説明

光サブキャリア生成器

【課題】周波数間隔が等しく且つ強度が一定で平坦な光サブキャリアを生成することができ、且つ、装置構成が簡易で装置規模が小さい光サブキャリア生成器を提供する。
【解決手段】非線形な位相−電圧特性を有する光位相変調部25,26を備えたマッハツェンダ型光変調器20と、CW光源31と、光位相変調部25,26に同一振幅電圧Vmの正弦波電圧信号を印加する正弦波電気信号源32と、光位相変調部25に直流バイアス電圧Vb1を印加する直流電圧源33と、光位相変調部26に直流バイアス電圧Vb2を印加する第2の直流電圧源34とを有し、且つ、これらの電圧の大小関係がVb1>Vb2≧Vmであり、光位相変調部25,26のそれぞれを、同一振幅電圧Vmの正弦波電圧信号と互いに異なる直流バイアス電圧Vb1,Vb2とで駆動して、光位相変調振幅を制御することにより、光位相変調部25,26間で非対称に光位相変調を行う構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光サブキャリア(光副搬送波)を生成する光サブキャリア生成器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の光ファイバ通信システムに対する要求として、波長分割多重光伝送技術を基本とした、総伝送容量が数テラビット/秒から数十テラビット/秒を可能とする伝送システム及びデバイスの研究開発が盛んに行われている。従来の光ファイバ通信で用いられている、強度「0」、「1」のみを信号として用いるバイナリ伝送による強度変調、直接検波方式の場合、40ギガビット/秒や100ギガビット/秒といった高速化に伴い、送信信号の光スペクトルが広がる結果、分散耐性が急激に劣化するだけでなく、波長分割多重におけるチャネル間クロストークを避けるために、波長間隔を広く確保する必要があることなどが、周波数利用効率の低下やネットワークの柔軟性を低下させる要因となっている。
【0003】
そこで、1チャネルあたりの周波数帯域を占有せずにビットレートを増大させる方法として、変調方式の多値化や多重化などの技術が重要となっている。
【0004】
分散耐性の向上と周波数利用効率を高めるための技術として、直交周波数分割多重方式(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM)が有望視されている。同方式は、マルチキャリア伝送方式の一種であり、各々のサブキャリアが直交関係となるような条件の下で多重化することにより、サブキャリア間の変調スペクトルのオーバーラップに対して受信端で分離、復調可能なことから、移動体無線通信を始めとするワイヤレス伝送において実用化されている。直交周波数分割多重方式では、単一キャリアの伝送と比べて、サブキャリアあたりのビットレートを1/N(N:光サブキャリア数)に低速化することが可能となるため、同方式を光ファイバ通信に適用することで、各サブキャリアの送信信号のスペクトル広がりを抑圧し、光ファイバの波長分散や偏波モード分散に起因する伝送容量の制限を緩和することができる。
【0005】
直交周波数分割多重方式を光ファイバ通信システムに応用する手段として、下記の非特許文献1に示されているような電気処理によって生成されたOFDMベースバンド信号を用いて光変調器を駆動する方式がある。また、下記の特許文献1,2などに示されているように、光の領域で光直交サブキャリアを生成し、各々のサブキャリアを強度変調又は位相変調する方法が提案されている。更には、光のサブキャリアをそれぞれ、電気処理によって生成されたOFDMベースバンド信号を用いて変調することで、光波長帯域毎にOFDM方式を用いることにより光ファイバ通信とワイヤレス通信のフレキシブルな接続が期待できる。
【0006】
このように光サブキャリアを搬送波として積極的に使用する手法では、光サブキャリア毎にどのような変調を行うかがフレキシブルに決定されるだけでなく、必要な情報量を送信するために必要な帯域(光サブキャリア数)を確保して適切に変調を行うことで、ネットワークの柔軟性の向上を可能とする。
【0007】
光サブキャリアの最も単純な生成方法は、複数のレーザ光源の発振周波数(波長)を高精度に制御することで、光サブキャリアを生成する方法である。しかし、この方法では、周波数間隔(波長間隔)が重要となる光OFDMについては、各々の周波数(波長)を精度よく合わせることが困難となる。
【0008】
これに対して、下記の非特許文献2,3,4に示されるように、光変調器を駆動して変調側波帯を利用するものや、光共振器の強制モード同期を用いる等といった手法で周波数スペクトルを光サブキャリアとして利用する方法がある。これらの方法は、光変調器を正弦波の電気信号で駆動することにより、変調周波数と同じ周波数間隔で変調側波帯が生成され、周波数間隔を精度よく光サブキャリアを生成することができるため、レーザ光源を複数個用いる方法と比べて、光OFDM用の光サブキャリア生成に適しているといえる。
【0009】
また、光サブキャリアの各々のスペクトルの強度が一定となることは、伝送システムを構築する際の光信号の等化増幅や受信感度等の点から、受信系に適した送信信号を生成するために必須である。
【0010】
非特許文献2の光サブキャリア生成器は、光位相変調器と光強度変調器とを併用し、これらを同じ変調周波数の同期信号でそれぞれ駆動し、初段の光位相変調器で生成された変調側波帯を後段に接続された光強度変調器で強度変調し、相互に周波数スペクトルを干渉させることで、光サブキャリアのスペクトルの強度を一定にするものである。
【0011】
非特許文献4の光サブキャリア生成器は、図12に示すように、単一のマッハツェンダ型光位相変調器10を用いたものである。このマッハツェンダ型光位相変調器10は、光分岐部(光導波路分岐部)1と、光結合部(光導波路結合部)2と、光分岐部1と光結合部2とに挟まれた第1のアーム光導波路3及び第2のアーム光導波路4と、第1のアーム光導波路3上に形成されている第1の光位相変調部6と、第2のアーム光導波路4上に形成されている第2の光位相変調部7とを有するものである。光サブキャリア生成器は、このマッハツェンダ型光位相変調器10と、CW光(連続光)を発生するCW光源11と、正弦波電気信号源12と、第1の電気アンプ13と、第2の電気アンプ14と、直流電圧源15と、偏光制御器16とを備えた構成となっている。
【0012】
この非特許文献4の光サブキャリア生成器では、マッハツェンダ型光位相変調器10のアーム光導波路3,4上に形成されている光位相変調部5,6のそれぞれを、正弦波電気信号源12から電気アンプ13,14を介して印加される異なる大きさの振幅電圧の正弦波電圧信号と、直流電圧源15から印加される直流電圧とで駆動することにより、CW光源11から偏光制御器16を介して入力し光分岐部1で分岐した光をそれぞれ位相変調した後、マッハツェンダ型光位相変調器10の出力合波端(光結合部2)で各々の変調スペクトルをベクトル的に合成することにより、光サブキャリアのスペクトルの強度を一定とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2009−17320号公報
【特許文献2】特開2009−124700号公報
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】S.L.Jansen, I.Morita, N.Takeda, and H.Tanaka,“20-Gb/s OFDM Transmission over 4,160-km SSMF Enabled by RF-Pilot Tone Phase Noise Compensation,”Proc. of OFC/NFOEC2007, paper PDP15, 2007.
【非特許文献2】Fujiwara, M., J. Kani, et al. (2001). "Flattened optical multicarrier generation of 12.5 GHz spaced 256 channels based on sinusoidal amplitude and phase hybrid modulation." Electronics Letters 37(15): 967-968.
【非特許文献3】Kourogi, M., K. Nakagawa, et al. (1993). "Wide-span optical frequency comb generator for accurate optical frequency difference measurement." Quantum Electronics, IEEE Journal of 29(10): 2693-2701.
【非特許文献4】Sakamoto, T., T. Kawanishi, et al. (2007). "Asymptotic formalism for ultraflat optical frequency comb generation using a Mach-Zehnder modulator." Opt. Lett. 32(11): 1515-1517.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、非特許文献2の光サブキャリア生成器では、平坦性の良い光サブキャリアの生成は可能であるが、光位相変調器と光強度変調器とを直結し、これらの同期駆動が不可欠であるため、装置規模が増大し、且つ、装置構成が複雑となるという問題点がある。
【0016】
また、非特許文献4の光サブキャリア生成器では、前述の非特許文献2の問題点を克服するための、直結された2つの光変調器を必要とせず、これらの同期駆動も不用となる構成となっているが、各位相変調部5,7を異なる大きさの振幅電圧の正弦波信号で駆動するために電気アンプ13,14や減衰器等の電圧調整するための装置が2つ必要となってしまう。従って、非特許文献4の光サブキャリア生成器においても、装置規模が増大するといった問題点は解決されていない。
【0017】
また、非特許文献2,3,4における共通の問題点として、CW光を発生するCW光源を、変調器とは別に外部に用意する必要があるという問題点がある。この場合、外部にCW光源を設けるだけでなく、外部のCW光源と光変調器とを最適な偏光状態で接続するために偏光制御器も必要となることがあり、偏光制御器を設けることによって装置規模が増大するだけでなく、全体の装置構成が複雑化するという問題点も挙げられる。
【0018】
従って本発明は上記の問題点に鑑み、周波数間隔が等しく、且つ、強度が一定で平坦な光サブキャリアを生成することができ、且つ、従来よりも装置構成が簡易で装置規模が小さい光サブキャリア生成器を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決する第1発明の光サブキャリア生成器は、光分岐部と、光結合部と、前記光結合部と前記光結合部とに挟まれた第1のアーム光導波路及び第2のアーム光導波路と、前記第1のアーム光導波路上に形成された非線形な位相−電圧特性を有する第1の光位相変調部と、前記第2のアーム光導波路上に形成された非線形な位相−電圧特性を有する第2の光位相変調部とを備えたマッハツェンダ型光変調器と、
CW光を前記光分岐部へ出力するCW光源と、
前記第1の光位相変調部及び前記第2の光位相変調部に同一振幅電圧の正弦波電圧信号を印加する正弦波電気信号源と、
前記第1の光位相変調部に第1の直流バイアス電圧を印加する第1の直流電圧源と、
前記第2の光位相変調部に第2の直流バイアス電圧を印加する第2の直流電圧源とを有し、
且つ、前記正弦波電圧信号の振幅電圧をVm、前記第1の直流バイアス電圧をVb1、前記第2の直流バイアス電圧をVb2とすると、これらの大小関係がVb1>Vb2≧Vmであり、
前記第1の光位相変調部及び前記第2の光位相調整部のそれぞれを、前記同一振幅電圧の正弦波電圧信号と互いに異なる前記第1の直流バイアス電圧と前記第2の直流バイアス電圧とで駆動して、光位相変調振幅を制御することにより、前記第1の光位相変調部と前記第2の光位相変調部の間で非対称に光位相変調を行う構成であること、
を特徴とする。
【0020】
また、第2発明の光サブキャリア生成器は、第1発明の光サブキャリア生成器において、前記第1の光位相変調部及び前記第2の光位相変調部は、半導体材料を用いた、量子閉じ込めシュタルク効果などの電界−光吸収に伴う屈折率変化を生じるものであることを特徴とする。
【0021】
また、第3発明の光サブキャリア生成器は、第1又は第2発明の光サブキャリア生成器において
前記CW光源と前記マッハツェンダ型光変調器が、同一の半導体基板上にモノリシックに集積されて、CW光源モノリシック集積マッハツェンダ型光変調器を構成していることを特徴とする。
【0022】
また、第4発明の光サブキャリア生成器は、第3発明の光サブキャリア生成器において、前記第1の光位相変調部及び前記第2の光位相変調部に前記同一振幅電圧の正弦波電圧信号を印加するための分岐線路と電極が、前記半導体基板上に形成されていることを特徴とする。
【0023】
また、第5発明の光サブキャリア生成器は、第1〜第4発明の何れかの光サブキャリア生成器において、
前記第1の直流バイアス電圧及び前記第2の直流バイアス電圧と、前記第1の光位相変調部と前記第2の光位相変調部の間の位相差の調整において、前記正弦波電圧信号による位相変調振幅成分、及び、前記第1の直流バイアス電圧と前記第2の直流バイアス電圧による位相変化量の、前記第1の光位相変調部と前記第2の光位相変調部の間での位相差をそれぞれ、Δφm及びΔφdcと定義するとき、直線Δφm=−Δφdc+πの位相差Δφm,Δφdcの関係を満たすように前記第1の光位相変調部及び前記第2の光位相変調部を駆動することで、光サブキャリアの強度を一定とする光サブキャリア生成器であって、直線Δφm=−Δφdc+πの定義域の初期点Δφdc1とエラーバーの誤差範囲errが、非線形性を示す位相項φnlによって、下記の式(I)及び式(II)で規定される範囲内となる位相差Δφm,Δφdcの関係となるよう駆動電圧を調整する構成であることを特徴とする。
【数1】

【0024】
また、第6発明の光サブキャリア生成器は、第1〜第5発明の何れかの光サブキャリア生成器において、
前記第1のアーム光導波路上に形成した第1の光位相調整部と、
前記第2のアーム光導波路上に形成した第2の光位相調整部と、
前記第1の光位相調整部に第1の直流電流又は第1の直流電圧を印加する第1の直流電源と、
前記第2の光位相調整部に第2の直流電流又は第2の直流電圧を印加する第2の直流電源とを有し、
前記第1の光位相調整部及び前記第2の光位相調整部のそれぞれを、前記第1及び第2の直流電流又は前記第1及び第2の直流電圧で駆動することにより、前記マッハツェンダ型光変調器の合波出力端である前記光結合部での初期位相差がゼロとなるように調整する構成であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明の光サブキャリア生成器によれば、第1の光位相変調部及び第1の光位相調整部のそれぞれを、同一振幅電圧の正弦波電圧信号と互いに異なる第1の直流バイアス電圧と第2の直流バイアス電圧とで駆動して、光位相変調振幅を制御することにより、第1の光位相変調部と第2の光位相変調部の間で非対称に光位相変調を行う構成のものであるため、互いに異なる振幅電圧を有する正弦波電圧信号を用いることなく、直流バイアス電圧の調整のみで、強度が平坦化された光サブキャリアを生成することができる。互いに異なる振幅電圧を有する正弦波電圧信号を生成する必要がないため、電気アンプなどが不要である。2つの直流電圧源が必要にはなるが、正弦波電圧信号を生成して光位相変調部に印加する駆動回路に比べて、直流のバイアス電圧を生成して光位相変調部に印加する回路は構成が単純であるあため、本発明の光サブキャリア生成器は、従来の光サブキャリア生成器に比べて、装置構成が簡易になり、装置規模も小さくなる。
また、CW光源と前記マッハツェンダ型光変調器を同一の半導体基板上にモノリシックに集積したCW光源モノリシック集積マッハツェンダ型光変調器を用いることにより、マッハツェンダ型光位相変調器とは別に外部のCW光源を設ける必要がなく、CW光源とマッハツェンダ型光位相変調器の間に偏光制御器を設ける必要がないため、更に装置構成が簡易で装置規模が小さい光サブキャリア生成器を実現することができる。
更には、第1の光位相変調部及び第2の光位相変調部に同一振幅電圧の正弦波電圧信号を印加するための分岐線路と電極を、半導体基板上に形成することにより、外部の電気信号配線を簡易化することもできる。
また、第1の光位相調整部と第2の光位相調整部を設けて位相調整を行うことにより、完全対称な構造でなくても、マッハツェンダ型光変調器の合波出力端(光結合部)での初期位相差をゼロにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態例1に係る光サブキャリア生成器の構成図である。
【図2】同一振幅電圧の正弦波電圧信号による位相変化量の直流バイアス電圧依存性を示す図である。
【図3】光サブキャリアの平坦化の動作原理を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態例2に係る光サブキャリア生成器の構成図である。
【図5】半導体における電圧印加時の位相変化量を示す図である。
【図6】アーム光導波路間の位相差と平坦度の関係を示す図である。
【図7】アーム光導波路間の位相差と平坦度の関係を示す図である。
【図8】光サブキャリアのスペクトルの計算例を示す図である。
【図9】光サブキャリアの平坦化を可能とする範囲を示す直線Δφm=−Δφdc+πとエラーバーの関係を示す図である。
【図10】非線形位相項φnlと光サブキャリアの平坦化可能な範囲の関係を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態例3に係る光サブキャリア生成器の構成図である。
【図12】従来の光サブキャリア生成器の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0028】
<実施の形態例1>
図1〜図3に基づき、本発明の実施例1に係る光サブキャリア生成器について説明する。
【0029】
図1に示すように、本発明の実施の形態例1に係る光サブキャリア生成器は、単一のマッハツェンダ型光位相変調器20を用いたものである。このマッハツェンダ型光位相変調器20は、光分岐部(光導波路分岐部)21と、光結合部(光導波路結合部)22と、光分岐部21と光結合部22とに挟まれた第1のアーム光導波路23及び第2のアーム光導波路24と、第1のアーム光導波路23上に形成された第1の光位相変調部25と、第2のアーム光導波路24上に形成された第2の光位相変調部26とを有するものである。
【0030】
第1の光位相変調部25及び第2の光位相変調部26は何れも、非線形な位相−電圧特性(非線形特性)を有するものである。このような光位相変調部25,26の非線形特性は、例えばポッケルス効果と量子閉じ込めシュタルク効果(QCSE)とを組み合わせて光位相変調部25,26に屈折率変化を生じさせることにより得られる。
【0031】
詳述すると、電界印加による屈折率変化を利用した光位相変調部において、ポッケルス効果だけを利用して屈折率変化を生じさせたとすると、当該光位相変調部は線形特性を示す。
これに対して、量子閉じ込めシュタルク効果、電気光学カー効果、フランツ・ケルディッシュ効果などの非線形な屈折率変化を示す電気光学効果を、単独で又は複数組み合わせて利用すること、或いは前記電気光学効果の何れかとポッケルス効果とを組み合わせて利用することにより、光位相変調部25,26に屈折率変化を生じさせると、光位相変調部25,26は非線形特性を有するようになる。
なお、光位相変調部25,26に電界を印加したときにどの電気光学効果が発現するかは、光位相変調部25,26を構成する材料、或いは光位相変調部25,26のコア層やクラッド層の構造などにより決めることが可能であり、公知技術を用いればよい。
【0032】
本実施の形態例1の光サブキャリア生成器は、上記のような非線形特性を有する光位相変調部25,26をアーム光導波路23,24に形成した構成のマッハツェンダ型光位相変調器20と、CW光を発生するCW光源31と、第1の光位相変調部25及び第2の光位相変調部26を駆動するための正弦波電気信号源32と、第1の光位相変調部25を駆動するための第1の直流電圧源33と、第2の光位相変調部26を駆動するための第2の直流電圧源34とを備えた構成となっている。
【0033】
CW光源31としては、例えば半導体レーザが用いられる。正弦波電気信号源32は、第1の光位相変調部25及び第2の光位相変調部26を駆動するための同一の振幅電圧Vmの正弦波電圧信号を発生する。第1の直流電圧源33は、第1の光位相変調部25を駆動するための第1の直流バイアス電圧Vb1を発生する。第2の直流電圧源34は、第2の光位相変調部26を駆動するための第2の直流バイアス電圧Vb2を発生する。第1の直流バイアス電圧Vb1と第2の直流バイアス電圧Vb2は、互いに異なる電圧である。また、第2の直流バイアス電圧Vb2は、正弦波電圧信号の振幅電圧Vm以上の電圧である。即ち、Vb1,Vb2,Vmの大小関係は、Vb1>Vb2≧Vmとなっている。
【0034】
マッハツェンダ型光位相変調器20の入力端である光分岐部21では、CW光源31から光分岐部21へ出力されるCW光を入力し、この入力光を第1の分岐光と第2の分岐光とに分岐する。前記第1の分岐光は第1のアーム光導波路23を伝搬し、前記第2の分岐光は第2のアーム光導波路24を伝搬する。
【0035】
第1の光位相変調部25では、正弦波電気信号源32から印加される振幅電圧Vmの正弦波電圧信号と、第1の直流電圧源33から印加される第1の直流バイアス電圧Vb1とによって駆動されることにより、前記第1の分岐光を位相変調して第1の位相変調光を生成する。第2の光位相変調部26では、正弦波電気信号源32から印加される振幅電圧Vmの正弦波電圧信号と、第2の直流電圧源34から印加される第2の直流バイアス電圧Vb2とによって駆動されることにより、前記第2の分岐光を位相変調して第2の位相変調光を生成する。
【0036】
即ち、光位相変調部25,26を駆動する正弦波電圧信号は、同一の振幅電圧Vmの正弦波電圧信号とする一方、光位相変調部25,26を駆動する直流バイアス電圧は、互いに異なる直流バイアス電圧Vb1,Vb2としている。正弦波電圧信号が同一の振幅電圧Vmであっても、光位相変調部25,26が非線形特性を有しており、この光位相変調部25,26に互いに異なる直流バイアス電圧Vb1,Vb2を印加するため、従来のような互いに異なる振幅電圧を有する正弦波電圧信号を印加する場合と実質的に同じ状態となる。
【0037】
従って、第1の光位相変調部25及び第2の光位相調整部26のそれぞれを、同一振幅電圧Vmの正弦波電圧信号と互いに異なる直流バイアス電圧Vb1,Vb2とで駆動して、光位相変調振幅を制御することにより、両アーム光導波路23,24(光位相変調部25,26)間で非対称に光位相変調を行うことができる。
【0038】
マッハツェンダ型光位相変調器20の出力端である光結合部22では、第1の光位相変調部25で位相変調された前記第1の位相変調光と、第2の光位相変調部26で位相変調された前記第2の位相変調光とを合波する。その結果、周波数間隔が等しく、且つ、強度が一定で平坦な光サブキャリアが生成されて、マッハツェンダ型光位相変調器20の出力端(光結合部22)から出力される。
【0039】
このように単一のマッハツェンダ型光位相変調器20を、同一の振幅電圧Vmの正弦波電圧信号と、互いに異なる直流バイアス電圧Vb1,Vb2とによって駆動することにより、周波数間隔が等しく、強度が平坦化された光サブキャリアを生成する原理について、以下に詳述する。
【0040】
<光サブキャリア生成の原理>
一般にマッハツェンダ光変調器20の入力電界と出力電界は、以下のような式で表わされる。
【数2】

ここで、φ1,φ2はマッハツェンダ型光位相変調器20のそれぞれのアーム光導波路23,24上に構成されている光位相変調器25,26による位相を示している。φ01,φ02は、それぞれのマッハツェンダ型光位相変調器20におけるアーム光導波路23,24での初期位相である。完全対称な構造を採用すること、もしくは、光位相変調部25,26部分とは別に初期位相を調整するための光位相調整領域(図11における光位相調整部91,92を参照)をアーム光導波路25,25上に設けることにより、これらの初期位相差はゼロにすることが可能となる。これにより、光位相変調部25,26部分のみの位相変化を考慮することができる。
【0041】
光位相変調部25,26での時間的な屈折率変化Δn1,Δn2により、時間的な位相変化は以下のように示される。
【数3】

λは伝搬する光波の波長、Lは光位相変調部25,26において光波が位相変調を受ける媒体の長さ、つまり位相変調領域の光波の進行方向に対する長さとなる作用長である。
【0042】
半導体における屈折率変化は、電界印加による屈折率変化を引き起こすポッケルス効果によるものと、光吸収係数の変化に伴う屈折率の変化によって、非線形な応答となる。一般に半導体における非線形な屈折率変化Δnは、以下のように表わされる。
【数4】

1,c2は、屈折率変化の電圧V(t)に対する係数である。
【0043】
本発明は、光位相変調部25,26を正弦波電圧信号で駆動して光波を変調する際のサイドバンドを利用するものである。従って、電圧V(t)は、バイアス電圧Vbと、振幅電圧Vmと、角周波数ωmにより、以下のように示される。
【数5】

【0044】
変調によるサイドバンドを利用した光サブキャリア生成では、変調周波数の整数倍の間隔で光サブキャリアが生成されるため、所望の光サブキャリア周波数間隔に応じて変調周波数を変えることで対応可能である。
【0045】
式(3)及び式(4)を式(2)に代入し、正弦波電圧信号の振幅電圧Vmは両アーム光導波路23,24(光位相変調部25,26)で一定とし、直流バイアス電圧は各アーム光導波路23,24(光位相変調部25,26)でそれぞれVb1及びVb2とするとき、各アーム光導波路23,24(光位相変調部25,26)での位相変化は以下のように表わされる。
【数6】

右辺の第1項は直流バイアス電圧、第2項は正弦波電圧信号によって誘起される位相変調振幅、第3項は非線形な位相応答によって生じる成分による、位相変化を示すことになる。
【0046】
従来の光サブキャリア生成器(図12)では、右辺の第2項は異なる振幅電圧の正弦波電圧信号を用いて光位相変調部5,7を駆動しているが、本発明では半導体の非線形な屈折率変化を用いることにより、直流バイアス電圧Vb1,Vb2を調整するのみで、位相変調振幅成分を制御することが可能になるため、簡易な構成で且つ調整の容易な光サブキャリア生成器によって平坦化光サブキャリアを生成することが可能となる。
【0047】
また、非線形成分に関しては、直流バイアス電圧に依存せず、両アーム光導波路23,24において共通に生じる位相変調項として取り扱われるため、マッハツェンダ型光位相変調器20の合波出力端(光結合部22)では、同位相成分として出力に直接影響しないことがわかる。
【0048】
屈折率変化の係数c1及びc2を、2πL/λを乗じて位相変化係数C1,C2に変換し、直流バイアス電圧Vb1及びVb2によって、式(5)の各項を置き換えると、以下のように示される。
【数7】

それぞれ、直流バイアス電圧Vb1,Vb2による位相変化分(位相変化量)φdc、振幅電圧Vmの正弦波電圧信号による位相変調振幅成分φm、非線形な電圧‐位相特性によって生じる位相成分(非線形性を示す位相項)φn1である。
【0049】
従って、各アーム光導波路23,24(光位相変調部25,26)での位相変化は、式(7)で表わすことができる。
【数8】

式(7)から明らかなように、各アーム光導波路23,24において、光位相変調部25,26の直流バイアス電圧Vb1,Vb2の調整のみで、独立に位相変調特性の制御が可能となることがわかる。
【0050】
図2には、非線形な位相‐電圧特性上において、直流バイアス電圧Vb1,Vb2を変化させることで、位相変調振幅(φm1,φm2)が変化する様子を示す。本発明の特徴は、非線形な位相-電圧応答を用いることによって同一の振幅電圧Vmの正弦波電圧信号であっても、バイアス点を調整することで位相変化振幅を制御できることであり、従来技術と比べて、振幅電圧の大きさが異なる2つ正弦波信号を2つ用いる必要がないため、簡易に両アーム光導波路23,24(光位相変調部25,26)間において非対称な位相変調動作を可能にすることである。
【0051】
式(7)を、マッハツェンダ型光位相変調器20の出力電界の式(1)に代入し、初期位相をゼロとするとき、次のベッセル関数を用いて整理すると、下記の式(8)のように表せる。
【数9】

【数10】

【0052】
更に、ベッセル関数の次数を変換し、変調角周波数ωmで整理すると、次の(9)式のように表わされる。
【数11】

【0053】
この式(9)が半導体の非線形な屈折率変化を利用したマッハツェンダ型光変調器20の出力電界を示す基本式となる。この式(9)により、k番目の光スペクトル強度が、次の式(10)で示されることがわかる。
【数12】

【0054】
更に、コーシーの不等式及び三角不等式の関係を用いることで、その最大値は、
【数13】

で示される。φnlは、変換効率を示す係数となり、非線形位相成分における係数φnlによるそのベッセル関数J1(φnl)は、共通項として取り扱われる。括弧内のk-21次のベッセル関数がそれぞれのアーム光導波路23,24(光位相変調部25,26)での独立な位相変化に起因する係数となる。
【0055】
ここでk番目の光スペクトル強度がベッセル関数の次数k-2lに依存せずに、一定の値をとることができれば、変調サイドバンドを使用した光サブキャリア生成の平坦化が可能となる。各光強度スペクトルにおいて、次数kの変化によるベッセル関数Jk-21(φm1)の値の変化をJk-21(φm2)が補償するように、非対称的に変調することによって、次数変化による強度の変動を抑えることができる結果、マッハツェンダ型光位相変調器20の合波出力端(光結合部22)にて光サブキャリアの平坦化が実施される。
【0056】
式(6)の位相関係において、
【数14】

により、両アーム光導波路23,24(光位相変調部25,26)間における、直流成分と正弦波信号電圧による成分とのそれぞれの位相変調特性の非対称性を位相差として示すことができる。これらの位相関係Δφm及びΔφdcによって光サブキャリアの平坦性を決めるパラメータとなる。このとき、各直流バイアス電圧Vb1,Vb2の大小関係は、Vb1>Vb2であり、正弦波電圧信号の振幅電圧Vmは、Vb2≧Vmとする。
【0057】
また、平坦化のために要求される位相関係Δφm及びΔφdcを得るために必要な直流バイアス電圧Vb1及びVb2は、式(11)の連立方程式を解くことにより、
【数15】

と、得られる。
【0058】
図3は、上記の原理に基づいた光サブキャリアの平坦化の動作イメージを示している。CW光源31の単一のスペクトルである搬送波をマッハツェンダ型光位相変調器20の各アーム光導波路23,24(光位相変調部25,26)において、それぞれ式(12)に基づいて平坦化のために適切な位相関係Δφm及びΔφdcを得る電圧で駆動するとき、両アーム光導波路23,24(光位相変調部25,26)間で偶数次と奇数次において、非対称な光サブキャリアが生成される。その結果、マッハツェンダ型光位相変調器20の出力端(光結合部22)では、それぞれの非対称な光サブキャリアスペクトルがベクトル的に合成される結果、平坦な光サブキャリアを得ることができる。
【0059】
なお、前述の光サブキャリアの平坦化の原理の説明においては、半導体を例として説明しているが、式(3)で示されるような電圧に対して非線形な屈折率変化を有する媒体を光位相変調器として用いても、同様に平坦化が可能である。
【0060】
本実施の形態例1の光サブキャリア生成器では、互いに異なる振幅電圧を有する正弦波電圧信号を用いることなく、直流バイアス電圧Vb1,Vb2の調整のみで、強度が平坦化された光サブキャリアを生成することができる。互いに異なる振幅電圧を有する正弦波電圧信号を生成する必要がないため、電気アンプなどが不要である。2つの直流電圧源33,34が必要にはなるが、正弦波電圧信号を生成して光位相変調部に印加する駆動回路に比べて、直流バイアス電圧を生成して光位相変調部に印加する回路は構成が単純である。従って、本実施の形態例1の光サブキャリア生成器は、従来の光サブキャリア生成器に比べて、装置構成が簡易になり、装置規模も小さくなる。
【0061】
次に、本発明の実施の形態例2,3に係る光サブキャリア生成器について説明する。上記実施の形態例1の光サブキャリア生成器において、マッハツェンダ型光位相変調器20とは別に外部にCW光源31を設けた場合には、前述のとおり、CW光源31とマッハツェンダ型光位相変調器20を最適な偏光状態で接続するために偏光制御器を、CW光源31とマッハツェンダ型光位相変調器20の間に設けることが必要となることがあり、この場合には偏光制御器を設けることによる装置規模の増大や装置構成の複雑化を招くことになるが、下記の実施の形態例2,3では、このような問題点なども解決している。
【0062】
<実施の形態例2>
図4〜図10に基づき、本発明の実施の形態例2に係る光サブキャリア生成器について説明する。なお、本実施の形態例2の光サブキャリア生成器による光サブキャリア生成の原理については、上記実施の形態例1の光サブキャリア生成器と同様である。
【0063】
図4に示すように、本発明の実施の形態例2に係る光サブキャリア生成器では、同一の半導体基板51上にCW光源となる半導体レーザ52とマッハツェンダ型光位相変調器53とをモノリシックに集積した構成のCW光源モノリシック集積マッハツェンダ型光位相変調器60を用いている。
【0064】
マッハツェンダ型光位相変調器53は、光分岐部(光導波路分岐部)71と、光結合部(光導波路結合部)72と、光分岐部71と光結合部72とに挟まれた第1のアーム光導波路73及び第2のアーム光導波路74と、第1のアーム光導波路73上に形成された第1の光位相変調部75と、第2のアーム光導波路74上に形成された第2の光位相変調部76とを有するものである。
【0065】
光位相変調部75,76は、半導体量子井戸構造等を用いることで、外部電界印加によるポッケルス効果による線形な電気光学効果に加えて、量子閉じ込めシュタルク効果による吸収係数変化に伴う屈折率変化により、非線形な屈折率変化(非線形な位相−電圧特性)を得ることができるものである。半導体材料としては、光ファイバ通信波長帯で光サブキャリアを生成する場合では、InPやInGaAsP,AlGaInAsなどを用いることができる。また、明確に波長帯を指定しなければ、GaAs系やGaN系などを用いてそれぞれの化合物半導体の持つ直接遷移の発光波長帯を用いてもよい。ポッケルス効果と量子閉じ込めシュタルク効果の組み合わせは、式(3)で示す非線形な屈折率変化Δnを示すものとして理想的なものであり、直流バイアス電圧Vb1,Vb2に対して適度に光位相変調部75,76の位相変調特性が変化するため、直流バイアス電圧Vb1,Vb2の設定が容易であるという利点を持っている。
【0066】
なお、ポッケルス効果と量子閉じ込めシュタルク効果との組み合わせに限定するものではなく、先にも述べたとおり、量子閉じ込めシュタルク効果、電気光学カー効果、フランツ・ケルディッシュ効果などの非線形な屈折率変化を示す電気光学効果を、単独で又は複数組み合わせて利用すること、或いは前記電気光学効果の何れかとポッケルス効果とを組み合わせて利用することにより、光位相変調部75,76に屈折率変化を生じさせることができる。光位相変調部75,76に電界を印加したときにどの電気光学効果が発現するかは、光位相変調部75,76を構成する材料、或いは光位相変調部75,76のコア層やクラッド層の構造などにより決めることが可能であり、公知技術を用いればよい。
【0067】
本実施の形態例2の光サブキャリア生成器は、上記のようなCW光源モノリシック集積マッハツェンダ型光位相変調器60と、第1の光位相変調部75及び第2の光位相変調部76を駆動するための正弦波電気信号源61と、第1の光位相変調部75を駆動するための第1の直流電圧源62と、第2の光位相変調部76を駆動するための第2の直流電圧源63とを備えた構成となっている。
【0068】
また、半導体基板51上には、第1の光位相変調部75のための第1の電極(高周波信号線路)81と、第2の光位相変調部76のための第2の電極(高周波信号線路)82と、第2光位相変調部75及び第2の光位相変調部76のための分岐線路83とが形成されている。正弦波電気信号源61は、分岐線路83の一端側に接続されている。分岐線路83の他端側は第1の分岐部83aと第2の分岐部83bとに分岐されており、第1の分岐部83aが第1の電極81に接続され、第2の分岐部83bが第2の電極82に接続されている。
【0069】
正弦波電気信号源61は、第1の光位相変調部75及び第2の光位相変調部76を駆動するための同一の振幅電圧Vmの正弦波電圧信号を発生する。第1の直流電圧源62は、第1の光位相変調部75を駆動するための第1の直流バイアス電圧Vb1を発生する。第2の直流電圧源63は、第2の光位相変調部76を駆動するための第2の直流バイアス電圧Vb2を発生する。第1の直流バイアス電圧Vb1と第2の直流バイアス電圧Vb2は、互いに異なる電圧である。また、第2の直流バイアス電圧Vb2は、正弦波電圧信号の振幅電圧Vm以上の電圧である。即ち、Vb1,Vb2,Vmの大小関係は、Vb1>Vb2≧Vmとなっている。
【0070】
マッハツェンダ型光位相変調器53の入力端である光分岐部71では、CW光源(半導体レーザ)52から光分岐部71へ出力されるCW光(レーザ光)を入力し、この入力光を第1の分岐光と第2の分岐光とに分岐する。前記第1の分岐光は第1のアーム光導波路73を伝搬し、前記第2の分岐光は第2のアーム光導波路74を伝搬する。
【0071】
第1の光位相変調部75では、正弦波電気信号源61から、分岐線路83の第1の分岐部83a及び第1の電極81を介して印加される振幅電圧Vmの正弦波電圧信号と、第1の直流電圧源62から印加される第1の直流バイアス電圧Vb1とによって駆動されることにより、前記第1の分岐光を位相変調して第1の位相変調光を生成する。第2の光位相変調部76では、正弦波電気信号源61から、分岐線路83の第2の分岐部83b及び第2の電極82を介して印加される振幅電圧Vmの正弦波電圧信号と、第2の直流電圧源63から印加される第2の直流バイアス電圧Vb2とによって駆動されることにより、前記第2の分岐光を位相変調して第2の位相変調光を生成する。
【0072】
即ち、光位相変調部75,76を駆動する正弦波電圧信号は、同一の振幅電圧Vmの正弦波電圧信号とする一方、光位相変調部75,76を駆動する直流バイアス電圧は、互いに異なる直流バイアス電圧Vb1,Vb2としている。正弦波電圧信号が同一の振幅電圧Vmであっても、光位相変調部75,76が非線形特性を有しており、この光位相変調部75,76に互いに異なる直流バイアス電圧Vb1,Vb2を印加するため、従来のような互いに異なる振幅電圧を有する正弦波電圧信号を印加する場合と実質的に同じ状態となる。
【0073】
従って、第1の光位相変調部75及び第2の光位相調整部76のそれぞれを、同一振幅電圧Vmの正弦波電圧信号と互いに異なる直流バイアス電圧Vb1,Vb2とで駆動して、光位相変調振幅を制御することにより、両アーム光導波路73,74(光位相変調部75,76)間で非対称に光位相変調を行うことができる。
【0074】
マッハツェンダ型光位相変調器53の出力端である光結合部72では、第1の光位相変調部75で位相変調された前記第1の位相変調光と、第2の光位相変調部26で位相変調された前記第2の位相変調光とを合波する。その結果、周波数間隔が等しく、且つ、強度が一定で平坦な光サブキャリアが生成されて、マッハツェンダ型光位相変調器53の出力端(光結合部72)から出力される。
【0075】
本実施の形態例2の光サブキャリア生成器では、同一の半導体基板51上にCW光源(半導体レーザ)52とマッハツェンダ型光位相変調器53とをモノリシックに集積したCW光源モノリシック集積マッハツェンダ型光位相変調器60を用いたため、マッハツェンダ型光位相変調器53とは別に外部のCW光源を設ける必要がなく、CW光源(半導体レーザ)52とマッハツェンダ型光位相変調器53との間に偏光制御器を設ける必要がない。このため、更に装置構成が簡易で装置規模が小さい光サブキャリア生成器となる。
【0076】
また、本実施の形態例2の光サブキャリア生成器では、電圧信号Vmの正弦波電圧信号をマッハツェンダの両アーム上の光位相変調器に印加する際、半導体基板51上に形成した分岐線路83と電極(高周波信号線路)81,82を用いるため、外部の電気信号配線を簡易化することができる。
【0077】
図5〜図10も参照して、更に詳述する。図5には、マッハツェンダ変調器53のそれぞれのアーム光導波路73,74上に構成された光位相変調部75,76に電圧を印加した際の位相変化量の一例を示している。屈折率の変化が電圧に対して非線形性を示すため、位相変化も非線形な応答となる。一般に屈折率変化は、上記の式(3)に示すように、電圧の2次式で与えられることが実験的に得られている。
【0078】
図4において、同一の振幅電圧Vmの正弦波電圧信号を、正弦波電気信号源61から光位相変調部75,76へ印加する。また、直流バイアス電圧Vb1及びVb2も、直流電圧源62,63から光位相変調部75,76へ印加(入力)する。このとき、図5の非線形な位相‐電圧特性上にバイアス点を設定し、Vb2≧Vmとなるように電圧の大きさを与える。
【0079】
図6及び図7には、両アーム光導波路73,74(光位相変調部75,76)間の位相差Δφm及びΔφdcをそれぞれパラメータとし、キャリア成分を含む計11本の光サブキャリアを生成した際のスペクトルの平坦度の計算例を示す。また、図8には、光サブキャリアのスペクトル計算例を示している。平坦度の定義は、生成した光サブキャリアの最小強度と最大強度との差とし、1dB以内となる結果を図示している。変調周波数は10GHzとした。光位相変調部75,76を駆動する正弦波電圧信号の振幅電圧Vmは、非線形性を示す位相項φnlを0.125πから1.5πとして、上記の式(6)により算出した。このとき一例として、位相変化係数C1,C2を、C1=−0.48,C2=0.57とした。なお、この値はInPベースの一般的なp−i−n光位相変調器のものである。位相変化係数C1,C2の値は、半導体量子井戸構造やキャリア密度(電子‐正孔密度)などを適宜設定することにより、任意に設定することができる。この値の変化により、所望の位相関係を得るために必要な直流バイアス電圧の大きさが変わるが、平坦化に要求される位相関係の本質は変わらない。
【0080】
図6及び図7から明らかなように、Δφm=−Δφdc+π(Δφmは、Δφdcの関数と見なす)の直線上を中心として、光サブキャリアの平坦化が可能であることがわかる。図9に示すように、平坦化が可能となる位相関係Δφm及びΔφdcは、直線Δφm=−Δφdc+πにおいて、x軸上にΔφdc1からπまでを定義域とするとき、非線形性を示す位相項φnlの増加につれて、その定義域が広がることがわかる。その定義域の初期点は、
【数16】

で表わされる。π−Δφdc1による定義域が拡大する結果、平坦化を示す範囲も広がることがわかる。
【0081】
一方、直線Δφm=−Δφdc+πに対してエラーバーを規定するとき、その指定誤差範囲がφnlの増加とともに大きくなることが確認できる、平坦化の範囲を示すためのエラーバーの誤差範囲err(%)は、以下のように表わされる。
【数17】

【0082】
式(14)を誤差範囲として、直線Δφm=−Δφdc+πのエラーバーを規定するとき、その範囲内における位相関係Δφm,Δφdcにおいて、平坦化が可能であることがわかる。(φnl=0は、動作原理上、存在しない)
従って、光サブキャリアの平坦化を可能とする位相関係Δφm及びΔφdcは、直線Δφm=−Δφdc+πに対して、式(13)及び(14)で与えられる範囲内に規定することができる。
【0083】
図10には、φnlに対する定義域の初期点及びエラーバーの誤差範囲との関係を示す。式(12)において、Δφmが0近傍で、且つ、Δφdcが大きい領域では、式(12)から明らかなように、必要な直流バイアス電圧が極めて大きくなってしまうため実用的ではないことがわかる。
【0084】
式(12)の直流バイアス電圧の式は、要求される位相差が与えられた際に、必要な電圧を与ええるものであり、位相変化係数C1及びC2の値によって、その大きさが決定する。低電圧動作のためには、光位相変調部75,76を構成する作用長Lを長くする。更に、半導体における非線形な屈折率変化は、半導体量子井戸構造やキャリア密度(電子‐正孔密度)の制御によって、屈折率変化量を示す係数c1,c2(位相変化係数C1,C2も同様)が変化するため、構造設計により動作電圧が決定する。
【0085】
<実施の形態例3>
図11に基づき、本発明の実施例3に係る光サブキャリア生成器について説明する。なお、本実施の形態例3の光サブキャリア生成器(図11)において、上記実施の形態例2の光サブキャリア生成器(図4)と同様の部分については、同一の符号を付し、重複する詳細な説明は省略する。また、本実施の形態例3の光サブキャリア生成器による光サブキャリア生成の原理については、上記実施の形態例1,2の光サブキャリア生成器と同様である。
【0086】
図11に示すように、本実施の形態例3の光サブキャリア生成器では、初期位相を調整のための光位相調整領域である第1の光位相調整部91及び第2の光位相調整部92が付加されている。また、本光サブキャリア生成器には、第1の光位相調整部91を駆動するための第1の直流電源93と、第2の光位相調整部92を駆動するための第2の直流電源94も付加されている。第1の光位相調整部91は、マッハツェンダ型光変調器53の第1のアーム光導波路73上に形成され、第2の光位相調整部92は、マッハツェンダ型光変調器53の第2のアーム光導波路74上に形成されている。
【0087】
本実施の形態例3の光サブキャリア生成器における、その他の構成については、上記実施の形態例2の光サブキャリア生成器と同様である。
【0088】
上記実施の形態例2でも述べたとおり、マッハツェンダ型光位相変調器53の入力端である光分岐部71では、CW光源(半導体レーザ)52から光分岐部71へ出力されるCW光(レーザ光)を入力し、この入力光を第1の分岐光と第2の分岐光とに分岐する。前記第1の分岐光は第1のアーム光導波路73を伝搬し、前記第2の分岐光は第2のアーム光導波路74を伝搬する。
【0089】
第1の光位相変調部75では、正弦波電気信号源61から、分岐線路83の第1の分岐部83a及び第1の電極81を介して印加される振幅電圧Vmの正弦波電圧信号と、第1の直流電圧源62から印加される第1の直流バイアス電圧Vb1とによって駆動されることにより、前記第1の分岐光を位相変調して第1の位相変調光を生成する。第2の光位相変調部76では、正弦波電気信号源61から、分岐線路83の第2の分岐部83b及び第2の電極82を介して印加される振幅電圧Vmの正弦波電圧信号と、第2の直流電圧源63から印加される第2の直流バイアス電圧Vb2とによって駆動されることにより、前記第2の分岐光を位相変調して第2の位相変調光を生成する。
【0090】
そして、第1の直流電源93では、第1の光位相調整部91を駆動するための第1の直流電流又は第1の直流電圧を発生し、第2の直流電源94では、第2の光位相調整部92を駆動するための第2の直流電流又は第2の直流電圧を発生する。第1の光位相調整部91では、第1の直流電源93から印加される第1の直流電流又は第1の直流電圧によって駆動されることにより、第1の光位相変調部75で位相変調された前記第1の位相変調光の位相を調整する。第2の光位相調整部92では、第2の直流電源94から印加される第2の直流電流又は第2の直流電圧によって駆動されることにより、第2の光位相変調部76で位相変調された前記第2の位相変調光の位相を調整する。
【0091】
マッハツェンダ型光位相変調器53の出力端である光結合部72では、第1の光位相調整部91で位相調整された前記第1の位相変調光と、第2の光位相調整部92で位相調整された前記第2の位相変調光とを合波する。その結果、周波数間隔が等しく、且つ、強度が一定で平坦な光サブキャリアが生成されて、マッハツェンダ型光位相変調器53の出力端(光結合部72)から出力される。
【0092】
なお、図示例では、光位相変調部75,76の後に光位相調整部91,92を設けているが、これに限定するものではなく、図示は省略するが、位相変調部75,76の前に光位相調整部91,92を設けてもよい。
【0093】
この場合、第1の光位相調整部91では、第1の直流電源93から印加される第1の直流電流又は第1の直流電圧によって駆動されることにより、光分岐部71で分岐された第1の分岐光の位相を調整する。第2の光位相調整部92では、第2の直流電源94から印加される第2の直流電流又は第2の直流電圧によって駆動されることにより、光分岐部71で分岐された第2の分岐光の位相を調整する。
【0094】
その後、第1の光位相変調部75では、正弦波電気信号源61から、分岐線路83の第1の分岐部83a及び第1の電極81を介して印加される振幅電圧Vmの正弦波電圧信号と、第1の直流電圧源62から印加される第1の直流バイアス電圧Vb1とによって駆動されることにより、第1の光位相調整部91で位相調整された前記第1の分岐光を位相変調して第1の位相変調光を生成する。第2の光位相変調部76では、正弦波電気信号源61から、分岐線路83の第2の分岐部83b及び第2の電極82を介して印加される振幅電圧Vmの正弦波電圧信号と、第2の直流電圧源63から印加される第2の直流バイアス電圧Vb2とによって駆動されることにより、第2の光位相調整部92で位相調整された前記第2の分岐光を位相変調して第2の位相変調光を生成する。
【0095】
マッハツェンダ型光位相変調器53の出力端である光結合部72では、第1の光位相変調部75で位相変調された前記第1の位相変調光と、第2の光位相変調部76で位相変調された前記第2の位相変調光とを合波する。その結果、周波数間隔が等しく、且つ、強度が一定で平坦な光サブキャリアが生成されて、マッハツェンダ型光位相変調器53の出力端(光結合部72)から出力される。
【0096】
本実施の形態例3の光サブキャリア生成器では、第1の光位相調整部91及び第2の光位相変調部92における光位相調整により、マッハツェンダ型光変調器53の出力端(光結合部72)において、光波合成時の初期位相差を制御することが可能となる。その結果、両アーム光導波路73,74間における構造的な誤差等よる初期位相差を無くし、上記実施の形態例1,2で述べたような特性が確実に得られるようにすることができる。
【0097】
なお、光位相調整領域である光位相調整部91,92は、直流電源93,94から印加する第1及び第2の直流電流又は第1及び第2の直流電圧によって、屈折率が変化することにより、前記初期位相差を調整する構造となっている。即ち、第1の光位相調整部91では、第1の直流電源93から印加される第1の直流電流又は第1の直流電圧によって屈折率が変化することにより、前記第1の位相変調光の位相を調整する。第2の光位相調整部92では、第2の直流電源94から印加される第2の直流電流又は第2の直流電圧によって屈折率が変化することにより、前記第2の位相変調光の位相を調整する。その結果、前記初期位相差がゼロになる。換言すれば、直流電源93,94から光位相調整部91,92へ印加する第1及び第2の直流電流又は第1及び第2の直流電圧の値は、前記初期位相差がゼロになるように設定されている。
【0098】
本実施の形態例3の光サブキャリア生成器によれば、第1の光位相調整部91と第2の光位相調整部92を設けて位相調整を行うことにより、完全対称な構造でなくても、マッハツェンダ型光変調器53の合波出力端(光結合部72)での初期位相差をゼロにすることができる。
【0099】
また、上記実施の形態例2の光サブキャリア生成器と同様に本実施の形態例3の光サブキャリア生成器においても、正弦波電圧信号は半導体基板51上に形成した分岐線路83で2つに分岐して入力する構成である。このため、本実施の形態例3の光サブキャリア生成器の全体構造としては、光位相調整領域である光位相調整部91,92と、光位相調整領域用の直流電流又は直流電流を発生するための直流電源93,94が、付加されるのみである。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明は光サブキャリア生成器に関するものであり、従来よりも装置構成が簡易で装置規模が小さい光サブキャリア生成器によって、周波数間隔が等しく、且つ、強度が一定で平坦な光サブキャリアを生成する場合に適用して有用なものである。
【符号の説明】
【0101】
20 マッハツェンダ型光変調器
21 光分岐部
22 光結合部
23 第1のアーム光導波路
24 第2のアーム光導波路
25 第1の光位相変調部
26 第2の光位相変調部
31 CW光源
32 正弦波電気信号源
33 第1の直流電圧源
34 第2の直流電圧源
51 半導体基板
52 CW光源(半導体レーザ)
53 マッハツェンダ型光変調器
60 CW光源モノリシック集積マッハツェンダ型光変調器
61 正弦波電気信号源
62 第1の直流電圧源
63 第2の直流電圧源
71 光分岐部
72 光結合部
73 第1のアーム光導波路
74 第2のアーム光導波路
75 第1の光位相変調部
76 第2の光位相変調部
81 第1の電極
82 第2の電極
83 分岐線路
83a 第1の分岐部
83b 第2の分岐部
91 第1の光位相調整部
92 第2の光位相調整部
93 第1の直流電源
94 第2の直流電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光分岐部と、光結合部と、前記光結合部と前記光結合部とに挟まれた第1のアーム光導波路及び第2のアーム光導波路と、前記第1のアーム光導波路上に形成された非線形な位相−電圧特性を有する第1の光位相変調部と、前記第2のアーム光導波路上に形成された非線形な位相−電圧特性を有する第2の光位相変調部とを備えたマッハツェンダ型光変調器と、
CW光を前記光分岐部へ出力するCW光源と、
前記第1の光位相変調部及び前記第2の光位相変調部に同一振幅電圧の正弦波電圧信号を印加する正弦波電気信号源と、
前記第1の光位相変調部に第1の直流バイアス電圧を印加する第1の直流電圧源と、
前記第2の光位相変調部に第2の直流バイアス電圧を印加する第2の直流電圧源とを有し、
且つ、前記正弦波電圧信号の振幅電圧をVm、前記第1の直流バイアス電圧をVb1、前記第2の直流バイアス電圧をVb2とすると、これらの大小関係がVb1>Vb2≧Vmであり、
前記第1の光位相変調部及び前記第2の光位相調整部のそれぞれを、前記同一振幅電圧の正弦波電圧信号と互いに異なる前記第1の直流バイアス電圧と前記第2の直流バイアス電圧とで駆動して、光位相変調振幅を制御することにより、前記第1の光位相変調部と前記第2の光位相変調部の間で非対称に光位相変調を行う構成であること、
を特徴とする光サブキャリア生成器。
【請求項2】
請求項1に記載の光サブキャリア生成器において、
前記第1の光位相変調部及び前記第2の光位相変調部は、半導体材料を用いた、量子閉じ込めシュタルク効果などの電界−光吸収に伴う屈折率変化を生じるものであることを特徴とする光サブキャリア生成器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光サブキャリア生成器において、
前記CW光源と前記マッハツェンダ型光変調器が、同一の半導体基板上にモノリシックに集積されて、CW光源モノリシック集積マッハツェンダ型光変調器を構成していることを特徴とする光サブキャリア生成器。
【請求項4】
請求項3に記載の光サブキャリア生成器において、
前記第1の光位相変調部及び前記第2の光位相変調部に前記同一振幅電圧の正弦波電圧信号を印加するための分岐線路と電極が、前記半導体基板上に形成されていることを特徴とする光サブキャリア生成器。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の光サブキャリア生成器において、
前記第1の直流バイアス電圧及び前記第2の直流バイアス電圧と、前記第1の光位相変調部と前記第2の光位相変調部の間の位相差の調整において、前記正弦波電圧信号による位相変調振幅成分、及び、前記第1の直流バイアス電圧と前記第2の直流バイアス電圧による位相変化量の、前記第1の光位相変調部と前記第2の光位相変調部の間での位相差をそれぞれ、Δφm及びΔφdcと定義するとき、直線Δφm=−Δφdc+πの位相差Δφm,Δφdcの関係を満たすように前記第1の光位相変調部及び前記第2の光位相変調部を駆動することで、光サブキャリアの強度を一定とする光サブキャリア生成器であって、直線Δφm=−Δφdc+πの定義域の初期点Δφdc1とエラーバーの誤差範囲errが、非線形性を示す位相項φnlによって、下記の式(I)及び式(II)で規定される範囲内となる位相差Δφm,Δφdcの関係となるよう駆動電圧を調整する構成であることを特徴とする光サブキャリア生成器。
【数1】

【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の光サブキャリア生成器において、
前記第1のアーム光導波路上に形成した第1の光位相調整部と、
前記第2のアーム光導波路上に形成した第2の光位相調整部と、
前記第1の光位相調整部に第1の直流電流又は第1の直流電圧を印加する第1の直流電源と、
前記第2の光位相調整部に第2の直流電流又は第2の直流電圧を印加する第2の直流電源とを有し、
前記第1の光位相調整部及び前記第2の光位相調整部のそれぞれを、前記第1及び第2の直流電流又は前記第1及び第2の直流電圧で駆動することにより、前記マッハツェンダ型光変調器の合波出力端である前記光結合部での初期位相差がゼロとなるように調整する構成であることを特徴とする光サブキャリア生成器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−44991(P2013−44991A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183457(P2011−183457)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】