説明

光ディスク処理装置およびその光学ドライブ着脱機構

【課題】光学ドライブの着脱作業を正確に、且つ、容易に行うことができる光学ドライブ着脱機構を提供する。
【解決手段】光学ドライブ着脱機構1Aは、支持フレーム11、ロック機構1B、ロック解除機構1C、コネクター接続機構1Dを備える。光学ドライブ3を支持する左側の支持板14Lの上にロックレバー15を設け、捻りバネ20によってロック方向に付勢する。ロックレバー15は、光学ドライブ3の挿入時にはその底面に設けられたロックピン19に押されて退避し、光学ドライブ3が取付位置P1、P2に到達すると、ロック方向に復帰してロックピン19と係合する。光学ドライブ3は、コネクター接続機構1Dによって前方に付勢されるため、取付時にはロックピン19とロックレバー15の係合位置に位置決めされる。また、ロック解除レバー16を操作してロックレバー15のロック状態を解除すると、光学ドライブ3が前方に押し出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CDやDVDなどの光ディスクにデータを書き込むための光学ドライブを備
える光ディスク処理装置およびその光学ドライブ着脱機構に関する。
【背景技術】
【0002】
大量のデータを記録するためのメディアとして、CD、DVDなどの光ディスクが広く
利用されている。このような光ディスクにデータを書き込んでCD/DVDディスクとし
て発行するために、データの記録再生用の光学ドライブ、および、光ディスクのレーベル
面に印刷を行うためのプリンターを備えるパブリッシャーが用いられている。この種のパ
ブリッシャーは、光学ドライブから出し入れ可能に設けられたディスクトレイと、このデ
ィスクトレイ上に光ディスクを搬送する搬送アームなどの搬送機構を備えており、これら
を駆動制御することにより、光学ドライブへの光ディスクの供給および光ディスクの取り
出しを行っている。
【0003】
従来は、パブリッシャーなどの装置内に光学ドライブを取り付けるとき、光学ドライブ
を予め支持フレームに取り付けて、これを装置内に位置決めして固定している。このよう
な取付方法を採用した場合、光学ドライブの交換を行うときには支持フレームごと装置内
から取り外し、支持フレームに新たな光学ドライブを取り付けた後、再度支持フレームご
と装置内に固定する必要があった。そして、このような作業は作業負担が大きく、光学ド
ライブの正確な位置決めも困難であった。
【0004】
光学ドライブに対するディスクの受け渡しを確実に行って搬送信頼性を高めるためには
、搬送機構による光ディスクの搬送位置と、ディスクトレイの進出位置とが一致するよう
に、光学ドライブの取付位置を正確に調整する必要がある。この点を考慮して、パブリッ
シャーにおいて、光学ドライブの取付位置を微調整するための位置決め機構を設けること
が提案されている。特許文献1には、この種のパブリッシャーが開示されている。
【0005】
特許文献1のパブリッシャーは、光学ドライブ(メディアドライブ)を支持する支持フ
レームに対し、光学ドライブを前方から挿入して前後方向に適宜移動させて取付位置の微
調整を行い、適宜の位置で固定できる構成となっている。光学ドライブの左右方向の一方
の側部の前端部分には、光学ドライブを後方に向けて付勢するための捻りバネが設けられ
ている。一方、この側部の後端部分には、位置調整用ネジ部材が前後方向を向くように螺
合されている。
【0006】
特許文献1では、光学ドライブの位置決めを行うときには、支持フレームの後方から位
置調整用ネジ部材を回すことによって捻りバネの付勢力に抗して光学ドライブを前方側に
移動させる。装置本体の支持フレームには前後方向に延びる長穴状のガイド穴が形成され
ており、光学ドライブを前後方向に動かすと、このガイド穴と光学ドライブ側に形成され
た固定用ネジ穴とが重なり合った状態で前後に相対移動する。位置調整の完了後、固定用
ネジ穴およびガイド穴に通した固定ネジを締めることにより、支持フレームに対して光学
ドライブを固定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−181636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1の構成は、光学ドライブの取付位置を微調整できるものの、規定の取付位置
に位置決めできたことを確認するための手段や、規定の取付位置に正確に装着されたか否
かを確認するための手段は特に設けられていない。そのため、規定の取付位置への正確な
位置決めや取付完了確認が難しく、取付作業に手間がかかるという問題点がある。
【0009】
また、特許文献1の構成は、光学ドライブを着脱可能に取り付けることができるものの
、光学ドライブの着脱作業を行うためには支持フレームの背面側および側面側から固定ネ
ジおよび位置調整用ネジ部材の操作を行わなければならない。このため、支持フレームご
と光学ドライブを取り外すか、あるいは、装置の外装ケースを外して背面側および側面側
から作業を行う必要がある。従って、光学ドライブの着脱時の作業負担が大きく、作業性
も良好とはいえない。
【0010】
本発明の課題は、この点に鑑みて、パブリッシャーなどの光学ディスク処理装置におけ
る搬送信頼性の向上および光学ドライブの交換作業の負担軽減を図るために、光学ドライ
ブの着脱作業を正確に、且つ、容易に行うことができる光学ディスク着脱機構、および、
このような光学ディスク着脱機構を有する光学ディスク処理装置を提案することにある。
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明の光学ドライブ着脱機構は、
光学ドライブの取付位置を規定する支持フレームと、
当該支持フレームに沿って前記取付位置まで挿入された前記光学ドライブを当該取付位
置から引き抜き不能にするためのロック手段と、
当該ロック手段のロック状態を解除するためのロック解除手段と、
前記光学ドライブを、前記取付位置から引き抜くための引き抜き方向に付勢する第1付
勢手段とを有し、
前記ロック手段は、
前記光学ドライブおよび前記支持フレームの一方に設けられた係合部と、
前記光学ドライブおよび前記支持フレームの他方に設けられ、前記係合部と係合して前
記光学ドライブを引き抜き不能にするロック位置、および、前記光学ドライブの引き抜き
を妨げないロック解除位置に移動可能なロック部材と、
当該ロック部材を前記ロック位置に向けて付勢する第2付勢手段とを備え、
前記ロック部材は、
前記光学ドライブの前記取付位置への挿入動作に伴って前記ロック位置から退避し、
前記光学ドライブが前記取付位置まで挿入されると、前記第2付勢手段の付勢力によっ
て前記ロック位置に移動することを特徴としている。
【0012】
本発明は、光学ドライブを取付位置まで挿入すると、第2付勢手段の付勢力によってロ
ック部材がロック位置に移動して自動的にロック状態が形成され、光学ドライブが引き抜
き不能になる。このような構成では、光学ドライブを支持フレームに沿って規定の挿入方
向に挿入するだけで光学ドライブの取り付けが完了し、支持フレームに対する光学ドライ
ブのネジ止め作業などの面倒な作業を行う必要がない。また、支持フレームに対して一方
向から光学ドライブを挿入するだけで済み、支持フレームの後方を覆う外装カバーなどを
取り外す必要がない。よって、光学ドライブの取付作業を極めて簡単に行うことができる

【0013】
また、本発明では、光学ドライブを引き抜き方向に付勢する第1付勢手段を備えている
ため、取り付け完了時にロック状態が形成されたとき、この付勢力により、光学ドライブ
を確実に規定の取付位置に位置決めできる。よって、光学ドライブと搬送機構との間で光
ディスクを確実に受け渡すことができ、光ディスクの搬送信頼性が向上する。また、光学
ドライブを取付位置まで挿入できていない場合にはロック状態が形成されず、このときに
は、第1付勢手段の付勢力により、光学ドライブが引き抜き方向に押し出される。従って
、規定の取付位置に取り付けられたか否かを一目で確認できる。更に、ロック解除手段に
よるロック解除を行ったときには光学ドライブが自動的に引き抜き方向に押し出されるた
め、光学ドライブを容易に引き抜くことができる。よって、取り外し作業が容易である。
【0014】
本発明において、前記係合部は、前記光学ドライブに設けられたロックピンであり、前
記ロック部材は、前記支持フレームに回転自在に支持されるロックレバーであり、前記第
2付勢手段は、前記ロックレバーを、前記光学ドライブの挿入時の前記ロックピンの通過
経路上から退避している前記ロック解除位置から、前記通過経路上に進出している前記ロ
ック位置に向けて旋回させる方向に付勢しており、前記ロックレバーは、前記光学ドライ
ブの前記取付位置への挿入動作に伴い、前記ロックピンに押圧されて前記ロック解除位置
側に旋回し、前記光学ドライブが前記取付位置まで挿入されると、前記ロック位置に復帰
する構成とすることができる。このようにすると、簡易な構成でありながら、光学ドライ
ブの挿入途中にはロックピンによってロック位置からロックレバーを退避させ、光学ドラ
イブが取付位置に到達したときには自動的にロック状態を形成することができる。
【0015】
また、この場合に、前記ロックレバーに形成されたガイド孔と、当該ガイド孔に係合さ
れるロック解除ピンが一端に形成されたロック解除レバーとを備え、前記ガイド孔および
前記ロック解除ピンは、前記ロック解除レバーの前記引き抜き方向への直線運動を、前記
ロックレバーの前記ロック解除位置側への旋回運動に変換するように構成されている。こ
のようにすると、第1ロック解除レバーを引っ張る操作によって光学ドライブのロック状
態を極めて簡単に解除できる。また、ロック解除後は、第1付勢手段によって光学ドライ
ブが押し出されるため、極めて容易に光学ドライブを引き抜くことができる。
【0016】
ここで、前記ロックピンは、前記光学ドライブの一方の側部に設けられ、前記ロックレ
バーは、前記一方の側部に沿って延びる前記支持フレームの部位に設けられ、前記光学ド
ライブにおける他方の側部と対峙する前記支持フレームの部位に、前記光学ドライブに側
方から当接する突出部が設けられていることが望ましい。このようにすると、光学ドライ
ブをその一方の側部のみにおいてロックする構造となるため、ロック手段を小型化してシ
ンプルな構成にすることができる。その一方で、他方の側部にロック手段を設けていない
ため、第1付勢手段の付勢力が、光学ドライブをそのロック位置を中心として旋回させる
方向に作用する。本発明では、ロック手段を設けていない側に突出部を設け、この部分を
光学ドライブに当接させて光学ドライブを幅方向に位置決めしているため、第1付勢手段
による付勢位置とロック位置が光学ドライブの幅方向にずれていて光学ドライブに回転力
が作用する場合においても、光学ドライブの回転防止を図ることができる。
【0017】
また、本発明において、前記支持フレームは、複数台の前記光学ドライブを上下に重ね
た状態で支持しており、各光学ドライブに対応して、前記ロック手段および前記ロック解
除手段が設けられ、前記ロック手段および前記ロック解除手段は、各光学ドライブと、そ
の上方あるいは下方に配置された他の光学ドライブとの間に設けられた排熱用の隙間を塞
ぐことのないように設置されていることが望ましい。このようにすると、光学ドライブの
冷却に有利となり、光学ドライブが過熱状態となるのを抑制できる。
【0018】
あるいは、本発明において、前記係合部は、前記光学ドライブに形成され当該光学ドラ
イブの幅方向に延びる第1係合溝であり、当該第1係合溝の一端に、前記光学ドライブの
前後方向に延びる第2係合溝が接続されており、前記ロック部材は、前記光学ドライブの
幅方向にスライド可能な状態で前記支持フレームに支持され、且つ、前記第2付勢手段に
よってスライド方向に付勢されているスライド板であって、前記第1係合溝および前記第
2係合溝内を移動するスライドピンが形成されており、前記光学ドライブの前記取付位置
への挿入動作に伴い、前記スライドピンが前記第2係合溝内を前記第1係合溝との接続位
置に向けて移動し、前記光学ドライブが前記取付位置まで挿入されると、前記第2付勢手
段の付勢力によって前記第1係合溝内に前記スライドピンが進入して、前記ロック状態が
形成される構成とすることができる。このようにすると、光学ドライブを第2係合溝によ
ってガイドしながら挿入できると共に、挿入途中にはスライド板のロック方向への移動を
規制してロック解除状態に保持できる。そして、光学ドライブが取付位置に到達したとき
には自動的にロック状態を形成できる。
【0019】
次に、本発明の光ディスク処理装置は、上記の光学ドライブ着脱機構と、当該光学ドラ
イブ着脱機構によって着脱可能に取り付けられる光学ドライブと、前記取付位置に装着さ
れた前記光学ドライブに光ディスクを搬送するための搬送機構を有することを特徴として
いる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、光学ドライブを規定の挿入方向に挿入するだけで光学ドライブの取り
付けが完了し、支持フレームに対する光学ドライブのネジ止め作業などの面倒な作業を行
う必要がない。また、支持フレームの後方を覆う外装カバーなどを取り外す必要もない。
よって、光学ドライブの取付作業を極めて簡単に行うことができる。
【0021】
また、本発明によれば、光学ドライブが引き抜き方向に付勢されるため、取り付け完了
時にロック状態が形成されたとき、この付勢力により、光学ドライブを確実に規定の取付
位置に位置決めできる。よって、光学ドライブと搬送機構との間で光ディスクを確実に受
け渡すことができ、光ディスクの搬送信頼性が向上する。また、光学ドライブを取付位置
まで挿入できていない場合にはロック状態が形成されず、光学ドライブが引き抜き方向に
押し出される。従って、規定の取付位置に取り付けられたか否かを一目で確認できる。更
に、ロック解除手段によるロック解除を行ったときには光学ドライブが自動的に引き抜き
方向に押し出されるため、光学ドライブを容易に引き抜くことができる。よって、取り外
し作業が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明を適用したパブリッシャーを前面側から見た斜視図である。
【図2】光学ドライブおよびその支持フレームを示す斜視図である。
【図3】支持フレームの斜視図である。
【図4】光学ドライブを斜め下側から見た斜視図である。
【図5】実施形態1の光学ドライブ着脱機構の底面図(ロック状態)である。
【図6】実施形態1の光学ドライブ着脱機構の底面図(光学ドライブが挿入途中位置にある状態)である。
【図7】実施形態1のロック解除レバーを斜め下側から見た斜視図である。
【図8】実施形態1の光学ドライブ着脱機構の底面図(ロック解除状態)である。
【図9】実施形態2の光学ドライブ着脱機構の要部を示す底面図(ロック状態)である。
【図10】実施形態2の光学ドライブ着脱機構の要部を示す底面図(光学ドライブが挿入途中位置にある状態)である。
【図11】実施形態2の光学ドライブ着脱機構の要部を示す底面図(ロック解除状態)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、図面を参照して、本発明を適用したパブリッシャーおよびその光学ドライブ着
脱機構の実施の形態を説明する。
【0024】
(全体構成)
図1は本発明を適用したパブリッシャーを前面側から見た斜視図であり、装置ケースの
前面扉を開くと共に装置ケースの上板部分の一部を外した状態を示している。パブリッシ
ャー1(光ディスク処理装置)は、CD、DVDなどの光ディスク10にデータの書込み
とレーベルの印刷とを連続して行うものであり、光ディスク10を搬送するためのオート
ローダー2(搬送機構)と、光ディスク10にデータを書込む光学ドライブ3と、光ディ
スク10のレーベル面に印刷するためのレーベルプリンター4を有している。また、光学
ドライブ3に供給されるブランクディスク10Aを収納する供給スタッカー5と、データ
の書込みおよびレーベル印刷が終了した完成ディスク10Bを収納するための収納スタッ
カー6を有している。
【0025】
詳細に説明すると、パブリッシャー1は箱型の装置ケース7を備えており、この装置ケ
ース7の前面には左右に開閉可能な開閉扉8、9が取り付けられている。装置ケース7内
において、装置前面から見て右側に位置する開閉扉8の内側に、供給スタッカー5と収納
スタッカー6が上下に重なった状態で配置されている。各スタッカー5、6は、光ディス
ク10(ブランクディスク10A、完成ディスク10B)を上下方向に積層した状態で収
納するものである。これらのスタッカー5、6は、開閉扉8を開けて手前に引き出すこと
が可能となっている。引き出した状態の供給スタッカー5にはブランクディスク10Aを
供給あるいは補充でき、引き出した状態の収納スタッカー6からは、収納されている完成
ディスク10Bを取り出すことができる。
【0026】
供給スタッカー5および収納スタッカー6の後方には、オートローダー2(搬送機構)
が配置されている。オートローダー2は、垂直ガイド軸2aと、この垂直ガイド軸2aに
取り付けられたディスクキャリア2bを備えている。ディスクキャリア2bは、垂直ガイ
ド軸2aに沿って昇降可能であるとともに、垂直ガイド軸2aを中心に旋回可能になって
いる。ディスクキャリア2bの先端には、光ディスク10の中心に形成された孔を利用し
て光ディスク10を保持するための図示しない保持手段が設けられている。オートローダ
ー2は、ディスクキャリア2bの昇降動作および旋回動作の組み合わせによって、光学ド
ライブ3、レーベルプリンター4、供給スタッカー5および収納スタッカー6の間で光デ
ィスク10を搬送する。
【0027】
装置ケース7内の正面中央部の後ろ側の部位には、2台の光学ドライブ3が上下に重な
った状態で配置され、その下側にレーベルプリンター4が配置されている。装置ケース7
内における装置前面から見て左側に位置する開閉扉9の内側にはカートリッジ装着部4b
が配置されている。このカートリッジ装着部4bには、レーベルプリンター4にインクを
供給するためのインクカートリッジが装着される。
【0028】
図1は、光学ドライブ3のディスクトレイ3aおよびレーベルプリンター4のディスク
トレイ4aが引き出された状態を示している。このディスクトレイ3a、4aの位置が、
光学ドライブ3およびレーベルプリンター4とオートローダー2との間で光ディスク10
の受け渡しを行うための受け渡し位置となっている。光学ドライブ3のディスクトレイ3
aは、光学ドライブ3内に後退したデータ書き込み位置と、図1に示す受け渡し位置との
間を移動可能となっている。同様に、レーベルプリンター4のディスクトレイ4aは、プ
リンター内に後退した印刷位置と、図1に示す受け渡し位置との間を移動可能となってい
る。
【0029】
(光学ドライブの着脱機構:実施形態1)
図2は光学ドライブ3およびその支持フレームを示す斜視図であり、図3は支持フレー
ムの斜視図である。図2に示すように、光学ドライブ3は、その上方および側方を覆う支
持フレーム11によって保持されている。支持フレーム11は、装置ケース7内における
レーベルプリンター4の上方に固定されている。この支持フレーム11により、光学ドラ
イブ3の取付位置P1および取付位置P2が規定されている。光学ドライブ3は、支持フ
レーム11の前方から取付位置P1、P2に挿入される。
【0030】
パブリッシャー1は、取付位置P1、P2のそれぞれに光学ドライブ3を着脱可能に取
り付けるための光学ドライブ着脱機構1A(図5、6、8参照)を備えている。光学ドラ
イブ着脱機構1Aは、上記の支持フレーム11と、光学ドライブ3を取付位置P1、P2
から引き抜き不能にするためのロック機構1B(ロック手段:図5、6、8参照)と、ロ
ック機構1Bのロック状態を解除するためのロック解除機構1C(ロック解除手段:図5
、6、8参照)を備えている。また、光学ドライブ着脱機構1Aは、光学ドライブ3の後
方に配置されたコネクター接続機構1D(第1付勢手段:図5、6、8参照)を備えてい
る。
【0031】
図2、図3に示すように、支持フレーム11は、左右の側板12L、12Rおよび天板
13を備えている。側板12L、12Rの下端およびその上方の所定の高さ位置には、上
下2段に配置された各光学ドライブ3の左右の側端部分を支持する支持板14L、14R
が2段に配置されている。下側の支持板14L、14Rは、左右の側板12L、12Rの
下端を内側に折り曲げて形成されている。また、上側の支持板14L、14Rは、左右の
側板12L、12Rに切り込みを入れて内側に折り曲げることにより形成されている。上
側の支持板14L、14Rと下側の支持板14L、14Rとの高低差は、上側の光学ドラ
イブ3と下側の光学ドライブ3との間に、排熱用の所定の隙間を確保できるように設定さ
れている。
【0032】
左側の各支持板14Lの上には、ロックレバー15(ロック部材)およびロック解除レ
バー16が取り付けられている。各支持板14Lの後端寄りの位置から上方に向かって回
転支軸17が延びており、各ロックレバー15は、各回転支軸17に回転自在に取り付け
られている。また、ロック解除レバー16の後端部分には前後方向に延びる長孔16aが
形成され、ここに回転支軸17が挿通されている。これにより、ロック解除レバー16は
、側板12Lに沿って前後方向にスライド可能となっている。
【0033】
図4は、光学ドライブ3を斜め下側から見た斜視図である。光学ドライブ3は、ロック
レバー15と対峙する部分に固定されたロック板18を備えている。ロック板18は、光
学ドライブ3の筺体の左側面に固定された側板部18aと、光学ドライブ3の筺体底面の
左端部分に固定された底板部18bを備えている。底板部18bの後端には、下向きに突
出するロックピン19(係合部)が形成されている。また、底板部18bの前端には、光
学ドライブ3の筺体前面よりも更に前方に突出する操作片18cが形成されている。後述
するロック解除状態では、操作片18cを前方に引くことにより、光学ドライブ3を支持
フレーム11内から前方に引き抜くことができる。
【0034】
図5、図6は、光学ドライブ着脱機構1Aを下側から見た状態を示す底面図であり、図
5は光学ドライブ3のロック状態、図6は光学ドライブ3が取付位置P1あるいはP2へ
の挿入途中位置にある状態を示している。なお、図5、図6では、支持板14Lを省略し
、その輪郭線のみを破線で示している。また、図5、図6における矢印A1は光学ドライ
ブ3の挿入方向であり、矢印A2は光学ドライブ3の引き抜き方向である。
【0035】
図5、図6に示すように、ロックレバー15は、支持フレーム11の後方に向かうに従
って幅広となる楔形の平面形状をしており、その後端部分には、光学ドライブ3の側に突
出する係合爪15aが形成されている。ロックレバー15の回転支軸17には、ロックレ
バー15をロック方向に付勢する捻りバネ20(第2付勢手段)が取り付けられている。
捻りバネ20による付勢方向(ロック方向)は、図5において矢印Bで示すように、係合
爪15aを光学ドライブ3の側に進出させる旋回方向である。
【0036】
光学ドライブ3が取付位置P1あるいはP2まで挿入されたとき、ロックレバー15は
、図5に示すように、捻りバネ20の付勢力により、係合爪15aが支持フレーム11の
内側に向けて大きく飛び出した姿勢となっている。この位置が、ロックレバー15のロッ
ク位置15Aである。
【0037】
光学ドライブ3が支持フレーム11内に装着されていないとき、ロックレバー15は、
捻りバネ20の付勢力により、図5と同様の姿勢になっている。この状態から、光学ドラ
イブ3を支持フレーム11内に挿入すると、挿入途中で、光学ドライブ3の底面に設けら
れたロックピン19がロックレバー15に前方から当接し、これを後方に押圧する。この
ため、ロックレバー15は、捻りバネ20の付勢力に逆らって旋回し、図6に示すように
、側板12Lの側に退避する。すなわち、ロックレバー15は、光学ドライブ3の挿入動
作に伴ってロック位置15Aから退避し、光学ドライブ3の進入を妨げないように構成さ
れている。
【0038】
光学ドライブ3が取付位置P1あるいはP2に到達すると、ロックレバー15の後端よ
りも後方にロックピン19が移動する。このため、ロックレバー15が図5に示すロック
位置15Aに戻り、係合爪15aがロックピン19の前方に突出してロックピン19に係
合する。よって、光学ドライブ3を引き抜き不能なロック状態が形成される。このように
、ロックレバー15、ロックピン19、および捻りバネ20により、光学ドライブ3のロ
ック機構1Bが構成されている。
【0039】
図7はロック解除レバー16を斜め下側から見た斜視図である。ロック解除レバー16
の後端部分には、ロックレバー15の上に載ってスライドする水平なスライド片16bが
形成されている。スライド片16bの後端には上述した長孔16aが形成されており、長
孔16aの前方には、下向きに突出するロック解除ピン16cが形成されている。また、
ロック解除レバー16の前端部分には、スライド片16bの前端から前方に延びる解除操
作片16dが形成されている。解除操作片16dは、光学ドライブ3が取付位置P1ある
いはP2に装着されたとき、その筺体前面よりも前方に突出している。
【0040】
図5、図6に示すように、ロックレバー15の前端側にはガイド孔15bが形成されて
おり、ここにロック解除ピン16cが挿入されている。ガイド孔15bは、図5に示すよ
うに、ロックレバー15がロック位置15Aにあるとき、光学ドライブ3の挿入方向(矢
印A1方向)に対して斜めに延びている。ガイド孔15bの傾き方向は、ロックレバー1
5の前端側に向かうに従って側板12Lに近づき、後端側に向かうに従って側板12Lか
ら離れる方向となっている。
【0041】
図8は光学ドライブ着脱機構1Aの底面図であり、ロック解除状態を示している。図5
に示す光学ドライブ3のロック状態において、ロック解除レバー16を前方側(矢印A2
方向)に引くと、ロック解除ピン16cがガイド孔15b内を前方に移動する。このとき
、ガイド孔15bは、ロック解除ピン16cの移動方向に対して上記のように傾斜してい
るため、ロック解除レバー16の直線運動がロックレバー15の旋回運動に変換され、ロ
ックレバー15が捻りバネ20の付勢力に逆らって旋回し、ロック解除位置15Bに移動
する。これにより、ロックレバー15の係合爪15aがロックピン19の前方から退避し
、光学ドライブ3を前方に引き抜くことが可能になる。このように、ロック解除レバー1
6およびこれに形成されたロック解除ピン16c、ならびに、ガイド孔15bにより、ロ
ック解除機構1Cが構成されている。
【0042】
ここで、図5、6、8に示すように、支持フレーム11の後方には、パブリッシャー1
内の基板や電源装置からのデータ通信や電源供給用の配線を光学ドライブ3に接続するた
めのコネクター接続機構1D(第1付勢手段)が設けられている。コネクター接続機構1
Dは、支持フレーム11の後方に引き出されている配線ケーブル(図示省略)の端部に設
けられている配線接続用の可動コネクター21と、可動コネクター21を前後方向(光学
ドライブ3の挿入/引き抜き方向)に移動可能に支持するホルダー22と、可動コネクタ
ー21を前方側に付勢する付勢バネ23を備えている。ホルダー22は、支持フレーム1
1の後方に固定状態で設置されている。ホルダー22内には、付勢バネ23が前後方向に
伸縮可能な状態で配置され、その前端が可動コネクター21の後端に連結されている。
【0043】
光学ドライブ3の後端面には、可動コネクター21に対して着脱可能な固定コネクター
24が設けられている。固定コネクター24は、光学ドライブ3が支持フレーム11に挿
入されると、その後方に設置されている可動コネクター21と正対する。可動コネクター
21は、光学ドライブ3を支持フレーム11内から取り外しているときには、付勢バネ2
3の弾性復帰力により、図6に示す突出位置Q1まで飛び出している。可動コネクター2
1の前後方向の可動範囲はホルダー22によって規制されており、その前端位置が突出位
置Q1となるように構成されている。
【0044】
光学ドライブ3を支持フレーム11内に挿入すると、取付位置P1、P2の手前の所定
位置で固定コネクター24が可動コネクター21に突き当たる。その後は、付勢バネ23
の付勢力に逆らって光学ドライブ3を押し込むため、両コネクターが嵌合方向に押し付け
られる。光学ドライブ3が取付位置P1、P2まで挿入されたとき、可動コネクター21
は、図5、図8に示すように、突出位置Q1よりも後方の接続位置Q2まで押し込まれて
いる。可動コネクター21の可動範囲の後端位置は、接続位置Q2よりもわずかに後方に
設定されているため、光学ドライブ3を取り付けるときは、一旦取付位置P1、P2より
も奥まで光学ドライブ3を押し込む。これにより、可動コネクター21をその可動範囲の
後端位置に位置決めした状態で固定コネクター24を押し付けることができ、両コネクタ
ーを確実に嵌合させることができる。
【0045】
固定コネクター24と可動コネクター21を嵌合させた後、光学ドライブ3から手を離
すと、付勢バネ23の弾性復帰力によって光学ドライブ3が前方に戻り、上述したように
、ロックピン19がロックレバー15に後方から押し付けられた状態となるように位置決
めされる。すなわち、光学ドライブ3は、取付位置P1、P2に位置決めされたとき、両
コネクターを介して、付勢バネ23の弾性復帰力により、後方から前方に向けて付勢され
ている。
【0046】
上述したロック解除レバー16の操作によって図8に示すロック解除状態になると、光
学ドライブ3は、自動的に前方(矢印A2方向)に押し出される。本実施形態では、ホル
ダー22によって可動コネクター21の可動範囲が規制されており、光学ドライブ3がロ
ック解除状態になったときには、可動コネクター21が固定コネクター24に接続された
状態のままで突出位置Q1まで押し出されて停止する。すなわち、ロック解除時の光学ド
ライブ3の押し出し寸法は、接続位置Q2から突出位置Q1までの可動コネクター21の
移動距離に一致している。すなわち、可動コネクター21の可動範囲および付勢バネ23
の弾性復帰力を適宜設定することにより、ロック解除時の光学ドライブ3の押し出し寸法
を、予め設定した所望の寸法にすることができる。
【0047】
支持フレーム11における右側の側板12Rの後端には、左側に向けて突出する突出部
25が設けられている。突出部25は、固定コネクター24を可動コネクター21に正対
させて光学ドライブ3を挿入したとき、図5、図8に示すように、光学ドライブ3の筐体
右側面に、突出部25の先端が右側から当接するように構成されている。
【0048】
光学ドライブ3には、その左端部分にのみロック機構1Bが設けられ、右端部分にはロ
ック機構1Bが設けられていない。一方、上述したコネクター接続機構1Dからの付勢力
は、固定コネクター24が設けられた光学ドライブ3の後端面の右端寄りの位置に作用し
ている。このような配置では、コネクター接続機構1Dの付勢力により、光学ドライブ3
を左方向(図5の矢印C方向)に旋回させる回転力が生じる。しかしながら、本実施形態
では、光学ドライブ3の後端部分に右側から当接する突出部25が設けられているため、
光学ドライブ3の左方向への旋回が規制され、光学ドライブ3を正面を向いた姿勢に保持
することができる。
【0049】
以上のように、実施形態1では、光学ドライブ3を取付位置P1、P2まで挿入すると
、捻りバネ20の付勢力によってロック機構1Bのロック状態が形成され、光学ドライブ
3を引き抜くことができなくなる。従って、光学ドライブ3を支持フレーム11に沿って
その奥に向けて挿入するだけで光学ドライブ3の取り付けが完了する。よって、光学ドラ
イブ3の取付作業を極めて簡単に行うことができる。
【0050】
また、実施形態1では、光学ドライブ3はコネクター接続機構1Dによって引き抜き方
向に付勢されているため、ロック状態において光学ドライブ3が可能な限り前方に押し出
され、ロックピン19がロックレバー15に押し当てられる位置で光学ドライブ3が位置
決めされる。従って、取付位置P1、P2における光学ドライブ3の位置決めが確実にな
される。これにより、光学ドライブ3とオートローダー2との間で光ディスク10を確実
に受け渡すことができ、光ディスク10の搬送信頼性が向上する。また、光学ドライブ3
を取付位置P1、P2まできちんと挿入できていない場合にはロック状態が形成されず、
このときには、付勢バネ23の付勢力により、光学ドライブ3が支持フレーム11から前
方に押し出される。従って、取付位置P1、P2への取付が完了したか否かを一目で確認
できる。更に、ロック解除機構1Cによるロック解除を行ったときにも、光学ドライブ3
が自動的に支持フレーム11内から前方に押し出される。よって、光学ドライブ3を容易
に引き抜くことができ、取り外し作業が容易である。
【0051】
更に、実施形態1では、ロック機構1Bおよびロック解除機構1Cを光学ドライブ3の
左端部分にのみ設けているため、ロック機構が上下の光学ドライブ3の隙間を大きく塞い
でしまうことがなく、排熱用の隙間を確保できる。その一方で、右側の側部にはロック機
構1Bを設けていないため、付勢バネ23の付勢力が、光学ドライブ3をそのロック位置
を中心として旋回させる方向に作用する。しかしながら、本実施形態では、突出部25を
設けたことにより、取付位置P1、P2における光学ドライブ3の回転防止が図られてい
る。従って、光学ドライブ3を正確な取付姿勢で取り付けることができる。
【0052】
(光学ドライブ着脱機構:実施形態2)
実施形態1の光学ドライブ着脱機構1Aは、ロック機構1Bを光学ドライブ3の左側端
部のみに配置したものであったが、ロック機構およびロック解除機構を他の形態にするこ
ともできる。以下、実施形態2の光学ドライブ着脱機構30Aについて説明する。実施形
態2の光学ドライブ着脱機構30Aは、実施形態1の支持フレーム11とほぼ同様に構成
された支持フレーム31を備えており、支持フレーム31内の取付位置P1、P2に、2
台の光学ドライブ32が着脱可能に取り付けられる。
【0053】
図9〜11は、実施形態2の光学ドライブ着脱機構30Aの要部を下側から見た状態を
示す底面図であり、図9は光学ドライブ32のロック状態、図10は光学ドライブ32が
取付位置P1あるいはP2への挿入途中位置にある状態、図11はロック解除状態を示し
ている。光学ドライブ32は、実施形態1の支持フレーム11と同様の支持フレーム31
に設けられた左右の支持板(図示省略)によって左右の端部を支持された状態で、支持フ
レーム31内に着脱可能に取り付けられる。
【0054】
実施形態2の光学ドライブ32は、その底面に取り付けられたロック板33を備えてい
る。ロック板33には、同一形状の係合溝34が左右2箇所に形成されている。各係合溝
34は、ロック板33の前端寄りの位置において光学ドライブ32の幅方向に延びている
第1係合溝34a(係合部)と、第1係合溝34aの一端から後方に延びる第2係合溝3
4bを備えている。第2係合溝34bは、その前端部分が第1係合溝34aと鋭角をなす
ように傾斜して延びており、後端部分は、第1係合溝34aと直交する方向(すなわち、
光学ドライブ32の挿入方向)に延びる形状をしている。また、係合溝34は、第1係合
溝34aの他端から後方に延びており、第2係合溝34bの途中位置に接続している戻り
溝34cを備えている。
【0055】
光学ドライブ32が取付位置P1、P2に挿入されたとき、その底面のロック板33に
下側から対峙する位置には、スライド板35(ロック部材)が配置されている。スライド
板35の上面には、ロック板33の各係合溝34に係合する2本のスライドピン35aが
形成されている。スライド板35は、図示しないスライド機構により、支持フレーム31
に対し、光学ドライブ32の挿入方向と直交する方向(図9の矢印D1、D2方向)にス
ライド可能に支持されている。スライド板35の一端にはロック解除ピン35bが形成さ
れている。また、スライド板35の他端には、スライド板35をそのスライド方向に付勢
する付勢バネ36が取り付けられている。付勢バネ36は、右側の側板31Rとスライド
板35の右端との間に取り付けられており、スライド板35を、支持フレーム31におけ
る左側の側板31Lに向かう方向(矢印D2方向)に付勢している。
【0056】
光学ドライブ32を取付位置P1あるいはP2に向けて挿入開始すると、図10に示す
ように、第2係合溝34bの後端からスライドピン35aが溝内に進入する。スライドピ
ン35aは、光学ドライブ32の挿入途中には第2係合溝34b内を移動する。第2係合
溝34bは、その中間部分が斜めに延びているため、この部分をスライドピン35aが通
るときに、付勢バネ36の付勢力に逆らって、支持フレーム31における右側の側板31
Rの側(図10の矢印D1方向)にスライド板35が移動する。
【0057】
ここで、光学ドライブ32の挿入時には、後述するロック解除レバー37を、図9、1
0に示すように、前方に引き出した状態にしておく。これにより、後述するガイド孔37
aの後端の幅狭になった部分にスライド板35のロック解除ピン35bが進入して、図9
、10に示す位置よりも左側(矢印D2方向)にスライド板35が移動することができな
くなっている。このため、スライドピン35aは、光学ドライブ32の挿入時には第2係
合溝34bの途中位置から戻り溝34cに進入することができず、第2係合溝34bの前
端に向かって進む。
【0058】
光学ドライブ32が取付位置P1あるいはP2に到達したとき、スライドピン35aは
、第2係合溝34bの前端に到達する。これにより、スライドピン35aは第1係合溝3
4aに進入可能となる。スライド板35は付勢バネ36によって付勢されているため、図
9に示すように、スライド板35が付勢方向(矢印D2方向)に移動し、スライドピン3
5aが第1係合溝34aの中央部分まで進入する。この位置が、スライド板35のロック
位置35Aである。
【0059】
ロック位置35Aでは、スライドピン35aが進入している第1係合溝34aが光学ド
ライブ32の挿入方向と直交する方向に延びている。このように、スライドピン35aが
第1係合溝34a内に係合されていると、光学ドライブ32を、取付位置P1、P2から
引き抜くための引き抜き方向(矢印A2方向)に移動させることができない。すなわち、
本実施形態では、係合溝34、スライド板35および付勢バネ36により、光学ドライブ
32のロック機構30Bが構成されている。
【0060】
光学ドライブ着脱機構30Aは、ロック機構30Bによるロック状態を解除するための
ロック解除機構30Cを備えている。ロック解除機構30Cは、上記のスライド板35に
設けられたロック解除ピン35bと、ロック解除ピン35bを案内するガイド孔37aが
形成されたロック解除レバー37を備えている。ガイド孔37aはロック解除レバー37
の後端部分に形成され、ロック解除レバー37の前端部分は支持フレーム31の前方に向
かって延びている。
【0061】
図9に示すように、スライド板35がロック位置35Aにあるとき、ロック解除ピン3
5bは、スライド板35に加わる付勢バネ36の付勢力によってガイド孔37aの内壁3
7bに押し付けられている。ガイド孔37aは、後端部分の幅が狭く、前端部分の幅が広
い形状をしており、内壁37bの後端部分が光学ドライブ32に近く、前端部分が光学ド
ライブ32から離れている。このため、ロック解除ピン35bに対してガイド孔37aを
前後方向に移動させると、スライド板35が付勢方向あるいはその逆方向に移動する。
【0062】
図9に示す光学ドライブ32のロック状態において、ロック解除レバー37を後方側(
矢印A1方向)に押込むと、ロック解除ピン35bは、内壁37bに沿ってガイド孔37
a内の前方に移動する。このとき、内壁37bが上記のような段差形状となっているため
、スライド板35が付勢バネ36の付勢方向(矢印D2方向)にスライドし、図11に示
すロック解除位置35Bまで移動する。ロック解除位置35Bでは、スライドピン35a
が戻り溝34cとの接続位置まで移動している。従って、スライドピン35aが戻り溝3
4cを経由して第2係合溝34bに戻り、光学ドライブ32を引き抜くことができる。
【0063】
図9、図11に示すように、実施形態2においても、実施形態1と同様に、光学ドライ
ブ32の後方にコネクター接続機構1Dが配置されている。従って、ロック解除レバー3
7の操作によってスライド板35をロック解除位置35Bに移動させ、スライドピン35
aと第1係合溝34aとの係合を解除すると、コネクター接続機構1Dの付勢力により、
光学ドライブ32が自動的に前方(矢印A2方向)に押し出される。
【0064】
実施形態2では、このような構成により、実施形態1と同様に、光学ドライブ32を取
付位置P1、P2まで挿入すると、自動的にロック機構1Bのロック状態が形成される。
従って、光学ドライブ32の取付作業を極めて簡単に行うことができる。また、コネクタ
ー接続機構1Dにより、ロック状態において光学ドライブ32が可能な限り前方に押し出
されるため、取付位置P1、P2における光学ドライブ32の位置決めが確実になされる
。更に、光学ドライブ32を取付位置P1、P2まで挿入できていない場合、および、ロ
ック解除機構30Cによるロック解除を行ったときには光学ドライブ32が自動的に前方
に押し出される。従って、取付位置P1、P2への取付が完了したか否かを一目で確認で
きると共に、光学ドライブ32の取り外し作業が容易である。
【0065】
(他の実施形態)
上記実施形態1、2は、多数の光ディスク10へのデータの書き込みを連続で行うため
のパブリッシャー1に本発明を適用したものであったが、本発明は、光学ドライブを着脱
可能に装着し、光ディスクの搬送機構を備える各種の光ディスク処理装置に適用できる。
【符号の説明】
【0066】
1…パブリッシャー(光ディスク処理装置)、1A…光学ドライブ着脱機構、1B…ロッ
ク機構(ロック手段)、1C…ロック解除機構(ロック解除手段)、1D…コネクター接
続機構(第1付勢手段)、2…オートローダー(搬送機構)、2a…垂直ガイド軸、2b
…ディスクキャリア、3…光学ドライブ、3a…ディスクトレイ、4…レーベルプリンタ
ー、4a…ディスクトレイ、4b…カートリッジ装着部、5…供給スタッカー、6…収納
スタッカー、7…装置ケース、8…開閉扉、9…開閉扉、10…光ディスク、10A…ブ
ランクディスク、10B…完成ディスク、11…支持フレーム、12L…側板、12R…
側板、13…天板、14L…支持板、14R…支持板、15…ロックレバー(ロック部材
)、15a…係合爪、15b…ガイド孔、15A…ロック位置、15B…ロック解除位置
、16…ロック解除レバー、16a…長孔、16b…スライド片、16c…ロック解除ピ
ン、16d…解除操作片、17…回転支軸、18…ロック板、18a…側板部、18b…
底板部、18c…操作片、19…ロックピン(係合部)、20…捻りバネ(第2付勢手段
)、21…可動コネクター、22…ホルダー、23…付勢バネ、24…固定コネクター、
25…突出部、30A…光学ドライブ着脱機構、30B…ロック機構、30C…ロック解
除機構、31…支持フレーム、31L…側板、31R…側板、32…光学ドライブ、33
…ロック板、34…係合溝、34a…第1係合溝(係合部)、34b…第2係合溝、34
c…戻り溝、35…スライド板(ロック部材)、35a…スライドピン、35b…ロック
解除ピン、35A…ロック位置、35B…ロック解除位置、36…付勢バネ、37…ロッ
ク解除レバー、37a…ガイド孔、37b…内壁、P1…取付位置、P2…取付位置、Q
1…突出位置、Q2…接続位置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学ドライブの取付位置を規定する支持フレームと、
当該支持フレームに沿って前記取付位置まで挿入された前記光学ドライブを当該取付位
置から引き抜き不能にするためのロック手段と、
当該ロック手段のロック状態を解除するためのロック解除手段と、
前記光学ドライブを、前記取付位置から引き抜くための引き抜き方向に付勢する第1付
勢手段とを有し、
前記ロック手段は、
前記光学ドライブおよび前記支持フレームのいずれか一方に設けられた係合部と、
前記光学ドライブおよび前記支持フレームのいずれか他方に設けられ、前記係合部と係合して前記光学ドライブを引き抜き不能にするロック位置、および、前記光学ドライブの引き抜きを妨げないロック解除位置に移動可能なロック部材と、
当該ロック部材を前記ロック位置に向けて付勢する第2付勢手段とを備え、
前記ロック部材は、
前記光学ドライブの前記取付位置への挿入動作に伴って前記ロック位置から退避し、
前記光学ドライブが前記取付位置まで挿入されると、前記第2付勢手段の付勢力によっ
て前記ロック位置に移動することを特徴とする光学ドライブ着脱機構。
【請求項2】
請求項1において、
前記係合部は、前記光学ドライブに設けられたロックピンであり、
前記ロック部材は、前記支持フレームに回転自在に支持されるロックレバーであり、
前記第2付勢手段は、前記ロックレバーを、前記光学ドライブの挿入時の前記ロックピ
ンの通過経路上から退避している前記ロック解除位置から、前記通過経路上に進出してい
る前記ロック位置に向けて旋回させる方向に付勢しており、
前記ロックレバーは、
前記光学ドライブの前記取付位置への挿入動作に伴い、前記ロックピンに押圧されて前
記ロック解除位置側に旋回し、
前記光学ドライブが前記取付位置まで挿入されると、前記ロック位置に復帰することを
特徴とする光学ドライブ着脱機構。
【請求項3】
請求項2において、
前記ロック解除手段は、
前記ロックレバーに形成されたガイド孔と、
当該ガイド孔に係合されるロック解除ピンが一端に形成されたロック解除レバーとを備
え、
前記ガイド孔および前記ロック解除ピンは、前記ロック解除レバーの前記引き抜き方向
への直線運動を、前記ロックレバーの前記ロック解除位置側への旋回運動に変換するよう
に構成されていることを特徴とする光学ドライブ着脱機構。
【請求項4】
請求項2または3において、
前記ロックピンは、前記光学ドライブの一方の側部に設けられ、
前記ロックレバーは、前記一方の側部に沿って延びる前記支持フレームの部位に設けら
れ、
前記光学ドライブにおける他方の側部と対峙する前記支持フレームの部位に、前記光学
ドライブに側方から当接する突出部が設けられていることを特徴とする光学ドライブ着脱
機構。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかの項において、
前記支持フレームは、複数台の前記光学ドライブを上下に重ねた状態で支持しており、
各光学ドライブに対応して、前記ロック手段および前記ロック解除手段が設けられ、
前記ロック手段および前記ロック解除手段は、各光学ドライブと、その上方あるいは下
方に配置された他の光学ドライブとの間に設けられた排熱用の隙間を塞ぐことのないよう
に設置されていることを特徴とする光学ドライブ着脱機構。
【請求項6】
請求項1において、
前記係合部は、前記光学ドライブに形成され当該光学ドライブの幅方向に延びる第1係
合溝であり、当該第1係合溝の一端に、前記光学ドライブの前後方向に延びる第2係合溝
が接続されており、
前記ロック部材は、前記光学ドライブの幅方向にスライド可能な状態で前記支持フレー
ムに支持され、且つ、前記第2付勢手段によってスライド方向に付勢されているスライド
板であって、前記第1係合溝および前記第2係合溝内を移動するスライドピンが形成され
ており、
前記光学ドライブの前記取付位置への挿入動作に伴い、前記スライドピンが前記第2係
合溝内を前記第1係合溝との接続位置に向けて移動し、
前記光学ドライブが前記取付位置まで挿入されると、前記第2付勢手段の付勢力によっ
て前記第1係合溝内に前記スライドピンが進入して、前記ロック状態が形成されることを
特徴とする光学ドライブ着脱機構。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかの項に記載の光学ドライブ着脱機構と、
当該光学ドライブ着脱機構によって着脱可能に取り付けられる光学ドライブと、
前記取付位置に装着された前記光学ドライブに光ディスクを搬送するための搬送機構を
有することを特徴とする光ディスク処理装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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