説明

充電装置及びプログラム

【課題】複数の電子機器が充電対象として接続されている状態において各電子機器の個々の状況を考慮した適切な充電を実現できるようにする。
【解決手段】充電装置1は、複数台の電子機器2が接続されている状態において、それらの利用状況に基づいて充電の優先順位を決定し、この優先順位に基づいて充電を制御する。ここで、電子機器2の利用状況とは、過去の利用状況(例えば、ユーザの行動履歴)や将来の利用状況(例えば、ユーザの行動スケジュール)を示している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電子機器が充電対象として接続可能な充電装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機などの複数台の電子機器を同時に充電可能な充電装置としては、複数のコネクタを有した有線接続タイプの充電装置や電磁誘導方式を採用した非接点タイプの充電装置が知られている。この種の充電装置においては、複数台の電子機器に対して同時に充電を行うと、複数台の電子機器で電力が等分されてしまうため、個々の電子機器に十分な電力が供給されなくなるという理由で、従来では、複数台の電子機器の中からそれらの電池残量比率に基づいて充電を最優先させる電子機器を決定し、この最優先の電子機器のみを充電するようにした非接触充電装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−089341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した先行技術にあっては、複数台の電子機器の中から択一的に選んだ電子機器に対して充電を行うもので、電池残量比率を取得するための複雑な回路などが電子機器側又は充電装置側に必要になるという問題があった。また、電池残量が最も少ない電子機器を最優先させることは、必ずしも得策とは言えない場合があった。例えば、電子機器Aの電池残量が1/4程度で、他の電子機器Bの電池残量が1/5程度の場合に、電子機器Bのユーザについては、特に外出予定はなく、電子機器Aのユーザが1時間後に外出予定があるときでも、電池残量が少ない電子機器Bの方の充電が最優先されてしまうため、電子機器Aへの充電が全く行われないか、不十分なまま外出することになる場合もあり、外出先で電池残量無し(電池切れ)などの事態も起こり得るなど、実情に即したものとは言えなかった。
【0005】
同様に、充電の仕方は、ユーザによって大きく異なるが、このような場合でも電池残量が最も少ない電子機器を最優先させることは、必ずしも得策とは言えない場合があった。例えば、テレビ放送受信機能などの重負荷な機能を頻繁に使用するユーザにあっては、電子機器の電池残量が2/3程度でも充電を心掛けるようにしているが、このような場合、電池残量が1/2程度の電子機器があれば、その方が優先されてしまい、テレビ放送受信機能の使用中に電池残量無しなどの事態も起こり得るなど、実情に即したものとは言えなかった。
【0006】
本発明の課題は、複数の電子機器が充電対象として接続されている状態において各電子機器の個々の状況を考慮した適切な充電を実現できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために請求項1記載の発明は、複数の電子機器を充電対象として接続可能な充電装置であって、前記複数の電子機器の個々に対応して、その利用状況に関する情報を取得する取得手段と、この取得手段によって取得された各利用状況に関する情報に基づいて前記電子機器毎に充電の優先順位を決定する決定手段と、この決定手段によって決定された優先順位に基づいて前記複数の電子機器への充電を制御する充電制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項1に従属する発明として、前記取得手段によって取得された各利用状況に関する情報に基づいて前記電子機器毎に将来の利用日時を予測する予測手段を更に備え、前記決定手段は、前記予測手段によって予測された将来の利用日時に関する情報に基づいて前記電子機器毎に充電の優先順位を決定する、ようにしたことを特徴とする請求項2記載の発明であってもよい。
【0009】
請求項2に従属する発明として、前記取得手段は、前記利用状況に関する情報として、利用履歴を取得し、前記予測手段は、前記取得手段によって取得された利用履歴から将来の利用日時を予測する、ようにしたことを特徴とする請求項3記載の発明であってもよい。
【0010】
請求項2に従属する発明として、前記取得手段は、前記利用状況に関する情報として、利用予定に関する情報を取得し、前記予測手段は、前記取得手段によって取得された利用予定に関する情報から将来の利用日時を予測する、ようにしたことを特徴とする請求項4記載の発明であってもよい。
【0011】
請求項2に従属する発明として、前記決定手段は、現在の日時と前記予測手段によって予測された将来の利用日時とを比較し、現在の日時が将来の利用日時に近いもの程、充電の優先順位を高く決定する、ようにしたことを特徴とする請求項5記載の発明であってもよい。
【0012】
請求項1に従属する発明として、前記取得手段は、前記利用状況に関する情報を前記複数の電子機器のそれぞれから取得する、ようにしたことを特徴とする請求項6記載の発明であってもよい。
【0013】
請求項1に従属する発明として、前記取得手段は、前記利用状況に関する情報を前記複数の電子機器を管理する管理装置を介して取得する、ようにしたことを特徴とする請求項7記載の発明であってもよい。
【0014】
また、上述した課題を解決するために請求項8記載の発明は、複数の電子機器が充電対象として接続可能な充電装置であって、前記複数の電子機器の個々に対応して、その充電履歴を取得する取得手段と、この取得手段によって取得された充電履歴に基づいて前記電子機器毎に充電の優先順位を決定する決定手段と、この決定手段によって決定された優先順位に基づいて前記複数の電子機器への充電を制御する充電制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0015】
請求項8に従属する発明として、前記取得手段は、前記充電履歴を前記複数の電子機器のそれぞれから取得する、ようにしたことを特徴とする請求項9記載の発明であってもよい。
【0016】
請求項8に従属する発明として、前記電子機器を識別するための識別子を取得する識別子取得手段と、この識別子取得手段によって取得された識別子毎に前記充電履歴を記録する記録手段と、を更に備え、前記取得手段は、前記電子機器を充電する際に、前記識別子取得手段によって前記電子機器の識別子を取得し、この識別子に対応して前記記録手段に記録されている前記充電履歴を読み出すことにより、前記充電履歴を取得する、ようにしたことを特徴とする請求項10記載の発明であってもよい。
【0017】
請求項8に従属する発明として、前記取得手段は、前記充電履歴として、前回の充電日時を取得し、前記決定手段は、前記取得手段によって取得された前回の充電日時が古いもの程、充電の優先順位を高く決定する、ようにしたことを特徴とする請求項11記載の発明であってもよい。
【0018】
請求項8に従属する発明として、前記取得手段は、前記充電履歴として、過去の充電頻度を取得し、前記決定手段は、前記取得手段によって取得された充電頻度が多いもの程、充電の優先順位を高く決定する、ようにしたことを特徴とする請求項12記載の発明であってもよい。
【0019】
請求項8に従属する発明として、前記取得手段は、前記充電履歴として、前記電子機器と当該充電装置との接続が切られた日時を取得し、前記決定手段は、現在の日時と前記取得手段によって取得された日時とを比較し、現在の日時が前記接続から切られた日時に近いもの程、充電の優先順位を高く決定する、ようにしたことを特徴とする請求項13記載の発明であってもよい。
【0020】
請求項1、請求項8のいずれかに従属する発明として、どのような種類の情報を用いて前記充電の優先順位を決定するかを指示する指針を任意に設定する設定手段を更に備え、前記決定手段は、前記設定手段によって設定されている指針に基づいて充電の優先順位を決定する、ようにしたことを特徴とする請求項14記載の発明であってもよい。
【0021】
請求項1、請求項8のいずれかに従属する発明として、前記決定手段によって決定された優先順位を報知する報知手段を更に備える、ようにしたことを特徴とする請求項15記載の発明であってもよい。
【0022】
請求項1、請求項8のいずれかに従属する発明として、前記充電制御手段は、充電対象として接続されている電子機器の数に応じて所定回に分けて充電を行うと共に、前記決定手段によって決定された優先順位に基づいて、どの電子機器を何回目で充電するかを制御する、ようにしたことを特徴とする請求項16記載の発明であってもよい。
【0023】
請求項1〜請求項16のいずれかに従属する発明として、前記充電制御手段は、非接触充電方式による充電を制御する、ようにしたことを特徴とする請求項17記載の発明であってもよい。
【0024】
また、上述した課題を解決するために請求項18記載の発明は、コンピュータに対して、複数の電子機器の個々に対応して、その利用状況に関する情報を取得する機能と、前記取得された各利用状況に関する情報に基づいて前記電子機器毎に充電の優先順位を決定する機能と、前記決定された優先順位に基づいて前記複数の電子機器への充電を制御する機能と、を実現させるためのプログラムであることを特徴とする。
【0025】
また、上述した課題を解決するために請求項19記載の発明は、コンピュータに対して、複数の電子機器の個々に対応して、その充電履歴を取得する機能と、前記取得された充電履歴に基づいて前記電子機器毎に充電の優先順位を決定する機能と、前記決定された優先順位に基づいて前記複数の電子機器への充電を制御する機能と、を実現させるためのプログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、複数の電子機器が充電対象として接続されている状態において各電子機器の個々の状況を考慮した適切な充電を実現することができ、実情に即した実用効果の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】複数台の電子機器を充電対象として接続可能な充電装置を示した外観図。
【図2】充電装置1及び電子機器2の基本的な構成要素を示したブロック図。
【図3】(1)は、利用状況取得先情報を示した図、(2)は、優先順位決定指針情報を示した図。
【図4】(1)は、利用履歴記憶部M2、(2)は、利用予定記憶部M3を説明するための図、(3)は、管理装置3側で記憶管理されているユーザ別利用履歴の情報を例示した図、(4)は、管理装置3側で記憶管理されているユーザ別利用予定の情報を例示した図。
【図5】充電装置1の全体動作の概要を示したフローチャート。
【図6】(1)は、第2実施形態において、電子機器2の記憶部23に設けられている充電履歴記憶部M4を説明するための図、(2)は、充電装置1側で記憶管理されているユーザ別充電履歴の情報を例示した図。
【図7】(1)は、第2実施形態の充電履歴取得先情報を示した図、(2)は、優先順位決定指針情報を示した図。
【図8】第2実施形態において、充電装置1の全体動作の概要を示したフローチャート。
【図9】図8の動作に続くフローチャート。
【図10】実施形態の変形例を説明するための図で、非接点タイプの充電装置1を示した外観図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第1実施形態)
以下、図1〜図5を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、複数台の電子機器が充電対象として接続可能な充電装置を示した外観図である。
充電装置1は、全体が箱型を成し、複数台の電子機器2が接続可能となるように複数個のコネクタ(図示省略)を有するもので、管理装置(パーソナルコンピュータ、オーディオビジュアル機器など)3に対してケーブル4aを介して接続可能となっている。なお、充電装置1は、商用電源(図示省略)にケーブル4bに接続されているが、これに限らず、電源兼用として管理装置3に接続するようにしてもよい。この充電装置1の前面部には、表示画面DPが配設されていると共に、電源スイッチPW、充電開始スイッチSTが配設されている。
【0029】
充電装置1に配設されている電子機器接続用の複数個のコネクタは、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子によって構成され、1対1の関係で電子機器2がケーブル5を介して接続可能となっている。ここで、電子機器接続用のコネクタは、複数個(この実施形態では4ポート)配設され、最大4台の電子機器2を充電対象として接続可能となっている。電子機器2は、二次電池(例えば、リチウム電池)を電源とする携帯電話機であり、この電子機器(携帯電話機)2を充電装置1に接続した状態において、充電装置1からの電力供給によって電子機器2への充電が行われる。管理装置3は、ここでは、電子機器2との間で、例えば、近距離無線通信(非接触ICカード、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信などの非接触タイプの通信)を行うことにより、充電装置1に接続されている各電子機器2からその利用状況に関する情報を受信取得することにより収集して記憶管理するようにしている。
【0030】
つまり、上述した電子機器2の利用状況に関する情報(以下、利用状況と呼称する)とは、過去の利用状況(例えば、ユーザの行動履歴)や将来の利用状況(例えば、ユーザの行動スケジュール)を示し、各電子機器2は、この利用状況を充電装置1からの送信要求に応じて充電装置1側にケーブル5を介して送信したり、上述したように、管理装置3からの送信要求に応じて管理装置3側に近距離無線通信を介して送信したりするようにしている。管理装置3は、各電子機器2から受信取得した利用状況を電子機器2毎に収集して記憶管理すると共に、充電装置1からの送信要求に応じて充電装置1側にケーブル4を介して電子機器2毎の利用状況を送信するようにしている。
【0031】
図2は、充電装置1及び電子機器2の基本的な構成要素を示したブロック図である
充電装置1は、充電制御部11を中核とし、この充電制御部11は、記憶部12内の各種のプログラムに応じてこの充電装置1の全体動作を制御するもので、中央演算処理装置やメモリ(図示省略)などを有している。記憶部12は、ROM、RAMなどの内部メモリで、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、後述する図5に示す動作手順に応じて本実施形態を実現するためのプログラムが格納されている。また、記憶部12のデータ領域には、フラグ情報(後述する設定フラグ)、タイマ情報(後述する充電タイマ)などのほか、この充電装置1の動作に必要な各種の情報が一時記憶されている。
【0032】
充電回路部13は、電子機器2が接続されていることが検出されている状態において、電子機器2を充電するもので、その出力電流(定格)は、例えば、2000mAで、電子機器2の接続台数が1台の場合には、この1台の電子機器2に対して出力電流を供給する充電(単一充電)を1回行うようにしているが、複数台(2台〜4台)の場合には、所定回(この実施形態では2回)に分けて充電を行うようにしているものとする。すなわち、例えば、電子機器2の接続台数が2台であれば、1台ずつに分けて単一充電を2回行い、3台であれば、1回目で1台だけの単一充電を行い、2回目で2台分の同時充電を行い、また、接続台数が4台であれば、1回目で2台分の同時充電を行い、2回目で残りの2台分の同時充電を行うようにしている。
【0033】
ここで、2台分の電子機器2を同時に充電する場合には、充電装置1の出力電流が1/2(1000mA)ずつの充電電流に等分して、各電子機器2に供給されるようになる。なお、この実施形態において電子機器2の接続台数が3台の場合には、1回目で1台だけの単一充電を行い、2回目で2台分の同時充電を行うようにしたが、これとは逆に、1回目で2台分の同時充電を行い、2回目で1台だけの単一充電を行うようにしてよい。また、この実施形態においては、所定回に分けて充電を行う場合、この所定回数を2回としたが、これに限らず、3回以上であってもよい。例えば、電子機器2の接続台数が4台の場合に、1回目で1台だけの単一充電を行い、2回目で2台分の同時充電を行い、3回目で1台だけの単一充電を行うようにしてもよい。また、この実施形態においては、最大4台分の電子機器2を接続可能としたが、5台以上であってもよく、例えば、電子機器2の接続台数が5台であれば、1回目で1台だけの単一充電を行い、2回目で2台分の同時充電を行い、3回目で残り2台分の同時充電を行うようにしてもよい。
【0034】
このように複数台(2台〜4台)の電子機器2が接続されている場合に、充電回路部13は、充電制御部11の制御下で複数台の電子機器2に対する充電を所定回に分けて行うようにしているが、どの電子機器2を何回目で充電するかは、上述した電子機器2の利用状況を考慮して制御するようにしている。すなわち、充電制御部11は、複数台の電子機器2の個々に対応して取得したその利用状況に基づいて、電子機器2毎に将来の利用日時に関する情報を予測し、この将来の利用日時に関する情報に基づいて充電の優先順位を決定すると共に、この優先順位に基づいて、どの電子機器2を何回目で充電するかを制御するようにしている。なお、充電回路部13には、上述のような充電制御を実現するために電子機器接続用の各コネクタへの給電をオン/オフ制御したり、単一充電/同時充電の切り替えを制御したりする回路が設けられている。
【0035】
この場合、将来の利用日時に関する情報(以下、利用日時と呼称する)とは、例えば、外出予定日時(出勤や通学の予定日時)、行事の開催日時などのように電子機器2を利用する予定日時である。また、この実施形態において、日時とは、時分及び日付に限らず、時分のみ、曜日のみ、日付のみであってもよい(以下、同様)。充電制御部11は、この利用日時が現在の日時(充電開始スイッチSTが操作された日時)に近い程、充電が早く開始されるように充電の優先順位を決定すると共に、この優先順位が高い(早い)電子機器2を1回目で充電し、優先順位が低い(遅い)電子機器2を2回目で充電するようにしている。例えば、電子機器2の接続台数が3台の場合には、1回目で優先順位が最も高い電子機器2に対して単一充電を行い、2回目で残りの2台の電子機器2に対して同時充電を行うようにしている。また、電子機器2の接続台数が4台の場合には、1回目で優先順位が最も高い電子機器2と次に優先順位が高い電子機器2の同時充電を行い、2回目で残りの2台の同時充電を行うようにしている。
【0036】
電子機器接続部14は、上述した複数個のコネクタ(USB端子)を有し、充電制御部11は、この電子機器接続部14からの接続状態を示す信号に基づいて電子機器2が接続されているかの接続有無を検出したり、どのコネクタに電子機器2が接続されているのかを検出したり、現在の接続台数は何台であるかを検出したりし、その検出結果に応じて電子機器2への充電を制御するようにしている。また、充電制御部11は、電子機器2が接続されている状態において、その電子機器2との間で電子機器接続部14を介して情報(利用状況)の送受信を行えるようになっている。
【0037】
管理装置接続部15は、管理装置3が接続されるコネクタ(USB端子)を有し、充電制御部11は、管理装置接続部15からの接続状態を示す信号に基づいて管理装置3が接続されているかの接続有無を検出し、管理装置3が接続されている場合には、管理装置3との間で管理装置接続部15を介して情報(各電子機器2の利用状況)の送受信を行うようにしている。充電制御部11は、各電子機器2から情報(利用状況)を受信取得するか、管理装置3から情報(各電子機器2の利用状況)を受信取得するかを、図3(1)に示す利用状況取得先情報を参照することによって判別するようにしている。
【0038】
図3(1)に示す利用状況取得先情報は、どこから利用状況を受信取得するかの指針を示し、ユーザ操作によって任意に設定されたもので、その「取得先」に対応して「設定フラグ」を有する構成となっている。「取得先」は、どこから利用状況を受信取得するのかを示し、“各電子機器2から”取得する場合と、“管理装置3から”取得する場合がある。「設定フラグ」は、どの取得先が有効であるかを示し、その値が“1”のときには有効、“0”のときには無効を示している。なお、図示の例では、“各電子機器2から”が有効の場合を示している。
【0039】
計時部16は、現在日時の情報を計時するもので、充電制御部11は、上述した充電の優先順位を決定する際に現在日時を参照するようにしている。表示部17は、上述した表示画面DPを有する構成で、高精細液晶や有機ELを使用したもので、充電中か否かをメッセージ表示などで報知したり、充電の優先順位をメッセージ表示などで報知したりする。この場合、優先順位の報知は、接続されている電子機器2の個々に対応して、何回目の充電かを示す情報を表示させることによって行うようにしている。操作部18は、上述した電源スイッチPW、充電開始スイッチSTなどを備えたもので、充電制御部11は、操作部18からの操作信号に応じた処理を行う。
【0040】
次に、電子機器2の基本的な構成要素について説明する。
電子機器(携帯電話機)2は、通話機能、電子メール機能、インターネット接続機能(Webアクセス機能)、カメラ機能やテレビ放送受信機能などを備え、中央制御部21を中核としている。中央制御部21は、電池部22からの電力供給によって動作し、記憶部23内の各種のプログラムに応じてこの電子機器2の全体動作を制御するもので、その中央制御部21にはCPU(中央演算処理装置)やメモリなどが設けられている。記憶部23は、ROM、RAMなどの内部メモリで、プログラム領域とデータ領域とを有し、このプログラム領域には、各種のプログラムが格納されている。
【0041】
また、記憶部23のデータ領域には、この電子機器2の動作に必要な各種の情報が一時記憶されているほか、電子機器2を識別する機器識別子(機器ID)を記憶する機器ID記憶部M1のほか、後述する利用履歴記憶部M2、利用予定記憶部M3などを有している。電池部22は、充電装置1にケーブル接続されている状態において、充電装置1からの電力供給によって充電される二次電池22aを有している。充電接続部24は、コネクタ(USB端子)を有し、充電装置1側の電子機器接続部14に接続されるもので、充電装置1との間で情報の送受信を行えるようになっている。
【0042】
無線通信部25は、最寄りの基地局(図示省略)との間でデータの送受信を行うもので、通話機能の動作時にはベースバンド部の受信側から信号を取り込んで受信ベースバンド信号に復調して中央制御部21に対して出力すると、中央制御部21は、音声信号処理部26を介して通話用スピーカSPから音声出力させ、また、通話用マイクMCからの入力音声データを音声信号処理部26から取り込み、送信ベースバンド信号に符号化した後、ベースバンド部の送信側に与えてアンテナAN1から発信出力させる。表示部27は、高精細液晶や有機ELを使用し、例えば、待受画像、アイコン、日時情報のほか、テキストデータなどを表示する。
【0043】
操作部28は、電源オン/オフキー、ダイヤル入力、文字入力、コマンド入力などを入力するもので、中央制御部21は、この操作部28からの入力操作信号に応じた処理を実行する。近距離無線通信部29は、管理装置3との間で近距離無線通信によってデータの送受信を行うもので、例えば、非接触ICカード、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信などの非接触タイプの通信手段である。テレビ放送受信部30は、通信端末装置向けのワンセグ地上波デジタルテレビ放送を、アンテナAN2を介して受信する。
【0044】
図4(1)は、利用履歴記憶部M2を説明するための図である。
利用履歴記憶部M2は、過去の利用状況として、例えば、ユーザの行動履歴を記憶するもので、「ID」、「日時」、「項目」を有している。この利用履歴記憶部M2は、図示の例では、企業における販売員(1)の行動履歴を利用履歴として記憶管理する日誌を構成するもので、得意先Aへの出発日時と得意先Aからの帰社日時…などを記憶する。「ID」は、利用履歴を識別する一連番号(識別子)である。「日時」は、行動した日時を示し、「項目」は、その行動の具体的な内容を示している。更に、図示の例では、販売員(1)が午前08時48分に出社し、午前10時12分に得意先Aに出発したことを示している。
【0045】
図4(2)は、利用予定記憶部M3を説明するための図である。
利用予定記憶部M3は、将来の利用状況として、例えば、ユーザの行動スケジュールを記憶するもので、「ID」、「日時」、「項目」を有している。ユーザの行動スケジュールは、予定日時と予定内容として、例えば、起床の予定日時、出勤の予定日時などを記憶するもので、「ID」は、利用予定を識別する一連番号(識別子)である。「日時」は、行動する予定日時を示し、「項目」は、その行動予定の具体的な内容を示している。なお、図示の例では、父が午前07時00分に起床し、午前08時00分に会社に出勤したことを示している。
【0046】
この利用履歴記憶部M2、利用予定記憶部M3の内容は、電子機器2の利用状況として、各電子機器2から充電装置1へ直接送信されるか、管理装置3を介して充電装置1に送信される。すなわち、充電装置1は、図3(1)に示す利用状況取得先情報の内容に基づいて、各電子機器2から直接取得するか、管理装置3を介して取得するかを決定し、取得した各電子機器2の利用状況に基づいて、電子機器2毎に将来の利用日時に関する情報を予測し、この将来の利用日時に関する情報に基づいて充電の優先順位を決定する。その際、この実施形態においては、利用状況として、利用履歴、利用予定のいずれか一方を参照して、充電の優先順位を決定するようにしている。この場合、利用履歴、利用予定のいずれかを参照して充電の優先順位を決定するかは、図3(2)に示す優先順位決定指針情報に基づいて判別するようにしている。
【0047】
図3(2)の優先順位決定指針情報は、利用状況として、どのような種類の利用状況を参照して充電の優先順位を決定するのかを指示するための指針であり、ユーザ操作によって任意に設定されたもので、その「指針」に対応して「設定フラグ」を有する構成となっている。「指針」は、利用状況の種類として、“利用履歴”、“利用予定”のずれかを指定する。「設定フラグ」は、どの指針が有効か否かを示し、その値が“1”のときには有効、“0”のときには無効を示している。なお、図示の例は、“利用履歴”に基づいて優先順位を決定すべきことを設定した場合を示している。
【0048】
次に、第1実施形態における携帯電話機1の動作概念を図5に示すフローチャートを参照して説明する。ここで、このフローチャートに記述されている各機能は、読み取り可能なプログラムコードの形態で格納されており、このプログラムコードにしたがった動作が逐次実行される。また、ネットワークなどの伝送媒体を介して伝送されてきた上述のプログラムコードに従った動作を逐次実行することもできる。このことは後述する他の実施形態においても同様であり、記録媒体のほかに、伝送媒体を介して外部供給されたプログラム/データを利用して本実施形態特有の動作を実行することもできる。
【0049】
図5は、充電装置1の全体動作の概要を示したフローチャートである。
先ず、充電装置1側において、その充電制御部11は、電源スイッチPWによる電源オン操作が行われると(ステップA1でYES)、いずれかの電子機器2が接続されているかを検出し(ステップA2)、電子機器2が接続されるまで待ち状態となるが、電子機器2が1台でも接続されているときには(ステップA2でYES)、充電開始スイッチSTの操作待ち状態となる(ステップA3)。なお、このフローチャートでは、電子機器2への全ての充電が完了した際、又は図示省略したが、電源スイッチPWによる電源オフ操作が行われた際に、このフローを終了するようにしているが、電子機器2が1台も接続されていないことを検出した際にも、このフローを終了させるようにしてもよく、その終了の仕方は任意である。
【0050】
いま、充電開始スイッチSTが操作されて充電の開始が指示されると(ステップA3でYES)、充電制御部11は、電子機器接続部14をアクセスして、接続されている電子機器2の接続台数を計測すると共に(ステップA4)、接続されている各電子機器2に対して機器IDの送信要求を行い、それに応答して電子機器2側の機器ID記憶部M1から読み出されて送信された機器IDを電子機器2毎に受信取得する(ステップA5)。そして、電子機器2の接続台数は、複数台であるかを調べ(ステップA6)、複数台でなければ、つまり、1台だけ接続されている場合には(ステップA6でNO)、この1台の電子機器2に対して充電装置1の出力電流(2000mA)を供給する単一充電を開始する(ステップA7)。そして、充電タイマがタイムアウト(タイマ終了)したかを調べ(ステップA18)、充電タイマが終了するまで(ステップA18でYES)、この単一充電を継続させる(ステップA7)。
【0051】
ここで、充電タイマは、充電が開始してから充電を終了させるまでの充電時間を計測するもので、ユーザ操作で予め任意に設定されたタイマ時間(例えば、単一充電で60分)が経過するまで充電を継続させる。なお、このタイマ時間として、標準的に電池残量がゼロの状態から満充電までに要する時間を設定するようにしているが、例えば、満充電までに要する時間の2/3時間など、任意の時間を設定するようにしてもよい。ここで、タイマ終了を検出すると(ステップA18でYES)、充電を終了させた後(ステップA19)、充電を行っていない他の電子機器2が残っていないかを調べるが(ステップA20)、いま、電子機器2の接続台数が1台で、その単一充電が終了した場合であり、充電を行っていない他の電子機器2が残っていないために(ステップA20でYES)、上述のステップA2に戻る。
【0052】
また、電子機器2の接続台数が複数台(2台〜4台)であれば(ステップA6でYES)、図3(1)に示した利用状況取得先情報を参照し、その「設定フラグ」が“1”の「取得先」は、“各電子機器2から”であるかを調べる(ステップA8)。ここで、「取得先」が“各電子機器2から”であれば(ステップA8でYES)、充電装置1は、接続されている各電子機器2に対して利用状況の送信要求を行い、それに応答して各電子機器2からその利用状況として、利用履歴記憶部M2又は利用予定記憶部M3から読み出された内容を受信取得する(ステップA9)。
続いて、図3(2)の優先順位決定指針情報を参照して、利用履歴、利用予定のいずれかを取得するステップA11に進む。
【0053】
また、「取得先」が“管理装置3から”であれば(ステップA8でNO)、管理装置3側に対して利用状況の送信要求を行い、それに応答して管理装置3側から送信された各電子機器2の利用状況を受信取得する(ステップA10)。すなわち、管理装置3側では、各電子機器2の利用履歴記憶部M2又は利用予定記憶部M3の内容が記憶管理されており、充電装置1は、接続されている各電子機器2の機器IDを管理装置3側に送信することでその電子機器2の利用状況の送信要求を行い、それに応答して管理装置3から送信された当該機器IDに対応する利用状況を得する。
続いて、図3(2)の優先順位決定指針情報を参照して、利用履歴、利用予定のいずれかを取得するステップA11に進む。
【0054】
そして、ステップA11では、図3(2)の優先順位決定指針情報を参照し、「設定フラグ」が“1”の「指針」は、“利用履歴”であるかを調べ、“利用履歴”であれば(ステップA11でYES)、各電子機器2の“利用履歴”に基づいて将来の利用日時(外出予定日時)を決定(予測)する(ステップA12)。図4(3)は、管理装置3側において、各電子機器2からその利用状況として利用履歴記憶部M2の内容を受信取得(収集)して記憶管理されているユーザ別の利用履歴の情報を示した図である。このユーザ別利用履歴の情報は、「ID」、「ユーザ」、「日時」、「項目」を有しており、「ID」は、ユーザ(販売員)を識別する識別子を示し、「ユーザ」は、電子機器2のユーザ名(販売員名)などを示している。
【0055】
例えば、図4(3)に示すように、販売員(1)の出発時刻が“10時12分”、販売員(2)の出発時刻が“09時45分”、販売員(3)の出発時刻が“11時00分”であれば、この過去の利用日時“10時12分”、“09時45分”、“11時00分”に基づいて販売員(1)〜(3)の将来(例えば、明日)の利用日時(外出予定日時)を決定(予測)する。この場合、前日の利用履歴に限らず、例えば、1週間分、1ヶ月分、数ヶ月分の利用履歴を参照して、将来の利用日時(外出予定日時)を決定(予測)するようにしてもよい。また、将来の利用日時(外出予定日時)として、何曜日の何時を予測するようにしてもよい。
【0056】
また、図3(2)の優先順位決定指針情報を参照した結果、「設定フラグ」が“1”の「指針」が“利用予定”であれば(ステップA11でNO)、各電子機器2の“利用予定”に基づいて将来の利用日時(外出予定日時)を決定(予測)する(ステップA13)。図4(4)は、管理装置3側において、各電子機器2からその利用状況として利用予定記憶部M3の内容を受信取得(収集)して記憶管理されているユーザ別利用予定の情報を示した図である。このユーザ別利用予定の情報は、「ID」、「ユーザ」、「日時」、「項目」を有しており、「ID」は、ユーザ(父、母などの家族構成員)を識別する情報を示し、「ユーザ」は、ユーザ名(父、母などの名前)を示している。
【0057】
例えば、図4(4)に示すように、父の出勤予定時刻が“08時00分”、母の出勤予定時刻が“09時00分”、子(大学生)の登校予定時刻が“10時00分”であれば、この将来の利用日時“08時00分”、“09時00分”、“10時00分”に基づいて父、母、子の外出予定日時を決定(予測)する。この場合、本日分のスケジュール情報に限らず、例えば、1週間分、1ヶ月分、数ヶ月分先のスケジュール情報を参照して、将来の利用日時(外出予定日時)を決定(予測)するようにしてもよい。
【0058】
更に、上述のようにして電子機器2毎に予測した将来の利用日時(外出予定日時)を比較し(ステップA14)、その比較結果に基づいて充電の優先順位を決定する(ステップA15)。この場合、将来の利用日時(外出予定日時)が現在日時(充電開始スイッチSTの操作日時)に近い程、充電が早く開始されるように充電の優先順位を決定する。例えば、図4(3)の場合において、現在日時が“11月20日09時00分”であれば、充電の優先順位として、販売員(2)、(1)、(3)の順を決定し、図4(4)の場合において、現在日時が“11月20日06時00分”であれば、充電の優先順位として、父、母、子の順を決定する。
【0059】
このようにして充電の優先順位を決定すると、その優先順位を表示部17に表示させてユーザに報知させた後(ステップA16)、その優先順位に基づいて充電を開始する(ステップA17)。その際、複数台の電子機器2に対する充電を所定回(2回)に分けて行う。すなわち、上述したように、電子機器2の接続台数が2台であれば、1台ずつに分けて単一充電を2回行い、3台であれば、1回目で1台だけの単一充電を行い、2回目で2台分の同時充電を行い、4台であれば、1回目で2台分の同時充電を行い、2回目で残りの2台分の同時充電を行う。この場合、どの電子機器2を何回目で充電するかは、優先順位が高い程、早く充電を開始する。例えば、図4(3)に示す具体例において、販売員(1)、(2)、(3)の電子機器2が接続されている場合には、1回目で販売員(2)の電子機器2だけの単一充電を開始する。同様に、図4(4)に示す具体例において、父、母、子の電子機器2が接続されている場合には、1回目で父の電子機器2だけの単一充電を開始する。
【0060】
そして、充電タイマがタイムアウト(タイマ終了)かを調べ(ステップA18)、タイマ終了まで充電を継続させる。この場合、ユーザ操作で予め任意に設定されたタイマ時間(例えば、同時充電で120分)が経過するまで充電を継続させる。その後、タイマ終了を検出すると(ステップA18でYES)、充電を終了させた後(ステップA19)、充電を行っていない他の電子機器2が残っていないかを調べる(ステップA20)。ここで、上述の例では、1台だけの単一充電が終了した場合で、他の電子機器2が残っているために(ステップA20でNO)、上述のステップA17に戻り、充電の優先順位に基づいて2回目の充電を開始するが、充電を行っていない他の電子機器2が残っていなければ(ステップA20でYES)、この時点で上述のステップA2に戻る。
【0061】
いま、例えば、図4(3)の場合には、上述のステップA17に戻り、2回目で販売員(1)、(3)の電子機器2に対する同時充電を開始させる。図4(4)の場合には、2回目で母及び子の電子機器2に対する同時充電を開始させる。このような2台分の同時充電では、充電装置1の出力電流が1/2ずつに等分されて充電される。そして、2回目の充電を開始させた後は、上述のステップA18に移り、タイマ終了まで2回目の充電を継続させる。その後、タイマ終了を検出すると(ステップA18でYES)、上述の例では、充電を行っていない他の電子機器2は存在しないために(ステップA19でYES)、この時点で上述のステップA2に戻る。
【0062】
以上のように、第1実施形態において充電装置1は、複数台の電子機器2の利用状況に基づいて充電の優先順位を決定し、この優先順位に基づいて充電を制御するようにしたので、複数台の電子機器2が充電対象として接続されている状態において各電子機器2の個々の利用状況を考慮した適切な充電を実現することができる。例えば、外出予定が早いユーザの電子機器2を優先的に充電することができ、外出先での電池切れを防ぐことが可能となる。更に、電子機器2から電池残量などの情報を必要としないために複雑な回路などを充電装置1側又は電子機器2側に設ける必要がないなど、実情に即した実用効果の高いものとなる。
【0063】
また、充電装置1は、複数台の電子機器2の利用状況に基づいて電子機器2毎に将来の利用日時を予測し、この将来の利用日時に基づいて充電の優先順位を決定するようにすれば、充電の優先順位を決定する際に、日時を基準とし、適切に優先順位を決定することができる。
【0064】
充電装置1は、接続されている複数の電子機器2のそれぞれから利用状況を取得するようにすれば、頻繁に変動する利用状況であっても現在の利用状況を電子機器2から直接入手することができ、より適切な充電制御が可能となる。
【0065】
充電装置1は、各電子機器2の利用状況を管理装置3から取得するようにすれば、管理装置3へのアクセスで各電子機器2の利用状況を一括取得することができ、充電装置1側の負担を軽減することができる。
【0066】
充電装置1は、各電子機器2の利用状況として、利用履歴を取得するようにすれば、将来の利用日時を正確に予測することができる。例えば、1週間分、1ヶ月分、数ヶ月分の利用履歴を参照して、将来の利用日時(外出予定日時のより正確な予測が可能となる。
【0067】
充電装置1は、各電子機器2の利用状況として、スケジュール情報を取得して、将来の利用日時を予測するようにすれば、将来の利用日時を正確に予測することができる。例えば、1週間分、1ヶ月分、数ヶ月分先のスケジュール情報を参照して、将来の利用日時(外出予定日時)のより正確な予測が可能となる。
【0068】
現在日時と将来の利用日時とを比較し、現在日時が将来の利用日時に近いもの程、充電の優先順位を高くなるようにしたので、利用が早い程、充電を優先させることができる。
【0069】
充電装置1は、利用状況として、どのような種類の利用状況を参照して充電の優先順位を決定するかを指示する優先順位決定指針情報をユーザ操作によって任意に設定するようにすれば、ユーザの意向する利用状況に基づいて優先順位を決定することができる。
【0070】
充電装置1は、充電の優先順位を表示(報知)するようにすれば、ユーザにあっては、自分の電子機器2がどのくらいで充電されるかを知ることができる。
【0071】
充電装置1は、電子機器2の接続台数に応じて所定回に分けて充電を行うと共に、充電の優先順位に基づいて、どの電子機器2を何回目で充電するかを制御するようにすれば、各電子機器2を1台ずつ順次充電するよりも、全体的に効率の良い充電を実現することができる。
【0072】
なお、上述した第1実施形態においては、過去の利用状況(利用履歴)として、ユーザの行動履歴を使用するようにしたが、電話の発着信履歴であってもよく、この発着信履歴に基づいて電話の利用の仕方を分析して充電の優先順位を決定するようにしてもよい。
また、上述した第1実施形態においては、将来の利用状況(利用予定)として、ユーザの行動スケジュールを使用するようにしたが、覚まし設定日時などであってもよい。
【0073】
また、上述した第1実施形態においては、利用履歴、利用予定のいずれかを参照して、将来の利用日時に関する情報を予測するようにしたが、利用履歴、利用予定の両方を参照して、将来の利用日時に関する情報を予測するようにしてもよい。
【0074】
上述した第1実施形態において管理装置3は、各電子機器2から利用状況を、近距離無線通信を介して受信取得するようにしたが、各電子機器2の利用状況がインターネットを介して通信業者側のサーバ装置(図示省略)に記憶管理されている場合には、このサーバ装置から各電子機器2の利用状況を受信取得するようにしてもよい。勿論、管理装置3を介さずにサーバ装置から直接取得するようにしてよく、その取得の仕方は任意である。
【0075】
上述した第1実施形態において充電装置1は、充電開始スイッチSTが操作される毎に各電子機器2の利用状況から充電の優先順位を決定するようにしたが、利用状況が大きく変動しないような場合には、優先順位の決定を、例えば、1週間に1回、1ヶ月に1回のように所定期間毎に定期的に行うようにしてもよい。
【0076】
(第2実施形態)
以下、この発明の第2実施形態について図6〜図9を参照して説明する。
なお、上述した第1実施形態においては、各電子機器2の利用状況に基づいて充電の優先順位を決定するようにしたが、この第2実施形態においては、各電子機器2の充電履歴に基づいて充電の優先順位を決定するようにしたものである。その他、上述した第1実施形態においては、管理装置3を使用するようにしたが、この第2実施形態においては、管理装置3を使用しない場合を例示したものである。
ここで、両実施形態において基本的あるいは名称的に同一のものは、同一符号を付して示し、その説明を省略すると共に、以下、第2実施形態の特徴部分を中心に説明するものとする。
【0077】
図6(1)は、第2実施形態において、電子機器2の記憶部23に設けられている充電履歴記憶部M4(図2では、図示省略)を説明するための図である。
充電履歴記憶部M4は、充電を行った際の情報(充電履歴)を記憶するもので、「ID」、「ユーザ」、「充電履歴」の各項目を有し、「充電履歴」は、更に「開始」、「終了」、「接続解除」、「頻度」の項目を有している。「ID」は、充電履歴を識別する一連番号(識別子)を示し、「ユーザ」は、電子機器2のユーザ名などを示している。また、「充電履歴」は、充電を行った際の情報(充電履歴)を示したものでその「開始」は、充電開始日時を示し、「終了」は、充電終了日時を示し、更に、「接続解除」は、充電装置1から電子機器2を持ち上げることによって充電装置1との接続が切られた(解除された)際の日時を示し、「頻度」は、1週間当たりの充電回数として、1週間前の頻度を示している。
【0078】
図6(2)は、充電装置1側において、各電子機器2からその充電履歴記憶部M4の内容を受信取得(収集)して記憶管理しているユーザ別の充電履歴の情報を示した図である。このユーザ別の充電履歴の情報は、「ID」、「ユーザ」、「充電履歴」を有し、「充電履歴」は、更に「開始」、「終了」、「接続解除」、「頻度」の項目を有している。「ID」は、ユーザ(父、母などの家族構成員)を識別する識別子を示し、「ユーザ」は、ユーザ名(例えば、父、母などの名前)を示している。
【0079】
図7(1)は、第2実施形態における充電履歴取得先情報を示した図で、この充電履歴取得先情報は、どこから充電履歴を受信取得するかの指針を示し、ユーザ操作によって任意に設定されたもので、その「取得先」に対応して「設定フラグ」を有する構成となっている。「取得先」は、どこから充電履歴を受信取得するのかを示し、“各電子機器2から”取得する場合と、“充電装置1(自身)から”取得する場合がある。なお、上述した第1実施形態においては、各電子機器2の情報(利用状況)を管理装置3が収集して記憶管理するようにしたが、この第2実施形態における充電装置1は、各電子機器2から充電履歴記憶部M4の内容を自身で収集して記憶管理するようにしている。「設定フラグ」は、どの取得先が有効か否かを示し、その値が“1”のときには有効、“0”のときには無効を示している。なお、図示の例では、“各電子機器2から”取得する場合に設定されている状態を示している。
【0080】
図7(2)は、第2実施形態における優先順位決定指針情報を示した図である。
この優先順位決定指針は、充電履歴に基づいて充電の優先順位を決定する際に、充電終了日時、接続解除日時、充電頻度のうち、どの充電履歴を参照して充電の優先順位を決定するかを指示する指針であり、ユーザ操作によって任意に設定されたもので、その「指針」に対応して「設定フラグ」を有する構成となっている。「指針」は、充電終了日時、接続解除日時、充電頻度のいずれを参照するかを示し、“充電終了日時”、“充電頻度”、“接続解除日時”を有している。「設定フラグ」は、どの指針が有効か否かを示し、その値が“1”のときには有効、“0”のときには無効を示している。なお、図示の例は、“充電終了日時から”優先順位を決定することを設定した場合である。
【0081】
図8及び図9は、第2実施形態において、充電装置1の全体動作の概要を示したフローチャートである。
先ず、充電装置1側において、その充電制御部11は、上述した図5のステップA1〜A5と同様に、電源オン操作が行われると(図8のステップB1でYES)、いずれかの電子機器2が接続されているかを検出し(ステップB2)、電子機器2が接続されるまで待ち状態となるが、電子機器2が1台でも接続されたときには(ステップB2でYES)、充電開始スイッチSTの操作待ち状態となる(ステップB3)。
【0082】
いま、充電開始スイッチSTが操作されて充電開始が指示されたときには(ステップB3でYES)、電子機器2の接続台数を計測すると共に(ステップB4)、接続されている各電子機器2に対して機器IDの送信を要求し、それに応答して電子機器2側の機器ID記憶部M1から読み出されて送信された機器IDを受信取得する(ステップB5)。そして、充電制御部11は、この機器IDに基づいて図6(2)のユーザ別充電履歴の情報を検索し、該当するユーザの充電履歴をその電子機器2に送信して、その充電履歴記憶部M4の内容を書き替えることによって、電子機器2側の充電履歴と充電装置1側の充電履歴とを整合させる(ステップB6)。なお、この整合処理(ステップB6)は、充電装置1側で充電履歴を更新した後、例えば、後述するステップB29の後で行ってもよいが、この第2実施形態では充電履歴の更新前に整合処理(ステップB6)を行うようにしている。
【0083】
そして、充電制御部11は、電子機器2の接続台数は、複数台であるかを調べ(ステップB7)、1台だけ接続されている場合には(ステップB7でNO)、この1台の電子機器2に対して単一充電を開始する(ステップB8)。続いて、充電タイマがタイムアウト(タイマ終了)したかを調べ、タイマ終了まで単一充電を継続させる図9のステップB23に進む。ここで、タイマ終了を検出すると(ステップB23でYES)、充電を終了させた後(ステップB24)、図6(2)のユーザ別充電履歴の情報を参照し、充電を終了した電子機器2に対応する「充電履歴」の「終了」に現在日時を充電終了日時として追加記録すると共に(ステップB25)、その「頻度」を更新記録する(ステップB26)。
【0084】
そして、電子機器2の接続が切られて接続が解除されたかを調べ(ステップB27)、接続が解除されたときには(ステップB27でYES)、図6(2)のユーザ別充電履歴の情報を参照し、接続が解除された電子機器2に対応する「充電履歴」の「接続解除」に現在日時を接続解除日時として追加記録する(ステップB28)。そして、充電を行っていない他の電子機器2が残っていないかを調べるが(ステップB29)、いま、電子機器2の接続台数が1台で、その単一充電が終了した場合であるから(ステップB29でYES)、この時点で上述のステップB2に戻る。
【0085】
また、電子機器2の接続台数が複数台(2台〜4台)であれば(図8のステップB7でYES)、図7(1)に示した充電履歴取得先情報を参照し、その「設定フラグ」が“1”の「取得先」は、“各電子機器2から”であるかを調べる(ステップB9)。ここで、「取得先」が“各電子機器2から”であれば(ステップB9でYES)、充電装置1は、接続されている各電子機器2に対して充電履歴の送信要求を行い、それに応答して各電子機器2から送信された充電履歴記憶部M4の内容を受信取得する(ステップB10)。この場合、充電装置1は、図7(2)の優先順位決定指針情報を参照して、“充電終了日時”、“接続解除日時”、“充電頻度”のいずれかを取得する。
【0086】
また、「取得先」が“充電装置から”であれば(ステップB9でNO)、充電装置1は、各電子機器2の充電履歴記憶部M4の内容を記憶管理している状態において、接続されている各電子機器2の機器IDに対応する充電履歴を読み出し取得する(ステップB11)。なお、この場合においても、充電装置1は、図7(2)の優先順位決定指針情報を参照して、“充電終了日時”、“接続解除日時”、“充電頻度”のいずれかを読み出し取得する。
【0087】
そして、図7(2)の優先順位決定指針情報を参照し、「設定フラグ」が“1”の「指針」が、“充電終了日時”であるか(ステップB12)、“充電頻度”であるか“接続解除日時”であるかを調べる(ステップB13)。いま、「設定フラグ」が“1”の「指針」が、“充電終了日時”であれば(ステップB12でYES)、図6(2)のユーザ別充電履歴の情報を参照し、電子機器2毎(ユーザ毎)に「充電履歴」の「終了」から前回の充電終了日時を読み出して、それらを比較すると共に(ステップB14)、その比較結果に基づいて充電の優先順位を決定する(ステップB15)。この場合、充電終了日時が古い程、順位が高くなるような優先順位を決定する。図6(2)の具体例では、現在日時が“2009年11月20日23時00分”の場合、充電終了日時は、ユーザAが“2009年11月20日20時20分”で、ユーザBが“2009年11月20日10時00分”であるから、ユーザBの方が古いために、優先順位は、ユーザB>ユーザAとなる。
【0088】
また、図7(2)の優先順位決定指針情報を参照した結果、「設定フラグ」が“1”の「指針」が、“充電頻度”であれば(ステップB13でYES)、「充電履歴」の「頻度」から充電頻度を読み出して、それらを比較すると共に(ステップB16)、その比較結果に基づいて充電の優先順位を決定する(ステップB17)。この場合、充電頻度が多い程、順位が高くなるような優先順位を決定する。図6(2)の具体例では、ユーザAの充電頻度が“5回/前週”、ユーザBの充電頻度が“2回/前週”であるから、ユーザAの方が多いために、優先順位は、ユーザA>ユーザBとなる。
【0089】
また、図7(2)の優先順位決定指針情報を参照した結果、「設定フラグ」が“1”の「指針」が、“接続解除日時”であれば(ステップB13でNO)、「充電履歴」の「接続解除」から前回の接続解除日時を読み出して、それらを比較すると共に(ステップB18)、その比較結果に基づいて充電の優先順位を決定する(ステップB19)。この場合、接続か切られた日時が現在日時から遠い程、順位が高くなるような優先順位を決定する。言い換えれば、先に接続か切られた方が高い順位となるように充電の優先順位を決定する。図6(2)の具体例では、現在日時が“2009年11月20日07時00分”の場合、接続解除日時は、ユーザAが“2009年11月20日10時30分”で、ユーザBが“2009年11月19日11時20分”であるから、ユーザBの方が遠いため(先に接続を切ったため)、優先順位は、ユーザB>ユーザAとなる。
【0090】
このようにして充電の優先順位を決定すると、その優先順位を表示部17に表示させてユーザに報知させた後(図9のステップB20)、その優先順位に基づいて充電を開始する(ステップB21)。その際、上述した第1実施形態と同様に、複数台の電子機器2に対する充電を所定回(2回)に分けて行うと共に、どの電子機器2を何回目で充電するかは、優先順位が高い程、早く充電を開始するようにしている。このようにして充電を開始すると、図6(2)のユーザ別充電履歴の情報を参照し、充電を開始した電子機器2に対応して、その「充電履歴」の「開始」に現在日時を充電開始日時として追加記録する(ステップB22)。
【0091】
そして、充電タイマがタイムアウト(タイマ終了)かを調べ(ステップB23)、タイマ終了まで充電を継続させる。その後、タイマ終了を検出すると(ステップB23でYES)、充電を終了させた後(ステップB24)、以下、上述の場合と同様に、「充電履歴」の「終了」に現在日時を充電終了日時として追加記録すると共に(ステップB25)、その「頻度」を更新する(ステップB26)。また、電子機器2の接続が切られて接続が解除されたときには(ステップB27でYES)、「充電履歴」の「接続解除」に現在日時を接続解除日時として追加記録する(ステップB28)。そして、充電を行っていない他の電子機器2が残っていないかを調べ(ステップB29)、他の電子機器2が残っていれば(ステップB29でNO)、上述のステップB21に戻り、充電の優先順位に基づいて2回目の充電を開始するが、他の電子機器2が残っていなければ(ステップB29でYES)、その時点で上述のステップB2に戻る。
【0092】
以上のように、第2実施形態において充電装置1は、複数台の電子機器2の充電履歴に基づいて充電の優先順位を決定し、この優先順位に基づいて充電を制御するようにしたので、複数台の電子機器2が充電対象として接続されている状態において各電子機器2の個々の充電履歴を考慮した適切な充電を実現することができるほか、電子機器2から電池残量などの情報を必要としないために複雑な回路などを充電装置1側又は電子機器2側に設ける必要がないなど、実情に即した実用効果の高いものとなる。
【0093】
充電装置1は、接続されている複数の電子機器2のそれぞれから充電履歴を取得するようにすれば、頻繁に変動する充電履歴であっても現在の充電履歴を電子機器2から直接入手することができ、適切な充電制御が可能となる。
【0094】
充電装置1は、各電子機器2の充電履歴を記憶管理している状態において、接続されている各電子機器2の機器IDに対応する充電履歴を読み出して、充電履歴を取得するようにすれば、各電子機器2側の負担を抑えることができると共に、充電履歴を記録する機能を持たない電子機器2でも、充電装置1側の充電履歴に基づいて充電の優先順位を決定することができる。
【0095】
充電装置1は、前回の充電日時が古いもの程、順位を高くなるように充電の優先順位を決定するようにすれば、充電してからの経過時間によって標準的な電池残量(電力消費量)を予測することができ、その予測に応じて充電の優先順位を決定することができる。
【0096】
充電装置1は、充電頻度が多いもの程、順位を高くなるように充電の優先順位を決定するようにすれば、充電頻度が多いということは電力消費量(電池消耗量)が多いと予想され、その予測に応じて充電の優先順位を決定することができる。
【0097】
充電装置1は、接続解除日時が現在日時から遠い程、順位を高くなるように充電の優先順位を決定するようにすれば、接続解除が早いということは電力消費量(電池消耗量)が多いと予想され、その予測に応じて充電の優先順位を決定することができる。
【0098】
充電装置1は、充電履歴として、どのような種類の充電履歴を参照して充電の優先順位を決定するかを指示する優先順位決定指針情報をユーザ操作によって任意に設定できるようにすれば、ユーザの意向する充電履歴に基づいて優先順位を決定することができる。
【0099】
充電装置1は、充電の優先順位を表示(報知)するようにすれば、ユーザにあっては、自分の電子機器2がどのくらいで充電されるかを知ることができる。
【0100】
充電装置1は、電子機器2の接続台数に応じて所定回に分けて充電を行うと共に、充電の優先順位に基づいて、どの電子機器2を何回目で充電するかを制御するようにすれば、各電子機器2を1台ずつ順次充電するよりも、全体的に効率の良い充電を実現することができる。
【0101】
なお、上述した各実施形態においては、充電装置1と各電子機器2とをケーブル5を介して接続する有線接続型の充電装置1を例示したが、非接触充電方式(例えば、電磁誘導方式)を採用した非接点タイプの充電装置に適用するようにしてもよい。
図10は、非接点タイプの充電装置1を示した外観図で、この充電装置1は、その筐体全体が箱体を成し、その上面は電子機器2が載置される載置面1aとなっている。この非接点タイプの充電装置1の載置面1aにおいてその全体には、行(縦)2×列(横)2のマトリックス状に配設された複数個(4個)の充電用一次コイル1bが埋設されている。すなわち、充電装置1の載置面1aは、その中心点を通る2本の仮想線(縦横の仕切り線)によって4等分され、この4等分された各領域には充電用一次コイル1bがそれぞれ1つずつ埋設されている。そして、4等分された各領域に合わせて1台ずつ電子機器2を載置するようにしている。従って、最大4台分の電子機器2を同時に載置可能な構成となっている。
【0102】
この場合、電子機器2には、二次電池のほか、充電用二次コイル(図示省略)が設けられており、電子機器2が充電装置1の載置面1aに載置(接続)されている状態において、非接点タイプの充電装置1との間では電磁誘導方式によって充電が行われる。ここで、各充電用一次コイル1bの配置位置には、電子機器2が載置されたことを検出する接触センサ(図示省略)がそれぞれ配設されており、これらの接触センサの検出結果に基づいて何台の電子機器2が載置されているか否かを検出したり、どの位置に載置されているかを検出したりする。そして、電子機器2が載置されている位置に対応付けられている充電用一次コイル1bに対して給電を行うが、その際、上述した各実施形態と同様に、電子機器2の接続台数に応じた給電を行うようにしている。
【0103】
この場合においても、電子機器2の接続台数は、複数台であるかを調べ、1台だけ接続されている場合には、この1台の電子機器2に対して、出力電流の2000mAを供給する単一充電を開始し、電子機器2の接続台数が2台であれば、1台ずつに分けて単一充電を2回行い、3台であれば、1回目で1台だけの単一充電を行い、2回目で2台分の同時充電を行い、4台であれば、1回目で2台分の同時充電を行い、2回目で残りの2台分の同時充電を行う。この場合、どの電子機器2を何回目で充電するかは、優先順位が高い程、早く充電を開始する。
【0104】
このように非接点タイプの充電装置1に適用したとしても、有線接続タイプの充電装置1の場合と同様の効果を有するほか、電子機器2をコネクタ接続させる手間が少なく、利便性を向上させることが可能となる。
【0105】
なお、充電装置1は、無接点充電方式として、電磁誘導方式に限らず、電波受信方式あるいは電界や磁界を用いた共鳴方式であってもよい。ここでは、充電装置1と電子機器2との接続面(載置面)に、接触センサを配設することによって充電装置1が電子機器2に載置されたことを検出するようにしたが、例えば、電磁誘導作用を利用して検出するようにしてもよい。この場合、電磁誘導作用によって発生された起電力が所定値よりも大きいか否かによって電子機器2が充電装置1に載置されたことを検出するようにすればよい。
【0106】
また、上述した各実施形態において充電装置1は、電子機器2の接続台数に応じて所定回(2回)に分けて充電を行うと共に、充電の優先順位に基づいて、どの電子機器2を何回目で充電するかを制御するようにしたが、決定した優先順位に基づいて各電子機器2を1台ずつ順次選択しながら充電を行うようにしてもよい。
【0107】
上述した各実施形態においては、充電タイマを用いて充電を終了するようにしたが、電子機器2側に設けた電池残量検出部によって検出された電池残量に基づいて満充電に達した際に、充電を終了するようにしてもよい。また、電子機器2としては、携帯電話機を例示したが、これに限らず、例えば、PDA、デジタルカメラ、音楽プレイヤー、それらの複合機など、任意の電子機器2であってもよい。
【0108】
更に、上述した実施形態において示した“装置”や“機”とは、機能別に複数の筐体に分離されていてもよく、単一の筐体に限らない。また、上述したフローチャートに記述した各ステップは、時系列的な処理に限らず、複数のステップを並列的に処理したり、別個独立して処理したりするようにしてもよい。
【符号の説明】
【0109】
1 充電装置
2 電子機器
3 管理装置
11 充電制御部
12、23 記憶部
13 充電回路部
14 電子機器接続部
16 計時部
17 表示部
18 操作部
21 中央制御部
22 電池部
22a 二次電池
29 近距離無線通信部
M1 機器ID記憶部
M2 利用履歴記憶部
M3 利用予定記憶部
M4 充電履歴記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子機器を充電対象として接続可能な充電装置であって、
前記複数の電子機器の個々に対応して、その利用状況に関する情報を取得する取得手段と、
この取得手段によって取得された各利用状況に関する情報に基づいて前記電子機器毎に充電の優先順位を決定する決定手段と、
この決定手段によって決定された優先順位に基づいて前記複数の電子機器への充電を制御する充電制御手段と、
を備えることを特徴とする充電装置。
【請求項2】
前記取得手段によって取得された各利用状況に関する情報に基づいて前記電子機器毎に将来の利用日時を予測する予測手段を更に備え、
前記決定手段は、前記予測手段によって予測された将来の利用日時に関する情報に基づいて前記電子機器毎に充電の優先順位を決定する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の充電装置。
【請求項3】
前記取得手段は、前記利用状況に関する情報として、利用履歴を取得し、
前記予測手段は、前記取得手段によって取得された利用履歴から将来の利用日時を予測する、
ようにしたことを特徴とする請求項2記載の充電装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記利用状況に関する情報として、利用予定に関する情報を取得し、
前記予測手段は、前記取得手段によって取得された利用予定に関する情報から将来の利用日時を予測する、
ようにしたことを特徴とする請求項2記載の充電装置。
【請求項5】
前記決定手段は、現在の日時と前記予測手段によって予測された将来の利用日時とを比較し、現在の日時が将来の利用日時に近いもの程、充電の優先順位を高く決定する、
ようにしたことを特徴とする請求項2記載の充電装置。
【請求項6】
前記取得手段は、前記利用状況に関する情報を前記複数の電子機器のそれぞれから取得する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の充電装置。
【請求項7】
前記取得手段は、前記利用状況に関する情報を前記複数の電子機器を管理する管理装置を介して取得する、
ようにしたことを特徴とする請求項1記載の充電装置。
【請求項8】
複数の電子機器が充電対象として接続可能な充電装置であって、
前記複数の電子機器の個々に対応して、その充電履歴を取得する取得手段と、
この取得手段によって取得された充電履歴に基づいて前記電子機器毎に充電の優先順位を決定する決定手段と、
この決定手段によって決定された優先順位に基づいて前記複数の電子機器への充電を制御する充電制御手段と、
を備えることを特徴とする充電装置。
【請求項9】
前記取得手段は、前記充電履歴を前記複数の電子機器のそれぞれから取得する、
ようにしたことを特徴とする請求項8記載の充電装置。
【請求項10】
前記電子機器を識別するための識別子を取得する識別子取得手段と、
この識別子取得手段によって取得された識別子毎に前記充電履歴を記録する記録手段と、
を更に備え、
前記取得手段は、前記電子機器を充電する際に、前記識別子取得手段によって前記電子機器の識別子を取得し、この識別子に対応して前記記録手段に記録されている前記充電履歴を読み出すことにより、前記充電履歴を取得する、
ようにしたことを特徴とする請求項8記載の充電装置。
【請求項11】
前記取得手段は、前記充電履歴として、前回の充電日時を取得し、
前記決定手段は、前記取得手段によって取得された前回の充電日時が古いもの程、充電の優先順位を高く決定する、
ようにしたことを特徴とする請求項8記載の充電装置。
【請求項12】
前記取得手段は、前記充電履歴として、過去の充電頻度を取得し、
前記決定手段は、前記取得手段によって取得された充電頻度が多いもの程、充電の優先順位を高く決定する、
ようにしたことを特徴とする請求項8記載の充電装置。
【請求項13】
前記取得手段は、前記充電履歴として、前記電子機器と当該充電装置との接続が切られた日時を取得し、
前記決定手段は、現在の日時と前記取得手段によって取得された日時とを比較し、現在の日時が前記接続から切られた日時に近いもの程、充電の優先順位を高く決定する、
ようにしたことを特徴とする請求項8記載の充電装置。
【請求項14】
どのような種類の情報を用いて前記充電の優先順位を決定するかを指示する指針を任意に設定する設定手段を更に備え、
前記決定手段は、前記設定手段によって設定されている指針に基づいて充電の優先順位を決定する、
ようにしたことを特徴とする請求項1、請求項8のいずれかに記載の充電装置。
【請求項15】
前記決定手段によって決定された優先順位を報知する報知手段を更に備える、
ようにしたことを特徴とする請求項1、請求項8のいずれかに記載の充電装置。
【請求項16】
前記充電制御手段は、充電対象として接続されている電子機器の数に応じて所定回に分けて充電を行うと共に、前記決定手段によって決定された優先順位に基づいて、どの電子機器を何回目で充電するかを制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1、請求項8のいずれかに記載の充電装置。
【請求項17】
前記充電制御手段は、非接触充電方式による充電を制御する、
ようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項16のいずれか記載の充電装置。
【請求項18】
コンピュータに対して、
複数の電子機器の個々に対応して、その利用状況に関する情報を取得する機能と、
前記取得された各利用状況に関する情報に基づいて前記電子機器毎に充電の優先順位を決定する機能と、
前記決定された優先順位に基づいて前記複数の電子機器への充電を制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項19】
コンピュータに対して、
複数の電子機器の個々に対応して、その充電履歴を取得する機能と、
前記取得された充電履歴に基づいて前記電子機器毎に充電の優先順位を決定する機能と、
前記決定された優先順位に基づいて前記複数の電子機器への充電を制御する機能と、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−135679(P2011−135679A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292094(P2009−292094)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】