説明

光ディスク装置

【課題】アスペクト比情報を参照し、コンテンツのアスペクト比が途中で変化した場合、切替信号を表示器に送信して表示器のアスペクト比を自動で切替え、最適なアスペクト比でコンテンツを再生できるようにした光ディスク装置を提供する。
【解決手段】制御部は、再生しているコンテンツのアスペクト比が16:9に変化したか否か判断する(s7)。この判断は、再生しているコンテンツのアスペクト比情報と後述のs14で記憶部に記録されるアスペクト比情報とを比較することにより行なわれる。制御部は、テレビジョンのアスペクト比を該変化したアスペクト比16:9に切替える旨の切替信号(命令)をテレビジョンに送信する(s9)。この切替信号(命令)を受信すると、テレビジョンは、アスペクト比を16:9に切替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置本体にセットされている光ディスクに記録されているコンテンツの読取を行う光ディスク装置に関し、特に該コンテンツのアスペクト比情報を参照する光ディスク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、DVD(Digital Versatile Disk)等の光ディスクに記録されているコンテンツを読み取り、このコンテンツに基づく再生信号を生成して、再生映像又は再生音声を表示器に出力する光ディスク装置が一般に普及している。表示器は、伝送線を介して光ディスク装置と接続されており、例えばTV受像機、液晶などのモニタである。コンテンツは、例えばTV番組、または映画である。光ディスク装置は、例えばDVDプレーヤ、またはDVDレコーダである。
【0003】
上記光ディスクには、コンテンツとともに、該コンテンツのアスペクト比情報が記録されている。アスペクト比情報は、アスペクト比に関する情報であり、コンテンツに関する制御データである。アスペクト比は、例えば4:3、または16:9である。
そして、上記コンテンツは、1つのコンテンツ内でもアスペクト比が異なるプログラムが配列されていることもある。
【0004】
表示器の中でも最新機種のものは、アスペクト比情報を自ら参照して、コンテンツのアスペクト比が途中で変化した場合、表示器のアスペクト比を自動で切替えることができる。このようなアスペクト比の切替は、ユーザが操作手段においてアスペクト比オートに設定することにより可能となる。
これにより、従来の光ディスク装置は、生成した再生信号を上記表示器に出力するだけで、表示器において、最適なアスペクト比でコンテンツを再生できる。
【0005】
一方、特許文献1に記載されたようなDVDレコーダが提案されている。
このDVDレコーダは、映像をDVDに記録している間、アスペクト比情報を検出するアスペクト比情報検出部と、前記アスペクト比情報検出部が検出したアスペクト比情報を参照して映像のアスペクト比が変化したか否か検出し、変化したことを検出すると、アスペクト比が変化した変化点のアドレス情報を取得するMPUと、を備える。
アスペクト比が変化した変化点のアドレス情報を取得すると、MPUは、DVDの制御データであるプログラムチェーン情報(PGCI)に「ここからのアスペクト比は4:3(または16:9)」である旨の情報を記録する。
【特許文献1】特開2004−120473公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、殆どの表示器は、アスペクト比情報を自ら参照することができない。
殆どの表示器は、アスペクト比情報を自ら参照することができないので、コンテンツのアスペクト比が途中で変化した場合、表示器のアスペクト比を自動で切替えることができない。
【0007】
また、表示器の中でも最新機種のものも、ユーザが操作手段においてアスペクト比オートに設定し忘れている場合、アスペクト比情報を自ら参照しない。そのため、コンテンツのアスペクト比が途中で変化した場合、アスペクト比オートに設定されていない表示器も、アスペクト比を自動で切替えることができない。
【0008】
そのため、従来の光ディスク装置は、コンテンツのアスペクト比が途中で変化した場合、最新機種のものも含めた殆どの表示器において、最適なアスペクト比でコンテンツを再生できないという問題があった。
【0009】
この問題は、特に表示器のアスペクト比が16:9である場合に顕著である。例えばコンテンツのアスペクト比が4:3から16:9に途中で変化した場合、該表示器は、16:9のコンテンツをアスペクト比16:9で再生できるにも係わらず、アスペクト比情報を自ら参照することができないので、アスペクト比を自動で切替えることができない。そのため、コンテンツのアスペクト比が4:3から16:9に途中で変化した場合でも、該表示器は、アスペクト比4:3により再生を続けなければならないという問題があった。
【0010】
また、特許文献1においてDVDレコーダは、DVDに記録されたPGCIを参照することでアスペクト比の変化した場所を把握できるが、表示器が、その場所やアスペクト比情報を参照するわけではない。そのため、表示器のアスペクト比を自動で切替えることができない点、上記従来の光ディスク装置と同様である。従って、DVDレコーダも、上記従来の光ディスク装置と同様の問題が生じる。
【0011】
本発明はこのような従来の課題を解決しようとするものであり、アスペクト比情報を参照し、コンテンツのアスペクト比が途中で変化した場合、切替信号を表示器に送信して表示器のアスペクト比を自動で切替え、最適なアスペクト比でコンテンツを再生できるようにした光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の光ディスク装置は、前記課題を解決するために以下の構成を備えている。
【0013】
(1)装置本体にセットされている光ディスクにピックアップヘッドからレーザ光を照射し、その光ディスクに対して、データの読取を行う読取手段を備え、表示器が接続されている光ディスク装置において、
前記読取手段は、前記光ディスクに記録されているコンテンツの読取を行っている際、該コンテンツのアスペクト比に関するアスペクト比情報を参照して、該コンテンツのアスペクト比が変化したか否かを判断し、
前記読取手段が該コンテンツのアスペクト比が変化したと判断すると、前記表示器のアスペクト比を該変化したアスペクト比に切替える旨の切替信号を前記表示器に送信する命令送信手段を備える。
【0014】
この構成において、光ディスク装置は、例えばDVDレコーダ又はDVDプレーヤである。光ディスクは、例えばCD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD+R、DVD−RAM、DVD−RW、又はDVD+RWである。
また、表示器は、伝送線を介して光ディスク装置と接続されており、例えばTV受像機、液晶などのモニタである。コンテンツは、例えばTV番組、または映画である。
上記光ディスクには、コンテンツとともに、該コンテンツのアスペクト比情報が記録されている。アスペクト比情報は、アスペクト比に関する情報であり、コンテンツに関する制御データである。アスペクト比は、例えば4:3、または16:9である。
上記読取手段は、再生中、アスペクト比情報を確認し、コンテンツのアスペクト比が途中で変化したか否か判断する。
上記命令送信手段は、コンテンツのアスペクト比が途中で変化した場合、上記切替信号を表示器に送信する。
上記切替信号(命令)を受信すると、表示器は、アスペクト比を4:3から16:9に、又はアスペクト比を16:9から4:3に切替える。
以上より、表示器において最適なアスペクト比でコンテンツを再生できるという効果を奏する。
また、表示器のアスペクト比が16:9である場合であって、コンテンツのアスペクト比が4:3から16:9に途中で変化した場合、16:9のコンテンツをアスペクト比16:9で再生できる。即ち表示器のスペックを最大限活かす事が出来るという効果を奏する。
なお、外部からの信号により画面の解像度等を切替える技術は一般的になされている技術であり、上記構成は、この技術が前提となっている。
【0015】
(2)前記命令送信手段は、前回切替信号を送信してから一定時間経過したか否か判断し、該一定時間経過したと判断した場合に、前記切替信号を表示器に送信する。
【0016】
この構成において、一定時間は、例えば5分、10分である。
上記(1)において、命令送信手段は、コンテンツのアスペクト比が途中で変化する毎に、上記切替信号を表示器に送信していたが、ここでは、コンテンツのアスペクト比が途中で変化し、且つ前回切替信号を送信してから一定時間経過した場合に、前記切替信号を表示器に送信する。
このため、表示器は、アスペクト比が頻繁に切替わることがなくなり、その切替わりは、適度なものとなる。
以上より、表示器のアスペクト比が頻繁に切替わることを避けることができるという効果を奏する。従って、ユーザに不快感を与えてしまうといった事態を防げる。
なお、上記光ディスク装置に、上記一定時間を設定する操作手段を備えても良い。この場合、前記操作手段により前記一定時間が設定されると、前記命令送信手段は、前回切替信号を送信してから前記設定された一定時間経過しているか否かを判断する。これにより、ユーザが自由に一定時間を設定できるようになるという効果を奏する。この一定時間の変化により、表示器のアスペクト比が切替わる頻度も異なってくる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、表示器において最適なアスペクト比でコンテンツを再生できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態である光ディスク装置について説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態である光ディスク装置の主要な構成を示すブロック図である。
光ディスク装置1は、所謂DVDレコーダであり、装置本体1を制御する制御部4と、光ディスク100に対しデータの記録や読取を行うピックアップヘッド2(以下、PUヘッド2と称する。)と、RFアンプなどの記録再生部3と、再生キー、録音キーまたは録画キー等のトリックプレイキーが設けられている操作部5と、情報を表示する表示部7と、データを記憶する記憶部6と、音声データをアナログの再生音声信号に変換するD/Aコンバータ11と、映像データをアナログの再生映像信号に変換する映像処理部13と、TV放送信号を受信してデータを取得する受信部10と、を備えている。
さらに、光ディスク装置1は、音声端子、映像端子、及び制御端子を介して、テレビジョン101と接続されている。光ディスク装置1及びテレビジョン101の間の制御線及び制御端子は、後述の図3s9及びs12において命令を送信するための線及び端子である。
【0020】
なお、この実施形態では、制御線及び制御端子を設けているが、説明を簡単に行なうためのものであり、制御線及び制御端子を別途設けなくとも構わず、これに限定されるものでない。後述の図3s9及びs12において送信する命令は、音声線及び音声端子又は映像線及び映像端子を介して、テレビジョン101に送信することも可能である。
また、この実施形態では、テレビジョン101が接続されているが、液晶などのモニタでも構わない。
また、この実施形態では、DVDレコーダで説明しているが、DVDプレーヤでも構わない。
【0021】
光ディスク100は、例えばCD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−R、DVD+R、DVD−RAM、DVD−RW、又はDVD+RWである。
【0022】
PUヘッド2は、図示しないレーザダイオード(LD)、コリメータレンズ、ビームスプリッタ、対物レンズ、フォトディテクタ、スレッドモータ、及び2軸のアクチュエータを備えている。
PUヘッド2は、光ディスク100の半径方向に延びる軸に移動自在に取り付けられている。スレッドモータが、PUヘッド2を光ディスク100の半径方向に移動する。
LDは、レーザ光を出力する光源であり、フォトディテクタは、複数の受光素子で形成されており、光ディスク100からの反射光を検出する。フォトディテクタは、例えば、受光領域がほぼ均等に4分割されており、4つの受光領域を形成している。
対物レンズは、光ディスク100に対するレーザ光の照射位置を調節する。また、2軸のアクチュエータは、対物レンズを光ディスク100に接離する方向、及び光ディスク100の半径方向に移動させる。
【0023】
まず、再生時の動作について説明する。
PUヘッド2は、光ディスク100に対して読取パワーのレーザ光を照射し、光ディスク100からの反射光をフォトディテクタで検出する。これにより、光ディスク100に記録されている情報、つまり制御データとコンテンツとを光学的に読み出す。コンテンツは、例えばTV番組、または映画である。制御データは、例えばアスペクト比情報である。アスペクト比情報は、アスペクト比に関する情報であり、コンテンツに関する制御データである。アスペクト比は、例えば4:3、または16:9である。
記録再生部3は、PUヘッド2における複数の受光素子の出力に基づいてRF信号を生成し、該RF信号を増幅する。そして、記録再生部3は、該RF信号を処理して映像と音声のデータ(AVデータ)を取り出し、デコードする。この際、制御データも取り出される。ここで、取り出される映像と音声のデータは、例えばMPEGでエンコードされている。そして、記録再生部3は、音声データをD/Aコンバータ11に、映像データを映像処理部13に、両データの同期を取りながら、それぞれ出力する。
D/Aコンバータ11は、伸長された音声データをアナログの再生音声信号に変換し、その再生音声信号を外部のテレビジョン101に出力する。
なお、テレビジョン101がディジタル対応であれば、ディジタルで出力しても構わない。
【0024】
映像処理部13は、入力された映像データをアナログの再生映像信号に変換し、外部のテレビジョン101に出力する。
なお、テレビジョン101がディジタル対応であれば、ディジタルで出力しても構わない。
【0025】
D/Aコンバータ11及び映像処理部13には、テレビジョン101が接続され、ユーザは、このテレビジョン101において、D/Aコンバータ11及び映像処理部13から出力された映像信号に基づく映像、及び音声信号に基づく音声を視聴することができる。
【0026】
次に、記録時の動作について説明する。
受信部10は、例えばチューナである。
受信部10は、TV放送等を受信するアンテナから選択されているチャンネルのTV放送信号を抽出して、A/D変換してディジタル化し、出力する。インターネット、ディジタル放送などのようにデータとして入力されてくるならば、受信部10は、パケット又はTV放送信号等からデータを抽出して、出力する。
ここで、受信部10は、TV放送等のアンテナからTV放送信号等を受信するに限らず、撮像装置で撮像した動画なども受信する。
【0027】
そして、記録再生部3は、入力されたデータを(例えば、MPEGで)エンコードし、ディジタル信号をPUヘッド2に出力する。該入力されたデータは、AV(オーディオビジュアル)データを含んでおり、分離された後エンコードされる。
そして、PUヘッド2は、記録再生部3からディジタル信号が入力されると、このディジタル信号に応じて記録パワーのレーザ光を制御し、光ディスク100の記録面に照射する。
【0028】
操作部5は、ユーザが光ディスク装置1に対して各種の命令(コマンド)を入力するためのものであり、設定キーとトリックプレイキーとを含む複数のキーが設けられている。光ディスク装置1に対してユーザが入力したコマンドは制御部4に伝送される。
このトリックプレイキーは、例えば再生キー、録画キー、スキップキー、早送りキー、又はリピートキーである。
この設定キーは、テレビジョン101が扱えるアスペクト比を予め入力するキーである。
【0029】
記憶部6は、例えばEEPROMで構成されており、装置本体1の主制御プログラムを記憶する。さらに、記憶部6は、操作部5の設定キーにより予め入力されたテレビジョン101が扱えるアスペクト比を記憶する。アスペクト比は、例えば4:3、または16:9である。
【0030】
表示部7は、時刻、光ディスク装置1の設定状態などを表示する。
制御部4は、例えばマイクロコンピュータで構成されており、光ディスク装置1にユーザから入力された命令に応じて光ディスク装置1の各部を制御する。
さらに、制御部4は、後述の図3s8、s11、及びs13において時間を計測するタイマー回路(時計ユニット)を内蔵する。さらに、タイマー回路(時計ユニット)は、時刻を経時する。
なお、実際の光ディスク装置では、読取時や記録時に、レーザ光の照射位置を光ディスクのトラックの中心に合わせるトラッキングサーボ制御と、レーザ光の合焦位置を光ディスクの記録面に合わせるフォーカスサーボ制御と、を行っているが、本発明の実施形態では図示を省略している。
【0031】
ここで、PUヘッド2、記録再生部3、及び制御部4が、本発明の「読取手段」に相当する。また、制御部4が、本発明の「命令送信手段」に相当する。また、テレビジョン101が、本発明の「表示器」に相当する。
【0032】
図2は、DVD−Videoフォーマットで記録された光ディスク上のデータのデータ構造を示す図である。DVD−Videoフォーマットで記録された光ディスク100上には、図2(イ)に示すように、その内周から外周にかけてVMGI、VMGM_VOBS、タイトル1〜3が記録されている。
なお、この実施形態では、DVD−Videoフォーマットを説明しているがこれに限定する趣旨ではなく、VRフォーマットでも構わない。
【0033】
VMGI(Video Manager InforMation)は、DVD−Video全体の再生関連情報(制御データ)、いわゆるルートメニューの情報が記述されている。例えば、VTSIのアドレス情報やチャプタ情報等もここに記述されている。チャプタ情報とは、設定するチャプタの位置等を示す情報である。
VMGM_VOBS(Video Object Set for VMG Menu)は、タイトルメニューで使用するコンテンツが記述されている。VTSIのアドレス情報等を含むDVD−Video全体の再生関連情報(制御データ)が記述される場合もある。
VMGIbupは、VMGIのバックアップファイルである。
以下、VMGと言う時は、VMGI又はVMGM_VOBSを指す。
【0034】
また、タイトルは、VTSI(Video Title Set InforMation)とVOBS(Video Object Set)とVTSIbupとから構成されており(図2(イ)参照)、最大99タイトルまで収録が可能である。図2(イ)では、3タイトル収録されている。
【0035】
VTSIは、そのVTSに対する制御データが記述されている。
VOBSは、タイトル再生のためのコンテンツが記述されており、図2(ロ)に示すように、複数のセルから構成されている。図2(ロ)の#nは、セルの番号である。
なお、VOBSとVTSとは、同じものを表す。
VTSIbupは、VTSIのバックアップファイルが記述されている。
ここで、VTSI、VOBS、及びVTSIbupの#1〜3は、タイトルの番号に対応している。
【0036】
DVD−Videoフォーマットにおいて、データは、予め決められたセル単位で記録される。
セルは、複数のVOBU(Video Object Unit)で構成される(図2(ハ)参照)。図2(ハ)の#mは、VOBUの番号である。1タイトルのセルの最大数は255セルである。そのため、光ディスクに10時間分のデータを記録する場合、1セルは、例えば2分30秒である。
ここで、1セルで10時間分のデータを記録してもよいが、セルの再生時間をNV_PCKに書く必要があるため、セルを一旦光ディスク100に記録し始めると、ユーザが録画停止してもセルを記録し終えるまで記録を停止することができない。よって、利便性を考えると、1セルは、2分30秒くらいの時間が望ましい。
【0037】
VOBUは、先頭にNV_PCK(Navigatyion Pack)が置かれ、続いてビデオデータやオーディオデータ(AVデータ)などのコンテンツがパック化されて挿入される(図2(ニ)参照)。
ここで、現在のVOBUを記録するのに、現在のVOBUの後に記録する複数個のVOBUの先頭アドレスやセルの再生時間などを、現在のVOBU中のNV_PCKに書き込必要がある。
DVD−Videoフォーマットにおいて、データは、前から順番に、例えると一筆書きのように記録されるため、記録後編集を行うことはできない。
【0038】
アスペクト比情報は、NV_PCKに記述されている。ビデオパックのシーケンスヘッダにも記述されることがある。
詳述すると、NV_PCKは、RDI_GIと、DCIと、CCIと、MNFIとが記述されている。
RDI_GIは、リアルタイムデータ情報一般情報であり、このRDI_GIが属するVOBUの最初のビデオフィールドのプレゼンテーション開始時間やVOBU記録時間を含む。DCIは、ディスプレイ制御データであり、アスペクト比情報を含んでいる。CCIは、コピー制御データであり、コピー禁止情報やコピー許可情報を含んでいる。MNFIは、製造者情報である。
アスペクト比情報(0000)は、例えば4:3を示しており、(0001)は、例えば16:9を示す。
【0039】
図3は、本発明の実施形態である光ディスク装置において再生キー押下時に制御部が行う動作を示すフローチャートである。図3で示されている再生キー押下ルーチンは、上記主制御プログラムに関連する(プレインストールされている)ルーチンであり、再生キー押下により、主制御プログラムからコールされる。
【0040】
図4は、テレビジョン101のアスペクト比が切替わる様子を示す図である。
図4(A)は、テレビジョン101のアスペクト比が4:3に切替わった様子を示す図である。
図4(B)は、テレビジョン101のアスペクト比が16:9に切替わった様子を示す図である。
【0041】
再生キーが押下されると、それがトリガとなり、制御部4は、図3で示されている再生キー押下ルーチンを実行し、以下の動作を行う。
【0042】
まず、制御部4は、光ディスク100が装置本体1にセットされているか判断する(s1)。この判断は、例えばレーザ光をPUヘッド2に照射させ、PUヘッド2がその反射光を検出できるか否かにより行われる。PUヘッド2が反射光を検出できれば、記録再生部3が該反射光を電気信号に変換し、制御部4に転送する。制御部4は、該電気信号が転送されたことにより、光ディスク100が装置本体1にセットされていると判断できる。
【0043】
s2において、光ディスク100が装置本体1にセットされていないと判断すると、制御部4は、本処理を終了する。ここで、終了する際、制御部4は、ユーザに対し光ディスクの装置本体へのセットを要求する旨の文字を表示部7に表示させても良い。ユーザに対し光ディスクの装置本体へのセットを要求する旨の文字は、例えばディスクを装置本体にセットしてくださいである。
【0044】
一方、s1において、光ディスク100が装置本体1にセットされていると判断すると、制御部4は、再生を行うため、装置本体1各部の制御を実行する(s2)。これにより、PUヘッド2は、光ディスク100に対しデータの読取、つまりコンテンツの読取を開始する。
【0045】
制御部4は、記憶部6に記憶されているテレビジョン101のアスペクト比を参照する(s3)。テレビジョン101のアスペクト比は、ユーザによって予め登録される情報である。ユーザは、テレビジョン101のアスペクト比を調べ、操作部5の設定キーを用いて事前に登録する。
【0046】
制御部4は、参照したテレビジョン101のアスペクト比が16:9であるか否か判断する(s4)。
なお、s4では、再生キー押下ルーチンがアスペクト比4:3の表示器よりアスペクト比16:9の表示器に適用することが望ましいため、アスペクト比4:3の表示器を判断否定としている。しかし、アスペクト比4:3の表示器を除外する趣旨でなく、再生キー押下ルーチンをアスペクト比4:3の表示器にも活用するのであれば、s4はスルーしても良い。
参照したテレビジョン101のアスペクト比が16:9でないと判断すると、制御部4は、本処理を終了する。
【0047】
一方、参照したテレビジョン101のアスペクト比が16:9であると判断すると、制御部4は、現在再生中であるか否か判断する(s5)。
【0048】
現在再生中でなければ、制御部4は、本処理を終了する。つまり、再生中、制御部4は、s5、s6、s7、及びs10の処理を繰り返す。
【0049】
現在再生中であれば、制御部4は、現時点において再生しているコンテンツのアスペクト比を確認する(s6)。再生しているコンテンツのアスペクト比の確認は、記録再生部3が取り出す制御データのアスペクト比情報を制御部4が参照することにより行なう。s6において、制御部4は、NV_PCKと映像パックのシーケンスヘッダの内、NV_PCKのアスペクト比情報を参照する(図2参照)。
なお、NV_PCKと映像パックのシーケンスヘッダの内、どちらを参照するかは、予め設定しておく。
【0050】
そして、制御部4は、再生しているコンテンツのアスペクト比が16:9に変化したか否か判断する(s7)。この判断は、再生しているコンテンツのアスペクト比情報と後述のs14で記憶部6に記録されるアスペクト比情報とを比較することにより行なわれる。また、s7判断肯定では、再生しているコンテンツのアスペクト比が4:3から16:9に変化した場面を想定している。
なお、後述のs14で記憶部6にアスペクト比情報が記録されていない、つまり初回ならば、s7において、制御部4は、再生しているコンテンツのアスペクト比が16:9であるか否か判断する。
【0051】
再生しているコンテンツのアスペクト比が16:9に変化していないと判断すると、制御部4は、再生しているコンテンツのアスペクト比が4:3に変化したか否か判断する(s10)。この判断は、s7と同様の手法により行なわれる。s10判断肯定では、再生しているコンテンツのアスペクト比が16:9から4:3に変化した場面を想定している。
なお、後述のs14で記憶部6にアスペクト比情報が記録されていない、つまり初回ならば、s10において、制御部4は、再生しているコンテンツのアスペクト比が4:3であるか否か判断する。
【0052】
再生しているコンテンツのアスペクト比が4:3に変化していないと判断すると、制御部4は、s5に進み処理を継続する。
【0053】
一方、再生しているコンテンツのアスペクト比が16:9に変化していると判断すると、制御部4は、前回命令をテレビジョン101に送信してから一定時間が経過したか否か判断する(s8)。この判断は、制御部4が内蔵するタイマー回路で、後述のs13において計測を開始した時間を参照することにより行なう。一定時間は、例えば5分である。s8を設けた趣旨は、テレビジョン101のアスペクト比が頻繁に切替わると、ユーザに不快感を与えてしまうためである。そこで、s8では、テレビジョン101のアスペクト比が頻繁に切替わることを避けている(図4参照)。
なお、後述のs9で命令を送信していない、つまり初回ならば、制御部4は、s8を判断肯定とする。
以上より、テレビジョン101のアスペクト比が頻繁に切替わることを避けることができるという効果を奏する。従って、ユーザに不快感を与えてしまうといった事態を防げる。
なお、操作部5に、上記一定時間を設定するキーを設けても良い。この場合、操作部5により一定時間が設定されると、制御部4は、前回切替信号を送信してから該設定された一定時間経過しているか否かを判断する。これにより、ユーザが自由に一定時間を設定できるようになるという効果を奏する。この一定時間を変化させることで、テレビジョン101のアスペクト比が切替わる頻度も異なってくる。
【0054】
s8において、前回命令をテレビジョン101に送信してから一定時間が経過していないと判断すると、制御部4は、s5に戻り処理を継続する。
【0055】
一方、s8において、前回命令をテレビジョン101に送信してから一定時間が経過したと判断すると、制御部4は、テレビジョン101のアスペクト比を該変化したアスペクト比16:9に切替える旨の切替信号(命令)をテレビジョン101に送信する(s9)。
この切替信号(命令)を受信すると、テレビジョン101は、図4(B)に示すようにアスペクト比を16:9に切替える。
なお、外部からの信号により画面の解像度等を切替える技術は、一般的になされている技術であり、本発明の実施形態は、この技術が前提となっている。
以上より、テレビジョン101において最適なアスペクト比16:9でコンテンツを再生できるという効果を奏する。
また、テレビジョン101において、16:9のコンテンツをアスペクト比16:9で再生できる。即ちテレビジョン101のスペックを最大限活かす事が出来るという効果を奏する。
【0056】
一方、s10において、再生しているコンテンツのアスペクト比が4:3に変化していると判断すると、制御部4は、前回命令をテレビジョン101に送信してから一定時間が経過したか否か判断する(s11)。この判断は、s8と同様であり、同じ趣旨である。
なお、後述のs12で命令を送信していない、つまり初回ならば、制御部4は、s11を判断肯定とする。
【0057】
s11において、前回命令をテレビジョン101に送信してから一定時間が経過していないと判断すると、制御部4は、s5に戻り処理を継続する。
【0058】
一方、s11において、前回命令をテレビジョン101に送信してから一定時間が経過したと判断すると、制御部4は、テレビジョン101のアスペクト比を該変化したアスペクト比4:3に切替える旨の切替信号(命令)をテレビジョン101に送信する(s12)。
この切替信号(命令)を受信すると、テレビジョン101は、図4(A)に示すようにアスペクト比を4:3に切替える。
以上より、テレビジョン101において最適なアスペクト比4:3でコンテンツを再生できるという効果を奏する。
【0059】
s9又はs12において命令を送信すると即、制御部4は、内蔵するタイマー回路のタイマーをスタートさせる(s13)。このタイマーは、s8及びs11の判断で使用される。
制御部4は、切替えたアスペクト比のアスペクト比情報を記憶部6に記録し(s14)、s5に戻り処理を継続する。記憶部6に記録したアスペクト比情報は、s7及びs10の判断で使用される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明の実施形態である光ディスク装置の主要な構成を示すブロック図
【図2】DVD−Videoフォーマットで記録された光ディスク上のデータのデータ構造を示す図
【図3】本発明の実施形態である光ディスク装置において再生キー押下時に制御部が行う動作を示すフローチャート
【図4】テレビジョン101のアスペクト比が切替わる様子を示す図
【符号の説明】
【0061】
1−光ディスク装置
2−PUヘッド
3−記録再生部
4−制御部
5−操作部
6−記憶部
7−表示部
10−受信部
11−D/Aコンバータ
13−映像処理部
100−光ディスク
101−テレビジョン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体にセットされている光ディスクにピックアップヘッドからレーザ光を照射し、その光ディスクに対して、データの読取を行う読取手段を備え、表示器が接続されている光ディスク装置において、
前記読取手段は、前記光ディスクに記録されているコンテンツの読取を行っている際、該コンテンツのアスペクト比に関するアスペクト比情報を参照して、該コンテンツのアスペクト比が変化したか否かを判断し、
前記読取手段が該コンテンツのアスペクト比が変化したと判断すると、前回切替信号を送信してから一定時間経過したか否か判断し、該一定時間経過したと判断した場合に、前記表示器のアスペクト比を該変化したアスペクト比に切替える旨の切替信号を前記表示器に送信する命令送信手段を備える光ディスク装置。
【請求項2】
装置本体にセットされている光ディスクにピックアップヘッドからレーザ光を照射し、その光ディスクに対して、データの読取を行う読取手段を備え、表示器が接続されている光ディスク装置において、
前記読取手段は、前記光ディスクに記録されているコンテンツの読取を行っている際、該コンテンツのアスペクト比に関するアスペクト比情報を参照して、該コンテンツのアスペクト比が変化したか否かを判断し、
前記読取手段が該コンテンツのアスペクト比が変化したと判断すると、前記表示器のアスペクト比を該変化したアスペクト比に切替える旨の切替信号を前記表示器に送信する命令送信手段を備える光ディスク装置。
【請求項3】
前記命令送信手段は、前回切替信号を送信してから一定時間経過したか否か判断し、該一定時間経過したと判断した場合に、前記切替信号を表示器に送信する請求項2に記載の光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−158531(P2007−158531A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−348165(P2005−348165)
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】