光ピックアップの走行案内装置
【課題】光ピックアップの副軸側走行案内機構のガイド軸受に対して副ガイドシャフトを径方向に嵌合させることと、ガイド軸受の軸線方向で支持シャフトをそのガイド軸受に円滑に嵌合させることとを可能にする。
【解決手段】光ピックアップ10の走行を案内する主軸側走行案内機構A及び副軸側案内機構Bを備える。副軸側案内機構Bが、ガイド軸受22と、軸受孔24の壁面を副ガイドシャフト42に弾接させるためのばね体50と、を有する。軸受孔24を窪み凹所によって形成し、ばね体50に、傾斜姿勢の作用片52と、ガイド片54と、を具備させる。
【解決手段】光ピックアップ10の走行を案内する主軸側走行案内機構A及び副軸側案内機構Bを備える。副軸側案内機構Bが、ガイド軸受22と、軸受孔24の壁面を副ガイドシャフト42に弾接させるためのばね体50と、を有する。軸受孔24を窪み凹所によって形成し、ばね体50に、傾斜姿勢の作用片52と、ガイド片54と、を具備させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体であるディスクの記録面を光学的に処理することに用いられる光ピックアップの走行案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の光ピックアップは、発光素子や受光素子、ミラー、その他の光学部品が組み付けられた光学ベースに、対物レンズや電磁駆動手段を備えた光学アクチュエータを取り付けることによって構成されている。一般的な光ピックアップでは、光学ベースの走行が主ガイドシャフトと副ガイドシャフトとによってディスクの半径方向に案内されるようになっている。
【0003】
図6は光ピックアップ10をディスク(不図示)の半径方向に案内するために採用されているところの、主軸側走行案内機構Aと副軸側案内機構Bとを原理的に示した概略説明図である。同図の光ピックアップ10は、光学アクチュエータ(不図示)が組み付けられた光学ベース20に、主ガイドシャフト41に対応するガイド軸受21と、同じく円形断面の副ガイドシャフト42に対応するガイド軸受22が一体に設けられている。
【0004】
図6に示した主軸側案内機構Aにおいて、ガイド軸受21は円形の軸受孔23を備えていて、この軸受孔23に円形断面の主ガイドシャフト41ががたつきなく相対摺動自在に嵌合されている。これに対し、同図に示した副軸側案内機構Bにおいて、ガイド軸受22の軸受孔24は、光学ベース20の走行方向、言い換えると主ガイドシャフト41及び副ガイドシャフト42の軸線方向に直交する外側方向に向いて開いた窪み凹所によって形成されていて、そのような軸受孔24に副ガイドシャフト42が摺動自在に嵌合されている。そして、ガイド軸受22の軸線方向の側部位置(ガイド軸受22の軸線方向片側位置)で光学ベース20側に取り付けられたばね体50が副ガイドシャフト42をその径方向に弾圧していてることによって、窪み凹所でなる上記軸受孔24の壁面(上壁面)を副ガイドシャフト42に弾接させている。同図において、矢印Fは、軸受孔24の壁面を副ガイドシャフト42に弾接させている弾圧力の方向を示している。
【0005】
ここで説明した副軸側走行案内機構Bによると、ばね体50の弾圧力で軸受孔24の壁面が副ガイドシャフト42に常時弾接しているので、仮に、軸受孔24と副ガイドシャフト42との間に隙間が存在していても、そのことに関係なく、光ピックアップ10の走行が副ガイドシャフト42の軸線方向Y(図8参照)に円滑に案内される。
【0006】
図7は図6に示したばね体50として採用することのできる板ばねの概略斜視図、図8はばね体50として図7の板ばねが採用された光ピックアップ10を示している。
【0007】
従来例による光ピックアップ10の走行案内装置に採用されている上記副軸側走行案内機構Bには、図7に示した板ばねがばね体50として採用されている。同図の板ばねでなるばね体50は、細長い取付け片51の一端部に、上がり勾配を有する傾斜姿勢の作用片52が折返し状に連設されてなり、作用片52にはその長手方向に延びる膨出状の補強部53が形成されている。
【0008】
図8のように、光ピックアップ10は、光学ベース20に光学アクチュエータ30が組み付けられてなる。また、光学アクチュエータ30を挟む両側に、光学ベース20に一体に設けられた主軸側走行案内機構Aのガイド軸受21と副軸側走行案内機構Bのガイド軸受22とが備わっている。さらに、光学ベース20には、図7に示した形状の板ばねでなるばね体50が取り付けられている。図8によって理解することができるように、光学ベース20に取り付けられたばね体50は、傾斜姿勢の作用片52が、ガイド軸受22の軸受孔24(図6参照)を形成している窪み凹所の開口25側から奥行方向に向かう上がり勾配を有している。
【0009】
図8は、副軸側走行案内機構Bのガイド軸受22を、メカシャーシと呼ばれる固定側フレーム(不図示)に設置された副ガイドシャフト42に挿入させる工程を示している。この工程では、同図矢印Xのように、ガイド軸受22に外向きに形成されている窪み凹所の開口25を利用して、ガイド軸受22の軸受孔24(図6参照)に副ガイドシャフト42を径方向に挿入することが行われる。
【0010】
図9(A)(B)には一連の上記工程が説明的に示されている。同図(A)の状態では、ばね体50に備わっている傾斜姿勢の作用片52が、ガイド軸受22の軸受孔24を形成している窪み凹所の開口25側から奥行方向に向かう上がり勾配を有している。また、ガイド軸受2の軸受孔24の外向きの開口25が、副ガイドシャフト42にその半径方向から臨まされている。この状態から、矢印Xのように、光ピックアップ10のガイド軸受22の開口25を利用して、ガイド軸受22の軸受孔24に副ガイドシャフト42が径方向に挿入されて、同図(B)のように副ガイドシャフト42が軸受孔24に嵌合される。同図(B)の状態では、ばね体50の弾性に抗して副ガイドシャフト42が作用片52を押し下げる。したがって、作用片52の復元力によって矢印Fのように軸受孔24の壁面が副ガイドシャフト42に弾接される。
【0011】
上記の工程では、ガイド軸受22の軸受孔24に副ガイドシャフト42を径方向に挿入するときに、その副ガイドシャフト42が、ばね体50の傾斜姿勢の作用片52と摺接してその作用片52を押し下げながら軸受孔24に挿入される。したがって、当該工程でばね体50がじゃまになることはなく、また、ばね体50の作用片52を作業者が人為的に押し下げるという煩わしい操作を行う必要性もないので、その工程を円滑に無理なく行うことができる。
【0012】
ところで、光ピックアップ自体の組立工程やメンテナンス工程(両工程を指して組立工程という)では、その光学ベースの主軸側及び副軸側の各走行案内機構A,Bのガイド軸受21,22を利用して、光学ベース20を固定側の支持シャフトによって動かないように支えた状態で必要な作業を行うことがある。支持シャフトには上記した主ガイドシャフト41や副ガイドシャフト42と同一直径の丸棒を用いることができ、そのようにすることが、ガイド軸受21,22に支持シャフトをがたつきなく嵌合させる上で有利である。
【0013】
図10には上記組立工程で使われる固定側の一対の支持シャフト61,62と光ピックアップ10とを分解斜視図で示してある。また、図11(A)(B)は上記組立工程に先立って行われるガイド軸受22への支持シャフト62の一連の挿入工程を示した説明図である。
【0014】
上記挿入工程において、主軸側走行案内機構Aのガイド軸受21にその軸線方向Y1(図10参照)で一方側の支持シャフト61を挿入することは、何らの支障もなく行うことができる。
【0015】
しかしながら、図10又は図11(A)に示したところの、他方側の支持シャフト62と副軸側走行案内機構Bのガイド軸受22とばね体50の作用片52との3者の位置関係によって判るように、ガイド軸受22にその軸線方向Y2(図10参照)で支持シャフト62を挿入しようとすると、図11(B)のように、ガイド軸受22の側部位置でその軸受孔24を横切るように位置しているばね体50の作用片52に支持シャフト62の端部63が突き当たるためにその作用片52がじゃまになる。そのため、ばね体50の作用片52を、じゃまにならない位置まで作業者が人為的に押し下げた状態を作り出して、ガイド軸受22に支持シャフト62を挿入することが必要になる。
【0016】
一方、先行例として、光ピックアップの対物レンズを交換する際に、対物レンズのホルダーの孔部にロッド状の係合部を挿入させてそのホルダーを支えることが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。たの先行例として、対物レンズを保持するレンズホルダーでなるアクチュエータ可動部を変位可能に支持するための直線状サスペンションを、容易に精度を確保して架設するためのサスペンション架設装置が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。さらに他の先行例には、軸摺動式光ピックアップ装置の組立用治具についての記述がある(たとえば、特許文献3参照)。また、光ピックアップ部品であるマグネットの取付精度を高めるための研究なども行われている(たとえば、特許文献4、特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2006−107654号公報
【特許文献2】特開2003−162833号公報
【特許文献3】特開平10−27351号公報
【特許文献4】特開2001−118098号公報
【特許文献5】特開2005−332531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上記したように、従来例による光ピックアップの副軸側走行案内機構Bによると、図8又は図9(A)を参照して説明したように、ガイド軸受22の軸受孔24に副ガイドシャフト42を径方向に挿入するときには、副ガイドシャフト42がばね体50の傾斜姿勢の作用片52を押し下げながら軸受孔24に挿入されるので、ばね体50がじゃまになったり作用片52を変形させたりすることはない。しかし、図10又は図11(A)を参照して説明したように、ガイド軸受22にその軸線方向Y2(図10参照)で支持シャフト62を挿入しようとすると、ばね体50の作用片52に支持シャフト62の端部63が突き当たってその作用片52がじゃまになる。そのため、ばね体50の作用片52を、じゃまにならない位置まで作業者が人為的に押し下げた状態を作り出さねばならないという余分な作業が必要になったり、場合によっては、支持シャフト62の端部が作用片52に突き当たってその作用片を変形させてしまうという事態を引き起こすおそれがあった。
【0019】
本発明は以上の状況に鑑みてなされたものであり、図7に例示したような傾斜姿勢の作用片を有するばね体を用いることを基本として、副軸側走行案内機構のガイド軸受に対して副ガイドシャフトを径方向に挿入させることが可能であると共に、作業者がばね体の作用片の押し下げ操作を人為的に行ったり、支持シャフトの端部が作用片に突き当たるという事態を生じさせたりすることなく、ガイド軸受の軸線方向で支持シャフトをそのガイド軸受に円滑に挿入して嵌合させることが可能な光ピックアップの走行案内装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明に係る光ピックアップの走行案内装置は、記録媒体としてのディスクの記録面を走査する機能を備えた光ピックアップの光学ベースの走行を案内する主軸側走行案内機構及び副軸側案内機構を備えている。
【0021】
そして、副軸側案内機構が、上記光学ベースに設けられたガイド軸受と、このガイド軸受の軸受孔に相対摺動自在に嵌合された副ガイドシャフトをその径方向に弾圧することによって上記軸受孔の壁面を当該副ガイドシャフトに弾接させるためのばね体と、を有し、このばね体が上記ガイド軸受の軸線方向の側部位置で上記光学ベースに取り付けられている。また、上記軸受孔が、上記副ガイドシャフトを径方向に挿入可能な開口を有する窪み凹所によって形成され、上記ばね体が、窪み凹所の上記開口側から奥行方向に向かう上がり勾配を有して上記副ガイドシャフトに弾接される傾斜姿勢の作用片と、上記軸受孔にその軸線方向から挿入される支持シャフトの端部を摺接させる動作を通じて上記作用片を上記ばね体の弾性に抗して押し下げることにより、当該支持シャフトを上記作用片に乗り上がらせるガイド片と、を有する。
【0022】
この構成を備えた上記走行案内装置によると、副軸側走行案内機構のガイド軸受の軸受孔に副ガイドシャフトを径方向に挿入するときには、副ガイドシャフトがばね体の傾斜姿勢の作用片を押し下げながら軸受孔に円滑に挿入される。また、副軸側走行案内機構のガイド軸受の軸受孔に支持シャフトを軸線方向に挿入するときには、ガイド片に支持シャフトの端部が摺接する作用片をばね体の弾性に抗して押し下げる動作を通じて、当該支持シャフトをその作用片に乗り上がらせるので、作用片がじゃまになったり、作用片に支持シャフトの端部が突き当たってその作用片を変形させてしまうという事態が起こらない。また、作業者がばね体の作用片の押し下げ操作を人為的に行う必要もない。
【0023】
本発明では、上記作用片の幅方向片側の端縁部に上記ガイド片が先下がり形状に折曲げ形成されていることが望ましい。この構成を採用すると、ガイド片が作用片に一体に連設されていることにより、ガイド片を別部品で構成する必要がなくなって部品点数を増やさなくて済む。
【0024】
本発明では、上記ばね体が、上記光学ベースに固定された取付け片部と、この取付け片部の一端部から折返し状に延び出た上記作用片と、上記ガイド片と、を備えていることが望ましい。この構成であると、ばね体を、図8に示した従来例と同様の形態で光学ベースに取り付けることが可能になる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、副軸側走行案内機構のガイド軸受に対して副ガイドシャフトを径方向に円滑に挿入して嵌合させることが可能である。また、ばね体が傾斜姿勢の作用片を有しているにもかかわらず、作業者が作用片の押し下げ操作を人為的に行ったり、支持シャフトの端部が作用片に突き当たるという事態を生じたりすることなく、ガイド軸受の軸線方向で支持シャフトをそのガイド軸受に円滑に挿入して嵌合させることが可能であるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態に係る走行案内装置を備えた光ピックアップの概略斜視図である。
【図2】ばね体の斜視図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う部分の断面図である。
【図4】(A)(B)は副軸側走行案内装置のガイド軸受を副ガイドシャフトに挿入して嵌合させるための一連の工程を示した説明図である。
【図5】(A)(B)(C)(D)は光ピックアップの組立工程に先立って行われる支持シャフトの一連の挿入工程を示した説明図である。
【図6】光ピックアップの主軸側走行案内機構と副軸側案内機構とを原理的に示した概略説明図である。
【図7】図6のばね体として採用することのできる板ばねの概略斜視図である。
【図8】ばね体として図7の板ばねを採用した光ピックアップの概略斜視図である。
【図9】(A)(B)は副軸側走行案内装置のガイド軸受を副ガイドシャフトに挿入して嵌合するための一連の工程を示した説明図である。
【図10】支持シャフトと光ピックアップ10とを示した分解斜視図である。
【図11】(A)(B)は組立工程に先立って行われる支持シャフトの一連の挿入工程を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は本発明の実施形態に係る走行案内装置を備えた光ピックアップ10の概略斜視図である。また、図2はばね体50の斜視図、図3は図2のIII−III線に沿う部分の断面図である。さらに、図4(A)(B)は副軸側走行案内装置Bのガイド軸受22を副ガイドシャフト42に嵌合するための一連の工程を示した説明図であり、図5(A)(B)(C)(D)は光ピックアップ10の組立工程に先立って行われる支持シャフト61の一連の挿入工程を示した説明図である。
【0028】
図1のように、光ピックアップ10は、光学ベース20に光学アクチュエータ30が組み付けられてなる。また、光学アクチュエータ30を挟む両側に、光学ベース20に一体に設けられた主軸側走行案内機構Aのガイド軸受21と副軸側走行案内機構Bのガイド軸受22とが備わっている。光学ベース20には、図2に示した形状の板ばねでなるばね体50が取り付けられている。
【0029】
図2の板ばねでなるばね体50は、細長い取付け片51の一端部に、上がり勾配を有する傾斜姿勢の作用片52が折返し状に連設されてなる。そして、図3にも示したように、作用片52にはその長手方向に延びる膨出状の補強部53が形成されている。さらに、作用片52の幅方向片側の端縁部に舌片状のガイド片54が先下がり形状に折曲げ形成されている。図4(A)のように、ばね体50は、その取付け片部51が、ガイド軸受22の軸線方向の側部で、光学ベース20の取付け座部26に重ね合わせて取り付けられている。そして、そのばね体50の傾斜姿勢の作用片52が、ガイド軸受22の軸受孔24の側部で、その軸受孔24を形成している窪み凹所の開口25側から奥行方向に向かう上がり勾配を有している。
【0030】
図4(A)(B)を参照して副軸側走行案内機構Bのガイド軸受22を、メカシャーシと呼ばれる固定側フレーム(不図示)に設置された副ガイドシャフト42に挿入して嵌合させる挿入工程を説明する。
【0031】
この挿入工程では、図4(A)の矢印Xのように、ガイド軸受22に外向きに形成されている窪み凹所の開口25を利用して、ガイド軸受22の軸受孔24に副ガイドシャフト42を径方向に挿入することが行われる。この挿入工程では、ばね体50の弾性に抗して副ガイドシャフト42が傾斜姿勢の作用片52と摺接してその作用片52を押し下げながら軸受孔24に同図(B)のように円滑に挿入される。したがって、作用片52の復元力によって同図(B)の矢印Fのように軸受孔24の壁面がその軸受孔24に嵌合されている副ガイドシャフト42に弾接される。また、ガイド軸受22の軸受孔24に副ガイドシャフト42を挿入するときに、ばね体50がじゃまになることはなく、ばね体50の作用片52を作業者が人為的に押し下げるという煩わしい操作を行う必要もない。
【0032】
これに対し、光ピックアップ10の組立工程に先立って行われるガイド軸受22への支持シャフト62の一連の挿入工程は図5(A)〜(D)のように行われる。すなわち、ガイド軸受22の軸受孔24に図5(A)のように対向させた支持シャフト62を軸線方向に挿入するときには、図5(B)のようにばね体50のガイド片54に支持シャフト62の端部62が当接した後、その支持シャフト62がガイド片54に摺接し、ガイド片54と共に作用片52を図5(C)のようにばね体50の弾性に抗して押し下げて当該支持シャフト62が作用片52に乗り上がらる。そのため、支持シャフト62が図5(D)のようにガイド軸受22の軸受孔24に軸線方向で円滑に挿入されるようになり、作用片52がじゃまになったり、作用片52に支持シャフト61の端部62が突き当たってその作用片52を変形させてしまうという事態が起こらない。また、作業者がばね体の作用片の押し下げ操作を人為的に行う必要もない。
【0033】
図1〜図11では、説明の便宜上、同一又は相応する要素に同一符号を付してある。
【符号の説明】
【0034】
A 主軸側走行案内機構
B 副軸側走行案内機構
X 副ガイドシャフトの径方向
Y 副ガイドシャフトの軸線方向
Y2 ガイド軸受の軸線方向
10 光ピックアップ
20 光学ベース
22 ガイド軸受
24 軸受孔
25 窪み凹所の開口
42 副ガイドシャフト
50 ばね体
51 ガイド片
52 作用片
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体であるディスクの記録面を光学的に処理することに用いられる光ピックアップの走行案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の光ピックアップは、発光素子や受光素子、ミラー、その他の光学部品が組み付けられた光学ベースに、対物レンズや電磁駆動手段を備えた光学アクチュエータを取り付けることによって構成されている。一般的な光ピックアップでは、光学ベースの走行が主ガイドシャフトと副ガイドシャフトとによってディスクの半径方向に案内されるようになっている。
【0003】
図6は光ピックアップ10をディスク(不図示)の半径方向に案内するために採用されているところの、主軸側走行案内機構Aと副軸側案内機構Bとを原理的に示した概略説明図である。同図の光ピックアップ10は、光学アクチュエータ(不図示)が組み付けられた光学ベース20に、主ガイドシャフト41に対応するガイド軸受21と、同じく円形断面の副ガイドシャフト42に対応するガイド軸受22が一体に設けられている。
【0004】
図6に示した主軸側案内機構Aにおいて、ガイド軸受21は円形の軸受孔23を備えていて、この軸受孔23に円形断面の主ガイドシャフト41ががたつきなく相対摺動自在に嵌合されている。これに対し、同図に示した副軸側案内機構Bにおいて、ガイド軸受22の軸受孔24は、光学ベース20の走行方向、言い換えると主ガイドシャフト41及び副ガイドシャフト42の軸線方向に直交する外側方向に向いて開いた窪み凹所によって形成されていて、そのような軸受孔24に副ガイドシャフト42が摺動自在に嵌合されている。そして、ガイド軸受22の軸線方向の側部位置(ガイド軸受22の軸線方向片側位置)で光学ベース20側に取り付けられたばね体50が副ガイドシャフト42をその径方向に弾圧していてることによって、窪み凹所でなる上記軸受孔24の壁面(上壁面)を副ガイドシャフト42に弾接させている。同図において、矢印Fは、軸受孔24の壁面を副ガイドシャフト42に弾接させている弾圧力の方向を示している。
【0005】
ここで説明した副軸側走行案内機構Bによると、ばね体50の弾圧力で軸受孔24の壁面が副ガイドシャフト42に常時弾接しているので、仮に、軸受孔24と副ガイドシャフト42との間に隙間が存在していても、そのことに関係なく、光ピックアップ10の走行が副ガイドシャフト42の軸線方向Y(図8参照)に円滑に案内される。
【0006】
図7は図6に示したばね体50として採用することのできる板ばねの概略斜視図、図8はばね体50として図7の板ばねが採用された光ピックアップ10を示している。
【0007】
従来例による光ピックアップ10の走行案内装置に採用されている上記副軸側走行案内機構Bには、図7に示した板ばねがばね体50として採用されている。同図の板ばねでなるばね体50は、細長い取付け片51の一端部に、上がり勾配を有する傾斜姿勢の作用片52が折返し状に連設されてなり、作用片52にはその長手方向に延びる膨出状の補強部53が形成されている。
【0008】
図8のように、光ピックアップ10は、光学ベース20に光学アクチュエータ30が組み付けられてなる。また、光学アクチュエータ30を挟む両側に、光学ベース20に一体に設けられた主軸側走行案内機構Aのガイド軸受21と副軸側走行案内機構Bのガイド軸受22とが備わっている。さらに、光学ベース20には、図7に示した形状の板ばねでなるばね体50が取り付けられている。図8によって理解することができるように、光学ベース20に取り付けられたばね体50は、傾斜姿勢の作用片52が、ガイド軸受22の軸受孔24(図6参照)を形成している窪み凹所の開口25側から奥行方向に向かう上がり勾配を有している。
【0009】
図8は、副軸側走行案内機構Bのガイド軸受22を、メカシャーシと呼ばれる固定側フレーム(不図示)に設置された副ガイドシャフト42に挿入させる工程を示している。この工程では、同図矢印Xのように、ガイド軸受22に外向きに形成されている窪み凹所の開口25を利用して、ガイド軸受22の軸受孔24(図6参照)に副ガイドシャフト42を径方向に挿入することが行われる。
【0010】
図9(A)(B)には一連の上記工程が説明的に示されている。同図(A)の状態では、ばね体50に備わっている傾斜姿勢の作用片52が、ガイド軸受22の軸受孔24を形成している窪み凹所の開口25側から奥行方向に向かう上がり勾配を有している。また、ガイド軸受2の軸受孔24の外向きの開口25が、副ガイドシャフト42にその半径方向から臨まされている。この状態から、矢印Xのように、光ピックアップ10のガイド軸受22の開口25を利用して、ガイド軸受22の軸受孔24に副ガイドシャフト42が径方向に挿入されて、同図(B)のように副ガイドシャフト42が軸受孔24に嵌合される。同図(B)の状態では、ばね体50の弾性に抗して副ガイドシャフト42が作用片52を押し下げる。したがって、作用片52の復元力によって矢印Fのように軸受孔24の壁面が副ガイドシャフト42に弾接される。
【0011】
上記の工程では、ガイド軸受22の軸受孔24に副ガイドシャフト42を径方向に挿入するときに、その副ガイドシャフト42が、ばね体50の傾斜姿勢の作用片52と摺接してその作用片52を押し下げながら軸受孔24に挿入される。したがって、当該工程でばね体50がじゃまになることはなく、また、ばね体50の作用片52を作業者が人為的に押し下げるという煩わしい操作を行う必要性もないので、その工程を円滑に無理なく行うことができる。
【0012】
ところで、光ピックアップ自体の組立工程やメンテナンス工程(両工程を指して組立工程という)では、その光学ベースの主軸側及び副軸側の各走行案内機構A,Bのガイド軸受21,22を利用して、光学ベース20を固定側の支持シャフトによって動かないように支えた状態で必要な作業を行うことがある。支持シャフトには上記した主ガイドシャフト41や副ガイドシャフト42と同一直径の丸棒を用いることができ、そのようにすることが、ガイド軸受21,22に支持シャフトをがたつきなく嵌合させる上で有利である。
【0013】
図10には上記組立工程で使われる固定側の一対の支持シャフト61,62と光ピックアップ10とを分解斜視図で示してある。また、図11(A)(B)は上記組立工程に先立って行われるガイド軸受22への支持シャフト62の一連の挿入工程を示した説明図である。
【0014】
上記挿入工程において、主軸側走行案内機構Aのガイド軸受21にその軸線方向Y1(図10参照)で一方側の支持シャフト61を挿入することは、何らの支障もなく行うことができる。
【0015】
しかしながら、図10又は図11(A)に示したところの、他方側の支持シャフト62と副軸側走行案内機構Bのガイド軸受22とばね体50の作用片52との3者の位置関係によって判るように、ガイド軸受22にその軸線方向Y2(図10参照)で支持シャフト62を挿入しようとすると、図11(B)のように、ガイド軸受22の側部位置でその軸受孔24を横切るように位置しているばね体50の作用片52に支持シャフト62の端部63が突き当たるためにその作用片52がじゃまになる。そのため、ばね体50の作用片52を、じゃまにならない位置まで作業者が人為的に押し下げた状態を作り出して、ガイド軸受22に支持シャフト62を挿入することが必要になる。
【0016】
一方、先行例として、光ピックアップの対物レンズを交換する際に、対物レンズのホルダーの孔部にロッド状の係合部を挿入させてそのホルダーを支えることが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。たの先行例として、対物レンズを保持するレンズホルダーでなるアクチュエータ可動部を変位可能に支持するための直線状サスペンションを、容易に精度を確保して架設するためのサスペンション架設装置が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。さらに他の先行例には、軸摺動式光ピックアップ装置の組立用治具についての記述がある(たとえば、特許文献3参照)。また、光ピックアップ部品であるマグネットの取付精度を高めるための研究なども行われている(たとえば、特許文献4、特許文献5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2006−107654号公報
【特許文献2】特開2003−162833号公報
【特許文献3】特開平10−27351号公報
【特許文献4】特開2001−118098号公報
【特許文献5】特開2005−332531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
上記したように、従来例による光ピックアップの副軸側走行案内機構Bによると、図8又は図9(A)を参照して説明したように、ガイド軸受22の軸受孔24に副ガイドシャフト42を径方向に挿入するときには、副ガイドシャフト42がばね体50の傾斜姿勢の作用片52を押し下げながら軸受孔24に挿入されるので、ばね体50がじゃまになったり作用片52を変形させたりすることはない。しかし、図10又は図11(A)を参照して説明したように、ガイド軸受22にその軸線方向Y2(図10参照)で支持シャフト62を挿入しようとすると、ばね体50の作用片52に支持シャフト62の端部63が突き当たってその作用片52がじゃまになる。そのため、ばね体50の作用片52を、じゃまにならない位置まで作業者が人為的に押し下げた状態を作り出さねばならないという余分な作業が必要になったり、場合によっては、支持シャフト62の端部が作用片52に突き当たってその作用片を変形させてしまうという事態を引き起こすおそれがあった。
【0019】
本発明は以上の状況に鑑みてなされたものであり、図7に例示したような傾斜姿勢の作用片を有するばね体を用いることを基本として、副軸側走行案内機構のガイド軸受に対して副ガイドシャフトを径方向に挿入させることが可能であると共に、作業者がばね体の作用片の押し下げ操作を人為的に行ったり、支持シャフトの端部が作用片に突き当たるという事態を生じさせたりすることなく、ガイド軸受の軸線方向で支持シャフトをそのガイド軸受に円滑に挿入して嵌合させることが可能な光ピックアップの走行案内装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明に係る光ピックアップの走行案内装置は、記録媒体としてのディスクの記録面を走査する機能を備えた光ピックアップの光学ベースの走行を案内する主軸側走行案内機構及び副軸側案内機構を備えている。
【0021】
そして、副軸側案内機構が、上記光学ベースに設けられたガイド軸受と、このガイド軸受の軸受孔に相対摺動自在に嵌合された副ガイドシャフトをその径方向に弾圧することによって上記軸受孔の壁面を当該副ガイドシャフトに弾接させるためのばね体と、を有し、このばね体が上記ガイド軸受の軸線方向の側部位置で上記光学ベースに取り付けられている。また、上記軸受孔が、上記副ガイドシャフトを径方向に挿入可能な開口を有する窪み凹所によって形成され、上記ばね体が、窪み凹所の上記開口側から奥行方向に向かう上がり勾配を有して上記副ガイドシャフトに弾接される傾斜姿勢の作用片と、上記軸受孔にその軸線方向から挿入される支持シャフトの端部を摺接させる動作を通じて上記作用片を上記ばね体の弾性に抗して押し下げることにより、当該支持シャフトを上記作用片に乗り上がらせるガイド片と、を有する。
【0022】
この構成を備えた上記走行案内装置によると、副軸側走行案内機構のガイド軸受の軸受孔に副ガイドシャフトを径方向に挿入するときには、副ガイドシャフトがばね体の傾斜姿勢の作用片を押し下げながら軸受孔に円滑に挿入される。また、副軸側走行案内機構のガイド軸受の軸受孔に支持シャフトを軸線方向に挿入するときには、ガイド片に支持シャフトの端部が摺接する作用片をばね体の弾性に抗して押し下げる動作を通じて、当該支持シャフトをその作用片に乗り上がらせるので、作用片がじゃまになったり、作用片に支持シャフトの端部が突き当たってその作用片を変形させてしまうという事態が起こらない。また、作業者がばね体の作用片の押し下げ操作を人為的に行う必要もない。
【0023】
本発明では、上記作用片の幅方向片側の端縁部に上記ガイド片が先下がり形状に折曲げ形成されていることが望ましい。この構成を採用すると、ガイド片が作用片に一体に連設されていることにより、ガイド片を別部品で構成する必要がなくなって部品点数を増やさなくて済む。
【0024】
本発明では、上記ばね体が、上記光学ベースに固定された取付け片部と、この取付け片部の一端部から折返し状に延び出た上記作用片と、上記ガイド片と、を備えていることが望ましい。この構成であると、ばね体を、図8に示した従来例と同様の形態で光学ベースに取り付けることが可能になる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、副軸側走行案内機構のガイド軸受に対して副ガイドシャフトを径方向に円滑に挿入して嵌合させることが可能である。また、ばね体が傾斜姿勢の作用片を有しているにもかかわらず、作業者が作用片の押し下げ操作を人為的に行ったり、支持シャフトの端部が作用片に突き当たるという事態を生じたりすることなく、ガイド軸受の軸線方向で支持シャフトをそのガイド軸受に円滑に挿入して嵌合させることが可能であるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態に係る走行案内装置を備えた光ピックアップの概略斜視図である。
【図2】ばね体の斜視図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う部分の断面図である。
【図4】(A)(B)は副軸側走行案内装置のガイド軸受を副ガイドシャフトに挿入して嵌合させるための一連の工程を示した説明図である。
【図5】(A)(B)(C)(D)は光ピックアップの組立工程に先立って行われる支持シャフトの一連の挿入工程を示した説明図である。
【図6】光ピックアップの主軸側走行案内機構と副軸側案内機構とを原理的に示した概略説明図である。
【図7】図6のばね体として採用することのできる板ばねの概略斜視図である。
【図8】ばね体として図7の板ばねを採用した光ピックアップの概略斜視図である。
【図9】(A)(B)は副軸側走行案内装置のガイド軸受を副ガイドシャフトに挿入して嵌合するための一連の工程を示した説明図である。
【図10】支持シャフトと光ピックアップ10とを示した分解斜視図である。
【図11】(A)(B)は組立工程に先立って行われる支持シャフトの一連の挿入工程を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は本発明の実施形態に係る走行案内装置を備えた光ピックアップ10の概略斜視図である。また、図2はばね体50の斜視図、図3は図2のIII−III線に沿う部分の断面図である。さらに、図4(A)(B)は副軸側走行案内装置Bのガイド軸受22を副ガイドシャフト42に嵌合するための一連の工程を示した説明図であり、図5(A)(B)(C)(D)は光ピックアップ10の組立工程に先立って行われる支持シャフト61の一連の挿入工程を示した説明図である。
【0028】
図1のように、光ピックアップ10は、光学ベース20に光学アクチュエータ30が組み付けられてなる。また、光学アクチュエータ30を挟む両側に、光学ベース20に一体に設けられた主軸側走行案内機構Aのガイド軸受21と副軸側走行案内機構Bのガイド軸受22とが備わっている。光学ベース20には、図2に示した形状の板ばねでなるばね体50が取り付けられている。
【0029】
図2の板ばねでなるばね体50は、細長い取付け片51の一端部に、上がり勾配を有する傾斜姿勢の作用片52が折返し状に連設されてなる。そして、図3にも示したように、作用片52にはその長手方向に延びる膨出状の補強部53が形成されている。さらに、作用片52の幅方向片側の端縁部に舌片状のガイド片54が先下がり形状に折曲げ形成されている。図4(A)のように、ばね体50は、その取付け片部51が、ガイド軸受22の軸線方向の側部で、光学ベース20の取付け座部26に重ね合わせて取り付けられている。そして、そのばね体50の傾斜姿勢の作用片52が、ガイド軸受22の軸受孔24の側部で、その軸受孔24を形成している窪み凹所の開口25側から奥行方向に向かう上がり勾配を有している。
【0030】
図4(A)(B)を参照して副軸側走行案内機構Bのガイド軸受22を、メカシャーシと呼ばれる固定側フレーム(不図示)に設置された副ガイドシャフト42に挿入して嵌合させる挿入工程を説明する。
【0031】
この挿入工程では、図4(A)の矢印Xのように、ガイド軸受22に外向きに形成されている窪み凹所の開口25を利用して、ガイド軸受22の軸受孔24に副ガイドシャフト42を径方向に挿入することが行われる。この挿入工程では、ばね体50の弾性に抗して副ガイドシャフト42が傾斜姿勢の作用片52と摺接してその作用片52を押し下げながら軸受孔24に同図(B)のように円滑に挿入される。したがって、作用片52の復元力によって同図(B)の矢印Fのように軸受孔24の壁面がその軸受孔24に嵌合されている副ガイドシャフト42に弾接される。また、ガイド軸受22の軸受孔24に副ガイドシャフト42を挿入するときに、ばね体50がじゃまになることはなく、ばね体50の作用片52を作業者が人為的に押し下げるという煩わしい操作を行う必要もない。
【0032】
これに対し、光ピックアップ10の組立工程に先立って行われるガイド軸受22への支持シャフト62の一連の挿入工程は図5(A)〜(D)のように行われる。すなわち、ガイド軸受22の軸受孔24に図5(A)のように対向させた支持シャフト62を軸線方向に挿入するときには、図5(B)のようにばね体50のガイド片54に支持シャフト62の端部62が当接した後、その支持シャフト62がガイド片54に摺接し、ガイド片54と共に作用片52を図5(C)のようにばね体50の弾性に抗して押し下げて当該支持シャフト62が作用片52に乗り上がらる。そのため、支持シャフト62が図5(D)のようにガイド軸受22の軸受孔24に軸線方向で円滑に挿入されるようになり、作用片52がじゃまになったり、作用片52に支持シャフト61の端部62が突き当たってその作用片52を変形させてしまうという事態が起こらない。また、作業者がばね体の作用片の押し下げ操作を人為的に行う必要もない。
【0033】
図1〜図11では、説明の便宜上、同一又は相応する要素に同一符号を付してある。
【符号の説明】
【0034】
A 主軸側走行案内機構
B 副軸側走行案内機構
X 副ガイドシャフトの径方向
Y 副ガイドシャフトの軸線方向
Y2 ガイド軸受の軸線方向
10 光ピックアップ
20 光学ベース
22 ガイド軸受
24 軸受孔
25 窪み凹所の開口
42 副ガイドシャフト
50 ばね体
51 ガイド片
52 作用片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体としてのディスクの記録面を走査する機能を備えた光ピックアップの光学ベースの走行を案内する主軸側走行案内機構及び副軸側案内機構を備え、
副軸側案内機構が、上記光学ベースに設けられたガイド軸受と、このガイド軸受の軸受孔に相対摺動自在に嵌合された副ガイドシャフトをその径方向に弾圧することによって上記軸受孔の壁面を当該副ガイドシャフトに弾接させるためのばね体と、を有し、このばね体が上記ガイド軸受の軸線方向の側部位置で上記光学ベースに取り付けられている光ピックアップの走行案内装置において、
上記軸受孔が、上記副ガイドシャフトを径方向に挿入可能な開口を有する窪み凹所によって形成され、
上記ばね体が、窪み凹所の上記開口側から奥行方向に向かう上がり勾配を有して上記副ガイドシャフトに弾接される傾斜姿勢の作用片と、
上記軸受孔にその軸線方向から挿入される支持シャフトの端部を摺接させる動作を通じて上記作用片を上記ばね体の弾性に抗して押し下げることにより、当該支持シャフトを上記作用片に乗り上がらせるガイド片と、を有することを特徴とする光ピックアップの走行案内装置。
【請求項2】
上記作用片の幅方向片側の端縁部に上記ガイド片が先下がり形状に折曲げ形成されている請求項1に記載した光ピックアップの走行案内装置。
【請求項3】
上記ばね体が、上記光学ベースに固定された取付け片部と、この取付け片部の一端部から折返し状に延び出た上記作用片と、上記ガイド片と、を備えている請求項1又は請求項2に記載した光ピックアップの走行案内装置。
【請求項1】
記録媒体としてのディスクの記録面を走査する機能を備えた光ピックアップの光学ベースの走行を案内する主軸側走行案内機構及び副軸側案内機構を備え、
副軸側案内機構が、上記光学ベースに設けられたガイド軸受と、このガイド軸受の軸受孔に相対摺動自在に嵌合された副ガイドシャフトをその径方向に弾圧することによって上記軸受孔の壁面を当該副ガイドシャフトに弾接させるためのばね体と、を有し、このばね体が上記ガイド軸受の軸線方向の側部位置で上記光学ベースに取り付けられている光ピックアップの走行案内装置において、
上記軸受孔が、上記副ガイドシャフトを径方向に挿入可能な開口を有する窪み凹所によって形成され、
上記ばね体が、窪み凹所の上記開口側から奥行方向に向かう上がり勾配を有して上記副ガイドシャフトに弾接される傾斜姿勢の作用片と、
上記軸受孔にその軸線方向から挿入される支持シャフトの端部を摺接させる動作を通じて上記作用片を上記ばね体の弾性に抗して押し下げることにより、当該支持シャフトを上記作用片に乗り上がらせるガイド片と、を有することを特徴とする光ピックアップの走行案内装置。
【請求項2】
上記作用片の幅方向片側の端縁部に上記ガイド片が先下がり形状に折曲げ形成されている請求項1に記載した光ピックアップの走行案内装置。
【請求項3】
上記ばね体が、上記光学ベースに固定された取付け片部と、この取付け片部の一端部から折返し状に延び出た上記作用片と、上記ガイド片と、を備えている請求項1又は請求項2に記載した光ピックアップの走行案内装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−155812(P2012−155812A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−15954(P2011−15954)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
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