光コネクタ
【課題】本発明は、光コードの回転が抑制された光コネクタを提供する。
【解決手段】光コード18Bの端末から露出された光ファイバ16Bの先端に外嵌されたフェルール13Bが収容されるハウジングを備えた雌側光コネクタ12であって、光ファイバ16Bとシース17Bとの間には抗張力材34が介在されており、シース17Bから露出された抗張力材34は、外リング37をかしめることにより内リング36及び外リング37によって挟持されており、外リング37には外リング37の径方向について外方に突出する第1かしめ突部40が形成されており、雌側ハウジング24には外リング37が収容される外リング収容部42が形成されており、外リング収容部42の内壁には、外リング37に対して外リング37の周方向の力が加えられた時に第1かしめ突部40に対して外リング37の周方向から当接する回り止め部49が形成されている。
【解決手段】光コード18Bの端末から露出された光ファイバ16Bの先端に外嵌されたフェルール13Bが収容されるハウジングを備えた雌側光コネクタ12であって、光ファイバ16Bとシース17Bとの間には抗張力材34が介在されており、シース17Bから露出された抗張力材34は、外リング37をかしめることにより内リング36及び外リング37によって挟持されており、外リング37には外リング37の径方向について外方に突出する第1かしめ突部40が形成されており、雌側ハウジング24には外リング37が収容される外リング収容部42が形成されており、外リング収容部42の内壁には、外リング37に対して外リング37の周方向の力が加えられた時に第1かしめ突部40に対して外リング37の周方向から当接する回り止め部49が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光コネクタとして、特許文献1に記載のものが知られている。この光コネクタは、光ファイバの外周をシースで包囲してなる光コードの端部から露出された光ファイバーの先端に固定されたフェルールを収容するハウジングを備える。光ファイバとシースとの間には抗張力材が介在されている。この抗張力材によって、光コードに対して過大な張力が加えられた場合に、光ファイバが切断されることが抑制されるようになっている。
【0003】
抗張力材は、シースのシースの先端から引き出されて、ストップリングの端部と、カシメリングとの間に挟まれた状態でかしめリングによってかしめ付けられている。ストップリングとフェルールとの間にはバネが介在されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−191410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光コードのシースに対して、光コードの周方向を向く力が加えられると、光コードのシースは、光コードの軸線を中心として回転する。すると、シースの内側に配された抗張力材、及び光ファイバも、光コードの軸線を中心として回転する。抗張力材はストップリングにかしめ付けられているので、抗張力材とストップリングとは追従して回転する。一方、光ファイバはフェルールに固定されているので、光ファイバとフェルールとは追従して回転する。
【0006】
しかしながら、フェルールとストップリングの間にはバネが介在されているだけであり、フェルールとストップリングとは固定されていない。このため、フェルールとストップリングとが、互いに独立に回転することが懸念される。すると、抗張力材にカシメ付けられたストップリングと、光ファイバに固定されたフェルールとが互いに独立に回転することにより、抗張力材と光ファイバとの間に捻回力が作用することが懸念される。この捻回力により、光ファイバが破損することが懸念される。
【0007】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、光コードの回転が抑制された光コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、光ファイバの外周をシースで被覆してなる光コードの端末から露出された前記光ファイバの先端に外嵌されたフェルールが収容されるハウジングを備えた光コネクタであって、前記光ファイバと前記シースとの間には抗張力材が介在されており、前記シースから露出された前記抗張力材は、内リングと外リングとの間に挟まれた状態で前記外リングをかしめることにより前記内リング及び前記外リングによって挟持されており、前記外リングには前記外リングの径方向について外方に突出するかしめ突部が形成されており、前記ハウジングには前記外リングが収容される外リング収容部が形成されており、前記外リング収容部の内壁には、前記外リングに対して前記外リングの周方向の力が加えられた時に前記かしめ突部に対して前記外リングの周方向から当接する回り止め部が形成されている。
【0009】
光コードに対して、光コードの周方向の力が加えられると、光コードは光コードの軸線を中心として回転しようとする。すると、光コードには、シースと光ファイバとの間に抗張力材が介在されているので、この抗張力材に対しても、シースを介して光コードの周方向を向く力が加えられる。この抗張力材は内リングと外リングとの間に挟持されているので、外リングに対しても、抗張力材を介して外リングの周方向の力が加えられる。この結果、外リングは、その軸線を中心として回転しようとする。本願発明によれば、外リングを収容する外リング収容部の内壁には、回り止め部が形成されている。この回り止め部が、外リングの軸線を中心として回転しようとするかしめ突部に対して、外リングの周方向から当接する。これにより、外リングがその軸線を中心として回転することが抑制される。この結果、外リング、抗張力材、及び光コードが回転することを抑制できる。
【0010】
本発明の実施態様としては以下の態様が好ましい。
前記回り止め部は、外リング収容部の内壁に陥没して形成された凹部の内壁面であることが好ましい。
【0011】
上記の態様によれば、かしめ突部は、外リング収容部の内壁に形成された凹部の内壁面と、外リングの周方向から当接する。このように、外リング収容部の内壁に凹部を形成するという簡易な構成により、光コードの回転を抑制できる。
【0012】
前記外リングには複数の前記かしめ突部が前記外リングの周方向について等角度間隔を空けて形成されており、前記外リング収容部の内壁には、複数の前記かしめ突部の角度間隔と同じ角度間隔を空けて、複数の前記回り止め部が形成されていることが好ましい。
【0013】
例えば、外リングに1つのかしめ突部が形成されており、外リング収容部には1つの回り止め部が形成されている場合、外リングを外リング収容部内に収容するためには、最悪の場合、外リングを略360°回転させなければならない。このため、外リングを外リング収容部内に収容する工程が煩雑となってしまう。上記の点に鑑み、本態様においては、複数のかしめ突部が外リングの周方向について等角度間隔を空けて形成されており、外リング収容部の内壁には、複数のかしめ突部の角度間隔と同じ角度間隔を空けて、複数の回り止め部が形成されている。これにより、外リングをリング収容部に収容する工程において、作業者は、隣り合うかしめ突部の角度だけ外リングを回転させれば、かしめ突部と、回り止め部とを対応させることができる。例えば、外リングの外周に4つのかしめ突部が90°間隔を空けて形成されており、外リング収容部には、かしめ突部に対応して90°間隔を空けて4つの回り止め部が形成されている場合、作業者は、最悪の場合であっても、外リングを略90°回転させるだけで、かしめ突部と回り止め部とを対応させることができる。これにより、外リングを外リング収容部内に収容する工程の作業効率を向上させることができる。
【0014】
前記ハウジングはロアハウジングと、前記ロアハウジングに組み付けられるアッパーハウジングと、を備え、前記ロアハウジングと前記アッパーハウジングとが組み付けられることにより、前記ロアハウジングと前記アッパーハウジングとの間に前記外リング収容部が形成されていることが好ましい。
【0015】
上記の態様によれば、ロアハウジングのうち外リング収容部に対応する位置に外リングを載置した後に、アッパーハウジングをロアハウジングに組み付けることにより、外リングを、外リング収容部内に収容することができる。これにより、例えばハウジングに孔状に形成された外リング収容部内に、外リングを挿入して収容する場合に比べて、外リングをハウジング内に収容する作業工程を容易に行うことができる。
【0016】
前記外リングの外周面は、前記ロアハウジングと前記アッパーハウジングとが組み付けられた状態で、前記ロアハウジングと前記アッパーハウジングとの間に挟持されていることが好ましい。
【0017】
上記の態様によれば、外リングがガタつくことを抑制できる。これにより、光コードが回転することを確実に抑制できる。
【0018】
前記かしめ突部は、前記凹部内に収容された状態で、外リングの周方向の両側から、前記凹部の内壁面に形成された前記回り止め部に挟まれていることが好ましい。
【0019】
上記の態様によれば、かしめ突部が回り止め部によって外リングの周方向の両側から挟まれることにより、外リング、及び光コードが回転することを確実に抑制できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、光コネクタに配される光コードが回転することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態1に係る光コネクタを示す断面図
【図2】ロアハウジングを示す側面図
【図3】ロアハウジングを示す平面図
【図4】ロアハウジングを示す背面図
【図5】アッパーハウジングを示す側面図
【図6】アッパーハウジングを示す底面図
【図7】アッパーハウジングを示す背面図
【図8】内リング、外リング、及び光コードを示す分解斜視図
【図9】光コードに内リング及び外リングが取り付けられた状態を示す斜視図
【図10】ロア側径小部収容溝と、アッパー側径小部収容溝と、径小部と、を示す背面図
【図11】第1かしめ突部と、回り止め部との係合状態を示す背面図
【図12】本発明の実施形態2に係る光コネクタにおいて、第1かしめ突部と、回り止め部との係合状態を示す背面図
【図13】本発明の実施形態3に係る光コネクタにおいて、第1かしめ突部と、回り止め部との係合状態を示す背面図
【図14】本発明の実施形態3に係る光コネクタにおいて、第1かしめ突部と、回り止め部との係合状態を示す背面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
<実施形態1>
本発明を、互いに嵌合する一対の光コネクタの少なくとも一方に適用した実施形態1を図1ないし図11を参照しつつ説明する。光コネクタは、雄側光コネクタ10と、この雄側光コネクタ10が嵌入されるフード部11を有する雌側光コネクタ12(特許請求の範囲に記載の光コネクタの一例)と、を備える。なお、以下の説明においては、各光コネクタの嵌合方向の前方を前方とし、嵌合方向の後方を後方とする。また、上下方向については、図1の上方を上方とし、下方を下方とする。
【0023】
(雄側光コネクタ10)
図1において右側に位置する雄側光コネクタ10は、フェルール13Aを収容するキャビティ14が形成された合成樹脂製の雄側ハウジング15を有する。フェルール13Aは、光ファイバ16Aの外周をシース17Aで被覆してなる光コード18Aの端末から露出する光ファイバ16Aの先端に外嵌されている。光ファイバ16Aとフェルール13Aとは接着剤等、公知の手法により固定されている。フェルール13Aは前後方向に細長い形状をなしている。フェルール13Aの外面には、外方に突出するフランジ19が形成されている。このフランジ19と、キャビティ14内に内方に突出して形成されたばね受け部20との間には、ばね21が介在されている。このばね21により、フェルール13Aは前方(図1における左方)に付勢されている。
【0024】
キャビティ14に前壁にはフェルール13Aの前端部が挿通される挿通孔22が形成されている。挿通孔22から突出するフェルール13Aは、雄側ハウジング15に形成された保護筒部23によって包囲されており、この保護筒部23によって保護されている。
【0025】
(雌側光コネクタ12)
図1における左側に位置する雌側光コネクタ12は、フェルール13Bが収容される合成樹脂製の雌側ハウジング24を有する。雌側ハウジング24のフード部11内には、嵌合筒部25が前方(図1における右方)に突出して形成されている。嵌合筒部25は、雄側ハウジング15の保護筒部23内に嵌入されるようになっている。保護筒部23の内部には割スリーブ26が挿入されている。
【0026】
割スリーブ26は、金属製であって弾性変形可能な材料からなり、略円筒形状をなしている。割スリーブ26の側縁には前後方向に図示しないスリット35が形成されており、このスリット35により、割スリーブ26は径方向について弾性変形可能になっている。
【0027】
割スリーブ26の後端には、割スリーブ26の径方向外方に突出する一対の係合突起27が形成されている。この係合突起27がフード部11の後壁に後方(図1における左方)から係合することにより、割スリーブ26が前方(図1における右方)に移動することが抑制されるようになっている。
【0028】
図3に示すように、雌側ハウジング24は、フード部11を備えると共に上方に開口されたロアハウジング28と、ロアハウジング28に上方から組み付けられるアッパーハウジング29と、を備える。ロアハウジング28と、アッパーハウジング29とに囲まれた空間内に、光コード18Bの端部と、フェルール13Bと、が収容されている。ロアハウジング28の側壁には外方に突出するロック突部31が形成されている。図2に示すように、ロック突部31は、ロアハウジング28の側壁に前後方向に2つ並んで形成されている。
【0029】
図7に示すように、アッパーハウジング29は、上壁と、この上壁の左右両側縁から下方に垂下する一対の側壁を有する。図5に示すように、アッパーハウジング29の側壁には、ロック突部31に対応する位置に、ロック突部31と弾性的に係合するロック受け部32が形成されている。このロック突部31とロック受け部32とが弾性的に係合することにより、ロアハウジング28とアッパーハウジング29とが一体に組み付けられるようになっている。
【0030】
(光ファイバ16)
図1に示すように、光ファイバ16Bの外周をシース17Bで被覆してなる光コード18Bの端末から露出する光ファイバ16Bの先端にはフェルール13Bが外嵌されている。光ファイバ16Bは、フェルール13Bに形成された図示しない貫通孔内に挿通された状態で、接着剤等、公知の手法により固定されている。光ファイバ16Bは、光信号を伝送する部材であり、公知の各種光ファイバが適用される。
【0031】
フェルール13Bの先端は、割スリーブ26の後端側(図1における左側)から、割スリーブ26内に挿入されている。雌側光コネクタ12と雄側光コネクタ10とが嵌合すると、雄側光コネクタ10のフェルール13Aが割スリーブ26の内部に挿入され、雌側光コネクタ12のフェルール13Bの先端面と、雄側光コネクタ10のフェルール13Aの先端面とが割スリーブ26内で突き合わせられる。これにより、両フェルール13A,13Bに固定された光ファイバ16A,16Bが光学的に接続されるようになっている。
【0032】
図8に示すように、光コード18Bのシース17Bは略チューブ状をなす。シース17Bの内部には軸線方向に延びる貫通孔33が形成されている。シース17Bの断面形状は特に限定されるものではないが、本実施形態では略円形状をなしている。シース17Bは、外周から圧縮力が加えられると、径方向に圧縮変形可能になっている。シース17Bは、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ノンハロゲン難燃ポリエチレンなどの各種合成樹脂材料により形成される。
【0033】
貫通孔33の内部には、抗張力材34が収容されており、更に、この抗張力材34に囲まれた状態で光ファイバ16Bが収容されている。抗張力材34は紐状の部材である。抗張力材34は、光コード18Bに過大な張力が加えられた場合に、光ファイバ16Bの破断を防止するための部材であり、例えばアラミド繊維により形成される。
【0034】
シース17Bの端部には、その端面から軸線方向に延びるスリット35が形成されている。抗張力材34は、このスリット35内に挿通されて、シース17Bの外側に引き出されている。
【0035】
(内リング36及び外リング37)
図8及び図9に示すように、シース17Bの外側に引き出された抗張力材34は、金属製の内リング36と、金属製の外リング37との間に挟まれた状態で、外リング37が縮径変形されてかしめつけられることにより、内リング36及び外リング37によって挟持される。
【0036】
内リング36は、例えば、金属材料を切削加工することにより形成される。内リング36は略環状又は筒状をなしている。内リング36の内径は、光コード18Bのシース17Bの外径と同じか、やや大きく設定されている。これにより、内リング36は光コード18Bのシース17Bに外嵌可能になっている。内リング36の外周面には、抗張力材34との結合強度を向上させるための凹凸が形成されていてもよい。
【0037】
外リング37は、例えば、金属材料を切削加工することにより形成される。外リング37は略環状又は筒状をなしている。外リング37は、比較的に内径が小さな径小部38と、この径小部38よりも大きな内径を有する径大部39と、が外リング37の軸線方向に直列に設けられている。
【0038】
径小部38の内径は、光コード18Bのシース17Bの外径と同じか、やや大きく設定されている。これにより外リング37の径小部38は、光コード18Bのシース17Bに外嵌可能になっている。
【0039】
大径部の内径は、内リング36の外径よりもやや大きく設定されている。これにより、外リング37の径大部39は、内リング36の外側に抗張力材34を介在させた状態で内リング36に外嵌可能になっている。
【0040】
内リング36は、外リング37よりも変形しにくい材料からなる構成とすることができる。例えば、内リング36は外リング37よりも硬い材料により形成されてもよい。例えば、内リング36がステンレス鋼、又は黄銅等の銅合金により形成される構成とし、外リング37がアルミニウム又はアルミニウム合金により形成される構成としてもよい。
【0041】
続いて、内リング36及び外リング37と、光コード18Bとの取り付け構造について説明する。光コード18Bの抗張力材34は、シース17Bに形成されたスリット35に通されて、シース17Bの外部に引き出されている。内リング36は、前方からシース17Bの前端部に外嵌されている。シース17Bの外部に引き出された抗張力材34は、内リング36の外周側に配されている。
【0042】
外リング37の径小部38は、光コード18Bのシース17Bに、内リング36よりも後方の位置に外嵌されており、外リング37の径大部39は、内リング36の外側に重なるように配されている。径小部38は、縮径方向に塑性変形されてかしめ付けられることによりシース17Bの外面に食い込んだ状態で固定されている。径小部38がかしめられることにより、径小部38には、径小部38の略直径方向について突出する一対の第1かしめ突部40(特許請求の範囲に記載のかしめ突部の一例)が形成されている。
【0043】
一方、径大部39は、内リング36との間に抗張力材34を挟んだ状態で縮径方向に塑性変形されてかしめ付けられている。径大部39がかしめられることにより、径大部39には、径大部39の直径方向について突出する一対の第2かしめ突部41が形成されている。本実施形態においては、第1かしめ突部40の突出する方向と、第2かしめ突部41の突出する方向とは略整合しているが、第1かしめ突部40の突出する方向と、第2かしめ突部41の突出する方向とが相違していてもよい。
【0044】
(外リング収容部42)
図3に示すように、ロアハウジング28の収容部内には、外リング37が収容されるロア側外リング収容溝43が前後方向に延びて形成されている。本実施形態においては、ロア側外リング収容溝43は、2つ並んで形成されている。ロア側外リング収容溝43は、外リング37の径小部38が収容されるロア側径小部収容溝44と、このロア側径小部収容溝44の前方(図3における右方)に形成されたロア側径大部収容溝45と、を備える。
【0045】
一方、図6に示すように、アッパーハウジング29の上壁には、ロアハウジング28のロア側外リング収容溝43に対応する位置に、2つのアッパー側外リング収容溝46が前後方向に延びて形成されている。アッパー側外リング収容溝46は、外リング37の径小部38が収容されるアッパー側径小部収容溝47と、このアッパー側径小部収容溝47の前方(図6における右方)に形成されたアッパー側径大部収容溝48と、を備える。
【0046】
ロアハウジング28とアッパーハウジング29とが組み付けられた状態では、ロア側外リング収容溝43と、アッパー側外リング収容溝46とに囲まれる空間は、外リング収容部42とされており、前後方向に延びる略筒状をなしている。外リング37は、ロアハウジング28のロア側外リング収容溝43内に載置された後に、アッパーハウジング29をロアハウジング28に組み付けることにより、外リング収容部42内に収容される構成となっている。
【0047】
(回り止め部49)
図4に示すように、ロア側径小部収容溝44は、その断面形状が略半円形状をなしている。ロア側径小部収容溝44の内径寸法は、径小部38の外形と略同じかやや大きく設定されている。ロア側径小部収容溝44の内壁には、ロア側径小部収容溝44の上端部寄りの位置に、ロア側径小部収容溝44の径方向の外方に陥没する一対の凹部50が形成されている。凹部50において、ロア側径小部収容溝44の内壁面から陥没する寸法は、第1かしめ突部40が径小部38の外面から突出する寸法と、同じか、又はやや大きく設定されている。図3に示すように、凹部50は、ロア側径小部収容溝44における前後方向の全域に亘って形成されている。
【0048】
図10及び図11に示すように、ロア側径小部収容溝44の内部に径小部38が収容された状態では、一対の第1かしめ突部40は、各凹部50の上方に位置するように配されている。凹部50の内壁面は、第1かしめ突部40に対して下方から当接してもよく、また、離間していてもよい。凹部50の内壁面は、外リング37に対して、外リング37の周方向の力が加えられた時に、この力と反対方向であって、且つ外リング37の周方向から第1かしめ突部40に当接する回り止め部49とされる。図11に示すように、外リング37の径小部38の外面は、アッパー側径小部収容溝47の内壁と、ロア側径小部収容溝44の内壁との間に挟み付けられて保持されるようになっている。なお、図10及び図11においては、第1かしめ突部40と回り止め部49との係合状態を説明するために、光コード18B、及び内リング36等が省略されている。
【0049】
(本実施形態の作用、効果)
続いて、本実施形態の作用、効果について説明する。光コード18Bに対して、光コード18Bの周方向の力が加えられると、光コード18Bは光コード18Bの軸線を中心として回転しようとする。光コード18Bには、シース17Bと光ファイバ16Bとの間に抗張力材34が介在されているので、この抗張力材34も回転しようとする。この抗張力材34は内リング36と外リング37との間に挟持されているので、外リング37に対しても、抗張力材34を介して、外リング37の周方向の力が加えられ、これにより外リング37は、その軸線を中心として回転しようとする。
【0050】
本実施形態においては、外リング37が収容される外リング収容部42の内壁には凹部50が陥没して形成されており、この凹部50の内壁面が回り止め部49とされている。詳細には、外リング収容部42を構成するロア側径小部収容溝44の上端部寄りの位置に陥没して形成された凹部50の内壁面が回り止め部49とされる。この回り止め部49が、外リング37の軸線を中心として回転しようとする第1かしめ突部40に対して、外リング37の周方向であって、且つ外リング37に加えられた力と反対方向から当接する。本実施形態においては、回り止め部49は、第1かしめ突部40に対して下方から当接するようになっている。これにより、外リング37がその軸線を中心として回転することが抑制される。この結果、外リング37、抗張力材34、及び光コード18Bが回転することを抑制できる。この結果、光ファイバ16Bに捻回力が作用することを抑制できるので、光ファイバ16Bが破損することを抑制できる。
【0051】
また、上記したように本実施形態においては、回り止め部49は、リング収容部の内壁に陥没して形成された凹部50の内壁面とされる。このように、本実施形態によれば、リング収容部の内壁に凹部50を形成するという簡易な構成により、光コード18Bの回転を抑制できる。
【0052】
本実施形態においては、径小部38に形成された第1かしめ突部40と、回り止め部49とが当接する構成となっている。この径小部38は、光コード18Bのシース17Bにかしめ付けられているので、径小部38の回り止めを図ることにより、光コード18Bが回転することを確実に抑制できる。
【0053】
また、ハウジングはロアハウジング28と、ロアハウジング28に組み付けられるアッパーハウジング29と、を備え、ロアハウジング28とアッパーハウジング29とが組み付けられることにより、ロアハウジング28とアッパーハウジング29との間に外リング収容部42が形成されている。これにより、図10に示すように、ロアハウジング28のうち外リング収容部42に対応する位置に外リング37を載置した後に、アッパーハウジング29を、上方から(図10において矢線で示す方向)ロアハウジング28に組み付けることにより、外リング37を、外リング収容部42内に収容することができる。これにより、例えばハウジングに孔状に形成された外リング収容部42内に、外リング37を挿入して収容する場合に比べて、外リング37をハウジング内に収容する作業工程を容易に行うことができる。
【0054】
また、本実施形態によれば、外リング37の径小部38の外面は、アッパー側径小部収容溝47の内壁と、ロア側径小部収容溝44の内壁との間に挟み付けられている。これにより、外リング37がガタつくことを抑制できる。この結果、光コード18Bが回転することを確実に抑制できる。
【0055】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図12及び図13を参照しつつ説明する。本実施形態においては、径小部38には、4つの第1かしめ突部60が、互いに90°の角度を有して等角度間隔を空けて形成されている。
【0056】
ロア側径小部収容溝44の上端部寄りの位置には、一対の凹部61Aが陥没して形成されている。ロア側径小部収容溝44の底部には、下方に陥没して凹部61Bが更に形成されている。更に、アッパー側径小部収容溝47の上部には、上方に陥没する凹部61Cが形成されている。これにより、ロア側径小部収容溝44とアッパー側径小部収容溝47との間に形成される外リング収容部42内には、90°の間隔を空けて4つの凹部61A,61B,61Cが形成されている。これらの凹部61A,61B,61Cの内壁面は、第1かしめ突部40と外リング37の周方向から当接する回り止め部62とされる。
【0057】
第1かしめ突部60は、凹部61B,61C内に収容された状態で、外リング37の周方向の両側から、凹部61B,61Cの内壁面に形成された回り止め部62に挟まれた構成になっている。
【0058】
上記以外の構成については、実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0059】
例えば、外リング37に1つのかしめ突部が形成されており、外リング収容部42には1つの回り止め部が形成されている場合、外リング37を外リング収容部42内に収容するためには、最悪の場合、外リング37を略360°回転させなければならない。このため、外リング37を外リング収容部42内に収容する工程が煩雑となってしまう。
【0060】
上記の点に鑑み、本実施形態においては、4つの第1かしめ突部60が外リング37の周方向について等角度間隔を空けて形成されている。また、外リング収容部42の内壁には、4つの第1かしめ突部60の角度間隔と同じ角度間隔を空けて、4つの回り止め部62が形成されている。これにより、外リング37をリング収容部に収容する工程において、作業者は、隣り合う第1かしめ突部60の角度だけ外リング37を回転させれば、第1かしめ突部60と、回り止め部62とを対応させることができる。詳細に説明すると、本実施形態のように、外リング37の外周に4つの第1かしめ突部60が90°間隔を空けて形成されており、外リング収容部42には、第1かしめ突部60に対応して90°間隔を空けて4つの回り止め部62が形成されている場合、作業者は、最悪の場合であっても、外リング37を略90°回転させるだけで、第1かしめ突部60と回り止め部62とを対応させることができる。これにより、外リング37を外リング収容部42内に収容する工程の作業効率を向上させることができる。
【0061】
また、本実施形態によれば、各第1かしめ突部60が回り止め部62によって外リング37の周方向の両側から挟まれることにより、外リング37、及び光コード18Bが回転することを確実に抑制できる。
【0062】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図13及び図14を参照しつつ説明する。本実施形態においては、径小部38には、2つの第1かしめ突部70が、互いに180°の角度を有して等角度間隔を空けて形成されている。
【0063】
上記以外の構成については、実施形態2と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0064】
図13及び図14に示すように、本実施形態によれば、作業者は、外リング37を略90°回転させるだけで、第1かしめ突部70と回り止め部49とを対応させることができる。これにより、外リング37を外リング収容部42内に収容する工程の作業効率を向上させることができる。
【0065】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)本実施形態においては、本発明が雌側光コネクタ12に適用される形態について説明したが、本発明は雄側光コネクタ10にも適用できる。
(2)本実施形態に係る光コード18Bは1つの光ファイバ16Bを有する構成であったが、これに限られず、1つの光コード18Bに複数の光ファイバ16Bが含まれる構成としてもよい。
(3)本実施形態においては、回り止め部49は外リング収容部42の内壁に形成された凹部50の内壁面としたが、これに限られず、回り止め部49は、外リング収容部42の内壁から内方に突出する凸部としてもよい。
(4)本実施形態においては、1つの外リング37に複数のかしめ突部が形成され、外リング収容部42には複数の回り止め部49が形成される構成としたが、これに限られず、1つの外リング37に1つのかしめ突部が形成される構成としてもよい。この場合において、外リング収容部42には、1つの回り止め部を形成してもよく、また、複数の回り止め部を形成してもよい。複数の回り止め部は、異なる角度間隔で形成してもよい。
(5)実施形態2においては、複数の第1かしめ突部60が等角度間隔を空けて外リング37に形成され、外リング収容部42には隣り合う第1かしめ突部60の角度に対応する角度間隔で複数の回り止め部62が形成される構成としたが、これに限られず、複数のかしめ突部が異なる角度間隔を空けて外リング37に形成され、外リング収容部42にはかしめ突部に対応する位置に複数の回り止め部49が形成される構成としてもよい。
(6)本実施形態においては、第1かしめ突部は2つ、又は4つである形態としたが、これに限られず、3つ、又は5つ以上の複数の第1かしめ突部が形成される構成としてもよい。
(7)本実施形態においては、外リング37の径小部38に形成された第1かしめ突部40と、回り止め部49とが当接することにより、外リング37、及び光コード18Bが回転することが抑制される構成としたが、これに限られず、外リング37の径大部39に形成された第2かしめ突部41と、ロア側径大部収容溝45又はアッパー側径大部収容溝46に形成された回り止め部と、が外リング37の周方向から当接することにより、外リング37、及び光コード18Bが回転することを抑制する構成としてもよい。
(8)本実施形態においては、光コネクタには2つの光コード18Bが配される構成としたが、これに限られず、1つの光コネクタに1つの光コードが配される構成としてもよく、また、1つの光コネクタに3つ以上の光コードが配される構成としてもよい。
【符号の説明】
【0066】
12…雌側光コネクタ(光コネクタ)
13B…フェルール
16B…光ファイバ
17B…シース
18B…光コード
24…雌側ハウジング(ハウジング)
28…ロアハウジング
29…アッパーハウジング
34…抗張力材
36…内リング
37…外リング
40…第1かしめ突部(かしめ突部)
42…外リング収容部
49…回り止め部
50…凹部
【技術分野】
【0001】
本発明は、光コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光コネクタとして、特許文献1に記載のものが知られている。この光コネクタは、光ファイバの外周をシースで包囲してなる光コードの端部から露出された光ファイバーの先端に固定されたフェルールを収容するハウジングを備える。光ファイバとシースとの間には抗張力材が介在されている。この抗張力材によって、光コードに対して過大な張力が加えられた場合に、光ファイバが切断されることが抑制されるようになっている。
【0003】
抗張力材は、シースのシースの先端から引き出されて、ストップリングの端部と、カシメリングとの間に挟まれた状態でかしめリングによってかしめ付けられている。ストップリングとフェルールとの間にはバネが介在されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−191410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光コードのシースに対して、光コードの周方向を向く力が加えられると、光コードのシースは、光コードの軸線を中心として回転する。すると、シースの内側に配された抗張力材、及び光ファイバも、光コードの軸線を中心として回転する。抗張力材はストップリングにかしめ付けられているので、抗張力材とストップリングとは追従して回転する。一方、光ファイバはフェルールに固定されているので、光ファイバとフェルールとは追従して回転する。
【0006】
しかしながら、フェルールとストップリングの間にはバネが介在されているだけであり、フェルールとストップリングとは固定されていない。このため、フェルールとストップリングとが、互いに独立に回転することが懸念される。すると、抗張力材にカシメ付けられたストップリングと、光ファイバに固定されたフェルールとが互いに独立に回転することにより、抗張力材と光ファイバとの間に捻回力が作用することが懸念される。この捻回力により、光ファイバが破損することが懸念される。
【0007】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、光コードの回転が抑制された光コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、光ファイバの外周をシースで被覆してなる光コードの端末から露出された前記光ファイバの先端に外嵌されたフェルールが収容されるハウジングを備えた光コネクタであって、前記光ファイバと前記シースとの間には抗張力材が介在されており、前記シースから露出された前記抗張力材は、内リングと外リングとの間に挟まれた状態で前記外リングをかしめることにより前記内リング及び前記外リングによって挟持されており、前記外リングには前記外リングの径方向について外方に突出するかしめ突部が形成されており、前記ハウジングには前記外リングが収容される外リング収容部が形成されており、前記外リング収容部の内壁には、前記外リングに対して前記外リングの周方向の力が加えられた時に前記かしめ突部に対して前記外リングの周方向から当接する回り止め部が形成されている。
【0009】
光コードに対して、光コードの周方向の力が加えられると、光コードは光コードの軸線を中心として回転しようとする。すると、光コードには、シースと光ファイバとの間に抗張力材が介在されているので、この抗張力材に対しても、シースを介して光コードの周方向を向く力が加えられる。この抗張力材は内リングと外リングとの間に挟持されているので、外リングに対しても、抗張力材を介して外リングの周方向の力が加えられる。この結果、外リングは、その軸線を中心として回転しようとする。本願発明によれば、外リングを収容する外リング収容部の内壁には、回り止め部が形成されている。この回り止め部が、外リングの軸線を中心として回転しようとするかしめ突部に対して、外リングの周方向から当接する。これにより、外リングがその軸線を中心として回転することが抑制される。この結果、外リング、抗張力材、及び光コードが回転することを抑制できる。
【0010】
本発明の実施態様としては以下の態様が好ましい。
前記回り止め部は、外リング収容部の内壁に陥没して形成された凹部の内壁面であることが好ましい。
【0011】
上記の態様によれば、かしめ突部は、外リング収容部の内壁に形成された凹部の内壁面と、外リングの周方向から当接する。このように、外リング収容部の内壁に凹部を形成するという簡易な構成により、光コードの回転を抑制できる。
【0012】
前記外リングには複数の前記かしめ突部が前記外リングの周方向について等角度間隔を空けて形成されており、前記外リング収容部の内壁には、複数の前記かしめ突部の角度間隔と同じ角度間隔を空けて、複数の前記回り止め部が形成されていることが好ましい。
【0013】
例えば、外リングに1つのかしめ突部が形成されており、外リング収容部には1つの回り止め部が形成されている場合、外リングを外リング収容部内に収容するためには、最悪の場合、外リングを略360°回転させなければならない。このため、外リングを外リング収容部内に収容する工程が煩雑となってしまう。上記の点に鑑み、本態様においては、複数のかしめ突部が外リングの周方向について等角度間隔を空けて形成されており、外リング収容部の内壁には、複数のかしめ突部の角度間隔と同じ角度間隔を空けて、複数の回り止め部が形成されている。これにより、外リングをリング収容部に収容する工程において、作業者は、隣り合うかしめ突部の角度だけ外リングを回転させれば、かしめ突部と、回り止め部とを対応させることができる。例えば、外リングの外周に4つのかしめ突部が90°間隔を空けて形成されており、外リング収容部には、かしめ突部に対応して90°間隔を空けて4つの回り止め部が形成されている場合、作業者は、最悪の場合であっても、外リングを略90°回転させるだけで、かしめ突部と回り止め部とを対応させることができる。これにより、外リングを外リング収容部内に収容する工程の作業効率を向上させることができる。
【0014】
前記ハウジングはロアハウジングと、前記ロアハウジングに組み付けられるアッパーハウジングと、を備え、前記ロアハウジングと前記アッパーハウジングとが組み付けられることにより、前記ロアハウジングと前記アッパーハウジングとの間に前記外リング収容部が形成されていることが好ましい。
【0015】
上記の態様によれば、ロアハウジングのうち外リング収容部に対応する位置に外リングを載置した後に、アッパーハウジングをロアハウジングに組み付けることにより、外リングを、外リング収容部内に収容することができる。これにより、例えばハウジングに孔状に形成された外リング収容部内に、外リングを挿入して収容する場合に比べて、外リングをハウジング内に収容する作業工程を容易に行うことができる。
【0016】
前記外リングの外周面は、前記ロアハウジングと前記アッパーハウジングとが組み付けられた状態で、前記ロアハウジングと前記アッパーハウジングとの間に挟持されていることが好ましい。
【0017】
上記の態様によれば、外リングがガタつくことを抑制できる。これにより、光コードが回転することを確実に抑制できる。
【0018】
前記かしめ突部は、前記凹部内に収容された状態で、外リングの周方向の両側から、前記凹部の内壁面に形成された前記回り止め部に挟まれていることが好ましい。
【0019】
上記の態様によれば、かしめ突部が回り止め部によって外リングの周方向の両側から挟まれることにより、外リング、及び光コードが回転することを確実に抑制できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、光コネクタに配される光コードが回転することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態1に係る光コネクタを示す断面図
【図2】ロアハウジングを示す側面図
【図3】ロアハウジングを示す平面図
【図4】ロアハウジングを示す背面図
【図5】アッパーハウジングを示す側面図
【図6】アッパーハウジングを示す底面図
【図7】アッパーハウジングを示す背面図
【図8】内リング、外リング、及び光コードを示す分解斜視図
【図9】光コードに内リング及び外リングが取り付けられた状態を示す斜視図
【図10】ロア側径小部収容溝と、アッパー側径小部収容溝と、径小部と、を示す背面図
【図11】第1かしめ突部と、回り止め部との係合状態を示す背面図
【図12】本発明の実施形態2に係る光コネクタにおいて、第1かしめ突部と、回り止め部との係合状態を示す背面図
【図13】本発明の実施形態3に係る光コネクタにおいて、第1かしめ突部と、回り止め部との係合状態を示す背面図
【図14】本発明の実施形態3に係る光コネクタにおいて、第1かしめ突部と、回り止め部との係合状態を示す背面図
【発明を実施するための形態】
【0022】
<実施形態1>
本発明を、互いに嵌合する一対の光コネクタの少なくとも一方に適用した実施形態1を図1ないし図11を参照しつつ説明する。光コネクタは、雄側光コネクタ10と、この雄側光コネクタ10が嵌入されるフード部11を有する雌側光コネクタ12(特許請求の範囲に記載の光コネクタの一例)と、を備える。なお、以下の説明においては、各光コネクタの嵌合方向の前方を前方とし、嵌合方向の後方を後方とする。また、上下方向については、図1の上方を上方とし、下方を下方とする。
【0023】
(雄側光コネクタ10)
図1において右側に位置する雄側光コネクタ10は、フェルール13Aを収容するキャビティ14が形成された合成樹脂製の雄側ハウジング15を有する。フェルール13Aは、光ファイバ16Aの外周をシース17Aで被覆してなる光コード18Aの端末から露出する光ファイバ16Aの先端に外嵌されている。光ファイバ16Aとフェルール13Aとは接着剤等、公知の手法により固定されている。フェルール13Aは前後方向に細長い形状をなしている。フェルール13Aの外面には、外方に突出するフランジ19が形成されている。このフランジ19と、キャビティ14内に内方に突出して形成されたばね受け部20との間には、ばね21が介在されている。このばね21により、フェルール13Aは前方(図1における左方)に付勢されている。
【0024】
キャビティ14に前壁にはフェルール13Aの前端部が挿通される挿通孔22が形成されている。挿通孔22から突出するフェルール13Aは、雄側ハウジング15に形成された保護筒部23によって包囲されており、この保護筒部23によって保護されている。
【0025】
(雌側光コネクタ12)
図1における左側に位置する雌側光コネクタ12は、フェルール13Bが収容される合成樹脂製の雌側ハウジング24を有する。雌側ハウジング24のフード部11内には、嵌合筒部25が前方(図1における右方)に突出して形成されている。嵌合筒部25は、雄側ハウジング15の保護筒部23内に嵌入されるようになっている。保護筒部23の内部には割スリーブ26が挿入されている。
【0026】
割スリーブ26は、金属製であって弾性変形可能な材料からなり、略円筒形状をなしている。割スリーブ26の側縁には前後方向に図示しないスリット35が形成されており、このスリット35により、割スリーブ26は径方向について弾性変形可能になっている。
【0027】
割スリーブ26の後端には、割スリーブ26の径方向外方に突出する一対の係合突起27が形成されている。この係合突起27がフード部11の後壁に後方(図1における左方)から係合することにより、割スリーブ26が前方(図1における右方)に移動することが抑制されるようになっている。
【0028】
図3に示すように、雌側ハウジング24は、フード部11を備えると共に上方に開口されたロアハウジング28と、ロアハウジング28に上方から組み付けられるアッパーハウジング29と、を備える。ロアハウジング28と、アッパーハウジング29とに囲まれた空間内に、光コード18Bの端部と、フェルール13Bと、が収容されている。ロアハウジング28の側壁には外方に突出するロック突部31が形成されている。図2に示すように、ロック突部31は、ロアハウジング28の側壁に前後方向に2つ並んで形成されている。
【0029】
図7に示すように、アッパーハウジング29は、上壁と、この上壁の左右両側縁から下方に垂下する一対の側壁を有する。図5に示すように、アッパーハウジング29の側壁には、ロック突部31に対応する位置に、ロック突部31と弾性的に係合するロック受け部32が形成されている。このロック突部31とロック受け部32とが弾性的に係合することにより、ロアハウジング28とアッパーハウジング29とが一体に組み付けられるようになっている。
【0030】
(光ファイバ16)
図1に示すように、光ファイバ16Bの外周をシース17Bで被覆してなる光コード18Bの端末から露出する光ファイバ16Bの先端にはフェルール13Bが外嵌されている。光ファイバ16Bは、フェルール13Bに形成された図示しない貫通孔内に挿通された状態で、接着剤等、公知の手法により固定されている。光ファイバ16Bは、光信号を伝送する部材であり、公知の各種光ファイバが適用される。
【0031】
フェルール13Bの先端は、割スリーブ26の後端側(図1における左側)から、割スリーブ26内に挿入されている。雌側光コネクタ12と雄側光コネクタ10とが嵌合すると、雄側光コネクタ10のフェルール13Aが割スリーブ26の内部に挿入され、雌側光コネクタ12のフェルール13Bの先端面と、雄側光コネクタ10のフェルール13Aの先端面とが割スリーブ26内で突き合わせられる。これにより、両フェルール13A,13Bに固定された光ファイバ16A,16Bが光学的に接続されるようになっている。
【0032】
図8に示すように、光コード18Bのシース17Bは略チューブ状をなす。シース17Bの内部には軸線方向に延びる貫通孔33が形成されている。シース17Bの断面形状は特に限定されるものではないが、本実施形態では略円形状をなしている。シース17Bは、外周から圧縮力が加えられると、径方向に圧縮変形可能になっている。シース17Bは、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ノンハロゲン難燃ポリエチレンなどの各種合成樹脂材料により形成される。
【0033】
貫通孔33の内部には、抗張力材34が収容されており、更に、この抗張力材34に囲まれた状態で光ファイバ16Bが収容されている。抗張力材34は紐状の部材である。抗張力材34は、光コード18Bに過大な張力が加えられた場合に、光ファイバ16Bの破断を防止するための部材であり、例えばアラミド繊維により形成される。
【0034】
シース17Bの端部には、その端面から軸線方向に延びるスリット35が形成されている。抗張力材34は、このスリット35内に挿通されて、シース17Bの外側に引き出されている。
【0035】
(内リング36及び外リング37)
図8及び図9に示すように、シース17Bの外側に引き出された抗張力材34は、金属製の内リング36と、金属製の外リング37との間に挟まれた状態で、外リング37が縮径変形されてかしめつけられることにより、内リング36及び外リング37によって挟持される。
【0036】
内リング36は、例えば、金属材料を切削加工することにより形成される。内リング36は略環状又は筒状をなしている。内リング36の内径は、光コード18Bのシース17Bの外径と同じか、やや大きく設定されている。これにより、内リング36は光コード18Bのシース17Bに外嵌可能になっている。内リング36の外周面には、抗張力材34との結合強度を向上させるための凹凸が形成されていてもよい。
【0037】
外リング37は、例えば、金属材料を切削加工することにより形成される。外リング37は略環状又は筒状をなしている。外リング37は、比較的に内径が小さな径小部38と、この径小部38よりも大きな内径を有する径大部39と、が外リング37の軸線方向に直列に設けられている。
【0038】
径小部38の内径は、光コード18Bのシース17Bの外径と同じか、やや大きく設定されている。これにより外リング37の径小部38は、光コード18Bのシース17Bに外嵌可能になっている。
【0039】
大径部の内径は、内リング36の外径よりもやや大きく設定されている。これにより、外リング37の径大部39は、内リング36の外側に抗張力材34を介在させた状態で内リング36に外嵌可能になっている。
【0040】
内リング36は、外リング37よりも変形しにくい材料からなる構成とすることができる。例えば、内リング36は外リング37よりも硬い材料により形成されてもよい。例えば、内リング36がステンレス鋼、又は黄銅等の銅合金により形成される構成とし、外リング37がアルミニウム又はアルミニウム合金により形成される構成としてもよい。
【0041】
続いて、内リング36及び外リング37と、光コード18Bとの取り付け構造について説明する。光コード18Bの抗張力材34は、シース17Bに形成されたスリット35に通されて、シース17Bの外部に引き出されている。内リング36は、前方からシース17Bの前端部に外嵌されている。シース17Bの外部に引き出された抗張力材34は、内リング36の外周側に配されている。
【0042】
外リング37の径小部38は、光コード18Bのシース17Bに、内リング36よりも後方の位置に外嵌されており、外リング37の径大部39は、内リング36の外側に重なるように配されている。径小部38は、縮径方向に塑性変形されてかしめ付けられることによりシース17Bの外面に食い込んだ状態で固定されている。径小部38がかしめられることにより、径小部38には、径小部38の略直径方向について突出する一対の第1かしめ突部40(特許請求の範囲に記載のかしめ突部の一例)が形成されている。
【0043】
一方、径大部39は、内リング36との間に抗張力材34を挟んだ状態で縮径方向に塑性変形されてかしめ付けられている。径大部39がかしめられることにより、径大部39には、径大部39の直径方向について突出する一対の第2かしめ突部41が形成されている。本実施形態においては、第1かしめ突部40の突出する方向と、第2かしめ突部41の突出する方向とは略整合しているが、第1かしめ突部40の突出する方向と、第2かしめ突部41の突出する方向とが相違していてもよい。
【0044】
(外リング収容部42)
図3に示すように、ロアハウジング28の収容部内には、外リング37が収容されるロア側外リング収容溝43が前後方向に延びて形成されている。本実施形態においては、ロア側外リング収容溝43は、2つ並んで形成されている。ロア側外リング収容溝43は、外リング37の径小部38が収容されるロア側径小部収容溝44と、このロア側径小部収容溝44の前方(図3における右方)に形成されたロア側径大部収容溝45と、を備える。
【0045】
一方、図6に示すように、アッパーハウジング29の上壁には、ロアハウジング28のロア側外リング収容溝43に対応する位置に、2つのアッパー側外リング収容溝46が前後方向に延びて形成されている。アッパー側外リング収容溝46は、外リング37の径小部38が収容されるアッパー側径小部収容溝47と、このアッパー側径小部収容溝47の前方(図6における右方)に形成されたアッパー側径大部収容溝48と、を備える。
【0046】
ロアハウジング28とアッパーハウジング29とが組み付けられた状態では、ロア側外リング収容溝43と、アッパー側外リング収容溝46とに囲まれる空間は、外リング収容部42とされており、前後方向に延びる略筒状をなしている。外リング37は、ロアハウジング28のロア側外リング収容溝43内に載置された後に、アッパーハウジング29をロアハウジング28に組み付けることにより、外リング収容部42内に収容される構成となっている。
【0047】
(回り止め部49)
図4に示すように、ロア側径小部収容溝44は、その断面形状が略半円形状をなしている。ロア側径小部収容溝44の内径寸法は、径小部38の外形と略同じかやや大きく設定されている。ロア側径小部収容溝44の内壁には、ロア側径小部収容溝44の上端部寄りの位置に、ロア側径小部収容溝44の径方向の外方に陥没する一対の凹部50が形成されている。凹部50において、ロア側径小部収容溝44の内壁面から陥没する寸法は、第1かしめ突部40が径小部38の外面から突出する寸法と、同じか、又はやや大きく設定されている。図3に示すように、凹部50は、ロア側径小部収容溝44における前後方向の全域に亘って形成されている。
【0048】
図10及び図11に示すように、ロア側径小部収容溝44の内部に径小部38が収容された状態では、一対の第1かしめ突部40は、各凹部50の上方に位置するように配されている。凹部50の内壁面は、第1かしめ突部40に対して下方から当接してもよく、また、離間していてもよい。凹部50の内壁面は、外リング37に対して、外リング37の周方向の力が加えられた時に、この力と反対方向であって、且つ外リング37の周方向から第1かしめ突部40に当接する回り止め部49とされる。図11に示すように、外リング37の径小部38の外面は、アッパー側径小部収容溝47の内壁と、ロア側径小部収容溝44の内壁との間に挟み付けられて保持されるようになっている。なお、図10及び図11においては、第1かしめ突部40と回り止め部49との係合状態を説明するために、光コード18B、及び内リング36等が省略されている。
【0049】
(本実施形態の作用、効果)
続いて、本実施形態の作用、効果について説明する。光コード18Bに対して、光コード18Bの周方向の力が加えられると、光コード18Bは光コード18Bの軸線を中心として回転しようとする。光コード18Bには、シース17Bと光ファイバ16Bとの間に抗張力材34が介在されているので、この抗張力材34も回転しようとする。この抗張力材34は内リング36と外リング37との間に挟持されているので、外リング37に対しても、抗張力材34を介して、外リング37の周方向の力が加えられ、これにより外リング37は、その軸線を中心として回転しようとする。
【0050】
本実施形態においては、外リング37が収容される外リング収容部42の内壁には凹部50が陥没して形成されており、この凹部50の内壁面が回り止め部49とされている。詳細には、外リング収容部42を構成するロア側径小部収容溝44の上端部寄りの位置に陥没して形成された凹部50の内壁面が回り止め部49とされる。この回り止め部49が、外リング37の軸線を中心として回転しようとする第1かしめ突部40に対して、外リング37の周方向であって、且つ外リング37に加えられた力と反対方向から当接する。本実施形態においては、回り止め部49は、第1かしめ突部40に対して下方から当接するようになっている。これにより、外リング37がその軸線を中心として回転することが抑制される。この結果、外リング37、抗張力材34、及び光コード18Bが回転することを抑制できる。この結果、光ファイバ16Bに捻回力が作用することを抑制できるので、光ファイバ16Bが破損することを抑制できる。
【0051】
また、上記したように本実施形態においては、回り止め部49は、リング収容部の内壁に陥没して形成された凹部50の内壁面とされる。このように、本実施形態によれば、リング収容部の内壁に凹部50を形成するという簡易な構成により、光コード18Bの回転を抑制できる。
【0052】
本実施形態においては、径小部38に形成された第1かしめ突部40と、回り止め部49とが当接する構成となっている。この径小部38は、光コード18Bのシース17Bにかしめ付けられているので、径小部38の回り止めを図ることにより、光コード18Bが回転することを確実に抑制できる。
【0053】
また、ハウジングはロアハウジング28と、ロアハウジング28に組み付けられるアッパーハウジング29と、を備え、ロアハウジング28とアッパーハウジング29とが組み付けられることにより、ロアハウジング28とアッパーハウジング29との間に外リング収容部42が形成されている。これにより、図10に示すように、ロアハウジング28のうち外リング収容部42に対応する位置に外リング37を載置した後に、アッパーハウジング29を、上方から(図10において矢線で示す方向)ロアハウジング28に組み付けることにより、外リング37を、外リング収容部42内に収容することができる。これにより、例えばハウジングに孔状に形成された外リング収容部42内に、外リング37を挿入して収容する場合に比べて、外リング37をハウジング内に収容する作業工程を容易に行うことができる。
【0054】
また、本実施形態によれば、外リング37の径小部38の外面は、アッパー側径小部収容溝47の内壁と、ロア側径小部収容溝44の内壁との間に挟み付けられている。これにより、外リング37がガタつくことを抑制できる。この結果、光コード18Bが回転することを確実に抑制できる。
【0055】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図12及び図13を参照しつつ説明する。本実施形態においては、径小部38には、4つの第1かしめ突部60が、互いに90°の角度を有して等角度間隔を空けて形成されている。
【0056】
ロア側径小部収容溝44の上端部寄りの位置には、一対の凹部61Aが陥没して形成されている。ロア側径小部収容溝44の底部には、下方に陥没して凹部61Bが更に形成されている。更に、アッパー側径小部収容溝47の上部には、上方に陥没する凹部61Cが形成されている。これにより、ロア側径小部収容溝44とアッパー側径小部収容溝47との間に形成される外リング収容部42内には、90°の間隔を空けて4つの凹部61A,61B,61Cが形成されている。これらの凹部61A,61B,61Cの内壁面は、第1かしめ突部40と外リング37の周方向から当接する回り止め部62とされる。
【0057】
第1かしめ突部60は、凹部61B,61C内に収容された状態で、外リング37の周方向の両側から、凹部61B,61Cの内壁面に形成された回り止め部62に挟まれた構成になっている。
【0058】
上記以外の構成については、実施形態1と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0059】
例えば、外リング37に1つのかしめ突部が形成されており、外リング収容部42には1つの回り止め部が形成されている場合、外リング37を外リング収容部42内に収容するためには、最悪の場合、外リング37を略360°回転させなければならない。このため、外リング37を外リング収容部42内に収容する工程が煩雑となってしまう。
【0060】
上記の点に鑑み、本実施形態においては、4つの第1かしめ突部60が外リング37の周方向について等角度間隔を空けて形成されている。また、外リング収容部42の内壁には、4つの第1かしめ突部60の角度間隔と同じ角度間隔を空けて、4つの回り止め部62が形成されている。これにより、外リング37をリング収容部に収容する工程において、作業者は、隣り合う第1かしめ突部60の角度だけ外リング37を回転させれば、第1かしめ突部60と、回り止め部62とを対応させることができる。詳細に説明すると、本実施形態のように、外リング37の外周に4つの第1かしめ突部60が90°間隔を空けて形成されており、外リング収容部42には、第1かしめ突部60に対応して90°間隔を空けて4つの回り止め部62が形成されている場合、作業者は、最悪の場合であっても、外リング37を略90°回転させるだけで、第1かしめ突部60と回り止め部62とを対応させることができる。これにより、外リング37を外リング収容部42内に収容する工程の作業効率を向上させることができる。
【0061】
また、本実施形態によれば、各第1かしめ突部60が回り止め部62によって外リング37の周方向の両側から挟まれることにより、外リング37、及び光コード18Bが回転することを確実に抑制できる。
【0062】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図13及び図14を参照しつつ説明する。本実施形態においては、径小部38には、2つの第1かしめ突部70が、互いに180°の角度を有して等角度間隔を空けて形成されている。
【0063】
上記以外の構成については、実施形態2と略同様なので、同一部材については同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0064】
図13及び図14に示すように、本実施形態によれば、作業者は、外リング37を略90°回転させるだけで、第1かしめ突部70と回り止め部49とを対応させることができる。これにより、外リング37を外リング収容部42内に収容する工程の作業効率を向上させることができる。
【0065】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)本実施形態においては、本発明が雌側光コネクタ12に適用される形態について説明したが、本発明は雄側光コネクタ10にも適用できる。
(2)本実施形態に係る光コード18Bは1つの光ファイバ16Bを有する構成であったが、これに限られず、1つの光コード18Bに複数の光ファイバ16Bが含まれる構成としてもよい。
(3)本実施形態においては、回り止め部49は外リング収容部42の内壁に形成された凹部50の内壁面としたが、これに限られず、回り止め部49は、外リング収容部42の内壁から内方に突出する凸部としてもよい。
(4)本実施形態においては、1つの外リング37に複数のかしめ突部が形成され、外リング収容部42には複数の回り止め部49が形成される構成としたが、これに限られず、1つの外リング37に1つのかしめ突部が形成される構成としてもよい。この場合において、外リング収容部42には、1つの回り止め部を形成してもよく、また、複数の回り止め部を形成してもよい。複数の回り止め部は、異なる角度間隔で形成してもよい。
(5)実施形態2においては、複数の第1かしめ突部60が等角度間隔を空けて外リング37に形成され、外リング収容部42には隣り合う第1かしめ突部60の角度に対応する角度間隔で複数の回り止め部62が形成される構成としたが、これに限られず、複数のかしめ突部が異なる角度間隔を空けて外リング37に形成され、外リング収容部42にはかしめ突部に対応する位置に複数の回り止め部49が形成される構成としてもよい。
(6)本実施形態においては、第1かしめ突部は2つ、又は4つである形態としたが、これに限られず、3つ、又は5つ以上の複数の第1かしめ突部が形成される構成としてもよい。
(7)本実施形態においては、外リング37の径小部38に形成された第1かしめ突部40と、回り止め部49とが当接することにより、外リング37、及び光コード18Bが回転することが抑制される構成としたが、これに限られず、外リング37の径大部39に形成された第2かしめ突部41と、ロア側径大部収容溝45又はアッパー側径大部収容溝46に形成された回り止め部と、が外リング37の周方向から当接することにより、外リング37、及び光コード18Bが回転することを抑制する構成としてもよい。
(8)本実施形態においては、光コネクタには2つの光コード18Bが配される構成としたが、これに限られず、1つの光コネクタに1つの光コードが配される構成としてもよく、また、1つの光コネクタに3つ以上の光コードが配される構成としてもよい。
【符号の説明】
【0066】
12…雌側光コネクタ(光コネクタ)
13B…フェルール
16B…光ファイバ
17B…シース
18B…光コード
24…雌側ハウジング(ハウジング)
28…ロアハウジング
29…アッパーハウジング
34…抗張力材
36…内リング
37…外リング
40…第1かしめ突部(かしめ突部)
42…外リング収容部
49…回り止め部
50…凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバの外周をシースで被覆してなる光コードの端末から露出された前記光ファイバの先端に外嵌されたフェルールが収容されるハウジングを備えた光コネクタであって、
前記光ファイバと前記シースとの間には抗張力材が介在されており、前記シースから露出された前記抗張力材は、内リングと外リングとの間に挟まれた状態で前記外リングをかしめることにより前記内リング及び前記外リングによって挟持されており、前記外リングには前記外リングの径方向について外方に突出するかしめ突部が形成されており、
前記ハウジングには前記外リングが収容される外リング収容部が形成されており、前記外リング収容部の内壁には、前記外リングに対して前記外リングの周方向の力が加えられた時に前記かしめ突部に対して前記外リングの周方向から当接する回り止め部が形成されている光コネクタ。
【請求項2】
前記回り止め部は、外リング収容部の内壁に陥没して形成された凹部の内壁面である請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項3】
前記外リングには複数の前記かしめ突部が前記外リングの周方向について等角度間隔を空けて形成されており、前記外リング収容部の内壁には、複数の前記かしめ突部の角度間隔と同じ角度間隔を空けて、複数の前記回り止め部が形成されている請求項1または請求項2に記載の光コネクタ。
【請求項4】
前記ハウジングはロアハウジングと、前記ロアハウジングに組み付けられるアッパーハウジングと、を備え、前記ロアハウジングと前記アッパーハウジングとが組み付けられることにより、前記ロアハウジングと前記アッパーハウジングとの間に前記外リング収容部が形成されている請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の光コネクタ。
【請求項5】
前記外リングの外周面は、前記ロアハウジングと前記アッパーハウジングとが組み付けられた状態で、前記ロアハウジングと前記アッパーハウジングとの間に挟持されている請求項4に記載の光コネクタ。
【請求項6】
前記かしめ突部は、前記凹部内に収容された状態で、外リングの周方向の両側から、前記凹部の内壁面に形成された前記回り止め部に挟まれている請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の光コネクタ。
【請求項1】
光ファイバの外周をシースで被覆してなる光コードの端末から露出された前記光ファイバの先端に外嵌されたフェルールが収容されるハウジングを備えた光コネクタであって、
前記光ファイバと前記シースとの間には抗張力材が介在されており、前記シースから露出された前記抗張力材は、内リングと外リングとの間に挟まれた状態で前記外リングをかしめることにより前記内リング及び前記外リングによって挟持されており、前記外リングには前記外リングの径方向について外方に突出するかしめ突部が形成されており、
前記ハウジングには前記外リングが収容される外リング収容部が形成されており、前記外リング収容部の内壁には、前記外リングに対して前記外リングの周方向の力が加えられた時に前記かしめ突部に対して前記外リングの周方向から当接する回り止め部が形成されている光コネクタ。
【請求項2】
前記回り止め部は、外リング収容部の内壁に陥没して形成された凹部の内壁面である請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項3】
前記外リングには複数の前記かしめ突部が前記外リングの周方向について等角度間隔を空けて形成されており、前記外リング収容部の内壁には、複数の前記かしめ突部の角度間隔と同じ角度間隔を空けて、複数の前記回り止め部が形成されている請求項1または請求項2に記載の光コネクタ。
【請求項4】
前記ハウジングはロアハウジングと、前記ロアハウジングに組み付けられるアッパーハウジングと、を備え、前記ロアハウジングと前記アッパーハウジングとが組み付けられることにより、前記ロアハウジングと前記アッパーハウジングとの間に前記外リング収容部が形成されている請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の光コネクタ。
【請求項5】
前記外リングの外周面は、前記ロアハウジングと前記アッパーハウジングとが組み付けられた状態で、前記ロアハウジングと前記アッパーハウジングとの間に挟持されている請求項4に記載の光コネクタ。
【請求項6】
前記かしめ突部は、前記凹部内に収容された状態で、外リングの周方向の両側から、前記凹部の内壁面に形成された前記回り止め部に挟まれている請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の光コネクタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−233949(P2012−233949A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100634(P2011−100634)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】
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