光ファイバー照明装置
【課題】光ファイバー織物の発光ムラを低減することができる光ファイバー照明装置を提供する。
【解決手段】よこ糸として光ファイバー11を少なくとも部分的に含み普通糸12と共に織られた光ファイバー織物13と、光ファイバー11の少なくとも一端部に光を照射する光源14とを備え、光源14からの光を光ファイバー11内に入光させることにより、光ファイバー織物13が照明装置として機能する光ファイバー照明装置10であって、光ファイバー11は、普通糸12の間に所定の間隔で規則的に織り込まれ、且つ光源14からの光が入光したとき、最も高い発光輝度が最も低い発光輝度の所定倍以上となるよう設定されている。
【解決手段】よこ糸として光ファイバー11を少なくとも部分的に含み普通糸12と共に織られた光ファイバー織物13と、光ファイバー11の少なくとも一端部に光を照射する光源14とを備え、光源14からの光を光ファイバー11内に入光させることにより、光ファイバー織物13が照明装置として機能する光ファイバー照明装置10であって、光ファイバー11は、普通糸12の間に所定の間隔で規則的に織り込まれ、且つ光源14からの光が入光したとき、最も高い発光輝度が最も低い発光輝度の所定倍以上となるよう設定されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバーと普通糸とが織り込まれた光ファイバー織物に、照明機能を持たせた光ファイバー照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の光ファイバー照明装置として、光ファイバーと普通糸とが織り込まれた光ファイバー織物が設けられ、当該光ファイバー織物の光ファイバー端部から光を入光させる一方、織物組織の中で光ファイバーが屈曲したときに、光ファイバー内部の光を外部へ漏洩させ、これにより、光ファイバー織物が発光するよう構成された繊維織物照明装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2004−506106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、単純に光ファイバーと普通糸とを織り込んだだけで、光ファイバー織物の発光状態についてはまったく考慮されてなく、その結果、光ファイバー織物の発光にムラ(発光ムラ)が生じるという問題がある。
【0005】
本発明の課題は、光ファイバー織物の発光ムラを低減することができる光ファイバー照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、光ファイバーと普通糸を規則的に織り込み、発光輝度及び織組織を所定の状態に制御することにより、光ファイバー織物の発光ムラを低減することができることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明の光ファイバー照明装置は、たて糸又はよこ糸として光ファイバーを少なくとも部分的に含み普通糸と共に織られた光ファイバー織物と、前記光ファイバーの少なくとも一端部に光を照射する光源とを備え、前記光源からの光を前記光ファイバー内に入光させることにより、前記光ファイバー織物が照明装置として機能するよう構成されている。
【0008】
そして、本発明の光ファイバー照明装置にあっては、前記光ファイバーは、前記普通糸の間に所定の間隔で規則的に織り込まれ、且つ前記光源からの光が入光したとき、最も高い発光輝度が最も低い発光輝度の所定倍以上となるよう設定されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、たて糸又はよこ糸に光ファイバーと普通糸とが所定の間隔で規則的に織り込まれ、且つ光ファイバーは、光源からの光が入光したとき、最も高い発光輝度が最も低い発光輝度の所定倍以上となるよう設定されているので、光ファイバー織物の発光ムラを効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る光ファイバー照明装置の全体構成を示す図である。
【図2】発光輝度測定のためにマスキングテープを貼り付けたときの光ファイバー織物の平面図である。
【図3】発光輝度を測定している様子を示す図である。
【図4】光ファイバー織物の幅方向における発光状態を示す図である。
【図5】周波数解析によって発光状態の規則性について評価するための図である。
【図6】光ファイバー織物の表面をデジタルマイクロスコープで観察したときの図である。
【図7】実施例1を示しており、光ファイバー織物の幅方向における発光強度の測定結果を示す図である。
【図8】実施例2を示しており、光ファイバー織物の幅方向における発光強度の測定結果を示す図である。
【図9】実施例3を示しており、光ファイバー織物の幅方向における発光強度の測定結果を示す図である。
【図10】実施例4を示しており、光ファイバー織物の幅方向における発光強度の測定結果を示す図である。
【図11】実施例5を示しており、光ファイバー織物の幅方向における発光強度の測定結果を示す図である。
【図12】実施例6を示しており、光ファイバー織物の幅方向における発光強度の測定結果を示す図である。
【図13】比較例1を示しており、光ファイバー織物の幅方向における発光強度の測定結果を示す図である。
【図14】比較例2を示しており、光ファイバー織物の幅方向における発光強度の測定結果を示す図である。
【図15】実施例1を示しており、周波数解析によって発光状態の規則性についての評価結果を示す図である。
【図16】実施例2を示しており、周波数解析によって発光状態の規則性についての評価結果を示す図である。
【図17】実施例3を示しており、周波数解析によって発光状態の規則性についての評価結果を示す図である。
【図18】実施例4を示しており、周波数解析によって発光状態の規則性についての評価結果を示す図である。
【図19】実施例5を示しており、周波数解析によって発光状態の規則性についての評価結果を示す図である。
【図20】実施例6を示しており、周波数解析によって発光状態の規則性についての評価結果を示す図である。
【図21】比較例1を示しており、周波数解析によって発光状態の規則性についての評価結果を示す図である。
【図22】比較例2を示しており、周波数解析によって発光状態の規則性についての評価結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例を図面に従って説明する。
【実施例】
【0012】
図1は本発明に係る光ファイバー照明装置の全体構成を示す図である。図1に示すように、光ファイバー照明装置10は、よこ糸として光ファイバー11を少なくとも部分的に含み普通糸12と共に織られた光ファイバー織物13と、光ファイバー11の一端部に光を照射する光源としてのLED光源14とを備え、LED光源14からの光を光ファイバー11内に入光させることにより、光ファイバー織物13が照明装置として機能するよう構成されている。なお、光ファイバー11の端部(図1において左側端部)は光ファイバー織物13から引き出された状態となっている。また、普通糸12は、よこ糸及びたて糸を含む総称である。
【0013】
光ファイバー11は、光ファイバー自体が芯(コア)と鞘(クラッド)の二層構造から成り、芯と鞘の屈折率の差により導光できるようになっている。このような光ファイバー11は公知であり、例えば、石英系光ファイバー、多成分系光ファイバー及びプラスチック光ファイバーなどを挙げることができる。また、普通糸12としては、例えば、羊毛、綿、麻などの天然繊維や、ポリエステル合成繊維、ポリアミド合成繊維などの化学繊維を挙げることができる。
【0014】
ここで、石英系光ファイバーは、石英ガラスを主体とした光ファイバーであり、芯としてゲルマニウム(Ge)やリン(P)が予め添加された石英ガラスが、鞘としてホウ素(B)やフッ素(F)が予め添加された石英ガラスがそれぞれ使用されている。なお、ゲルマニウムやリンは屈折率を上げる目的で添加され、逆にホウ素やフッ素は屈折率を下げる目的で添加される。
【0015】
多成分系光ファイバーは、主にソーダ石灰、ガラス、ホウ硅ガラスなどを主成分とした光ファイバーであり、ナトリウム(Na)やカルシウム(Ca)などのアルカリ金属が予め添加されている。
【0016】
プラスチック光ファイバーは、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂など、様々な樹脂を芯にしたものがあるが、光の透過率と耐熱性の観点から、メチルメタクリレートを主体とした重合体を芯とし、それよりも屈折率の低い樹脂を鞘としたポリメチルメタクリレート(PMMA)系のプラスチック光ファイバーが好ましい。メチルメタクリレートを主体とした重合体とは、メチルメタクリレートのホモポリマーやメチルメタクリレートと他のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの共重合体である。また、鞘としては、ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレン共重合体や、ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロペン共重合体や、ビニリデンフルオライドとトリフルオロエチレン共重合体や、ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロアセトンとトリフルオロエチレン共重合体や、ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロアセトン共重合体など、ビニリデンフルオライド系樹脂やフルオロアルキルメタクリレートを構成モノマーとして含む樹脂などを挙げることができる。
【0017】
光ファイバー11は、その直径が0.1〜10mm程度のものがあるが、発光ムラの低減、作業性または汎用性の観点から、直径0.1〜1mmのものが好ましい。
【0018】
本実施例の光ファイバー照明装置10においては、LED光源14の光を光ファイバー11に導光させるために、光ファイバー11の先端部に導光用筒体15が設けられている。導光用筒体15は円筒状を成し、その一端部(図において右側端部)に、複数本の光ファイバー11がリング状に束ねられ固定されている。導光用筒体15の内径は、リング状に束ねられた複数本の光ファイバー11のリング外径にほぼ等しく形成されている。そして、リング状に束ねられた部分が導光用筒体15の一端に挿入(圧入)されて、光ファイバー11は導光用筒体15の一端部に固定されている。
【0019】
導光用筒体15の他端部はLED光源14に対向配置されており、LED光源14は導光用筒体15に向けて光を照射する。これにより、LED光源14からの光が光ファイバー11の内部に入光される。
【0020】
導光用筒体15としては、従来公知の材料及び構造を使用することができる。導光用筒体15を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)樹脂やポリプロピレン(PP)樹脂などを含むポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリエステル(PES)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール(PF)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂など樹脂材料や鉄鋼材料、アルミニウム合金、マグネシウム合金、銅合金、チタン合金など金属材料、炭素繊維やアラミド繊維、ガラス繊維など強化繊維を用いた成形材料、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、エチレン・プロピレンゴム(EPDM)などゴム材料等を挙げることができる。これらの構成材料のうち、樹脂材料や金属材料が好ましい。
【0021】
上記金属材料の具体的な例としては、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、カドミウム(Cd)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)などを主成分する金属や合金、さらにはこれら金属の2種類以上を含む合金などが挙げられる。
【0022】
光ファイバー織物13を製造する方法として、たて糸に発光輝度の低い普通糸を配置し、よこ糸に光ファイバー11を、当該光ファイバー11間に所定の間隔(以下、光ファイバー間隔という)を開けて配置する。その際、光ファイバー間に輝度の低い普通糸を交互に配置し、これらのたて糸とよこ糸により織ることで、光ファイバー間隔を制御する。また、上記方法で光ファイバー織物13を製造した後に、普通糸を引き抜くことによっても光ファイバー間隔を制御することができる。さらに、光ファイバー間隔を制御するために、予めよこ糸の光ファイバー11を一定間隔にして織るようにしてもよい。
【0023】
また、上述したように、光ファイバー11の先端部に導光用筒体15の一端部に固定する際、複数本の光ファイバー11をリング状に束ねるが、この場合、リング状に束ねた光ファイバー11の先端を、例えば、鋭利な刃、カッター、回転刃、ヒートカッター等の方法で切断する。そして、その切断面がLED光源14に対向するよう、光ファイバー11を導光用筒体15内に挿入する。なお、光ファイバー11の先端を切断する場合は、ヒートカッターで処理する方法が好ましい。
【0024】
ここで、発光輝度(cd/m2)とは、任意方向から見た、ものの輝きの強さであって、光ファイバー織物13において、規則的に織り込まれた部分の最も高い発光輝度が、最も低い発光輝度の1.7倍以上の発光輝度を有する時に発光ムラが低減される。発光輝度が1.7倍未満であると、規則的に発光している部分が人間の目では認識できなくなり、結果として発光ムラと感じる。
【0025】
発光輝度を制御する上で発光強度を算出する必要がある。発光強度とは、光ファイバー織物13の発光状態を、光の導光方向に対して垂直方向に画像解析したもので、各ピッチごとの発光強度が表される。さらに、発光強度に対して周波数解析を行う。発光強度を周波数変換したものは、周期的に発光して繰り返される頻度をパワースペクトルとして表され、頻度が高いほど、発光ムラは低減される。光ファイバーのパワースペクトルは、累乗近似で引いた近似曲線をベースラインとし、それに対して好ましくは10倍以上の強度比を有している時に発光ムラが低減される。パワースペクトルが10倍以下であると、他の周波数領域に存在する部分と重なり、人間の目では多数の周波数領域のものを見ていることになるため、結果として発光ムラとして認識される。
【0026】
光ファイバー織物13において、互いに隣接する光ファイバー11間の間隔は0.1〜2mmに設定され、当該範囲内で目的に応じて適宜選択することができる。なお、光ファイバー11間の間隔が0.1mm未満であると、人間の目で感知できる限界の間隔になり、光ファイバー11間の間隔が無いように感じられる。また、光ファイバー11間の間隔が2mmを超えると、単位面積辺りの光ファイバー量が減少し発光輝度が低くなることから、光ファイバー照明装置として好ましくない。
【0027】
光ファイバー織物13において、当該織物表面全体における光ファイバー11の占める露出割合(露出面積率)は1〜40%に設定され、当該範囲内で適宜選択することができる。なお、光ファイバーの露出面積率が1%未満であると、光ファイバー自体ほとんど露出していないため、光ファイバー照明装置として好ましくない。また、光ファイバーの露出面積率が40%を超えると、規則的に発光している部分が打ち消されて、発光ムラとして認識される。
【0028】
本実施例における光ファイバー照明装置10は、ヘッドライニングやドアトリム、小物部品などの自動車内装部品として利用することができる。
【0029】
以下、光ファイバー照明装置10の具体的な実施例(実施例1〜6)を比較例1・2と比較しながら説明する。表1は、実施例1〜6と比較例1・2との比較結果をまとめて表したものである。
【0030】
【表1】
【0031】
先ず、実施例1〜6及び比較例1・2における発光輝度、発光強度、周波数、発行間隔、露出面積、及び官能評価について説明する。
【0032】
(発光輝度)
図2に示すように、光ファイバー織物13の表面及び裏面にマスキングテープ16,17を貼り付ける。マスキングテープ16は光ファイバー織物13の幅方向に沿って並行に複数箇所に貼り付けられ、マスキングテープ17は光ファイバー織物13の長手方向(前記幅方向に対して直角方向)に沿って並行に複数箇所に貼り付けられている。また、マスキングテープ16,17は、光ファイバー織物13の右端から300mmの位置にある仮想線Lを中心にして左右対称に貼り付けられている。マスキングテープ16,17によって、光ファイバー織物の表面及び裏面には20mm角のマス目18が複数個形成される。
【0033】
そして、光ファイバー織物13の一端部からLED光源14の光を入光させて、光ファイバー織物13の表面及び裏面で発光している状態を、20mm角のマス目18を観察しながら行う。すなわち、図3に示すように、光ファイバー織物13から1000mmの距離に輝度計(LS−100、コニカミノルタ社製)19をセットし、この輝度計19によって光ファイバー織物13の幅方向の発光状態を測定する。
【0034】
(発光強度)
光ファイバーとポリエステル糸を規則的に織り込んだ光ファイバー織物13に光を導光させた際、光ファイバー織物13の発光状態を光の導光方向に対して、垂直方向に発光面を画像解析装置(Image Pro Plus、日本ローパー社製)を用いて画像解析する。その画像解析から、図4に示すような発光状態の波形が表される。
【0035】
(周波数)
画像解析の結果から、更に周波数変換した波形について周波数解析を行うことで、図5に示すような発光状態の規則性について評価する。
【0036】
(発光間隔)
互いに隣接する光ファイバーに光を導光させた際の発光間隔について、画像解析の結果から発光状態の周期性が表され、その結果から発光間隔を算出する。
【0037】
(露出面積)
織物表面全体における光ファイバー11が占める露出割合は、デジタルマイクロスコープ(VHX−100、キーエンス社製)を用いて算出する。図6は、光ファイバー織物13の表面をデジタルマイクロスコープで観察したときの図である。
【0038】
(官能評価)
光ファイバー織物13の発光ムラの評価については、以下の基準で官能評価を行い、実測値との相関性について評価する。
質問;「光ファイバー織物について均一に発光していると感じますか?」
評点選定条件;被験者10人(男性6名、女性4名)の平均値を評点とする。
5点:非常にそう思う
4点:そう思う
3点:どちらともいえない
2点:そう思わない
1点:全くそう思わない
【0039】
《実施例1》
たて糸にポリエステル糸(ハイム;167dtex、東洋紡社製)を配置し、よこ糸に光ファイバー(エスカ;CK−10、三菱レイヨン社製)及びたて糸と同じポリエステル糸を光ファイバー1本に対してポリエステル糸1本(光ファイバー/ポリエステル糸=1/1:光ファイバー間隔=0.57mm)を交互に配置するとともに、これらたて糸とよこ糸を平織りで織り込んで光ファイバー織物13を製造した。光ファイバー織物13の一端部から複数本の光ファイバー11を引き出し、これら光ファイバー11の先端部をリング状に束ねて、アルミ製の導光用筒体(外径9mm、内径7mm)15に固定した。
【0040】
そして、LED光源(NFSW036CT、日亜化学社製)14の光を導光用筒体15に向けて照射することにより、光ファイバー織物13の表面を発光させ、そのときの発光ムラについて評価を行った。その結果を図7及び図15並びに表1に示す。なお、図7は光ファイバー織物13の表面の発光状態を光ファイバー織物13の幅方向に沿って示した図、図15は周波数解析によって発光状態の規則性についての評価を行うための図である。
【0041】
《実施例2》
実施例1と同様に、たて糸にポリエステル糸を配置し、よこ糸に光ファイバー及びたて糸と同じポリエステル糸を光ファイバー1本に対してポリエステル糸1本(光ファイバー/ポリエステル糸=1/1:光ファイバー間隔=0.57mm)を交互に配置するとともに、これらたて糸とよこ糸を平織りで織り込んで光ファイバー織物13を製造した。光ファイバー織物13の一端部から複数本の光ファイバー11を引き出し、これら光ファイバー11の先端部をリング状に束ねて、アルミ製の導光用筒体15に固定した。
【0042】
そして、LED光源14の光を照射することにより光ファイバー織物13の裏面を発光させ、そのときの発光ムラについて評価を行った。その結果を図8及び図16並びに表1に示す。なお、図8は光ファイバー織物13の裏面の発光状態を光ファイバー織物13の幅方向に沿って示した図、図16は周波数解析によって発光状態の規則性についての評価を行うための図である。
【0043】
《実施例3》
実施例1と同様に、たて糸にポリエステル糸を配置し、よこ糸に光ファイバー及びたて糸と同じポリエステル糸を光ファイバー1本に対してポリエステル糸2本(光ファイバー/ポリエステル糸=1/2:光ファイバー間隔=0.78mm)を交互に配置するとともに、これらたて糸とよこ糸を平織りで織り込んで光ファイバー織物13を製造した。光ファイバー織物13の一端部から複数本の光ファイバー11を引き出し、これら光ファイバー11の先端部をリング状に束ねて、アルミ製の導光用筒体15に固定した。
【0044】
そして、LED光源14の光を照射することにより光ファイバー織物13の表面を発光させ、そのときの発光ムラについて評価を行った。その結果を図9及び図17並びに表1に示す。なお、図9は光ファイバー織物13の表面の発光状態を光ファイバー織物13の幅方向に沿って示した図、図17は周波数解析によって発光状態の規則性についての評価を行うための図である。
【0045】
《実施例4》
実施例1と同様に、たて糸にポリエステル糸を配置し、よこ糸に光ファイバー及びたて糸と同じポリエステル糸を光ファイバー1本に対してポリエステル糸2本(光ファイバー/ポリエステル糸=1/2:光ファイバー間隔=0.78mm)を交互に配置するとともに、これらたて糸とよこ糸を平織りで織り込んで光ファイバー織物13を製造した。光ファイバー織物13の一端部から複数本の光ファイバー11を引き出し、これら光ファイバー11の先端部をリング状に束ねて、アルミ製の導光用筒体15に固定した。
【0046】
そして、LED光源14の光を照射することにより光ファイバー織物13の裏面を発光させ、そのときの発光ムラについて評価を行った。その結果を図10及び図18並びに表1に示す。なお、図10は光ファイバー織物13の裏面の発光状態を光ファイバー織物13の幅方向に沿って示した図、図18は周波数解析によって発光状態の規則性についての評価を行うための図である。
【0047】
《実施例5》
実施例1と同様に、たて糸にポリエステル糸を配置し、よこ糸に光ファイバー及びたて糸と同じポリエステル糸を光ファイバー1本に対してポリエステル糸3本(光ファイバー/ポリエステル糸=1/3:光ファイバー間隔=1.2mm)を交互に配置するとともに、これらたて糸とよこ糸を平織りで織り込んで光ファイバー織物13を製造した。光ファイバー織物13の一端部から複数本の光ファイバー11を引き出し、これら光ファイバー11の先端部をリング状に束ねて、アルミ製の導光用筒体15に固定した。
【0048】
そして、LED光源14の光を照射することにより光ファイバー織物13の表面を発光させ、そのときの発光ムラについて評価を行った。その結果を図11及び図19並びに表1に示す。なお、図11は光ファイバー織物13の表面の発光状態を光ファイバー織物13の幅方向に沿って示した図、図19は周波数解析によって発光状態の規則性についての評価を行うための図である。
【0049】
《実施例6》
実施例1と同様に、たて糸にポリエステル糸を配置し、よこ糸に光ファイバー及びたて糸と同じポリエステル糸を光ファイバー1本に対してポリエステル糸3本(光ファイバー/ポリエステル糸=1/3:光ファイバー間隔=1.2mm)を交互に配置するとともに、これらたて糸とよこ糸を平織りで織り込んで光ファイバー織物13を製造した。光ファイバー織物13の一端部から複数本の光ファイバー11を引き出し、これら光ファイバー11の先端部をリング状に束ねて、アルミ製の導光用筒体15に固定した。
【0050】
そして、LED光源14の光を照射することにより光ファイバー織物13の裏面を発光させ、そのときの発光ムラについて評価を行った。その結果を図12及び図20並びに表1に示す。なお、図12は光ファイバー織物13の裏面の発光状態を光ファイバー織物13の幅方向に沿って示した図、図20は周波数解析によって発光状態の規則性についての評価を行うための図である。
【0051】
《比較例1》
たて糸にポリエステル糸を配置し、よこ糸に光ファイバーを配置するとともに、これらたて糸とよこ糸を平織りで織り込んで光ファイバー織物(光ファイバー間隔=0mm)を製造した。前記光ファイバー織物の一端部から複数本の光ファイバー11を引き出し、これら光ファイバー11の先端部をリング状に束ねて、アルミ製の導光用筒体(外径9mm、内径7mm)15に固定した。
【0052】
そして、LED光源14の光を照射することにより光ファイバー織物の表面を発光させ、そのときの発光ムラについて評価を行った。その結果を図13及び図21並びに表1に示す。なお、図13は光ファイバー織物の表面の発光状態を光ファイバー織物の幅方向に沿って示した図、図21は周波数解析によって発光状態の規則性についての評価を行うための図である。
【0053】
《比較例2》
たて糸にポリエステル糸を配置し、よこ糸に光ファイバーを配置するとともに、これらたて糸とよこ糸を平織りで織り込んで光ファイバー織物(光ファイバー間隔=0mm)を製造した。前記光ファイバー織物の一端部から複数本の光ファイバー11を引き出し、これら光ファイバー11の先端部をリング状に束ねて、アルミ製の導光用筒体15に固定した。
【0054】
そして、LED光源14の光を照射することにより光ファイバー織物の裏面を発光させ、そのときの発光ムラについて評価を行った。その結果を図14及び図22並びに表1に示す。なお、図14は光ファイバー織物の裏面の発光状態を光ファイバー織物の幅方向に沿って示した図、図22は周波数解析によって発光状態の規則性についての評価を行うための図である。
【0055】
本実施例によれば、図7〜図12から分かるように、よこ糸に光ファイバーのみを織り込んだだけの場合(図13及び図14)と比較して、光ファイバー織物13の幅方向における発光強度が安定している。
【0056】
また、本実施例によれば、図15〜図20から分かるように、よこ糸に光ファイバーのみを織り込んだだけの場合(図21及び図22)と比較して、ある特定周波数領域において大きなピーク(図15〜図20において、点線で囲った部分)が現れる。このことから、他の周波数領域でのピークが打ち消されて特定周波数領域の発光状態を人間の目が認識し、発光ムラが感じにくくなる。
【0057】
また、本実施例によれば、表1から分かるように、実施例1〜6の場合は、比較例1・2の場合よりも官能評価評点が高く、発光ムラが低減される。特に、実施例3及び実施例4においては、発光間隔が0.8mmで、光ファイバー露出割合が5%又は15%であって、官能評価評点の結果からも発光ムラの低減効果がより一層顕著に現れることが分かる。
【0058】
さらに、本実施例によれば、よこ糸に光ファイバー11と普通糸12とが所定の間隔で規則的に織り込まれ、且つ光ファイバー11は、LED光源14からの光が入光したとき、最も高い発光輝度が最も低い発光輝度の所定倍(1.7倍)以上となるよう設定されているので、光ファイバー織物13の発光ムラを効果的に低減することができる。
【0059】
本実施例の光ファイバー照明装置は、自動車用内装部品や装飾類、衣類、表示装置など、従来開示されている用途に使用することができる。例えば、自動車用内装部品に適用すれば、車室内を均一に照明することが可能となる。
【0060】
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、上記実施例は本発明の例示にしか過ぎないものであり、本発明は上記実施例の構成にのみ限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【0061】
例えば、上記実施例では光ファイバーがよこ糸に織り込まれた一例を示したが、光ファイバーがたて糸に織り込まれていてもよく、また、光ファイバーがたて糸及びよこ糸の双方に織り込まれていてもよい。
【符号の説明】
【0062】
10 光ファイバー照明装置
11 光ファイバー
12 普通糸
13 光ファイバー織物
14 LED光源(光源)
15 導光用筒体
16,17 マスキングテープ
18 マス目
19 輝度計
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバーと普通糸とが織り込まれた光ファイバー織物に、照明機能を持たせた光ファイバー照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の光ファイバー照明装置として、光ファイバーと普通糸とが織り込まれた光ファイバー織物が設けられ、当該光ファイバー織物の光ファイバー端部から光を入光させる一方、織物組織の中で光ファイバーが屈曲したときに、光ファイバー内部の光を外部へ漏洩させ、これにより、光ファイバー織物が発光するよう構成された繊維織物照明装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2004−506106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、単純に光ファイバーと普通糸とを織り込んだだけで、光ファイバー織物の発光状態についてはまったく考慮されてなく、その結果、光ファイバー織物の発光にムラ(発光ムラ)が生じるという問題がある。
【0005】
本発明の課題は、光ファイバー織物の発光ムラを低減することができる光ファイバー照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、光ファイバーと普通糸を規則的に織り込み、発光輝度及び織組織を所定の状態に制御することにより、光ファイバー織物の発光ムラを低減することができることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明の光ファイバー照明装置は、たて糸又はよこ糸として光ファイバーを少なくとも部分的に含み普通糸と共に織られた光ファイバー織物と、前記光ファイバーの少なくとも一端部に光を照射する光源とを備え、前記光源からの光を前記光ファイバー内に入光させることにより、前記光ファイバー織物が照明装置として機能するよう構成されている。
【0008】
そして、本発明の光ファイバー照明装置にあっては、前記光ファイバーは、前記普通糸の間に所定の間隔で規則的に織り込まれ、且つ前記光源からの光が入光したとき、最も高い発光輝度が最も低い発光輝度の所定倍以上となるよう設定されていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、たて糸又はよこ糸に光ファイバーと普通糸とが所定の間隔で規則的に織り込まれ、且つ光ファイバーは、光源からの光が入光したとき、最も高い発光輝度が最も低い発光輝度の所定倍以上となるよう設定されているので、光ファイバー織物の発光ムラを効果的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る光ファイバー照明装置の全体構成を示す図である。
【図2】発光輝度測定のためにマスキングテープを貼り付けたときの光ファイバー織物の平面図である。
【図3】発光輝度を測定している様子を示す図である。
【図4】光ファイバー織物の幅方向における発光状態を示す図である。
【図5】周波数解析によって発光状態の規則性について評価するための図である。
【図6】光ファイバー織物の表面をデジタルマイクロスコープで観察したときの図である。
【図7】実施例1を示しており、光ファイバー織物の幅方向における発光強度の測定結果を示す図である。
【図8】実施例2を示しており、光ファイバー織物の幅方向における発光強度の測定結果を示す図である。
【図9】実施例3を示しており、光ファイバー織物の幅方向における発光強度の測定結果を示す図である。
【図10】実施例4を示しており、光ファイバー織物の幅方向における発光強度の測定結果を示す図である。
【図11】実施例5を示しており、光ファイバー織物の幅方向における発光強度の測定結果を示す図である。
【図12】実施例6を示しており、光ファイバー織物の幅方向における発光強度の測定結果を示す図である。
【図13】比較例1を示しており、光ファイバー織物の幅方向における発光強度の測定結果を示す図である。
【図14】比較例2を示しており、光ファイバー織物の幅方向における発光強度の測定結果を示す図である。
【図15】実施例1を示しており、周波数解析によって発光状態の規則性についての評価結果を示す図である。
【図16】実施例2を示しており、周波数解析によって発光状態の規則性についての評価結果を示す図である。
【図17】実施例3を示しており、周波数解析によって発光状態の規則性についての評価結果を示す図である。
【図18】実施例4を示しており、周波数解析によって発光状態の規則性についての評価結果を示す図である。
【図19】実施例5を示しており、周波数解析によって発光状態の規則性についての評価結果を示す図である。
【図20】実施例6を示しており、周波数解析によって発光状態の規則性についての評価結果を示す図である。
【図21】比較例1を示しており、周波数解析によって発光状態の規則性についての評価結果を示す図である。
【図22】比較例2を示しており、周波数解析によって発光状態の規則性についての評価結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例を図面に従って説明する。
【実施例】
【0012】
図1は本発明に係る光ファイバー照明装置の全体構成を示す図である。図1に示すように、光ファイバー照明装置10は、よこ糸として光ファイバー11を少なくとも部分的に含み普通糸12と共に織られた光ファイバー織物13と、光ファイバー11の一端部に光を照射する光源としてのLED光源14とを備え、LED光源14からの光を光ファイバー11内に入光させることにより、光ファイバー織物13が照明装置として機能するよう構成されている。なお、光ファイバー11の端部(図1において左側端部)は光ファイバー織物13から引き出された状態となっている。また、普通糸12は、よこ糸及びたて糸を含む総称である。
【0013】
光ファイバー11は、光ファイバー自体が芯(コア)と鞘(クラッド)の二層構造から成り、芯と鞘の屈折率の差により導光できるようになっている。このような光ファイバー11は公知であり、例えば、石英系光ファイバー、多成分系光ファイバー及びプラスチック光ファイバーなどを挙げることができる。また、普通糸12としては、例えば、羊毛、綿、麻などの天然繊維や、ポリエステル合成繊維、ポリアミド合成繊維などの化学繊維を挙げることができる。
【0014】
ここで、石英系光ファイバーは、石英ガラスを主体とした光ファイバーであり、芯としてゲルマニウム(Ge)やリン(P)が予め添加された石英ガラスが、鞘としてホウ素(B)やフッ素(F)が予め添加された石英ガラスがそれぞれ使用されている。なお、ゲルマニウムやリンは屈折率を上げる目的で添加され、逆にホウ素やフッ素は屈折率を下げる目的で添加される。
【0015】
多成分系光ファイバーは、主にソーダ石灰、ガラス、ホウ硅ガラスなどを主成分とした光ファイバーであり、ナトリウム(Na)やカルシウム(Ca)などのアルカリ金属が予め添加されている。
【0016】
プラスチック光ファイバーは、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂など、様々な樹脂を芯にしたものがあるが、光の透過率と耐熱性の観点から、メチルメタクリレートを主体とした重合体を芯とし、それよりも屈折率の低い樹脂を鞘としたポリメチルメタクリレート(PMMA)系のプラスチック光ファイバーが好ましい。メチルメタクリレートを主体とした重合体とは、メチルメタクリレートのホモポリマーやメチルメタクリレートと他のアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの共重合体である。また、鞘としては、ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレン共重合体や、ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロペン共重合体や、ビニリデンフルオライドとトリフルオロエチレン共重合体や、ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロアセトンとトリフルオロエチレン共重合体や、ビニリデンフルオライドとテトラフルオロエチレンとヘキサフルオロアセトン共重合体など、ビニリデンフルオライド系樹脂やフルオロアルキルメタクリレートを構成モノマーとして含む樹脂などを挙げることができる。
【0017】
光ファイバー11は、その直径が0.1〜10mm程度のものがあるが、発光ムラの低減、作業性または汎用性の観点から、直径0.1〜1mmのものが好ましい。
【0018】
本実施例の光ファイバー照明装置10においては、LED光源14の光を光ファイバー11に導光させるために、光ファイバー11の先端部に導光用筒体15が設けられている。導光用筒体15は円筒状を成し、その一端部(図において右側端部)に、複数本の光ファイバー11がリング状に束ねられ固定されている。導光用筒体15の内径は、リング状に束ねられた複数本の光ファイバー11のリング外径にほぼ等しく形成されている。そして、リング状に束ねられた部分が導光用筒体15の一端に挿入(圧入)されて、光ファイバー11は導光用筒体15の一端部に固定されている。
【0019】
導光用筒体15の他端部はLED光源14に対向配置されており、LED光源14は導光用筒体15に向けて光を照射する。これにより、LED光源14からの光が光ファイバー11の内部に入光される。
【0020】
導光用筒体15としては、従来公知の材料及び構造を使用することができる。導光用筒体15を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)樹脂やポリプロピレン(PP)樹脂などを含むポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリエステル(PES)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール(PF)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂など樹脂材料や鉄鋼材料、アルミニウム合金、マグネシウム合金、銅合金、チタン合金など金属材料、炭素繊維やアラミド繊維、ガラス繊維など強化繊維を用いた成形材料、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、エチレン・プロピレンゴム(EPDM)などゴム材料等を挙げることができる。これらの構成材料のうち、樹脂材料や金属材料が好ましい。
【0021】
上記金属材料の具体的な例としては、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、カドミウム(Cd)、タングステン(W)、イリジウム(Ir)などを主成分する金属や合金、さらにはこれら金属の2種類以上を含む合金などが挙げられる。
【0022】
光ファイバー織物13を製造する方法として、たて糸に発光輝度の低い普通糸を配置し、よこ糸に光ファイバー11を、当該光ファイバー11間に所定の間隔(以下、光ファイバー間隔という)を開けて配置する。その際、光ファイバー間に輝度の低い普通糸を交互に配置し、これらのたて糸とよこ糸により織ることで、光ファイバー間隔を制御する。また、上記方法で光ファイバー織物13を製造した後に、普通糸を引き抜くことによっても光ファイバー間隔を制御することができる。さらに、光ファイバー間隔を制御するために、予めよこ糸の光ファイバー11を一定間隔にして織るようにしてもよい。
【0023】
また、上述したように、光ファイバー11の先端部に導光用筒体15の一端部に固定する際、複数本の光ファイバー11をリング状に束ねるが、この場合、リング状に束ねた光ファイバー11の先端を、例えば、鋭利な刃、カッター、回転刃、ヒートカッター等の方法で切断する。そして、その切断面がLED光源14に対向するよう、光ファイバー11を導光用筒体15内に挿入する。なお、光ファイバー11の先端を切断する場合は、ヒートカッターで処理する方法が好ましい。
【0024】
ここで、発光輝度(cd/m2)とは、任意方向から見た、ものの輝きの強さであって、光ファイバー織物13において、規則的に織り込まれた部分の最も高い発光輝度が、最も低い発光輝度の1.7倍以上の発光輝度を有する時に発光ムラが低減される。発光輝度が1.7倍未満であると、規則的に発光している部分が人間の目では認識できなくなり、結果として発光ムラと感じる。
【0025】
発光輝度を制御する上で発光強度を算出する必要がある。発光強度とは、光ファイバー織物13の発光状態を、光の導光方向に対して垂直方向に画像解析したもので、各ピッチごとの発光強度が表される。さらに、発光強度に対して周波数解析を行う。発光強度を周波数変換したものは、周期的に発光して繰り返される頻度をパワースペクトルとして表され、頻度が高いほど、発光ムラは低減される。光ファイバーのパワースペクトルは、累乗近似で引いた近似曲線をベースラインとし、それに対して好ましくは10倍以上の強度比を有している時に発光ムラが低減される。パワースペクトルが10倍以下であると、他の周波数領域に存在する部分と重なり、人間の目では多数の周波数領域のものを見ていることになるため、結果として発光ムラとして認識される。
【0026】
光ファイバー織物13において、互いに隣接する光ファイバー11間の間隔は0.1〜2mmに設定され、当該範囲内で目的に応じて適宜選択することができる。なお、光ファイバー11間の間隔が0.1mm未満であると、人間の目で感知できる限界の間隔になり、光ファイバー11間の間隔が無いように感じられる。また、光ファイバー11間の間隔が2mmを超えると、単位面積辺りの光ファイバー量が減少し発光輝度が低くなることから、光ファイバー照明装置として好ましくない。
【0027】
光ファイバー織物13において、当該織物表面全体における光ファイバー11の占める露出割合(露出面積率)は1〜40%に設定され、当該範囲内で適宜選択することができる。なお、光ファイバーの露出面積率が1%未満であると、光ファイバー自体ほとんど露出していないため、光ファイバー照明装置として好ましくない。また、光ファイバーの露出面積率が40%を超えると、規則的に発光している部分が打ち消されて、発光ムラとして認識される。
【0028】
本実施例における光ファイバー照明装置10は、ヘッドライニングやドアトリム、小物部品などの自動車内装部品として利用することができる。
【0029】
以下、光ファイバー照明装置10の具体的な実施例(実施例1〜6)を比較例1・2と比較しながら説明する。表1は、実施例1〜6と比較例1・2との比較結果をまとめて表したものである。
【0030】
【表1】
【0031】
先ず、実施例1〜6及び比較例1・2における発光輝度、発光強度、周波数、発行間隔、露出面積、及び官能評価について説明する。
【0032】
(発光輝度)
図2に示すように、光ファイバー織物13の表面及び裏面にマスキングテープ16,17を貼り付ける。マスキングテープ16は光ファイバー織物13の幅方向に沿って並行に複数箇所に貼り付けられ、マスキングテープ17は光ファイバー織物13の長手方向(前記幅方向に対して直角方向)に沿って並行に複数箇所に貼り付けられている。また、マスキングテープ16,17は、光ファイバー織物13の右端から300mmの位置にある仮想線Lを中心にして左右対称に貼り付けられている。マスキングテープ16,17によって、光ファイバー織物の表面及び裏面には20mm角のマス目18が複数個形成される。
【0033】
そして、光ファイバー織物13の一端部からLED光源14の光を入光させて、光ファイバー織物13の表面及び裏面で発光している状態を、20mm角のマス目18を観察しながら行う。すなわち、図3に示すように、光ファイバー織物13から1000mmの距離に輝度計(LS−100、コニカミノルタ社製)19をセットし、この輝度計19によって光ファイバー織物13の幅方向の発光状態を測定する。
【0034】
(発光強度)
光ファイバーとポリエステル糸を規則的に織り込んだ光ファイバー織物13に光を導光させた際、光ファイバー織物13の発光状態を光の導光方向に対して、垂直方向に発光面を画像解析装置(Image Pro Plus、日本ローパー社製)を用いて画像解析する。その画像解析から、図4に示すような発光状態の波形が表される。
【0035】
(周波数)
画像解析の結果から、更に周波数変換した波形について周波数解析を行うことで、図5に示すような発光状態の規則性について評価する。
【0036】
(発光間隔)
互いに隣接する光ファイバーに光を導光させた際の発光間隔について、画像解析の結果から発光状態の周期性が表され、その結果から発光間隔を算出する。
【0037】
(露出面積)
織物表面全体における光ファイバー11が占める露出割合は、デジタルマイクロスコープ(VHX−100、キーエンス社製)を用いて算出する。図6は、光ファイバー織物13の表面をデジタルマイクロスコープで観察したときの図である。
【0038】
(官能評価)
光ファイバー織物13の発光ムラの評価については、以下の基準で官能評価を行い、実測値との相関性について評価する。
質問;「光ファイバー織物について均一に発光していると感じますか?」
評点選定条件;被験者10人(男性6名、女性4名)の平均値を評点とする。
5点:非常にそう思う
4点:そう思う
3点:どちらともいえない
2点:そう思わない
1点:全くそう思わない
【0039】
《実施例1》
たて糸にポリエステル糸(ハイム;167dtex、東洋紡社製)を配置し、よこ糸に光ファイバー(エスカ;CK−10、三菱レイヨン社製)及びたて糸と同じポリエステル糸を光ファイバー1本に対してポリエステル糸1本(光ファイバー/ポリエステル糸=1/1:光ファイバー間隔=0.57mm)を交互に配置するとともに、これらたて糸とよこ糸を平織りで織り込んで光ファイバー織物13を製造した。光ファイバー織物13の一端部から複数本の光ファイバー11を引き出し、これら光ファイバー11の先端部をリング状に束ねて、アルミ製の導光用筒体(外径9mm、内径7mm)15に固定した。
【0040】
そして、LED光源(NFSW036CT、日亜化学社製)14の光を導光用筒体15に向けて照射することにより、光ファイバー織物13の表面を発光させ、そのときの発光ムラについて評価を行った。その結果を図7及び図15並びに表1に示す。なお、図7は光ファイバー織物13の表面の発光状態を光ファイバー織物13の幅方向に沿って示した図、図15は周波数解析によって発光状態の規則性についての評価を行うための図である。
【0041】
《実施例2》
実施例1と同様に、たて糸にポリエステル糸を配置し、よこ糸に光ファイバー及びたて糸と同じポリエステル糸を光ファイバー1本に対してポリエステル糸1本(光ファイバー/ポリエステル糸=1/1:光ファイバー間隔=0.57mm)を交互に配置するとともに、これらたて糸とよこ糸を平織りで織り込んで光ファイバー織物13を製造した。光ファイバー織物13の一端部から複数本の光ファイバー11を引き出し、これら光ファイバー11の先端部をリング状に束ねて、アルミ製の導光用筒体15に固定した。
【0042】
そして、LED光源14の光を照射することにより光ファイバー織物13の裏面を発光させ、そのときの発光ムラについて評価を行った。その結果を図8及び図16並びに表1に示す。なお、図8は光ファイバー織物13の裏面の発光状態を光ファイバー織物13の幅方向に沿って示した図、図16は周波数解析によって発光状態の規則性についての評価を行うための図である。
【0043】
《実施例3》
実施例1と同様に、たて糸にポリエステル糸を配置し、よこ糸に光ファイバー及びたて糸と同じポリエステル糸を光ファイバー1本に対してポリエステル糸2本(光ファイバー/ポリエステル糸=1/2:光ファイバー間隔=0.78mm)を交互に配置するとともに、これらたて糸とよこ糸を平織りで織り込んで光ファイバー織物13を製造した。光ファイバー織物13の一端部から複数本の光ファイバー11を引き出し、これら光ファイバー11の先端部をリング状に束ねて、アルミ製の導光用筒体15に固定した。
【0044】
そして、LED光源14の光を照射することにより光ファイバー織物13の表面を発光させ、そのときの発光ムラについて評価を行った。その結果を図9及び図17並びに表1に示す。なお、図9は光ファイバー織物13の表面の発光状態を光ファイバー織物13の幅方向に沿って示した図、図17は周波数解析によって発光状態の規則性についての評価を行うための図である。
【0045】
《実施例4》
実施例1と同様に、たて糸にポリエステル糸を配置し、よこ糸に光ファイバー及びたて糸と同じポリエステル糸を光ファイバー1本に対してポリエステル糸2本(光ファイバー/ポリエステル糸=1/2:光ファイバー間隔=0.78mm)を交互に配置するとともに、これらたて糸とよこ糸を平織りで織り込んで光ファイバー織物13を製造した。光ファイバー織物13の一端部から複数本の光ファイバー11を引き出し、これら光ファイバー11の先端部をリング状に束ねて、アルミ製の導光用筒体15に固定した。
【0046】
そして、LED光源14の光を照射することにより光ファイバー織物13の裏面を発光させ、そのときの発光ムラについて評価を行った。その結果を図10及び図18並びに表1に示す。なお、図10は光ファイバー織物13の裏面の発光状態を光ファイバー織物13の幅方向に沿って示した図、図18は周波数解析によって発光状態の規則性についての評価を行うための図である。
【0047】
《実施例5》
実施例1と同様に、たて糸にポリエステル糸を配置し、よこ糸に光ファイバー及びたて糸と同じポリエステル糸を光ファイバー1本に対してポリエステル糸3本(光ファイバー/ポリエステル糸=1/3:光ファイバー間隔=1.2mm)を交互に配置するとともに、これらたて糸とよこ糸を平織りで織り込んで光ファイバー織物13を製造した。光ファイバー織物13の一端部から複数本の光ファイバー11を引き出し、これら光ファイバー11の先端部をリング状に束ねて、アルミ製の導光用筒体15に固定した。
【0048】
そして、LED光源14の光を照射することにより光ファイバー織物13の表面を発光させ、そのときの発光ムラについて評価を行った。その結果を図11及び図19並びに表1に示す。なお、図11は光ファイバー織物13の表面の発光状態を光ファイバー織物13の幅方向に沿って示した図、図19は周波数解析によって発光状態の規則性についての評価を行うための図である。
【0049】
《実施例6》
実施例1と同様に、たて糸にポリエステル糸を配置し、よこ糸に光ファイバー及びたて糸と同じポリエステル糸を光ファイバー1本に対してポリエステル糸3本(光ファイバー/ポリエステル糸=1/3:光ファイバー間隔=1.2mm)を交互に配置するとともに、これらたて糸とよこ糸を平織りで織り込んで光ファイバー織物13を製造した。光ファイバー織物13の一端部から複数本の光ファイバー11を引き出し、これら光ファイバー11の先端部をリング状に束ねて、アルミ製の導光用筒体15に固定した。
【0050】
そして、LED光源14の光を照射することにより光ファイバー織物13の裏面を発光させ、そのときの発光ムラについて評価を行った。その結果を図12及び図20並びに表1に示す。なお、図12は光ファイバー織物13の裏面の発光状態を光ファイバー織物13の幅方向に沿って示した図、図20は周波数解析によって発光状態の規則性についての評価を行うための図である。
【0051】
《比較例1》
たて糸にポリエステル糸を配置し、よこ糸に光ファイバーを配置するとともに、これらたて糸とよこ糸を平織りで織り込んで光ファイバー織物(光ファイバー間隔=0mm)を製造した。前記光ファイバー織物の一端部から複数本の光ファイバー11を引き出し、これら光ファイバー11の先端部をリング状に束ねて、アルミ製の導光用筒体(外径9mm、内径7mm)15に固定した。
【0052】
そして、LED光源14の光を照射することにより光ファイバー織物の表面を発光させ、そのときの発光ムラについて評価を行った。その結果を図13及び図21並びに表1に示す。なお、図13は光ファイバー織物の表面の発光状態を光ファイバー織物の幅方向に沿って示した図、図21は周波数解析によって発光状態の規則性についての評価を行うための図である。
【0053】
《比較例2》
たて糸にポリエステル糸を配置し、よこ糸に光ファイバーを配置するとともに、これらたて糸とよこ糸を平織りで織り込んで光ファイバー織物(光ファイバー間隔=0mm)を製造した。前記光ファイバー織物の一端部から複数本の光ファイバー11を引き出し、これら光ファイバー11の先端部をリング状に束ねて、アルミ製の導光用筒体15に固定した。
【0054】
そして、LED光源14の光を照射することにより光ファイバー織物の裏面を発光させ、そのときの発光ムラについて評価を行った。その結果を図14及び図22並びに表1に示す。なお、図14は光ファイバー織物の裏面の発光状態を光ファイバー織物の幅方向に沿って示した図、図22は周波数解析によって発光状態の規則性についての評価を行うための図である。
【0055】
本実施例によれば、図7〜図12から分かるように、よこ糸に光ファイバーのみを織り込んだだけの場合(図13及び図14)と比較して、光ファイバー織物13の幅方向における発光強度が安定している。
【0056】
また、本実施例によれば、図15〜図20から分かるように、よこ糸に光ファイバーのみを織り込んだだけの場合(図21及び図22)と比較して、ある特定周波数領域において大きなピーク(図15〜図20において、点線で囲った部分)が現れる。このことから、他の周波数領域でのピークが打ち消されて特定周波数領域の発光状態を人間の目が認識し、発光ムラが感じにくくなる。
【0057】
また、本実施例によれば、表1から分かるように、実施例1〜6の場合は、比較例1・2の場合よりも官能評価評点が高く、発光ムラが低減される。特に、実施例3及び実施例4においては、発光間隔が0.8mmで、光ファイバー露出割合が5%又は15%であって、官能評価評点の結果からも発光ムラの低減効果がより一層顕著に現れることが分かる。
【0058】
さらに、本実施例によれば、よこ糸に光ファイバー11と普通糸12とが所定の間隔で規則的に織り込まれ、且つ光ファイバー11は、LED光源14からの光が入光したとき、最も高い発光輝度が最も低い発光輝度の所定倍(1.7倍)以上となるよう設定されているので、光ファイバー織物13の発光ムラを効果的に低減することができる。
【0059】
本実施例の光ファイバー照明装置は、自動車用内装部品や装飾類、衣類、表示装置など、従来開示されている用途に使用することができる。例えば、自動車用内装部品に適用すれば、車室内を均一に照明することが可能となる。
【0060】
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、上記実施例は本発明の例示にしか過ぎないものであり、本発明は上記実施例の構成にのみ限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【0061】
例えば、上記実施例では光ファイバーがよこ糸に織り込まれた一例を示したが、光ファイバーがたて糸に織り込まれていてもよく、また、光ファイバーがたて糸及びよこ糸の双方に織り込まれていてもよい。
【符号の説明】
【0062】
10 光ファイバー照明装置
11 光ファイバー
12 普通糸
13 光ファイバー織物
14 LED光源(光源)
15 導光用筒体
16,17 マスキングテープ
18 マス目
19 輝度計
【特許請求の範囲】
【請求項1】
たて糸又はよこ糸として光ファイバーを少なくとも部分的に含み普通糸と共に織られた光ファイバー織物と、前記光ファイバーの少なくとも一端部に光を照射する光源とを備え、前記光源からの光を前記光ファイバー内に入光させることにより、前記光ファイバー織物が照明装置として機能する光ファイバー照明装置であって、
前記光ファイバーは、前記普通糸の間に所定の間隔で規則的に織り込まれ、且つ前記光源からの光が入光したとき、最も高い発光輝度が最も低い発光輝度の所定倍以上となるよう設定されていることを特徴とする光ファイバー照明装置。
【請求項2】
前記光ファイバーは、最も高い発光輝度が最も低い発光輝度の1.7倍以上に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバー照明装置。
【請求項3】
前記光ファイバー織物は、互いに隣接する前記光ファイバー間の間隔が0.1〜2mmで織り込まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバー照明装置。
【請求項4】
前記光ファイバー織物は、当該織物表面全体における前記光ファイバーの占める露出割合が1〜40%に設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光ファイバー照明装置。
【請求項5】
たて糸又はよこ糸として光ファイバーを少なくとも部分的に含み普通糸と共に織り込まれた光ファイバー織物であって、
前記光ファイバーは、前記普通糸の間に所定の間隔で規則的に織り込まれ、当該光ファイバーの少なくとも一端部から光が入光したときに、最も高い発光輝度が最も低い発光輝度の1.7倍以上となるよう設定されていることを特徴とする光ファイバー織物。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の光ファイバー照明装置が、車両天井部に取り付けられたことを特徴とする自動車。
【請求項1】
たて糸又はよこ糸として光ファイバーを少なくとも部分的に含み普通糸と共に織られた光ファイバー織物と、前記光ファイバーの少なくとも一端部に光を照射する光源とを備え、前記光源からの光を前記光ファイバー内に入光させることにより、前記光ファイバー織物が照明装置として機能する光ファイバー照明装置であって、
前記光ファイバーは、前記普通糸の間に所定の間隔で規則的に織り込まれ、且つ前記光源からの光が入光したとき、最も高い発光輝度が最も低い発光輝度の所定倍以上となるよう設定されていることを特徴とする光ファイバー照明装置。
【請求項2】
前記光ファイバーは、最も高い発光輝度が最も低い発光輝度の1.7倍以上に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバー照明装置。
【請求項3】
前記光ファイバー織物は、互いに隣接する前記光ファイバー間の間隔が0.1〜2mmで織り込まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバー照明装置。
【請求項4】
前記光ファイバー織物は、当該織物表面全体における前記光ファイバーの占める露出割合が1〜40%に設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光ファイバー照明装置。
【請求項5】
たて糸又はよこ糸として光ファイバーを少なくとも部分的に含み普通糸と共に織り込まれた光ファイバー織物であって、
前記光ファイバーは、前記普通糸の間に所定の間隔で規則的に織り込まれ、当該光ファイバーの少なくとも一端部から光が入光したときに、最も高い発光輝度が最も低い発光輝度の1.7倍以上となるよう設定されていることを特徴とする光ファイバー織物。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の光ファイバー照明装置が、車両天井部に取り付けられたことを特徴とする自動車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図6】
【公開番号】特開2010−267573(P2010−267573A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−119701(P2009−119701)
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月18日(2009.5.18)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】
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