説明

光ファイバ収容方法

【課題】心線種が異なる光ファイバ心線を混在させないようにファイバ収容トレイにスペース効率良く収容することができる光ファイバ収容方法を提供する。
【解決手段】心線接続トレイ10は、長手方向に一列に配置された心線収容部11〜13を有している。心線収容部11には、光ファイバ心線30と光スプリッタ24の入力光ファイバ心線28との接続部分を収容する。心線収容部12には、光スプリッタ24の入力光ファイバ心線28及び出力光ファイバ心線29を収容する。光ファイバ心線28,29の心線種は異種であり、光ファイバ心線28は1周以上巻かれない。心線収容部13には、出力光ファイバ心線29と光ファイバ心線5との接続部分を収容する。光ファイバ心線5,29の心線種は同種または異種であるが、光ファイバ心線29は1周以上巻かれない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバ接続用クロージャのファイバ収容トレイに光ファイバ心線を収容する光ファイバ収容方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ファイバによる光伝送系を構築する場合、光ファイバ接続用クロージャにより幹線側の光ファイバ心線と加入者側の光ファイバ心線とを接続する。一般に、幹線側の光ファイバ心線はテープ心線であり、加入者側の光ファイバ心線は単心ファイバである。テープ心線は、単心分離を施したり、分岐心線と呼ばれる予め補強された単心ファイバに接続して成端することで、単心ファイバとの接続が可能である。
【0003】
また、PDS(Passive Double Star)回線では、幹線側の光ファイバ心線と加入者側の光ファイバ心線との間に、光スプリッタと呼ばれる光分岐器を介在させる接続形態が一般的である。光スプリッタは、導波路チップを介して出力側へ光信号を分岐する。光スプリッタの入力側の心線種は単心ファイバであるが、光スプリッタの出力側の心線種は、テープ心線であったり単心ファイバであったりする。
【0004】
更に言えば、加入者側の光ファイバ心線についても、線形が0.25mmの単心ファイバであったり、線形が0.5mmの単心ファイバであったり、或いはテープ心線であったりと、複数の心線種が存在する。
【0005】
心線種が異なる光ファイバ心線をファイバ収容トレイの同一の収容領域で混在させた場合には、必要な光ファイバ心線のみを取り出すことが困難になる。また、心線種の違いにより光ファイバ心線自体の曲げ剛性が異なることから、場合によっては所望の光伝送特性が得られないレベルの曲げが局所的に発生することがある。
【0006】
このような問題を回避するため、従来では、複数のファイバ収容トレイを積層し、心線種が異なる光ファイバ心線をファイバ収容トレイの各層毎に分けていた。例えば特許文献1に記載の光ファイバ接続用クロージャでは、下部伸ばし成端トレイとDS/R/TD成端トレイとドロップ成端トレイとスプリッタトレイとが積層状態で光クロージャ内に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−121603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来技術においては、以下の問題点が存在する。即ち、心線種の異なる光ファイバ心線が互いに異なるファイバ収容トレイに収容されるため、スペースが限られる光ファイバ接続用クロージャ内に配置される光スプリッタの数や光ファイバ心線同士の接続部の数が限定されてしまう。
【0009】
本発明の目的は、心線種が異なる光ファイバ心線を混在させないようにファイバ収容トレイにスペース効率良く収容することができる光ファイバ収容方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、第1光ケーブルの第1光ファイバ心線と第2光ケーブルの第2光ファイバ心線とを接続する光ファイバ接続用クロージャに搭載され複数の心線収容部を有するファイバ収容トレイに、第1光ファイバ心線及び第2光ファイバ心線を含む複数種類の光ファイバ心線を収容する光ファイバ収容方法であって、各心線収容部に1種類または2種類の光ファイバ心線を収容すると共に、心線収容部に2種類の光ファイバ心線を収容する場合には、2種類の光ファイバ心線の少なくとも一方を1周以上巻かないように収容することを特徴とするものである。
【0011】
このように本発明の光ファイバ収容方法においては、ファイバ収容トレイの各心線収容部に1種類または2種類の光ファイバ心線を収容することにより、光ファイバ心線の心線種毎に異なるファイバ収容トレイに光ファイバ心線を収容しなくて済むため、心線種が異なる光ファイバ心線をファイバ収容トレイにスペース効率良く収容することができる。また、心線収容部に1種類のみの光ファイバ心線を収容するか、或いは心線収容部に2種類の光ファイバ心線を収容する場合でも、2種類の光ファイバ心線の少なくとも一方を1周以上巻かないように収容することにより、ファイバ収容トレイにおける心線種が異なる光ファイバ心線の混在を抑制することができる。
【0012】
好ましくは、ファイバ収容トレイは、一列に配置された少なくとも3つの心線収容部を有し、複数種類の光ファイバ心線が第1光ファイバ心線側から第2光ファイバ心線側に向けて心線収容部の配列方向に沿って各心線収容部に順番に渡るように、各心線収容部に1種類または2種類の光ファイバ心線を収容する。この場合には、例えば光スプリッタを有する接続形態を採用しても、心線種が異なる光ファイバ心線をファイバ収容トレイにスペース効率良く収容することができると共に、ファイバ収容トレイにおける心線種が異なる光ファイバ心線の混在を抑制することができる。また、ファイバ収容トレイにおいて光ファイバ心線の配線が煩雑化することが防止される。
【0013】
また、好ましくは、ファイバ収容トレイには、互いに異なる光ファイバ心線同士の接続部を装着するための接続部装着部がファイバ収容トレイの奥行き方向に延びるように設けられている。この場合には、例えば光ファイバ心線がファイバ収容トレイの背面側(奥側)から導入される構造では、光ファイバ心線導入部から接続部装着部までの光ファイバ心線の長さを十分短くすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、心線種が異なる光ファイバ心線を混在させないようにファイバ収容トレイにスペース効率良く収容することができる。これにより、ファイバ収容トレイから必要な種類の光ファイバ心線のみを容易に取り出すことが可能となる。また、光ファイバ心線の種類毎に曲げ剛性が異なることに起因する光ファイバ心線の局所的な曲げが防止されるため、光ファイバ心線の所望の光伝送特性を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係わる光ファイバ収容方法の一実施形態が適用される光ファイバ接続用クロージャを示す斜視図である。
【図2】図1に示した光ファイバ接続用クロージャにおける主要なトレイを除いた部分を示す斜視図である。
【図3】図1に示した心線接続トレイ群の斜視図である。
【図4】図3に示した心線接続トレイにおける光ファイバ心線の配線形態を示す平面図である。
【図5】図1に示した光ファイバ接続用クロージャにおいて心線通過トレイが上方に傾斜した状態を示す斜視図である。
【図6】図5に示した光ファイバ接続用クロージャにおいて下部延ばしトレイが心線通過トレイに対して開いた状態を示す斜視図である。
【図7】図1に示した光ファイバ接続用クロージャにおいて主要なトレイがトレイ押さえ板によりフレーム体に対して固定された状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係わる光ファイバ収容方法の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明に係わる光ファイバ収容方法の一実施形態が適用される光ファイバ接続用クロージャを示す斜視図である。同図において、本実施形態の光ファイバ接続用クロージャ(以下、単にクロージャ)1は、架空において局側の幹線主ケーブル2に内蔵された光ファイバ心線3と加入者側の分岐ケーブル4に内蔵された光ファイバ心線5とを接続する機器であり、PDS(Passive Double Star)回線システムにおいて使用される。
【0018】
クロージャ1は、幹線主ケーブル2及び分岐ケーブル4が導入される筐体(図示せず)に固定されるフレーム体6を備えている。図2に示すように、フレーム体6の中央部には、トレイ固定ベース板7が取り付けられている。また、フレーム体6におけるトレイ固定ベース板7の左右両側には、トレイ固定ベース板8がそれぞれ取り付けられている。
【0019】
トレイ固定ベース板7には、複数(ここでは4つ)の心線接続トレイ群9が固定されている。心線接続トレイ群9は、図3に示すように、互いに開閉可能な複数枚(ここでは4枚)の心線接続トレイ(ファイバ収容トレイ)10からなっている。
【0020】
心線接続トレイ10は、長手方向に一列に配置された心線収容部11〜13を有している。心線収容部12は、心線収容部11,13の間に設けられている。
【0021】
心線収容部11の奥側(背面側)端部には、光ファイバ心線を導入するための心線導入部14が設けられている。心線収容部11における心線収容部12に隣接した部位には、異なる光ファイバ心線同士の融着接続部S1(図4参照)を位置決めして装着するための接続部装着部15が設けられている。接続部装着部15は、心線接続トレイ10の奥行き方向に延びるように設けられている。心線収容部11には、光ファイバ心線の余長を巻いて収容するときに光ファイバ心線をガイドするための余長ガイド部16が設けられている。また、心線収容部11には、光ファイバ心線を押さえるための複数の押さえ板17が設けられている。
【0022】
心線収容部13の奥側端部には、光ファイバ心線を導入するための心線導入部18が設けられている。心線収容部13における心線収容部12に隣接した部位には、異なる光ファイバ心線同士の融着接続部S2(図4参照)を位置決めして装着するための接続部装着部19が設けられている。接続部装着部19は、心線接続トレイ10の奥行き方向に延びるように設けられている。心線収容部13には、光ファイバ心線の余長を巻いて収容するときに光ファイバ心線をガイドするための余長ガイド部20が設けられている。また、心線収容部13には、光ファイバ心線を押さえるための複数の押さえ板21が設けられている。
【0023】
心線収容部11,12の境界部分の奥側端部には、心線収容部11,12間で光ファイバ心線を導くための心線ガイド部22が設けられている。心線収容部12,13の境界部分の奥側端部には、心線収容部12,13間で光ファイバ心線を導くための心線ガイド部23が設けられている。
【0024】
心線収容部12には、光スプリッタ24(図4参照)を位置決めして装着するためのスプリッタ装着部25が設けられている。スプリッタ装着部25は、心線収容部12の奥側端部の近傍に配置されている。心線収容部12には、光ファイバ心線の余長を巻いて収容するときに光ファイバ心線をガイドするための余長ガイド部26が設けられている。また、心線収容部12には、光ファイバ心線を押さえるための複数の押さえ板27が設けられている。
【0025】
光スプリッタ24は、図4に示すように、1つの光信号を8つの光信号に分岐させる(1×8)型の光分岐器であり、1本の入力光ファイバ心線28と複数本の出力光ファイバ心線29とを有している。入力光ファイバ心線28は、例えば線径が0.25mmの単心光ファイバ心線である。入力光ファイバ心線28の許容曲げ半径Rは、30mmまたは15mmである。出力光ファイバ心線29は、例えば4心ファイバテープ心線で形成されている。なお、出力光ファイバ心線29は、補強された単心光ファイバ心線であっても良く、この場合の許容曲げ半径Rは、30mmまたは15mmである。
【0026】
心線収容部11〜13には、複数種類の光ファイバ心線が幹線主ケーブル2側から分岐ケーブル4側に向かって心線収容部11〜13の配列方向に沿って順番に渡るように収容される。具体的には、以下のようにして光ファイバ心線3の下流側に位置する複数種類の光ファイバ心線を心線収容部11〜13に収容する。光ファイバ心線3は、ここでは4心光ファイバテープ心線である。
【0027】
心線収容部11には、幹線主ケーブル2から延び出た1本の光ファイバ心線30と光スプリッタ24の入力光ファイバ心線28との接続部分を収容する。ここでは、光ファイバ心線3(4心光ファイバテープ心線)を単心分離させることで、光ファイバ心線30を形成する。つまり、光ファイバ心線30は単心光ファイバ心線である。光ファイバ心線30の線径は0.25mmであり、光ファイバ心線30の許容曲げ半径Rは30mmである。そして、複数本の光ファイバ心線30のうちの1本を切断する。
【0028】
また、心線収容部12のスプリッタ装着部25に光スプリッタ24を装着する。そして、切断された光ファイバ心線30と光スプリッタ24の入力光ファイバ心線28とを融着接続する。
【0029】
そして、入力光ファイバ心線28を余長ガイド部16に沿って必要な周回だけ巻回すると共に、光ファイバ心線30と入力光ファイバ心線28とを融着接続部S1を接続部装着部15に装着する。接続部装着部15は、心線収容部11における心線収容部12に隣接した部位に心線接続トレイ10の奥行き方向に延びるように設けられているので、心線導入部14から接続部装着部15までの光ファイバ心線30の長さを必要最小限に短くすることができる。このように心線収容部11には、心線種が同じである単心の光ファイバ心線28,30が収容されることになる。
【0030】
心線収容部12には、光スプリッタ24の入力光ファイバ心線28及び出力光ファイバ心線29を収容する。光スプリッタ24が装着されるスプリッタ装着部25は、心線収容部12の奥側端部付近に設けられている。このため、心線導入部22からスプリッタ装着部25までの入力光ファイバ心線28の長さが十分短くなる。出力光ファイバ心線29は、余長ガイド部26に沿って必要な周回だけ巻回される。このとき、入力光ファイバ心線28の長さは十分短いので、心線収容部12における心線種が異なる光ファイバ心線28,29の混在が抑えられ、光ファイバ心線28,29が取り出しにくくなることは無い。
【0031】
心線収容部13には、複数の出力光ファイバ心線29と複数の光ファイバ心線5との接続部分を収容する。光ファイバ心線5は、出力光ファイバ心線29と同様に4心ファイバテープ心線で形成されていても良いし、線径が0.5mmまたは0.25mmの単心光ファイバ心線であっても良い。
【0032】
まず出力光ファイバ心線29と光ファイバ心線5とを融着接続し、その融着接続部S2を接続部装着部19に装着すると共に、出力光ファイバ心線29及び光ファイバ心線5を余長ガイド部20に沿って必要な周回だけ巻回する。このとき、出力光ファイバ心線29及び光ファイバ心線5の何れか一方は、余長ガイド部20に沿って1周以上巻くことは無い。このため、心線収容部13における心線種が異なる光ファイバ心線5,29の混在が抑えられ、光ファイバ心線5,29が取り出しにくくなることは無い。
【0033】
図1に戻り、心線接続トレイ群9の下側には、補助心線接続トレイ31,32が配置されている。補助心線接続トレイ31,32は、図2に示すように、トレイ固定ベース板7に上下方向に回動可能に取り付けられている。
【0034】
心線接続トレイ群9の上側には、心線通過トレイ33が配置されている。心線通過トレイ33は、幹線主ケーブル2の中間部分の外被を除去して露出された複数本の光ファイバ心線3及びそれを単心分離させた光ファイバ心線30を収容するためのトレイである。単心分離された複数本の光ファイバ心線30のうち一部の光ファイバ心線30は、切断されて上記の光スプリッタ24と接続され、残りの光ファイバ心線30は、心線通過トレイ33にそのまま通過するように収容される。
【0035】
心線通過トレイ33は、各トレイ固定ベース板8(図2参照)に上下方向に回動可能に取り付けられている。これにより、心線通過トレイ33は、図5に示すように、心線接続トレイ群9に対して上方に傾くことが可能となる。このとき、心線通過トレイ33は、心線接続トレイ群9に対して上方に30度程度傾いた状態で保持可能となるように構成されている。これにより、心線接続トレイ群9の上方に作業空間が形成されるようになるため、心線接続トレイ10に対する作業空間を確保するために心線接続トレイ群9を手前側に引き出すための機構を設けなくて済む。各トレイ固定ベース板8には、心線通過トレイ33を心線接続トレイ群9に対して水平状態に保つための支持アーム36が設けられている。
【0036】
心線通過トレイ33を上方に傾けたときは、心線通過トレイ33の心線導入部34が幹線主ケーブル2に近づくようになるため、光ファイバ心線3の引きつれが発生せず、光ファイバ心線3に与える影響は少ない。
【0037】
心線通過トレイ33の下部には、図6に示すように、下部延ばしトレイ37が心線通過トレイ33に対して奥側(背面側)の回転軸を中心として開閉可能に設けられている。下部延ばしとは、例えば加入者が光通信の契約を解除したために光スプリッタ24を撤去する場合に、光スプリッタ24の入力光ファイバ心線28と光ファイバ心線30との接続を外し、その光ファイバ心線30を元の光ファイバ心線30と再度接続する、つまり切断された光ファイバ心線30同士を再度接続することである。下部延ばしトレイ37は、下部延ばしを実施した光ファイバ心線30同士の再接続部を収容するためのトレイである。
【0038】
心線接続トレイ群9の左右いずれか一方の側には、心線接続トレイ10と心線通過トレイ33との間に存在する光ファイバ心線30の余長を収容するための余長収容ポケット43が設けられている。余長収容ポケット43は、クロージャ1の上流側に対応する側に設けられている。ここでは、クロージャ1の左側が上流側であるとして、余長収容ポケット43は心線接続トレイ群9の左側に設けられている。
【0039】
余長収容ポケット43は、トレイ固定ベース板8の一部を形成するポケットベース板44と、このポケットベース板44に着脱可能に取り付けられ、心線接続トレイ10と心線通過トレイ33との間に存在する光ファイバ心線30をポケットベース板44に対して押さえる押さえ板45とからなっている。これにより、光ファイバ心線30を保護することができる。
【0040】
また、押さえ板45をポケットベース板44に対して着脱可能な構造とすることにより、クロージャ1の上流側の位置に応じて押さえ板45を付け替えれば良いため、押さえ板45としては1枚だけあれば足りる。
【0041】
補助心線接続トレイ32には、図7に示すように、心線接続トレイ群9、補助心線接続トレイ31,32、心線通過トレイ33及び下部延ばしトレイ37をフレーム体6に対して動かないように固定するためのトレイ押さえ板48が取り付けられている。
【0042】
以上のように本実施形態においては、心線接続トレイ10の心線収容部11〜13に、幹線主ケーブル2と分岐ケーブル4との間の複数種類の光ファイバ心線を心線収容部11〜13の配列方向に順番に渡るように収容する。具体的には、心線収容部11に同じ心線種である単心の光ファイバ心線28,30及び両者の融着接続部S1を収容し、心線収容部12に異なる心線種の光ファイバ心線28,29を光スプリッタ24と共に収容し、心線収容部13に同じ心線種または異なる心線種の光ファイバ心線5,29及び両者の融着接続部S2を収容する。これにより、心線種毎に異なる心線接続トレイに光ファイバ心線を収容しなくて済むため、複数種類の光ファイバ心線を心線接続トレイ10にスペース効率良く収容することができる。
【0043】
また、1枚の心線接続トレイ10に1つの光スプリッタ24及び2つの融着接続部S1,S2が収容されるため、複数の心線接続トレイ10をクロージャ1内の限られたスペースに配置する場合でも、多く(ここでは16個)の光スプリッタ24を搭載することができる。また、光スプリッタ24毎に収容層が分けられることになるので、識別性及び作業性が良くなる。
【0044】
このとき、心線収容部12内に収容された光ファイバ心線28及び心線収容部13内に収容された光ファイバ心線29は、何れも1周未満しか巻かれていない。このため、心線収容部12に2種類の光ファイバ心線28,29が収容されているにもかかわらず、光ファイバ心線28,29の混在が抑えられるため、見た目が良くなるうえに、上述したように心線収容部12から光ファイバ心線28,29を容易に取り出すことができる。また、心線収容部13に収容されている光ファイバ心線5,29の種類が異なる場合でも、光ファイバ心線5,29の混在が抑えられるため、見た目が良くなるうえに、上述したように心線収容部13から光ファイバ心線5,29を容易に取り出すことができる。
【0045】
また、心線種が異なると光ファイバ心線の曲げ剛性が変わるため、心線種の異なる2種類の光ファイバ心線が同じ心線収容部に収容される場合には、光ファイバ心線の局所的な曲げが発生することがある。しかし、心線収容部12内に収容された光ファイバ心線28及び心線収容部13内に収容された光ファイバ心線29は、何れも1周以上巻かれていないため、光ファイバ心線5,28,29の局所的な曲げは発生しにくい。これにより、光ファイバ心線5,28,29の所望の光伝送特性を確保することができる。
【0046】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、心線接続トレイ10が一列に配置された3つの心線収容部11〜13を有しているが、使用する心線接続トレイとしては、複数の心線収容部を有するものであれば良い。
【0047】
また、上記実施形態のクロージャ1は、幹線主ケーブル2の光ファイバ心線3と分岐ケーブル4の光ファイバ心線5との間に光スプリッタ24を介在させる接続形態であるが、本発明は、幹線主ケーブル2の光ファイバ心線3と分岐ケーブル4の光ファイバ心線5とを接続するものであれば適用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1…光ファイバ接続用クロージャ、2…幹線主ケーブル(第1光ケーブル)、3…光ファイバ心線(第1光ファイバ心線)、4…分岐ケーブル(第2光ケーブル)、5…光ファイバ心線(第2光ファイバ心線)、10…心線接続トレイ(ファイバ収容トレイ)、11〜13…心線収容部、15,19…接続部装着部、24…光スプリッタ、28…入力光ファイバ心線、29…出力光ファイバ心線、30…光ファイバ心線(第1光ファイバ心線)、S1,S2…融着接続部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光ケーブルの第1光ファイバ心線と第2光ケーブルの第2光ファイバ心線とを接続する光ファイバ接続用クロージャに搭載され複数の心線収容部を有するファイバ収容トレイに、前記第1光ファイバ心線及び前記第2光ファイバ心線を含む複数種類の光ファイバ心線を収容する光ファイバ収容方法であって、
前記各心線収容部に1種類または2種類の光ファイバ心線を収容すると共に、
前記心線収容部に2種類の光ファイバ心線を収容する場合には、前記2種類の光ファイバ心線の少なくとも一方を1周以上巻かないように収容することを特徴とする光ファイバ収容方法。
【請求項2】
前記ファイバ収容トレイは、一列に配置された少なくとも3つの前記心線収容部を有し、
前記複数種類の光ファイバ心線が前記第1光ファイバ心線側から前記第2光ファイバ心線側に向けて前記心線収容部の配列方向に沿って前記各心線収容部に順番に渡るように、前記各心線収容部に前記1種類または2種類の光ファイバ心線を収容することを特徴とする請求項1記載の光ファイバ収容方法。
【請求項3】
前記ファイバ収容トレイには、互いに異なる光ファイバ心線同士の接続部を装着するための接続部装着部が前記ファイバ収容トレイの奥行き方向に延びるように設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の光ファイバ収容方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−113927(P2013−113927A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−258124(P2011−258124)
【出願日】平成23年11月25日(2011.11.25)
【出願人】(000231936)日本通信電材株式会社 (98)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(595083051)株式会社ジャパンリーコム (40)
【Fターム(参考)】