説明

光ディスク用描画装置、光ディスク装置及び光ディスク用描画方法

【課題】光ディスクの表面に正確に描画することができる光ディスク用描画装置を提供する。
【解決手段】レーザ光を光ディスク2の表面に照射させて、光ディスク2の表面に描画させる光ディスク用描画装置100であって、光ディスク2を回転させる回転装置30から回転速度に関する情報である回転情報を取得する回転情報取得部110と、光ディスク2の1回転である1周期のうちの所定の区間における、レーザ光を照射するタイミングを決定する基礎となるクロックの周波数である照射周波数を決定する周波数決定部120と、当該照射周波数のクロックに基づくタイミングで、光ディスク2の表面の所定の区間にレーザ光を照射させる照射指示部130とを備え、回転情報取得部110は、光ディスク2の1周期以上前の所定の区間における回転情報を取得し、周波数決定部120は、当該回転情報を用いて、所定の区間における照射周波数を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光を光ディスクの表面に照射することにより、当該光ディスクの表面に描画する光ディスク用描画装置、光ディスク装置及び光ディスク用描画方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、レーザ光を用いて、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスクの表面に描画する技術が知られている。この技術では、光ディスクのラベル面などの表面にレーザ光で変色する色素が塗布されており、光ディスクを回転させながら当該表面にレーザ光を照射することにより、当該表面に所望の画像を描画する。
【0003】
ここで、光ディスクの表面に正確に描画するためには、光ディスクの回転制御を精度良く行う必要がある。そして、例えば、光ディスクの表面に細かく形成された格子パターン(Spoke)を専用の光学検出器(OFG:Optical Frequency Generator)で読み取り、光ディスクの回転状態を細かく把握することで、光ディスクの回転制御を精度良く行う方法がある。しかし、この方法では、当該専用のOFGが必要なため、構成が複雑になり、コストアップにもつながる。
【0004】
このため、従来、光ディスクを回転させるモータのドライバで生成されるモータの回転状態を示す信号であるFG信号を用いて、光ディスクの記録波形を補正する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この従来の技術では、上記OFG信号に比して発生頻度の少ないFG信号を用いて回転制御を実施することによる回転精度悪化そのものを低減するのではなく、当該FG信号からモータの回転誤差を把握し、当該回転誤差を用いて、記録波形の時間軸位相を補正することで、当該専用のOFGを使用することなく、光ディスクの画像描画を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0196131号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の技術においても、光ディスクの表面に正確に描画することができず、描画した画像に歪みや欠損が生じる場合があるという問題がある。
【0007】
つまり、従来の技術では、FG信号から回転制御位相誤差を検出し、上記位相誤差を相殺するように記録波形の位相を補正して光ディスクの画像描画を行うが、当該FG信号は、光ディスク1回転ごとの発生数が少ないため、描画補正を精度良く行うことが困難である。
【0008】
以下、詳細に説明する。
【0009】
FG信号は、光ディスク1回転について約24パルス程度の信号であり、仮にディスク回転速度変動が±1%発生しているとする。1周の記録ドットを約6000ドットとすると、FG信号1区間のドット数は250ドットとなる。すなわち速度変動によって2.5ドット分の位相誤差が発生してしまい、これを位相補正した場合ドット欠けの発生はさけられないこととなる。尚、上記に仮定した±1%の回転速度変動は、当然ながら使用するスピンドルモーターの品質に依存するが、仮定した値が実際に発生しうることを筆者らは確認している。
【0010】
このため、従来技術の手法を用いて補正しても、部分的な補正となるため、光ディスクの回転全体を精度良く補正することはできない。これにより、上記従来の技術では、光ディスクの表面に描画した画像に歪みや画像欠損が生じる場合がある。
【0011】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、光ディスクの表面に正確に描画することができる光ディスク用描画装置、光ディスク装置及び光ディスク用描画方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る光ディスク用描画装置は、レーザ光を光ディスクの表面に照射させて、前記光ディスクの表面に描画させる光ディスク用描画装置であって、前記光ディスクを回転させる回転装置から得られる信号から生成される、回転速度に関する情報である回転情報を取得する回転情報取得部と、前記光ディスクの1回転である1周期のうちの所定の区間における、前記レーザ光を照射するタイミングを決定する基礎となるクロックの周波数である照射周波数を決定する周波数決定部と、決定された前記照射周波数のクロックに基づくタイミングで、前記光ディスクの表面の前記所定の区間に前記レーザ光を照射させる照射指示部とを備え、前記回転情報取得部は、前記光ディスクの1周期以上前の前記所定の区間における回転情報を取得し、前記周波数決定部は、取得された前記回転情報を用いて、前記所定の区間における照射周波数を決定する。
【0013】
これによれば、回転情報取得部が、光ディスクの1周期以上前の所定の区間における回転情報を取得し、周波数決定部が、当該回転情報を用いて所定の区間における照射周波数を決定し、照射指示部が、当該照射周波数のクロックに基づくタイミングで、光ディスクの表面の所定の区間にレーザ光を照射させる。つまり、光ディスクの1周期以上前の同じ区間における回転情報を用いて、照射周波数を決定し、レーザ光を照射させる。
【0014】
ここで、本発明の発明者らは、鋭意実験と検討の結果、光ディスクを回転させる回転装置(モータ)は、回転制御での精度向上には限界があるが、回転情報を示すFG信号そのものには十分な精度があり、回転制御の誤差には1回転ごとの再現性があることを見出した。このため、回転制御の誤差の周期性を利用して、過去の回転情報の履歴を用いて、現在の回転情報を正確に推定することができる。これにより、この推定した回転情報に従ってレーザ光を照射させることで、光ディスクの表面に正確に描画することができる。
【0015】
また、好ましくは、前記周波数決定部は、前記所定の区間において、取得された前記回転情報で示される前記回転装置の回転速度に対応するタイミングで前記レーザ光を照射するように、前記照射周波数を決定する。
【0016】
これによれば、周波数決定部は、回転情報取得部が取得した回転情報で示される回転速度に対応するタイミングでレーザ光を照射するように、所定の区間における照射周波数を決定する。つまり、レーザ光を照射するタイミングを、1周期以上前の回転情報で示される回転速度に同期させる。これにより、回転装置の回転制御に誤差が生じていても、当該誤差に合わせてレーザ光を照射させることができるので、光ディスクの表面に正確に描画することができる。
【0017】
また、好ましくは、前記回転情報取得部は、前記回転装置の回転速度を示す情報、または前記回転速度の所定の基準値からの誤差を示す情報を、前記回転情報として取得し、前記周波数決定部は、取得された前記回転情報を用いて、前記所定の区間における照射周波数を決定する。
【0018】
これによれば、周波数決定部は、回転装置の回転位置を示す情報、または回転位置の所定の基準位置からの誤差を示す情報を用いて、照射周波数を決定する。ここで、当該回転位置やその誤差の情報は、FG信号から取得することができる。そして、FG信号そのものには十分な精度がある。このため、FG信号で示される当該回転位置の履歴、または回転位置の誤差の履歴を用いて、照射周波数を決定し、レーザ光を照射させることで、光ディスクの表面に正確に描画することができる。
【0019】
また、好ましくは、前記回転情報取得部は、前記光ディスクの1周期前の回転情報、または前記光ディスクの1周期以上前の複数周期におけるそれぞれの回転情報の平均値を、前記回転情報として取得し、前記周波数決定部は、取得された前記回転情報を用いて、前記所定の区間における照射周波数を決定する。
【0020】
これによれば、回転情報取得部は、光ディスクの1周期前の回転情報、または1周期以上前の複数周期におけるそれぞれの回転情報の平均値を、回転情報として取得する。このため、光ディスクの1周期前の回転情報を用いる場合は、回転情報を取得するために計算を行う必要が無く、処理を容易にすることができる。また、複数周期におけるそれぞれの回転情報の平均値を用いる場合は、回転情報の過去の履歴のばらつきを平均化して、回転情報の精度を向上させることができる。
【0021】
また、好ましくは、前記周波数決定部は、さらに、前記光ディスクの1周期のうちの前記所定の区間の直前の区間において決定された照射周波数と前記回転情報取得部が取得した前記直前の区間における回転情報に対応する照射周波数との差分を用いて、前記所定の区間における照射周波数を決定する。
【0022】
これによれば、周波数決定部は、さらに、1周期のうちの所定の区間の直前の区間において決定された照射周波数と実際の照射周波数との差分を用いて、所定の区間における照射周波数を決定する。このため、当該直前の区間における照射周波数の誤差を、所定の区間における照射周波数に反映させることで、照射周波数を精度良く決定することができる。
【0023】
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る光ディスク装置は、レーザ光を光ディスクの表面に照射することにより、前記光ディスクの表面に描画する光ディスク装置であって、前記レーザ光を前記光ディスクの表面に照射するレーザ発生部と、前記レーザ発生部が照射する前記レーザ光の照射パターンデータを生成するデータ生成部と、前記光ディスクを回転させる回転装置と、前記回転装置から得られる信号から、前記回転装置の回転速度に関する情報である回転情報を生成する回転情報生成部と、生成された前記回転情報を取得する回転情報取得部と、前記光ディスクの1回転である1周期のうちの所定の区間における、前記レーザ光を照射するタイミングを決定する基礎となるクロックの周波数である照射周波数を決定する周波数決定部と、決定された前記照射周波数のクロックに基づくタイミングで、前記照射パターンデータに従って、前記レーザ発生部に、前記光ディスクの表面の前記所定の区間に前記レーザ光を照射させる照射指示部とを備え、前記回転情報取得部は、前記光ディスクの1周期以上前の前記所定の区間における回転情報を取得し、前記周波数決定部は、取得された前記回転情報を用いて、前記所定の区間における照射周波数を決定する。
【0024】
これによれば、回転情報取得部が、光ディスクの1周期以上前の所定の区間における回転情報を取得し、周波数決定部が、当該回転情報を用いて所定の区間における照射周波数を決定し、照射指示部が、当該照射周波数のクロックに基づくタイミングで、光ディスクの表面の所定の区間にレーザ光を照射させる。つまり、光ディスクの1周期以上前の同じ区間における回転情報を用いて、照射周波数を決定し、レーザ光を照射させる。このため、回転制御の誤差の周期性を利用して、過去の回転情報の履歴を用いて、現在の回転情報を正確に推定することができる。これにより、この推定した回転情報に従ってレーザ光を照射させることで、光ディスクの表面に正確に描画することができる。
【0025】
なお、本発明は、このような光ディスク用描画装置または光ディスク装置として実現することができるだけでなく、このような光ディスク用描画装置が備える特徴的な処理部をステップとする光ディスク用描画方法としても実現することができる。また、当該光ディスク用描画方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したり、当該プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。また、本発明は、当該光ディスク用描画装置に含まれる特徴的な処理部を備える半導体装置としても実現することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、レーザ光を光ディスクの表面に照射することで当該表面に描画する光ディスク用描画装置において、光ディスクの表面に正確に描画することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態に係る光ディスク用描画装置を備える光ディスク装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る回転情報データの一例を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る光ディスク装置が行う動作の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態に係る回転情報生成部が生成する回転情報を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る回転情報生成部が生成する回転情報を説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る回転情報生成部が生成する回転情報を説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る光ディスク用描画装置が行う動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施の形態に係る周波数決定部が照射周波数を決定する処理を説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る回転装置の特性を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態の変形例に係る周波数決定部が照射周波数を決定する処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る光ディスク用描画装置、及び当該光ディスク用描画装置を備える光ディスク装置について、説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施の形態に係る光ディスク用描画装置100を備える光ディスク装置1の構成を示す図である。
【0030】
光ディスク装置1は、レーザ光を光ディスクの表面に照射することにより、光ディスクの表面に描画する装置である。同図に示すように、光ディスク装置1は、レーザ発生部10と、データ生成部20と、RAM21と、回転装置30と、回転情報生成部40と、RAM41と、光ディスク用描画装置100とを備えている。
【0031】
レーザ発生部10は、レーザ光を、CDやDVDなどの光ディスク2の表面に照射する。ここで、光ディスク2のラベル面などの表面には、レーザ光で変色する色素が塗布されており、レーザ発生部10が光ディスク2の表面にレーザ光を照射することにより、当該表面に所望の画像を描画する。
【0032】
なお、レーザ発生部10がレーザ光を照射する速度としては、例えば、光ディスク2の表面の画像が600dpiになるように照射する場合には、レーザ発生部10は、数10kHzの周波数でレーザ光を照射することができる構成になっている。
【0033】
データ生成部20は、レーザ発生部10が照射するレーザ光の照射パターンデータ21aを生成する。ここで、照射パターンデータ21aは、光ディスク装置1が備えるメモリであるRAM21に記憶されている。照射パターンデータ21aは、光ディスク2の表面に描画する画像を示すデータであり、レーザ発生部10が照射するレーザ光の強さまたはレーザ光のON/OFFなどのパターンを示すデータの集まりである。
【0034】
つまり、データ生成部20は、光ディスク2の表面に描画する画像のデータをユーザによる入力などから取得し、当該画像を描画するためにレーザ光が照射するパターンを示した照射パターンデータ21aを生成する。そして、データ生成部20は、生成した照射パターンデータ21aをRAM21に記憶させる。
【0035】
回転装置30は、光ディスク2を回転させるモータである。ここで、回転装置30は、後述する回転情報を生成するための情報を回転情報生成部40に出力することができるモータであればよいが、好ましくは、光ディスク2に記録された情報の再生時に使用されるDCブラシレススピンドルモータである。
【0036】
回転情報生成部40は、回転装置30から得られる信号から生成される、回転速度に関する情報である回転情報を生成する。回転情報生成部40は、例えば、モータドライバであり、回転情報は、例えば、モータドライバで生成されるFG信号の発生位置を示す情報である。なお、FG信号とは、モータ軸が一定角度回転するごとに発生される制御用パルス信号である。
【0037】
ここで、回転情報は、光ディスク装置1が備えるメモリであるRAM41に記憶されている回転情報データ41aに含まれる情報である。つまり、回転情報生成部40は、当該回転情報を生成し、生成した回転情報をRAM41に記憶させることで、回転情報データ41aを更新する。回転情報データ41a及び回転情報の詳細については、後述する。
【0038】
光ディスク用描画装置100は、レーザ光を光ディスク2の表面に照射させて、光ディスク2の表面に描画させる装置である。同図に示すように、光ディスク用描画装置100は、回転情報取得部110と、周波数決定部120と、照射指示部130とを備えている。
【0039】
回転情報取得部110は、回転装置30から得られる信号から生成される、回転速度に関する情報である回転情報を取得する。つまり、回転情報生成部40が生成した回転情報を取得する。また、周波数決定部120は、光ディスク2の1回転である1周期のうちの所定の区間における、レーザ光を照射するタイミングを決定する基礎となるクロックの周波数である照射周波数を決定する。
【0040】
具体的には、回転情報取得部110は、光ディスク2の1周期以上前の当該所定の区間における回転情報を取得する。つまり、回転情報取得部110は、RAM41に記憶されている回転情報データ41aを参照して、当該回転情報データ41aに含まれる回転情報を取得する。
【0041】
さらに具体的には、回転情報取得部110は、回転装置30の回転速度を示す情報、または回転速度の所定の基準値からの誤差を示す情報を、回転情報として取得する。また、回転情報取得部110は、光ディスク2の1周期前の回転情報、または光ディスク2の1周期以上前の複数周期におけるそれぞれの回転情報の平均値を、回転情報として取得する。
【0042】
また、周波数決定部120は、回転情報取得部110が取得した回転情報を用いて、当該所定の区間における照射周波数を決定する。具体的には、周波数決定部120は、当該所定の区間において、回転情報取得部110が取得した回転情報で示される回転装置30の回転速度に対応するタイミングでレーザ光を照射するように、照射周波数を決定する。
【0043】
照射指示部130は、周波数決定部120が決定した照射周波数のクロックに基づくタイミングで、照射パターンデータ21aに従って、レーザ発生部10に、光ディスク2の表面の所定の区間にレーザ光を照射させる。つまり、照射指示部130は、RAM21に記憶されている照射パターンデータ21aを参照して、所定の区間における照射のパターンを当該タイミングで、レーザ発生部10にレーザ光を照射させることで、光ディスク2の表面に所望の画像を描画させる。
【0044】
次に、RAM41に記憶されている回転情報データ41aについて、詳述する。
【0045】
図2は、本発明の実施の形態に係る回転情報データ41aの一例を示す図である。
【0046】
回転情報データ41aは、回転装置30の回転情報を示すデータの集まりである。同図に示すように、回転情報データ41aは、対象FGアドレス、及び基準位置(REF)と誤差とからなるFG発生位置などのデータを含む。
【0047】
対象FGアドレスは、発生したFG信号を識別する情報である。つまり、ここでは、光ディスク2の1回転である1周期に24パルスのFG信号が発信されることとし、対象FGアドレスとして、FG1〜FG24のアドレスが示されている。
【0048】
基準位置(REF)は、光ディスク2の1周期を24等分した場合の基準位置を、1〜24として示している。また、誤差は、FG信号の発生位置(発生時刻)の基準位置からの誤差を示す情報である。
【0049】
つまり、例えば、対象FGアドレスがFG1の場合、基準位置「1」に対し、誤差「.3」であるので、FG1で示されるFG信号の発生位置は、「1.3」となる。ここで、このFG信号の発生位置「1.3」またはその誤差「.3」が、回転情報である。
【0050】
なお、この誤差は、光ディスク2の1周期分の誤差、または光ディスク2の複数周期分の誤差の平均値である。例えば、対象FGアドレスがFG1の場合、FG1で示されるFG信号の発生位置の直前の1周期分の誤差、または複数周期分の誤差の平均値が、「.3」である。
【0051】
次に、光ディスク装置1が、光ディスク2の表面に所望の画像を描画する処理の詳細について、説明する。
【0052】
図3は、本発明の実施の形態に係る光ディスク装置1が行う動作の一例を示すフローチャートである。
【0053】
同図に示すように、まず、データ生成部20は、レーザ発生部10が照射するレーザ光の照射パターンデータ21aを生成する(S102)。そして、データ生成部20は、生成した照射パターンデータ21aをRAM21に記憶させる。なお、データ生成部20は、事前に照射パターンデータ21aを生成して、RAM21に記憶させておいてもよい。
【0054】
そして、回転装置30は、光ディスク2を回転させる(S104)。なお、回転装置30は、データ生成部20が照射パターンデータ21aを生成する(S102)より前に、光ディスク2を回転させておくことにしてもよい。
【0055】
そして、回転情報生成部40は、回転装置30から得られる信号から生成される、回転速度に関する情報である回転情報を生成する(S106)。ここで、回転情報生成部40が生成する回転情報について、説明する。
【0056】
図4〜図6は、本発明の実施の形態に係る回転情報生成部40が生成する回転情報を説明する図である。
【0057】
光ディスク2が回転装置30によって回転されると、光ディスク2の1周期において例えば24パルスのFG信号が発信される。つまり、図4に示すように、光ディスク2の1周期を24等分した位置に対応して、FG1〜FG24で示されるFG信号が発信される。
【0058】
そして、このFG1〜FG24は、光ディスク2の1周期の期間を24等分した時刻に発信されるのが望ましいが、図5に示すように、回転装置30の回転速度の誤差によって、歪みが生じる。ここで、同図のFGは、24パルスのFG信号の発生位置を示しており、REFの1〜24は、光ディスク2の1周期の期間を24等分した基準位置を示している。
【0059】
例えば、FG1の発生位置は、REFの1と2の間に位置しており、ここでは、FG1は、REFの1.3の位置に相当していることとする。この場合、回転情報生成部40は、FG1の発生位置である「1.3」、またはFG1の発生位置「1.3」とREF「1」との差分である誤差「.3」を、FG1における回転情報として生成する。
【0060】
ここで、FG1における回転情報とFG2における回転情報とから、FG1からFG2までの期間を算出することで、FG1からFG2までの区間における回転装置30の回転速度を算出することができる。このため、回転情報は、回転装置30から得られる信号から生成される、回転速度に関する情報である。
【0061】
また、図6に示すように、回転情報生成部40は、FG信号の発生位置の過去の複数の履歴を加重平均し、回転情報を生成することにしてもよい。例えば、回転情報生成部40は、1周期前のFG1の発生位置を示すFG1aに1−αを乗じた数に、2周期前のFG1の発生位置を示すFG1bにαを乗じた数を加算する。ここで、αは、0から1までの数である。例えばαが1/2の場合は、回転情報生成部40は、FG1aとFG1bとの平均値を、FG1の回転情報として生成することになる。
【0062】
回転情報生成部40は、このように回転情報を生成することで、FG1aとFG1bの双方のデータをRAM41に記憶させておく必要が無いため、メモリ容量を低減しつつ、回転情報を生成することができる。
【0063】
このようにして、回転情報生成部40は、回転情報を生成し、生成した回転情報をRAM41に記憶させることで、図2に示された回転情報データ41aを更新する。
【0064】
そして、図3に戻り、光ディスク用描画装置100は、レーザ光を光ディスク2の表面に照射させて、光ディスク2の表面に所望の画像を描画させる(S108)。なお、この光ディスク用描画装置100が光ディスク2の表面に所望の画像を描画させる処理の詳細については、後述する。
【0065】
以上により、光ディスク装置1が、光ディスク2の表面に所望の画像を描画する処理は、終了する。
【0066】
次に、光ディスク用描画装置100が光ディスク2の表面に所望の画像を描画させる処理(図3のS108)の詳細について、説明する。
【0067】
図7は、本発明の実施の形態に係る光ディスク用描画装置100が行う動作の一例を示すフローチャートである。
【0068】
同図に示すように、まず、回転情報取得部110は、回転情報生成部40が生成した回転情報を取得する(S202)。具体的には、回転情報取得部110は、光ディスク2の1周期のうちの所定の区間における回転情報を取得する。
【0069】
例えば、回転情報取得部110は、図4に示されたFG1からFG2までに対応する区間における回転情報として、回転情報データ41aを参照して、FG1とFG2におけるFG信号の発生位置を取得する。なお、回転情報取得部110は、FG1とFG2におけるFG信号の発生位置の誤差を取得してもよい。
【0070】
ここで、回転情報取得部110が取得する回転情報は、回転装置30の回転速度を示す情報、または当該回転速度の所定の基準値からの誤差を示す情報である。つまり、FG信号の発生位置を示す情報によって、回転装置30の回転速度が示され、FG信号の発生位置の誤差を示す情報によって、当該回転速度の所定の基準値からの誤差が示される。
【0071】
そして、周波数決定部120は、当該所定の区間における、レーザ光を照射するタイミングを決定する基礎となるクロックの周波数である照射周波数を決定する(S204)。
【0072】
図8は、本発明の実施の形態に係る周波数決定部120が照射周波数を決定する処理を説明する図である。
【0073】
同図では、FG1A以降の1周期における回転情報を用いて、周波数決定部120が、FG1B以降の1周期における照射周波数を決定する処理について説明する。
【0074】
まず、回転情報取得部110が、回転情報として、FG1とFG2におけるFG信号の発生位置であるFG1AとFG2Aとを取得した場合、周波数決定部120は、FG1AからFG2Aまでの期間A1を算出する。
【0075】
そして、周波数決定部120は、FG1AからFG2Aまでに対応する区間の1周期後の区間であるFG1BからFG2Bまでに対応する区間について、FG1BからFG2Bまでの期間をA1と決定する。このように、周波数決定部120は、回転情報取得部110が取得した回転情報を、次の周期における回転情報と決定する。なお、FG1A以降の1周期における回転情報は、FG信号の発生位置の誤差でもよく、また、当該回転情報は、過去の複数周期分の値の平均値でもよい。
【0076】
そして、周波数決定部120は、所定の区間において、当該回転情報で示される回転装置30の回転速度に対応するタイミングでレーザ光を照射するように、照射周波数を決定する。つまり、周波数決定部120は、当該所定の区間において、当該回転情報で示される回転速度と当該レーザ光を照射する速度とが一定の比率になるように、当該所定の区間における照射周波数を決定する。
【0077】
例えば、周波数決定部120は、FG1BからFG2Bまでの期間A1から、FG1BからFG2Bまでの区間における回転装置30の回転速度を算出する。そして、周波数決定部120は、算出した回転速度に対応するタイミングでレーザ光を照射するように、当該タイミングを決定する基礎となるクロックの周波数を算出することで、FG1BからFG2Bまでの区間における照射周波数を決定する。例えば、周波数決定部120は、算出した回転速度が基準の速度の1.1倍であった場合は、照射周波数が基準の周波数の1.1倍になるように、当該照射周波数を決定する。
【0078】
以上のようにして、周波数決定部120は、各区間における照射周波数を順次決定していく。
【0079】
図7に戻り、照射指示部130は、周波数決定部120が決定した照射周波数のクロックに基づくタイミングで、照射パターンデータ21aに従って、レーザ発生部10に、光ディスク2の表面の所定の区間にレーザ光を照射させる(S206)。
【0080】
つまり、照射指示部130の指示に従い、レーザ発生部10は、照射周波数で示されたタイミングで、照射パターンデータ21aで示されたパターンでの照射を行うことで、光ディスク2の表面に所望の画像を描画する。
【0081】
以上により、光ディスク用描画装置100が、光ディスク2の表面に所望の画像を描画させる処理(図3のS108)は、終了する。
【0082】
次に、本発明の実施の形態に係る光ディスク装置1または光ディスク用描画装置100による光ディスク2の表面への描画において奏する効果について、説明する。
【0083】
まず、モータである回転装置30の特性について説明する。
【0084】
図9は、本発明の実施の形態に係る回転装置30の特性を示す図である。具体的には、同図は、本発明の発明者らが行った回転装置30の回転誤差についての実験結果を示すグラフである。
【0085】
同図に示すように、回転装置30は、1周期内においては基準位置からの誤差が生じているが、その誤差は、1周期ごとに繰り返し生じている。つまり、回転装置30の回転制御の誤差には、1回転ごとの再現性がある。
【0086】
このように、本発明の発明者らは、鋭意実験と検討の結果、光ディスク2を回転させるモータである回転装置30は、回転制御での精度向上には限界があるが、回転情報を示すFG信号そのものには十分な精度があり、回転制御の誤差には1回転ごとの再現性があることを見出した。
【0087】
そして、本発明の実施の形態に係る光ディスク装置1または光ディスク用描画装置100によれば、回転情報取得部110が、光ディスク2の1周期以上前の所定の区間における回転情報を取得し、周波数決定部120が、当該回転情報を用いて所定の区間における照射周波数を決定し、照射指示部130が、当該照射周波数のクロックに基づくタイミングで、光ディスク2の表面の所定の区間にレーザ光を照射させる。つまり、光ディスク2の1周期以上前の同じ区間における回転情報を用いて、照射周波数を決定し、レーザ光を照射させる。
【0088】
このため、回転制御の誤差の周期性を利用して、過去の回転情報の履歴を用いて、現在の回転情報を正確に推定することができる。これにより、この推定した回転情報に従ってレーザ光を照射させることで、光ディスク2の表面に正確に描画することができる。
【0089】
また、周波数決定部120は、回転情報取得部110が取得した回転情報で示される回転速度に対応するタイミングでレーザ光を照射するように、所定の区間における照射周波数を決定する。つまり、レーザ光を照射するタイミングを、1周期以上前の回転情報で示される回転速度に同期させる。これにより、回転装置30の回転制御に誤差が生じていても、当該誤差に合わせてレーザ光を照射させることができるので、光ディスク2の表面に正確に描画することができる。
【0090】
また、周波数決定部120は、回転装置30の回転位置を示す情報、または回転位置の所定の基準位置からの誤差を示す情報を用いて、照射周波数を決定する。ここで、当該回転位置やその誤差の情報は、FG信号から取得することができる。そして、FG信号そのものには十分な精度がある。このため、FG信号で示される当該回転位置の履歴、または回転位置の誤差の履歴を用いて、照射周波数を決定し、レーザ光を照射させることで、光ディスク2の表面に正確に描画することができる。
【0091】
また、回転情報取得部110は、光ディスク2の1周期前の回転情報、または1周期以上前の複数周期におけるそれぞれの回転情報の平均値を、回転情報として取得する。このため、光ディスク2の1周期前の回転情報を用いる場合は、回転情報を取得するために計算を行う必要が無く、処理を容易にすることができる。また、複数周期におけるそれぞれの回転情報の平均値を用いる場合は、回転情報の過去の履歴のばらつきを平均化して、回転情報の精度を向上させることができる。
【0092】
(変形例)
次に、上記実施の形態の変形例について、説明する。上記実施の形態では、周波数決定部120は、回転情報の過去の履歴を用いて、照射周波数を決定することとした。しかし、本変形例では、周波数決定部120は、さらに、直前の区間における誤差を用いて、照射周波数を決定する。
【0093】
図10は、本発明の実施の形態の変形例に係る周波数決定部120が照射周波数を決定する処理を説明する図である。
【0094】
同図に示すように、周波数決定部120は、FG1からFG2までの区間における誤差を用いて、FG2からFG3までの区間における照射周波数を決定する。
【0095】
具体的には、まず、周波数決定部120は、FG1からFG2までの期間がC1であり、FG2からFG3までの期間がC2であると決定し、それぞれの期間に対応する照射周波数を決定していることとする。そして、回転情報取得部110が取得したFG1からFG2までの実際の期間がD1であった場合、FG1からFG2までの区間において、D1とC1との差分Eの誤差が生じている。
【0096】
つまり、周波数決定部120は、FG1からFG2までの区間において、当該期間C1に対応する照射周波数を決定しているため、期間D1に対応する実際の照射周波数との間に誤差が生じている。
【0097】
このため、周波数決定部120は、期間C1に対応する照射周波数と期間D1に対応する照射周波数との差分を用いて、次の区間であるFG2からFG3までの期間C2に対応する照射周波数を補正する。つまり、周波数決定部120は、D1とC1との差分Eに対応する照射周波数を用いて、次の区間であるFG2からFG3までの期間C2に対応する照射周波数を補正する。具体的には、周波数決定部120は、期間D2に対応する照射周波数を、次の区間であるFG2からFG3までの区間における照射周波数と決定する。
【0098】
以上のように、周波数決定部120は、さらに、光ディスク2の1周期のうちの所定の区間の直前の区間において決定された照射周波数と回転情報取得部110が取得した当該直前の区間における回転情報に対応する照射周波数との差分を用いて、当該所定の区間における照射周波数を決定する。
【0099】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例に係る光ディスク装置1及び光ディスク用描画装置100によれば、周波数決定部120は、さらに、1周期のうちの所定の区間の直前の区間において決定された照射周波数と実際の照射周波数との差分を用いて、所定の区間における照射周波数を決定する。このため、当該直前の区間における照射周波数の誤差を、所定の区間における照射周波数に反映させることで、照射周波数を精度良く決定することができる。
【0100】
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る光ディスク用描画装置100について説明したが、本発明は、この実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0101】
例えば、本実施の形態及びその変形例では、照射パターンデータ21aはRAM21に記憶され、回転情報データ41aはRAM41に記憶されていることとした。しかし、光ディスク装置1は、RAM21及びRAM41に代えて1つのRAMを備え、当該RAMに照射パターンデータ21a及び回転情報データ41aともに記憶されていることにしてもよい。
【0102】
また、本実施の形態及びその変形例では、回転情報取得部110は、光ディスク2の1周の全周について回転情報を取得し、周波数決定部120は、当該全周について照射周波数を決定することで、光ディスク2の全周について描画させることとした。しかし、回転情報取得部110は、光ディスク2の1周のうちの所定の区間のみの回転情報を取得し、周波数決定部120は、当該所定の区間のみについて照射周波数を決定することで、光ディスク2の当該所定の区間についてのみ描画させることにしてもよい。
【0103】
また、本発明は、このような光ディスク用描画装置100または光ディスク装置1として実現することができるだけでなく、このような光ディスク用描画装置100が備える特徴的な処理部をステップとする光ディスク用描画方法としても実現することができる。また、当該光ディスク用描画方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したり、当該プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現したりすることもできる。そして、そのようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体及びインターネット等の伝送媒体を介して流通させることができるのは言うまでもない。
【0104】
また、本発明に係る光ディスク用描画装置100が備える各処理部は、半導体装置であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。なお、光ディスク用描画装置100が備える各処理部は、個別に1チップ化されても良いし、一部または全てを含むように1チップ化されても良い。
【0105】
ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0106】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。
【0107】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適応等が可能性としてあり得る。
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明は、光ディスクの表面に正確に描画することができる光ディスク用描画装置や、当該光ディスク用描画装置を備えた光ディスク装置等に適用できる。
【符号の説明】
【0109】
1 光ディスク装置
2 光ディスク
10 レーザ発生部
20 データ生成部
21 RAM
21a 照射パターンデータ
30 回転装置
40 回転情報生成部
41 RAM
41a 回転情報データ
100 光ディスク用描画装置
110 回転情報取得部
120 周波数決定部
130 照射指示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を光ディスクの表面に照射させて、前記光ディスクの表面に描画させる光ディスク用描画装置であって、
前記光ディスクを回転させる回転装置から得られる信号から生成される、回転速度に関する情報である回転情報を取得する回転情報取得部と、
前記光ディスクの1回転である1周期のうちの所定の区間における、前記レーザ光を照射するタイミングを決定する基礎となるクロックの周波数である照射周波数を決定する周波数決定部と、
決定された前記照射周波数のクロックに基づくタイミングで、前記光ディスクの表面の前記所定の区間に前記レーザ光を照射させる照射指示部とを備え、
前記回転情報取得部は、前記光ディスクの1周期以上前の前記所定の区間における回転情報を取得し、
前記周波数決定部は、取得された前記回転情報を用いて、前記所定の区間における照射周波数を決定する
光ディスク用描画装置。
【請求項2】
前記周波数決定部は、前記所定の区間において、取得された前記回転情報で示される前記回転装置の回転速度に対応するタイミングで前記レーザ光を照射するように、前記照射周波数を決定する
請求項1に記載の光ディスク用描画装置。
【請求項3】
前記回転情報取得部は、前記回転装置の回転速度を示す情報、または前記回転速度の所定の基準値からの誤差を示す情報を、前記回転情報として取得し、
前記周波数決定部は、取得された前記回転情報を用いて、前記所定の区間における照射周波数を決定する
請求項1または2に記載の光ディスク用描画装置。
【請求項4】
前記回転情報取得部は、前記光ディスクの1周期前の回転情報、または前記光ディスクの1周期以上前の複数周期におけるそれぞれの回転情報の平均値を、前記回転情報として取得し、
前記周波数決定部は、取得された前記回転情報を用いて、前記所定の区間における照射周波数を決定する
請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ディスク用描画装置。
【請求項5】
前記周波数決定部は、さらに、前記光ディスクの1周期のうちの前記所定の区間の直前の区間において決定された照射周波数と前記回転情報取得部が取得した前記直前の区間における回転情報に対応する照射周波数との差分を用いて、前記所定の区間における照射周波数を決定する
請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ディスク用描画装置。
【請求項6】
レーザ光を光ディスクの表面に照射することにより、前記光ディスクの表面に描画する光ディスク装置であって、
前記レーザ光を前記光ディスクの表面に照射するレーザ発生部と、
前記レーザ発生部が照射する前記レーザ光の照射パターンデータを生成するデータ生成部と、
前記光ディスクを回転させる回転装置と、
前記回転装置から得られる信号から、前記回転装置の回転速度に関する情報である回転情報を生成する回転情報生成部と、
生成された前記回転情報を取得する回転情報取得部と、
前記光ディスクの1回転である1周期のうちの所定の区間における、前記レーザ光を照射するタイミングを決定する基礎となるクロックの周波数である照射周波数を決定する周波数決定部と、
決定された前記照射周波数のクロックに基づくタイミングで、前記照射パターンデータに従って、前記レーザ発生部に、前記光ディスクの表面の前記所定の区間に前記レーザ光を照射させる照射指示部とを備え、
前記回転情報取得部は、前記光ディスクの1周期以上前の前記所定の区間における回転情報を取得し、
前記周波数決定部は、取得された前記回転情報を用いて、前記所定の区間における照射周波数を決定する
光ディスク装置。
【請求項7】
レーザ光を光ディスクの表面に照射することにより、前記光ディスクの表面に描画する光ディスク用描画方法であって、
前記光ディスクを回転させる回転装置から得られる信号から生成される、回転速度に関する情報である回転情報を取得する回転情報取得ステップと、
前記光ディスクの1回転である1周期のうちの所定の区間における、前記レーザ光を照射するタイミングを決定する基礎となるクロックの周波数である照射周波数を決定する周波数決定ステップと、
決定された前記照射周波数のクロックに基づくタイミングで、前記光ディスクの表面の前記所定の区間に前記レーザ光を照射させる照射指示ステップとを含み、
前記回転情報取得ステップでは、前記光ディスクの1周期以上前の前記所定の区間における回転情報を取得し、
前記周波数決定ステップでは、取得された前記回転情報を用いて、前記所定の区間における照射周波数を決定する
光ディスク用描画方法。
【請求項8】
請求項7に記載の光ディスク用描画方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項9】
レーザ光を光ディスクの表面に照射することにより、前記光ディスクの表面に描画する半導体装置であって、
前記光ディスクを回転させる回転装置から得られる信号から生成される、回転速度に関する情報である回転情報を取得する回転情報取得部と、
前記光ディスクの1回転である1周期のうちの所定の区間における、前記レーザ光を照射するタイミングを決定する基礎となるクロックの周波数である照射周波数を決定する周波数決定部と、
決定された前記照射周波数のクロックに基づくタイミングで、前記光ディスクの表面の前記所定の区間に前記レーザ光を照射させる照射指示部とを備え、
前記回転情報取得部は、前記光ディスクの1周期以上前の前記所定の区間における回転情報を取得し、
前記周波数決定部は、取得された前記回転情報を用いて、前記所定の区間における照射周波数を決定する
半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−252760(P2012−252760A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126802(P2011−126802)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】