説明

光ディスク装置

【目的】 光ピックアップの半導体レーザーの短絡、短絡解除を容易にする。
【構成】 光ピックアップの半導体レーザーの出力リードを第1のプリント基板8に接続すると共に前記第1のプリント基板8にコネクタを設け、前記コネクタに挿着されるショートプラグ13で前記半導体レーザーの出力回路を短絡せしめるように構成したことを特徴とする。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、レーザー光を光ディスクに照射してデーターの読み出しを行なう光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD−ROM読み出し装置としては、光ピックアップを設置したトレーをケースにスライド自在に組み付けるとともに、ケースに設置したメイン基板の下方に中継基板を配置し、該中継基板を介して上記光ピックアップの出力をメイン基板に導くようにした光ディスク装置が提供されている。
【0003】
ところで、光ピックアップの半導体レーザーは静電気によって壊れ易い。そこで、従来は、光ピックアップの半導体レーザーの出力端子を半田付けすることにより短絡させてトレーに光ピックアップを組み付けていた。そして、所定の配線作業が完了してから、前記半田を取り除いて半導体レーザーの短絡を解除していた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来技術では、光ピックアップの組み付け後、半田除去作業が必要なばかりでなく、光ピックアップを分解する際には、再び半田付けによって半導体レーザーを短絡させなければならず、作業性が極めて悪いという問題があった。
【0005】
本考案は、このような事情に鑑み、光ピックアップの半導体レーザーの短絡とその解除を容易に行なうことができる光ディスク装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本考案は、光ピックアップの半導体レーザーの出力リードを第1のプリント基板に接続すると共に、前記第1のプリント基板にコネクタを設け、前記コネクタに挿着されるショートプラグで前記半導体レーザーの出力回路を短絡せしめるように構成したことを特徴とする。
また、前記第1のプリント基板上に第2のプリント基板を設けると共に、前記第1のプリント基板上のショートプラグの挿脱を可能にするための開口部を第2のプリント基板に設けたことを特徴とする。
また、前記第2のプリント基板は前記第1のプリント基板に対して略直角に配置され、且つ前記第1のプリント基板と第2のプリント基板とはコネクタを介して接続されたことを特徴とする。
【0007】
【作用】
本考案によれば、ショートプラグをメイン基板(第2のプリント基板)の開口部を通して中継基板(第1のプリント基板)から引き抜くと、光ピックアップの半導体レーザーの短絡が解除される。また、このショートプラグを中継基板に装着すると、半導体レーザーが短絡される。半導体レーザーが短絡状態にあるときには、半導体レーザーの出力回路は低インピーダンスとなり、静電気の影響をうけにくくなる。
【0008】
【実施例】
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0009】
図1に本考案の光ディスク装置を示す。同図において、1はケースで、その左右の側壁にはガイド部材2、2をそれぞれ取り付けてある。トレー3は、これらガイド部材に2、2に案内されてケース1から引き出されるようになっている。
トレー3には、光ピックアップ4、図示しないモーターで駆動されるターンテーブル5などの光ディスク装置の主要機構が組み付けてある。
【0010】
ケース1の奥の方にはメイン基板(第2のプリント基板)7が取り付けてあり、該メイン基板7の下方に略直角をなして第1のプリント基板である中継基板8を配置してある。該中継基板8の一方の端部には、図2に示すようにコネクター9が設置してあり、該コネクター9に、光ピックアップ4の出力リードであるフレキシブルケーブルの先端を接続するようになっている。
【0011】
また、中継基板8の他方の端部には、コネクター10が設置してあり、該コネクター10はメイン基板7の下面側のコネクター11と接続されるようになっている。さらに、中継基板8の端部上端に設けられたコネクタ12に、ショートプラグ13が装着してある。該ショートプラグ13は、図3に示すように中継基板8に植設した一対のL型ピン12aからなるコネクタ12に差し込んで、その間を電気的に接続するようにしてある。すなわち、ショートプラグ13が、図2に示すようにピン12a,12aに装着した際には、光ピックアップ4の半導体レーザー14の出力回路14a,14bを短絡させるようにしてある。なお、メイン基板7のショートプラグ13を臨む箇所には、ショートプラグ13の挿脱用の開口部15が設けられている。
【0012】
次に、この光ディスク装置の組立手順について説明する。
予め、中継基板8のピン12a,12aにショートプラグ13を装着してから、コネクター9に光ピックアップ4側のコネクターを接続しておく。この状態で光ピックアップ4をトレー3に組み付けるとともに、中継基板8をケース1に組み付ける。このとき、光ピックアップ4の半導体レーザー14の出力回路14a,14bはショートプラグ13によって短絡させられているので、半導体レーザー14が作業中に静電破壊する虞はない。そして、メイン基板7をケース1内に組み付け、メイン基板7のコネクター11を中継基板8のコネクター10に接続してから、ショートプラグ13をメイン基板7の開口部15を通して引き抜けばよい。
【0013】
【考案の効果】
本考案によれば、光ピックアップの半導体レーザーを短絡させるショートプラグを中継基板に設けるとともに、メイン基板のショートプラグを臨む箇所に開口部を設けたので、このショートプラグをメイン基板の開口部から中継基板に着脱するだけで光ピックアップの半導体レーザーの短絡、短絡解除が行える。したがって、光ピックアップの組立、分解時の半田付け、半田作業が不要になり、作業能率の大幅な向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の光ディスク装置を示す図で、(a) はその平面図、(b) はその側面図である。
【図2】本考案の要部を示す斜視図である。
【図3】図2のショートプラグを中継基板から取り外した状態を拡大して示す斜視図である。
【図4】同装置における要部の配線図である。
【符号の説明】
1 ケース
3 トレー
4 光ピックアップ
7 メイン基板
8 中継基板
9 コネクター
10,11 コネクター
13 ショートプラグ
12a ピン
14 半導体レーザー
15 開口部

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 光ピックアップの半導体レーザーの出力リードを第1のプリント基板に接続すると共に、前記第1のプリント基板にコネクタを設け、前記コネクタに挿着されるショートプラグで前記半導体レーザーの出力回路を短絡せしめるように構成したことを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】 前記第1のプリント基板上に第2のプリント基板を設けると共に、前記第1のプリント基板上のショートプラグの挿脱を可能にするための開口部を第2のプリント基板に設けたことを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項3】 前記第2のプリント基板は前記第1のプリント基板に対して略直角に配置され、且つ前記第1のプリント基板と第2のプリント基板とはコネクタを介して接続されたことを特徴とする請求項2記載の光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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