説明

光コネクタ

【課題】蓋と楔について組立順序が正規の順序と逆になることを防止する。
【解決手段】本発明の光コネクタは、ファイバ接続部12と、ファイバ接続部12に離脱可能に装着された楔14と、ファイバ接続部12と別体に構成され、ファイバ接続部の内蔵光ファイバと突き合わされる光ファイバ心線を有する光ファイバケーブルと固定されるケーブル固定部材16と、ファイバ接続部12に一体に設けられると共に、ケーブル固定部材16を収納する収納室60を有して構成された収納部材18と、ケーブル固定部材16を収納室60に挿入可能に収納室60を開放する開放位置と、収納室60を閉鎖する閉鎖位置とを取り得るように収納部材18に対して回動可能とされた蓋20と、蓋20が開放位置から閉鎖位置に向けて回動されることに伴って楔14をファイバ接続部12から離脱させる連動部72と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の光コネクタでは、光ファイバケーブルを把持する把持部材を収納するための把持部材収納部がプラグフレームと一体に設けられており、この把持部材収納部には、この把持部材収納部の収納室を開閉するための蓋が回動可能に設けられている。
【0003】
そして、この光コネクタは、次の要領で光ファイバケーブルと固定される。すなわち、先ず、基板と蓋部材との間に楔を挿入して蓋部材を基板から離間させた状態で、基板に形成された溝に光ファイバケーブルの先端の光ファイバ心線を挿入する。
【0004】
次いで、この光ファイバ心線と、溝に挿入された内蔵光ファイバとが突き当てられて、光ファイバ心線の一部にたわみが形成されるまで把持部材をプラグフレームに近づける。そして、この光ファイバ心線と内蔵光ファイバとが突き当てられて光ファイバ心線の一部にたわみが形成された段階で楔を抜き去り、これにより、基板及び蓋部材によって光ファイバ心線を内蔵光ファイバと突き当てた状態で接続する。
【0005】
その後、蓋を閉めることによって収納室を閉鎖すると共に、この蓋の回動に伴って把持部材を後退させて光ファイバのたわみを解消させた状態で、把持部材を把持部材収納部に固定する。以上の要領で、光コネクタは、光ファイバケーブルと固定される。
【0006】
なお、特許文献1に記載の光コネクタでは、楔が別部品とされていたが、現場での光コネクタの組立作業性を向上させるために、楔を一体に備えた光コネクタも考案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−139891号公報
【特許文献2】特開2007−121794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に記載の光コネクタにおいて、楔が一体に備えられた場合、作業者の誤りにより、上述の組立順序とは逆に、蓋を閉めて把持部材を把持部材収納部に固定してから楔を抜き去ることが想定される。ところが、この場合には、光ファイバ心線にたわみが形成されないので、光ファイバ心線と内蔵光ファイバとの突き当て力が不足して両ファイバの端面の間隔が開き、光コネクタにおける光学特性が悪化する虞がある。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、蓋と楔について組立順序が正規の順序と逆になることを防止することができる光コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の光コネクタは、表面部に溝が形成された基板と、前記基板の表面部を覆う蓋部材と、前記蓋部材を前記基板側に押圧する押圧部材と、一部が前記溝に挿入された内蔵光ファイバを有するフェルールとを有して構成されたファイバ接続部と、前記押圧部材の押圧力に抗して前記蓋部材を前記基板の表面部から離間させるように、前記ファイバ接続部に離脱可能に装着された楔と、前記ファイバ接続部と別体に構成され、前記溝に挿入されて前記内蔵光ファイバと突き合わされる光ファイバ心線を有する光ファイバケーブルと固定されるケーブル固定部材と、前記ファイバ接続部に一体に設けられると共に、前記ケーブル固定部材を収納する収納室を有して構成された収納部と、前記ケーブル固定部材を前記収納室に挿入可能に前記収納室を開放する開放位置と、前記収納室を閉鎖する閉鎖位置とを取り得るように前記収納部に対して変位可能とされた蓋と、前記蓋が前記開放位置から前記閉鎖位置に向けて変位されることに伴って前記楔を前記ファイバ接続部から離脱させて前記押圧部材の押圧力により前記蓋部材を前記基板の表面部に接近させる連動部と、を備えている。
【0011】
この光コネクタは、例えば、次の要領で光ファイバケーブルと固定される。すなわち、先ず、光ファイバケーブルにケーブル固定部材を固定する。そして、蓋を開放位置に位置させた状態で、光ファイバ心線の先端部を溝に挿入すると共に、ケーブル固定部材を収納室に収納する。
【0012】
次いで、この光ファイバ心線と、溝に挿入された内蔵光ファイバとが突き当てられて、光ファイバ心線の一部にたわみが形成されるまでケーブル固定部材をファイバ接続部に近づける。そして、この光ファイバ心線と内蔵光ファイバとが突き当てられて光ファイバ心線の一部にたわみが形成された段階で、ケーブル固定部材を制止させ、この状態で、蓋を開放位置から閉鎖位置に向けて変位させる。
【0013】
これにより、蓋が開放位置から閉鎖位置に向けて変位されることに伴って楔が連動部によりファイバ接続部から離脱される。また、基板の表面部と蓋部材との間から楔が取り除かれるので、押圧部材によって蓋部材が基板側に押圧されて基板の表面部に接近され、光ファイバ心線と内蔵光ファイバとが突き当てられた状態で接続される。
【0014】
そして、蓋が閉鎖位置に位置されると、ケーブル固定部材が収納室に収納された状態でファイバ接続部に対して固定される。以上の要領で、光コネクタは、光ファイバケーブルと固定される。
【0015】
ここで、この光コネクタでは、上述のように、蓋が開放位置から閉鎖位置に向けて変位されると、これに伴って、楔が連動部によりファイバ接続部から離脱される。従って、楔をファイバ接続部から離脱させるためには、蓋を操作すれば良く、また、蓋を操作すれば、楔がファイバ接続部から離脱された後にケーブル固定部材がファイバ接続部に対して固定されるので、上述の順序とは逆に、ケーブル固定部材がファイバ接続部に対して固定された後に楔がファイバ接続部から離脱されることを防止することができる。
【0016】
このように、この光コネクタによれば、蓋と楔について組立順序が正規の順序と逆になることを防止することができる。
【0017】
請求項2に記載の光コネクタは、請求項1に記載の光コネクタにおいて、前記楔が前記溝に対して前記蓋と同じ側に配置された構成とされている。
【0018】
この光コネクタによれば、楔が溝に対して蓋と同じ側に配置されているので、蓋と楔とを連動させるための連動部の構成を小型化、簡素化することができる。
【0019】
請求項3に記載の光コネクタは、請求項1又は請求項2に記載の光コネクタにおいて、前記蓋が前記開放位置と前記閉鎖位置とを取り得るように前記収納部に対して回動可能とされ、前記連動部は前記蓋が前記開放位置から前記閉鎖位置に向けて回動されることに伴って前記楔を前記ファイバ接続部に対して回動させながら前記ファイバ接続部から離脱させる構成とされている。
【0020】
この光コネクタによれば、蓋を開放位置から閉鎖位置に向けて回動させることにより、これに伴って楔をファイバ接続部に対して回動させながらファイバ接続部から離脱させることができる。
【0021】
請求項4に記載の光コネクタは、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の光コネクタにおいて、前記楔及び前記蓋の少なくとも一方に、前記蓋が前記開放位置に位置されているときに互いの干渉を回避するための干渉回避部が形成された構成とされている。
【0022】
この光コネクタによれば、蓋が開放位置に位置されるときには、楔及び蓋の少なくとも一方に形成された干渉回避部によって楔及び蓋の互いの干渉を回避することができるので、蓋の開放位置側への変位量を拡大できる。これにより、収納室の開口量を拡大できるので、ケーブル固定部材の収納室への収納を容易に行うことが可能となる。
【0023】
請求項5に記載の光コネクタは、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の光コネクタにおいて、前記連動部が、前記楔に形成された係合部と、前記蓋に形成され、前記係合部と係脱可能に係合される被係合部と、を有する構成とされている。
【0024】
この光コネクタによれば、楔がファイバ接続部から離脱された後に、楔に形成された係合部と、蓋に形成された被係合部との係合状態を解除すれば、楔を蓋から取り去ることができる。これにより、光コネクタの使用時に楔が蓋に残った状態になることを防止することができる。
【発明の効果】
【0025】
以上詳述したように、本発明によれば、蓋と楔について組立順序が正規の順序と逆になることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る光コネクタを示す斜視図である。
【図2】図1に示される光コネクタにおいて蓋を開放位置から閉鎖位置に向けて回動させた状態を示す図である。
【図3】図1に示される光コネクタの側面断面図である。
【図4】図3に示されるプラグの4−4線断面図である。
【図5】図1に示される光コネクタの要部拡大図であって、(A)は底面図、(B)は側面図、(C)は蓋を開放位置から閉鎖位置に向けて回動させた状態を示す図である。
【図6】図2の要部拡大斜視図である。
【図7】図1に示される光コネクタに光ファイバケーブルを固定する順序を説明する図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る光コネクタの変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面に基づき、本発明の一実施形態について説明する。
【0028】
図1,図2に示されるように、本発明の一実施形態に係る光コネクタ10は、ファイバ接続部12と、楔14と、ケーブル固定部材16と、収納部としての収納部材18と、蓋20とを備えている。なお、図1,図2では、光コネクタ10が組立補助具22にセットされた状態で示されている。
【0029】
ファイバ接続部12は、図3に示されるように、筒状のフレーム24と、このフレーム24の内部に収納されたプラグ26とを有して構成されている。プラグ26は、図4に示されるように、基板28と、一対の蓋部材30と、押圧部材32と、フェルール34とを有している。
【0030】
基板28の表面部には、光コネクタ10の軸方向に沿って溝36が形成されており、この溝36には、フェルール34に内蔵された内蔵光ファイバ38の後端部が挿入されている。一対の蓋部材30は、溝36の長手方向に並んで配置されると共に、それぞれこの溝36が形成された基板28の表面部を覆う大きさ及び形状で構成されて、この基板28の表面部と対向して設けられている。また、この一対の蓋部材30は、押圧部材32に形成された一対の押圧片32Aによって基板28側にそれぞれ押圧されている。
【0031】
楔14は、図5に示されるように、一対の挿入刃40と、この一対の挿入刃40を保持する挿入刃保持部42と、操作部44とによって構成されている。操作部44には、弾性を有する一対の装着アーム46が設けられており、楔14は、この装着アーム46がフレーム24を挟持することにより、フレーム24に離脱可能に装着されている。また、この楔14は、フレーム24に対して後述する蓋20が開閉される側と同じ側(上側)からフレーム24に装着されており、且つ、フレーム24に装着された状態では、光コネクタ10の中心軸A(図4に示される溝36)に対して蓋20と同じ側(上側)に配置されるようになっている。
【0032】
また、この楔14は、フレーム24に一体に装着されたときには、図3に示されるように、挿入刃40がフレーム24に形成された孔部48を介してフレーム24の内部に進入すると共に、この挿入刃40の先端が上述の基板28及び蓋部材30の間に入り込むことにより、押圧部材32の押圧力に抗して蓋部材30を基板28の表面部から離間させる構成とされている(図4参照)。
【0033】
さらに、図5(B),(C)に示されるように、この楔14は、フレーム24に対して回転支点50を中心として回動されることによってフレーム24から離脱されるように構成されている。
【0034】
ケーブル固定部材16は、図1,図2に示されるように、ファイバ接続部12と別体に構成されており、後述する光ファイバケーブル80のシース82の先端部を把持する把持部52と、延出支持部54とを有して構成されている。延出支持部54は、後述する光ファイバ心線84を下側から支持するためのものであり、把持部52の下側からファイバ接続部12側に向けて延出されている。
【0035】
収納部材18には、図3に示されるように、フレーム24側に嵌合部56が形成されており、この嵌合部56がフレーム24の収納部材18側と嵌合されることにより、収納部材18は、フレーム24と一体に組み付けられている。また、この収納部材18には、溝36と連通するガイド孔58が形成されており、このガイド孔58は、ファイバ接続部12と反対側に向かうに従って拡径するテーパ状に形成されている。
【0036】
また、この収納部材18のファイバ接続部12と反対側は、断面凹型の箱状に形成されており、その内側は、上述のケーブル固定部材16を収納するための収納室60とされている。
【0037】
蓋20は、収納部材18に回動可能に連結されており、ケーブル固定部材16を収納室60に挿入可能に収納室60を開放する開放位置(図7の上図参照)と、収納室60を閉鎖する閉鎖位置(図7の下図参照)とを取り得るようになっている。また、収納部材18及び蓋20部の後端側には、ケーブル固定部材16の抜けを防止するための抜止部62が形成されている。さらに、蓋20には、ケーブル固定部材16のファイバ接続部12側への移動を規制するための規制突起64や、この蓋20が閉鎖位置に位置されたときに収納部材18と係合されて蓋20を収納部材18に固定する係合アーム66等が設けられている。
【0038】
また、図1,図2,図6に示されるように、上述の楔14の後端側には、係合部68が形成されており、蓋20には、この蓋20が開放位置に位置されているときに係合部68と係合する被係合部70が形成されている。この被係合部70は、係合部68とで連動部72を構成している。
【0039】
そして、この光コネクタ10では、蓋20が開放位置から閉鎖位置に向けて回動されると、係合部68及び被係合部70を介して蓋20の回転力が楔14に伝達され、これにより、楔14がフレーム24に対して回転支点50を中心として回動されることによってフレーム24から離脱される構成とされている(図1,図2,図5,図6参照)。
【0040】
さらに、この係合部68と被係合部70とは、楔14がフレーム24から離脱された後には互いの係合状態を解除できる構成とされている。つまり、楔14がフレーム24から離脱されたときには、この楔14を蓋20から取り外すことが可能となっている。
【0041】
また、図1に示されるように、楔14の操作部44には、蓋20が開放位置に位置されているときに蓋20との干渉を回避するための切欠状の干渉回避部74が形成されている。
【0042】
次に、この光コネクタ10を光ファイバの先端部に固定する方法と併せて、その作用及び効果を説明する。
【0043】
先ず、図7の上図に示されるように、光ファイバケーブル80の先端側のシース82を除去し、光ファイバ心線84を露出させる。続いて、この光ファイバケーブル80のシース82の先端側を把持部52で把持して、光ファイバケーブル80にケーブル固定部材16を固定する。そして、光ファイバ心線84の先端側の被覆を除去して裸ファイバ86を露出させ、さらに、この裸ファイバ86の先端を切断する。
【0044】
続いて、図1に示されるように、光コネクタ10に組立補助具22をセットした状態で、光ファイバ心線84の先端部を溝36に挿入すると共に、ケーブル固定部材16を収納室60に収納する。なお、図7においては、組立補助具22が省かれて図示されている。
【0045】
次いで、図7の中図に示されるように、この光ファイバ心線84(裸ファイバ86)と、溝36に挿入された内蔵光ファイバ38とが突き当てられて、光ファイバ心線84の一部にたわみ88が形成されるまでケーブル固定部材16をファイバ接続部12に近づける。そして、この光ファイバ心線84と内蔵光ファイバ38とが突き当てられて光ファイバ心線84の一部にたわみ88が形成された段階で、ケーブル固定部材16を制止させ、この状態で、蓋20を開放位置から閉鎖位置に向けて回動させる。
【0046】
これにより、蓋20が開放位置から閉鎖位置に向けて回動されることに伴って楔14が連動部72によりフレーム24から離脱される(図2参照)。また、基板28の表面部と蓋部材30との間から挿入刃40が取り除かれるので、押圧部材32によって蓋部材30が基板28側に押圧されて基板28の表面部に接近され、光ファイバ心線84と内蔵光ファイバ38とが突き当てられた状態で接続される(図3参照)。
【0047】
そして、図7の下図に示されるように、蓋20が閉鎖位置に位置されると、ケーブル固定部材16が収納室60に収納された状態でファイバ接続部12に対して固定される。なお、蓋20が閉鎖位置に位置された状態では、規制突起64によってケーブル固定部材16が後退され、これにより、たわみ88が解消される。また、楔14がファイバ接続部12から離脱された後には、楔14に形成された係合部68と、蓋20に形成された被係合部70との係合状態を解除して、楔14を蓋20から取り去る。以上の要領で、光コネクタ10は、光ファイバケーブル80と固定される。
【0048】
ここで、この光コネクタ10では、上述のように、蓋20が開放位置から閉鎖位置に向けて回動されると、これに伴って、楔14が連動部72によりフレーム24から離脱される(つまり、蓋20が閉鎖位置に位置される前に楔14がフレーム24から離脱される)。従って、楔14をフレーム24から離脱させるためには、蓋20を操作すれば良く、また、蓋20を操作すれば、楔14がフレーム24から離脱された後にケーブル固定部材16がファイバ接続部12に対して固定されるので、上述の順序とは逆に、ケーブル固定部材16がファイバ接続部12に対して固定された後に楔14がファイバ接続部12から離脱されることを防止することができる。
【0049】
このように、この光コネクタ10によれば、蓋20と楔14について組立順序が正規の順序と逆になることを防止することができる。
【0050】
また、この光コネクタ10によれば、楔14が溝36に対して蓋20と同じ側に配置されているので、蓋20と楔14とを連動させるための連動部72の構成を小型化、簡素化することができる。
【0051】
さらに、この光コネクタ10によれば、蓋20が開放位置に位置されるときには、楔14に形成された干渉回避部74によって楔14及び蓋20の互いの干渉を回避することができるので、蓋20の開放位置側への回動量を拡大できる(蓋20を90度以上回動させることができる)。これにより、収納室60の開口量を拡大できるので、ケーブル固定部材16の収納室60への収納を容易に行うことが可能となる。
【0052】
また、この光コネクタ10によれば、楔14がファイバ接続部12から離脱された後に、楔14に形成された係合部68と、蓋20に形成された被係合部70との係合状態を解除すれば、楔14を蓋20から取り去ることができる。これにより、光コネクタ10の使用時に楔14が蓋20に残った状態になることを防止することができる。
【0053】
次に、本発明の一実施形態の変形例について説明する。
【0054】
上記実施形態において、収納部材18は、ファイバ接続部12と別体に構成されていたが、ファイバ接続部12と一体に構成されていても良い。
【0055】
また、上記実施形態において、干渉回避部74は、楔14に形成されていたが、蓋20に形成されていても良く、また、楔14と蓋20の双方に形成されていても良い。
【0056】
また、上記実施形態では、係合部68が蓋20の側壁部の内側で被係合部70と係合されていたが、図8に示されるように、係合部68が側壁部の外側から被係合部70と係合されていても良い。
【0057】
また、上記実施形態において、蓋20は、収納部材18に回動可能に設けられていたが、例えば、収納部材18にスライド可能に設けられていても良い。
【0058】
以上、本発明の一実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0059】
10 光コネクタ
12 ファイバ接続部
14 楔
16 ケーブル固定部材
18 収納部材(収納部)
20 蓋
28 基板
30 蓋部材
32 押圧部材
34 フェルール
36 溝
38 内蔵光ファイバ
60 収納室
68 係合部
70 被係合部
72 連動部
74 干渉回避部
80 光ファイバケーブル
84 光ファイバ心線
86 裸ファイバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面部に溝が形成された基板と、前記基板の表面部を覆う蓋部材と、前記蓋部材を前記基板側に押圧する押圧部材と、一部が前記溝に挿入された内蔵光ファイバを有するフェルールとを有して構成されたファイバ接続部と、
前記押圧部材の押圧力に抗して前記蓋部材を前記基板の表面部から離間させるように、前記ファイバ接続部に離脱可能に装着された楔と、
前記ファイバ接続部と別体に構成され、前記溝に挿入されて前記内蔵光ファイバと突き合わされる光ファイバ心線を有する光ファイバケーブルと固定されるケーブル固定部材と、
前記ファイバ接続部に一体に設けられると共に、前記ケーブル固定部材を収納する収納室を有して構成された収納部と、
前記ケーブル固定部材を前記収納室に挿入可能に前記収納室を開放する開放位置と、前記収納室を閉鎖する閉鎖位置とを取り得るように前記収納部に対して変位可能とされた蓋と、
前記蓋が前記開放位置から前記閉鎖位置に向けて変位されることに伴って前記楔を前記ファイバ接続部から離脱させて前記押圧部材の押圧力により前記蓋部材を前記基板の表面部に接近させる連動部と、
を備えた光コネクタ。
【請求項2】
前記楔は、前記溝に対して前記蓋と同じ側に配置されている、
請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項3】
前記蓋は、前記開放位置と前記閉鎖位置とを取り得るように前記収納部に対して回動可能とされ、
前記連動部は、前記蓋が前記開放位置から前記閉鎖位置に向けて回動されることに伴って前記楔を前記ファイバ接続部に対して回動させながら前記ファイバ接続部から離脱させる、
請求項1又は請求項2に記載の光コネクタ。
【請求項4】
前記楔及び前記蓋の少なくとも一方には、前記蓋が前記開放位置に位置されているときに互いの干渉を回避するための干渉回避部が形成されている、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の光コネクタ。
【請求項5】
前記連動部は、
前記楔に形成された係合部と、
前記蓋に形成され、前記係合部と係脱可能に係合される被係合部と、
を有する、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の光コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−59138(P2011−59138A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205249(P2009−205249)
【出願日】平成21年9月4日(2009.9.4)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】