説明

光ディスク装置

【課題】トレイ上に載置したディスクカートリッジの有無を迅速且つ信頼性良く確実に検出する。
【解決手段】トレイ12上にBDを収納したディスクカートリッジDCAを少なくとも載置して、トレイホルダー26に沿って外装筐体11の前方に突出した光ディスク挿脱位置と、外装筐体11内に設定した光ディスク記録再生位置との間を往復動させる際に、トレイ12上に載置したディスクカートリッジDCAの有無を検出するディスクカートリッジ有無検出手段30は、トレイ12上にディスクカートリッジDCAが載置された場合にディスクカートリッジDCAに当接する検出レバー32と、この検出レバー32の動きを検出してディスクカートリッジDCAの有無を検出する検出器31とを、上シャーシ25及びトレイホルダー26の少なくとも一方に取り付けたことを特徴とする光ディスク装置10を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体の前方に突出した光ディスク挿脱位置と、筐体内に設定した光ディスク記録再生位置との間を往復動する一のトレイ上に、Blu−ray Discなどの超高密度光ディスクを収納したディスクカートリッジと、DVD又はCDなどの裸の光ディスクとを選択的に載置できる光ディスク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、円盤状の光ディスクは、映像情報とか音声情報やコンピュータデータなどの情報信号を透明基板上で螺旋状又は同心円状に形成したトラックに高密度に記録し、且つ、記録済みのトラックを再生する際に所望のトラックを高速にアクセスできることから多用されている。
【0003】
この種の光ディスクとして、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などは既に市販され、最近では、より一層高密度化を図った超高密度光ディスクの一種であるBlu−ray Disc(以下、BDと記す)が流通している。
【0004】
まず、上記したCDは、波長が780nm前後のレーザ光を開口数(NA)が0.45〜0.5程度の対物レンズで絞って得たレーザビームを照射して、レーザビーム入射面から1.2mm隔てた位置にある信号面に情報信号が記録され、記録済みの情報信号を再生している。
【0005】
また、上記したDVDは、波長が650nm前後のレーザ光を開口数(NA)が0.6から0.65程度の対物レンズで絞って得たレーザビームを照射して、レーザビーム入射面から0.6mm隔てた位置にある信号面に情報信号が記録され、記録済みの情報信号を再生している。この際、DVDの記録容量はCDよりも6〜8倍程度高めてディスク基板の直径が12cmの時に片面で4.7GB(ギガバイト)程度である。
【0006】
また、上記したBD(Blu−ray Disc)は、波長が405nm前後のレーザ光を開口数(NA)が0.85程度の対物レンズで絞って得たレーザビームを照射して、レーザビーム入射面から0.1mm隔てた位置にある信号面に情報信号が記録され、記録済みの情報信号を再生している。この際、Blu−ray Discの記録容量はDVDよりも5倍程度高めてディスク基板の直径が12cmの時に片面で25GB(ギガバイト)程度である。
【0007】
そして、上記のような複数種の光ディスクに対して選択的に記録又は再生をする従来の光ディスク装置の一例(従来例1)として、BDを収納したディスクカートリッジを載置するためのBD側のトレイと、裸のDVD又はCDを載置するためのDVD/CD側のトレイとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】特開2006−244663号公報。
【0009】
図13は従来例1の光ディスク装置を示した外観斜視図である。
【0010】
図13に示した従来例1の光ディスク装置100は、上記した特許文献1(特開2006−244663号公報)に開示されているものであり、ここでは特許文献1を参照して簡略に説明する。
【0011】
図13に示した如く、従来例1の光ディスク装置100では、外装筐体101の前面101a側に第1,第2開口部101a1,101a2が形成されており、且つ、記録密度が高いBDを収納したディスクカートリッジDCAを載置するための第1トレイ102が第1開口部101a1に対して矢印X1,X2方向に排出/挿入可能に設けられている一方、BDよりも記録密度が低いDVD又はCDなどの裸の光ディスクDを載置するための第2トレイ103が第2開口部101a2に対して矢印X1,X2方向に排出/挿入可能に設けられている。
【0012】
そして、外装筐体101の前方に突出した光ディスク挿脱位置で第1トレイ102上にディスクカートリッジDCAを載置して、第1トレイ102と一体にディスクカートリッジDCAを外装筐体101内に設定した光ディスク記録再生位置まで移動した後に、ディスクカートリッジDCA内に収納したBDを外装筐体101内に回転自在に設けた第1ターンテーブル104上に装着して、このBDに対してBD用光ピックアップ105により記録又は再生している。
【0013】
一方、外装筐体101の前方に突出した光ディスク挿脱位置で第2トレイ103上に裸の光ディスクDを載置して、第2トレイ103と一体に裸の光ディスクDを外装筐体101内に設定した光ディスク記録再生位置まで移動した後に、裸の光ディスクDを外装筐体101内に回転自在に設けた第2ターンテーブル106上に装着して、この裸の光ディスクDに対してDVD/CD兼用ピックアップ107により記録又は再生している。
【0014】
また、従来の光ディスク装置の他例(従来例2)として、一のトレイ上に、BDなどの超高密度光ディスクを収納したディスクカートリッジと、DVD又はCDなどの裸の光ディスクとを選択的に載置できるように構成した光ディスク装置もある。
【0015】
図14は従来例2の光ディスク装置を示した外観斜視図、
図15は従来例2の光ディスク装置において、外装筐体の前面側に突出したトレイ上にBDを収納したディスクカートリッジを載置した第1態様を示した図、
図16は従来例2の光ディスク装置において、トレイ上に載置したディスクカートリッジ内のBDの中心が外装筐体内に設けたターンテーブルの上方に位置するようにトレイを水平移動した第2態様を示した図、
図17は従来例2の光ディスク装置において、BDを収納したディスクカートリッジを載置したトレイをターンテーブルの近傍まで下降させた後にBDをターンテーブル上に装着して、BDに対してBD用光ピックアップにより記録又は再生する第3態様を示した図、
図18は従来例2の光ディスク装置において、外装筐体の前面側に突出したトレイ上にDVD又はCDなどの裸の光ディスクを載置した第4態様を示した図、
図19は従来例2の光ディスク装置において、トレイ上に載置したDVD又はCDなどの裸の光ディスクの中心が外装筐体内に設けたターンテーブルの上方に位置するようにトレイを水平移動した第5態様を示した図、
図20は従来例2の光ディスク装置において、DVD又はCDなどの裸の光ディスクを載置したトレイをターンテーブルの近傍まで下降させた後に裸の光ディスクをターンテーブル上に装着して、裸の光ディスクに対してDVD/CD兼用光ピックアップにより記録又は再生する第6態様を示した図である。
【0016】
図14に示した如く、従来例2の光ディスク装置200では、外装筐体201の前面201a側に一の開口部201a1が形成されており、且つ、BDなどの超高密度光ディスクを収納したディスクカートリッジDCAと、DVD又はCDなどの裸の光ディスクDとを選択的に載置するための一のトレイ202が不図示のローディングモータの駆動力により一の開口部201a1に対して矢印X1,X2方向に排出/挿入可能に設けられている。
【0017】
尚、ディスクカートリッジDCAには、不使用時にBDを保護するように閉蓋する一方、使用時にBDが露出するよう開蓋するシャッタSTが設けられている。
【0018】
この際、上記したトレイ202は、前側板部202aと左右の側板部202b,202cとで囲まれた内部上面にディスクカートリッジDCAと裸の光ディスクDとを選択的に載置する載置部202dが形成されていると共に、載置部202dの内部中央部位に長孔部202eが矢印X1,X2方向に沿って貫通して形成されている。
【0019】
また、図15〜図20に示した従来例2の光ディスク装置200において、外装筐体201(図14)内に設けたシャーシ203上にはスピンドルモータ204が取り付けられており、このスピンドルモータ204のモータ軸にターンテーブル205が回転可能に固着されている。
【0020】
また、シャーシ203上には、ディスクカートリッジ有無検出機構206が取り付けられている。このディスクカートリッジ有無検出機構206は、シャーシ203上に取り付けたディスクカートリッジ検出用スイッチ207と、このディスクカートリッジ検出用スイッチ207に対して上下動可能に取り付けられたスイッチノブ208とからなり、トレイ202上に載置したディスクカートリッジDCAの下面にスイッチノブ208が当接して下降した時にディスクカートリッジDCAが有ることをディスクカートリッジ検出用スイッチ207で検出できるようになっている。
【0021】
また、シャーシ203の上方には、ディスクカートリッジDCA内に収納したBDを記録又は再生するためのBD用光ピックアップ209と、DVD又はCDなどの裸の光ディスクDを記録又は再生するためのDVD/CD兼用光ピックアップ210とが、スピンドルモータ204を挟んで各光ディスクの径方向に移動自在に設けられている。
【0022】
更に、上記したトレイ202は、外装筐体201の前面201a(図14)の前方に突出した光ディスク挿脱位置と、外装筐体201内に設けたターンテーブル205の上方位置との間を矢印X1,X2方向(図15,図18)に水平移動可能になっていると共に、ターンテーブル205の上方位置とターンテーブル205に接近した光ディスク記録再生位置との間を矢印Y1,Y2方向(図15,図18)に上下動可能になっている。
【0023】
この際、上記したトレイ202は、水平移動時にターンテーブル205との衝突を避けるためにトレイ202の前側板部202aと反対側の後端側の下面を肉抜きした肉抜き部202fが形成されてこの肉抜き部202f内にターンテーブル205の進入を許容すると共に、この肉抜き部202fの上面に薄肉部202gが形成され、且つ、前側板部202aと後端側との間に形成した長孔部202e内にターンテーブル205,スイッチノブ208,BD用光ピックアップ209,DVD/CD兼用光ピックアップ210がそれぞれ進入可能になっている。
【0024】
そして、ディスクカートリッジDCA内に収納したBDに対してBD用光ピックアップ209により記録又は再生する場合には、図15に示した如く、トレイ202を矢印X1方向に水平移動して外装筐体201の前面201a(図14)の前方に突出させた後に、この光ディスク挿脱位置でディスクカートリッジDCAをトレイ202の載置部202d上に載置している。
【0025】
この際、シャーシ203上に取り付けたディスクカートリッジ有無検出機構206のスイッチノブ208は、水平移動可能状態であるトレイ12の下面近傍まで上昇している。
【0026】
この後、図16に示した如く、ディスクカートリッジDCA内に収納したBD(図14)の中心がターンテーブル205の上方に位置するようにディスクカートリッジDCAを載置したトレイ202を矢印X2方向に水平移動する。ここでも、ディスクカートリッジ有無検出機構206のスイッチノブ208は、水平移動中のトレイ12の下面近傍まで上昇している。
【0027】
更にこの後、図17に示した如く、ディスクカートリッジDCAを載置したトレイ202をターンテーブル205の近傍まで矢印Y2方向に下降させると共に、ディスクカートリッジDCAに設けたシャッタST(図14)を開いて、ディスクカートリッジDCA内に収納したBDをターンテーブル205上に装着している。また、トレイ202がターンテーブル205に接近した光ディスク記録再生位置に至った時に、トレイ202の長孔部202e内に臨んだスイッチノブ208がディスクカートリッジDCAの下面に当接して実線矢印方向に下動するので、ディスクカートリッジ検出用スイッチ207でディスクカートリッジ有りを検出している。
【0028】
更に、トレイ202がターンテーブル205に接近した光ディスク記録再生位置に至った時に、トレイ202の長孔部202e内に臨んだBD用光ピックアップ209は初期時にBDの内周側に待機しているで、このBD用光ピックアップ209によりBDの下面側の信号面を直ちに記録又は再生できるものの、DVD/CD兼用光ピックアップ210がトレイ202の長孔部202e内に臨んでいるとディスクカートリッジDCAの下面にDVD/CD兼用光ピックアップ210が当接してしまうので、初期時にはDVD/CD兼用光ピックアップ210をディスクカートリッジDCAに衝突しないようにトレイ202から離れて二点鎖線矢印で示した左方に予め退避させている。
【0029】
一方、DVD又はCDなどの裸の光ディスクDに対してDVD/CD兼用光ピックアップ210により記録又は再生する場合には、図18に示した如く、トレイ202を矢印X1方向に水平移動して外装筐体201の前面201a(図14)の前方に突出させた後に、この位置で裸の光ディスクDをトレイ202の載置部202d上に載置している。この際、シャーシ203上に取り付けたディスクカートリッジ有無検出機構206のスイッチノブ208は、水平移動可能状態であるトレイ12の下面近傍まで上昇している。
【0030】
この後、図19に示した如く、裸の光ディスクDの中心がターンテーブル205の上方に位置するように裸の光ディスクDを載置したトレイ202を矢印X2方向に水平移動する。ここでも、ディスクカートリッジ有無検出機構206のスイッチノブ208は、水平移動中のトレイ12の下面近傍まで上昇している。
【0031】
更にこの後、図20に示した如く、裸の光ディスクDを載置したトレイ202をターンテーブル205の近傍まで矢印Y2方向に下降させて、裸の光ディスクDをトレイ202の載置部202d上から浮かせてターンテーブル205上に装着している。また、トレイ202がターンテーブル205に接近した光ディスク記録再生位置に至った時に、トレイ202の長孔部202e内に臨んだスイッチノブ208と裸の光ディスクDの下面との間に隙間Sが生じているのでスイッチノブ208は下動しないためにディスクカートリッジ検出用スイッチ207はディスクカートリッジ無しのOFF状態を保っている。
【0032】
更に、トレイ202がターンテーブル205に接近した光ディスク記録再生位置に至った時に、トレイ202の左方に退避しているDVD/CD兼用光ピックアップ210をトレイ202の長孔部202e内に臨むように実線矢印に示した方向に向かって裸の光ディスクDの内周側に移動させた後に、DVD/CD兼用光ピックアップ210により裸の光ディスクDに対して記録又は再生している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0033】
ところで、従来例1の光ディスク装置100によれば、前述したように、BDを収納したディスクカートリッジDCAを載置するための第1トレイ102と、裸の光ディスクDを載置するための第2トレイ103と、これら2つの第1,第2トレイ102,103を駆動するための2つのトレイ駆動機構とを設けなければならないために、従来例1の光ディスク装置100が高価なものとなってしまう。
【0034】
一方、上記した従来例2の光ディスク装置200では、一のトレイ202上に、BDを収納したディスクカートリッジDCAと、DVD又はCDなどの裸の光ディスクDとを選択的に載置できるために、従来例1の光ディスク装置100に対する問題点を解決できるものの、新たな問題点が生じている。
【0035】
即ち、従来例2の光ディスク装置200において生じた新たな問題点は、前述したように、一のトレイ202が外装筐体201内を水平移動した後に下降してターンテーブル205に接近した光ディスク記録再生位置に至った時に、ディスクカートリッジ有無検出機構206を構成するスイッチノブ208とディスクカートリッジ検出用スイッチ207とにより、トレイ202上にディスクカートリッジDCAが有るか否かを検出しているので、ディスクカートリッジDCA内に収納したBDに対して記録開始又は再生開始する場合にはトレイ202の下降後にBD用光ピックアップ209を直ちに動作させることができるものの、裸の光ディスクDに対して記録又は再生する場合にはトレイ202が下降した後にトレイ202の左方に退避しているDVD/CD兼用光ピックアップ210を裸の光ディスクDの内周側に移動させなければならないために、裸の光ディスクDを記録開始又は再生開始するタイミングがディスクカートリッジDCA内に収納したBDに比べて遅くなってしまう。
【0036】
更に、ここでの図示を省略するものの、移動自在な一のトレイ202上にディスクカートリッジ有無検出機構を取り付ければディスクカートリッジDCAの有無を迅速に検出できると考えられるものの、この場合にはディスクカートリッジ有無検出機構中の検出器に対する配線が面倒であり、且つ、トレイ202の移動中に断線が生じ易く、信頼性の点で問題である。
【0037】
そこで、筐体の前方に突出した光ディスク挿脱位置と、筐体内に設定した光ディスク記録再生位置との間を往復動する一のトレイ上に、BDなどの光ディスクを収納したディスクカートリッジと、DVD又はCDなどの裸の光ディスクとを選択的に載置できるように光ディスク装置を構成した場合に、トレイが筐体内を水平移動した後に下降してターンテーブルに接近した光ディスク記録再生位置に至った後に、ディスクカートリッジ内に収納したBDに対してBD用光ピックアップを直ちに動作開始させることができると共に、裸の光ディスクに対してDVD/CD兼用光ピックアップを直ちに動作開始させることができる光ディスク装置が望まれている。
更に、一のトレイ上にディスクカートリッジが有るか否かを迅速且つ信頼性良く確実に検出できる光ディスク装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0038】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、請求項1記載の発明は、筐体と、
前記筐体内に設けた第1のシャーシに取り付けられた光ディスク回転駆動手段と、
前記第1のシャーシに光ディスクと対向して移動可能に取り付けられ、前記光ディスクに対して記録又は再生する光ピックアップと、
前記第1のシャーシと、該第1のシャーシに対向して間隔を離して設けた第2のシャーシとの間に取り付けられたトレイホルダーと、
前記光ディスクを収納したディスクカートリッジを少なくとも載置可能として、前記トレイホルダーに沿って前記筐体の前方に突出した光ディスク挿脱位置と、前記筐体内に設定した光ディスク記録再生位置との間を往復動するトレイと、
前記トレイ上に載置した前記ディスクカートリッジの有無を検出するディスクカートリッジ有無検出手段と、を備え、
前記ディスクカートリッジ有無検出手段は、前記トレイ上に前記ディスクカートリッジが載置された場合に該ディスクカートリッジに当接する検出レバーと、この検出レバーの動きを検出して前記ディスクカートリッジの有無を検出する検出器とを、前記第2のシャーシ及び前記トレイホルダーの少なくとも一方に取り付けたことを特徴とする光ディスク装置である。
【0039】
また、請求項2記載の発明は、筐体と、
前記筐体内に設けた第1のシャーシに取り付けられた光ディスク回転駆動手段と、
前記第1のシャーシに記録密度が高い第1の光ディスクと対向して移動可能に取り付けられ、前記第1の光ディスクに対して記録又は再生する第1の光ピックアップと、
前記第1のシャーシに前記第1の光ディスクよりも記録密度が低い第2の光ディスクと対向して移動可能に取り付けられ、前記第2の光ディスクに対して記録又は再生する第2の光ピックアップと、
前記第1のシャーシと、該第1のシャーシに対向して間隔を離して設けた第2のシャーシとの間に取り付けられたトレイホルダーと、
前記第1の光ディスクを収納したディスクカートリッジと、裸の前記第2の光ディスクとを選択的に載置して、前記トレイホルダーに沿って前記筐体の前方に突出した光ディスク挿脱位置と、前記筐体内で前記第1又は第2の光ディスクの中心が前記光ディスク回転駆動手段の上方に位置するように水平移動した後に該光ディスク回転駆動手段の近傍まで下降した光ディスク記録再生位置との間を往復動するトレイと、
前記トレイ上に載置した前記ディスクカートリッジの有無を検出するディスクカートリッジ有無検出手段と、を備え、
前記ディスクカートリッジ有無検出手段は、前記トレイ上に前記ディスクカートリッジが載置された場合に該ディスクカートリッジに当接する検出レバーと、この検出レバーの動きを検出して前記ディスクカートリッジの有無を検出する検出器とを、前記第2のシャーシ及び前記トレイホルダーの少なくとも一方に取り付けたことを特徴とする光ディスク装置である。
【0040】
更に、請求項3記載の発明は、前記第1の光ピックアップを初期時に前記第1の光ディスクの内周側に待機させる一方、前記第2の光ピックアップを初期時に前記第2の光ディスクの外周よりも外側に退避させ、且つ、前記第2の光ディスクを載置した前記トレイが前記筐体内を水平移動している際中に該第2の光ピックアップを該第2の光ディスクの内周側に移動させることを特徴とする請求項2記載の光ディスク装置である。
【発明の効果】
【0041】
請求項1記載の光ディスク装置によると、トレイ上に光ディスクを収納したディスクカートリッジを少なくとも載置して、トレイホルダーに沿って筐体の前方に突出した光ディスク挿脱位置と、筐体内に設定した光ディスク記録再生位置との間を往復動させる際に、トレイ上に載置したディスクカートリッジの有無を検出するディスクカートリッジ有無検出手段は、トレイ上にディスクカートリッジが載置された場合にディスクカートリッジに当接する検出レバーと、この検出レバーの動きを検出してディスクカートリッジの有無を検出する検出器とを、第2のシャーシ及びトレイホルダーの少なくとも一方に取り付けたために、トレイ上に載置したディスクカートリッジの有無を迅速且つ信頼性良く確実に検出することができる。
【0042】
また、請求項2記載の光ディスク装置によると、トレイ上に記録密度が高い第1の光ディスクを収納したディスクカートリッジと、第1の光ディスクよりも記録が低い裸の第2の光ディスクとを選択的に載置して、トレイホルダーに沿って筐体の前方に突出した光ディスク挿脱位置と、筐体内で第1又は第2の光ディスクの中心が光ディスク回転駆動手段の上方に位置するように水平移動した後に光ディスク回転駆動手段の近傍まで下降した光ディスク記録再生位置との間を往復動させる際に、トレイ上に載置したディスクカートリッジの有無を検出するディスクカートリッジ有無検出手段は、トレイ上にディスクカートリッジが載置された場合にディスクカートリッジに当接する検出レバーと、この検出レバーの動きを検出してディスクカートリッジの有無を検出する検出器とを、第2のシャーシ及びトレイホルダーの少なくとも一方に取り付けたために、トレイ上に載置したディスクカートリッジの有無を迅速且つ信頼性良く確実に検出することができると共に、複数種の光ディスクに対して記録又は再生できるので使用勝手の良い光ディスク装置を提供できる。
【0043】
更に、請求項3記載の光ディスク装置によると、第1の光ディスクを記録又は再生する第1の光ピックアップを初期時に第1の光ディスクの内周側に待機させる一方、第2の光ディスクを記録又は再生する第2の光ピックアップを初期時に第2の光ディスクの外周よりも外側に退避させ、且つ、第2の光ディスクを載置したトレイが筐体内を水平移動している際中に第2の光ピックアップを第2の光ディスクの内周側に移動させているので、上記した請求項2記載の効果が得られる他に、トレイが筐体内を水平移動した後に下降してターンテーブルに接近した光ディスク記録再生位置に至った後に、ディスクカートリッジ内に収納した第1の光ディスクに対して第1の光ピックアップを直ちに動作開始させることができると共に、裸の第2の光ディスクに対して第2の光ピックアップを直ちに動作開始させることができるので、操作性能の良い光ディスク装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下に本発明に係る光ディスク装置の一実施例について図1〜図12を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0045】
図1は本発明に係る光ディスク装置を示した外観斜視図、
図2は本発明に係る光ディスク装置において、下シャーシ側を裏面から見た斜視図、
図3(a),(b)はBDを収納したディスクカートリッジと、DVD又はCDなどの裸の光ディスクとをトレイ上にそれぞれ載置した状態を示した斜視図、
図4は本発明に係る光ディスク装置において、外装筐体の前面側に突出したトレイ上にBDを収納したディスクカートリッジを載置した第1態様を示した図、
図5は本発明に係る光ディスク装置において、BDを収納したディスクカートリッジを載置したトレイを外装筐体内で矢印X2方向に水平移動した時に、ディスクカートリッジの先端にディスクカートリッジ有無検出機構の検出レバーが当接開始した第2態様を示した図、
図6は本発明に係る光ディスク装置において、BDを収納したディスクカートリッジを載置したトレイを外装筐体内で矢印X2方向に更に水平移動した時に、ディスクカートリッジの上面にディスクカートリッジ有無検出機構の検出レバーが当接している第3態様を示した図、
図7は本発明に係る光ディスク装置において、トレイ上に載置したディスクカートリッジ内のBDの中心が外装筐体内に設けたターンテーブルの上方に位置するようにトレイを水平移動した第4態様を示した図、
図8は本発明に係る光ディスク装置において、BDを収納したディスクカートリッジを載置したトレイをターンテーブルの近傍まで下降させた後にBDをターンテーブル上に装着して、BDに対してBD用光ピックアップにより記録又は再生する第5態様を示した図、
図9は本発明に係る光ディスク装置において、外装筐体の前面側に突出したトレイ上にDVD又はCDなどの裸の光ディスクを載置した第6態様を示した図、
図10は本発明に係る光ディスク装置において、トレイ上に載置したDVD又はCDなどの裸の光ディスクの中心が外装筐体内に設けたターンテーブルの上方に位置するようにトレイを水平移動した第7態様を示した図、
図11は本発明に係る光ディスク装置において、DVD又はCDなどの裸の光ディスクを載置したトレイをターンテーブルの近傍まで下降させた後に裸の光ディスクをターンテーブル上に装着して、裸の光ディスクに対してDVD/CD兼用光ピックアップにより記録又は再生する第8態様を示した図である。
【0046】
図1に示した如く、本発明に係る光ディスク装置10では、高密度光ディスクの一例としてBD(Blu−ray Disc)が流通し始めていることと、既に多くが出回っているDVD又はCDの資産も活用できるように複数種の光ディスクに対して記録又は再生可能に構成されているので、使用勝手の良い光ディスク装置10をユーザーに提供することができる。
【0047】
また、上記した本発明に係る光ディスク装置10では、外装となる箱状の筐体(以下、外装筐体と記す)11の前面11a側に一の開口部11a1が形成されており、且つ、記録密度が高い超高密度光ディスク(第1の光ディスク)BDを収納したディスクカートリッジDCAと、BDよりも記録密度が低いDVD又はCDなどの裸の光ディスク(第2の光ディスク)Dとを選択的に載置するための一のトレイ12が不図示のローディングモータの駆動力により一の開口部11a1に対して矢印X1,X2方向に排出/挿入可能に設けられている。
【0048】
尚、ディスクカートリッジDCAには、不使用時にBDを保護するように閉蓋する一方、使用時にBDが露出するよう開蓋するシャッタSTが設けられている。
【0049】
この際、上記したトレイ12は、前側板部12aと左右の側板部12b,12cとで囲まれた内部上面にディスクカートリッジDCAと裸の光ディスクDとを選択的に載置する載置部12dが形成されていると共に、載置部12dの内部中央部位に長孔部12eが矢印X1,X2方向に沿って貫通して形成されている。
【0050】
また、上記した本発明に係る光ディスク装置10では、図2に示した如く、外装筐体11(図1)内に設けた下シャーシ13を裏面側から見た時に、下シャーシ13の略中央部位上にスピンドルモータ14が取り付けられており、このスピンドルモータ14のモータ軸にターンテーブル15が回転可能に固着されているので、スピンドルモータ14とターンテーブル15とで光ディスク回転駆動手段が構成されている。
【0051】
また、下シャーシ13には、スピンドルモータ14を挟んで第1,第2開口部13a,13bが貫通して大きく形成されており、且つ、第1開口部13a内をディスクカートリッジDCA内に収納したBDを記録又は再生するためのBD用光ピックアップ(第1の光ピックアップ)16がBDと対向して矢印X1,X2方向に掛け渡した第1ガイドレール17に沿ってBD用光ピックアップ駆動モータ18に固着した第1リードスクリュー19の駆動力により移動自在に設けられている一方、第2開口部13b内をDVD又はCDなどの裸の光ディスクDを記録又は再生するためのDVD/CD兼用光ピックアップ(第2の光ピックアップ)20が裸の光ディスクDと対向して矢印X1,X2方向に掛け渡した第2ガイドレール21に沿ってDVD/CD兼用光ピックアップ駆動モータ22に固着した第2リードスクリュー23の駆動力により移動自在に設けられている。
【0052】
この際、BD(図1)の径方向に移動するBD用光ピックアップ16は、初期時にBDの内周側に待機しており、即ち、初期時にスピンドルモータ14の近傍に待機している。
【0053】
一方、DVD又はCDなどの裸の光ディスクD(図1)の径方向に移動するDVD/CD兼用光ピックアップ19は、後述するようにディスクカートリッジDCAを載置したトレイ12(図1)がターンテーブル15の近傍まで下降した時にディスクカートリッジDCAの下面と衝突しないように、初期時に裸の光ディスクD(図1)の外周よりも外側の位置で退避スイッチ24に当接した状態で退避させており、即ち、初期時にスピンドルモータ14よりも遠く離れて図示左方に退避させている。
【0054】
また、図4に示したように、外装筐体11(図1)内では、下シャーシ(第1のシャーシ)13に対向して間隔を離した上方に上シャーシ(第2のシャーシ)25が設けられており、この上シャーシ25は前方にトレイ挿脱口25aが形成されていると共に、下シャーシ13と上シャーシ25との間で上シャーシ25の裏面側に接近して図3(a),(b)に示したようなトレイホルダー26が取り付けられている。
【0055】
従って、トレイ12はトレイホルダー26に案内されながら矢印X1,X2方向に往復動可能になっており、トレイ12を矢印X1方向に移動させて、上シャーシ25のトレイ挿脱口25aより前方に突出させて光ディスク挿脱位置に至った際に、BDを収納したディスクカートリッジDCA、又は、DVD又はVDなどの裸の光ディスクDがトレイ12の載置部12d上に選択的に載置され得る。
【0056】
尚、図3中に示したディスクカートリッジ有無検出機構30は、上シャーシ25及びトレイホルダー26のうち少なくとも一方に取り付けられているものであり、このディスクカートリッジ有無検出機構30については後で述べる。
【0057】
また、図4及び図9に示した如く、上記したトレイ12は、トレイホルダー26に沿って外装筐体11(図1)内の上シャーシ25の前方に突出した光ディスク挿脱位置と、外装筐体11(図1)内の下シャーシ13上に設けたターンテーブル15の上方位置との間を矢印X1,X2方向に水平移動可能になっていると共に、ターンテーブル15の上方位置とターンテーブル15に接近した光ディスク記録再生位置との間を矢印Y1,Y2方向に上下動可能になっている。
【0058】
この際、上記したトレイ12は、水平移動時にターンテーブル15との衝突を避けるためにトレイ12の前側板部12aと反対側の後端側の下面を肉抜きした肉抜き部12fが形成されてこの肉抜き部12f内にターンテーブル15の進入を許容すると共に、この肉抜き部12fの上面に薄肉部12gが形成され、且つ、前側板部12aと後端側との間に形成した長孔部12e内にターンテーブル15,BD用光ピックアップ16,DVD/CD兼用光ピックアップ20がそれぞれ進入可能になっている。
【0059】
更に、図3(a),(b)及び図4〜図11に示したように、上シャーシ25のトレイ挿脱口25aの近傍の裏面側及びトレイホルダー26の上部に、本発明の要部となるディスクカートリッジ有無検出機構30が設けられており、このディスクカートリッジ有無検出機構30によりトレイ12上に載置したディスクカートリッジDCAの有無を迅速且つ信頼性良く確実に検出できるようになっている。
【0060】
上記したディスクカートリッジ有無検出機構30は、図4〜図11に示したように、上シャーシ25の裏面に取り付けたディスクカートリッジ検出用スイッチ31と、トレイホルダー26の上部に取り付けられてディスクカートリッジ検出用スイッチ31に押圧可能に接離すると共にトレイ12上に載置したディスクカートリッジDCAに接離する検出レバー32と、トレイホルダー26の上部に横設されて検出レバー32を上下方向に向かって回動自在に軸支する支持軸33とで構成されている。
【0061】
この際、検出レバー32は、ディスクカートリッジDCAが挿入されていない初期時にディスクカートリッジ検出用スイッチ31と対向してこのスイッチ31に押圧可能に接離する上面当接部32aがトレイホルダー26の上面壁部26aに当接してそれ以上の下方への移動が規制されているものの、上面当接部32aと反対側に一体的に形成した傾斜面部32bと下面当接部32cとがトレイ12上に載置したディスクカートリッジDCAと対向して接離可能になっていると共に、初期時に傾斜面部32bと下面当接部32cとが自重により支持軸33を中心にして下方(矢印方向)に向かって垂れ下がっている。
【0062】
尚、この実施例では、ディスクカートリッジ検出用スイッチ31を上シャーシ25に取り付け、検出レバー32をトレイホルダー26に取り付けているが、両者31,32を上シャーシ25及びトレイホルダー26の少なくとも一方に取り付けても良い。
【0063】
尚、更に、この実施例では、上シャーシ25に取り付けた支持軸33を中心にして上下方向に回動する検出レバー32の動きをディスクカートリッジ検出用スイッチ31で検出しているが、検出レバー32の動きを周知のホトセンサなどを用いた検出器で検出することも可能である。
【0064】
ここで、上記構成による本発明に係る光ディスク装置10の動作について図4〜図11を用いて動作順に説明する。
【0065】
まず、ディスクカートリッジDCA内に収納したBDに対してBD用光ピックアップ16により記録又は再生する場合には、図4に示した如く、トレイ12を矢印X1方向に水平移動して上シャ−シ25のトレイ挿脱口25aの前方に突出させた後に、この光ディスク挿脱位置でディスクカートリッジDCAをトレイ12の載置部12d上に載置している。
【0066】
この際、BD用光ピックアップ16は初期時にスピンドルモータ14の近傍でBDの内周側に待機している一方、DVD/CD兼用光ピックアップ20はスピンドルモータ14から離れ且つ裸の光ディスクDの外周よりも外側の位置で退避スイッチ24に当接した状態で退避している。
【0067】
また、上シャーシ25及びトレイホルダー26の上部に取り付けたディスクカートリッジ有無検出機構30の検出レバー32は、この上面当接部32aがトレイホルダー26の上面壁部26aに当接しているのでそれ以上の下方への移動が規制されているものの、検出レバー32は支持軸33を中心にして下方(矢印方向)に垂れ下がっていると共に、この検出レバー32はトレイ12上に載置したディスクカートリッジDCAの先端に当接していないので、検出レバー32の上面当接部32aは上シャーシ25に取り付けたディスクカートリッジ検出用スイッチ31から離れている。従って、この段階では、ディスクカートリッジ検出用スイッチ31からの信号がディスクカートリッジ無しの状態である。
【0068】
この後、図5に示した如く、図4に示した光ディスク挿脱位置からディスクカートリッジDCAを載置したトレイ12を矢印X2方向に向かって水平移動させると、ディスクカートリッジDCAの先端にディスクカートリッジ有無検出機構30の検出レバー32の傾斜面部32bが当接開始する。
【0069】
更にこの後、図6に示した如く、ディスクカートリッジDCAを載置したトレイ12を矢印X2方向に向かって更に水平移動させると、ディスクカートリッジDCAの上面にディスクカートリッジ有無検出機構30の検出レバー32の下面当接部32cが当接しているために、検出レバー32は押し上げられて支持軸33を中心にして上方(矢印方向)に回動するので、検出レバー32の上面当接部32aが上シャーシ25に取り付けたディスクカートリッジ検出用スイッチ31を押圧する。従って、ディスクカートリッジ検出用スイッチ31により直ちにディスクカートリッジ有りを検出している。
【0070】
そして、ディスクカートリッジ検出用スイッチ31によりディスクカートリッジ有りを検出した後に、図7に示した如く、トレイ12上に載置したディスクカートリッジDCA内のBDの中心がターンテーブル15の上方に位置するようにトレイ12をより更に矢印X2方向に水平移動する。ここでも、ディスクカートリッジDCAの上面にディスクカートリッジ有無検出機構30の検出レバー32の下面当接部32cが当接しているために、ディスクカートリッジ検出用スイッチ31によりディスクカートリッジ有りを検出している。
【0071】
更にこの後、図8に示した如く、ディスクカートリッジDCAを載置したトレイ12をターンテーブル15の近傍まで矢印Y2方向に下降させると共に、ディスクカートリッジDCAに設けたシャッタST(図1)を開いて、ディスクカートリッジDCA内に収納したBDをターンテーブル15上に装着している。
【0072】
そして、トレイ12がターンテーブル15に接近した光ディスク記録再生位置に至った時に、トレイ12の長孔部12e内に臨んだBD用光ピックアップ16は初期時にBDの内周側に待機しているで、このBD用光ピックアップ16によりBDの下面側の信号面を直ちに記録開始又は再生開始できる。この際、DVD/CD兼用光ピックアップ20はスピンドルモータ14から離れて左方の位置で退避スイッチ24に当接した状態で退避しているので、何らの支障も生じない。
【0073】
次に、DVD又はCDなどの裸の光ディスクDに対してDVD/CD兼用光ピックアップ20により記録又は再生する場合には、図9に示した如く、トレイ12を矢印X1方向に水平移動して上シャ−シ25のトレイ挿脱口25aの前方に突出させた後に、この光ディスク挿脱位置で裸の光ディスクDをトレイ12の載置部12d上に載置している。
【0074】
この場合も、上シャーシ25及びトレイホルダー26の上部に取り付けたディスクカートリッジ有無検出機構30の検出レバー32は、この上面当接部32aがトレイホルダー26の上面壁部26aに当接しているのでそれ以上の下方への移動が規制されているものの、検出レバー32は支持軸33を中心にして下方(矢印方向)に垂れ下がっていると共に、この検出レバー32はトレイ12上に載置した裸の光ディスクDから離れている。即ち、トレイ12上に裸の光ディスクDを載置した場合には、ディスクカートリッジ検出用スイッチ31がON動作することはないと共に、トレイ12上に何も載置しなかった場合でもディスクカートリッジ検出用スイッチ31がON動作することはないので、裸の光ディスクDを載置した場合と何も載置しなかった場合は共にトレイ12のローディング動作が同じになるようにしている。
【0075】
そして、裸の光ディスクDをトレイ12上に載置した場合には、トレイ12が上シャ−シ25のトレイ挿脱口25aの前方に突出した光ディスク挿脱位置から矢印X2方向に移動して所定時間経過した後もディスクカートリッジ検出用スイッチ31からの信号がOFF状態であると検出することで、裸の光ディスクDがトレイ12上に載置されていると判断している。
【0076】
この後、図10に示した如く、トレイ12上に載置した裸の光ディスクDの中心がターンテーブル15の上方に位置するようにトレイ12を矢印X2方向に向かって水平移動すると共に、このトレイ12の水平移動の際中に左方に退避しているDVD/CD兼用光ピックアップ20をスピンドルモータ14の近傍まで直ちに移動させて、裸の光ディスクDの内周側と対向する位置で待機させている。
【0077】
更にこの後、図11に示した如く、裸の光ディスクDを載置したトレイ12をターンテーブル15の近傍まで矢印Y2方向に下降させて、裸の光ディスクDをトレイ12の載置部12d上から浮かせてターンテーブル15上に装着している。
【0078】
そして、トレイ12がターンテーブル15に接近した光ディスク記録再生位置に至った時に、DVD/CD兼用光ピックアップ20がトレイ12の長孔部12e内に既に臨んでいるので、裸の光ディスクDの内周側からこの下面の信号面をDVD/CD兼用光ピックアップ20により直ちに記録開始又は再生開始できる。
【0079】
次に、BD用光ピックアップ16と、DVD/CD兼用光ピックアップ20とを選択的に動作させる場合について、図2と新たな図12とを用いて説明する。
【0080】
図12は本発明に係る光ディスク装置において、BD用光ピックアップと、DVD/CD兼用光ピックアップとを選択的に動作させる場合を説明するために模式的に示したブロック図である。
【0081】
図12に示した如く、不図示のローディング釦を押した時に、上シャーシ25(図3)に設けたディスクカートリッジ検出用スイッチ31からOFF信号が制御回路41に入力されているので、ローディングモータドライバ42を介してローディングモータ43によりトレイ12を外装筐体11の前方に突出させる。
【0082】
この後、トレイ12上にディスクカートリッジDCAを載置した場合には、トレイ12が外装筐体11内を水平移動してディスクカートリッジDCAに検出レバー32が当接したときにディスクカートリッジ検出用スイッチ31からON信号が制御回路41に直ちに入力され、ディスクカートリッジDCAを載置したトレイ12がターンテーブル15側に下降してディスクカートリッジDCA内のBDをターンテーブル15上に装着した後に、BD用光ピックアップ駆動モータドライバ44を介してBD用光ピックアップ駆動モータ18によりBD用光ピックアップ16を動作させている。
【0083】
一方、トレイ12上に裸の光ディスクDを載置した場合には、トレイ12が外装筐体11の前方に突出した光ディスク挿脱位置から外装筐体12内を水平移動して所定時間経過した後でもディスクカートリッジ検出用スイッチ31からOFF信号が制御回路41に入力されているので、トレイ12上に裸の光ディスクDが載置されたと判断し、トレイ12の水平移動中にDVD/CD兼用光ピックアップ駆動モータドライバ45を介してDVD/CD兼用光ピックアップ駆動モータ22により退避中のDVD/CD兼用光ピックアップ20をスピンドルモータ14側に移動させる。そして、裸の光ディスクDを載置したトレイ12がターンテーブル15側に下降して裸の光ディスクDをターンテーブル15上に装着した後に、DVD/CD兼用光ピックアップ駆動モータドライバ45を介してDVD/CD兼用光ピックアップ駆動モータ22によりDVD/CD兼用光ピックアップ20を動作させている。
【0084】
これにより、トレイ12が外装筐体11内を水平移動した後に下降してターンテーブル15に接近した光ディスク記録再生位置に至った後に、ディスクカートリッジDCA内に収納したBDに対してBD用光ピックアップ16を直ちに動作開始させることができると共に、DVD又はCDなどの裸の光ディスクDに対してDVD/CD兼用光ピックアップ20を直ちに動作開始させることができるので、操作性能の良い光ディスク装置10を提供することができる。
【0085】
尚、DVD/CD兼用光ピックアップ20は、前述したように初期時にスピンドルモータ14から遠く離れた位置に退避して退避検出スイッチ24に当接しているものの、トレイ12上にディスクカートリッジDCAを載置した時にDVD/CD兼用光ピックアップ20が退避位置にいない場合には、退避検出スイッチ24からOFF信号が制御回路41に入力されるので、DVD/CD兼用光ピックアップ駆動モータドライバ45を介してDVD/CD兼用光ピックアップ駆動モータ22によりDVD/CD兼用光ピックアップ20を退避位置に移動させるように指令すれば良い。
【0086】
この際、DVD/CD兼用光ピックアップ20の退避位置への移動が遅くなりそうな時には、制御回路41でディスクカートリッジDCAを載置したトレイ12の移動を減速指令又は停止指令を発し、ローディングモータ43の送り速度を調整し、トレイ12のローディング完了前にDVD/CD兼用光ピックアップ20の退避位置への移動を完了させれば良い。
【0087】
上記した実施例では、トレイ12上に、BDを収納したディスクカートリッジDCAと、DVD又はCDなどの光ディスクDとを選択的に載置する場合について説明したが、トレイ12上に、光ディスクを収納したディスクカートリッジのみを載置する場合でも、トレイ12の水平移動中にディスクカートリッジの有無を本発明の要部となるディスクカートリッジ検出機構30により迅速且つ信頼性良く確実に検出するように構成しても良いものである。この場合に、実施例では、外装筐体内でトレイを水平移動させた後にターンテーブル側に下降させているが、これとは異なって、トレイを水平移動させた後にターンテーブルの上方位置に停止させてターンテーブル及び光ピックアップを保持したトラバース機構(図示せず)をトレイ側に向かって上昇させることでも良いものである。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明に係る光ディスク装置を示した外観斜視図である。
【図2】本発明に係る光ディスク装置において、下シャーシ側を裏面から見た斜視図である。
【図3】(a),(b)はBDを収納したディスクカートリッジと、DVD又はCDなどの裸の光ディスクとをトレイ上にそれぞれ載置した状態を示した斜視図である。
【図4】本発明に係る光ディスク装置において、外装筐体の前面側に突出したトレイ上にBDを収納したディスクカートリッジを載置した第1態様を示した図である。
【図5】本発明に係る光ディスク装置において、BDを収納したディスクカートリッジを載置したトレイを外装筐体内で矢印X2方向に水平移動した時に、ディスクカートリッジの先端にディスクカートリッジ有無検出機構の検出レバーが当接開始した第2態様を示した図である。
【図6】本発明に係る光ディスク装置において、BDを収納したディスクカートリッジを載置したトレイを外装筐体内で矢印X2方向に更に水平移動した時に、ディスクカートリッジの上面にディスクカートリッジ有無検出機構の検出レバーが当接している第3態様を示した図である。
【図7】本発明に係る光ディスク装置において、トレイ上に載置したディスクカートリッジ内のBDの中心が外装筐体内に設けたターンテーブルの上方に位置するようにトレイを水平移動した第4態様を示した図である。
【図8】本発明に係る光ディスク装置において、BDを収納したディスクカートリッジを載置したトレイをターンテーブルの近傍まで下降させた後にBDをターンテーブル上に装着して、BDに対してBD用光ピックアップにより記録又は再生する第5態様を示した図である。
【図9】本発明に係る光ディスク装置において、外装筐体の前面側に突出したトレイ上にDVD又はCDなどの裸の光ディスクを載置した第6態様を示した図である。
【図10】本発明に係る光ディスク装置において、トレイ上に載置したDVD又はCDなどの裸の光ディスクの中心が外装筐体内に設けたターンテーブルの上方に位置するようにトレイを水平移動した第7態様を示した図である。
【図11】本発明に係る光ディスク装置において、DVD又はCDなどの裸の光ディスクを載置したトレイをターンテーブルの近傍まで下降させた後に裸の光ディスクをターンテーブル上に装着して、裸の光ディスクに対してDVD/CD兼用光ピックアップにより記録又は再生する第8態様を示した図である。
【図12】本発明に係る光ディスク装置において、BD用光ピックアップと、DVD/CD兼用光ピックアップとを選択的に動作させる場合を説明するために模式的に示したブロック図である。
【図13】従来例1の光ディスク装置を示した外観斜視図である。
【図14】従来例2の光ディスク装置を示した外観斜視図である。
【図15】従来例2の光ディスク装置において、外装筐体の前面側に突出したトレイ上にBDを収納したディスクカートリッジを載置した第1態様を示した図である。
【図16】従来例2の光ディスク装置において、トレイ上に載置したディスクカートリッジ内のBDの中心が外装筐体内に設けたターンテーブルの上方に位置するようにトレイを水平移動した第2態様を示した図である。
【図17】従来例2の光ディスク装置において、BDを収納したディスクカートリッジを載置したトレイをターンテーブルの近傍まで下降させた後にBDをターンテーブル上に装着して、BDに対してBD用光ピックアップにより記録又は再生する第3態様を示した図である。
【図18】従来例2の光ディスク装置において、外装筐体の前面側に突出したトレイ上にDVD又はCDなどの裸の光ディスクを載置した第4態様を示した図である。
【図19】従来例2の光ディスク装置において、トレイ上に載置したDVD又はCDなどの裸の光ディスクの中心が外装筐体内に設けたターンテーブルの上方に位置するようにトレイを水平移動した第5態様を示した図である。
【図20】従来例2の光ディスク装置において、DVD又はCDなどの裸の光ディスクを載置したトレイをターンテーブルの近傍まで下降させた後に裸の光デブロックィスクをターンテーブル上に装着して、裸の光ディスクに対してDVD/CD兼用光ピックアップにより記録又は再生する第6態様を示した図である。
【符号の説明】
【0089】
10…光ディスク装置、
11…筐体(外装筐体)、11a…前面、11a1…開口部、
12…トレイ、12a…前側板部、12b,12c…左右の側板部、
12d…載置部、12e…長孔部、12f…肉抜き部、12g…薄肉部、
13…第1のシャーシ(下シャーシ)、13a,13b…第1,第2開口部、
14,15…光ディスク回転駆動手段、
14…スピンドルモータ、15…ターンテーブル、
16…第1の光ピックアップ(BD用光ピックアップ)、17…第1ガイドレール、
18…BD用光ピックアップ駆動モータ、19…第1リードスクリュー、
20…第2の光ピックアップ(DVD/CD兼用光ピックアップ)、
21…第2ガイドレール、
22…DVD/CD兼用光ピックアップ駆動モータ、23…第2リードスクリュー、
24…退避スイッチ、
25…第2のシャーシ(上シャーシ)、25a…トレイ挿脱口、
26…トレイホルダー、26a…上面壁部、
30…ディスクカートリッジ有無検出機構、
31…ディスクカートリッジ検出用スイッチ、
32…検出レバー、32a…上面当接部、32b…傾斜面部、32c…下面当接部、
33…支持軸、
41…制御回路、42…ローディングモータドライバ、43…ローディングモータ、
44…BD用光ピックアップ駆動モータドライバ、
45…DVD/CD兼用光ピックアップ駆動モータドライバ、
BD…第1の光ディスク(超高密度光ディスク)、
D…第2の光ディスク(DVD又はCDなどの裸の光ディスク)、
DCA…ディスクカートリッジ、ST…シャッタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に設けた第1のシャーシに取り付けられた光ディスク回転駆動手段と、
前記第1のシャーシに光ディスクと対向して移動可能に取り付けられ、前記光ディスクに対して記録又は再生する光ピックアップと、
前記第1のシャーシと、該第1のシャーシに対向して間隔を離して設けた第2のシャーシとの間に取り付けられたトレイホルダーと、
前記光ディスクを収納したディスクカートリッジを少なくとも載置可能として、前記トレイホルダーに沿って前記筐体の前方に突出した光ディスク挿脱位置と、前記筐体内に設定した光ディスク記録再生位置との間を往復動するトレイと、
前記トレイ上に載置した前記ディスクカートリッジの有無を検出するディスクカートリッジ有無検出手段と、を備え、
前記ディスクカートリッジ有無検出手段は、前記トレイ上に前記ディスクカートリッジが載置された場合に該ディスクカートリッジに当接する検出レバーと、この検出レバーの動きを検出して前記ディスクカートリッジの有無を検出する検出器とを、前記第2のシャーシ及び前記トレイホルダーの少なくとも一方に取り付けたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
筐体と、
前記筐体内に設けた第1のシャーシに取り付けられた光ディスク回転駆動手段と、
前記第1のシャーシに記録密度が高い第1の光ディスクと対向して移動可能に取り付けられ、前記第1の光ディスクに対して記録又は再生する第1の光ピックアップと、
前記第1のシャーシに前記第1の光ディスクよりも記録密度が低い第2の光ディスクと対向して移動可能に取り付けられ、前記第2の光ディスクに対して記録又は再生する第2の光ピックアップと、
前記第1のシャーシと、該第1のシャーシに対向して間隔を離して設けた第2のシャーシとの間に取り付けられたトレイホルダーと、
前記第1の光ディスクを収納したディスクカートリッジと、裸の前記第2の光ディスクとを選択的に載置して、前記トレイホルダーに沿って前記筐体の前方に突出した光ディスク挿脱位置と、前記筐体内で前記第1又は第2の光ディスクの中心が前記光ディスク回転駆動手段の上方に位置するように水平移動した後に該光ディスク回転駆動手段の近傍まで下降した光ディスク記録再生位置との間を往復動するトレイと、
前記トレイ上に載置した前記ディスクカートリッジの有無を検出するディスクカートリッジ有無検出手段と、を備え、
前記ディスクカートリッジ有無検出手段は、前記トレイ上に前記ディスクカートリッジが載置された場合に該ディスクカートリッジに当接する検出レバーと、この検出レバーの動きを検出して前記ディスクカートリッジの有無を検出する検出器とを、前記第2のシャーシ及び前記トレイホルダーの少なくとも一方に取り付けたことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項3】
前記第1の光ピックアップを初期時に前記第1の光ディスクの内周側に待機させる一方、前記第2の光ピックアップを初期時に前記第2の光ディスクの外周よりも外側に退避させ、且つ、前記第2の光ディスクを載置した前記トレイが前記筐体内を水平移動している際中に該第2の光ピックアップを該第2の光ディスクの内周側に移動させることを特徴とする請求項2記載の光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2008−299947(P2008−299947A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−144436(P2007−144436)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】