説明

光伝送装置及び光伝送方法

【課題】本発明は、トラフィックが変動する場であっても、読出電気バッファのバッファ量を削減することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る光伝送装置は、バッファ使用量が予め定められたバッファ閾値以上の場合には、個別読出電気バッファ106の蓄積する全ての信号を読出回路108に読み出させ、光スプリッタ100からの光信号を光遅延線104で遅延させた後に光増幅器105に増幅させるとともに、光増幅器105の増幅した光信号と同一の信号を電気バッファ102に廃棄させ、バッファ使用量が予め定められたバッファ閾値未満の場合には、光スプリッタ100からの光信号の増幅を光増幅器105に停止させ、光増幅器105に入力される光信号と同一の信号を個別読出電気バッファ106に蓄積させ、個別読出電気バッファ106及び共通読出電気バッファ107に蓄積されている信号を読出回路108に読み出させる制御回路103を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光信号を伝送するための光伝送装置及び光伝送方法の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
将来の光アクセス網においては、将来の高速広帯域化の実現に加え、多様化する幅広いサービスに応じた伝送帯域や品質を有する回線を効率よく提供することが重要である。現在のネットワークの構成は、光アクセス回線を複数束ね集線し、それを高速なメトロネットワーク網の回線に乗せかえ、メトロネットワーク網の回線を更に束ねて集線し高速な中継網の回線に乗せかえることが可能な階層構造となっている。本階層構造とすることにより、1ユーザあたりに提供される光アクセス回線の伝送帯域が一律であることや利用されるサービスから、実際に使用される伝送帯域を推定し、トラフィックの効率的な収容が実現されてきた。しかし本収容設計では、利用される伝送帯域が推測可能であること、すなわち利用される伝送帯域の変動が小さいことが前提となる。そのため、このままの設計では、より複雑かつ幅広いトラフィック変動が予想される将来の多様なサービスを収容するのは難しいものと考えられる。
【0003】
図7に、従来のネットワーク構成例を示す。本ネットワークは、光伝送装置70〜70と光伝送装置70〜70それぞれから伝送される波長信号λ〜λを合波する波長合分波器71と、光伝送装置72と、光伝送装置73で構成され、光伝送装置72は、波長合分波器71からの光信号を波長ごとに分波する波長合分波器721と、波長合分波器721からの各波長信号を受信する光受信器722〜722と、光受信器722〜722からの電気信号をそれぞれ蓄積する読出電気バッファ723〜723と、各読出電気バッファ723〜723の信号を読み出す読出回路724と、読出回路724にて読み出された電気信号を光信号に変換して送信する光送信器725から構成される。
【0004】
ここで、例えば読出回路724が各読出電気バッファ723〜723から電気信号を読み出す方法としては、非特許文献1にあるような信号を到着した順に読み出すFIFO(First−In First−Out)方式などが挙げられる。FIFO方式では、読出電気バッファ723〜723に先着した信号から順に読み出される。そのため、他の読出電気バッファに信号が先に到着し、読み出し処理が行われている場合には、その信号の読み出し処理が終了するまで、読み出し処理を待つことになる。その結果、各読出電気バッファ723〜723から信号溢れを防ぐためには、各読出電気バッファ723〜723のバッファサイズを大きく設計しておく必要が生じる。
【0005】
一方で、バッファサイズを大きく設計してしまうと、各読出電気バッファに到着する信号が減少すると、読出電気バッファの利用効率は悪くなってしまう。とりわけ、将来の複雑かつ幅広いトラフィック変動下においては、本問題は顕著となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】高橋敬隆、山本尚生、吉野秀明、戸田彰、“わかりやすい待ち行列システム”、電子情報通信学会、2003年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上のような背景で行われたもので、トラフィックが変動する場であっても、読出電気バッファのバッファ量を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の観点は、前記目的を達成するために、読出電気バッファを経由しない光再生機能を光伝送装置に設け、読出電気バッファの利用状況に応じて、読出回路の読み出し方法と光再生機能の動作方法を制御する光伝送装置としたことである。
【0009】
具体的には、本発明に係る光伝送装置は、光信号を分岐する光スプリッタと、前記光スプリッタからの一方の光信号を受信する光受信器と、前記光受信器からの電気信号を蓄積する電気バッファと、前記電気バッファの蓄積する信号のヘッダ情報を読み取る制御回路と、前記光スプリッタからの他方の光信号を透過する光遅延線と、前記光遅延線からの光信号を増幅する光増幅器と、前記制御回路がヘッダ情報を読み取った電気信号を蓄積する個別読出電気バッファと、前記光スプリッタの分岐した光信号とは異なる光信号から変換された電気信号を蓄積する共通読出電気バッファと、前記個別読出電気バッファ又は前記共通読出電気バッファから電気信号を読み出す読出回路と、前記読出回路から読み出された電気信号を光信号に変換して送信する光送信器と、前記光送信器及び前記光増幅器からの光信号を合波する波長合分波器と、を備え、
前記制御回路は、前記個別読出電気バッファのバッファ使用量を監視し、前記個別読出電気バッファのバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値以上の場合には、前記個別読出電気バッファの蓄積する全ての信号を前記読出回路に読み出させ、前記光遅延線からの光信号を前記光増幅器に増幅させるとともに、前記光増幅器の増幅した光信号と同一の信号を前記電気バッファに廃棄させ、前記個別読出電気バッファのバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値未満の場合には、前記光遅延線からの光信号の増幅を前記光増幅器に停止させ、前記光増幅器に入力される光信号と同一の信号を前記個別読出電気バッファに蓄積させ、前記個別読出電気バッファ及び前記共通読出電気バッファに蓄積されている信号を前記読出回路に読み出させることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る光伝送装置は、光受信器と、個別読出電気バッファと、読出回路と、光送信器と、を備えるため、光伝送装置に入力された光信号を伝送することができる。本発明に係る光伝送装置は、光スプリッタと、光遅延線と、光増幅器と、電気バッファと、制御回路と、を備えるため、個別読出電気バッファの利用状況に応じて、読出電気バッファを経由しない光再生機能を用いて光信号を伝送することができる。したがって、本発明に係る光伝送装置は、トラフィックが変動する場であっても、読出電気バッファのバッファ量を削減することができる。
【0011】
ここで、光遅延線は、制御回路にてバッファ使用量を確認する処理に要する時間相当の光遅延線である。例えば電気バッファに蓄積する信号のヘッダ情報を読み取る時間等である。制御回路は光受信器からの信号をもとにクロック信号を生成する機能を有し、このクロック信号によるタイミングをもとに、設計された光遅延線の距離、制御回路におけるバッファ使用量確認処理に要する時間を考慮し、光遅延線を透過した光信号が光増幅器を通過するタイミングと光増幅器の制御タイミングを一致させる。
【0012】
本発明に係る光伝送装置では、前記光遅延線は、前記個別読出電気バッファに蓄積されている全ての信号を前記読出回路が読み出すのに要する時間を超える時間にわたり、前記光スプリッタからの他方の光信号を遅延させてもよい。
本発明により、光スプリッタから伝送されてきた信号の順番の逆転を防ぐことができる。
【0013】
具体的には、本発明に係る光伝送装置は、第1の光信号を分岐する第1光スプリッタと、前記第1光スプリッタからの一方の光信号を受信する第1光受信器と、前記第1光受信器からの電気信号を蓄積する第1電気バッファと、前記第1電気バッファの蓄積する信号のヘッダ情報を読み取る第1制御回路と、前記第1光スプリッタからの他方の光信号を透過する第1光遅延線と、前記第1光遅延線からの光信号を増幅する第1光増幅器と、前記第1制御回路がヘッダ情報を読み取った電気信号を蓄積する第1個別読出電気バッファと、第2の光信号を分岐する第2光スプリッタと、前記第2光スプリッタからの一方の光信号を受信する第2光受信器と、前記第2光受信器からの電気信号を蓄積する第2電気バッファと、前記第2電気バッファの蓄積する信号のヘッダ情報を読み取る第2制御回路と、前記第2光スプリッタからの他方の光信号を透過する第2光遅延線と、前記第2光遅延線からの光信号を増幅する第2光増幅器と、前記第2制御回路がヘッダ情報を読み取った電気信号を蓄積する第2個別読出電気バッファと、前記第1個別読出電気バッファ又は前記第2個別読出電気バッファから電気信号を読み出す読出回路と、前記読出回路から読み出された電気信号を光信号に変換して送信する光送信器と、前記光送信器、前記第1光増幅器及び前記第2光増幅器からの光信号を合波する波長合分波器と、を備え、
前記第1制御回路は、前記第1個別読出電気バッファのバッファ使用量を監視し、前記第1個別読出電気バッファのバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値以上の場合には、前記第1個別読出電気バッファの蓄積する全ての信号を前記読出回路に読み出させ、前記第1光遅延線からの光信号を前記第1光増幅器に増幅させるとともに、前記第1光増幅器の増幅した光信号と同一の信号を前記第1電気バッファに廃棄させ、前記第1個別読出電気バッファのバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値未満の場合には、前記第1光遅延線からのからの光信号の増幅を前記第1光増幅器に停止させ、前記第1光増幅器に入力される光信号と同一の信号を前記第1個別読出電気バッファに蓄積させ、前記第1個別読出電気バッファ及び前記第2個別読出電気バッファに蓄積されている信号を前記読出回路に読み出させ、
前記第2制御回路は、前記第2個別読出電気バッファのバッファ使用量を監視し、前記第2個別読出電気バッファのバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値以上の場合には、前記第2個別読出電気バッファの蓄積する全ての信号を前記読出回路に読み出させ、前記第2光遅延線からの光信号を前記第2光増幅器に増幅させるとともに、前記第2光増幅器の増幅した光信号と同一の信号を前記第2電気バッファに廃棄させ、前記第2個別読出電気バッファのバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値未満の場合には、前記第2光遅延線からの光信号の増幅を前記第2光増幅器に停止させ、前記第2光増幅器に入力される光信号と同一の信号を前記第2個別読出電気バッファに蓄積させ、前記第1個別読出電気バッファ及び前記第2個別読出電気バッファに蓄積されている信号を前記読出回路に読み出させることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る光伝送装置は、第1光受信器と、第1個別読出電気バッファと、第2光受信器と、第2個別読出電気バッファと、読出回路と、光送信器と、を備えるため、光伝送装置に入力された2つの光信号を伝送することができる。本発明に係る光伝送装置は、第1光スプリッタと、第1光遅延線と、第1光増幅器と、第1電気バッファと、第1制御回路と、第2光スプリッタと、第2光遅延線と、第2光増幅器と、第2電気バッファと、第2制御回路と、を備えるため、第1個別読出電気バッファ及び第2個別読出電気バッファの利用状況に応じて、読出電気バッファを経由しない光再生機能を用いて光信号を伝送することができる。したがって、本発明に係る光伝送装置は、トラフィックが変動する場であっても、読出電気バッファのバッファ量を削減することができる。
【0015】
本発明に係る光伝送装置では、前記第1光遅延線は、前記第1個別読出電気バッファ及び前記第2個別読出電気バッファに蓄積されている全ての信号を前記読出回路が読み出すのに要する時間を超える時間にわたり、前記第1光スプリッタからの他方の光信号を遅延させ、前記第2光遅延線は、前記第1個別読出電気バッファ及び前記第2個別読出電気バッファに蓄積されている全ての信号を前記読出回路が読み出すのに要する時間を超える時間にわたり、前記第2光スプリッタからの他方の光信号を遅延させてもよい。
本発明により、第1光スプリッタ及び第2光スプリッタから伝送されてきた信号の順番の逆転を防ぐことができる。
【0016】
具体的には、本発明に係る光伝送方法は、光スプリッタからの一方の光信号を受信して電気バッファに蓄積し、前記電気バッファに蓄積されている信号のヘッダを読み取り、個別読出電気バッファのバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値以上であるか又は前記バッファ閾値未満であるかを判定する判定手順と、
前記個別読出電気バッファのバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値以上の場合には、前記個別読出電気バッファの蓄積する全ての信号を光送信器から送信し、前記光スプリッタからの他方の光信号を光遅延線で遅延させた後に光増幅器で増幅するとともに前記光増幅器の増幅した光信号と同一の信号を前記電気バッファから廃棄し、前記光送信器及び前記光増幅器からの光信号を合波して出力する光伝送手順と、
前記個別読出電気バッファのバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値未満の場合には、前記光遅延線からの光信号の増幅を前記光増幅器が停止し、前記光増幅器に入力される光信号と同一の信号を前記個別読出電気バッファが蓄積し、前記個別読出電気バッファ及び前記共通読出電気バッファに蓄積されている信号を光送信器から送信する電気伝送手順と、を有する。
【0017】
本発明に係る光伝送方法は、判定手順を有し、個別読出電気バッファの利用状況に応じて光伝送手順又は電気伝送手順を実行するため、個別読出電気バッファを経由しない光再生機能を用いて光信号を伝送することができる。したがって、本発明に係る光伝送方法は、トラフィックが変動する場であっても、読出電気バッファのバッファ量を削減することができる。
【0018】
具体的には、本発明に係る光伝送方法は、第1光スプリッタからの一方の光信号を受信して第1電気バッファに蓄積し、前記第1電気バッファに蓄積されている信号のヘッダを読み取り、第1個別読出電気バッファのバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値以上であるか又は前記バッファ閾値未満であるかを判定するとともに、第2光スプリッタからの一方の光信号を受信して第2電気バッファに蓄積し、前記第2電気バッファに蓄積されている信号のヘッダを読み取り、第2個別読出電気バッファのバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値以上であるか又は前記バッファ閾値未満であるかを判定する複数判定手順と、
前記第1個別読出電気バッファのバッファ使用量が前記バッファ閾値以上でありかつ前記第2個別読出電気バッファのバッファ使用量が前記バッファ閾値以上の場合には、前記第1個別読出電気バッファ及び前記第2個別読出電気バッファの蓄積する全ての信号を光送信器から送信し、前記第1光スプリッタからの他方の光信号を第1光遅延線で遅延させた後に第1光増幅器で増幅するとともに前記第1光増幅器の増幅した光信号と同一の信号を前記第1電気バッファから廃棄し、前記第2光スプリッタからの他方の光信号を第2光遅延線で遅延させた後に第2光増幅器で増幅するとともに前記第2光増幅器の増幅した光信号と同一の信号を前記第2電気バッファから廃棄し、前記光送信器及び前記第1光増幅器及び前記第2光増幅器からの光信号を合波して出力する複数光伝送手順と、
前記第1個別読出電気バッファのバッファ使用量が前記バッファ閾値以上でありかつ前記第2個別読出電気バッファのバッファ使用量が前記バッファ閾値未満の場合には、前記第1個別読出電気バッファに蓄積されている全ての信号を前記光送信器から送信し、前記第1光スプリッタからの他方の光信号を第1光遅延線で遅延させた後に第1光増幅器で増幅するとともに前記第1光増幅器の増幅した光信号と同一の信号を前記第1電気バッファから廃棄し、前記第2光遅延線からの光信号の増幅を前記第2光増幅器が停止し、前記第2光増幅器に入力される光信号と同一の信号を前記第2個別読出電気バッファが蓄積し、前記光送信器及び前記第1光増幅器からの光信号を合波して出力する第1の光伝送手順と、
前記第2個別読出電気バッファのバッファ使用量が前記バッファ閾値以上でありかつ前記第1個別読出電気バッファのバッファ使用量が前記バッファ閾値未満の場合には、前記第2個別読出電気バッファに蓄積されている全ての信号を前記光送信器から送信し、前記第2光スプリッタからの他方の光信号を第2光遅延線で遅延させた後に第2光増幅器で増幅するとともに前記第2光増幅器の増幅した光信号と同一の信号を前記第2電気バッファから廃棄し、前記第1光遅延線からの光信号の増幅を前記第1光増幅器が停止し、前記第1光増幅器に入力される光信号と同一の信号を前記第1個別読出電気バッファが蓄積し、前記光送信器及び前記第2光増幅器からの光信号を合波して出力する第2の光伝送手順と、
前記第1個別読出電気バッファ及び前記第2個別読出電気バッファのバッファ使用量が前記バッファ閾値未満の場合には、前記第1光遅延線からの光信号の増幅を前記第1光増幅器が停止し、前記第1光増幅器に入力される光信号と同一の信号を前記第1個別読出電気バッファが蓄積し、前記第2光遅延線からの光信号の増幅を前記第2光増幅器が停止し、前記第2光増幅器に入力される光信号と同一の信号を前記第2個別読出電気バッファが蓄積し、前記第1個別読出電気バッファ及び前記第2個別読出電気バッファに蓄積されている信号を前記光送信器から送信する複数電気伝送手順と、を有する。
【0019】
本発明に係る光伝送方法は、複数判定手順を有し、個別読出電気バッファの利用状況に応じて複数光伝送手順、第1の光伝送手順、第2の光伝送手順又は複数電気伝送手順を実行するため、個別読出電気バッファを経由しない光再生機能を用いて光信号を伝送することができる。したがって、本発明に係る光伝送方法はトラフィックが変動する場であっても、読出電気バッファのバッファ量を削減することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、トラフィックが変動する場であっても、読出電気バッファのバッファ量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施形態1に係る光伝送装置の一例を示す。
【図2】実施形態1に係る光伝送方法の一例を示すフローチャートである。
【図3】実施形態1に係る光遅延線の設計方法の一例を示す説明図である。
【図4】実施形態2に係る光伝送装置の一例を示す。
【図5】実施形態2に係る光伝送方法の一例を示すフローチャートである。
【図6】実施形態2に係る光遅延線の設計方法の一例を示す説明図である。
【図7】従来のネットワーク構成例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0023】
(実施形態1)
図1に、実施形態1に係る光伝送装置の一例を示す。実施形態1に係る光伝送装置10は、一方からの光信号を分岐する光スプリッタ100と、光スプリッタ100からの光信号を受信する光受信器101と、光受信器101からの電気信号を蓄積する電気バッファ102と、光受信器101からの信号のヘッダ情報を読み取る制御回路103と、分岐したもう一方の光信号を透過する光遅延線104と、光遅延線104からの光信号を増幅することによって光再生する光増幅器105と、電気バッファ102の信号を蓄積する個別読出電気バッファ106と、個別読出電気バッファ106とは異なる共通読出電気バッファ107と、個別読出電気バッファ106及び共通読出電気バッファ107の信号を読み出す読出回路108と、読出回路108から読み出された電気信号を光信号に変換して送信する光送信器109と、光送信器109からの光信号と光増幅器105からの光信号を合波する波長合分波器110と、を備える。
【0024】
制御回路103は、接続する個別読出電気バッファ106のバッファ使用量を監視し、バッファ使用量がバッファ閾値以上の場合には、制御回路103は、電気バッファ102、光増幅器105、読出回路108及び光送信器109を次のように動作させる。
読出回路108は、個別読出電気バッファ106にある信号を全て読み出す。光送信器109は読み出された全ての信号を光信号に変換して送信する。光増幅器105は、光スプリッタ100からの光信号を光再生する。電気バッファ102は、同一信号を廃棄する。
【0025】
制御回路103は、接続する個別読出電気バッファ106のバッファ使用量を監視し、バッファ使用量がバッファ閾値未満の場合には、制御回路103は、電気バッファ102、光増幅器105、読出回路108及び光送信器109を次のように動作させる。
光増幅器105は、光スプリッタ100からの光信号を増幅しない。個別読出電気バッファ106は、電気バッファ102に蓄積されている同一信号を蓄積する。読出回路108は個別読出電気バッファ106及び共通読出電気バッファ107から信号を読み出す。光送信器109は読み出された信号を光信号に変換して送信する。
【0026】
個別読出電気バッファ106とは異なる共通読出電気バッファ107は、例えば、光スプリッタ100に到着する光信号を送信する光伝送装置10とは異なる、別の光伝送装置から到着した信号を蓄積するためのもので、複数の光伝送装置からの信号をそれぞれ共通読出電気バッファ107に格納し、それらを1つの光送信器にて束ねて集線して伝送することにより、トラフィックの効率的な利用を実現する。なお、共通読出電気バッファ107のバッファ量は十分に大きいものとし、本発明の制御により、バッファから信号溢れは生じないものとする。
【0027】
制御回路103は、光受信器101からの信号のヘッダ情報をもとに、到着した信号が使用するバッファ使用量を読み取る。例えばフレーム信号が到着した場合には、フレーム長をもとにバッファ使用量を読み取ることができる。本読み取り情報をもとに、制御回路103は、到着した信号を個別読出電気バッファ106に蓄えた場合に、バッファ使用量(これまでに蓄えられた信号のバッファ使用量+到着した信号が必要とするバッファ使用量)がバッファ閾値以上となるか否かを、個別読出電気バッファ106に蓄積する前に判定することができる。
【0028】
バッファ使用量がバッファ閾値未満の場合における読出回路108の個別読出電気バッファ106及び共通読出電気バッファ107からの信号読出方法は、様々なものが考えられる。例えば、非特許文献1にあるような信号を到着した順に読み出すFIFO(first−in first−out)方式を適用すると、個別読出電気バッファ106及び共通読出電気バッファ107のうち先着した信号から順に読み出されることとなる。
【0029】
光送信器109と光増幅器105からの光信号の波長は、異なる方が望ましい。例えば、個別読出電気バッファ106のバッファ使用量がバッファ閾値以上の場合には、光増幅器105から光信号が送信されるが、その間読出回路108は、共通読出電気バッファ107の信号を読み出し、光送信器109で送信することができる。そのため、同時に2つの光信号を送信することから、光送信器109と光増幅器105からの光信号の波長は異なるものとし、波長合分波器110で合流する構成とするほうが望ましい。ただし、同時に光信号を送信しない場合、例えば光増幅器105から光信号が送信されている間は、光送信器109から信号を送信しない場合には、同一の波長を用いることも可能であるため、波長合分波器110の代わりに光カプラを用いることも可能である。
【0030】
図2に、本実施形態に係る光伝送方法の一例を示すフローチャートである。実施形態1に係る光伝送方法は、判定手順と、光伝送手順と、電気伝送手順と、を有する。判定手順では、ステップS101を実行する。制御回路103は、個別読出電気バッファ106のバッファ使用量を監視し、光受信器101に信号が到着すると、バッファ使用量がバッファ閾値以上か否かを判定する(S101)。
【0031】
バッファ使用量がバッファ閾値以上の場合(S101でYesの場合)、光伝送手順を実行する。光伝送手順では、制御回路103は、電気バッファ102、光増幅器105、読出回路108及び光送信器109を以下のように動作させる。
【0032】
制御回路103は、読出回路108が個別読出電気バッファ106あるいは共通読出電気バッファ107の信号を読み出し処理中か否かを判定する(S102)。
【0033】
読出回路108が信号を読み出し処理中の場合(S102でYesの場合)、制御回路103は、読出回路108がその信号読み出し処理を完了した後、個別読出電気バッファ106にある全ての信号を読出回路108に読み出させる。すると、光送信器109は、読出回路108の読み出した全ての信号を光信号に変換して送信する(S103)。これにより、個別読出電気バッファ106にある全ての信号を光信号に変換して送信することができる。
その後制御回路103は、光増幅器105に光信号を増幅させる。このとき、電気バッファ102に蓄積された同一の信号を廃棄する(S104)。これにより、光受信器101に到着した信号と同一の信号を光再生して伝送することができる。
【0034】
読出回路108が信号を読み出し処理中でない場合(S102でNoの場合)、制御回路103は、すぐに、個別読出電気バッファ106にある全ての信号を読出回路108に読み出させる。すると、光送信器109は、読出回路108の読み出した全ての信号を光信号に変換して送信する(S106)。これにより、個別読出電気バッファ106にある全ての信号を、すぐに光信号に変換して送信することができる。
その後制御回路103は、光受信器101に到着した信号と同一の信号を光増幅器105に増幅させる。このとき、電気バッファ102に蓄積された同一の信号を廃棄する(S104)。これにより、光受信器101に到着した信号と同一の信号を光再生して伝送することができる。
【0035】
一方で、バッファ使用量がバッファ閾値未満の場合(S101でNoの場合)、電気伝送手順を実行する。電気伝送手順では、制御回路103は、電気バッファ102、光増幅器105、読出回路108及び光送信器109を以下のように動作させる。
【0036】
制御回路103は、光増幅器105の増幅を停止させるか、光増幅器105からの出力光を遮断する。このように、光受信器101に到着した信号を光増幅器105にて光再生しないよう動作する。制御回路103は、光増幅器105に入力される光信号と同一の信号を個別読出電気バッファ106に蓄積させ、個別読出電気バッファ106及び共通読出電気バッファ107に蓄積されている信号を読出回路108に読み出させる。すると、光送信器109は、読出回路108の読み出した全ての信号を光信号に変換して送信する(S105)。これにより、個別読出電気バッファ106及び共通読出電気バッファ107に蓄積されている信号を送信することができる。
【0037】
ここでバッファ閾値は、全体のトラフィック量、個別読出電気バッファ106の容量、信号が個別読出電気バッファ106から溢れてしまう割合などからあらかじめ設定しておく値である。
【0038】
光増幅器105にて光再生する時間は任意である。すなわち、光再生動作を開始して1つの信号を伝送した後、S101の処理に戻り、個別読出電気バッファ106経由で伝送することも可能であり、また、光再生動作を開始して一定時間(一定量の信号が伝送される時間)経過した後、S101の処理に戻り、個別読出電気バッファ106経由で伝送することも可能である。例えばトラフィックの増大が一過性のものであれば、前者のようにすぐにS101の処理に戻るほうが光増幅器105の光再生動作時間を短くすることができるため、光増幅器105の消費電力削減の効果が期待できる。一方でトラフィックの増大が継続する場合には、後者のように一定時間経過後にS101の処理に戻るほうが、すぐにバッファ閾値以上の状態にならないため、光増幅器105の光再生動作をするかしないかの切り換え動作を頻繁に行う必要がなくなる。
【0039】
図3に、本実施形態に係る光遅延線の設計方法の一例を示す説明図である。光遅延線104は、読出回路108が個別読出電気バッファ106の信号を全て読み出し終えた後に、光スプリッタ100からの信号を光増幅器105で光再生するよう時間的に遅らせるために必要となるものである。なぜなら、個別読出電気バッファ106の信号の読み出しが全て完了する前に、光増幅器105を信号が通過してしまうと、光スプリッタ100から伝送されてきた信号の順番が逆転してしまう恐れがあるからである。
【0040】
図3は、このような信号の順番の逆転現象を防ぐために必要となる光遅延線にて遅らせる時間を示した図である。まず必要となるのは、個別読出電気バッファ106からバッファ閾値分の信号を読み出すための処理時間(Bth1)である。個別読出電気バッファ106のバッファ使用量がバッファ閾値以上になった場合で、読出回路108が信号読み出し処理中でない場合、図2のS106の処理が行われるため、その分の時間が必要となる。バッファ使用量がバッファ閾値と一致する場合は、必要な時間は前記処理時間(Bth1)だけで十分であるが、バッファ閾値を超える場合には、超えた分も考慮する必要がある。必ず前記逆転現象を防ぐためには、最大の超える分を考慮すればよいので、個別読出電気バッファ106に到着する信号を読み出すために必要な最大時間(A1max)を追加する。例えば信号がフレームの場合、フレーム長が長いほど、読み出す時間が必要となるため、最大フレーム長を読み出すために必要な時間とすればよい。
【0041】
更に必要となるのが、図2のS103の処理に要する時間である。すなわち、読出回路が信号読み出し処理中の場合には、その処理が完了するまで、個別読出電気バッファ106の全ての信号を読み出す処理を開始できないため、前記処理が完了するのを待つ必要がある。ここでも、必ず前記逆転現象を防ぐためには、前記処理の最大時間を考慮すればよいので、読出回路108の信号読み出し処理の最大時間(R1max)を追加する。例えば信号がフレームの場合、フレーム長が長いほど、読み出す時間が必要となるため、最大フレーム長を読み出すために必要な時間とすればよい。仮に光伝送装置10で取り扱う最大フレーム長が規定されていれば、A1maxとR1maxは同一の値とすることができる。以上より、光遅延線は、Bth1+A1max+R1max時間相当の長さに設計すればよいことが理解できる。このように、光遅延線104は、個別読出電気バッファ106に蓄積されている全ての信号を読出回路108が読み出すのに要する時間(Bth1+A1max+R1max)を超える時間にわたり、光スプリッタ100からの他方の光信号を遅延させる。
【0042】
例えば、光スプリッタ100、光遅延線104、光増幅器105の順に伝送する波長信号の伝送帯域を10Gbit/s、Bth1=8192bit時間相当、A1max=R1max=512bit時間相当、光遅延線中の光速=2×10とすると、合計9216bit時間相当の長さに光遅延線を設計すればよいので、光遅延線={9216÷(10×10)}×(2×10)=184.32mとなる。
【0043】
なお、前記光遅延線長に、制御回路103にてバッファ使用量を確認する処理に要する時間相当分を加えた時間が、光遅延線104の設計長となる。例えば電気バッファ102に蓄積する信号のヘッダ情報を読み取る時間等である。制御回路103は電気バッファ102からの信号をもとにクロック信号を生成する機能を有し、このクロック信号によるタイミングをもとに、設計された光遅延線104の距離、制御回路103におけるバッファ使用量確認処理に要する時間を考慮し、光遅延線104を透過した光信号が光増幅器105を通過するタイミングと光増幅器105の制御タイミングを一致させる。
【0044】
以上の説明で述べたとおり、個別読出電気バッファ106のバッファ使用量がバッファ閾値以上になった場合に、個別読出電気バッファ106の信号を全て読み出す理由は、伝送する信号の順番が逆転しないようにするためである。例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)では、到着する信号が逆転してしまうと、TCP再送制御が発生してしまうためスループットの低下につながってしまう。本発明では、設計するバッファ量を大きくする必要がないことに加え、信号到着の逆転現象を回避することも可能となる。
【0045】
実施形態1に係る光伝送装置10は、図7に示す光伝送装置72に相当する中継装置として利用することができる。この場合、光受信器722〜722及び読出電気バッファ723〜723に、光スプリッタ100、光増幅器105、光受信器101、電気バッファ102、制御回路103、個別読出電気バッファ106が波長ごとに配置される。この場合、共通読出電気バッファ107には、読出電気バッファ723〜723に蓄積される全ての信号が蓄積される。
【0046】
(実施形態2)
図4に、実施形態2に係る光伝送装置の一例を示す。実施形態2に係る光伝送装置20は、第1光判定回路2000と、第2光判定回路2100と、第1光判定回路2000及び第2光判定回路2100の各個別読出電気バッファの信号を読み出す読出回路207と、読出回路207から読み出された電気信号を光信号に変換して送信する光送信器208と、光送信器208、第1光判定回路2000及び第2光判定回路2100からの光信号を合波する波長合分波器209と、を備える。
【0047】
第1光判定回路2000は、一方からの光信号を分岐する第1光スプリッタとしての光スプリッタ200と、光スプリッタ200からの光信号を受信する第1光受信器としての光受信器201と、光受信器201からの電気信号を蓄積する第1電気バッファとしての電気バッファ202と、光受信器201からの信号のヘッダ情報を読み取る第1制御回路としての制御回路203と、分岐したもう一方の光信号を透過する第1光遅延線としての光遅延線204と、光遅延線204からの光信号を光再生する第1光増幅器としての光増幅器205と、電気バッファ202の信号を蓄積する第1個別読出電気バッファとしての個別読出電気バッファ206と、を備える。
【0048】
第2光判定回路2100は、一方からの光信号を分岐する第2光スプリッタとしての光スプリッタ210と、光スプリッタ210からの光信号を受信する第2光受信器としての光受信器211と、光受信器211からの電気信号を蓄積する第2電気バッファとしての電気バッファ212と、光受信器211からの信号のヘッダ情報を読み取る第2制御回路としての制御回路213と、分岐したもう一方の光信号を透過する第2光遅延線としての光遅延線214と、光遅延線214からの光信号を光再生する第2光増幅器としての光増幅器215と、電気バッファ212の信号を蓄積する第2個別読出電気バッファとしての個別読出電気バッファ216と、を備える。
【0049】
制御回路203は、接続する個別読出電気バッファ206のバッファ使用量を監視し、個別読出電気バッファ206のバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値以上の場合には、個別読出電気バッファ206の蓄積する全ての信号を読出回路207に読み出させ、光スプリッタ200からの光信号を光増幅器205に増幅させるとともに、光増幅器205の増幅した光信号と同一の信号を電気バッファ202に廃棄させる。
【0050】
制御回路203は、接続する個別読出電気バッファ206のバッファ使用量を監視し、個別読出電気バッファ206のバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値未満の場合には、光スプリッタ200からの光信号の増幅を光増幅器205に停止させ、光増幅器205に入力される光信号と同一の信号を個別読出電気バッファ206に蓄積させ、個別読出電気バッファ206及び個別読出電気バッファ216に蓄積されている信号を読出回路207に読み出させる。
【0051】
制御回路213は、個別読出電気バッファ216のバッファ使用量を監視し、個別読出電気バッファ216のバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値以上の場合には、個別読出電気バッファ216の蓄積する全ての信号を読出回路207に読み出させ、光スプリッタ210からの光信号を光増幅器215に増幅させるとともに、光増幅器215の増幅した光信号と同一の信号を電気バッファ212に廃棄させる。
【0052】
制御回路213は、個別読出電気バッファ216のバッファ使用量を監視し、個別読出電気バッファ216のバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値未満の場合には、光スプリッタ210からの光信号の増幅を光増幅器215に停止させ、光増幅器215に入力される光信号と同一の信号を個別読出電気バッファ216に蓄積させ、個別読出電気バッファ206及び個別読出電気バッファ216に蓄積されている信号を読出回路207に読み出させる。
【0053】
個別読出電気バッファ206のバッファ使用量がバッファ閾値以上で、個別読出電気バッファ216のバッファ使用量がバッファ閾値未満の場合、制御回路203及び制御回路213の制御によって、光伝送装置20は、以下のように動作する。
読出回路207は、個別読出電気バッファ206にある信号を全て読み出し、個別読出電気バッファ216にある信号は待機させる。光送信器208は前記読み出された信号を光信号に変換して送信する。
光増幅器205は、光スプリッタ200からの光信号を光再生する。電気バッファ202は、光再生した光信号と同一信号を廃棄する。光増幅器215は、光スプリッタ210からの光信号を光再生しない。電気バッファ212は、光再生しない光信号と同一信号を個別読出電気バッファ216に蓄える。
【0054】
個別読出電気バッファ206及び個別読出電気バッファ216のバッファ使用量がバッファ閾値以上の場合、制御回路203及び制御回路213の制御によって、光伝送装置20は、以下のように動作する。
読出回路207は、一方の個別読出電気バッファ206にある信号を全て読み出し、その読み出し動作が完了した後、もう一方の個別読出電気バッファ216にある信号を全て読み出す。光送信器208はそれら読み出された全ての信号を光信号に変換して送信する。
光増幅器205は、光スプリッタ200からの光信号を光再生する。電気バッファ202は、光再生した光信号と同一信号を廃棄する。光増幅器215は、光スプリッタ210からの光信号を光再生する。電気バッファ212は、光再生した光信号と同一信号を廃棄する。
【0055】
個別読出電気バッファ206及び個別読出電気バッファ216のバッファ使用量がバッファ閾値未満の場合、制御回路203及び制御回路213の制御によって、光伝送装置20は、以下のように動作する。
光増幅器205は、光スプリッタ200からの光信号を光再生しない。光再生しない光信号と同一信号を個別読出電気バッファ206に蓄える。光増幅器215は、光スプリッタ210からの光信号を光再生しない。光再生しない光信号と同一信号を個別読出電気バッファ216に蓄える。
読出回路207は、個別読出電気バッファ206及び個別読出電気バッファ216から信号を読み出す。光送信器208は、前記読み出された信号を光信号に変換して送信する。
【0056】
制御回路203及び制御回路213におけるヘッダ情報の解析動作、および読出回路207における個別読出電気バッファ206及び個別読出電気バッファ216からの信号読出方式は、実施形態1に係る光伝送装置10の説明で記載したものと同じである。また、光送信器208、光増幅器205及び光増幅器215からの光信号の波長はそれぞれ異なることが望ましい。これも実施形態1に係る光伝送装置10の説明で記載したものと同じである。ただし、同時に光信号を送信しない場合には波長合分波器209の代わりに光カプラを用いることも可能である。
【0057】
図5に、本実施形態に係る光伝送装置の制御フローチャートを示す。実施形態2に係る光伝送方法は、複数判定手順と、伝送手順と、を順に有する。伝送手順では、複数光伝送手順、第1の光伝送手順、第2の光伝送手順又は複数電気伝送手順のいずれかを実行する。制御回路203及び制御回路213は、個別読出電気バッファ206及び個別読出電気バッファ216のバッファ使用量を監視し、光受信器201あるいは光受信器211に信号が到着すると、それぞれのバッファ使用量がバッファ閾値以上か否かを判定する。
【0058】
両方の個別読出電気バッファ206及び個別読出電気バッファ216のバッファ使用量がバッファ閾値以上の場合(S201でYesの場合)、読出回路207が個別読出電気バッファ206あるいは個別読出電気バッファ216の信号を読み出し処理中か否かを判定する(S202)。読出回路207が信号を読み出し処理中の場合(S202でYesの場合)、読出回路207はその信号読み出し処理を完了した後、一方の個別読出電気バッファ(通常は、S202で読み出し処理中であった個別読出電気バッファと同じ方の個別読出電気バッファ)の信号を全て読み出し、光送信器208にて送信する(S203)。その後一方の制御回路は、光受信器に到着した信号と同一の信号を光増幅器にて光再生して伝送するとともに、電気バッファに蓄積された同一の信号を廃棄する(S204)。
【0059】
読出回路207が信号を読み出し処理中でない場合(S202でNoの場合)には、読出回路207はすぐに一方の個別読出電気バッファの信号を全て読み出し、光送信器208にて送信する(S207)。その後一方の制御回路は、光受信器に到着した信号と同一の信号を光増幅器にて光再生して伝送するとともに、電気バッファに蓄積された同一の信号を廃棄する(S204)。次に読出回路207は、もう一方の個別読出電気バッファの信号を全て読み出し、光送信器にて送信する(S205)。その後もう一方の制御回路は、光受信器に到着した信号と同一の信号を光増幅器にて光再生して伝送するとともに、電気バッファに蓄積された同一の信号を廃棄する(S206)。
【0060】
一方で、両方の個別読出電気バッファのバッファ使用量がバッファ閾値以上でない場合(S201でNoの場合)、片方の個別読出電気バッファのバッファ使用量がバッファ閾値以上か否かを判定する(S208)。片方の個別読出電気バッファのバッファ使用量がバッファ閾値以上の場合(S208でYesの場合)、読出回路207が個別読出電気バッファ206又は216の信号を読み出し処理中か否かを判定する(S209)。読出回路207が信号を読み出し処理中の場合(S209でYesの場合)、読出回路207はその信号読み出し処理を完了した後、バッファ閾値以上の個別読出電気バッファの信号を全て読み出し、光送信器208にて送信する(S210)。その後バッファ閾値以上の個別読出電気バッファ側の制御回路は、光受信器に到着した信号と同一の信号を光増幅器にて光再生して伝送するとともに、電気バッファに蓄積された同一の信号を廃棄する(S211)。一方、読出回路207が信号を読み出し処理中でない場合(S209でNoの場合)、すぐにバッファ閾値以上の個別読出電気バッファの信号を全て読み出し、光送信器208にて送信する(S213)。そして、バッファ閾値未満の個別読出電気バッファ側の制御回路は、光受信器に到着した信号を光増幅器にて光再生しないように動作するとともに、光受信器に到着し電気バッファに蓄えられた同一の信号を個別読出電気バッファに蓄え、光送信器にて送信する(S212)。
【0061】
更に、両方の個別読出電気バッファのバッファ使用量もバッファ閾値未満の場合(S208でNoの場合)、両方の制御回路203及び213は、光受信器201及び211に到着した信号を光増幅器205及び215にて光再生しないように動作するとともに、光受信器に到着し電気バッファに蓄えられた同一の信号を個別読出電気バッファ206及び216に蓄え、光送信器208にて送信する(S214)。
【0062】
図6に、本実施形態に係る光伝送装置の光遅延線の設計方法を示す。光遅延線は図3の説明で述べたとおり、読出回路が個別読出電気バッファの信号を全て読み出し終えた後に、光スプリッタからの信号を光増幅器で光再生するよう時間的に遅らせるために必要となるものである。
図6は、光遅延線にて遅らせる時間を示した図である。図3との違いは、他方の個別読出電気バッファの信号を読み出す時間を考慮する必要がある点である。すなわち、図3のBth1+A1max+R1maxに加え、他方の個別読出電気バッファのバッファ閾値分の信号を読み出すための処理時間(Bth2)が必要となる。また図3と同様に、バッファ閾値を超える場合には、超えた分も考慮する必要がある。必ず前記逆転現象を防ぐためには、最大の超える分を考慮すればよいので、個別読出電気バッファに到着する信号を読み出すために必要な最大時間(A2max)を追加する。読出回路の信号読み出し処理の最大時間は、R1maxで共通なので、ここでは考慮しなくてよい。以上より、光遅延線は、Bth1+A1max+R1max+Bth2+A2max時間相当の長さに設計すればよいことが理解できる。このように、光遅延線204は、第1個別読出電気バッファ及び第2個別読出電気バッファに蓄積されている全ての信号を読出回路207が読み出すのに要する時間(Bth1+A1max+R1max+Bth2+A2max)を超える時間にわたり、第1光スプリッタ200からの他方の光信号を遅延させる。光遅延線214は、第1個別読出電気バッファ及び第2個別読出電気バッファに蓄積されている全ての信号を読出回路207が読み出すのに要する時間(Bth1+A1max+R1max+Bth2+A2max)を超える時間にわたり、第2光スプリッタ210からの他方の光信号を遅延させる。
【0063】
なお、前記光遅延線長に、制御回路203及び213にてバッファ使用量を確認する処理に要する時間相当分を加えた時間が、光遅延線204及び214の設計長となる。例えば、電気バッファ202及び212に蓄積する信号のヘッダ情報を読み取る時間等である。制御回路203は光受信器201からの信号をもとにクロック信号を生成する機能を有し、このクロック信号によるタイミングをもとに、設計された光遅延線204の距離、制御回路203におけるバッファ使用量確認処理に要する時間を考慮し、光遅延線204を透過した光信号が光増幅器205を通過するタイミングと、光増幅器205の制御タイミングを一致させる。制御回路213は光受信器211からの信号をもとにクロック信号を生成する機能を有し、このクロック信号によるタイミングをもとに、設計された光遅延線214の距離、制御回路213におけるバッファ使用量確認処理に要する時間を考慮し、光遅延線214を透過した光信号が光増幅器215を通過するタイミングと光増幅器215の制御タイミングを一致させる。
【0064】
実施形態1に係る光伝送装置10と実施形態2に係る光伝送装置20の構成面での違いは、光再生機能が光伝送装置10では1つであるのに対し、光伝送装置20では2つにした点である。光再生機能が複数あることにより読出回路の読み出し順に関する課題が生じる。具体的には、図5の両方の読出電気バッファのバッファ使用量がバッファ閾値以上の場合のS203〜S207の処理において、どちらの読出電気バッファの信号を先に全て読み出すかという課題である。もしも読み出し順を公平にする必要がある場合には、先に読み出す読出電気バッファを交互にするなどの対応をすることにより、課題を解決することができる。
【0065】
実施形態2に係る光伝送装置20は、図7に示す光伝送装置72に相当する中継装置として利用することができる。この場合、光受信器722及び読出電気バッファ723に代えて第1光判定回路2000が配置され、光受信器722及び読出電気バッファ723に代えて第2光判定回路2100が配置される。また、本実施形態では2波長の場合について説明したが、任意のN波長の光伝送装置としてもよい。
【0066】
本発明の応用的な利用の仕方として、実施形態1及び実施形態2に係る光伝送装置の光信号を受信する対向の光伝送装置の省電力動作がある。これは、光再生機能を使用しないとき、すなわち個別読出電気バッファのバッファ量がバッファ閾値未満であるとき、光再生機能経由の信号を受信するための対向の光伝送装置の光受信器を省電力モードで動作させ、光再生機能を使用するときには、対向の光伝送装置の光受信器を通常モードで動作させる方式である。本方式を実現する手法としては、例えば図2のS103、S106の処理において、個別読出電気バッファの信号を全て読み出す前に、省電力モードから通常モードに切り換えるための指示信号を先に送信し、対向の光伝送装置では、指示信号を受信して通常モードに切り換える。一方、光再生機能を終了するときには、光再生機能にて送信する最後の信号の直後に、通常モードから省電力モードに切り換えるための指示信号を送信し、対向の光伝送装置では、指示信号を受信して省電力モードに切り換える。このように動作させることにより、対向光伝送装置の省電力化を実現することができる。
【0067】
ここで、省電力モードから通常モードに切り換えるための指示信号、および通常モードから省電力モードに切り換えるための指示信号は、制御回路にて生成し、読出回路から送信することにより実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は情報通信産業に適用することができる。
【符号の説明】
【0069】
10:光伝送装置
100:光スプリッタ
101:光受信器
102:電気バッファ
103:制御回路
104:光遅延線
105:光増幅器
106:個別読出電気バッファ
107:共通読出電気バッファ
108:読出回路
109:光送信器
110:波長合分波器
20:光伝送装置
2000、2100:光判定回路
200、210:光スプリッタ
201、211:光受信器
202、212:電気バッファ
203、213:制御回路
204、214:光遅延線
205、215:光増幅器
206、216:個別読出電気バッファ
207:読出回路
208:光送信器
209:波長合分波器
70〜70:光伝送装置
71:波長合波器
72:光伝送装置
721:波長合分波器
722〜722:光受信器
723〜723:読出電気バッファ
724:読出回路
725:光送信器
73:光伝送装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光信号を分岐する光スプリッタと、
前記光スプリッタからの一方の光信号を受信する光受信器と、
前記光受信器からの電気信号を蓄積する電気バッファと、
前記電気バッファの蓄積する信号のヘッダ情報を読み取る制御回路と、
前記光スプリッタからの他方の光信号を透過する光遅延線と、
前記光遅延線からの光信号を増幅する光増幅器と、
前記制御回路がヘッダ情報を読み取った電気信号を蓄積する個別読出電気バッファと、
前記光スプリッタの分岐した光信号とは異なる光信号から変換された電気信号を蓄積する共通読出電気バッファと、
前記個別読出電気バッファ又は前記共通読出電気バッファから電気信号を読み出す読出回路と、
前記読出回路から読み出された電気信号を光信号に変換して送信する光送信器と、
前記光送信器及び前記光増幅器からの光信号を合波する波長合分波器と、
を備え、
前記制御回路は、
前記個別読出電気バッファのバッファ使用量を監視し、
前記個別読出電気バッファのバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値以上の場合には、前記個別読出電気バッファの蓄積する全ての信号を前記読出回路に読み出させ、前記光遅延線からの光信号を前記光増幅器に増幅させるとともに、前記光増幅器の増幅した光信号と同一の信号を前記電気バッファに廃棄させ、
前記個別読出電気バッファのバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値未満の場合には、前記光遅延線からの光信号の増幅を前記光増幅器に停止させ、前記光増幅器に入力される光信号と同一の信号を前記個別読出電気バッファに蓄積させ、前記個別読出電気バッファ及び前記共通読出電気バッファに蓄積されている信号を前記読出回路に読み出させる
ことを特徴とする光伝送装置。
【請求項2】
前記光遅延線は、前記個別読出電気バッファに蓄積されている全ての信号を前記読出回路が読み出すのに要する時間を超える時間にわたり、前記光スプリッタからの他方の光信号を遅延させることを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。
【請求項3】
第1の光信号を分岐する第1光スプリッタと、
前記第1光スプリッタからの一方の光信号を受信する第1光受信器と、
前記第1光受信器からの電気信号を蓄積する第1電気バッファと、
前記第1電気バッファの蓄積する信号のヘッダ情報を読み取る第1制御回路と、
前記第1光スプリッタからの他方の光信号を透過する第1光遅延線と、
前記第1光遅延線からの光信号を増幅する第1光増幅器と、
前記第1制御回路がヘッダ情報を読み取った電気信号を蓄積する第1個別読出電気バッファと、
第2の光信号を分岐する第2光スプリッタと、
前記第2光スプリッタからの一方の光信号を受信する第2光受信器と、
前記第2光受信器からの電気信号を蓄積する第2電気バッファと、
前記第2電気バッファの蓄積する信号のヘッダ情報を読み取る第2制御回路と、
前記第2光スプリッタからの他方の光信号を透過する第2光遅延線と、
前記第2光遅延線からの光信号を増幅する第2光増幅器と、
前記第2制御回路がヘッダ情報を読み取った電気信号を蓄積する第2個別読出電気バッファと、
前記第1個別読出電気バッファ又は前記第2個別読出電気バッファから電気信号を読み出す読出回路と、
前記読出回路から読み出された電気信号を光信号に変換して送信する光送信器と、
前記光送信器、前記第1光増幅器及び前記第2光増幅器からの光信号を合波する波長合分波器と、
を備え、
前記第1制御回路は、前記第1個別読出電気バッファのバッファ使用量を監視し、
前記第1個別読出電気バッファのバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値以上の場合には、前記第1個別読出電気バッファの蓄積する全ての信号を前記読出回路に読み出させ、前記第1光遅延線からの光信号を前記第1光増幅器に増幅させるとともに、前記第1光増幅器の増幅した光信号と同一の信号を前記第1電気バッファに廃棄させ、
前記第1個別読出電気バッファのバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値未満の場合には、前記第1光遅延線からのからの光信号の増幅を前記第1光増幅器に停止させ、前記第1光増幅器に入力される光信号と同一の信号を前記第1個別読出電気バッファに蓄積させ、前記第1個別読出電気バッファ及び前記第2個別読出電気バッファに蓄積されている信号を前記読出回路に読み出させ、
前記第2制御回路は、
前記第2個別読出電気バッファのバッファ使用量を監視し、
前記第2個別読出電気バッファのバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値以上の場合には、前記第2個別読出電気バッファの蓄積する全ての信号を前記読出回路に読み出させ、前記第2光遅延線からの光信号を前記第2光増幅器に増幅させるとともに、前記第2光増幅器の増幅した光信号と同一の信号を前記第2電気バッファに廃棄させ、
前記第2個別読出電気バッファのバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値未満の場合には、前記第2光遅延線からの光信号の増幅を前記第2光増幅器に停止させ、前記第2光増幅器に入力される光信号と同一の信号を前記第2個別読出電気バッファに蓄積させ、前記第1個別読出電気バッファ及び前記第2個別読出電気バッファに蓄積されている信号を前記読出回路に読み出させる
ことを特徴とする光伝送装置。
【請求項4】
前記第1光遅延線は、前記第1個別読出電気バッファ及び前記第2個別読出電気バッファに蓄積されている全ての信号を前記読出回路が読み出すのに要する時間を超える時間にわたり、前記第1光スプリッタからの他方の光信号を遅延させ、
前記第2光遅延線は、前記第1個別読出電気バッファ及び前記第2個別読出電気バッファに蓄積されている全ての信号を前記読出回路が読み出すのに要する時間を超える時間にわたり、前記第2光スプリッタからの他方の光信号を遅延させる
ことを特徴とする請求項3に記載の光伝送装置。
【請求項5】
光スプリッタからの一方の光信号を受信して電気バッファに蓄積し、前記電気バッファに蓄積されている信号のヘッダを読み取り、個別読出電気バッファのバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値以上であるか又は前記バッファ閾値未満であるかを判定する判定手順と、
前記個別読出電気バッファのバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値以上の場合には、前記個別読出電気バッファの蓄積する全ての信号を光送信器から送信し、前記光スプリッタからの他方の光信号を光遅延線で遅延させた後に光増幅器で増幅するとともに前記光増幅器の増幅した光信号と同一の信号を前記電気バッファから廃棄し、前記光送信器及び前記光増幅器からの光信号を合波して出力する光伝送手順と、
前記個別読出電気バッファのバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値未満の場合には、前記光遅延線からの光信号の増幅を前記光増幅器が停止し、前記光増幅器に入力される光信号と同一の信号を前記個別読出電気バッファが蓄積し、前記個別読出電気バッファ及び前記共通読出電気バッファに蓄積されている信号を光送信器から送信する電気伝送手順と、
を有することを特徴とする光伝送方法。
【請求項6】
第1光スプリッタからの一方の光信号を受信して第1電気バッファに蓄積し、前記第1電気バッファに蓄積されている信号のヘッダを読み取り、第1個別読出電気バッファのバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値以上であるか又は前記バッファ閾値未満であるかを判定するとともに、第2光スプリッタからの一方の光信号を受信して第2電気バッファに蓄積し、前記第2電気バッファに蓄積されている信号のヘッダを読み取り、第2個別読出電気バッファのバッファ使用量が予め定められたバッファ閾値以上であるか又は前記バッファ閾値未満であるかを判定する複数判定手順と、
前記第1個別読出電気バッファのバッファ使用量が前記バッファ閾値以上でありかつ前記第2個別読出電気バッファのバッファ使用量が前記バッファ閾値以上の場合には、前記第1個別読出電気バッファ及び前記第2個別読出電気バッファの蓄積する全ての信号を光送信器から送信し、前記第1光スプリッタからの他方の光信号を第1光遅延線で遅延させた後に第1光増幅器で増幅するとともに前記第1光増幅器の増幅した光信号と同一の信号を前記第1電気バッファから廃棄し、前記第2光スプリッタからの他方の光信号を第2光遅延線で遅延させた後に第2光増幅器で増幅するとともに前記第2光増幅器の増幅した光信号と同一の信号を前記第2電気バッファから廃棄し、前記光送信器及び前記第1光増幅器及び前記第2光増幅器からの光信号を合波して出力する複数光伝送手順と、
前記第1個別読出電気バッファのバッファ使用量が前記バッファ閾値以上でありかつ前記第2個別読出電気バッファのバッファ使用量が前記バッファ閾値未満の場合には、前記第1個別読出電気バッファに蓄積されている全ての信号を前記光送信器から送信し、前記第1光スプリッタからの他方の光信号を第1光遅延線で遅延させた後に第1光増幅器で増幅するとともに前記第1光増幅器の増幅した光信号と同一の信号を前記第1電気バッファから廃棄し、前記第2光遅延線からの光信号の増幅を前記第2光増幅器が停止し、前記第2光増幅器に入力される光信号と同一の信号を前記第2個別読出電気バッファが蓄積し、前記光送信器及び前記第1光増幅器からの光信号を合波して出力する第1の光伝送手順と、
前記第2個別読出電気バッファのバッファ使用量が前記バッファ閾値以上でありかつ前記第1個別読出電気バッファのバッファ使用量が前記バッファ閾値未満の場合には、前記第2個別読出電気バッファに蓄積されている全ての信号を前記光送信器から送信し、前記第2光スプリッタからの他方の光信号を第2光遅延線で遅延させた後に第2光増幅器で増幅するとともに前記第2光増幅器の増幅した光信号と同一の信号を前記第2電気バッファから廃棄し、前記第1光遅延線からの光信号の増幅を前記第1光増幅器が停止し、前記第1光増幅器に入力される光信号と同一の信号を前記第1個別読出電気バッファが蓄積し、前記光送信器及び前記第2光増幅器からの光信号を合波して出力する第2の光伝送手順と、
前記第1個別読出電気バッファ及び前記第2個別読出電気バッファのバッファ使用量が前記バッファ閾値未満の場合には、前記第1光遅延線からの光信号の増幅を前記第1光増幅器が停止し、前記第1光増幅器に入力される光信号と同一の信号を前記第1個別読出電気バッファが蓄積し、前記第2光遅延線からの光信号の増幅を前記第2光増幅器が停止し、前記第2光増幅器に入力される光信号と同一の信号を前記第2個別読出電気バッファが蓄積し、前記第1個別読出電気バッファ及び前記第2個別読出電気バッファに蓄積されている信号を前記光送信器から送信する複数電気伝送手順と、
を有することを特徴とする光伝送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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