネットワーク上の所定の保守サポートサーバにアクセス可能に構成されている無線LANまたは移動体通信もしくは近距離無線通信による通信手段であるため、無線LANまたは移動体通信もしくは近距離無線通信を通して上述の保守サポートサーバにアクセス可能である。
【0015】
本発明の請求項5の充電装置は:
請求項3の充電装置において特に、前記通信手段における電力線搬送通信が正常に機能しないことを検知する電力線搬送通信障害検知手段と、前記電力線搬送通信障害検知手段が電力線搬送通信が正常に機能しないことを検知したときには、前記電子機器が有する通信機能によって前記ネットワーク上の所定の保守サポートサーバにアクセスするように情報取得用通信路を切り換える切り換え手段と、を更に備えていることを特徴とする。
上記請求項5の充電装置では、電力線搬送通信障害検知手段が電力線搬送通信における通信が機能しないことを検知したときには、切り換え手段によって、当該電子機器が有する通信機能によって前記ネットワーク上の所定の保守サポートサーバにアクセスするように情報取得用通信路が切り換えられる。
【0016】
本発明の請求項6の充電装置は:
請求項1から請求項4までの何れか一項の充電装置において特に、前記電子機器がその通信機能を有効に機能する状態に維持しているか否かを判定し該判定の結果当該通信機能が有効に機能する状態にないと判定されたときに前記通信手段を稼動させる通信手段制御部を更に備えたことを特徴とする。
上記請求項6の充電装置では、通信手段制御部によって、前記電子機器がその通信機能を有効に機能する状態に維持しているか否かを判定し該判定の結果当該通信機能が有効に機能する状態にないと判定されたときに前記通信手段を稼動させる。
【0017】
本発明の請求項7の充電装置は:
請求項1から請求項4までの何れか一項の充電装置において特に、前記電力線からの給電が開始されたときに前記通信手段を起動させる通信手段起動部を更に備えたことを特徴とする。
上記請求項7の充電装置では、通信手段起動部によって、前記電力線からの給電が開始されたときに前記通信手段が起動される。
【0018】
本発明の請求項8の充電装置は:
請求項2の充電装置において特に、前記電池制御部が前記電子機器の二次電池パック装着部に装着された二次電池パックの良否を判定したときの該判定結果に応じた表示を行う表示部を更に備えたことを特徴とする。
上記請求項8の充電装置では、電池制御部が前記電子機器の二次電池パック装着部に装着された二次電池パックの良否を判定したときの該判定結果が表示部に表示される。
【0019】
本発明の請求項9の電子機器は:
自己の仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持する第一電池情報保持部を有する二次電池パックを作動用電源として装着するための二次電池パック装着部と、
前記二次電池パック装着部に装着された二次電池パックの前記第一電池情報保持部から第一電池情報を読み出す第一電池情報読み出し部と、
前記二次電池パックの充電に用いる所定の充電装置に接続されたときには前記第一電池情報に対応する第二電池情報を該充電装置に設けられた電池情報取得供給部によって電力線搬送通信によりネットワーク上の所定の保守サポートサーバから取得させ該取得された当該第二電池情報の供給を受ける電池情報収集部と、
前記第一電池情報読み出し部によって読み出された第一電池情報と前記電池情報収集部が受け取った第二電池情報とに基づいて前記二次電池パック装着部に装着された二次電池パックの良否を判定し該判定結果に応じた所定の制御動作を実行する電池制御部と、
を備えていることを特徴とする。
【0020】
上記請求項9の電子機器では、自己の仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持する第一電池情報保持部を有する二次電池パックを作動用電源として装着するための二次電池パック装着部に装着された二次電池パックから、第一電池情報読み出し部が、前記第一電池情報を読み出す。
また、上記所定の充電装置に接続されたときには、電池情報収集部が、前記第二電池情報を、該充電装置に設けられた電池情報取得供給部によって電力線搬送通信によりネットワーク上の所定の保守サポートサーバから取得させ、該取得された当該第二電池情報の供給を受ける。
更に、前記第一電池情報読み出し部によって読み出された第一電池情報と前記電池情報収集部が受け取った第二電池情報とに基づいて、電池制御部が、当該二次電池パックの良否を判定し該判定結果に応じた所定の制御動作を実行する。
【0021】
本発明の請求項10の二次電池パックは:
二次電池パック内に設けられ該二次電池パックの仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持する第一電池情報保持部と、
当該二次電池パックを電源として作動する電子機器に接続されたときにはその電子機器を通して前記第一電池情報に対応する第二電池情報を所定の通信手段を通してネットワーク上の所定の保守サポートサーバから取得する電池情報収集部と、
前記第一電池情報保持部から読み出した前記第一電池情報と前記電池情報収集部が取得した第二電池情報とに基づいて二次電池パックとしての良否を判定し該判定結果に応じた所定の保安管理動作を実行する二次電池パック保安管理部と、
を備えていることを特徴とする。
【0022】
上記請求項10の二次電池パックでは、前記第一電池情報保持部に、該二次電池パックの仕様ないし現状を表す第一電池情報が外部に提供可能に保持される。
当該二次電池パックを電源として作動する電子機器に接続されたときには、電池情報収集部が、その電子機器を通して前記第一電池情報に対応する第二電池情報を所定の通信手段を通してネットワーク上の所定の保守サポートサーバから取得する。
前記第一電池情報保持部から読み出した前記第一電池情報と前記電池情報収集部が取得した第二電池情報とに基づいて、二次電池パック保安管理部が、二次電池パックとしての良否を判定し該判定結果に応じた所定の保安管理動作を実行する。
【0023】
本発明の請求項11の二次電池パック保安管理システムは:
自己の仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持する第一電池情報保持部を有する二次電池パックを作動用電源として装着するための二次電池パック装着部と前記第一電池情報に対応する第二電池情報を外部から収集する電池情報収集部とを有する電子機器に適合する充電装置であって、電力線から供給される電源電圧を所定の充電用直流電圧に変換する充電用電圧変換部と、前記電子機器が接続されたときには前記電池情報収集部からの情報収集要求に応じて所定の通信手段を通して前記第二電池情報を取得して当該接続された電子機器に供給する電池情報取得供給部と、を備えた充電装置と、
前記充電装置の前記通信手段を通してアクセス可能にネットワーク上に設けられ前記第二電池情報を外部に提供可能に保有する保守サポートサーバと、
を含んで構成されていることを特徴とする。
【0024】
上記請求項11の二次電池パック保安管理システムは、上述の充電装置と保守サポートサーバとを含んで構成される。
充電装置側は、自己の仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持する第一電池情報保持部を有する二次電池パックを作動用電源として装着するための二次電池パック装着部と前記第一電池情報に対応する第二電池情報を外部から収集する電池情報収集部とを有する電子機器に適合する。
【0025】
この充電装置は、電力線から供給される電源電圧を所定の充電用直流電圧に変換する充電用電圧変換部と、前記電子機器が接続されたときには前記電池情報収集部からの情報収集要求に応じて、所定の通信手段を通して、前記第二電池情報を取得して当該接続された電子機器に供給する電池情報取得供給部と、を備えている。
一方、保守サポートサーバ側は、上述の充電装置側に設けられた前記通信手段によってアクセス可能にネットワーク上に設けられ、前記第二電池情報を外部に提供可能に保有する。
【0026】
充電装置は、充電に際して電子機器が接続されたときには、その電池情報取得供給部が、前記電池情報収集部からの情報収集要求に応じて、所定の通信手段を通して、前記保守サポートサーバから第二電池情報を取得して当該接続された電子機器に供給する。
上述のようにして第二電池情報の供給を受けた電子機器側では、二次電池パックから得た前記第一電池情報と該供給された第二電池情報とに基づいて、二次電池パックとしての良否を判定し、乃至は、該判定結果に応じた所定の保安管理動作を実行することが可能になる。
【0027】
本発明の請求項12の二次電池パック保安管理システムは:
自己の仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持する第一電池情報保持部を有する二次電池パックを作動用電源として装着するための二次電池パック装着部を有する電子機器に適合する充電装置であって、電力線から供給される電源電圧を所定の充電用直流電圧に変換する充電用電圧変換部と、前記電子機器が接続されたときにはその電子機器の前記二次電池パック装着部に装着された二次電池パックの前記第一電池情報保持部から前記第一電池情報を読み出す第一電池情報読み出し部と、前記第一電池情報に対応する第二電池情報を所定の通信手段を通して取得する電池情報収集部と、前記第一電池情報読み出し部によって読み出された第一電池情報と前記電池情報収集部が取得した第二電池情報とに基づいて前記電子機器の二次電池パック装着部に装着された二次電池パックの良否を判定し該判定結果に応じた所定の制御動作を実行する電池制御部と、を備えた充電装置と、
前記充電装置の前記通信手段を通してアクセス可能にネットワーク上に設けられ前記第二電池情報を外部に提供可能に保有する保守サポートサーバと、
を含んで構成されていることを特徴とする。
【0028】
上記請求項12の二次電池パック保安管理システムは、上述の充電装置と保守サポートサーバとを含んで構成される。
充電装置側は、自己の仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持する第一電池情報保持部を有する二次電池パックを作動用電源として装着するための二次電池パック装着部を有する電子機器に適合する。
【0029】
この充電装置は、電力線から供給される電源電圧を所定の充電用直流電圧に変換する充電用電圧変換部と、前記電子機器が接続されたときにはその電子機器の前記二次電池パック装着部に装着された二次電池パックの前記第一電池情報保持部から前記第一電池情報を読み出す第一電池情報読み出し部と、前記第一電池情報に対応する第二電池情報を所定の通信手段を通して取得する電池情報収集部と、前記第一電池情報読み出し部によって読み出された第一電池情報と前記電池情報収集部が取得した第二電池情報とに基づいて前記電子機器の二次電池パック装着部に装着された二次電池パックの良否を判定し該判定結果に応じた所定の制御動作を実行する電池制御部と、を備えている。
【0030】
一方、保守サポートサーバ側は、上述の充電装置側に設けられた前記通信手段によってアクセス可能にネットワーク上に設けられ、前記第二電池情報を外部に提供可能に保有する。
このため、前記充電装置は、二次電池パックの充電のために自装置に接続された前記電子機器を通して前記第一電池情報読み出し部によって読み出した前記第一電池情報と、前記電池情報収集部が所定の通信手段を通して前記保守サポートサーバから取得した第二電池情報とに基づいて前記電子機器の二次電池パック装着部に装着された二次電池パックの良否を判定し該判定結果に応じた所定の制御動作を実行する。
【0031】
本発明の請求項13の二次電池パック保安管理方法は:
自己の仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持している二次電池パックを作動用電源として装着した電子機器を、電力線から供給される電源電圧を所定の充電用直流電圧に変換して用いる充電器に接続した際に、前記電力線による電力線搬送通信によってネットワーク上の所定の保守サポートサーバから前記第一電池情報に対応する第二電池情報を取得し、当該取得された第二電池情報を前記第一電池情報と共に当該二次電池パックの保安管理のための情報として前記電子機器に供給することを特徴とする。
【0032】
上記請求項13の二次電池パック保安管理方法では、自己の仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持している二次電池パックを作動用電源として装着した電子機器を、電力線から供給される電源電圧を所定の充電用直流電圧に変換して用いる充電器に接続した際に、この充電器自体の電源の線路である電力線による電力線搬送通信によってネットワーク上の所定の保守サポートサーバから前記第一電池情報に対応する第二電池情報を取得する。
上述のようにして取得された第二電池情報を、前記第一電池情報と共に当該二次電池パックの保安管理のための情報として前記電子機器に供給する。
これら第一電池情報および第二電池情報を供給された電子機器側では、これらの情報に基づいて当該二次電池パックの保安管理のために適切な処置を講じることが可能になる。
【0033】
本発明の請求項14の二次電池パック保安管理方法は:
自己の仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持している二次電池パックを作動用電源として装着した電子機器を、電力線から供給される電源電圧を所定の充電用直流電圧に変換して用いる充電器に接続した際に、前記電力線による電力線搬送通信によってネットワーク上の所定の保守サポートサーバから前記第一電池情報に対応する第二電池情報を取得し、当該取得された第二電池情報および前記第一電池情報に基づいて前記充電器において当該二次電池パックの保安管理のための制御を実行することを特徴とする。
【0034】
上記請求項14の二次電池パック保安管理方法では、自己の仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持している二次電池パックを作動用電源として装着した電子機器を、電力線から供給される電源電圧を所定の充電用直流電圧に変換して用いる充電器に接続した際に、この充電器自体の電源の線路である電力線による電力線搬送通信によってネットワーク上の所定の保守サポートサーバから前記第一電池情報に対応する第二電池情報を取得する。
上述のようにして取得された第二電池情報および二次電池パック自体から取得される前記第一電池情報に基づいて、前記充電器において、当該二次電池パックの保安管理のための制御を実行する。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、二次電池(二次電池パック)を電源として作動する電子機器が通信機能を保有していない状況下で、或いはまた、通信機能を保有していてもその通信機能部が正規の作動を行えないような状況下で、ネットワーク上の所定の保守サポートサーバから二次電池パックの品質に関する情報を提供可能にして、ユーザがそのような二次電池パックであることを認識できるようにしたり、或いは、充電を禁止するなど適切に対処できるようにした充電装置、電子機器、二次電池パック、二次電池パック保安管理システム、および、二次電池パック保安管理方法が実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳述することにより本発明を明らかにする。
(本発明の一つの実施の形態としての二次電池パック保安管理システムの構成)
図1は、本発明の一つの実施の形態としての二次電池パック保安管理システムの構成を表すブロック図である。
図1において、充電装置100は電子機器110をその電子機器装着部101に装着した状態で自装置100の充電用の給電コネクタ(プラグ)C11が電子機器110側の対応する充電用の受電コネクタ(レセプタクル)C12と接合するように構成されている。
一方、電子機器110はその二次電池パック装着部111に二次電池パック120を装着している。
【0037】
二次電池パック120は、起電力を生成する電池セル121と、自らの電池としての仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持する第一電池情報保持部としてのメモリ122とを備えている。
このメモリ122には、上述の第一電池情報として、二次電池パック120の品質に関係する情報、例えば、型式、仕様、製造ロット、製造年月、製造メーカ、製造工場、および、製造ライン等の情報、および、その他の二次電池パック120に関連する情報も保持される。
【0038】
また、本例の二次電池パック120の場合は、電子機器110に接続された状態で、電子機器110を通して第一電池情報に対応する第二電池情報を所定の通信手段を通してネットワークNW上の所定の保守サポートサーバから取得する電池情報収集部123と、メモリ(第一電池情報保持部)122から読み出した第一電池情報と電池情報収集部123が取得した第二電池情報とに基づいて二次電池パックとしての良否を判定し該判定結果に応じた所定の保安管理動作を実行する二次電池パック保安管理部124と、を備えている。
【0039】
また更に、二次電池パック120には、電池セル121の温度を検出するサーミスタ等のような温度検出素子125、二次電池パック120に流れる充電電流や負荷電流を検出する(電流)検出素子126、および、制限素子127が備られている。
制限素子127は(電流)検出素子126の出力に応じて二次電池パック120(電池セル121)に係る充放電の過電流を断ったり、後述するように二次電池パック120が品質上問題があるものと判定されたときには、二次電池パック保安管理部124の出力に応じて充電用の電流路を断つように機能するものであり、例えば、FETスイッチなどにより構成される。
【0040】
一方、電子機器110は、上述のような二次電池パック120を電源として作動する電池駆動式の電子機器であり、例えば、携帯電話機のような携帯情報端末装置であり得る。
図示の例では、電子機器110は、マイクロプロセッサを主体に構成されたシステムコントローラ112の制御下で系全体が統括的に管理される。
このシステムコントローラ112には、二次電池パック120の品質に関係する情報、例えば、型式、仕様、製造ロット、製造年月、製造メーカ、製造工場、および、製造ライン等々既述の二次電池パック120におけるメモリ122に保有されている第一電池情報や、この第一電池情報に対応して外部から取得される第二電池情報を所要のタイミングで収集し管理する電池情報管理部113、および、電池情報管理部113で収集管理される電池情報に基づいて所要の制御動作(例えば、保安管理上の制御動作)を実行する電池制御部114が設けられている。
【0041】
システムコントローラ112には、更に、本体制御部115が設けられ、例えばキースイッチ群やジョグダイヤルを含む操作部116からの外部操作を受け付けて、通話やメッセージの送受信に係る各所要の動作を制御する。
電子機器110が携帯情報端末装置である場合の本来の機能である無線通信機能を賄うRF通信部117および通信内容であるメッセージや種々の操作や動作に関する表示を行う表示部118もこのシステムコントローラ112によって管理される。
【0042】
尚、電子機器110と二次電池パック120とは、電子機器110側のコネクタ(レセプタクル)C21と二次電池パック120側のコネクタ(プラグ)C22によって接続される。
コネクタ(レセプタクル)C22には、電池セル121の負極側であるGND(接地)接触子、および+V(電池セル121の正極側であり、直接には制限素子127の出力端子側)の接触子の他に、温度検出素子125の検出出力Tを導出するための接触子、および、電池情報収集部123と外部との電池データDの授受を可能にするための接触子の、4つの接触子が備られている。
【0043】
コネクタ(レセプタクル)C22に対応するコネクタ(プラグ)C22にも、上述の4つの接触子に各対応する4つの接触子が備られている。
このため温度検出素子125の検出出力Tは、コネクタ(レセプタクル)C22およびコネクタ(プラグ)C22を通して電子機器110のシステムコントローラ112に供給され、加熱の際に所用のフェールセーフの処置が講じられる。
【0044】
上述のような構成の電子機器110を自装置100の電子機器装着部101に装着する充電装置100は、電力線10から供給される電源電圧を所定の充電用直流電圧に変換する充電用電圧変換部としての充電制御回路102と、電子機器110が接続された状態でその電子機器110の電池情報収集部として機能する電池情報管理部113からの情報収集要求に応じて所定の通信手段を通してネットワークNW上の所定の保守サポートサーバ11から上述の第二電池情報を取得して当該接続された電子機器110に供給する電池情報取得供給部104とを備えている。
【0045】
この充電装置100は、マイクロプロセッサを主体に構成されたシステムコントローラ103の制御下で系全体が統括的に管理される。
このシステムコントローラ103に、上述の電池情報取得供給部104、および、PLC(Power Line Communication:電力線搬送通信)用のPLCモデム106を制御するPLC制御部105が設けられている。
PLCモデム106は、電源コンセント12に差し込まれるプラグ13側から延長された電源コードである電力線10が充電装置100内に導入された部分の適所に設けられている。
【0046】
一方、電源コンセント11に到る電力線の保守サポートサーバ11側の適所にも、この保守サポートサーバ11と充電装置100間での電力線搬送通信を可能にするためにPLCモデム106が設けられている。
上述のシステムコントローラ103におけるPLC制御部105とこれに対応するPLCモデム106は、保守サポートサーバ11との通信を行う通信手段として機能するが、この通信手段は、システムコントローラ103に備えられた通信手段起動部(そのブロックは不図示)によって、電力線10からの給電が開始されたときに起動するように構成してもよい。
【0047】
尚、充電装置100と電子機器110とは、電子機器110側のコネクタ(レセプタクル)C12と充電装置100側のコネクタ(プラグ)C11によって接続される。
コネクタ(プラグ)C11には、充電制御回路101の出力の負極側であるGND(接地)接触子、および正極側+Vの接触子の他に、システムコントローラ103の制御下で外部および電子機器110間での電池データDの授受を可能にするための接触子の、3つの接触子が備られている。
コネクタ(プラグ)C11に対応するコネクタ(レセプタクル)C12にも、上述の3つの接触子に各対応する3つの接触子が備られている。
【0048】
(本発明の一つの実施の形態としての二次電池パック保安管理システムの動作)
図2は、図1の二次電池パック保安管理システムの動作を表すシーケンスチャートである。
電子機器110の電池制御部114が充電装置100への接続を認識すると(ステップS201)、この電池制御部114は、二次電池パック120の電池情報収集部123に対して上述の第一電池情報のデータを送信するように要求を送る(ステップS202)。
ステップS202のデータ送信要求を受けた電池情報収集部123は、第一電池情報保持部としてのメモリ122に当該第一電池情報のデータの保持状況を確認し(ステップS203)、該当するデータをメモリ122から読み出す(ステップS204)。
【0049】
ステップS204でメモリ122から読み出されたデータは電池情報収集部123で取得され、更に、電子機器110の電池制御部114に送信される(ステップS205)。
このステップS205で、二次電池パック120(そのメモリ122)から、第一電池情報としての、当該の二次電池パック120の品質に関係する、型式、仕様、製造ロット、製造年月、製造メーカ、製造工場、および、製造ライン等々のデータが電子機器110の電池制御部114において取得される。
【0050】
一方、ステップS201での充電装置100への接続が認識されると、上述のステップS202以降での二次電池パックからの第一電池情報に係るデータの取得が行われると共に、ネットワークNW上の保守サポートサーバ11からの第二電池情報に係るデータの収集も実行される。
即ち、ステップS201での充電装置100への接続が認識されると、電子機器110の電池制御部114は充電装置100の電池情報取得供給部104に第二電池情報のデータを送信するように要求を送る(ステップS206)。
【0051】
ステップS206の要求を受けた電池情報取得供給部104は通信手段としてのPLC制御部105に当該データ送信要求を転送する(ステップS207)。
PLC制御部105は図1を参照して既述のPLCモデム106を制御し、ネットワークNW上の保守サポートサーバ11に、このデータ送信要求を電力線搬送通信によって送信する(ステップS208)。
【0052】
ステップS208でのデータ送信要求を受けた保守サポートサーバ11は、この要求に応答して、例えば市場回収の対象とされている二次電池パックに関する型式、仕様、製造ロット、製造年月、製造メーカ、製造工場、および、製造ライン等々に関するデータを含む第二電池情報のデータを、電力線搬送通信によって充電装置100における通信手段としてのPLC制御部105に送信する(ステップS208)。
ステップS208で通信手段105が受けたデータは、電池情報取得供給部104に転送され(ステップS210)、この電池情報取得供給部104から、電子機器110の電池制御部114に送信される(ステップS211)。
【0053】
電子機器110の電池制御部114では、ステップS205で取得した第一電池情報(現在、電子機器110に装着されている二次電池パック120を詳細に特定可能な既述のような各データ)とステップS211で取得した第二電池情報
(目下、市場回収の対象とされている二次電池パックを詳細に特定可能な既述のような各データ)との双方を比較し、現在二次電池パック装着部111に装着された二次電池パック120が、第二電池情報によって特定される市場回収の対象とされている製品には該当せず交換不要のものであるか否かを判定する(ステップS212)。
【0054】
ステップS212で、二次電池パック120が交換不要のものであると判定されたときのみ(ステップS212:Yes)、電池制御部114の制御下で二次電池パック120への充電が開始される(ステップS213)。
他方、ステップS212で、二次電池パック120が、目下、市場回収の対象とされている二次電池パックであり、交換を要するものであると判定されたときには(ステップS212:No)、表示部118に、二次電池パック120が品質上の問題により交換を要する旨、および、充電を行わない旨等を表示する。
【0055】
尚、電子機器110に装着された二次電池パック120への充電の許容または非許容をこの電子機器110における電池制御部114によって管理する場合の動作は、より詳細には、例えば次のようにして実行される。
即ち、図1を参照して説明した実施の形態では、電池制御部114が二次電池パック120の充電を許容する場合には(ステップS212:Yes)、電池制御部114が充電を許容する命令を既述のデータDの信号線にデータと時分割されるように重畳させて、コネクタC21→コネクタC22→電池情報収集部123→二次電池パック保安管理部124、の経路で、二次電池パック保安管理部124に送る。
【0056】
二次電池パック保安管理部124は、この命令に応答して、制限素子127に対し充電電流の線路を確立する(FETスイッチを閉じる)ように制御するため、二次電池パック120内の電池セルに対して充電が行われ得る。
他方、電池制御部114が二次電池パック120の充電を許容しない場合には(ステップS212:No)、上述同様の命令の伝送系統で、制限素子127に対し充電電流の線路を断つ(FETスイッチを開く)ように制御が実行されるため、充電が禁止されることになる。
尚、二次電池パック120への充電の許容または非許容の制御は、電子機器110内で、充電のための給電路の適所にスイッチを介挿し、このスイッチを上述のような命令によって開閉することによって行うようにしてもよい。
【0057】
(図1および図2の実施の形態の変形例)
以上、図1および図2を参照して説明した実施の形態における変形例として、電子機器110のシステムコントローラ112と充電装置100のシステムコントローラ103間で、データDの信号線を通して通信を行うように構成すると共に、電子機器110側がその通信機能が有効に作動しない主通信機能停止状態(操作部116に対するユーザからの外部操作によって敢えてそのような動作モードに設定されているような場合を含む)にあることを充電装置100側(そのシステムコントローラ103)で認識可能に構成し、常時は電子機器110の主通信機能を用いて保守サポートサーバ11と無線系統を通して通信することによって、二次電池パックの保安管理を実行する一方、主通信機能停止状態にあることが認識されたときに、既述のような電力線搬送通信によって保守サポートサーバ11にアクセスし、第二電池情報を取得して、既述のような保安管理を実行するような構成を採ることも可能である。
【0058】
上述の主通信機能停止状態の検出は、例えば、電子機器110のシステムコントローラ112側から充電装置100のシステムコントローラ103側に、現在時点での動作モードを能動的に伝えるようにして検出が行われるようにしてもよく、或いはまた、充電装置100のシステムコントローラ103側から所定時間電子機器110側に応答を求める要求を送出して応答が無いことを以って主通信機能停止状態の検出を行うようにしてもよい。
【0059】
これらの場合におけるシステムコントローラ103は、電子機器110がその通信機能を有効に機能する状態に維持しているか否かを判定し該判定の結果当該通信機能が有効に機能する状態にないと判定されたときに通信手段(システムコントローラ103内のPLC制御部105、および、PLCモデム106等)を稼動させる通信手段制御部として機能する。
【0060】
(本発明の他の実施の形態としての二次電池パック保安管理システムの構成)
図3は、本発明の他の実施の形態としての二次電池パック保安管理システムの構成を表すブロック図である。
図3において、既述の図1との対応部には同一の参照符号を附して示し、それら各個のブロックについての説明は省略する。
図3の態様のシステムを総じて、電子機器110およびこの電子機器110に適用する二次電池パック120については、図1を参照して既述のものとは、ブロック図上での構成の相違はない。機能については後述する。
図1の実施の形態とのブロック図上での相違点は、充電装置として図1における充電装置100に替えて図3の充電装置300が適用されている点である。
【0061】
以下に、充電装置100と充電装置300とのにおける同様の点および相違する点につき以下に説明する。
この実施の形態における充電装置300は、自己の仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持する第一電池情報保持部122を有する二次電池パック120を作動用電源として装着するための二次電池パック装着部111を有する電子機器110に対しその二次電池パック120の充電に用いるに適合する点では図1における充電装置100と同様である。
【0062】
また、電力線10から供給される電源電圧を所定の充電用直流電圧に変換する充電用電圧変換部としての充電制御回路102を有し、この充電用電圧変換部102の出力によって該当する二次電池パックを充電する点についても充電装置100と変わりがない。
また、システムコントローラ300におけるPLC制御部305とこれに対応するPLCモデム106で保守サポートサーバ11との通信を行う通信手段を構成し、この通信手段を、システムコントローラ300に備えられた通信手段起動部(そのブロックは不図示)によって、電力線10からの給電が開始されたときに起動するように構成してもよい点も図1における充電装置100と同様である。
【0063】
一方、この充電装置300は、そのシステムコントローラ301として、図1のものについて既述のものと同様のPLC制御部105のほかに、電池情報収集部303と、電池制御部303とを有しており、また、自装置300に表示部304を有する点において図1の充電装置100とは相違する。
電池情報収集部303は、この充電装置300に電子機器110が接続されたときには、その電子機器110の二次電池パック装着部111に装着された二次電池パック120の第一電池情報保持部122から既述のような第一電池情報を読み出す第一電池情報読み出し部として機能する。
また、電池情報収集部303は、更に、既述のような第一電池情報に対応する第二電池情報を所定の通信手段としての例えば電力線搬送通信を通してネットワークNW上の所定の保守サポートサーバ11から取得する電池情報収集部としても機能する。
【0064】
(本発明の他の実施の形態としての二次電池パック保安管理システムの動作)
図4は、図3の二次電池パック保安管理システムの動作を表すシーケンスチャートである。
充電装置300の電子機器装着部101に電子機器110が装着されてコネクタC11およびC12が接続されると、充電装置300のシステムコントローラ301における電池制御部303がこの接続を認識する(ステップS401)。
システムコントローラ301においては、電池情報に係る外部との信号の授受は、第一電池情報を読み出す第一電池情報読み出し部としても機能する電池情報収集部302を通して実行されるように構成されているため、ステップS401の認識に基づいて、電池制御部303は、電池情報収集部302に当該接続を通知する(ステップS402)。
【0065】
ステップS402の通知を受けた電池情報収集部302は、一方では、電子機器110の電池情報管理部113に第一電池情報のデータに係る送信要求を送る(ステップS403)。
ステップS403での第一電池情報のデータに係る送信要求に応答して、電子機器110の電池情報管理部113は、二次電池パック120の電池情報収集部123に対して上述のデータの送信要求を送る(ステップS404)。
【0066】
ステップS404のデータ送信要求を受けた電池情報収集部123は、第一電池情報保持部としてのメモリ122に当該第一電池情報のデータの保持状況を確認し(ステップS405)、該当するデータをメモリ122から読み出す(ステップS406)。
ステップS406でメモリ122から読み出されたデータは電池情報収集部123で取得され、更に、電子機器110の電池情報管理部113に送信され(ステップS407)、更に、そこから充電装置300のシステムコントローラ301内の電池情報収集部302に送信される(ステップS408)。
【0067】
システムコントローラ301内では、電池情報収集部302がステップS408で受けた当該第一電池情報のデータが、電池制御部303に転送される(ステップS409)。
以上、ステップS409までの処理によって、当該第一電池情報のデータが充電装置100のシステムコントローラ301(その電池制御部303)で取得されることになる。
即ち、ステップS409で、システムコントローラ301の電池制御部303は、二次電池パック120(そのメモリ122)から、第一電池情報としての、当該の二次電池パック120の品質に関係する、型式、仕様、製造ロット、製造年月、製造メーカ、製造工場、および、製造ライン等々のデータを取得する。
【0068】
一方、ステップS402での接続通知を受けた電池情報収集部302は、ネットワークNW上の保守サポートサーバ11からの第二電池情報に係るデータの収集処理をも実行する。
即ち、充電装置300の電池情報収集部302は上述のシステムコントローラ301におけるPLC制御部305に当該第二電池情報のデータ送信要求を送る(ステップS410)。
PLC制御部305はPLCモデム106を制御し、ネットワークNW上の保守サポートサーバ11に、このデータ送信要求を電力線搬送通信によって送信する(ステップS411)。
【0069】
ステップS411でのデータ送信要求を受けた保守サポートサーバ11は、この要求に応答して、例えば市場回収の対象とされている二次電池パックに関する型式、仕様、製造ロット、製造年月、製造メーカ、製造工場、および、製造ライン等々に関するデータを含む第二電池情報のデータを、電力線搬送通信によって充電装置300における通信手段としてのPLC制御部305に送信する(ステップS412)。
ステップS412で通信手段(PLC制御部)305が受けたデータは、電池情報収集部302に転送され(ステップS413)、更に、この電池情報収集部302から、電池制御部303に転送される(ステップS414)。
【0070】
充電装置300の電池制御部303では、ステップS408で取得した第一電池情報(現在、電子機器110に装着されている二次電池パック120を詳細に特定可能な既述のような各データ)とステップS414で取得した第二電池情報
(目下、市場回収の対象とされている二次電池パックを詳細に特定可能な既述のような各データ)との双方を比較し、現在二次電池パック装着部111に装着された二次電池パック120が、第二電池情報によって特定される市場回収の対象とされている製品には該当せず交換不要のものであるか否かを判定する(ステップS415)。
【0071】
ステップS415で、二次電池パック120が交換不要のものであると判定されたときのみ(ステップS416:Yes)、電池制御部303の制御下で二次電池パック120への充電が開始される(ステップS416)。
他方、ステップS415で、二次電池パック120が、目下、市場回収の対象とされている二次電池パックであり、交換を要するものであると判定されたときには(ステップS415:No)、充電装置300は、システムコントローラ301の制御下でその表示部304に、二次電池パック120が品質上の問題により交換を要する旨、および、充電を行わない旨等を表示する。
即ち、表示部304は、二次電池パックの良否を判定したときの該判定結果に応じた表示を行うように機能する。
【0072】
以上の通り、図3の実施の形態では、二次電池パック120に関する品質上の問題に対応する処置(動作)や警告の表示等二次電池パックに関する保安管理に関係する表示が充電装置300の表示部304になされるため、このような二次電池パック120を適用した電子機器110側には、必ずしもこの種の保安管理に関係する表示を行う機能が要求されず、従って、電子機器110自体の構成の複雑化やコスト上昇を招来する憂いも一掃される。
尚、電子機器110に装着された二次電池パック120への充電の許容または非許容をこの電子機器110が装着された充電装置300における電池制御部303によって管理する場合の動作は、より詳細には、例えば次のようにして実行される。
【0073】
即ち、図3を参照して説明した実施の形態では、充電装置300のシステムコントローラ300における電池制御部303が二次電池パック120の充電を許容する場合には(ステップS415:Yes)、電池制御部303が充電を許容する命令が、既述のデータDの信号線にデータと時分割されるように重畳させて、コネクタC11→コネクタC12→電子機器110のシステムコントローラ112(その二次電池パック保安管理部124)→二次電池パック120(その二次電池パック保安管理部124)、の経路で、電子機器110の二次電池パック保安管理部124に伝送される。
【0074】
二次電池パック120内では、二次電池パック保安管理部124が、上述のようにして充電装置300から伝送された命令に応答して、制限素子127に対し充電電流の線路を確立する(FETスイッチを閉じる)ように制御するため、二次電池パック120内の電池セルに対して充電が行われ得る。
他方、充電装置300の電池制御部303が二次電池パック120の充電を許容しない場合には(ステップS413:No)、上述同様の命令の伝送系統で、制限素子127に対し充電電流の線路を断つ(FETスイッチを開く)ように制御が実行されるため、充電が禁止されることになる。
【0075】
尚、二次電池パック120への充電の許容または非許容の制御は、電子機器110内で、充電のための給電路の適所にスイッチを介挿し、このスイッチを充電装置300のシステムコントローラ301(その電池制御部303)からの上述のような命令によって開閉することによって行うようにしてもよい。
【0076】
(図3および図4の実施の形態の変形例)
以上、図3および図4を参照して説明した実施の形態における変形例として、電子機器110のシステムコントローラ112と充電装置300のシステムコントローラ301間で、データDの信号線を通して通信を行うように構成すると共に、電子機器110側がその通信機能が有効に作動しない主通信機能停止状態(操作部116に対するユーザからの外部操作によって敢えてそのような動作モードに設定されているような場合を含む)にあることを充電装置300側(そのシステムコントローラ301)で認識可能に構成し、常時は電子機器110の主通信機能を用いて保守サポートサーバ11と無線系統を通して通信して、二次電池パックの保安管理を実行する一方、主通信機能停止状態にあることが認識されたときに、既述のような電力線搬送通信によって保守サポートサーバ11にアクセスし、第二電池情報を取得して、既述のような保安管理を実行するような構成を採ることも可能である。
【0077】
上述の主通信機能停止状態の検出は、例えば、電子機器110のシステムコントローラ112側から充電装置300のシステムコントローラ301側に、現在時点での動作モードを能動的に伝えるようにして検出が行われるようにしてもよく、或いはまた、充電装置300のシステムコントローラ301側から所定時間電子機器110側に応答を求める要求を送出して応答が無いことを以って主通信機能停止状態の検出を行うようにしてもよい。
【0078】
これらの場合におけるシステムコントローラ301は、電子機器110がその通信機能を有効に機能する状態に維持しているか否かを判定し該判定の結果当該通信機能が有効に機能する状態にないと判定されたときに通信手段(システムコントローラ301内のPLC制御部305、および、PLCモデム106等)を稼動させる通信手段制御部として機能する。
【0079】
(本発明の更に他の実施形態としての二次電池パック保安管理システムの構成)
図5は、本発明の更に他の実施の形態としての二次電池パック保安管理システムの構成を表すブロック図である。
図5において、既述の図3との対応部には同一の参照符号を附して示し、それら各個のブロックについての説明は省略する。
図5の態様のシステムを総じて、電子機器110およびこの電子機器110に適用する二次電池パック120については、図3を参照して既述のものと相違せず、充電装置500について、図3の充電装置300と次の点で相違する。
【0080】
即ち、図3の充電装置300では、図1の実施の形態における充電装置100とも部分的に同様であるように、既述のシステムコントローラ301が電池情報収集部302、電池制御部303、および、PLC制御部305を有し、上述した第二電池情報の取得については、このPLC制御部305の制御下で、PLCモデム106を駆動して、電力線搬送通信によって、ネットワーク上の保守サポートサーバ11にアクセスするようにしていたが、図5の充電装置500では、このような電力線搬送通信は利用せず、例えば無線LAN(または近距離無線通信部)を通して保守サポートサーバ11にアクセスするように構成されている点で相違する。
【0081】
即ち、充電装置500は、そのシステムコントローラ501の機能部として、電池情報収集部502、電池制御部503、通信制御部504を含んで構成されている。
これら各機能部のうち、電池情報収集部502および電池制御部503については、図3の充電装置300におけるシステムコントローラ301の、これらに対応する機能部である電池情報収集部302および電池制御部303と別段の相違がない。
【0082】
一方、充電装置500のシステムコントローラ501における通信制御部504は、無線LANまたは移動体通信もしくは近距離無線通信による通信機能部である無線通信部505を制御して、公知の無線通信および有線通信によるインフラストラクチャとしての通信系であり得る通信システム20を通してネットワークNW上の保守サポートサーバ11にアクセスするように構成されている。
【0083】
この場合、システムコントローラ501における通信制御部504とこれに対応する無線通信部505で保守サポートサーバ11との通信を行う通信手段を構成するが、この通信手段を、システムコントローラ501に備えられた通信手段起動部(そのブロックは不図示)によって、電力線10からの給電が開始されたときに起動するように構成してもよい。
【0084】
充電装置500から見ると、電力線10は専ら電力の供給を担っており、データの授受に関しては、無線通信部505を通して無線の系統を利用してこれを行う構成である。従って、電力線搬送通信が行えない状況下でも、二次電池パックに関する保安管理の実行に支障を来たすことがない。
二次電池パック120に関する上述のような保安管理については、外部との通信の態様については相違するが、他の点については、図3を参照して既述の実施の形態と同様である。
【0085】
(本発明の更に他の実施形態としての二次電池パック保安管理システムの構成)
図6は、本発明の更に他の実施の形態としての二次電池パック保安管理システムの構成を表すブロック図である。
図6において、既述の図1との対応部には同一の参照符号を附して示し、それら各個のブロックについての説明は省略する。
図6の態様のシステムを総じて、充電装置100、および、この充電装置100に装着される電子機器に適用する二次電池パック120については、図1を参照して既述のものと相違しないが、電子機器600について、図1の電子機器110と次の点で相違する。
【0086】
即ち、システムコントローラ610の機能部として、第一電池情報読み出し部611、および、電池情報収集部612、ならびに、電池制御部613が設けられ、更に、既述同様の、本体制御部115が設けられている。
第一電池情報読み出し部611は、二次電池パック装着部111に装着された二次電池パック120の第一電池情報保持部としてのメモリ122から第一電池情報を読み出す。
【0087】
電池情報収集部612は、充電装置100に電子機器600が装着されたときには、既述の第一電池情報に対応する第二電池情報を充電装置600に設けられたシステムコントローラ103(その電池情報取得供給部104)によって電力線搬送通信によりネットワークNW上の保守サポートサーバ11から取得させ該取得された当該第二電池情報の供給を受ける。
【0088】
電池制御部613は、第一電池情報読み出し部611によって読み出された第一電池情報と電池情報収集部612が受け取った第二電池情報とに基づいて、電子機器600の二次電池パック装着部111に装着された二次電池パック120の良否を判定し該判定結果に応じた所定の制御動作を実行する。
即ち、この実施の形態では、謂わば電子機器600主導で、第一電池情報および第二電池情報を収集し、以降は、図1および図2を参照して記述のように、電子機器600のシステムコントローラ601における電池制御部613が、図1および図2の電池制御部114の如く制御動作を実行して、二次電池パック120に関する保安管理を賄う。
【0089】
尚、図6ではRF通信部117のブロックを特に破線図示して、本体制御部115による管理対象が必ずしもこのようなRF通信部117に限定されるものではない趣旨を表記した。
即ち、本発明の技術思想は、電子機器が、既述のような携帯情報端末装置以外の種々の二次電池駆動の電子装置である場合にも適用して有効である。
【0090】
(図6の実施の形態の変形例)
図6を参照して説明した実施の形態における変形例として、電子機器600のシステムコントローラ610と充電装置100のシステムコントローラ103間で、データDの信号線を通して通信を行い、電子機器600側がその通信機能が有効に作動しない主通信機能停止状態(操作部116に対するユーザからの外部操作によって敢えてそのような動作モードに設定されているような場合を含む)にあることを充電装置100側で認識可能に構成し、常時は主通信機能を用いて保守サポートサーバ11と無線系統を通して通信して、二次電池パックの保安管理を実行する一方、主通信機能停止状態にあることが認識されたときに、既述のような電力線搬送通信によって保守サポートサーバ11にアクセスし、保安管理を実行するような構成を採ることも可能である。
【0091】
上述の主通信機能停止状態の検出は、例えば、電子機器600のシステムコントローラ610側から充電装置100のシステムコントローラ103側に、現在時点での動作モードを能動的に伝えるようにして検出が行われるようにしてもよく、或いはまた、充電装置100のシステムコントローラ103側から所定時間電子機器600側に応答を求める要求を送出して応答が無いことを以って主通信機能停止状態の検出を行うようにしてもよい。
【0092】
(電力線搬送通信機能を有する充電装置を備えたその他の変形例)
以上、図1、図2、図3、図4、および、図6を参照して説明した実施の形態におけるその他の変形例として、電子機器(110,600)側のシステムコントローラ(112,610)と、充電装置100側のシステムコントローラ(103,301)間で、データDの信号線を通して通信を行い、現在時点ではPLCモデム106を利用して電力線搬送通信を行う条件が確立していないことをシステムコントローラ(103,301)のPLC制御部(105,305)が検知するように構成し、PLC制御部(105,305)が電力線搬送通信を行う条件が確立していないことを検知したときには、電力線搬送通信不能通知を、充電装置100側から電子機器(110,600)側に伝えるように構成することも可能である。
【0093】
この場合は、電力線搬送通信不能通知を受けた電子機器(110,600)側で電子機器(110,600)側の通信機能を利用して、無線の系統で保守サポートサーバ11にアクセスし、所用の第二電池情報を取得し、既述の如く、二次電池パックの保安管理を実行する。
即ち、充電装置(100、300)のシステムコントローラ(103,301)におけるPLC制御部(105,305)は、電力線搬送通信が正常に機能しないことを検知する電力線搬送通信障害検知手段としても機能し、電子機器(110,600)側のシステムコントローラ(112,610)は、電力線搬送通信障害検知手段が電力線搬送通信が正常に機能しないことを検知したときには、電子機器(110,600)が有する通信機能によってネットワークNW上の保守サポートサーバ11にアクセスするように情報取得用通信路を切り換える切り換え手段としても機能することになる。
【0094】
(二次電池パックが他の態様のものである場合について)
以上、図1ないし図6を参照して説明した各実施の形態では、二次電池パック120自体は、電池セル121の他に、充放電の断続を制御する制限素子127やその制御機能部としての二次電池パック保安管理部124を内蔵した型式のものを適用した場合について説明したが、電子機器(110,500,600)に適用された二次電池パックの型式に応じて、当該二次電池パックの保安管理を、電子機器を主体に行うか、または、充電装置を主体に行うかを、電子機器および充電装置におけるシステムコントローラへのモード選択に応じて設定可能に構成することも可能である。
【0095】
この場合におけるモード選択は、電子機器(110,500,600)の操作部116に対してユーザが手動で設定操作を行うようにしてもよく、或いはまた、二次電池パック120の第一電池情報保持部(メモリ)122から読み出した情報に基づいて判読される二次電池パックの型式等に応じて、当該モードが自動的に選択されるように構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、二次電池パックを電源として作動する電子機器が通信機能を保有していない状況下で、或いはまた、通信機能を保有していてもその通信機能部が正規の作動を行えないような状況下で、ネットワーク上の所定の保守サポートサーバから二次電池パックの品質に関する情報を提供可能にして、ユーザがそのような二次電池パックであることを認識できるようにしたり、或いは、充電を禁止するなど適切に対処できるようにした充電装置、電子機器、二次電池パック、二次電池パック保安管理システム、および、二次電池パック保安管理方法を実現するために利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の一つの実施の形態としての二次電池パック保安管理システムの構成を表すブロック図である。
【図2】図1の二次電池パック保安管理システムの動作を表すシーケンスチャートである。
【図3】本発明の他の実施の形態としての二次電池パック保安管理システムの構成を表すブロック図である。
【図4】図3の二次電池パック保安管理システムの動作を表すシーケンスチャートである。
【図5】本発明の更に他の実施の形態としての二次電池パック保安管理システムの構成を表すブロック図である。
【図6】本発明の更に他の実施の形態としての二次電池パック保安管理システムの構成を表すブロック図である。
【符号の説明】
【0098】
10…電力線
11…保守サポートサーバ
12…電源コンセント
13…プラグ
100…充電装置
101…電子機器装着部
102…充電制御回路
103…システムコントローラ
104…電池情報取得供給部
105…PLC制御部
106…PLCモデム
110…電子機器
111…二次電池パック装着部
112…受電コネクタ(レセプタクル)
113…システムコントローラ
114…電池制御部
115…本体制御部
116…操作部
117…RF通信部
118…表示部
120…二次電池パック
121…電池セル
122…メモリ(第一電池情報保持部)
123…電池情報収集部
124…二次電池パック保安管理部
125…温度検出素子
126…(電流)検出素子
127…制限素子
301…システムコントローラ
302…電池情報収集部
303…電池制御部
304…表示部
305…PLC制御部
500…充電装置
501…システムコントローラ
502…電池情報収集部
503…電池制御部
504…通信制御部
505…無線通信部
600…電子機器
610…システムコントローラ
611…第一電池情報読み出し部
612…電池情報収集部
613…電池制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己の仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持する第一電池情報保持部を有する二次電池パックを作動用電源として装着するための二次電池パック装着部と前記第一電池情報に対応する第二電池情報を外部から収集する電池情報収集部とを有する電子機器に適合する充電装置であって、
電力線から供給される電源電圧を所定の充電用直流電圧に変換する充電用電圧変換部と、
前記電子機器が接続されたときには前記電池情報収集部からの情報収集要求に応じて所定の通信手段を通してネットワーク上の所定の保守サポートサーバから前記第二電池情報を取得して当該接続された電子機器に供給する電池情報取得供給部と、
を備えていることを特徴とする充電装置。
【請求項2】
自己の仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持する第一電池情報保持部を有する二次電池パックを作動用電源として装着するための二次電池パック装着部を有する電子機器に適合する充電装置であって、
電力線から供給される電源電圧を所定の充電用直流電圧に変換する充電用電圧変換部と、
前記電子機器が接続されたときにはその電子機器の前記二次電池パック装着部に装着された二次電池パックの前記第一電池情報保持部から前記第一電池情報を読み出す第一電池情報読み出し部と、
前記第一電池情報に対応する第二電池情報を所定の通信手段を通してネットワーク上の所定の保守サポートサーバから取得する電池情報収集部と、
前記第一電池情報読み出し部によって読み出された第一電池情報と前記電池情報収集部が取得した第二電池情報とに基づいて前記電子機器の二次電池パック装着部に装着された二次電池パックの良否を判定し該判定結果に応じた所定の制御動作を実行する電池制御部と、
を備えていることを特徴とする充電装置。
【請求項3】
前記通信手段は、前記電力線を通して電力線搬送通信により前記ネットワーク上の所定の保守サポートサーバにアクセス可能に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の充電装置。
【請求項4】
前記通信手段は、前記ネットワーク上の所定の保守サポートサーバにアクセス可能に構成されている無線LANまたは移動体通信もしくは近距離無線通信による通信手段であることを特徴とする請求項1または2に記載の充電装置。
【請求項5】
前記通信手段における電力線搬送通信が正常に機能しないことを検知する電力線搬送通信障害検知手段と、前記電力線搬送通信障害検知手段が電力線搬送通信が正常に機能しないことを検知したときには、前記電子機器が有する通信機能によって前記ネットワーク上の所定の保守サポートサーバにアクセスするように情報取得用通信路を切り換える切り換え手段と、を更に備えていることを特徴とする請求項3に記載の充電装置。
【請求項6】
前記電子機器がその通信機能を有効に機能する状態に維持しているか否かを判定し該判定の結果当該通信機能が有効に機能する状態にないと判定されたときに前記通信手段を稼動させる通信手段制御部を更に備えたことを特徴とする請求項1ないし4項の何れか一項に記載の充電装置。
【請求項7】
前記電力線からの給電が開始されたときに前記通信手段を起動させる通信手段起動部を更に備えたことを特徴とする請求項1ないし4項の何れか一項に記載の充電装置。
【請求項8】
前記電池制御部が前記電子機器の二次電池パック装着部に装着された二次電池パックの良否を判定したときの該判定結果に応じた表示を行う表示部を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の充電装置。
【請求項9】
自己の仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持する第一電池情報保持部を有する二次電池パックを作動用電源として装着するための二次電池パック装着部と、
前記二次電池パック装着部に装着された二次電池パックの前記第一電池情報保持部から第一電池情報を読み出す第一電池情報読み出し部と、
前記二次電池パックの充電に用いる所定の充電装置に接続されたときには前記第一電池情報に対応する第二電池情報を該充電装置に設けられた電池情報取得供給部によって電力線搬送通信によりネットワーク上の所定の保守サポートサーバから取得させ該取得された当該第二電池情報の供給を受ける電池情報収集部と、
前記第一電池情報読み出し部によって読み出された第一電池情報と前記電池情報収集部が受け取った第二電池情報とに基づいて前記二次電池パック装着部に装着された二次電池パックの良否を判定し該判定結果に応じた所定の制御動作を実行する電池制御部と、
を備えていることを特徴とする電子機器。
【請求項10】
二次電池パック内に設けられ該二次電池パックの仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持する第一電池情報保持部と、
当該二次電池パックを電源として作動する電子機器に接続されたときにはその電子機器を通して前記第一電池情報に対応する第二電池情報を所定の通信手段を通してネットワーク上の所定の保守サポートサーバから取得する電池情報収集部と、
前記第一電池情報保持部から読み出した前記第一電池情報と前記電池情報収集部が取得した第二電池情報とに基づいて二次電池パックとしての良否を判定し該判定結果に応じた所定の保安管理動作を実行する二次電池パック保安管理部と、
を備えていることを特徴とする二次電池パック。
【請求項11】
自己の仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持する第一電池情報保持部を有する二次電池パックを作動用電源として装着するための二次電池パック装着部と前記第一電池情報に対応する第二電池情報を外部から収集する電池情報収集部とを有する電子機器に適合する充電装置であって、電力線から供給される電源電圧を所定の充電用直流電圧に変換する充電用電圧変換部と、前記電子機器が接続されたときには前記電池情報収集部からの情報収集要求に応じて所定の通信手段を通して前記第二電池情報を取得して当該接続された電子機器に供給する電池情報取得供給部と、を備えた充電装置と、
前記充電装置の前記通信手段を通してアクセス可能にネットワーク上に設けられ前記第二電池情報を外部に提供可能に保有する保守サポートサーバと、
を含んで構成されていることを特徴とする二次電池パック保安管理システム。
【請求項12】
自己の仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持する第一電池情報保持部を有する二次電池パックを作動用電源として装着するための二次電池パック装着部を有する電子機器に適合する充電装置であって、電力線から供給される電源電圧を所定の充電用直流電圧に変換する充電用電圧変換部と、前記電子機器が接続されたときにはその電子機器の前記二次電池パック装着部に装着された二次電池パックの前記第一電池情報保持部から前記第一電池情報を読み出す第一電池情報読み出し部と、前記第一電池情報に対応する第二電池情報を所定の通信手段を通して取得する電池情報収集部と、前記第一電池情報読み出し部によって読み出された第一電池情報と前記電池情報収集部が取得した第二電池情報とに基づいて前記電子機器の二次電池パック装着部に装着された二次電池パックの良否を判定し該判定結果に応じた所定の制御動作を実行する電池制御部と、を備えた充電装置と、
前記充電装置の前記通信手段を通してアクセス可能にネットワーク上に設けられ前記第二電池情報を外部に提供可能に保有する保守サポートサーバと、
を含んで構成されていることを特徴とする二次電池パック保安管理システム。
【請求項13】
自己の仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持している二次電池パックを作動用電源として装着した電子機器を、電力線から供給される電源電圧を所定の充電用直流電圧に変換して用いる充電器に接続した際に、前記電力線による電力線搬送通信によってネットワーク上の所定の保守サポートサーバから前記第一電池情報に対応する第二電池情報を取得し、当該取得された第二電池情報を前記第一電池情報と共に当該二次電池パックの保安管理のための情報として前記電子機器に供給することを特徴とする二次電池パック保安管理方法。
【請求項14】
自己の仕様ないし現状を表す第一電池情報を外部に提供可能に保持している二次電池パックを作動用電源として装着した電子機器を、電力線から供給される電源電圧を所定の充電用直流電圧に変換して用いる充電器に接続した際に、前記電力線による電力線搬送通信によってネットワーク上の所定の保守サポートサーバから前記第一電池情報に対応する第二電池情報を取得し、当該取得された第二電池情報および前記第一電池情報に基づいて前記充電器において当該二次電池パックの保安管理のための制御を実行することを特徴とする二次電池パック保安管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−272047(P2009−272047A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−118685(P2008−118685)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】