光ドロップケーブル用安全分離具
【課題】 光ドロップケーブルから支持線を分離させるときシース等が傷つくのを防ぐことができ、作業を容易に行うことができる光ドロップケーブル用安全分離具を提供する。
【解決手段】 支持線に並列に光ドロップ線を接合してなる光ドロップケーブルを支持線と光ドロップ線に分離する光ドロップケーブル用分離具において、光ドロップケーブルを囲繞して光ドロップケーブルの軸方向に移動自在に、かつ、着脱自在に取り付けられるガイド部材3と、ガイド部材3内に設けられ支持線と光ドロップ線との接合部に挿入されてガイド部材3の移動に追従して支持線と光ドロップ線とを分離するカッタ部材19とを備えたものである。
【解決手段】 支持線に並列に光ドロップ線を接合してなる光ドロップケーブルを支持線と光ドロップ線に分離する光ドロップケーブル用分離具において、光ドロップケーブルを囲繞して光ドロップケーブルの軸方向に移動自在に、かつ、着脱自在に取り付けられるガイド部材3と、ガイド部材3内に設けられ支持線と光ドロップ線との接合部に挿入されてガイド部材3の移動に追従して支持線と光ドロップ線とを分離するカッタ部材19とを備えたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ドロップケーブルから支持線を分離させる光ドロップケーブル用分離具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図12に示すように、電柱40間に架空された光ファイバケーブル41から加入者宅42に光ファイバを引き入れる場合、光ファイバケーブル41に接続された光ドロップケーブル2を電柱40と加入者宅42との間に張設して加入者宅42内に引き入れている。光ドロップケーブル2は、支持線(図示せず)に並列に光ドロップ線(図示せず)を接合してなるものである。
【0003】
加入者宅42内に光ドロップケーブル2を引き入れるとき、光ドロップケーブル2から支持線を分離させ、光ドロップ線のみを引き入れる配線方法と、支持線ごと光ドロップケーブル2を引き入れる配線方法とがある。図13に示すように、加入者宅42内に光ドロップケーブル2を支持線ごと引き入れる場合、光ドロップケーブル2をモール43内等に収容する前に光ドロップケーブル2から支持線を分離させる。これは、モール43内に光ドロップケーブル2を支持線ごと収容できなかったり、光ドロップケーブル2を屈曲させるときに支持線が邪魔となるためである。
【0004】
また、光ドロップケーブル2を加入者宅42内のONU(Optical Network Unit)等に接続する際にも光ドロップケーブル2から支持線を分離させる。
【0005】
光ドロップケーブル2から支持線を分離させる作業は、特許文献1や特許文献2記載のように切断刃を有する工具(光ドロップケーブル用分離具)を用い、支持線と光ドロップ線との間に形成された接合部(図示せず)を切断することで行っている。
【0006】
【特許文献1】実公昭61−38525号公報
【特許文献2】実開平4−68413号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、接合部は光ドロップ線のシース(図示せず)と一体に形成されるものであるため、切断刃で切断するとき、力の入れ具合等を誤ると切断刃が接合部から外れてシース等を傷つける虞があるという課題があった。特に、未使用の光ドロップケーブル2は、巻き束に巻かれており、巻き束から繰り出したばかりの光ドロップケーブル2は捻れている場合が多いため、工具で接合部を切断するとき、予め光ドロップケーブル2の捻れを直しておくか、或いは捻れた位置に至る度に接合部から切断刃を外して工具を持ち替えなくてはならず、煩雑であるという課題があった。なお、一般に光ファイバは曲げに弱いため、接合部を手で引き裂くようなことは行わない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、光ドロップケーブルから支持線を分離させるときシース等が傷つくのを防ぐことができ、作業を容易に行うことができる光ドロップケーブル用安全分離具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、支持線に並列に光ドロップ線を接合してなる光ドロップケーブルを支持線と光ドロップ線に分離する光ドロップケーブル用分離具において、上記光ドロップケーブルを囲繞してその光ドロップケーブルの軸方向に移動自在に、かつ、着脱自在に取り付けられるガイド部材と、該ガイド部材内に設けられ上記支持線と光ドロップ線との接合部に挿入されて上記ガイド部材の移動に追従して上記支持線と上記光ドロップ線とを分離するカッタ部材とを備えたものである。
【0010】
上記カッタ部材は、索又は棒状部材からなるとよい。
【0011】
上記ガイド部材は、一部又は全部が透明に形成されるとよい。
【0012】
上記ガイド部材は、そのガイド部材を支持する握り部に設けられるとよい。
【0013】
また、上記ガイド部材に、軸方向と交差する方向に貫通する貫通口を形成し、その貫通口を通して索がガイド部材内を横断するように張設され、上記握り部に、ガイド部材の両側から延びる索を巻回するリール部が設けられるとよい。
【0014】
上記ガイド部材は、二つ割りに開閉自在に形成されるとよい。
【0015】
また、上記ガイド部材は、可撓性を有する薄板を筒状に巻いて形成されてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、光ドロップケーブルから支持線を分離させるときシース等が傷つくのを防ぐことができ、作業を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は本発明の好適実施の形態を示す光ドロップケーブル用安全分離具の斜視図であり、図2は光ドロップケーブル用安全分離具の側断面図であり、図3は光ドロップケーブル用安全分離具の正面図であり、図4は光ドロップケーブル用安全分離具の平面断面図である。
【0018】
図1、図2及び図3に示すように、光ドロップケーブル用安全分離具1は、光ドロップケーブル2を囲繞して光ドロップケーブル2の軸方向に移動自在に、かつ、着脱自在に取り付けられるガイド部材3と、ガイド部材3内に設けられ支持線14と光ドロップ線15との接合部5に挿入されてガイド部材3の移動に追従して支持線14と光ドロップ線15とを分離するカッタ部材19とを備えて構成されている。
【0019】
カッタ部材19は、索4からなる。索4は、接合部5を切断するためのものであり、光ファイバケーブル(図示せず)に設けられそのシースを剥くときにシースを切り裂くための切り裂き紐からなる。切り裂き紐は、強靱な樹脂製の紐からなり、主に光ファイバケーブル(図示せず)を接続する際に用いられる。切り裂き紐は、シースを切り裂いたのちは通常廃棄される。すなわち、切り裂き紐は、光ドロップケーブル2を張設する現場では極めて容易に入手できる廃材であり、かつ、シースを切り裂くのに必要な耐久性や細さなどを備えている。
【0020】
ガイド部材3は、樹脂にて断面円形の筒状に形成されており、全体を透明に形成されている。これにより、後述する索4に光ドロップケーブル2の接合部5を容易に位置合わせできるようになっている。また、ガイド部材3には、径方向に貫通する貫通口6が形成されており、この貫通口6を通して後述する索4がガイド部材3内を横断するように張設されている。貫通口6は、ガイド部材3の軸方向の略中央に径方向に貫通する孔を形成してなるものである。ガイド部材3は、そのガイド部材3を支持する握り部7に設けられている。
【0021】
図1及び図4に示すように、握り部7は、樹脂からなり、手の平に収まる矩形板状に形成されている。そして、握り部7は全体を透明に形成されており、握り部7越しにガイド部材3内を透視できるようになっている。また、握り部7には、ガイド部材3の両側から延びる索4を巻回するためのリール部8と、索4を留めるためのピン9、10とが設けられている。リール部8は、握り部7の対向する辺にそれぞれ索4を掛けるための溝11を形成してなり、これら溝11間に索4を掛け回すことで索4を巻回するようになっている。ピン9、10は、握り部7に形成された孔(図示せず)に挿抜自在に挿入されて握り部7に固定される挿入ピン部12と、挿入ピン部12の一端に形成された頭部13とからなり、挿入ピン部12に索4を巻回し、頭部13と握り部7との間に索4を挟むことで索4を留めるように構成されている。具体的には、ピン9、10は、索4の端部を留めるための端部用ピン9と、ガイド部材3から延びる索4を端部用ピン9に案内するためのガイド用ピン10とからなる。
【0022】
索4は、リール部8に巻回されると共に一端を端部用ピン9に留められており、リール部8から延びる他端側をガイド部材3の貫通口6に挿通されている。そして、貫通口6から延びる索4の他端側は、ガイド用ピン10に掛け回されたのち端部用ピン9に留められている。
【0023】
次に本実施の形態の作用を述べる。
【0024】
光ドロップケーブル用安全分離具1で光ドロップケーブル2の端部から支持線14を分離させる場合、まず、光ドロップケーブル2先端の接合部5をガイド部材3の半分程度の長さ手で引き裂く。この後、図2に示すように、光ドロップケーブル2の先端をガイド部材3内に一端側から挿入し、ガイド部材3内に張られた索4に引き裂いた接合部5の位置を合わせる。すなわち、引き裂かれた支持線14と光ドロップ線15との間に索4を入れ、索4が接合部5に当たる位置まで光ドロップケーブル2を挿入する。これにより、光ドロップケーブル2の先端はガイド部材3の他端側から露出されるので、光ドロップケーブル2の先端を一方の手で支持し、他方の手で光ドロップケーブル用安全分離具1の握り部7をガイド部材3と共に握り、光ドロップケーブル用安全分離具1を光ドロップケーブル2に沿って引く。接合部5はガイド部材3内に張られた索4によって切り裂かれることとなる。このとき、索4の力は支持線14や光ドロップ線15よりも細い接合部5に集中するため、比較的小さな力で容易に接合部5を切り裂くことができる。また、刃を用いないため、シース16やシース16内の光ファイバ17等を傷つける心配もない。なお、光ドロップ線15の最初に手で引き裂いた部分は通信機器(図示せず)等に接続する前に切除し、利用しないようにする。
【0025】
また、光ドロップケーブル2が捻れている位置に至ると、接合部5が螺旋状となり、光ドロップケーブル用安全分離具1を引けなくなるが、光ドロップケーブル用安全分離具1を一旦手放すことで光ドロップケーブル用安全分離具1を光ドロップケーブル2の捻れに合わせて回転させることができ、光ドロップケーブル用安全分離具1を再び光ドロップケーブル2に沿って引くことができる。すなわち、光ドロップケーブル2に光ドロップケーブル用安全分離具1を取り付けたまま、光ドロップケーブル2の接合部5を捻れた状態のままで切り裂くことができる。
【0026】
このようにして接合部5を所定の長さ切断できたら、光ドロップケーブル用安全分離具1を光ドロップケーブル2に沿って戻し、光ドロップケーブル2から外す。
【0027】
索4が摩耗するなどして切断されたら、ガイド用ピン10に掛けられた側の索4を取り除き、リール部8から索4の他端側を繰り出し、取り除いた索4と同様の経路上に掛け回す。これにより、極めて容易に修理することができ、ほとんど作業効率を落とすことはない。
【0028】
索4の長さが足りなくなったら、索4をリール部8から取り外し、新たな索4をリール部8に巻くと共にその一端を端部用ピン9に留め、他端側を上述と同様にガイド部材3の貫通口6、ガイド用ピン10を経て端部用ピン9に留めるとよい。索4は、光ファイバケーブルのシースを切り裂くときゴミとして発生するため、現場で容易に入手できる。
【0029】
このように、光ドロップケーブル2を囲繞して光ドロップケーブル2の軸方向に移動自在に、かつ、着脱自在に取り付けられるガイド部材3と、ガイド部材3内に設けられ支持線14と光ドロップ線15との接合部5に挿入されてガイド部材3の移動に追従して支持線14と光ドロップ線15とを分離するカッタ部材19とを備えて光ドロップケーブル用安全分離具1を構成したため、光ドロップケーブル2から支持線14を分離させるときシース16等が傷つくのを防ぐことができ、光ドロップケーブル2の捻れを直したり、光ドロップケーブル用安全分離具1を一旦接合部5から外したりしなくてもよく、接合部5を容易に切断できる。また、構造が簡単であるため安価に製作できる。そして、特に光ドロップケーブル2から支持線14を長い距離(数メートル以上)に渡って分離させるとき、作業性と作業効率を飛躍的に向上できる。
【0030】
また、カッタ部材19は、索4からなるものとしたため、シース16等が傷つくのを確実に防ぐことができる。
【0031】
ガイド部材3を透明に形成したため、光ドロップケーブル2とカッタ部材19を目視しながら光ドロップケーブル2に光ドロップケーブル用安全分離具1を容易にセットすることができる。
【0032】
また、ガイド部材3は、そのガイド部材3を支持する握り部7に設けられるものとしたため、握り部7と共に握ることで容易に力を入れることができ、容易に光ドロップケーブル用安全分離具1を光ドロップケーブル2に沿って移動させることができる。
【0033】
ガイド部材3に、径方向に貫通する貫通口6を形成し、その貫通口6を通して索4が筒内を横断するように張設され、握り部7に、ガイド部材3の両側から延びる索4を巻回するリール部8が設けられるものとしたため、索4を繰出可能にでき、索4が摩耗するなどして切れたときに索4を繰り出して容易に復旧することができる。
【0034】
なお、ガイド部材3と握り部7は全体的に透明に形成するものとしたが、一部が透明であってもよい。
【0035】
カッタ部材19は索4からなるものとしたが、棒状の部材(図示せず)からなるものとしてもよい。
【0036】
また、索4は、光ファイバケーブルの切り裂き紐からなるものとしたが、これに限るものではなく、針金(図示せず)やワイヤ(図示せず)であってもよく、他の紐であってもよい。但し、切り裂き紐は作業現場で容易に入手でき、リサイクルにもつながるため、利用することが好ましい。
【0037】
貫通口6は、ガイド部材3の軸方向の略中央に形成するものとしたがこれに限るものではない。貫通口6はガイド部材3のいずれの位置に形成してもよく、図5に示すように、ガイド部材18に軸方向に複数離間して形成してもよい。この場合、図示するようにいずれか一つの貫通口6に索4を通して張設すると、取り扱う光ドロップケーブル2のサイズ等に応じて索4の位置を選択することができる。また、図6に示すように複数の貫通口6にそれぞれ別々の索4を張設してもよい。これによれば、いずれかの索4が切断されても他の索4で作業を続けることができ、作業性を向上できる。
【0038】
また、ガイド部材3に径方向に貫通する孔を形成して貫通口6を形成するものとしたが、図7に示すように貫通口20は、ガイド部材21の一側に溝22を形成してなるものとしてもよい。このとき、ガイド部材21の一端側から他端側に傾斜して延びるように溝22を形成し、ガイド部材21に光ドロップケーブル2を一端側から挿入するようにすると、索4を安定させることができる。また、溝22は、軸に対して垂直に形成してもよい。
【0039】
次にガイド部材に変更を加えた他の実施の形態について述べる。上述と同様の構成については説明を省き、同符号を付す。
【0040】
図8に示すように、光ドロップケーブル用安全分離具31のガイド部材25は二つ割りに開閉自在に形成されており、ガイド部材25内を開閉自在に開放できるようになっている。具体的には、ガイド部材25は、握り部7に一体に設けられる固定部26と、固定部26にひんじ27を介して回動自在に設けられる蓋部28とからなる。蓋部28の自由端側には、蓋部28を閉じた状態に保持するための留め具29が設けられている。留め具29は、固定部26に係脱自在に係止される掛け爪30からなり、力を受けることで変形し、固定部26から離脱されるようになっている。
【0041】
このように、ガイド部材25を二つ割りに開閉自在に形成すると、光ドロップケーブル用安全分離具31で光ドロップケーブル2から支持線14を所定長さ分離させたのち、ガイド部材25を開き、索4を切断、或いはガイド部材25から外すことで光ドロップケーブル用安全分離具31を光ドロップケーブル2から容易に外すことができる。特に接合部5の切断長さが長いとき、切断した長さだけ光ドロップケーブル用安全分離具31を光ドロップケーブル2に沿って戻さなくてもよいため、作業性を向上できる。また、蓋部28を開けることで光ドロップケーブル2の接合部5に索4を容易に位置合わせすることができ、作業性を向上できる。そして、蓋部28を開けることでガイド部材25内の索4を直接目視しながら作業できるため、ガイド部材25を必ずしも透明に形成する必要はなく、樹脂よりも強度の高い金属等で形成してもよい。
【0042】
また、支持線14を光ドロップケーブル2の中間位置で分離させる場合、接合部5に適当な工具で孔を空けたのち、この孔に索4を通し、蓋部28を開けたガイド部材25内に光ドロップケーブル2を収容しつつ索4の両端側をそれぞれ貫通口6に通し、上述と同様の要領でガイド部材3とリール部8に索4を取り付け、光ドロップケーブル用安全分離具31を索4に沿って移動させるとよい。光ドロップケーブル2の中間で支持線14を容易に分離させることができる。
【0043】
図9に示すようにガイド部材32を断面矩形状に形成し、一面を開閉自在な蓋部33としてもよい。製作が容易であり、安価にできる。
【0044】
また、ガイド部材3は断面円形の筒状に形成するものとしたが、これに限るものではない。ガイド部材3は、光ドロップケーブル2に対して軸方向に移動自在に光ドロップケーブル2を囲繞するものであればよく、断面矩形状の筒状であってもよく、他の形状であってもよい。
【0045】
またさらに、図10に示すように、ガイド部材35は光ドロップケーブル2を微小な間隔を隔てて囲繞するものとしてもよい。これによれば、カッタ部材19と接続部(図示せず)との位置合わせを容易にでき、カッタ部材19を常に接続部に追従させることができる。ただし、ガイド部材35と光ドロップケーブル2との摩擦が大きくなることが考えられるため、作業中に光ドロップケーブル2に対して傾かない程度にガイド部材35の軸方向の長さを短く形成するとよい。また、光ドロップケーブル2には種々のサイズ(径)があるため、サイズごとに用意するとよい。
【0046】
なお、光ドロップケーブル用安全分離具31のガイド部材25は二つ割りに開閉自在に形成するものとしたが、図11に示すように、可撓性を有する薄板を筒状に巻いて筒状体50を形成すると共に、この筒状体50に径方向に貫通する貫通口6を形成してガイド部材51を構成してもよい。開閉自在なガイド部材51にあって蓋を省くことができる。
【0047】
光ドロップケーブル2から支持線14を分離するときには径方向に開放する隙間がないため、ガイド部材51が光ドロップケーブル2から外れることはなく、分離終了後には薄板同士が重なるラップ部分52に光ドロップケーブル2を案内してラップ部分52を押し広げることで光ドロップケーブル用安全分離具53を光ドロップケーブル2から容易に外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の好適実施の形態を示す光ドロップケーブル用安全分離具の斜視図である。
【図2】光ドロップケーブル用安全分離具の側断面図である。
【図3】光ドロップケーブル用安全分離具の正面図である。
【図4】光ドロップケーブル用安全分離具の平面断面図である。
【図5】他の実施の形態を示す光ドロップケーブル用安全分離具の斜視図である。
【図6】他の実施の形態を示す光ドロップケーブル用安全分離具の斜視図である。
【図7】他の実施の形態を示す光ドロップケーブル用安全分離具の側面図である。
【図8】他の実施の形態を示す光ドロップケーブル用安全分離具の正面図である。
【図9】他の実施の形態を示す光ドロップケーブル用安全分離具の正面図である。
【図10】他の実施の形態を示す光ドロップケーブル用安全分離具の正面図である。
【図11】他の実施の形態を示す光ドロップケーブル用安全分離具の斜視図である。
【図12】光ドロップケーブルを電柱と加入者宅との間に張設した状態を示す概略説明図である。
【図13】光ドロップケーブルを加入者宅内に引き入れた状態を示す概略説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1 光ドロップケーブル用安全分離具
2 光ドロップケーブル
3 ガイド部材
4 索
6 貫通口
7 握り部
8 リール部
14 支持線
15 光ドロップ線
19 カッタ部材
25 ガイド部材
31 光ドロップケーブル用安全分離具
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ドロップケーブルから支持線を分離させる光ドロップケーブル用分離具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図12に示すように、電柱40間に架空された光ファイバケーブル41から加入者宅42に光ファイバを引き入れる場合、光ファイバケーブル41に接続された光ドロップケーブル2を電柱40と加入者宅42との間に張設して加入者宅42内に引き入れている。光ドロップケーブル2は、支持線(図示せず)に並列に光ドロップ線(図示せず)を接合してなるものである。
【0003】
加入者宅42内に光ドロップケーブル2を引き入れるとき、光ドロップケーブル2から支持線を分離させ、光ドロップ線のみを引き入れる配線方法と、支持線ごと光ドロップケーブル2を引き入れる配線方法とがある。図13に示すように、加入者宅42内に光ドロップケーブル2を支持線ごと引き入れる場合、光ドロップケーブル2をモール43内等に収容する前に光ドロップケーブル2から支持線を分離させる。これは、モール43内に光ドロップケーブル2を支持線ごと収容できなかったり、光ドロップケーブル2を屈曲させるときに支持線が邪魔となるためである。
【0004】
また、光ドロップケーブル2を加入者宅42内のONU(Optical Network Unit)等に接続する際にも光ドロップケーブル2から支持線を分離させる。
【0005】
光ドロップケーブル2から支持線を分離させる作業は、特許文献1や特許文献2記載のように切断刃を有する工具(光ドロップケーブル用分離具)を用い、支持線と光ドロップ線との間に形成された接合部(図示せず)を切断することで行っている。
【0006】
【特許文献1】実公昭61−38525号公報
【特許文献2】実開平4−68413号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、接合部は光ドロップ線のシース(図示せず)と一体に形成されるものであるため、切断刃で切断するとき、力の入れ具合等を誤ると切断刃が接合部から外れてシース等を傷つける虞があるという課題があった。特に、未使用の光ドロップケーブル2は、巻き束に巻かれており、巻き束から繰り出したばかりの光ドロップケーブル2は捻れている場合が多いため、工具で接合部を切断するとき、予め光ドロップケーブル2の捻れを直しておくか、或いは捻れた位置に至る度に接合部から切断刃を外して工具を持ち替えなくてはならず、煩雑であるという課題があった。なお、一般に光ファイバは曲げに弱いため、接合部を手で引き裂くようなことは行わない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、光ドロップケーブルから支持線を分離させるときシース等が傷つくのを防ぐことができ、作業を容易に行うことができる光ドロップケーブル用安全分離具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明は、支持線に並列に光ドロップ線を接合してなる光ドロップケーブルを支持線と光ドロップ線に分離する光ドロップケーブル用分離具において、上記光ドロップケーブルを囲繞してその光ドロップケーブルの軸方向に移動自在に、かつ、着脱自在に取り付けられるガイド部材と、該ガイド部材内に設けられ上記支持線と光ドロップ線との接合部に挿入されて上記ガイド部材の移動に追従して上記支持線と上記光ドロップ線とを分離するカッタ部材とを備えたものである。
【0010】
上記カッタ部材は、索又は棒状部材からなるとよい。
【0011】
上記ガイド部材は、一部又は全部が透明に形成されるとよい。
【0012】
上記ガイド部材は、そのガイド部材を支持する握り部に設けられるとよい。
【0013】
また、上記ガイド部材に、軸方向と交差する方向に貫通する貫通口を形成し、その貫通口を通して索がガイド部材内を横断するように張設され、上記握り部に、ガイド部材の両側から延びる索を巻回するリール部が設けられるとよい。
【0014】
上記ガイド部材は、二つ割りに開閉自在に形成されるとよい。
【0015】
また、上記ガイド部材は、可撓性を有する薄板を筒状に巻いて形成されてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、光ドロップケーブルから支持線を分離させるときシース等が傷つくのを防ぐことができ、作業を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は本発明の好適実施の形態を示す光ドロップケーブル用安全分離具の斜視図であり、図2は光ドロップケーブル用安全分離具の側断面図であり、図3は光ドロップケーブル用安全分離具の正面図であり、図4は光ドロップケーブル用安全分離具の平面断面図である。
【0018】
図1、図2及び図3に示すように、光ドロップケーブル用安全分離具1は、光ドロップケーブル2を囲繞して光ドロップケーブル2の軸方向に移動自在に、かつ、着脱自在に取り付けられるガイド部材3と、ガイド部材3内に設けられ支持線14と光ドロップ線15との接合部5に挿入されてガイド部材3の移動に追従して支持線14と光ドロップ線15とを分離するカッタ部材19とを備えて構成されている。
【0019】
カッタ部材19は、索4からなる。索4は、接合部5を切断するためのものであり、光ファイバケーブル(図示せず)に設けられそのシースを剥くときにシースを切り裂くための切り裂き紐からなる。切り裂き紐は、強靱な樹脂製の紐からなり、主に光ファイバケーブル(図示せず)を接続する際に用いられる。切り裂き紐は、シースを切り裂いたのちは通常廃棄される。すなわち、切り裂き紐は、光ドロップケーブル2を張設する現場では極めて容易に入手できる廃材であり、かつ、シースを切り裂くのに必要な耐久性や細さなどを備えている。
【0020】
ガイド部材3は、樹脂にて断面円形の筒状に形成されており、全体を透明に形成されている。これにより、後述する索4に光ドロップケーブル2の接合部5を容易に位置合わせできるようになっている。また、ガイド部材3には、径方向に貫通する貫通口6が形成されており、この貫通口6を通して後述する索4がガイド部材3内を横断するように張設されている。貫通口6は、ガイド部材3の軸方向の略中央に径方向に貫通する孔を形成してなるものである。ガイド部材3は、そのガイド部材3を支持する握り部7に設けられている。
【0021】
図1及び図4に示すように、握り部7は、樹脂からなり、手の平に収まる矩形板状に形成されている。そして、握り部7は全体を透明に形成されており、握り部7越しにガイド部材3内を透視できるようになっている。また、握り部7には、ガイド部材3の両側から延びる索4を巻回するためのリール部8と、索4を留めるためのピン9、10とが設けられている。リール部8は、握り部7の対向する辺にそれぞれ索4を掛けるための溝11を形成してなり、これら溝11間に索4を掛け回すことで索4を巻回するようになっている。ピン9、10は、握り部7に形成された孔(図示せず)に挿抜自在に挿入されて握り部7に固定される挿入ピン部12と、挿入ピン部12の一端に形成された頭部13とからなり、挿入ピン部12に索4を巻回し、頭部13と握り部7との間に索4を挟むことで索4を留めるように構成されている。具体的には、ピン9、10は、索4の端部を留めるための端部用ピン9と、ガイド部材3から延びる索4を端部用ピン9に案内するためのガイド用ピン10とからなる。
【0022】
索4は、リール部8に巻回されると共に一端を端部用ピン9に留められており、リール部8から延びる他端側をガイド部材3の貫通口6に挿通されている。そして、貫通口6から延びる索4の他端側は、ガイド用ピン10に掛け回されたのち端部用ピン9に留められている。
【0023】
次に本実施の形態の作用を述べる。
【0024】
光ドロップケーブル用安全分離具1で光ドロップケーブル2の端部から支持線14を分離させる場合、まず、光ドロップケーブル2先端の接合部5をガイド部材3の半分程度の長さ手で引き裂く。この後、図2に示すように、光ドロップケーブル2の先端をガイド部材3内に一端側から挿入し、ガイド部材3内に張られた索4に引き裂いた接合部5の位置を合わせる。すなわち、引き裂かれた支持線14と光ドロップ線15との間に索4を入れ、索4が接合部5に当たる位置まで光ドロップケーブル2を挿入する。これにより、光ドロップケーブル2の先端はガイド部材3の他端側から露出されるので、光ドロップケーブル2の先端を一方の手で支持し、他方の手で光ドロップケーブル用安全分離具1の握り部7をガイド部材3と共に握り、光ドロップケーブル用安全分離具1を光ドロップケーブル2に沿って引く。接合部5はガイド部材3内に張られた索4によって切り裂かれることとなる。このとき、索4の力は支持線14や光ドロップ線15よりも細い接合部5に集中するため、比較的小さな力で容易に接合部5を切り裂くことができる。また、刃を用いないため、シース16やシース16内の光ファイバ17等を傷つける心配もない。なお、光ドロップ線15の最初に手で引き裂いた部分は通信機器(図示せず)等に接続する前に切除し、利用しないようにする。
【0025】
また、光ドロップケーブル2が捻れている位置に至ると、接合部5が螺旋状となり、光ドロップケーブル用安全分離具1を引けなくなるが、光ドロップケーブル用安全分離具1を一旦手放すことで光ドロップケーブル用安全分離具1を光ドロップケーブル2の捻れに合わせて回転させることができ、光ドロップケーブル用安全分離具1を再び光ドロップケーブル2に沿って引くことができる。すなわち、光ドロップケーブル2に光ドロップケーブル用安全分離具1を取り付けたまま、光ドロップケーブル2の接合部5を捻れた状態のままで切り裂くことができる。
【0026】
このようにして接合部5を所定の長さ切断できたら、光ドロップケーブル用安全分離具1を光ドロップケーブル2に沿って戻し、光ドロップケーブル2から外す。
【0027】
索4が摩耗するなどして切断されたら、ガイド用ピン10に掛けられた側の索4を取り除き、リール部8から索4の他端側を繰り出し、取り除いた索4と同様の経路上に掛け回す。これにより、極めて容易に修理することができ、ほとんど作業効率を落とすことはない。
【0028】
索4の長さが足りなくなったら、索4をリール部8から取り外し、新たな索4をリール部8に巻くと共にその一端を端部用ピン9に留め、他端側を上述と同様にガイド部材3の貫通口6、ガイド用ピン10を経て端部用ピン9に留めるとよい。索4は、光ファイバケーブルのシースを切り裂くときゴミとして発生するため、現場で容易に入手できる。
【0029】
このように、光ドロップケーブル2を囲繞して光ドロップケーブル2の軸方向に移動自在に、かつ、着脱自在に取り付けられるガイド部材3と、ガイド部材3内に設けられ支持線14と光ドロップ線15との接合部5に挿入されてガイド部材3の移動に追従して支持線14と光ドロップ線15とを分離するカッタ部材19とを備えて光ドロップケーブル用安全分離具1を構成したため、光ドロップケーブル2から支持線14を分離させるときシース16等が傷つくのを防ぐことができ、光ドロップケーブル2の捻れを直したり、光ドロップケーブル用安全分離具1を一旦接合部5から外したりしなくてもよく、接合部5を容易に切断できる。また、構造が簡単であるため安価に製作できる。そして、特に光ドロップケーブル2から支持線14を長い距離(数メートル以上)に渡って分離させるとき、作業性と作業効率を飛躍的に向上できる。
【0030】
また、カッタ部材19は、索4からなるものとしたため、シース16等が傷つくのを確実に防ぐことができる。
【0031】
ガイド部材3を透明に形成したため、光ドロップケーブル2とカッタ部材19を目視しながら光ドロップケーブル2に光ドロップケーブル用安全分離具1を容易にセットすることができる。
【0032】
また、ガイド部材3は、そのガイド部材3を支持する握り部7に設けられるものとしたため、握り部7と共に握ることで容易に力を入れることができ、容易に光ドロップケーブル用安全分離具1を光ドロップケーブル2に沿って移動させることができる。
【0033】
ガイド部材3に、径方向に貫通する貫通口6を形成し、その貫通口6を通して索4が筒内を横断するように張設され、握り部7に、ガイド部材3の両側から延びる索4を巻回するリール部8が設けられるものとしたため、索4を繰出可能にでき、索4が摩耗するなどして切れたときに索4を繰り出して容易に復旧することができる。
【0034】
なお、ガイド部材3と握り部7は全体的に透明に形成するものとしたが、一部が透明であってもよい。
【0035】
カッタ部材19は索4からなるものとしたが、棒状の部材(図示せず)からなるものとしてもよい。
【0036】
また、索4は、光ファイバケーブルの切り裂き紐からなるものとしたが、これに限るものではなく、針金(図示せず)やワイヤ(図示せず)であってもよく、他の紐であってもよい。但し、切り裂き紐は作業現場で容易に入手でき、リサイクルにもつながるため、利用することが好ましい。
【0037】
貫通口6は、ガイド部材3の軸方向の略中央に形成するものとしたがこれに限るものではない。貫通口6はガイド部材3のいずれの位置に形成してもよく、図5に示すように、ガイド部材18に軸方向に複数離間して形成してもよい。この場合、図示するようにいずれか一つの貫通口6に索4を通して張設すると、取り扱う光ドロップケーブル2のサイズ等に応じて索4の位置を選択することができる。また、図6に示すように複数の貫通口6にそれぞれ別々の索4を張設してもよい。これによれば、いずれかの索4が切断されても他の索4で作業を続けることができ、作業性を向上できる。
【0038】
また、ガイド部材3に径方向に貫通する孔を形成して貫通口6を形成するものとしたが、図7に示すように貫通口20は、ガイド部材21の一側に溝22を形成してなるものとしてもよい。このとき、ガイド部材21の一端側から他端側に傾斜して延びるように溝22を形成し、ガイド部材21に光ドロップケーブル2を一端側から挿入するようにすると、索4を安定させることができる。また、溝22は、軸に対して垂直に形成してもよい。
【0039】
次にガイド部材に変更を加えた他の実施の形態について述べる。上述と同様の構成については説明を省き、同符号を付す。
【0040】
図8に示すように、光ドロップケーブル用安全分離具31のガイド部材25は二つ割りに開閉自在に形成されており、ガイド部材25内を開閉自在に開放できるようになっている。具体的には、ガイド部材25は、握り部7に一体に設けられる固定部26と、固定部26にひんじ27を介して回動自在に設けられる蓋部28とからなる。蓋部28の自由端側には、蓋部28を閉じた状態に保持するための留め具29が設けられている。留め具29は、固定部26に係脱自在に係止される掛け爪30からなり、力を受けることで変形し、固定部26から離脱されるようになっている。
【0041】
このように、ガイド部材25を二つ割りに開閉自在に形成すると、光ドロップケーブル用安全分離具31で光ドロップケーブル2から支持線14を所定長さ分離させたのち、ガイド部材25を開き、索4を切断、或いはガイド部材25から外すことで光ドロップケーブル用安全分離具31を光ドロップケーブル2から容易に外すことができる。特に接合部5の切断長さが長いとき、切断した長さだけ光ドロップケーブル用安全分離具31を光ドロップケーブル2に沿って戻さなくてもよいため、作業性を向上できる。また、蓋部28を開けることで光ドロップケーブル2の接合部5に索4を容易に位置合わせすることができ、作業性を向上できる。そして、蓋部28を開けることでガイド部材25内の索4を直接目視しながら作業できるため、ガイド部材25を必ずしも透明に形成する必要はなく、樹脂よりも強度の高い金属等で形成してもよい。
【0042】
また、支持線14を光ドロップケーブル2の中間位置で分離させる場合、接合部5に適当な工具で孔を空けたのち、この孔に索4を通し、蓋部28を開けたガイド部材25内に光ドロップケーブル2を収容しつつ索4の両端側をそれぞれ貫通口6に通し、上述と同様の要領でガイド部材3とリール部8に索4を取り付け、光ドロップケーブル用安全分離具31を索4に沿って移動させるとよい。光ドロップケーブル2の中間で支持線14を容易に分離させることができる。
【0043】
図9に示すようにガイド部材32を断面矩形状に形成し、一面を開閉自在な蓋部33としてもよい。製作が容易であり、安価にできる。
【0044】
また、ガイド部材3は断面円形の筒状に形成するものとしたが、これに限るものではない。ガイド部材3は、光ドロップケーブル2に対して軸方向に移動自在に光ドロップケーブル2を囲繞するものであればよく、断面矩形状の筒状であってもよく、他の形状であってもよい。
【0045】
またさらに、図10に示すように、ガイド部材35は光ドロップケーブル2を微小な間隔を隔てて囲繞するものとしてもよい。これによれば、カッタ部材19と接続部(図示せず)との位置合わせを容易にでき、カッタ部材19を常に接続部に追従させることができる。ただし、ガイド部材35と光ドロップケーブル2との摩擦が大きくなることが考えられるため、作業中に光ドロップケーブル2に対して傾かない程度にガイド部材35の軸方向の長さを短く形成するとよい。また、光ドロップケーブル2には種々のサイズ(径)があるため、サイズごとに用意するとよい。
【0046】
なお、光ドロップケーブル用安全分離具31のガイド部材25は二つ割りに開閉自在に形成するものとしたが、図11に示すように、可撓性を有する薄板を筒状に巻いて筒状体50を形成すると共に、この筒状体50に径方向に貫通する貫通口6を形成してガイド部材51を構成してもよい。開閉自在なガイド部材51にあって蓋を省くことができる。
【0047】
光ドロップケーブル2から支持線14を分離するときには径方向に開放する隙間がないため、ガイド部材51が光ドロップケーブル2から外れることはなく、分離終了後には薄板同士が重なるラップ部分52に光ドロップケーブル2を案内してラップ部分52を押し広げることで光ドロップケーブル用安全分離具53を光ドロップケーブル2から容易に外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の好適実施の形態を示す光ドロップケーブル用安全分離具の斜視図である。
【図2】光ドロップケーブル用安全分離具の側断面図である。
【図3】光ドロップケーブル用安全分離具の正面図である。
【図4】光ドロップケーブル用安全分離具の平面断面図である。
【図5】他の実施の形態を示す光ドロップケーブル用安全分離具の斜視図である。
【図6】他の実施の形態を示す光ドロップケーブル用安全分離具の斜視図である。
【図7】他の実施の形態を示す光ドロップケーブル用安全分離具の側面図である。
【図8】他の実施の形態を示す光ドロップケーブル用安全分離具の正面図である。
【図9】他の実施の形態を示す光ドロップケーブル用安全分離具の正面図である。
【図10】他の実施の形態を示す光ドロップケーブル用安全分離具の正面図である。
【図11】他の実施の形態を示す光ドロップケーブル用安全分離具の斜視図である。
【図12】光ドロップケーブルを電柱と加入者宅との間に張設した状態を示す概略説明図である。
【図13】光ドロップケーブルを加入者宅内に引き入れた状態を示す概略説明図である。
【符号の説明】
【0049】
1 光ドロップケーブル用安全分離具
2 光ドロップケーブル
3 ガイド部材
4 索
6 貫通口
7 握り部
8 リール部
14 支持線
15 光ドロップ線
19 カッタ部材
25 ガイド部材
31 光ドロップケーブル用安全分離具
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持線に並列に光ドロップ線を接合してなる光ドロップケーブルを支持線と光ドロップ線に分離する光ドロップケーブル用分離具において、上記光ドロップケーブルを囲繞してその光ドロップケーブルの軸方向に移動自在に、かつ、着脱自在に取り付けられるガイド部材と、該ガイド部材内に設けられ上記支持線と光ドロップ線との接合部に挿入されて上記ガイド部材の移動に追従して上記支持線と上記光ドロップ線とを分離するカッタ部材とを備えたことを特徴とする光ドロップケーブル用安全分離具。
【請求項2】
上記カッタ部材は、索又は棒状部材からなる請求項1記載の光ドロップケーブル用安全分離具。
【請求項3】
上記ガイド部材は、一部又は全部が透明に形成される請求項1又は2記載の光ドロップケーブル用安全分離具。
【請求項4】
上記ガイド部材は、そのガイド部材を支持する握り部に設けられる請求項1〜3いずれかに記載の光ドロップケーブル用安全分離具。
【請求項5】
上記ガイド部材に、軸方向と交差する方向に貫通する貫通口を形成し、その貫通口を通して索がガイド部材内を横断するように張設され、上記握り部に、ガイド部材の両側から延びる索を巻回するリール部が設けられる請求項4記載の光ドロップケーブル用安全分離具。
【請求項6】
上記ガイド部材は、二つ割りに開閉自在に形成される請求項1〜5いずれかに記載の光ドロップケーブル用安全分離具。
【請求項7】
上記ガイド部材は、可撓性を有する薄板を筒状に巻いて形成される請求項1〜5いずれかに記載の光ドロップケーブル用安全分離具。
【請求項1】
支持線に並列に光ドロップ線を接合してなる光ドロップケーブルを支持線と光ドロップ線に分離する光ドロップケーブル用分離具において、上記光ドロップケーブルを囲繞してその光ドロップケーブルの軸方向に移動自在に、かつ、着脱自在に取り付けられるガイド部材と、該ガイド部材内に設けられ上記支持線と光ドロップ線との接合部に挿入されて上記ガイド部材の移動に追従して上記支持線と上記光ドロップ線とを分離するカッタ部材とを備えたことを特徴とする光ドロップケーブル用安全分離具。
【請求項2】
上記カッタ部材は、索又は棒状部材からなる請求項1記載の光ドロップケーブル用安全分離具。
【請求項3】
上記ガイド部材は、一部又は全部が透明に形成される請求項1又は2記載の光ドロップケーブル用安全分離具。
【請求項4】
上記ガイド部材は、そのガイド部材を支持する握り部に設けられる請求項1〜3いずれかに記載の光ドロップケーブル用安全分離具。
【請求項5】
上記ガイド部材に、軸方向と交差する方向に貫通する貫通口を形成し、その貫通口を通して索がガイド部材内を横断するように張設され、上記握り部に、ガイド部材の両側から延びる索を巻回するリール部が設けられる請求項4記載の光ドロップケーブル用安全分離具。
【請求項6】
上記ガイド部材は、二つ割りに開閉自在に形成される請求項1〜5いずれかに記載の光ドロップケーブル用安全分離具。
【請求項7】
上記ガイド部材は、可撓性を有する薄板を筒状に巻いて形成される請求項1〜5いずれかに記載の光ドロップケーブル用安全分離具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−47915(P2006−47915A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−232257(P2004−232257)
【出願日】平成16年8月9日(2004.8.9)
【出願人】(390023076)株式会社東電通 (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月9日(2004.8.9)
【出願人】(390023076)株式会社東電通 (10)
【Fターム(参考)】
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