光ピックアップおよびドライブ装置
【課題】小型化を実現しながら光ディスクと対物レンズの有効領域との衝突を防止する。また、そのような衝突を防止しながら、対物レンズの汚れの除去を効率よく行なうことができる光ピックアップを実現する。
【解決手段】
本発明の光ピックアップは、レンズホルダと、レンズホルダに設けられ、光源からの光を集光する有効領域と、有効領域の外側に位置するコバとを有する対物レンズと、レンズホルダに設けられたレンズプロテクタとを備える。レンズプロテクタは、対物レンズよりも光ディスク側に突出している。対物レンズのコバは、光ディスク側に突出した凸部を有している。対物レンズの有効領域の頂点は、コバの凸部よりも光ディスク側に突出している。対物レンズのコバの一部とレンズプロテクタの一部とを結んだ直線は、対物レンズの有効領域の頂点よりも光ディスク側に位置している。
【解決手段】
本発明の光ピックアップは、レンズホルダと、レンズホルダに設けられ、光源からの光を集光する有効領域と、有効領域の外側に位置するコバとを有する対物レンズと、レンズホルダに設けられたレンズプロテクタとを備える。レンズプロテクタは、対物レンズよりも光ディスク側に突出している。対物レンズのコバは、光ディスク側に突出した凸部を有している。対物レンズの有効領域の頂点は、コバの凸部よりも光ディスク側に突出している。対物レンズのコバの一部とレンズプロテクタの一部とを結んだ直線は、対物レンズの有効領域の頂点よりも光ディスク側に位置している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクから情報を読み出すことが可能な光ピックアップ、およびそのような光ピックアップを備えるドライブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光ディスクの高記録密度化のために、短波長のレーザ光が用いられるようになっており、これに伴って記録再生時の光ディスクと対物レンズとの間の距離は短くなってきている。そのため、光ディスクと対物レンズとが衝突して、それらが傷付いてしまう可能性が高まっている。対物レンズに傷が付くことは、光ピックアップの光学特性の悪化に繋がってしまうため、光ピックアップの駆動時に、光ディスクと対物レンズとが接触してそれらが傷つかないようにすることが必要になってくる。
【0003】
特許文献1には、複数のレンズプロテクタが設けられた光ピックアップが開示されている。この光ピックアップでは、光ディスクと対物レンズとが異常に接近したときに、光ディスクと複数のレンズプロテクタとが接触することにより、光ディスクと対物レンズとが接触することを防止している。また、光ピックアップに複数のレンズプロテクタを設け、対物レンズに近いレンズプロテクタの高さを高くすることで、光ディスクが傾いた状態で対物レンズに異常接近した場合でも、対物レンズよりも先に複数のレンズプロテクタが光ディスクに接触して、対物レンズとの衝突を防止するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−73224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、光ピックアップの小型化がますます求められる傾向にある。しかし、上述の光ピックアップでは、対物レンズの周囲に複数のレンズプロテクタを配置する構成となっているため、レンズプロテクタのために広いスペースを確保する必要があり、光ピックアップの小型化が困難であるという課題がある。
【0006】
また、光ピックアップは、使用回数が増えると、対物レンズに汚れが溜まってくる。そのため、専用のクリーナー用ディスクで汚れを除去できるにようになっている必要がある。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、小型化を実現しながら光ディスクと対物レンズの有効領域との衝突を防止できる光ピックアップを提供することを目的とする。また、光ディスクと対物レンズの有効領域との衝突を防止しながら、対物レンズの汚れの除去を効率よく行なうことができる光ピックアップを提供することを目的とする。また、そのような光ピックアップを備えたドライブ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光ピックアップは、レンズホルダと、前記レンズホルダに設けられ、光源からの光を集光する有効領域と、前記有効領域の外側に位置するコバとを有する対物レンズと、前記レンズホルダに設けられたレンズプロテクタとを備え、前記レンズプロテクタは、前記対物レンズよりも光ディスク側に突出しており、前記対物レンズの前記コバは、前記光ディスク側に突出した凸部を有し、前記対物レンズの前記有効領域の頂点は、前記コバの前記凸部よりも前記光ディスク側に突出しており、前記対物レンズの前記コバの一部と前記レンズプロテクタの一部とを結んだ直線は、前記対物レンズの前記有効領域の頂点よりも前記光ディスク側に位置していることを特徴とする。
【0009】
ある実施形態によれば、前記レンズプロテクタは、前記対物レンズの片側に配置される。
【0010】
ある実施形態によれば、前記レンズプロテクタは、前記対物レンズよりも、前記光ディスクの回転方向の上流側に配置されており、前記光ディスクのトラックと垂直な方向において、前記レンズプロテクタは、前記光ディスクに対して、前記対物レンズの前記有効領域の頂点よりも凹んだ凹部を有する。
【0011】
ある実施形態によれば、前記光ディスクのトラックと垂直な方向において、前記凹部の幅は、前記有効領域の幅以上である。
【0012】
ある実施形態によれば、前記対物レンズの前記有効領域の頂点から前記光ディスクの内周側へ向かう方向および外周側へ向かう方向において、前記レンズプロテクタは、徐々に前記光ディスク側に突出する形状を有する。
【0013】
ある実施形態によれば、前記レンズプロテクタは、前記対物レンズよりも前記光ディスクの回転方向の下流側に配置されている。
【0014】
本発明のドライブ装置は、前記光ピックアップと、前記光ディスクを回転させるスピンドルモータと、前記スピンドルモータおよび前記光ピックアップの動作を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、対物レンズのコバの凸部は、対物レンズの有効領域の頂点よりも光ディスク側に突出しないように形成されている。これにより、レンズクリーナーがコバの凸部に当たって有効領域の掃除ができないというような問題は発生せず、対物レンズの汚れを効率よく除去することができる。また、対物レンズのコバの一部とレンズプロテクタの一部とを結んだ直線は、対物レンズの有効領域の頂点よりも光ディスク側に位置している。これにより、光ディスクと対物レンズの有効領域とが衝突して対物レンズの有効領域に傷が付くことを防止することができる。また、レンズプロテクタの数は一つでよいので、レンズプロテクタを配置する領域を減らすことができ、対物レンズの有効領域に傷が付くことを防止しながら、光ピックアップの小型化を実現することができる。
【0016】
また、本発明のある実施形態によれば、クリーナー用ディスクのブラシを通過させるための凹部がレンズプロテクタに形成されている。これにより、対物レンズとブラシとの接触がレンズプロテクタによって遮られることを防止することができる。
【0017】
また、本発明のある実施形態によれば、レンズプロテクタの凹部の幅は、対物レンズの有効領域の幅以上になっている。これにより、対物レンズとブラシとの接触がレンズプロテクタによって遮られることをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態1のドライブ装置を示す図である。
【図2A】本発明の実施形態1の対物レンズアクチュエータを光ディスク側から見た平面図である。
【図2B】図2Aに示す本発明の実施形態1の対物レンズアクチュエータのA−A断面図である。
【図2C】図2Aに示す本発明の実施形態1の対物レンズアクチュエータのB−B断面図である。
【図3】本発明の実施形態1の対物レンズアクチュエータの一部を拡大して示した図である。
【図4】本発明の実施形態1のレンズプロテクタと対物レンズの位置関係を説明する図である。
【図5】本発明の実施形態1の対物レンズアクチュエータとクリーナー用ディスクとの関係を説明する図である。
【図6】本発明の実施形態1のレンズプロテクタと対物レンズの位置関係を説明する図である。
【図7A】本発明の実施形態2の対物レンズアクチュエータを光ディスク側から見た平面図である。
【図7B】図7Aに示す本発明の実施形態2の対物レンズアクチュエータのA’−A’断面図である。
【図7C】図7Aに示す本発明の実施形態2の対物レンズアクチュエータのB’−B’断面図である。
【図8】本発明の実施形態2の対物レンズアクチュエータの一部を拡大して示した図である。
【図9】本発明の実施形態2のレンズプロテクタと対物レンズの位置関係を説明する図である。
【図10】本発明の実施形態2のレンズプロテクタと対物レンズの位置関係を説明する図である。
【図11】本発明の実施形態2のレンズプロテクタの別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0020】
(実施形態1)
図1を用いて、本発明の実施形態1におけるドライブ装置1を説明する。なお、本実施形態において、光ディスク200は、公知の通常の光ディスクを意味しており、クリーナー用ディスク202(図5)は、ブラシが設けられたレンズ用のクリーナーディスクを意味している。
【0021】
図1は、本実施形態1のドライブ装置1を示す図である。ドライブ装置1は、光ピックアップ400と、LSI302と、スピンドルモータ301とを備える。スピンドルモータ301は、図示しないターンテーブルに載置された光ディスク200を回転させる。LSI302は、光ピックアップ400およびスピンドルモータ301の動作を制御する制御部として機能する半導体デバイスである。例えば、LSI302は、光ピックアップ400から得られる信号を処理し、外部機器に出力することが可能である。
【0022】
光ピックアップ400は、光ディスク200の情報を読取る、もしくは、光ディスク200に情報を書き込むデバイスである。光ピックアップ400は光学ベースに設けられた対物レンズアクチュエータ100を備えている。また、光学ベースには、レーザダイオード、フォトディテクター、プリズムを含む光学素子が設けられている。
【0023】
レーザダイオードから出射された光は、光学素子および対物レンズアクチュエータ100を介して、光ディスク200に集光する。また、光ディスク200で反射された光は、対物レンズアクチュエータ100および光学素子を介して、フォトディテクターに入射する。対物レンズアクチュエータ100は、光学ベースにワイヤで支持されている。そして、対物レンズアクチュエータ100は、自己に設けられるコイルと、光学ベースに設けられるマグネットにより、光ディスク200に対するフォーカス方向、トラック方向およびチルト方向の位置調整が可能となっている。これによって、光ピックアップ400は、光ディスク200の情報を読取るもしくは光ディスク200に情報を書き込むことが可能になる。
【0024】
次に、図2Aから図2Cを用いて、対物レンズアクチュエータ100の構成を説明する。図2Aは、対物レンズアクチュエータ100を光ディスク側から見た平面図である。図2Bは、図2AのA−A断面図である。図2Cは、図2AのB−B断面図である。
【0025】
対物レンズアクチュエータ100はレンズホルダ113を備え、レンズホルダ113には、対物レンズ110とレンズプロテクタ112とが設けられている。
【0026】
レンズホルダ113は、樹脂材料で構成されている。レンズホルダ113は、図2Bを見て分かるように、対物レンズ110を配置できるように構成されている。本実施形態では、対物レンズ110は、レンズホルダ113の側面付近に設けられる。
【0027】
対物レンズ110は、レーザダイオードからの光を光ディスク200に集光する部材である。対物レンズ110は、光ディスク200の表面(ポリカーボネード)よりも低硬度の樹脂材料で構成されている。例えば、対物レンズ110には、オレフィン系樹脂が用いられる。なお、対物レンズ110は、ガラスで構成されていてもよい。なお、対物レンズ110が樹脂で構成された場合、ガラスよりも傷つきやすいため、本発明による効果は顕著となる。
【0028】
ここで、対物レンズ110の形状を説明する。射出成形等で対物レンズ110を成形するとき、レンズ材料が効率よく金型に流れ込むようにするために、金型における対物レンズの有効領域の周囲には隙間が設けられている。そのため、成形された対物レンズの有効領域の周囲にはコバと呼ばれる領域が存在する。このようなコバ111は、対物レンズ110をレンズホルダ113に接着固定するためにも用いられる。このコバ111に囲まれた対物レンズ110の中央部分が光源からの光を集光する有効領域115(図3)となる。
【0029】
コバ111は、光ディスク200側に突出した凸部を有する形状になっている。コバ111の凸部は、対物レンズ110の有効領域115の頂点114よりも、光ディスク200側に突出しないように構成されており、レンズクリーニングを妨げないようになっている。さらに、コバ111の凸部は、光ディスク200が対物レンズ110の有効領域115に衝突するのを防止する機能を果たす。詳細は後述する。
【0030】
レンズプロテクタ112は、光ディスク200と対物レンズ110の有効領域115との衝突を避けるために、レンズホルダ113に設けられている。レンズプロテクタ112は、対物レンズ110よりも光ディスク200側に突出している。
【0031】
レンズプロテクタ112は、対物レンズ110の片側に配置されている。具体的には、レンズプロテクタ112は、対物レンズ110に対して、光ディスク200のピットの突入側に配置されている。本実施形態では、光ディスク200のピットの突入側にのみ配置した(図5)。すなわち、光ディスク200の回転方向203(図5)において、レンズプロテクタ112は、対物レンズ110よりも上流側のみに配置されている。レンズプロテクタ112を1つだけ配置することにより、レンズプロテクタ112を設ける領域を小さくすることができるので、光ピックアップ400の小型化を図ることができる。
【0032】
なお、レンズプロテクタ112は、光ディスク200の表面(ポリカーボネード)よりも低硬度の樹脂材料で構成されている。例えば、レンズプロテクタ112には、ポリアセタールが用いられている。
【0033】
ここで、レンズプロテクタ112は、図2Cに示すように、光ディスク200側にレンズプロテクタ面112aを有している。レンズプロテクタ面112aは、図2B、図3、図4、図6に示すように、対物レンズ110よりも光ディスク200側に突出している。図3は、対物レンズアクチュエータ100の一部を拡大して示した図である。図4および図6は、本発明の実施形態1のレンズプロテクタと対物レンズの位置関係を説明する図である。レンズプロテクタ面112aと頂点114との高さの差h1(図4)は、例えば80μmである。また、コバ111の高さh2は例えば0.2〜0.3mmである。図4に示すように、レンズプロテクタ面112aとコバ111の頂点と結んだ直線121は、対物レンズ110の有効領域115の頂点114よりも光ディスク200側に位置している。
【0034】
上述したように、コバ111の凸部は、対物レンズ110の有効領域115の頂点114よりも、光ディスク200側に突出しないように構成されているので、クリーナー用ディスク202による汚れ除去動作の際に、コバ111が邪魔して、対物レンズ110の汚れ除去ができないといったことを軽減することができる。
【0035】
また、対物レンズ110の有効領域115の頂点114が、レンズプロテクタ面112aとコバ111を結んだ直線よりも光ディスク200側に位置しないようにしているので、光ディスク200が対物レンズ110の有効領域115に衝突することを軽減できる。
【0036】
本実施形態の対物レンズアクチュエータ100は、光ディスク200から情報を読み取るもしくは光ディスク200への情報を書き込む際、サーボ制御により光ディスク200に対してフォーカス方向ならびにトラッキング方向に位置調整される。しかし、対物レンズアクチュエータ100は、位置調整時、ドライブ装置1の振動や光ディスク200の面振れにより、光ディスク200に衝突する可能性がある。一般的に、レンズホルダ113は、対物レンズアクチュエータ100の位置調整時における共振を無くすため、剛性の高い材料を使用している。そのため、ポリカーボネートで表面が構成された光ディスク200に衝突すると光ディスク200の信号面に傷が付く。また、対物レンズ110は、ポリカーボネートよりも低硬度の材料であるので、頂点114が光ディスク200に衝突すると、有効領域115に傷が付き、光学特性が悪化する。そこで、本実施形態では、対物レンズアクチュエータ100の衝突による光ディスク200の傷つきを防止し、且つ有効領域115の傷付きによる光学特性の悪化を防止している。
【0037】
図4から明らかなように、頂点114およびレンズホルダ113は、コバ111とレンズプロテクタ112aとを結ぶ直線よりも光ディスク200に対して下側に位置する。そのため、対物レンズアクチュエータ100の光ディスク200への衝突時、頂点114とレンズホルダ113は、光ディスク200と衝突する可能性が低い。このように、本実施形態によれば、レンズホルダ113による光ディスク200への傷付き、および頂点114の光ディスク200への衝突による光学特性の悪化を防止できる。
【0038】
図5は、対物レンズアクチュエータ100の表面汚れを除去するためにクリーナー用ディスク202を使用している状態を示す図である。クリーナー用ディスク202の信号面にはブラシ201が設けられている。ドライブ装置1は、クリーナー用ディスク202を回転させ、光ディスク200の接線方向に沿ってブラシ201が対物レンズアクチュエータ100の表面上を走査することにより、対物レンズアクチュエータ100の表面汚れを除去できる。なお、この際、コバ111(図4)は、対物レンズ110の有効領域115の頂点114よりも、光ディスク200側に突出しないように構成されているので、レンズクリーニングを妨げることはない。
【0039】
また、レンズプロテクタ112は、対物レンズ110よりも光ディスク200の回転方向203の下流側に配置されていてもよい。これにより、レンズプロテクタ112がレンズクリーニングを妨げることを防止することができる。
【0040】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2におけるレンズプロテクタ112を説明する。本実施形態のレンズプロテクタ112の構成によれば、製品設計の制約等の理由により、レンズプロテクタ112を対物レンズ110よりも上流側に配置しなければならない場合でも、レンズプロテクタ112がレンズクリーニングを妨げることを防止することができる。
【0041】
図7Aは、本実施形態2の対物レンズアクチュエータ100を光ディスク側から見た平面図である。図7Bは、図7AのA’−A’断面図である。図7Cは、図7AのB’−B’断面図である。図8は、本実施形態2の対物レンズアクチュエータ100の一部を拡大して示した図である。図9および図10は、本実施形態2のレンズプロテクタと対物レンズの位置関係を説明する図である。
【0042】
本実施形態2のレンズプロテクタ112は、レンズプロテクタ112a面よりも下側(光ディスク200から離れる側)に位置するレンズプロテクタ面112bをさらに有している。レンズプロテクタ面112aは、レンズプロテクタ面112bよりも光ディスク200側に位置しており、レンズプロテクタ112aで囲まれるレンズプロテクタ112b面で凹部が形成されている。その他の構成は実施形態1と同様であるので、同様の説明の繰り返しは省略する。
【0043】
図7B、図8、図9、図10に示すように、レンズプロテクタ112b面(凹部)は、光ディスク200の信号面に平行で且つ光ディスク200のトラックと垂直な方向において、光ディスク200に対して、対物レンズ110の有効領域115の頂点114よりも凹んだ形状となっている。なお、光ディスク200のトラック方向は回転方向203(図5)に対応している。クリーナー用ディスク202のブラシ201(図5)は、この凹部を通過することになるので、レンズプロテクタ112がレンズクリーニングを妨げることを防止することができる。
【0044】
また、レンズプロテクタ面112aで囲まれるレンズプロテクタ面112bの幅(凹部の幅)は、有効領域115の直径以上であることが望ましい。このようにすれば、レンズプロテクタ112がブラシ201の障害となる可能性がさらに低くなる。
【0045】
なお、レンズプロテクタ112がレンズプロテクタ112b面を有する場合でも、図9に示すように、対物レンズ110の有効領域115の頂点114およびレンズホルダ113は、コバ111とレンズプロテクタ112aとを結ぶ直線121よりも光ディスク200に対して下側に位置する。そのため、対物レンズアクチュエータ100の光ディスク200への衝突時、頂点114とレンズホルダ113が、光ディスク200と衝突することを防止することができる。
【0046】
なお、図10に示す例では、レンズプロテクタ面112aは、レンズプロテクタ面112bから垂直に延びていたが、図11のように、徐々に突出する形状であってもよい。図11に示す例では、頂点114から光ディスク200の内周側へ向かう方向および外周側へ向かう方向において、レンズプロテクタ112は、徐々に光ディスク200側に突出する形状となっている。このような形状でも、レンズクリーニングを妨げることなく、頂点114とレンズホルダ113が、光ディスク200と衝突することを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、光ディスクプレーヤー、レコーダー等に用いられる光ピックアップなどに特に有用である。
【符号の説明】
【0048】
1 ドライブ装置
200 光ディスク
201 ブラシ
202 クリーナー用ディスク
301 スピンドルモータ
302 LSI
400 光ピックアップ
100 対物レンズアクチュエータ
110 対物レンズ
111 コバ
112 レンズプロテクタ
113 レンズホルダ
114 頂点
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクから情報を読み出すことが可能な光ピックアップ、およびそのような光ピックアップを備えるドライブ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光ディスクの高記録密度化のために、短波長のレーザ光が用いられるようになっており、これに伴って記録再生時の光ディスクと対物レンズとの間の距離は短くなってきている。そのため、光ディスクと対物レンズとが衝突して、それらが傷付いてしまう可能性が高まっている。対物レンズに傷が付くことは、光ピックアップの光学特性の悪化に繋がってしまうため、光ピックアップの駆動時に、光ディスクと対物レンズとが接触してそれらが傷つかないようにすることが必要になってくる。
【0003】
特許文献1には、複数のレンズプロテクタが設けられた光ピックアップが開示されている。この光ピックアップでは、光ディスクと対物レンズとが異常に接近したときに、光ディスクと複数のレンズプロテクタとが接触することにより、光ディスクと対物レンズとが接触することを防止している。また、光ピックアップに複数のレンズプロテクタを設け、対物レンズに近いレンズプロテクタの高さを高くすることで、光ディスクが傾いた状態で対物レンズに異常接近した場合でも、対物レンズよりも先に複数のレンズプロテクタが光ディスクに接触して、対物レンズとの衝突を防止するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−73224号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、光ピックアップの小型化がますます求められる傾向にある。しかし、上述の光ピックアップでは、対物レンズの周囲に複数のレンズプロテクタを配置する構成となっているため、レンズプロテクタのために広いスペースを確保する必要があり、光ピックアップの小型化が困難であるという課題がある。
【0006】
また、光ピックアップは、使用回数が増えると、対物レンズに汚れが溜まってくる。そのため、専用のクリーナー用ディスクで汚れを除去できるにようになっている必要がある。
【0007】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、小型化を実現しながら光ディスクと対物レンズの有効領域との衝突を防止できる光ピックアップを提供することを目的とする。また、光ディスクと対物レンズの有効領域との衝突を防止しながら、対物レンズの汚れの除去を効率よく行なうことができる光ピックアップを提供することを目的とする。また、そのような光ピックアップを備えたドライブ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光ピックアップは、レンズホルダと、前記レンズホルダに設けられ、光源からの光を集光する有効領域と、前記有効領域の外側に位置するコバとを有する対物レンズと、前記レンズホルダに設けられたレンズプロテクタとを備え、前記レンズプロテクタは、前記対物レンズよりも光ディスク側に突出しており、前記対物レンズの前記コバは、前記光ディスク側に突出した凸部を有し、前記対物レンズの前記有効領域の頂点は、前記コバの前記凸部よりも前記光ディスク側に突出しており、前記対物レンズの前記コバの一部と前記レンズプロテクタの一部とを結んだ直線は、前記対物レンズの前記有効領域の頂点よりも前記光ディスク側に位置していることを特徴とする。
【0009】
ある実施形態によれば、前記レンズプロテクタは、前記対物レンズの片側に配置される。
【0010】
ある実施形態によれば、前記レンズプロテクタは、前記対物レンズよりも、前記光ディスクの回転方向の上流側に配置されており、前記光ディスクのトラックと垂直な方向において、前記レンズプロテクタは、前記光ディスクに対して、前記対物レンズの前記有効領域の頂点よりも凹んだ凹部を有する。
【0011】
ある実施形態によれば、前記光ディスクのトラックと垂直な方向において、前記凹部の幅は、前記有効領域の幅以上である。
【0012】
ある実施形態によれば、前記対物レンズの前記有効領域の頂点から前記光ディスクの内周側へ向かう方向および外周側へ向かう方向において、前記レンズプロテクタは、徐々に前記光ディスク側に突出する形状を有する。
【0013】
ある実施形態によれば、前記レンズプロテクタは、前記対物レンズよりも前記光ディスクの回転方向の下流側に配置されている。
【0014】
本発明のドライブ装置は、前記光ピックアップと、前記光ディスクを回転させるスピンドルモータと、前記スピンドルモータおよび前記光ピックアップの動作を制御する制御部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、対物レンズのコバの凸部は、対物レンズの有効領域の頂点よりも光ディスク側に突出しないように形成されている。これにより、レンズクリーナーがコバの凸部に当たって有効領域の掃除ができないというような問題は発生せず、対物レンズの汚れを効率よく除去することができる。また、対物レンズのコバの一部とレンズプロテクタの一部とを結んだ直線は、対物レンズの有効領域の頂点よりも光ディスク側に位置している。これにより、光ディスクと対物レンズの有効領域とが衝突して対物レンズの有効領域に傷が付くことを防止することができる。また、レンズプロテクタの数は一つでよいので、レンズプロテクタを配置する領域を減らすことができ、対物レンズの有効領域に傷が付くことを防止しながら、光ピックアップの小型化を実現することができる。
【0016】
また、本発明のある実施形態によれば、クリーナー用ディスクのブラシを通過させるための凹部がレンズプロテクタに形成されている。これにより、対物レンズとブラシとの接触がレンズプロテクタによって遮られることを防止することができる。
【0017】
また、本発明のある実施形態によれば、レンズプロテクタの凹部の幅は、対物レンズの有効領域の幅以上になっている。これにより、対物レンズとブラシとの接触がレンズプロテクタによって遮られることをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態1のドライブ装置を示す図である。
【図2A】本発明の実施形態1の対物レンズアクチュエータを光ディスク側から見た平面図である。
【図2B】図2Aに示す本発明の実施形態1の対物レンズアクチュエータのA−A断面図である。
【図2C】図2Aに示す本発明の実施形態1の対物レンズアクチュエータのB−B断面図である。
【図3】本発明の実施形態1の対物レンズアクチュエータの一部を拡大して示した図である。
【図4】本発明の実施形態1のレンズプロテクタと対物レンズの位置関係を説明する図である。
【図5】本発明の実施形態1の対物レンズアクチュエータとクリーナー用ディスクとの関係を説明する図である。
【図6】本発明の実施形態1のレンズプロテクタと対物レンズの位置関係を説明する図である。
【図7A】本発明の実施形態2の対物レンズアクチュエータを光ディスク側から見た平面図である。
【図7B】図7Aに示す本発明の実施形態2の対物レンズアクチュエータのA’−A’断面図である。
【図7C】図7Aに示す本発明の実施形態2の対物レンズアクチュエータのB’−B’断面図である。
【図8】本発明の実施形態2の対物レンズアクチュエータの一部を拡大して示した図である。
【図9】本発明の実施形態2のレンズプロテクタと対物レンズの位置関係を説明する図である。
【図10】本発明の実施形態2のレンズプロテクタと対物レンズの位置関係を説明する図である。
【図11】本発明の実施形態2のレンズプロテクタの別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0020】
(実施形態1)
図1を用いて、本発明の実施形態1におけるドライブ装置1を説明する。なお、本実施形態において、光ディスク200は、公知の通常の光ディスクを意味しており、クリーナー用ディスク202(図5)は、ブラシが設けられたレンズ用のクリーナーディスクを意味している。
【0021】
図1は、本実施形態1のドライブ装置1を示す図である。ドライブ装置1は、光ピックアップ400と、LSI302と、スピンドルモータ301とを備える。スピンドルモータ301は、図示しないターンテーブルに載置された光ディスク200を回転させる。LSI302は、光ピックアップ400およびスピンドルモータ301の動作を制御する制御部として機能する半導体デバイスである。例えば、LSI302は、光ピックアップ400から得られる信号を処理し、外部機器に出力することが可能である。
【0022】
光ピックアップ400は、光ディスク200の情報を読取る、もしくは、光ディスク200に情報を書き込むデバイスである。光ピックアップ400は光学ベースに設けられた対物レンズアクチュエータ100を備えている。また、光学ベースには、レーザダイオード、フォトディテクター、プリズムを含む光学素子が設けられている。
【0023】
レーザダイオードから出射された光は、光学素子および対物レンズアクチュエータ100を介して、光ディスク200に集光する。また、光ディスク200で反射された光は、対物レンズアクチュエータ100および光学素子を介して、フォトディテクターに入射する。対物レンズアクチュエータ100は、光学ベースにワイヤで支持されている。そして、対物レンズアクチュエータ100は、自己に設けられるコイルと、光学ベースに設けられるマグネットにより、光ディスク200に対するフォーカス方向、トラック方向およびチルト方向の位置調整が可能となっている。これによって、光ピックアップ400は、光ディスク200の情報を読取るもしくは光ディスク200に情報を書き込むことが可能になる。
【0024】
次に、図2Aから図2Cを用いて、対物レンズアクチュエータ100の構成を説明する。図2Aは、対物レンズアクチュエータ100を光ディスク側から見た平面図である。図2Bは、図2AのA−A断面図である。図2Cは、図2AのB−B断面図である。
【0025】
対物レンズアクチュエータ100はレンズホルダ113を備え、レンズホルダ113には、対物レンズ110とレンズプロテクタ112とが設けられている。
【0026】
レンズホルダ113は、樹脂材料で構成されている。レンズホルダ113は、図2Bを見て分かるように、対物レンズ110を配置できるように構成されている。本実施形態では、対物レンズ110は、レンズホルダ113の側面付近に設けられる。
【0027】
対物レンズ110は、レーザダイオードからの光を光ディスク200に集光する部材である。対物レンズ110は、光ディスク200の表面(ポリカーボネード)よりも低硬度の樹脂材料で構成されている。例えば、対物レンズ110には、オレフィン系樹脂が用いられる。なお、対物レンズ110は、ガラスで構成されていてもよい。なお、対物レンズ110が樹脂で構成された場合、ガラスよりも傷つきやすいため、本発明による効果は顕著となる。
【0028】
ここで、対物レンズ110の形状を説明する。射出成形等で対物レンズ110を成形するとき、レンズ材料が効率よく金型に流れ込むようにするために、金型における対物レンズの有効領域の周囲には隙間が設けられている。そのため、成形された対物レンズの有効領域の周囲にはコバと呼ばれる領域が存在する。このようなコバ111は、対物レンズ110をレンズホルダ113に接着固定するためにも用いられる。このコバ111に囲まれた対物レンズ110の中央部分が光源からの光を集光する有効領域115(図3)となる。
【0029】
コバ111は、光ディスク200側に突出した凸部を有する形状になっている。コバ111の凸部は、対物レンズ110の有効領域115の頂点114よりも、光ディスク200側に突出しないように構成されており、レンズクリーニングを妨げないようになっている。さらに、コバ111の凸部は、光ディスク200が対物レンズ110の有効領域115に衝突するのを防止する機能を果たす。詳細は後述する。
【0030】
レンズプロテクタ112は、光ディスク200と対物レンズ110の有効領域115との衝突を避けるために、レンズホルダ113に設けられている。レンズプロテクタ112は、対物レンズ110よりも光ディスク200側に突出している。
【0031】
レンズプロテクタ112は、対物レンズ110の片側に配置されている。具体的には、レンズプロテクタ112は、対物レンズ110に対して、光ディスク200のピットの突入側に配置されている。本実施形態では、光ディスク200のピットの突入側にのみ配置した(図5)。すなわち、光ディスク200の回転方向203(図5)において、レンズプロテクタ112は、対物レンズ110よりも上流側のみに配置されている。レンズプロテクタ112を1つだけ配置することにより、レンズプロテクタ112を設ける領域を小さくすることができるので、光ピックアップ400の小型化を図ることができる。
【0032】
なお、レンズプロテクタ112は、光ディスク200の表面(ポリカーボネード)よりも低硬度の樹脂材料で構成されている。例えば、レンズプロテクタ112には、ポリアセタールが用いられている。
【0033】
ここで、レンズプロテクタ112は、図2Cに示すように、光ディスク200側にレンズプロテクタ面112aを有している。レンズプロテクタ面112aは、図2B、図3、図4、図6に示すように、対物レンズ110よりも光ディスク200側に突出している。図3は、対物レンズアクチュエータ100の一部を拡大して示した図である。図4および図6は、本発明の実施形態1のレンズプロテクタと対物レンズの位置関係を説明する図である。レンズプロテクタ面112aと頂点114との高さの差h1(図4)は、例えば80μmである。また、コバ111の高さh2は例えば0.2〜0.3mmである。図4に示すように、レンズプロテクタ面112aとコバ111の頂点と結んだ直線121は、対物レンズ110の有効領域115の頂点114よりも光ディスク200側に位置している。
【0034】
上述したように、コバ111の凸部は、対物レンズ110の有効領域115の頂点114よりも、光ディスク200側に突出しないように構成されているので、クリーナー用ディスク202による汚れ除去動作の際に、コバ111が邪魔して、対物レンズ110の汚れ除去ができないといったことを軽減することができる。
【0035】
また、対物レンズ110の有効領域115の頂点114が、レンズプロテクタ面112aとコバ111を結んだ直線よりも光ディスク200側に位置しないようにしているので、光ディスク200が対物レンズ110の有効領域115に衝突することを軽減できる。
【0036】
本実施形態の対物レンズアクチュエータ100は、光ディスク200から情報を読み取るもしくは光ディスク200への情報を書き込む際、サーボ制御により光ディスク200に対してフォーカス方向ならびにトラッキング方向に位置調整される。しかし、対物レンズアクチュエータ100は、位置調整時、ドライブ装置1の振動や光ディスク200の面振れにより、光ディスク200に衝突する可能性がある。一般的に、レンズホルダ113は、対物レンズアクチュエータ100の位置調整時における共振を無くすため、剛性の高い材料を使用している。そのため、ポリカーボネートで表面が構成された光ディスク200に衝突すると光ディスク200の信号面に傷が付く。また、対物レンズ110は、ポリカーボネートよりも低硬度の材料であるので、頂点114が光ディスク200に衝突すると、有効領域115に傷が付き、光学特性が悪化する。そこで、本実施形態では、対物レンズアクチュエータ100の衝突による光ディスク200の傷つきを防止し、且つ有効領域115の傷付きによる光学特性の悪化を防止している。
【0037】
図4から明らかなように、頂点114およびレンズホルダ113は、コバ111とレンズプロテクタ112aとを結ぶ直線よりも光ディスク200に対して下側に位置する。そのため、対物レンズアクチュエータ100の光ディスク200への衝突時、頂点114とレンズホルダ113は、光ディスク200と衝突する可能性が低い。このように、本実施形態によれば、レンズホルダ113による光ディスク200への傷付き、および頂点114の光ディスク200への衝突による光学特性の悪化を防止できる。
【0038】
図5は、対物レンズアクチュエータ100の表面汚れを除去するためにクリーナー用ディスク202を使用している状態を示す図である。クリーナー用ディスク202の信号面にはブラシ201が設けられている。ドライブ装置1は、クリーナー用ディスク202を回転させ、光ディスク200の接線方向に沿ってブラシ201が対物レンズアクチュエータ100の表面上を走査することにより、対物レンズアクチュエータ100の表面汚れを除去できる。なお、この際、コバ111(図4)は、対物レンズ110の有効領域115の頂点114よりも、光ディスク200側に突出しないように構成されているので、レンズクリーニングを妨げることはない。
【0039】
また、レンズプロテクタ112は、対物レンズ110よりも光ディスク200の回転方向203の下流側に配置されていてもよい。これにより、レンズプロテクタ112がレンズクリーニングを妨げることを防止することができる。
【0040】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2におけるレンズプロテクタ112を説明する。本実施形態のレンズプロテクタ112の構成によれば、製品設計の制約等の理由により、レンズプロテクタ112を対物レンズ110よりも上流側に配置しなければならない場合でも、レンズプロテクタ112がレンズクリーニングを妨げることを防止することができる。
【0041】
図7Aは、本実施形態2の対物レンズアクチュエータ100を光ディスク側から見た平面図である。図7Bは、図7AのA’−A’断面図である。図7Cは、図7AのB’−B’断面図である。図8は、本実施形態2の対物レンズアクチュエータ100の一部を拡大して示した図である。図9および図10は、本実施形態2のレンズプロテクタと対物レンズの位置関係を説明する図である。
【0042】
本実施形態2のレンズプロテクタ112は、レンズプロテクタ112a面よりも下側(光ディスク200から離れる側)に位置するレンズプロテクタ面112bをさらに有している。レンズプロテクタ面112aは、レンズプロテクタ面112bよりも光ディスク200側に位置しており、レンズプロテクタ112aで囲まれるレンズプロテクタ112b面で凹部が形成されている。その他の構成は実施形態1と同様であるので、同様の説明の繰り返しは省略する。
【0043】
図7B、図8、図9、図10に示すように、レンズプロテクタ112b面(凹部)は、光ディスク200の信号面に平行で且つ光ディスク200のトラックと垂直な方向において、光ディスク200に対して、対物レンズ110の有効領域115の頂点114よりも凹んだ形状となっている。なお、光ディスク200のトラック方向は回転方向203(図5)に対応している。クリーナー用ディスク202のブラシ201(図5)は、この凹部を通過することになるので、レンズプロテクタ112がレンズクリーニングを妨げることを防止することができる。
【0044】
また、レンズプロテクタ面112aで囲まれるレンズプロテクタ面112bの幅(凹部の幅)は、有効領域115の直径以上であることが望ましい。このようにすれば、レンズプロテクタ112がブラシ201の障害となる可能性がさらに低くなる。
【0045】
なお、レンズプロテクタ112がレンズプロテクタ112b面を有する場合でも、図9に示すように、対物レンズ110の有効領域115の頂点114およびレンズホルダ113は、コバ111とレンズプロテクタ112aとを結ぶ直線121よりも光ディスク200に対して下側に位置する。そのため、対物レンズアクチュエータ100の光ディスク200への衝突時、頂点114とレンズホルダ113が、光ディスク200と衝突することを防止することができる。
【0046】
なお、図10に示す例では、レンズプロテクタ面112aは、レンズプロテクタ面112bから垂直に延びていたが、図11のように、徐々に突出する形状であってもよい。図11に示す例では、頂点114から光ディスク200の内周側へ向かう方向および外周側へ向かう方向において、レンズプロテクタ112は、徐々に光ディスク200側に突出する形状となっている。このような形状でも、レンズクリーニングを妨げることなく、頂点114とレンズホルダ113が、光ディスク200と衝突することを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、光ディスクプレーヤー、レコーダー等に用いられる光ピックアップなどに特に有用である。
【符号の説明】
【0048】
1 ドライブ装置
200 光ディスク
201 ブラシ
202 クリーナー用ディスク
301 スピンドルモータ
302 LSI
400 光ピックアップ
100 対物レンズアクチュエータ
110 対物レンズ
111 コバ
112 レンズプロテクタ
113 レンズホルダ
114 頂点
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズホルダと、
前記レンズホルダに設けられ、光源からの光を集光する有効領域と、前記有効領域の外側に位置するコバとを有する対物レンズと、
前記レンズホルダに設けられたレンズプロテクタと、
を備え、
前記レンズプロテクタは、前記対物レンズよりも光ディスク側に突出しており、
前記対物レンズの前記コバは、前記光ディスク側に突出した凸部を有し、
前記対物レンズの前記有効領域の頂点は、前記コバの前記凸部よりも前記光ディスク側に突出しており、
前記対物レンズの前記コバの一部と前記レンズプロテクタの一部とを結んだ直線は、前記対物レンズの前記有効領域の頂点よりも前記光ディスク側に位置している、光ピックアップ。
【請求項2】
前記レンズプロテクタは、前記対物レンズの片側に配置される、請求項1に記載の光ピックアップ。
【請求項3】
前記レンズプロテクタは、前記対物レンズよりも、前記光ディスクの回転方向の上流側に配置されており、
前記光ディスクのトラックと垂直な方向において、前記レンズプロテクタは、前記光ディスクに対して、前記対物レンズの前記有効領域の頂点よりも凹んだ凹部を有する、請求項1に記載の光ピックアップ。
【請求項4】
前記光ディスクのトラックと垂直な方向において、前記凹部の幅は、前記有効領域の幅以上である、請求項3に記載の光ピックアップ。
【請求項5】
前記対物レンズの前記有効領域の頂点から前記光ディスクの内周側へ向かう方向および外周側へ向かう方向において、前記レンズプロテクタは、徐々に前記光ディスク側に突出する形状を有する、請求項3に記載の光ピックアップ。
【請求項6】
前記レンズプロテクタは、前記対物レンズよりも前記光ディスクの回転方向の下流側に配置されている、請求項1に記載の光ピックアップ。
【請求項7】
請求項1に記載の光ピックアップと、
前記光ディスクを回転させるスピンドルモータと、
前記スピンドルモータおよび前記光ピックアップの動作を制御する制御部と、
を備える、ドライブ装置。
【請求項1】
レンズホルダと、
前記レンズホルダに設けられ、光源からの光を集光する有効領域と、前記有効領域の外側に位置するコバとを有する対物レンズと、
前記レンズホルダに設けられたレンズプロテクタと、
を備え、
前記レンズプロテクタは、前記対物レンズよりも光ディスク側に突出しており、
前記対物レンズの前記コバは、前記光ディスク側に突出した凸部を有し、
前記対物レンズの前記有効領域の頂点は、前記コバの前記凸部よりも前記光ディスク側に突出しており、
前記対物レンズの前記コバの一部と前記レンズプロテクタの一部とを結んだ直線は、前記対物レンズの前記有効領域の頂点よりも前記光ディスク側に位置している、光ピックアップ。
【請求項2】
前記レンズプロテクタは、前記対物レンズの片側に配置される、請求項1に記載の光ピックアップ。
【請求項3】
前記レンズプロテクタは、前記対物レンズよりも、前記光ディスクの回転方向の上流側に配置されており、
前記光ディスクのトラックと垂直な方向において、前記レンズプロテクタは、前記光ディスクに対して、前記対物レンズの前記有効領域の頂点よりも凹んだ凹部を有する、請求項1に記載の光ピックアップ。
【請求項4】
前記光ディスクのトラックと垂直な方向において、前記凹部の幅は、前記有効領域の幅以上である、請求項3に記載の光ピックアップ。
【請求項5】
前記対物レンズの前記有効領域の頂点から前記光ディスクの内周側へ向かう方向および外周側へ向かう方向において、前記レンズプロテクタは、徐々に前記光ディスク側に突出する形状を有する、請求項3に記載の光ピックアップ。
【請求項6】
前記レンズプロテクタは、前記対物レンズよりも前記光ディスクの回転方向の下流側に配置されている、請求項1に記載の光ピックアップ。
【請求項7】
請求項1に記載の光ピックアップと、
前記光ディスクを回転させるスピンドルモータと、
前記スピンドルモータおよび前記光ピックアップの動作を制御する制御部と、
を備える、ドライブ装置。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−209009(P2012−209009A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−48058(P2012−48058)
【出願日】平成24年3月5日(2012.3.5)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月5日(2012.3.5)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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