説明

光ディスク

【課題】CDやDVD並みに低価格でかつ通常の光ディスクドライブでの記録・再生が可能な光ディスクであって、しかも情報記録領域に皺や凹凸のない平面性を確保した光ディスクを提供する。
【解決手段】情報記録層12を有する可撓性フィルムディスク2と、該フィルムディスクが重ねられる板状のホルダー3とを備え、該ホルダーの表面には、前記フィルムディスクの前記情報記録層における情報記録領域以外のクランプエリア及びリムエリアが重ねられる位置に、前記フィルムディスクを剥離可能に貼り合わせる接着層16、17が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性フィルムディスクと該フィルムディスクが貼り合わせられる板状のホルダーとを備える光ディスクに係り、次世代光ディスクであるブルーレイディスクに用いて好適な光ディスクに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光ディスクの大容量化が進んできており、DVD(Digital Versatile Disc)よりもさらに高密度・大容量化したディスクとして、青紫色光源(波長405nm付近)を利用したブルーレイディスク(Blu-ray Disc:以下BDと記す)が商品化されてきている。BDは、ディスク表面から記録反射層までの透明樹脂層の厚さが0.1mm程度と非常に薄く、開口数(NA)が0.85程度のレンズを用いて微細なレーザスポットを形成し、情報記録に情報の記録、又は再生を行う。BDは片面単層記録で約25Gバイト、片面2層記録で約50GバイトとDVDの約5倍の大容量メディアである。
【0003】
BDを製造する方法の説明をする。最初に、厚さ1.1mmの基板上に情報記録層を形成する。次に、情報記録層上に、透明フィルムを貼り合わせたり、紫外線硬化樹脂を塗布したりすることで0.1mm厚のカバー層を作製し、総厚1.2mmのBDとする方法がある。この方法では、製造工程が複雑であり、工程が多いという問題がある。樹脂シートを貼り合わせ、又は樹脂を塗布等の製造工程が複雑である。さらに、多層構造にするため、製造工程が多い。
【0004】
また、別の方法では、最初に、透明フィルム(0.07〜0.09mm厚)上に情報記録層を形成し、総厚0.1mmとする。次に、このフィルムと厚い基板(1.1mm厚)とを貼り合わせる方法により、総厚1.2mmのBDを製造する方法がある。
【0005】
しかし、情報記録パターン内に形成するピットは、長さが0.3〜0.149μm、深さが50nmと極めて小さいため、射出成形法での転写では限界に近く、かつ、ディスク表面から記録パターンまでの厚さの規格が0.1mmと薄く制限されているため、製造工程での取扱いも難しく、ロスが生じ易い。
【0006】
また、ディスク表面の傷・汚れに影響しやすいためハードコートが必須であり、さらに、貼り合わせ、樹脂塗布等の多層構成の工程において、ディスク表面から記録層までの厚さむらを±2μm公差内に抑えるように、高精度の厚さ制御が必要となる。BDのカバーフィルムに使用されるポリカーボネイトフィルムは溶剤キャスト法(原料を溶剤で溶かしてフィルム状に広げ、溶剤を除去して膜とする方法)で作られるため、膜厚精度が良く、複屈折も小さいが、生産性が悪く、かつBD製品の要求品質が高レベルのためロス率も高くなり、コスト高となる。
【0007】
このBDが普及するにはCD及びDVD並みにコスト削減が必須条件である。そこで、可撓性フィルムに情報記録層を形成した厚さ0.1mm程度のフレキシブル光ディスクが検討されている。
【0008】
このフレキシブル光ディスクの記録再生方法としては、例えばベルヌーイの法則に基づいた安定化ガイドを使用する方法などが提案されている(特許文献1、特許文献2)。これは、高速で回転したフレキシブル光ディスクのピックアップと反対側にガイドを近づけることで、一定厚さの空気層が発生し、これによりフレキシブル光ディスクの反りやウネリ及び凹凸を矯正する方法である。
【0009】
しかし、上記の方式では安定化ガイドが必要であり、BDのような一般的光ディスクと互換性が無い。更に常時フレキシブル光ディスクを高回転させなければ、ベルヌーイの法則が成り立たなくなり、停止時や低回転時には自重でディスクが撓み、ピックアップまたは安定化ガイドと接触する可能性がある。ディスクの回転が停止または低回転時には、ディスクまたはピックアップまたは安定化ガイドを退避させることも技術的には可能であるが、コストアップの要因となる。
【特許文献1】特開2003−22651号公報
【特許文献2】特開2003−68050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、CDやDVD並みに低価格でかつ通常の光ディスクドライブでの記録・再生が可能な光ディスクであって、しかも情報記録領域に皺や凹凸のない平面性を確保した光ディスクの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の光ディスクは、上記の問題を解決するために、情報記録層を有する可撓性フィルムディスクと、該フィルムディスクが重ねられる板状のホルダーとを備え、これらフィルムディスクとホルダーとを前記情報記録層における情報記録領域以外のクランプエリア又はリムエリアのいずれかの位置で剥離可能に貼り合わせる固定手段が設けられていることを特徴とする。
【0012】
このような構成を採用し、これら可撓性フィルムディスクとホルダーとを貼り合わせたディスクをBD規格の諸寸法に形成することにより、BD規格対応プレーヤーで再生可能となる。この場合、フィルムディスクの情報記録領域以外をホルダーに固定するものであるから、両者を貼り合わせる際に気泡や異物混入によってフィルムディスクに皺等の凹凸が生じたとしても、その発生箇所を情報記録領域以外のエリアにとどめることができ、情報記録領域内での平面性は確保することができる。
【0013】
また、この光ディスクにおいて、前記固定手段は、ホルダーの表面に形成された接着層による構成とされるもの、あるいは、フィルムディスクに形成された磁性体層と、ホルダーに形成された永久磁石とを備える構成とされるもの、が適用できる。いずれの場合も差繰り返し使用することができ、接着層を用いる場合は、その柔軟性により皺などの原因となる歪も緩和できる。また、永久磁石を用いる固定手段の場合は、接着層よりもごみ等が付着しにくい。
そして、前記ホルダーは、前記情報記録領域がフィルムディスクを非接触状態とする空洞部とされている構成とすることにより、フィルムディスクとの間での異物噛み込みを確実に防止することができる。
【0014】
また、前記ホルダーには、前記クランプエリアとリムエリアとの間を連結する複数の支持部材が形成され、前記空洞部はこれら支持部材の間に形成されている構成としてもよい。
この構成とすることにより、情報記録領域に対向する部分が小さい領域となることから、異物噛み込みをより確実に防止することができるとともに、情報記録領域においてもフィルムディスクの背面を支持部材で受けることができるので、フィルムディスクの剛性が低い場合でも、その平面性を確保することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、情報記録層を有する可撓性フィルムディスクをホルダーに装着することにより、BD規格対応のプレーヤーで再生可能となる。この光ディスクは、ホルダーは繰り返し使用できるため、消費者は記録層を有するフィルムディスクのみ買い換えればよく、ブルーレイディスク−ロム(以下BD−ROMとする)の大幅な低価格化を実現できる。さらに、記録層を有するフィルムディスクは薄型で軽量であるため、多数のROMの持ち運びが容易でかつ保管場所も小さくて済むようになる。さらに本発明によれば、フィルムディスクをホルダーに貼り合わせする際に生じやすい皺、及び気泡や異物混入による記録面の平滑性の乱れを防止することができ、記録・再生を正確に処理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
この実施形態の光ディスクは、BD−ROMの規格に準じたディスクとして取り扱われるように設計されている。
【0017】
この光ディスク1は、可撓性フィルムディスク2と、比較的剛性を有する板状のホルダー3とを重ねて貼り合わせた構成であり、図1に示すように、中央に位置決め用のセンターホール4がフィルムディスク2及びホルダー3を貫通して形成されている。
この光ディスク1は、例えば、外径が120mm、センターホール4の直径が15mmであり、図2にフィルムディスクで示すように、センターホール4からその外側の直径33mmまでの位置がクランプエリア5、さらに直径42mmの位置から117mmまでの位置が情報記録領域6、その外側から直径120mmまでがリムエリア7である。
【0018】
前記フィルムディスク2は、可撓性フィルム基材11の表面に情報記録層12が形成されるとともに、該情報記録層12の上に反射層13が形成され、その上に保護層14が形成された構成であり、厚さが約0.1mmとされている。
フィルム基材11としては、紫外線を透過するような高透明の材料でかつ低複屈折性の材料が使用され、例えば、ポリカーボネイト、ポリメチルメタクリレート及びトリアセチルセルロースなどが挙げられる。
【0019】
また、情報記録層12は、紫外線(UV)硬化性アクリル樹脂の層に原版スタンパーからピットを転写して紫外線硬化させたものである。
前記反射層13は、ピットが形成された情報記録層12に、スパッタ法若しくは蒸着法にてアルミニウム、銀又はそれらの合金のいずれかの薄膜を形成させて構成されている。
前記保護層14は反射層13の表面に粘着付保護フィルムを貼り付けて構成されている。
【0020】
一方、前記ホルダー3は、図1に示すように、基材プレート15の片面の中央部と外周部とに接着層16、17が形成され、両接着層16、17の間が接着層16、17の厚さ分だけ窪んだ空洞部18とされた構成とされており、全体で例えば1.1mmの厚さに形成されている。
基材プレート15に使用できる材料は、平滑性を有する基材であれば光学的性質は問わないので、例えばポリカーボネイト又はポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、紙等が使用できる。
【0021】
また、基材プレート15表面の接着層16は、前記フィルムディスク2を重ねたときに該フィルムディスク2における情報記録領域6を除くクランプエリア5及びリムエリア7に対応する領域にそれぞれリング状に形成されている。この接着層16は、再剥離可能な弱粘着剤が塗布されることによって形成されており、この粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等いずれでもよいが、そのなかでも、環境に強く、任意の粘着特性にしやすいことからアクリル系粘着剤が適している。
【0022】
また、再剥離可能な弱粘着剤の代替として、吸着性を有する樹脂としてもよい。これらの吸着性樹脂の場合、糊残りも少なく、再剥離性に優れる。吸着性の樹脂は、例えば、フジコピアン株式会社製フィックスフィルム(商品名)やポリスチレンーポリイソプレンのブロック構造を有するエラストマーである日本ゼオン製クインタック(商品名)、またはミクロ吸盤をシート化した株式会社アクト製ミクロフィット(商品名)などが挙げられる。本発明においては、この粘着、吸着を含めて接着と称している。
【0023】
このように構成した光ディスク1は、流通時等には、フィルムディスク2のみを1枚ずつ、又は複数枚セットにして取り扱われ、記録・再生時には、図3に示すように、フィルムディスク2をホルダー3の接着層16、17に貼り合わせて使用される。この貼り合わせ状態においては、外径が120mm、センターホール4の直径が15mm、総厚さが1.2mmの通常のBDと同じ寸法となり、この貼り合わせ状態で通常のBD規格対応プレーヤーで記録・再生が可能になる。
【0024】
また、ホルダー3の全面に接着層が設けられている場合は、これにフィルムディスク2を貼り合わせた際に気泡を閉じ込めてしまうおそれがあるが、情報記録領域6には接着層が設けられていないことにより、少なくとも情報記録領域6に気泡の閉じ込みが発生することはなく、接着後においても情報記録領域6の平面性を確保することができる。
この貼り合わせ作業は、ホルダー3のセンターホール4に、先細り状の位置決めピン(図示略)を挿入して嵌め合わせた状態としておき、この位置決めピンを通しながらフィルムディスク2をホルダー3に重ね合わせればよい。
【0025】
一方、図1の合成樹脂製の保護層に替えて、磁性体(例えば、ニッケル、コバルト、鉄)を有する金属箔を保護層として使用し、ホルダーには、前記接着層16、17に替えて、金属箔からなる保護層を磁力によって吸着する永久磁石層をクランプエリアとリムエリアに設けた構成としてもよい。
このような構成とすることにより、異物付着などによる貼り合わせ強度低下の問題も少なくなる。その一方で粘着や吸着による方法に比べコスト面で劣る。
なお、この金属箔を永久磁石で吸着する構成とする場合、保護層を金属箔で構成したが、情報記録層をいわゆる空気ピットとし、その情報記録層に反射層として金属箔を積層し、その上に保護層を設ける構成としてもよい。
本発明では、接着層によるものと、磁性体と永久磁石とによるものとを併せて固定手段と称している。
【0026】
図3及び図4は本発明の他の実施形態におけるホルダーを示しており、このホルダー31においては、そのクランプエリア(図2参照)の部分とリムエリアに対応する部分とにそれぞれリング状に接着層16、17が形成されているとともに、これら接着層16、17の間に、複数本の支持部材32がスポーク状に3本形成され、これら接着層16、17及び支持部材32によって囲まれた空間が空洞部33とされた構成である。
この場合、図4に示すように、支持部材32は基材プレート15の上に一体に固定され、前記接着層16、17の表面と面一になるように配置されている。
【0027】
このような構成とすることにより、支持部材32が設けられたことによってホルダー31、41としての剛性が高まり、その平面性を保持することができる。また、この支持部材32が存在することにより、情報記録領域6においてもフィルムディスクの下面を受けることになるので、フィルムディスクの剛性が低い場合でもその平面性を確保することができ、かつ、この情報記録領域においては接着されているものではないので、気泡や異物の噛み込みの問題も生じない。
【0028】
一方、図5は、支持部材32を4本設けたホルダー41を示している。
これら図3から図5の各実施形態における支持部材32の本数は、ホルダー31、41としての平面性を保持できるだけの強度があればよく、複数本の支持部材があれば十分であってその本数は特に制限されるものではない。また、この支持部材32の材料は、本数が少ない場合には金属のような剛性のあるものがよいが、4本以上ある場合には、ポリプロピレンやポリスチレンのような安価なプラスチックでも可能である。基材プレート15と一体に成形してもよいし、別材料で形成して基材プレート15に固着してもよい。また、基材プレートも、クランプエリアに対応する内側リング状部と、リムエリアに対応する外側リング状部と、支持部材の部分とによるフレーム状に形成して、空洞部を表裏貫通するものとしてもよい。
【0029】
また、図6及び図7は、本発明のさらに他の実施形態におけるホルダーを示しており、図6に示すホルダー51においては、基材プレート52は、クランプエリア(図2参照)に対応する部分にリング状部53が形成されるとともに、該リング状部53から半径方向外方に突出する複数本の支持部材54が設けられ、各支持部材54の先端のリムエリアに対応する部分に支持部材54より若干幅広の保持部55が一体に形成されており、支持部材54の間の空間が空洞部56とされている。そして、リング状部54及び保持部55の表面に接着層16、57が形成され、各支持部材54が接着層16、57の表面と面一に形成された構成とされている。
【0030】
図6のホルダー51では支持部材54が4本、図7のホルダー61では支持部材54が6本設けられているが、図3から図5の実施形態と同様、その本数は、ホルダー51、61としての平面性を保持できるだけの強度があればよく、複数本の支持部材があれば十分であってその本数は特に制限されるものではない。また、その材料も、本数が少ない場合には金属のような剛性のあるものがよいが、本数が多い場合には、ポリプロピレンやポリスチレンのような安価なプラスチックでも可能である。基材プレートと一体に成形してもよいし、別材料で形成して基材プレートに固着してもよい。
このようにホルダーをその強度が保てる範囲であればフレーム状に形成してもよく、このような構成とすると、ホルダーのコスト削減にもなる。
【実施例】
【0031】
次に、本発明の光ディスクをBD−ROMに適用した例を挙げて説明する。
フィルムディスク2のフィルム基材11として厚さ90μmのポリカーボネートを使用し、その表面に500cpsのアクリル系紫外線硬化樹脂を約10μm厚さで塗工する。
フィルム基材11の種類は、樹脂と密着性がよく、複屈折が小さく、紫外線を透過するような材料がよく、例えばアクリル(PMMA)、トリアセチルセルロース(TAC)等が適当である。
【0032】
また紫外線硬化樹脂の種類は、ラジカル重合反応する樹脂で、分子中にアクリロイル基を有するアクリル樹脂であり、エポキシアクリレート系,ウレタンアクリレート系,ポリエステルアクリレート系,ポリオールアクリレート系のオリゴマー、ポリマーと単官能・2官能・あるいは多官能重合性(メタ)アクリル系モノマー、例えばテトラヒドロフルフリルアクリレート,2ーヒドロキシエチルアクリレート,2ーヒドロキシー3ーフェノキシプロピルアクリレート,ポリエチレングリコールジアクリレート,ポリプロピレングリコールジアクリレート,トリメチロールプロパントリアクリレート,ペンタエリトリトールトリアクリレート,ペンタエリトリトールテトラアクリレートなどのモノマー、オリゴマー、ポリマーなどの混合物が使用できる。またその厚さは5〜50μm、粘度は300〜5000cps程度が好ましい。
【0033】
次に、シリンダーに巻かれたスタンパー(ともに図示略)を用いて、前記紫外線硬化樹脂層と、シリンダーのスタンパー表面を圧着させ、平面部で紫外線照射し硬化させ、剥離ロールで抱かせながら剥離することで、フィルム基材11の片面にピットが転写された情報記録層12が形成される。尚、駆動ロールは冷却効果をもたせるため、冷却水を通す構造とするのが良い。
【0034】
次に粘着加工を施した厚さ30μmの平滑なニッケル箔を、反射層13として情報記録層12に貼り合せる。反射層用箔としては、記録・再生用レーザー波長に対し適当な反射率を有する材料であればよいが、表面の平滑性(Ra)は3nm以下が必要で、1nm以下が好ましい。
この場合、一般的な光ディスクと同様に、ピット上にスパッタや蒸着等で反射膜を形成し、ピットの有無による光路長差を利用した反射光の打ち消し効果で信号を読み取る方式とするか、ニッケル箔を情報記録層の上に貼り合せることでできるピット状の空間部分と、樹脂部分との屈折率の差により発生する光学的光路長差で信号を読み取る方式のいずれをも採用することができる。後者の場合、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気中で作業を行うことで、ピット内に不活性ガスが充填され、より信頼性の高いディスクを作製することができる。尚、BDに適用する場合、レーザー波長405mm,樹脂屈折率約1.5、空気屈折率約1.0を考慮すれば、ピット深さは50〜150nmが好ましい。
【0035】
更に保護層14として厚さ50μmのポリカーボネートフィルムを貼り合せ、ディスク全体の厚さを180μmとし、外径119mm、内径30mmに打抜き、フィルムディスク2とした。BDに適用する場合、外径118〜120mm、内径20〜40mmが好ましい。
【0036】
一方、ホルダー3は、外形120mm、センターホール径15mmのポリカーボネイト又はポリエチレンテレフタレート、アクリル樹脂、紙等からなる基材プレート15のクランプエリアとリムエリアに、アクリル系のエマルジョンから成る粘着剤を塗布して接着層16、17として、全体の厚さ1.02mmとし、フィルムディスク2を装着することで、BDの規格値を満足する寸法となり、一般的なBDドライブでの記録・再生が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態における光ディスクの半断面斜視図である。
【図2】図1のフィルムディスクの平面図である。
【図3】図1のホルダーの平面図である。
【図4】図3のホルダーの半断面斜視図である。
【図5】本発明の他の実施形態におけるホルダーを示す平面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態におけるホルダーを示す平面図である。
【図7】図6のさらに変形した他の実施形態におけるホルダーを示す平面図である。
【符号の説明】
【0038】
1…光ディスク 2・…フィルムディスク 3・…ホルダー 4・…センターホール 5…クランプエリア 6…情報記録領域 7…リムエリア 11…フィルム基材 12…情報記録層 13…反射層 14…保護層 15…基材プレート 15a…リング状部 16…接着層(固定手段) 17…接着層(固定手段) 31…ホルダー 32…支持部材 33…空洞部 41…ホルダー 51…ホルダー 61…ホルダー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報記録層を有する可撓性フィルムディスクと、該フィルムディスクが重ねられる板状のホルダーとを備え、これらフィルムディスクとホルダーとを前記情報記録層における情報記録領域以外のクランプエリア又はリムエリアのいずれかの位置で剥離可能に貼り合わせる固定手段が設けられていることを特徴とする光ディスク。
【請求項2】
前記固定手段は、ホルダーの表面に形成された接着層によって構成されていることを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
【請求項3】
前記固定手段は、フィルムディスクに形成された磁性体層と、ホルダーに形成された永久磁石とを備えることを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
【請求項4】
前記ホルダーは、前記情報記録領域がフィルムディスクを非接触状態とする空洞部とされていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光ディスク。
【請求項5】
前記ホルダーには、前記クランプエリアとリムエリアとの間を連結する複数の支持部材が形成され、前記空洞部はこれら支持部材の間に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光ディスク。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−310998(P2007−310998A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−141547(P2006−141547)
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】