説明

光コネクタ防塵用シャッター装置及びそれに用いるコネクタアダプタ

【課題】より確実な防塵性能が得られる光コネクタ防塵用シャッター装置を提供する。
【解決手段】一端側の開口から待受け側の光コネクタ3が挿入されるコネクタアダプタ5と、このコネクタアダプタ5を保持するアダプタホルダー7と、コネクタアダプタ5の他端側の額縁状端面5aで囲まれた開口を塞ぐシャッター9と、このシャッター9をアダプタホルダー7にヒンジ結合するヒンジ結合部11と、シャッター9を閉じる方向にバネ力を発生する捻りコイルバネ15とを備える。ヒンジ結合部11は、ヒンジ軸部17、軸穴19、コイル軸部21から構成される。シャッター9はコネクタアダプタ5の額縁状端面5aの全周に当接する額縁状当接部9aを有しており、捻りコイルバネ15は、そのシャッター側の端部15cが、シャッター9の外面の、前記額縁状当接部9aより内側の部分を押すように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相手方光コネクタが接続されるまでの間、待受け状態にある光コネクタの防塵用シャッター装置と、それに好適なコネクタアダプタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
各家庭に光ファイバを引き込む場合には、局側(屋外側)光ケーブルと加入者側(屋内側)光ケーブルとを、ぞれぞれの光ケーブルの端末に取り付けた光コネクタにより切離し可能に接続している。ところが、局側光ファイバが加入者宅まで配線されていても加入者が光回線を使用しない場合や、光回線を使用していた加入者が引っ越してしまった場合には、局側光ケーブルの端末の光コネクタは、相手方光コネクタが接続されるまでの間、待受け状態となる。
【0003】
待受け状態にある光コネクタは、端面に塵埃が付着するため、相手方光コネクタを接続する際には、端面を清掃する必要がある。しかし光コネクタの端面の清掃作業は、細かい手作業で、神経を使う作業であり、時間もかかる。特に最近ではFTTH(光ファイバを家庭まで)の本格化により、加入者数だけでなく、加入者の移動も増加していることから、加入者宅での作業量の低減が求められている。
【0004】
待受け側光コネクタの端面に塵埃が付着するのを防止できれば、コネクタ端面の清掃作業を簡略化するか、不要にすることができる。そのためには、待受け側光コネクタが挿入されているコネクタアダプタ(又はコネクタハウジング)に防塵用のシャッターを取り付けることが有効である(特許文献1、2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−267887号公報
【特許文献2】特開2002−148483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の光コネクタ防塵用シャッター装置は、捻りコイルバネでシャッターの一辺に回転モーメントを加えて、コネクタアダプタの開口を塞ぐ構造であるため、シャッターの回転中心となる軸ピンと、軸ピンを保持する軸穴にクリアランスがあると(クリアランスは組立上必要)、コネクタアダプタの端面とシャッター内面との間に隙間が生じ、この隙間から塵埃が入り込むため、十分な防塵性能が得られないという問題がある。また、軸ピンが金属製の一つの部品であるため、部品点数が多く、コスト低減が困難である。
【0007】
本発明の目的は、より確実な防塵性能が得られ、しかも部品点数が少ない光コネクタ防塵用シャッター装置と、それに好適なコネクタアダプタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る光コネクタ防塵用シャッター装置は、
一端側の開口から待受け側の光コネクタが挿入されたコネクタアダプタと、
このコネクタアダプタを保持するアダプタホルダーと、
前記コネクタアダプタの他端側の額縁状端面で囲まれた開口を塞ぐシャッターと、
このシャッターを前記アダプタホルダーにヒンジ結合するヒンジ結合部と、
このヒンジ結合部に組み込まれ、一方の端部がアダプタホルダーに係止され、他方の端部がシャッターに係止されて、前記シャッターを閉じる方向にバネ力を発生する捻りコイルバネとを備え、
前記ヒンジ結合部は、前記シャッター又はアダプタホルダーと一体に形成されたヒンジ軸部と、このヒンジ軸部が形成されてない方のアダプタホルダー又はシャッターに形成された前記ヒンジ軸部を挿入する軸穴と、前記シャッター又はアダプタホルダーと一体に形成された前記捻りコイルバネのコイル部に挿入されるコイル軸部とからなり、
前記シャッターは前記コネクタアダプタの額縁状端面の全周に当接する額縁状当接部を有しており、
前記捻りコイルバネは、そのシャッター側の端部が、シャッターの外面の、前記額縁状当接部より内側の部分を押すように形成されている、
ことを特徴とするものである(請求項1)。
【0009】
本発明に係る光コネクタ防塵用シャッター装置において、前記軸穴は、その直径が前記ヒンジ軸部の直径より大きく、前記捻りコイルバネによりシャッターを閉じたときに、前記軸穴内の前記ヒンジ軸部の周り(全周)にクリアランスが残るように形成されていることが好ましい(請求項2)。
【0010】
また、本発明に係る光コネクタ防塵用シャッター装置において、コネクタアダプタの周壁は周方向に連続しており、当該周壁の内面に、光コネクタの外面のキーを案内するキー溝が形成されていることが好ましい(請求項3)。
【0011】
また、本発明に係る光コネクタ防塵用シャッター装置は、シャッターの内面に、コネクタアダプタの開口内に入る位置決め用凸部が形成されていることが好ましい(請求項4)。
【0012】
また、本発明に係る光コネクタ防塵用シャッター装置は、アダプタホルダーの端面にリブを形成し、シャッターの内面に前記リブが入る溝を形成したことが好ましい(請求項5)。
【0013】
また、本発明に係る光コネクタ防塵用シャッター装置は、アダプタホルダーが、待受け側の光コネクタを収容する筺体と一体に形成されている構成とすることもできる(請求項6)。
【0014】
また、本発明に係る光コネクタ防塵用シャッター装置は、
一端側の開口から待受け側の光コネクタが挿入されたコネクタアダプタと、
このコネクタアダプタを保持するアダプタホルダーと、
このアダプタホルダーが取り付けられた筺体と、
この筺体に被せられるカバーと、
前記アダプタホルダーの端面と前記カバーの端面とで囲まれる開口を塞ぐシャッターと、
このシャッターを前記アダプタホルダーにヒンジ結合するヒンジ結合部と、
このヒンジ結合部に組み込まれ、一方の端部がアダプタホルダーに係止され、他方の端部がシャッターに係止されて、前記シャッターを閉じる方向にバネ力を発生する捻りコイルバネとを備え、
前記ヒンジ結合部は、前記シャッター、アダプタホルダー又は筺体と一体に形成されたヒンジ軸部と、このヒンジ軸部が形成されてないシャッター、アダプタホルダー又は筺体に形成された前記ヒンジ軸部を挿入する軸穴と、前記シャッター、アダプタホルダー又は筺体と一体に形成された前記捻りコイルバネのコイル部に挿入されるコイル軸部とからなり、
前記シャッターは前記アダプタホルダーの端面と前記カバーの端面とで構成される額縁状端面の全周に当接する額縁状当接部を有しており、
前記捻りコイルバネは、そのシャッター側の端部が、シャッターの外面の、前記額縁状当接部より内側の部分を押すように形成されている、
構成とすることもできる(請求項7)。
【0015】
上記の装置の場合も、アダプタホルダーが筺体と一体に形成されていてもよい(請求項8)。
【0016】
上記の装置の場合も、前記軸穴は、その直径が前記ヒンジ軸部の直径より大きく、前記捻りコイルバネによりシャッターを閉じたときに、前記軸穴内の前記ヒンジ軸部の周り(全周)にクリアランスが残るように形成されていることが好ましい(請求項9)。
【0017】
上記の装置の場合は、コネクタアダプタの筺体のカバー側の壁には、光コネクタの外面のキーを案内する切れ込みが形成されており、この切れ込みは前記筺体のカバーで覆われている構成とすることができる(請求項10)。
【0018】
本発明に係る光コネクタ防塵用シャッター装置に使用するコネクタアダプタは、光コネクタが挿入される空洞の周壁が周方向に連続しており、当該周壁の内面に、光コネクタの外面のキーを案内するキー溝が形成されているものであることが好ましい(請求項11)。
【発明の効果】
【0019】
請求項1、6、7、8の発明によれば、シャッターは、コネクタアダプタの額縁状端面の全周に当接する又はアダプタホルダーの端面と筺体カバーの端面とで構成される額縁状端面の全周に当接する額縁状当接部を有しており、捻りコイルバネは、そのシャッター側の端部がシャッターの外面の、前記額縁状当接部より内側の部分を押すようになっているため、ヒンジ軸部と軸穴にクリアランスがあっても、シャッターの額縁状当接部が、コネクタアダプタの額縁状端面の全周に又はアダプタホルダーの端面と筺体カバーの端面とで構成される額縁状端面の全周に、密接するようになる。このため、シャッターの額縁状当接部と、これに対向する額縁状端面との間に隙間が発生するおそれがなく、確実な防塵性能を得ることができる。
【0020】
また、ヒンジ軸部、軸穴及びコイル軸部が、シャッター、コネクタアダプタ又は筺体と一体に形成されているため、ヒンジ結合部の軸ピンを省略でき、部品点数が少なくなることから、コストを低減できる。
【0021】
また請求項2、9の発明によれば、シャッターを閉じたときに、シャッターの額縁状当接部と、それに対向する額縁状端面とがより確実に全周で密接するため、より確実な防塵性能が得られる。また、ヒンジ軸部及び軸穴の寸法公差が大きくとれるので、部品製造、部品組立が容易になり、コストを安くできる。
【0022】
また請求項3、11の発明によれば、コネクタアダプタの周壁が周方向に切れ目なく連続しているため、コネクタアダプタの額縁状端面にシャッターの額縁状当接部を当接させるだけで、確実な防塵性能を得ることができる。
【0023】
また請求項4の発明によれば、軸穴とヒンジ軸部とのクリアランスが大きくても、シャッターを閉じたときにシャッターの位置ズレを矯正できるため、確実な防塵性能を得ることができる。
【0024】
また請求項5の発明によれば、シャッター内面とアダプタホルダー端面が入り組んだ構造となるため、塵埃がより入りにくくなる。
【0025】
また請求項10の発明によれば、周壁の一部に光コネクタの外面のキーを案内する切れ込みが形成されている従来タイプのコネクタアダプタを使用しても、その切れ込みが筺体のカバーで塞がれるため、確実な防塵性能を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
<実施形態1> 図1〜図6は本発明の一実施形態を示す。図において、1は光ケーブル、3は光ケーブル1の端部に取り付けられた光コネクタ、5は一端側の開口から光コネクタ3が挿入されたコネクタアダプタ、7はコネクタアダプタ5を保持するアダプタホルダー、9はコネクタアダプタ5の他端側の開口を塞ぐシャッター、11はシャッター9をアダプタホルダー7にヒンジ結合するヒンジ結合部、13はアダプタホルダー7、コネクタアダプタ5、光コネクタ3及び光ケーブル1の余長を収容する筺体である。筺体13にはカバーが被せられるが、図示を省略してある。この実施形態では、アダプタホルダー7は筺体13の一隅に着脱可能に取り付けられている。コネクタアダプタ5の他端側には光コネクタ3に接続される相手方光コネクタ(図示せず)が挿入されるが、光コネクタ3は相手方光コネクタが接続されるまでの間、待受け状態にある。
【0027】
ヒンジ結合部11には、図2に示すように、シャッター9を閉じる方向にバネ力を発生する捻りコイルバネ15が組み込まれている。ヒンジ結合部11は、シャッター9と一体に形成されたヒンジ軸部17と、アダプタホルダー7に形成された前記ヒンジ軸部17を挿入する軸穴19と、アダプタホルダー7と一体に形成された前記捻りコイルバネ15のコイル部15aに挿入されるコイル軸部21とから構成されている。
【0028】
ヒンジ軸部17は、シャッター9の下辺に形成された二つの突片23、23から外向きに側方へ突出するように形成されている。また軸穴19は、アダプタホルダー7に前記二つの突片23、23の外側に位置するように形成された両側支持片25に形成されている。またコイル軸部21は、アダプタホルダー7に前記二つの突片23、23の間に位置するように形成された中間支持片27から側方へ突出するように形成されている。軸穴19とコイル軸部21は同一軸線上に形成されている。なお、両側のヒンジ軸部17を両側の軸穴19に挿入するときは、まず片側のヒンジ軸部17を片側の軸穴19に挿入し(このときはヒンジ軸部17は斜めになっている)、シャッター9を出来るだけ片側へ寄せておいて、反対側のヒンジ軸部17を材料の弾性変形を利用して無理やり反対側の軸穴19に嵌め込むようにする。このとき、反対側のヒンジ軸部17を反対側の軸穴19に嵌め込むのを容易にするため、反対側のヒンジ軸部17の先端部には面取りを施してある(図2(B)参照)。
【0029】
なお、ヒンジ軸部17をアダプタホルダー7と一体に形成し、軸穴19をシャッター9側に形成することも可能である。また、コイル軸部21をシャッター9と一体に形成することも可能である。
【0030】
捻りコイルバネ15は、そのコイル部15aがコイル軸部21の周りに配置され、一方の端部15bがアダプタホルダー7に係止され、他方の端部15cがシャッター9の外面に係止されて、シャッター9を閉じる方向にバネ力を発生するように捻り付勢されている。図2はシャッター9を閉じた状態、図3はシャッター9を開いた状態を示す。なお、図2(B)、(C)に示すように、アダプタホルダー7の軸穴19の直径はヒンジ軸部17の直径より大きく、ヒンジ軸部17と軸穴19との間にはクリアランスが設けられている(詳細は後述)。
【0031】
上記のようにシャッター9がヒンジ結合されたアダプタホルダー7は、図4のように筺体13に取り付けられる。なお、アダプタホルダー7は筺体13と一体に形成することもできる。
【0032】
コネクタアダプタ5は、図5に示すように、両端側とも、光コネクタが挿入される空洞の周壁が周方向に連続しており、当該周壁を構成する一つの平面壁の内面に、光コネクタの外面のキーを案内するキー溝29を形成したものである。つまり、このコネクタアダプタ5は、光コネクタ3の全周を切れ目なく覆い、周壁から内部に塵埃が入り込むのを防止する構造となっている。
【0033】
一方、シャッター9はコネクタアダプタ5の額縁状端面5aの全周に当接する額縁状当接部9aを有している。そして、捻りコイルバネ15は、そのシャッター側の端部15cが、図2(D)に示すように、シャッター9の外面の、前記額縁状当接部9aより内側の部分を押すように形成されている。特に、額縁状当接部9aの内側に相当する領域の中央部付近(丸印Mの部分)を押すように形成されていることが好ましい。なお、シャッター9を閉じた状態で、捻りコイルバネ15のシャッター側の部分は、端部15cのみがシャッター9の外面に接触し、端部以外の部分はシャッター9に接触せずにシャッター9との間に隙間Sを有している。この隙間Sを設けることにより、捻りコイルバネ15の端部15cで、シャッター9の外面の、額縁状当接部9aより内側の部分(好ましくは中央部付近)のみを確実に押すことができる。
【0034】
このように、捻りコイルバネ15の端部15cで、シャッター9の外面の、額縁状当接部9aより内側の部分を押すと、ヒンジ軸部17と軸穴19にクリアランスがあっても、シャッター9の額縁状当接部9aが、コネクタアダプタ5の額縁状端面5aの全周に密接するようになる。このため、シャッター9の額縁状当接部9aと、これに対向する額縁状端面5aとの間に隙間が発生するおそれがなく、確実な防塵性能を得ることができる。
【0035】
図6は、ヒンジ軸部17の直径と、アダプタホルダー7の軸穴19の直径との関係を示す。まず、アダプタホルダー7の軸穴19の直径が、ヒンジ軸部17の直径より大きいことは前述のとおりである。その上で、軸穴19は、図6(A)に示すように、捻りコイルバネによりシャッター9を閉じたときに、軸穴19内のヒンジ軸部17の周り(全周)にクリアランスが残る位置に形成されていることが好ましい。換言すれば、シャッター9を閉じたときに、ヒンジ軸部17が軸穴19の内面に接触しないことが好ましい。この状態では、シャッター9はヒンジ軸部17により移動を制限されないため、捻りコイルバネにより外面中央部付近を押されると、シャッター9の額縁状当接部9aがコネクタアダプタ5の額縁状端面5aに全周で確実に密接することになる。
【0036】
これに対し、図6(B)又は(C)のように、捻りコイルバネのバネ力でシャッター9を閉じたときに、ヒンジ軸部17が軸穴19の内面で押される状態になると、シャッター9の移動がヒンジ軸部17によって制限され、シャッター9の額縁状当接部9aとコネクタアダプタ5の額縁状端面5aとの間に隙間ができやすくなり、防塵性能が低下するおそれがある。
【0037】
ところで、シャッター9の内面には、図3に示すように、コネクタアダプタ5の開口内に入る位置決め用凸部31が形成されている。このような凸部31を形成しておくと、シャッター9を閉じたときに、凸部31がコネクタアダプタ5の開口の縁にガイドされて、シャッター9の位置ズレを矯正できる。このため、軸穴とヒンジ軸部とのクリアランスが大きくても、確実な防塵性能を得ることができる。また、コネクタアダプタ5がアダプタホルダー7から上方へ抜け出すのを防止することもできる。
【0038】
また、図2(A)及び図3に示すように、アダプタホルダー7の端面にはリブ33が形成され、シャッター9の内面には前記リブ33が入る溝35が形成されている。このようにすると、シャッター9の内面とアダプタホルダー7の端面が入り組んだ構造となるため、塵埃がより入り込みにくくなる。
【0039】
<実施形態2> 図7は本発明の他の実施形態を示す。この実施形態が実施形態1と異なる点は、シャッター9が、アダプタホルダー7の端面と、筺体13のカバー37の端面とで囲まれる開口を塞ぐように形成されていることと、シャッター9が、前記アダプタホルダー7の端面とカバー37の端面とで構成される額縁状端面39の全周に当接する額縁状当接部41を有していることである。それ以外の構成は実施形態1と同様であるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。このような構成でも、実施形態1と同等の防塵性能を得ることができる。
【0040】
<実施形態3> 図8は本発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態が実施形態1と異なる点は、捻りコイルバネ15を支持するコイル軸部21及び中間支持片27が、アダプタホルダー7ではなく、筺体13側に一体に形成されていることである。それ以外の構成は実施形態1と同様であるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。このような構成でも、実施形態1と同等の防塵性能を得ることができる。
【0041】
<実施形態4> 図9は本発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態が実施形態1と異なる点は、アダプタホルダー7が筺体13と一体に形成されていることである。それ以外の構成は実施形態1と同様であるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。このような構成でも、実施形態1と同等の防塵性能を得ることができる。
【0042】
<実施形態5> 図10(A)は本発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態が実施形態2と異なる点は、アダプタホルダー7が筺体13と一体に形成されていることと、コネクタアダプタ5として、同図(B)に示すように、筺体のカバー37側の壁に、光コネクタの外面のキーを案内する切れ込み43を形成したものを使用し、この切れ込み43を筺体のカバー37で覆うようにしたことである。図10(B)に示したコネクタアダプタ5は、従来使用されているものと同じであり、市場性が高いので、安価である。それ以外の構成は実施形態2と同様であるので、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。このような構成でも、実施形態2と同等の防塵性能を得ることができる。
【0043】
なお、図10(B)に示す従来タイプのコネクタアダプタ5を使用して、図7に示すようにアダプタホルダー7と筺体13を別に形成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明に係る光コネクタ防塵用シャッター装置の一実施形態を示す平面図。
【図2】図1の装置の要部を示す、(A)は平面図、(B)は一部切開正面図、(C)は側面図、(D)は断面図。
【図3】図1の装置の要部を示す斜視図。
【図4】図1の装置の、コネクタアダプタを組み込む前の状態を示す斜視図。
【図5】図1の装置に用いたコネクタアダプタを示す斜視図。
【図6】図1の装置におけるヒンジ軸部と軸穴の関係の、(A)は好ましい状態を、(B)、(C)は好ましくない状態を示す断面図。
【図7】本発明に係る光コネクタ防塵用シャッター装置の他の実施形態を示す、(A)は断面図、(B)はシャッターを透視した正面図。
【図8】本発明に係る光コネクタ防塵用シャッター装置のさらに他の実施形態を示す断面図。
【図9】本発明に係る光コネクタ防塵用シャッター装置のさらに他の実施形態を示す分解斜視図。
【図10】(A)は本発明に係る光コネクタ防塵用シャッター装置のさらに他の実施形態を示す断面図、(B)は(A)の装置に用いたコネクタアダプタの斜視図。
【符号の説明】
【0045】
1:光ケーブル
3:待受け側の光コネクタ
5:コネクタアダプタ
5a:額縁状端面
7:アダプタホルダー
9:シャッター
9a:額縁状当接部
13:筺体
15:捻りコイルバネ
17:ヒンジ軸部
19:軸穴
21:コイル軸部
29:キー溝
31:位置決め用凸部
33:リブ
35:溝
37:カバー
39:額縁状端面
41:額縁状当接部
43:切れ込み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側の開口から待受け側の光コネクタが挿入されたコネクタアダプタと、
このコネクタアダプタを保持するアダプタホルダーと、
前記コネクタアダプタの他端側の額縁状端面で囲まれた開口を塞ぐシャッターと、
このシャッターを前記アダプタホルダーにヒンジ結合するヒンジ結合部と、
このヒンジ結合部に組み込まれ、一方の端部がアダプタホルダーに係止され、他方の端部がシャッターに係止されて、前記シャッターを閉じる方向にバネ力を発生する捻りコイルバネとを備え、
前記ヒンジ結合部は、前記シャッター又はアダプタホルダーと一体に形成されたヒンジ軸部と、このヒンジ軸部が形成されてない方のアダプタホルダー又はシャッターに形成された前記ヒンジ軸部を挿入する軸穴と、前記シャッター又はアダプタホルダーと一体に形成された前記捻りコイルバネのコイル部に挿入されるコイル軸部とからなり、
前記シャッターは前記コネクタアダプタの額縁状端面の全周に当接する額縁状当接部を有しており、
前記捻りコイルバネは、そのシャッター側の端部が、シャッターの外面の、前記額縁状当接部より内側の部分を押すように形成されている、
ことを特徴とする光コネクタ防塵用シャッター装置。
【請求項2】
前記軸穴は、その直径が前記ヒンジ軸部の直径より大きく、前記捻りコイルバネによりシャッターを閉じたときに、前記軸穴内の前記ヒンジ軸部の周りにクリアランスが残るように形成されていることを特徴とする請求項1記載の光コネクタ防塵用シャッター装置。
【請求項3】
コネクタアダプタの周壁は周方向に連続しており、当該周壁の内面に、光コネクタの外面のキーを案内するキー溝が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光コネクタ防塵用シャッター装置。
【請求項4】
シャッターの内面に、コネクタアダプタの開口内に入る位置決め用凸部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光コネクタ防塵用シャッター装置。
【請求項5】
アダプタホルダーの端面にリブを形成し、シャッターの内面に前記リブが入る溝を形成したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の光コネクタ防塵装置。
【請求項6】
アダプタホルダーが、待受け側の光コネクタを収容する筺体と一体に形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の光コネクタ防塵用シャッター装置。
【請求項7】
一端側の開口から待受け側の光コネクタが挿入されたコネクタアダプタと、
このコネクタアダプタを保持するアダプタホルダーと、
このアダプタホルダーが取り付けられた筺体と、
この筺体に被せられるカバーと、
前記アダプタホルダーの端面と前記カバーの端面とで囲まれる開口を塞ぐシャッターと、
このシャッターを前記アダプタホルダーにヒンジ結合するヒンジ結合部と、
このヒンジ結合部に組み込まれ、一方の端部がアダプタホルダーに係止され、他方の端部がシャッターに係止されて、前記シャッターを閉じる方向にバネ力を発生する捻りコイルバネとを備え、
前記ヒンジ結合部は、前記シャッター、アダプタホルダー又は筺体と一体に形成されたヒンジ軸部と、このヒンジ軸部が形成されてないシャッター、アダプタホルダー又は筺体に形成された前記ヒンジ軸部を挿入する軸穴と、前記シャッター、アダプタホルダー又は筺体と一体に形成された前記捻りコイルバネのコイル部に挿入されるコイル軸部とからなり、
前記シャッターは前記アダプタホルダーの端面と前記カバーの端面とで構成される額縁状端面の全周に当接する額縁状当接部を有しており、
前記捻りコイルバネは、そのシャッター側の端部が、シャッターの外面の、前記額縁状当接部より内側の部分を押すように形成されている、
ことを特徴とする光コネクタ防塵用シャッター装置。
【請求項8】
アダプタホルダーが筺体と一体に形成されていることを特徴とする請求項7記載の光コネクタ防塵用シャッター装置。
【請求項9】
前記軸穴は、その直径が前記ヒンジ軸部の直径より大きく、前記捻りコイルバネによりシャッターを閉じたときに、前記軸穴内の前記ヒンジ軸部の周りにクリアランスが残るように形成されていることを特徴とする請求項7又は8記載の光コネクタ防塵用シャッター装置。
【請求項10】
コネクタアダプタの筺体のカバー側の壁には、光コネクタの外面のキーを案内する切れ込みが形成されており、この切れ込みは前記筺体のカバーで覆われていることを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載の光コネクタ防塵用シャッター装置。
【請求項11】
請求項1ないし9のいずれかに記載の光コネクタ防塵用シャッター装置に使用するコネクタアダプタであって、光コネクタが挿入される空洞の周壁が周方向に連続しており、当該周壁の内面に、光コネクタの外面のキーを案内するキー溝が形成されていることを特徴とするコネクタアダプタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−31386(P2009−31386A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−192966(P2007−192966)
【出願日】平成19年7月25日(2007.7.25)
【出願人】(591199590)株式会社正電社 (34)
【出願人】(595083051)株式会社ジャパンリーコム (40)
【Fターム(参考)】