説明

光ディスク装置内蔵機器

【課題】複雑な制御を要せずに、省電力を図ることが出来る光ディスク装置内蔵機器を提供する。
【解決手段】電源部がスタンバイ状態であり、光ディスクが収容されている場合、第1発光部と第2発光部は、発光を停止し、光ディスクが収容されていない場合、第1発光部は発光し、第2発光部は発光を停止する。また、電源部がON状態であり、光ディスクが収容されていない場合、第1発光部は発光し、第2発光部は発光を停止し、光ディスクが収容されており、通常動作時である場合、第1発光部と第2発光部は、発光を停止し、光ディスクが収容されており、排出制御動作時である場合、第1発光部は発光を停止し、第2発光部は発光する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スロットイン方式の光ディスク装置を内蔵した機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、CD(Compact Disc)や、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc;登録商標)等の光ディスクを内部にローディングして、当該光ディスクに対して記録/再生を行う光ディスク装置が知られている。
【0003】
例えば、後掲の特許文献1には、ディスクの搬送路に配置された複数の光センサを制御し、この複数の光センサから所定周期毎に得られる受光信号のパターンに基づいて搬送路上の物体を検知するディスク検知装置が記載されている。
【0004】
また、後掲の特許文献2には、スロットイン方式のDVDドライブを備えたテレビジョンが記載されており、当該テレビジョンは、複数の赤外線LED(Light Emitting Diode)の発光タイミングを制御し、当該複数の発光タイミングの組み合わせにより、節電設定と通常設定とを選択実行可能なマイコンを備えている。
【0005】
そして、当該マイコンにおける設定が、節電設定であり、かつ、テレビジョンの電源がオンの時は、赤外線LEDを常時発光させる。また、節電設定であり、かつ、テレビジョンの電源がスタンバイの時は、まず一定の時間間隔を置いて赤外線LEDを間歇的に発光させた後、徐々に赤外線LEDの発光間隔を長くして間歇的に発光させ、さらに所定の時間経過後に赤外線LEDの発光を停止させる。また、節電設定であり、かつ、ディスクがDVDドライブに挿入されている間は、赤外線LEDの発光を停止させる。
【0006】
一方、当該マイコンにおける設定が、通常設定であり、かつ、テレビジョンの電源がオンの時は、赤外線LEDを常時発光させる。また、通常設定であり、かつ、テレビジョンの電源がスタンバイの時は、常に所定の時間間隔を置いて赤外線LEDを間歇的に発光させる。また、通常設定であり、かつ、ディスクがDVDドライブに挿入されている間は、赤外線LEDの発光を停止させる。
【0007】
このように、一般的なスロットイン方式の光ディスク装置では、発光部(例えば、赤外線LED)から光を出射し、受光部(例えば、フォトトランジスタ)にて、発光部から出射された光が受光されたか否かを検知することにより、光ディスクの挿入検知/排出制御動作を行っている。
【0008】
【特許文献1】特開2005−251329号公報
【特許文献2】特開2007−141413号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した一般的なスロットイン方式の光ディスク装置では、光ディスクの挿入を検知するために、待機中(スタンバイ時)においても、発光部(例えば、赤外線LED)を点灯させておく必要があるため、省電力の妨げとなっている。
【0010】
ここで、上述した特許文献1に記載のディスク検知装置においては、省電力を可能とする手段は開示されていない。
【0011】
また、上述した特許文献2に記載のスロットイン方式のDVDドライブを備えたテレビジョンでは、一定の時間間隔を置いて徐々に赤外線LEDの発光間隔を長くし、また、所定の時間経過後に赤外線LEDの発光を停止させる等の赤外線LEDの発光間隔をコントロールするため、制御処理が複雑となり、また、赤外線LEDの発光停止までに所定の時間を要するため、省電力の効果が十分ではない。
【0012】
本発明は、上述した問題点に鑑み、複雑な制御を要せずに、省電力を図ることが出来る光ディスク装置内蔵機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係るスロットイン方式光ディスク装置内蔵機器は、機器に内蔵され、光ディスクに対して記録および/または再生を行う光ディスク装置と、光ディスク装置にスロットイン方式で挿入される光ディスクを検知するための検知用センサと、光ディスク装置に収容されている光ディスクを排出制御するための排出制御用センサと、機器および光ディスク装置の各部に電力を供給する電源部とを備えており、検知用センサと排出制御用センサを制御するための制御手段を設けている。そして、制御手段は、電源部がスタンバイ状態である場合は、検知用センサと排出制御用センサにより、光ディスク装置内に光ディスクが収容されているか否かを検証し、当該検証の結果、光ディスクが収容されている場合は、検知用センサおよび排出制御用センサを動作不能とする。
【0014】
また、本発明のスロットイン方式光ディスク装置内蔵機器において、光ディスク装置内に前記光ディスクが収容されていない場合は、検知用センサを動作可能とし、排出制御用センサを動作不能としてもよい。
【0015】
また、本発明のスロットイン方式光ディスク装置内蔵機器において、電源部がオン状態である場合は、検知用センサと排出制御用センサにより、光ディスク装置内に光ディスクが収容されているか否かを検証し、当該検証の結果、光ディスクが収容されている場合であり、かつ、光ディスク装置において、光ディスクの排出動作が実行されていない場合は、検知用センサおよび排出制御用センサを動作不能としてもよい。
【0016】
また、本発明のスロットイン方式光ディスク装置内蔵機器において、光ディスク装置内に光ディスクが収容されている場合であり、かつ、光ディスク装置において、光ディスクの排出動作が実行されている場合は、検知用センサを動作不能とし、排出制御用センサを動作可能としてもよい。
【0017】
また、本発明のスロットイン方式光ディスク装置内蔵機器において、光ディスク装置内に光ディスクが収容されていない場合は、検知用センサを動作可能とし、排出制御用センサを動作不能としてもよい。
【0018】
以上のようにすることで、検知用センサおよび排出制御用センサが、必要以上に動作することを防止出来るため、省電力を図ることが出来る。
【0019】
本発明の光ディスク装置内蔵機器において、検知用センサを、光ディスク装置内部において、光ディスクの挿入方向に対して、排出制御用センサよりも手前に配置してもよい。
【0020】
このようにすることで、検知用センサと排出制御用センサの動作時において、動作干渉が生じることを抑制することが出来る。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、電源部がスタンバイ状態であって、光ディスクが収容されている場合は、検知用センサおよび排出制御用センサを動作不能とすることにより、各センサが必要以上に動作することを防止出来るため、省電力を図ることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
尚、図1〜3,図6において、同一部分または対応する部分には、同一符号を付してある。
【0023】
図1は、本発明に係る光ディスク装置内蔵型機器の一実施形態であるBD(Blu-ray Disc;登録商標)ドライブ内蔵型テレビジョン受像機の外観を示した図である。
【0024】
図中において、100は、上述したBDドライブ内蔵型テレビジョン受像機(以下、単に「テレビ」と記載)、10は、テレビ100の本体部、11は、テレビ100のキャビネット部、12は、テレビ100の脚部、25は、テレビ100の表示部、28は、テレビ100の音声出力部、50は、BDドライブ、57は、BDドライブ50内に収容された光ディスク(図示省略)を排出するための排出操作部、63は、BDドライブ50における光ディスクの挿入口である。尚、図中の矢印A,Bについては後述する。
【0025】
本体部10は、キャビネット部11の背後に位置するため、本図中においては、点線で示している。キャビネット部11は、表示部25の表示面が前面に露出するように、当該表示部25を保持する。表示部25は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)から構成される表示パネルである。脚部12は、テレビ100が傾倒しないように、キャビネット部11を支持する。音声出力部28は、キャビネット部11の前面に設けられており、例えば、スピーカから成る。
【0026】
BDドライブ50は、テレビ100に内蔵されており、当該BDドライブ50の一部は、キャビネット部11の前面に露出している。また、BDドライブ50は、各種BD(例えば、BD−RやBD−RE等)、各種DVD(例えば、DVD+RやDVD−RW)、各種CD(例えば、CD−RやCD−ROM等)の記録/再生が可能な構成となっている。挿入口63は、所謂、スロットイン方式のディスク挿入口であり、外部から光ディスクを挿入することが出来る。
【0027】
図2は、上述したテレビ100(図1)の本体部10を機能的に図示した機能ブロック図である。
【0028】
本図中において、10aは、主として本体部10の制御を行う本体ブロック(以下、「TVブロック」と記載)であり、10bは、主としてBDドライブ50(図1)の制御を行うBDブロックである。本体部10は、TVブロック10aとBDブロック10bから構成されている。また、BDブロック10bは、詳しくは、BDドライブ50の機能ブロックである。
【0029】
TVブロック10aにおいて、第1制御部21は、CPU(Central Processing Unit)から成り、TVブロック10aの各部およびBDブロック10bの一部を統括して制御する。ここで、第1制御部21は、本発明における制御手段の一実施形態を構成する。
【0030】
チューナ22は、アンテナ71を介してテレビジョン放送の放送電波を選局し、放送信号として受信する。信号処理部23は、チューナ22で受信した放送信号を映像信号や音声信号等に復調する。
【0031】
表示部駆動回路24は、表示部25の表示面に映像を表示させるために、当該表示部25を駆動させる。表示部25は、例えば、LCDから成る表示パネルであり、信号処理部23で復調された映像信号を入力し、当該映像信号に基づく映像を表示面に表示させる。
【0032】
バックライト部26は、例えば、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)から成り、表示部25の表示面と反対の面(背面)から、当該表示部25に光を照射する光源である。インバータ回路27は、後述の電源部29から供給される電力に基づいて、バックライト部26の点灯/消灯や照射光量等を制御する。
【0033】
音声出力部28は、上述したように、例えば、スピーカから成り、信号処理部23で復調された音声信号を入力し、当該音声信号に基づく音声を出力する。電源部29は、例えば、AC(Alternating Current)電源回路等から成り、本体部10の各部に電力を供給する。
【0034】
記憶部30は、例えば、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)から成り、テレビ100の初期設定情報や、本体部10において各種プログラムを実行するためのソフトウェア等が予め記憶されている。
【0035】
BDブロック10bにおいて、第2制御部51は、CPUから成り、BDブロック10bの各部を統括して制御する。尚、当該BDブロック10bにおいて、第2制御部51で制御されない一部の要素については、後述する。ここで、第2制御部51は、第1制御部21と共に、本発明における制御手段の一実施形態を構成する。
【0036】
スピンドルモータ52は、BDドライブ50の内部に収容された光ディスク(例えば、BD−R)を記録/再生のために回転させる。ローディングモータ53は、挿入口63(図1)から挿入された光ディスクを、BDドライブ50内部へ搬入し、また、BDドライブ50外部へ排出するためのモータである。
【0037】
54は、挿入口63から挿入された光ディスクを検知するための検知用センサであり、55は、BDドライブ50の内部に収容されている光ディスクを排出するための排出制御用センサである。
【0038】
検知用センサ54は、第1発光部54aと第1受光部54bから構成されており、第1発光部54aは、例えば、赤外線LED等から成り、第1受光部54bは、例えば、フォトトランジスタ等から成る。尚、第1発光部54aは、第1制御部21により制御され、第1受光部54bは、第2制御部51により制御される。
【0039】
排出制御用センサ55は、第2発光部55aと第2受光部55bから構成されており、第2発光部55aは、例えば、赤外線LED等から成り、第2受光部55bは、例えば、フォトトランジスタ等から成る。尚、第2発光部55aは、第1制御部21により制御され、第2受光部55bは、第2制御部51により制御される。
【0040】
光ピックアップ56は、例えば、780〔nm〕/650〔nm〕の赤色レーザ光や、405〔nm〕の青色レーザ光を、BDドライブ50の内部に収容された光ディスクの種類に応じて、当該光ディスクのディスク面上に出射し、当該光ディスクにデータの記録を行う。
【0041】
また、光ディスクのディスク面上にレーザ光を出射した後、当該ディスク面上で反射した反射光を読み取ることにより、光ディスクに記録されているデータの再生を行う。
【0042】
排出操作部57は、例えば、押圧式のボタン装置から成り、上述したように、当該排出操作部57が操作されることにより、BDドライブ50の内部に収容されている光ディスクが、挿入口63から外部へ排出される。
【0043】
上述したスピンドルモータ52、第1発光部54a、第1受光部54b、第2発光部55a、第2受光部55b、光ピックアップ56は、詳しくは、図3に示すような状態で、BDドライブ50内に配置されている。
【0044】
ここで、図3の(a),(c)は、光ディスク200の挿入方向(図中のp方向)と略垂直な方向(図1中のA方向)から見た場合のBDドライブ50の断面図であり、図3の(b)は、光ディスク100の挿入方向(図中のp方向)と略垂直な方向(図1中のB方向)から見た場合のBDドライブ50の断面図である。
【0045】
図3の(a)において、挿入口63に最も近い位置であり、当該挿入口63に対して下側の位置には、第1発光部54aが配置されており、当該第1発光部54aは、BDドライブ50内に固定された基部61に取り付けられている。
【0046】
第1発光部54aと対向する位置、つまり、挿入口63に最も近い位置であり、当該挿入口63に対して上側の位置には、導光部62aが配置されており、当該導光部62aも基部61に取り付けられている。ここで、導光部62aは、第1発光部54aから出射された光を第1受光部54b(図2)に導くための部材であり、例えば、プリズムやミラー等から成る。
【0047】
第1発光部54aの左(p方向)隣には、ローディングローラ53aが配置されており、導光部62aの左(p方向)隣にも、同様のローディングローラ53aが配置されている。これら2つのローディングローラ53aは、光ディスク200の厚み程度の間隔をおいて、対向した位置にそれぞれ配置されており、ローディングモータ53(図2)によって駆動され回転する。また、それらの間隔が、挿入口63のp方向の延長上に位置するように、一方のローディングローラ53aは、挿入口63に対して下側の基部61に取り付けられ、他方のローディングローラ53aは、挿入口63に対して上側の基部61に取り付けられている。
【0048】
下側の基部61において、ローディングローラ53aの左(p方向)隣には、第2発光部55aが配置されており、当該第2発光部55aは、基部61に取り付けられている。
【0049】
上側の基部61において、ローディングローラ53aの左(p方向)隣には、導光部62bが配置されており、当該導光部62bは、基部61に取り付けられている。
【0050】
ここで、導光部62bは、第2発光部55aから出射された光を第2受光部55b(図2)に導くための部材であり、例えば、プリズムやミラー等から成る。また、第2発光部55a,導光部62bは、上述の第1発光部54a,導光部62aと同様に、対向する位置に配置されている。
【0051】
第2発光部55aの左(p方向)には、スピンドルモータ52が配置されており、当該スピンドルモータ52は、下側の基部61に取り付けられている。スピンドルモータ52の左(p方向)隣には、光ピックアップ56が配置されており、当該光ピックアップ56は、図中のp,q方向に水平移動可能な状態で、下側の基部61に取り付けられている。
【0052】
また、第1発光部54aと対向する位置であり、p,q方向と直交する方向(図1のA方向)の位置には、第1受光部54bが配置されており、詳しくは、図3の(b)に示すような状態で、下側の基部61に取り付けられている。
【0053】
さらに、第2発光部55aと対向する位置であり、p,q方向と直交する方向(図1のA方向)の位置には、第2受光部55bが配置されており、詳しくは、図3の(b)に示すような状態で、下側の基部61に取り付けられている。
【0054】
上記構成のBDドライブ50では、BDドライブ50の内部に光ディスク200が収容されていない場合、第1発光部54aから出射された光は、導光部62aを介して、第1受光部54bに入射し、第2発光部55aから出射された光は、導光部62bを介して、第2受光部55bに入射する。
【0055】
BDドライブ50の内部に光ディスク200が収容されている場合は、第1発光部54aから出射された光は、導光部62aを介して、第1受光部54bに入射するが、第2発光部55aから出射された光は、光ディスク200によって遮られてしまうため、導光部62bを介して、第2受光部55bに入射しない(図3の(c)参照)。
【0056】
BDドライブ50の内部に光ディスク200が挿入された場合、または、BDドライブ50の内部から光ディスク200を排出するための排出制御動作が完了した場合は、第1発光部54aから出射された光は、光ディスク200によって遮られてしまうため、導光部62aを介して、第1受光部54bに入射しないが、第2発光部55aから出射された光は、導光部62bを介して、第2受光部55bに入射する(図3の(a)参照)。
【0057】
BDドライブ50の内部に光ディスク200を搬入または排出している間は、第1発光部54aから出射された光および第2発光部55aから出射された光は、光ディスク200によって遮られてしまうため、いずれの受光部(第1受光部54b,第2受光部55b)にも光は入射しない。
【0058】
従って、第2制御部51により、第1受光部54b,第2受光部55bにおける受光の有無を検知することにより、BDドライブ50の内部における光ディスク200の有無を判定することが出来る。
【0059】
また、第1受光部54b,第2受光部55bのそれぞれにおいて、受光有無の切り替わり、つまり、受光有りから受光無し、または、受光無しから受光有りに切り替わったことを検知することで、BDドライブ50の内部に光ディスク200が挿入されたこと、または、BDドライブ50の内部から光ディスク200を排出するための排出制御動作が完了したことを検知することが出来る。
【0060】
次に、上記構成のテレビ100(図1)における光ディスク200(図3)の挿入検知方法および排出制御方法について、図4,図5のフローチャートを用いて説明する。尚、図4に示されるフローチャートは、光ディスク200の挿入検知方法に係るフローチャートであり、図5に示されるフローチャートは、光ディスク200の排出制御方法に係るフローチャートである。
【0061】
まず、光ディスク200の挿入検知方法について説明する。図4に示されるフローチャートのステップS1おいて、第1制御部21(図2)の制御の下、電源部29(図2)がスタンバイ状態であるか否かが検証され、当該検証の結果、スタンバイ状態である場合(ステップS1:YES)は、ステップS2へ進み、スタンバイ状態で無い場合(ステップS1:NO)は、ステップS9へ進む。
【0062】
ステップS2では、BDドライブ50(図3)の内部に光ディスク200が未収容である否かが、第1制御部21により検証され、検証の結果、未収容である場合(ステップS2:YES)は、ステップS3へ進み、未収容でない場合(ステップS2:NO)は、本フローチャートを終了する。
【0063】
詳しくは、BDドライブ50の内部に光ディスク200が未収容の場合、上述したように、第1発光部54a(図3)から出射された光が、導光部62a(図3)を介して、第1受光部54b(図3)に入射し、第2発光部55a(図3)から出射された光が、導光部62b(図3)を介して、第2受光部55b(図3)に入射していることが、第2制御部51(図2)により検知される。
【0064】
また、未収容でない場合、つまり、光ディスク200が収容されている場合は、第1発光部54aから出射された光が、導光部62aを介して、第1受光部54bに入射し、第2発光部55aから出射された光が、導光部62bを介して、第2受光部55bに入射していないことが、第2制御部51により検知される。そして、当該検知結果に基づき、第1制御部21は、光ディスク200が未収容であるか否かを判定する。
【0065】
ステップS3では、ステップS2での検証結果に基づき、第1制御部21の制御の下、第1発光部54aが発光(発光状態:ON)し、第2発光部55aが発光停止(発光状態:OFF)となる。
【0066】
詳しくは、図6の回路図を用いて説明する。尚、図6に示す回路は、第1制御部21と、第2制御部51と、5つの電源V1〜V5と、12個の抵抗R1〜R12と、2つのスイッチングトランジスタQ1,Q2と、2つの赤外線LED(LED1,LED2)と、2つのフォトトランジスタPT1,PT2とから構成されている。G1〜G4は、グランドである。
【0067】
ステップS3では、第1発光部54aを発光(発光状態:ON)させるコントロール信号が、第1制御部21から当該第1発光部54aに出力され、当該コントロール信号に基づき、第1発光部54aの一部を構成するスイッチングトランジスタQ1が、ONに切り替えられるため、同じく第1発光部54aの一部を構成するLED1は、電源V2からの電力供給を受けて発光する。そして、LED1が出射した光は、フォトトランジスタPT1で受光され、フォトトランジスタPT1がONとなる。これにより、検知用センサ54(図2)がON状態となるため、BDドライブ50に挿入される光ディスク200を検知するための環境が整う。
【0068】
また、第2発光部55aを発光停止(発光状態:OFF)させるコントロール信号が、第1制御部21から当該第2発光部55aに出力され、当該コントロール信号に基づき、第2発光部55aの一部を構成するスイッチングトランジスタQ2が、OFFに切り替えられるため、同じく第2発光部55aの一部を構成するLED2は、電源V4からの電力供給停止により発光停止となる。
【0069】
図4において、ステップS4では、BDドライブ50に光ディスク200が挿入されたことが検知された場合(ステップS4:YES)は、ステップS5へ進み、検知されない場合(ステップS4:NO)は、本フローチャートを終了する。
【0070】
詳しくは、BDドライブ50の内部に光ディスク200が未収容の場合、上述したように、第1発光部54aから出射された光が、導光部62aを介して、第1受光部54bに入射するが、BDドライブ50の内部に光ディスク200が挿入された場合は、第1発光部54aから出射された光は、光ディスク200によって遮られてしまうため、導光部62aを介して、第1受光部54bに入射しない。よって、第2制御部51によって、第1受光部54bにおける受光有りから受光無しへの切り替わり、即ち、フォトトランジスタPT1のONからOFFへの切り替わりが検知されることにより、BDドライブ50に光ディスク200が挿入されたこと検知される。
【0071】
ステップS5では、光ディスク200の挿入検知に基づいて、第1制御部21の制御の下、電源部29が、スタンバイ状態からON状態に切り替えられる。
【0072】
ステップS6では、電源部29が、スタンバイ状態からON状態に切り替えられたことに基づいて、第2発光部55aの発光状態がOFFからONに切り替えられる。
【0073】
詳しくは、図6の回路図を用いて説明する。ステップS6では、第2発光部55aを発光(発光状態:ON)させるコントロール信号が、第1制御部21から当該第2発光部55aに出力され、当該コントロール信号に基づき、スイッチングトランジスタQ2が、ONに切り替えられるため、LED2は、電源V4からの電力供給を受けて発光する。そして、LED2が出射した光は、フォトトランジスタPT2で受光され、フォトトランジスタPT2がONとなる。これにより、排出制御用センサ55(図2)がON状態となるため、ディスク排出制御の環境が整う。
【0074】
図4のステップS7では、光ディスク200のチャッキングが完了したか否かが、第1制御部21により検証され、当該検証の結果、完了している場合(ステップS7:YES)は、ステップS8へ進み、完了していない場合(ステップS7:NO)は、ステップS7を再度実行するために、本ステップの直前に戻る。
【0075】
ステップS8では、ステップS7での検証結果に基づき、第1発光部54aの発光状態がONからOFFに切り替えられ、第2発光部55aの発光状態がONからOFFに切り替えられる。
【0076】
詳しくは、図6の回路図を用いて説明する。ステップS8では、第1発光部54a,第2発光部55aを発光停止(発光状態:OFF)させるコントロール信号が、第1制御部21から当該第1発光部54a,第2発光部55aにそれぞれ出力され、当該コントロール信号に基づき、スイッチングトランジスタQ1,Q2が、OFFに切り替えられるため、LED1,LED2は、電源V2,V4からの電力供給停止により発光停止となる。これにより、フォトトランジスタPT1,PT2もOFFとなり、検知用センサ54と排出制御用センサ55は、いずれもOFF状態となる。
【0077】
ステップS9では、第1制御部21の制御の下、電源部29がON状態であるか否かが検証され、当該検証の結果、ON状態である場合(ステップS9:YES)は、ステップS10へ進み、ON状態で無い場合(ステップS9:NO)は、本フローチャートを終了する。
【0078】
ステップS10では、BDドライブ50の内部に光ディスク200が未収容であるか否かが、第1制御部21により検証され、検証の結果、未収容である場合(ステップS10:YES)は、ステップS11へ進み、未収容でない場合(ステップS10:NO)は、本フローチャートを終了する。尚、詳細については、上述のステップS2と同様であるため、説明を省略する。
【0079】
ステップS11では、ステップS10での検証結果に基づき、第1制御部21の制御の下、第1発光部54aが発光(発光状態:ON)し、第2発光部55aが発光停止(発光状態:OFF)となる。尚、詳細については、上述のステップS3と同様であるため、説明を省略する。
【0080】
ステップ12では、BDドライブ50に光ディスク200が挿入されたことが検知された場合(ステップS12:YES)は、ステップS13へ進み、検知されない場合(ステップS12:NO)は、本フローチャートを終了する。尚、詳細については、上述のステップS4と同様であるため、説明を省略する。
【0081】
ステップS13では、第2発光部55aの発光状態がOFFからONに切り替えられる。尚、詳細については、上述のステップS6と同様であるため、説明を省略する。
【0082】
ステップS14では、光ディスク200のチャッキングが完了したか否かが、第1制御部21により検証され、当該検証の結果、完了している場合(ステップS14:YES)は、ステップS15へ進み、完了していない場合(ステップS14:NO)は、ステップS14を再度実行するために、本ステップの直前に戻る。尚、詳細については、上述のステップS7と同様であるため、説明を省略する。
【0083】
ステップS15では、ステップS14での検証結果に基づき、第1発光部54aの発光状態がONからOFFに切り替えられ、第2発光部55aの発光状態がONからOFFに切り替えられる。そして、ステップS15終了後、本フローチャートを終了する。尚、詳細については、上述のステップS8と同様であるため、説明を省略する。
【0084】
次に、光ディスク200の排出制御方法について説明する。図5に示されるフローチャートのステップS21において、BDドライブ50(図3)の内部に収容されている光ディスク200(図3)を排出するための排出操作部57(図2)が操作された場合(ステップS21:YES)は、ステップS22へ進み、排出操作部57が操作されていない場合(ステップS21:NO)は、本フローチャートを終了する。
【0085】
ステップS22では、第2発光部55a(図3)の発光状態がOFFからONに切り替えられる。
【0086】
詳しくは、図6の回路図を用いて説明する。ステップS22では、第2発光部55aを発光(発光状態:ON)させるコントロール信号が、第1制御部21から当該第2発光部55aに出力され、当該コントロール信号に基づき、スイッチングトランジスタQ2が、ONに切り替えられるため、LED2は、電源V4からの電力供給を受けて発光する。そして、LED2が出射した光は、フォトトランジスタPT2で受光され、フォトトランジスタPT2がONとなる。これにより、排出制御用センサ55(図2)がON状態となるため、ディスク排出制御の環境が整う。
【0087】
ステップS23では、第2受光部55bにおける受光の有無が検証され、受光有りの場合(ステップS23:YES)は、ステップS24へ進み、受光無しの場合(ステップS23:NO)は、ステップS23を再度実行するために、本ステップの直前に戻る。
【0088】
詳しくは、上述したように、BDドライブ50の内部から光ディスク200を排出するための排出制御動作が完了した場合は、第1発光部54aから出射された光は、光ディスク200によって遮られてしまうため、導光部62aを介して、第1受光部54bに入射しないが、第2発光部55aから出射された光は、導光部62bを介して、第2受光部55bに入射する。このため、第2制御部51により、第1受光部54b,第2受光部55bにおける光の受光の有無を検知することにより、ステップS21に基づく排出制御動作が完了したか否かを検証することが出来る。
【0089】
ステップS24では、ステップS23での検証結果(排出制御動作完了)に基づき、第1発光部54aの発光状態がOFFからONに切り替えられ、第2発光部55aの発光状態がONからOFFに切り替えられる。そして、ステップS24終了後、本フローチャートを終了する。
【0090】
詳しくは、図6の回路図を用いて説明する。ステップS24では、第1発光部55aを発光(発光状態:ON)させるコントロール信号が、第1制御部21から当該第1発光部54aに出力され、当該コントロール信号に基づき、スイッチングトランジスタQ1が、ONに切り替えられるため、LED1は、電源V2からの電力供給を受けて発光する。
【0091】
また、当該ステップS24では、第2発光部55aを発光停止(発光状態:OFF)させるコントロール信号が、第1制御部21から当該第2発光部55aに出力され、当該コントロール信号に基づき、スイッチングトランジスタQ2が、OFFに切り替えられるため、LED2は、電源V4からの電力供給停止により発光停止となる。
【0092】
以上、図4および図5のフローチャートに基づいて、第1発光部54aおよび第2発光部55aの発光/発光停止を総括すると、図7に示す表72のようになる。尚、当該表72は、上述した記憶部30(図2)に記憶されている。
【0093】
図7の表72において、電源部29(図2)がスタンバイ状態であり、BDドライブ50(図3)の内部に光ディスク200(図3)が収容されている場合、検知用センサ54(図2)を構成する第1発光部54aは、発光を停止し、また、排出制御用センサ55(図2)を構成する第2発光部55aは、発光を停止する。
【0094】
電源部29がスタンバイ状態であり、BDドライブ50の内部に光ディスク200が収容されていない場合、検知用センサ54を構成する第1発光部54aは発光し、また、排出制御用センサ55を構成する第2発光部55aは、発光を停止する。
【0095】
電源部29がON状態であり、BDドライブ50の内部に光ディスク200が収容されていない場合、検知用センサ54を構成する第1発光部54aは発光し、また、排出制御用センサ55を構成する第2発光部55aは、発光を停止する。
【0096】
電源部29がON状態であり、BDドライブ50の内部に光ディスク200が収容されており、通常動作(例えば、記録/再生動作、動作停止)時である場合、検知用センサ54を構成する第1発光部54aは、発光を停止し、また、排出制御用センサ55を構成する第2発光部55aは、発光を停止する。
【0097】
電源部29がON状態であり、BDドライブ50の内部に光ディスク200が収容されており、排出制御動作時である場合、検知用センサ54を構成する第1発光部54aは、発光を停止し、また、排出制御用センサ55を構成する第2発光部55aは、発光する。
【0098】
このように、本実施形態においては、記憶部30(図2)に記憶されている表72(図7)に基づいて、BDドライブ50(図3)に光ディスク200(図3)が挿入されたことを検知するための第1発光部54aと、BDドライブ50から光ディスク200を排出するための排出制御動作が完了したことを検知するための第2発光部55aとを発光/発光停止するため、当該発光部(第1発光部54a,第2発光部55a)を複雑な制御を要さずに制御することが出来る。
【0099】
また、いずれか一方、または、両方の発光部(第1発光部54a,第2発光部55a)が発光停止となるように、当該発光部(第1発光部54a,第2発光部55a)を制御するため、省電力を図ることが出来る。
【0100】
本発明では、以上述べた以外にも種々の実施形態を採用することができる。例えば、上記実施形態では、スロットイン方式の光ディスク装置をBDドライブとしたが、これに限られず、DVDドライブ等としてもよい。
【0101】
また、上記実施形態では、光ディスク装置内蔵型機器をBDドライブ内蔵型テレビジョン受像機としたが、画面を備えたDVDポータブルプレーヤとしてもよい。
【0102】
また、上記実施形態では、表示部25をLCDとしたが、これに限られず、PDP(Plasma Display Panel)等の表示パネルを用いてもよい。その場合、適宜、バックライト部26やインバータ回路27を設けなくてもよい。
【0103】
さらに、上記実施形態では、第1発光部54a,第2発光部55aから出射された光を導光部62a,62bによりそれぞれ導光させて、第1受光部54b,第2受光部55bにそれぞれ入射させたが、これに限られず、導光部62a,62bの位置に、第1受光部54b,第2受光部55bを配置して、直接光を入射させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】本発明の実施形態であるBDドライブ内蔵型テレビジョン受像機の外観図である。
【図2】本発明の実施形態であるテレビジョン受像機の本体部の機能ブロックを示す図である。
【図3】本発明の実施形態であるBDドライブの機能ブロックを示す図である。
【図4】光ディスクの挿入検知方法に係るフローチャートを示した図である。
【図5】光ディスクの排出制御方法に係るフローチャートを示した図である。
【図6】本発明の実施形態であるBDドライブの一部を示した回路図である。
【図7】第1発光部および第2発光部の発光/発光停止を総括した表である。
【符号の説明】
【0105】
10 本体部
21 第1制御部
29 電源部
30 記憶部
50 BDドライブ
51 第2制御部
54 検知用センサ
54a 第1発光部
54b 第1受光部
55 排出制御用センサ
55a 第2発光部
55b 第2受光部
100 BDドライブ内蔵型テレビジョン受像機
200 光ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器に内蔵され、光ディスクに対して記録および/または再生を行う光ディスク装置と、
前記光ディスク装置にスロットイン方式で挿入される光ディスクを検知するための検知用センサと、
前記光ディスク装置に収容されている光ディスクを排出制御するための排出制御用センサと、
前記機器および前記光ディスク装置の各部に電力を供給する電源部と、
を備えた光ディスク装置内蔵機器において、
前記検知用センサと前記排出制御用センサを制御するための制御手段を設け、
前記制御手段は、前記電源部がスタンバイ状態である場合は、前記検知用センサと前記排出制御用センサにより、前記光ディスク装置内に前記光ディスクが収容されているか否かを検証し、当該検証の結果、光ディスクが収容されている場合は、前記検知用センサおよび前記排出制御用センサを動作不能とすることを特徴とする光ディスク装置内蔵機器。
【請求項2】
請求項1に記載の光ディスク装置内蔵機器において、
前記制御手段は、前記光ディスク装置内に前記光ディスクが収容されていない場合は、前記検知用センサを動作可能とし、前記排出制御用センサを動作不能とすることを特徴とする光ディスク装置内蔵機器。
【請求項3】
請求項1に記載の光ディスク装置内蔵機器において、
前記制御手段は、前記電源部がオン状態である場合は、前記検知用センサと前記排出制御用センサにより、前記光ディスク装置内に前記光ディスクが収容されているか否かを検証し、当該検証の結果、光ディスクが収容されている場合であり、かつ、前記光ディスク装置において、前記光ディスクの排出動作が実行されていない場合は、前記検知用センサおよび前記排出制御用センサを動作不能とすることを特徴とする光ディスク装置内蔵機器。
【請求項4】
請求項3に記載の光ディスク装置内蔵機器において、
前記制御手段は、前記光ディスク装置内に前記光ディスクが収容されている場合であり、かつ、前記光ディスク装置において、前記光ディスクの排出動作が実行されている場合は、前記検知用センサを動作不能とし、前記排出制御用センサを動作可能とすることを特徴とする光ディスク装置内蔵機器。
【請求項5】
請求項3に記載の光ディスク装置内蔵機器において、
前記制御手段は、前記光ディスク装置内に光ディスクが収容されていない場合は、前記検知用センサを動作可能とし、前記排出制御用センサを動作不能とすることを特徴とする光ディスク装置内蔵機器。
【請求項6】
請求項1に記載の光ディスク装置内蔵機器において、
前記検知用センサは、前記光ディスク装置内部において、前記光ディスクの挿入方向に対して、前記排出制御用センサよりも手前に配置されていることを特徴とする光ディスク装置内蔵機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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