説明

光ピックアップ装置

【課題】光学部材を可動する電気部品を備える光ピックアップ装置であって、電気部品の使用によって発生する熱を放熱し易い構成を有する光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】光ピックアップ装置1は、光軸方向に移動するコリメートレンズを搭載する樹脂製のスライドベース2と、スライドベース2に取り付けられる金属製のOPUカバー11と、スライドベース2に固定配置され、コリメートレンズを可動するためのステッピングモータ21と、を備える。OPUカバー11には、その一部が折り曲げられて折曲部11aが形成され、折曲部11aはステッピングモータ21と当接している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光記録媒体に光ビームを照射して情報の読み取りや書き込みを可能とする光ピックアップ装置に関し、より詳細には、電気部品によって可動する光学部材を備える光ピックアップ装置の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
コンパクトディスク(以下、CDという。)やデジタル多用途ディスク(以下、DVDという。)といった光記録媒体が普及している。更に、近年、光記録媒体に記録される情報量を増やすための研究が進められ、例えば、高品位のDVDであるHD−DVDやブルーレイディスク(以下、BDという。)といった光記録媒体も実用化され始めている。このような光記録媒体からの情報の読み取りや光記録媒体への情報の書き込みは、光ピックアップ装置を用いて行われる。
【0003】
ところで、光記録媒体の中には、記録される情報量を増やすために記録層を複数有するものがある。このような光記録媒体に対して光ピックアップ装置を用いて情報の読み取りや書き込みを行う場合、記録層毎に記録層を保護する透明カバー層の厚みが異なるために、球面収差の発生が問題となる。
【0004】
また、複数種類の光記録媒体に対応する光ピックアップ装置においても、光記録媒体の種類によって記録層を保護する透明カバー層の厚みが異なるために、球面収差の発生が問題となる場合がある。なお、透明カバー層の厚みをCD、DVD、BDの場合を例に示すと、例えば、CDではその厚みは1.2mmで、DVDでは0.6mm、BDでは0.1mmである。
【0005】
以上に述べた球面収差の問題は、開口数(NA)の大きな対物レンズが使用される青色系光源(青紫色も含む)を用いた光ピックアップ装置で特に問題となりやすく、近年、球面収差を適切に補正できる光ピックアップ装置に対する要望が強くなっている。このようなこともあり、従来、球面収差を補正する手段を備える光ピックアップ装置について種々の提案がなされている。
【0006】
従来提案される球面収差の補正手段として、例えば、コリメートレンズを光軸方向に移動可能に設け、光源から出射された光ビームの収束又は発散状態を変化させて対物レンズに入射させることにより、球面収差の補正を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。この構成の場合、光学部材の増加を抑制して球面収差の補正を行える等の利点がある。
【0007】
しかしながら、この構成の場合、コリメートレンズを光軸方向に移動させる手段として、例えばステッピングモータ等の電気部品が必要となるために、次のような問題が生じる。すなわち、モータ等の電磁力によってトルクを発生させる電気部品は、駆動時に熱を発生する(特に、電気部品としてステッピングモータを用いる場合、駆動時に発生する熱は大きい)。そして、電気部品の使用によって熱が発生した場合、光ピックアップ装置の光学系を構成する光学部材は、コリメートレンズを駆動する電気部品(ステッピングモータ等)と同じベースに配置されるために、電気部品による発熱の影響を受け易い。その結果、光学部品は、熱応力によって撓みを生じたり、位置ずれを生じたりする。近年においては、低コスト化の要請から光学部材が樹脂によって形成される場合が多々あり、電気部品の使用によって発生する熱が及ぼす影響は大きい。
【0008】
なお、モータに由来する発熱の問題については、光ディスクを回転させるスピンドルモータに対する対策や光ピックアップを移動させる駆動力を発生するフィードモータに対する対策が従来提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。しかし、光学部材と同じベースにモータ(電気部品)が固定配置される光ピックアップ装置について、モータの発熱による光学部品への影響を改善する構成については従来報告がなく、その改善が要求されるところである。
【特許文献1】特開2005−327396号公報
【特許文献2】特開2003−30922号公報
【特許文献3】特開2006−294187号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上の点を鑑みて、本発明の目的は、光学部材を可動する電気部品を備える光ピックアップ装置であって、電気部品の使用によって発生する熱を放熱し易い構成を有する光ピックアップ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、可動する光学部材を搭載するベースと、前記ベースに取り付けられる金属カバーと、前記ベースに固定配置され、前記光学部材を可動するための電気部品と、を備える光ピックアップ装置において、前記ベースは樹脂によって形成され、前記金属カバーは、前記電気部品と当接するか、或いは熱伝導性部材を介して前記電気部品に接続されることを特徴としている。
【0011】
この構成によれば、電気部品が金属カバーと当接するか、或いは熱伝導部材を介して金属カバーに接続されるために、電気部品で発生した熱を金属カバーに放熱し易い。このために、電気部品の使用により発生する熱によって、光ピックアップ装置が備える光学部材に悪影響を及ぼすことを抑制できる。
【0012】
また、本発明は、上記構成の光ピックアップ装置において、前記金属カバーには、その一部が折り曲げられて折曲部が形成され、前記折曲部が前記電気部品と当接するようにしても良い。これにより、部品点数を増加することなく、電気部品で発生した熱を金属カバーに放熱し易い構成を実現できる。
【0013】
また、本発明は、上記構成の光ピックアップ装置において、前記折曲部はバネ性を有するように形成され、前記電気部品は、前記折曲部によって押圧されることとしても良い。この構成によれば、電気部品で発生する熱を放熱し易くするために設けられる折曲部に、電気部品を固定する機能も与えることができ、装置全体として部品点数の増加の抑制を図れる。
【0014】
また、本発明は、上記構成の光ピックアップ装置において、前記電気部品は、ステッピングモータであることとしても良い。可動する光学部材の制御が行い易いために、光ピックアップ装置には、ステッピングモータが搭載されることがある。しかし、ステッピングモータは、使用時の発熱量が多いという問題がある。この点、本発明の構成によれば、ステッピングモータの使用により発生する熱を放熱し易く、光学部材に悪影響を与える可能性を低下できる。
【0015】
また、本発明は、上記構成の光ピックアップ装置において、前記光学部材は、コリメートレンズであることとしても良い。球面収差を補正するために、コリメートレンズを光軸方向に移動させる構成が採用される場合があるが、この場合、例えばステッピングモータ等の電気部品が搭載される。このような場合でも、本発明の構成によれば、電気部品の使用により発生する熱を放熱し易い構成とでき、光学部材に悪影響を与える可能性を低下できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、光学部材を可動する電気部品を備える光ピックアップ装置であって、電気部品の使用によって発生する熱を放熱し易い構成を有する光ピックアップ装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の光ピックアップ装置の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
本実施形態の光ピックアップ装置は、光ディスク(光記録媒体)にレーザ光を照射することによって、情報の読み取り及び書き込みを可能とする装置である。図1から図5は、本実施形態の光ピックアップ装置の構成を説明するための図である。詳細には、図1は、本実施形態の光ピックアップ装置の構成を示す概略平面図である。図2は、図1に示される光ピックアップ装置をA−A位置で切断した概略断面図である。図3は、図1に示す光ピックアップ装置を裏面側から見た場合の構成を示す概略斜視図である。図4は、図3に示される光ピックアップ装置について、OPUカバーを取り外した場合の図である。図5は、光ピックアップ装置が備えるレンズ駆動ユニットの構成を示す概略平面図である。
【0019】
なお、図1から図4を示すにあたって、本発明の構成と直接関係がないために、対物レンズ及び対物レンズを搭載する対物レンズアクチュエータについてはその記載を省略している。ここで、対物レンズアクチュエータは、レンズホルダに対物レンズを搭載して、レンズホルダと共に対物レンズをフォーカス方向やトラッキング方向に移動可能とする公知のアクチュエータのことである。
【0020】
図1から図4に示すように、本実施形態の光ピックアップ装置1は、大きくは、スライドベース2と、2つのレーザダイオード3a、3bと、フォトディテクタ10と、レーザダイオード3a、3bから出射されたレーザ光を光ディスクへと導くとともに、光ディスクで反射されたレーザ光をフォトディテクタ10へと導く光学系を構成する光学部材と、光学部材のうちの1つであって可動するレンズを駆動するためのレンズ駆動ユニット20と、OPU(光ピックアップ)カバー11と、を備える。
【0021】
スライドベース2は樹脂によって形成されており、レーザダイオード3a、3bと光学部材と、レンズ駆動ユニット20と、フォトディテクタ10と、が取り付けられる。また、スライドベース2には、図示しない2本のガイドシャフト(光ディスクの半径方向に平行配置される)に沿って光ピックアップ装置1が摺動できるように、貫通孔又は切り欠きが形成されたガイドシャフト支持部2a、2bが左右に(例えば図1及び図2参照)形成されている。
【0022】
なお、ガイドシャフトに沿った光ピックアップ装置1の移動は、ラックとピニオンの関係を用いてモータの回転を光ピックアップ装置1の移動に利用する公知の構成であり、ここではその説明は省略する。
【0023】
本実施形態の光ピックアップ装置1においては、2つのレーザダイオード3a、3bが配置される。第1レーザダイオード3aは波長405nm帯のBD用のレーザ光を出射する光源部である。第2レーザダイオード3bは、波長650nm帯のDVD用のレーザ光と、波長780nm帯のCD用のレーザ光とを、切り換えて出射可能な2波長対応の光源部である。上述のように、2つのレーザダイオード3a、3bはスライドベース2に取り付けられる。
【0024】
なお、本実施形態では、光ピックアップ装置1がBD、DVD、CDの3つの光ディスクに対応する場合を例に示している。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、光ピックアップ装置が備えるレーザダイオードの数やレーザダイオードから出射されるレーザ光の波長については、目的に合わせて適宜変更しても構わない。
【0025】
スライドベース2上に固定配置される光学部材には、例えば図2に示すように、ダイクロイックプリズム4と、ビームスプリッタ5と、コリメートレンズ6と、液晶素子7と、立ち上げミラー8と、が含まれる。なお、ここで示したスライドベース2上に配置される光学部材は一例であり、本発明の目的を逸脱しない範囲で、当然、種々の変更が可能である。
【0026】
第1レーザダイオード3aから出射されたレーザ光は、ダイクロイックプリズム4で反射され、第2レーザダイオード3bから出射されたレーザ光は、ダイクロイックプリズム4を透過する。ダイクロイックプリズム4から出射されたレーザ光は、ビームスプリッタ5を透過し、入射するレーザ光を平行光に変換する機能を有するコリメートレンズ6に入射する。
【0027】
光ピックアップ装置1においては、コリメートレンズ6は光軸方向(図2の左右方向)に移動可能となっている。これは、本実施形態の光ピックアップ装置1は、複数の記録層を有する多層光ディスクの記録再生や、透明カバー層の厚みが異なる複数種類の光ディスクの記録再生を行えるようになっており、上述した球面収差の補正を行えるように構成する必要があるからである。光ピックアップ装置1では、コリメートレンズ6を光軸方向の位置を移動することによって対物レンズに入射するレーザ光の収束又は発散状態を変化させて、球面収差の補正が行えるようになっている。
【0028】
コリメートレンズ6の光軸方向の移動は、図4に示すレンズ駆動ユニット20によって行われる。レンズ駆動ユニット20は、モータを利用してコリメートレンズ6を光軸方向に移動できる構成であれば、その構成について特に限定されるものではないが、例えば、図5に示すように構成される。
【0029】
図5に示されるように、レンズ駆動ユニット20は、ステッピングモータ21と、スクリュシャフト22と、リードナット23と、ガイドシャフト24と、スライド部25と、連結部26と、レンズ保持部27と、を備える。なお、スライド部25と、連結部26と、レンズ保持部27と、は樹脂によって一体的に形成されている。また、ステッピングモータ21と、ガイドシャフト24は、レンズ駆動ユニット20のユニットベース(図示せず)に固定される。また、図示しないが、レンズ駆動ユニット20には、ステッピングモータ21による位置調整の基準位置が検出できるようにフォトインタラプタを備えている。
【0030】
スクリュシャフト22は、ステッピングモータ21に直接接続されている。勿論、スクリュウシャフト22を、複数の歯車を介してステッピングモータ21に接続する構成としても構わない。スクリュシャフト22は、スライド部25に取り付けられるリードナット23と噛合しており、スクリュウシャフト22の回転により、スライド部25が移動する。上述のように、スライド部25と連結部26と、コリメートレンズ6を保持するレンズ保持部27とは一体的に形成されており、スライド部25の移動に伴ってコリメートレンズ6が移動する。
【0031】
なお、ステッピングモータ21は、パルス列に応じて微小回転角での位置決め制御ができるために、コリメートレンズ6の位置の調整に適しているが、ステッピングモータ21は、駆動時に大きな発熱を伴う。このために、ステッピングモータ21における発熱による光学部品への影響が問題となるが、本実施形態の光ピックアップ装置1では、ステッピングモータ21で発生した熱を放熱し易い構成となっている。これについては、後述する。
【0032】
コリメートレンズ6を出射したレーザ光は、液晶素子7に入射する。液晶素子7は、液晶と、液晶を挟む2枚の透明電極(いずれも図示せず)と、を備える。液晶素子7は、透明電極に所定の電極パターンが形成されており、透明電極に印加する電圧を調整することで、入射するレーザ光の位相分布を調整可能となっている。光ピックアップ装置1においては、液晶素子7は、コマ収差及び非点収差の補正を行うために備えられている。
【0033】
液晶素子7から出射されたレーザ光は、立ち上げミラー8によって反射されて、その進行方向を光ディスクの記録層と直交する方向に変換される。立ち上げミラー8で反射されたレーザ光は、スライドベース2に形成される貫通孔9(図1参照)を通過して、図示しない対物レンズに入射し、対物レンズによって光ディスクの記録層に集光される。
【0034】
一方、光ディスクで反射されたレーザ光は、対物レンズ、立ち上げミラー8、液晶素子7、コリメートレンズ6の順に通過し、ビームスプリッタ5で反射されて、フォトディテクタ10の図示しない受光領域に集光する。フォトディテクタ10は、入射した光情報を電気信号に変換して出力する。出力された信号は、処理されて再生信号、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号等となる。
【0035】
OPUカバー11は、スライドベース2に固定配置される光学部材に対する防塵対策や迷光対策等を目的として設けられ、スライドベース2に固定状態で取り付けられる。また、本実施形態の光ピックアップ装置1においては、OPUカバー11は金属から成り、ステッピングモータ7で発生する熱を放熱し易い構成となっている。以下、OPUカバー11における、ステッピングモータ7で発生する熱を放熱し易くする構成について説明する。
【0036】
図3を参照して、OPUカバー11は、ステッピングモータ21と対向する部分近傍について、略コの字状の切り込みを入れられ、OPUカバー11の一部がステッピングモータ21側に折り曲げられた状態となっている。OPUカバー11の一部が折り曲げられて形成された折曲部11aは、ステッピングモータ21と当接した状態となっている。このために、ステッピングモータ21で発生する熱は、折曲部11aによってOPUカバー11に伝導され、ステッピングモータ21で発生する熱を放熱し易くなっている。
【0037】
なお、ステッピングモータ21が設けられる位置は、光学部材から離れた位置としているために、折曲部11aを形成することによってOPUカバー11にできる穴も光学部材から離れた位置となっている。このために、折曲部11aを形成することにより、OPUカバー11の一部に穴が開くことになるが、防塵対策や迷光対策といったOPUカバー11の機能をあまり低下させない。
【0038】
以上のように、本実施形態の光ピックアップ装置1においては、ステッピングモータ21を使用することによって発生する熱を、OPUカバー11の折曲部11aを通じて逃がしやすい構成となっている。このために、スライドベース2が樹脂で形成され、ステッピングモータ21と光学部材とがスライドベース2に搭載される構成であるにもかかわらず、光学部材が熱による悪影響を受け難い構成となっている。
【0039】
以上に示した実施形態は一例であり、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0040】
本実施形態の光ピックアップ装置1では、OPUカバー11の折曲部11aは、単にステッピングモータ21と当接する構成としている。しかし、折曲部11aに、バネ性を与え、更なる機能を与える構成としても良い。すなわち、図6に示すように、バネ性を有する折曲部11aについて、ステッピングモータ21をモータ取り付け部(例えば、スライドベース2に形成される)に押し付ける機能を有するように構成しても良い。このように構成することで、折曲部11aの作用によって、ステッピングモータ21を取り付け位置に確実に固定することが可能となる。
【0041】
本実施形態においては、ステッピングモータ21はレンズ駆動ユニット20の部品の一部として、レンズ駆動ユニット20にビス止め固定されている。そして、レンズ駆動ユニット20をスライドベース2に固定することでステッピングモータ21をスライドベース2に固定配置する構成となっている。この構成の場合、上述のように折曲部11aにバネ性を持たせる構成とする効果は、必ずしも大きなものではない。しかし、低コスト化等の目的により、レンズ駆動ユニット20を構成する部品を、スライドベース20に直接的に取り付けることが考えられる。このような構成の場合には、OPUカバー11の折曲部11aにバネ性を持たせて、ステッピングモータ21を固定する機能を付与する利点は大きい。
【0042】
なお、図6は、本実施形態の光ピックアップ装置の変形例を説明するための図で、OPUカバー11とステッピングモータ21との関係を模式的に示した模式図である。また、折曲部11aの形状調整や材質選択等によって、折曲部11aのバネ性は得られる。
【0043】
また、本実施形態においては、OPUカバー11の一部を折り曲げて折曲部11aを形成し、折曲部11aとステッピングモータ21とを当接させることによって、ステッピングモータ21で発生した熱をOPUカバー11に放熱し易い構成としている。しかし、本発明はこの構成に限定される趣旨ではない。すなわち、OPUカバー11とステッピングモータ21との間に、金属製の熱伝導性部材を配置してOPUカバー11とステッピングモータが熱伝導性部材を介して接続される構成等としても構わない。この場合も、ステッピングモータ21で発生した熱をOPUカバー11に放熱し易い構成とすることができる。なお、OPUカバー11とステッピングモータ21との位置関係が近い場合には、金属性の熱伝導性部材に代えて、熱伝導性の接着剤やグリース等の樹脂を用いても構わない。
【0044】
その他、本実施形態においては、ステッピングモータ21によって可動する光学部材がコリメートレンズ6である場合を例に説明したが、本発明が適用される範囲はこの構成に限定されない。すなわち、例えば、ステッピングモータを用いてエキスパンダレンズを可動するような場合等にも本発明は適用可能である。
【0045】
また、本実施形態においては、光学部材を可動させるために用いる電気部品がステッピングモータである場合を例に説明したが、DCモータやその他の熱を発生する電気部品を用いて光学部材を可動させる構成を有する光ピックアップ装置に対しても、本発明は適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明によれば、光学部材を可動する電気部品を備える光ピックアップ装置において、電気部品で発生する熱によって光学部材が受ける悪影響を抑制でき、有用である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】は、本実施形態の光ピックアップ装置の構成を示す概略平面図である。
【図2】は、図1に示される光ピックアップ装置をA−A位置で切断した概略断面図である。
【図3】は、図1に示す光ピックアップ装置を裏面側から見た場合の構成を示す概略斜視図である。
【図4】は、図3に示される光ピックアップ装置について、OPUカバーを取り外した場合の図である。
【図5】は、光ピックアップ装置が備えるレンズ駆動ユニットの構成を示す概略平面図である。
【図6】は、本実施形態の光ピックアップ装置の変形例を説明するための図で、OPUカバーとステッピングモータとの関係を模式的に示した模式図である。
【符号の説明】
【0048】
1 光ピックアップ装置
2 スライドベース
6 コリメートレンズ(可動する光学部材)
11 OPUカバー(金属カバー)
11a 折曲部
21 ステッピングモータ(電気部品)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動する光学部材を搭載するベースと、
前記ベースに取り付けられる金属カバーと、
前記ベースに固定配置され、前記光学部材を可動するための電気部品と、
を備える光ピックアップ装置において、
前記ベースは樹脂によって形成され、
前記金属カバーは、前記電気部品と当接するか、或いは熱伝導性部材を介して前記電気部品に接続されることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項2】
前記金属カバーには、その一部が折り曲げられて折曲部が形成され、
前記折曲部が前記電気部品と当接することを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
【請求項3】
前記折曲部はバネ性を有するように形成され、
前記電気部品は、前記折曲部によって押圧されることを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ装置。
【請求項4】
前記電気部品は、ステッピングモータであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
【請求項5】
前記光学部材は、コリメートレンズであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光ピックアップ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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