光伝送装置
【課題】光デバイスの異常を正確に判定すること。
【解決手段】本実施例1にかかる光増幅装置100bは、異常判定部112が、PD109から第1のモニタ値を取得し、光増幅モジュール111から第2のモニタ値を取得する。そして、異常判定部112が、第1のモニタ値と第1の規定値を比較すると共に、第2のモニタ値と第2の規定値を比較し、それぞれの比較結果に基づいて異常判定を実行することで、光デバイスの異常を正確に判定する。
【解決手段】本実施例1にかかる光増幅装置100bは、異常判定部112が、PD109から第1のモニタ値を取得し、光増幅モジュール111から第2のモニタ値を取得する。そして、異常判定部112が、第1のモニタ値と第1の規定値を比較すると共に、第2のモニタ値と第2の規定値を比較し、それぞれの比較結果に基づいて異常判定を実行することで、光デバイスの異常を正確に判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光信号を伝送する光伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、波長の異なる複数の光信号を一つの伝送路に入力することで伝送容量を増大させる、波長多重方式(WDM方式:Wavelength Division Multiplexing)が普及している。この波長多重方式では、1波長当たりの光出力パワーが数dBmと低い場合でも、光信号が多重化された後の光出力パワーは、+20dBm程度の非常に高い出力となり、その安全対策が必須となる。
【0003】
例えば、光通信システムにおいて利用される光増幅装置は、伝送路で発生する分散特性を補償する分散補償ユニットを有している。そして、上述した安全対策の観点から、光増幅装置は、分散補償ユニットの接続異常の検出などを行っている。
【0004】
図15は、従来の光通信システムの構成を示す図である。図15に示すように、この光通信システムは、光増幅装置10,20を有する。光増幅装置10と光増幅装置20は、伝送路1を介して接続している。光増幅装置10により増幅された光信号が、伝送路1を介して光増幅装置20に入力する。光増幅装置10と光増幅装置20の構成は同じであるため、以下では、光増幅装置20の構成について説明する。
【0005】
光増幅装置20は、CPL(カプラ)21,22、VOA(可変減衰器)23、PD(フォトダイオード)24,25、分散補償デバイス26、光増幅モジュール27を有する。このうち、CPL21,22は、光信号を分割する装置である。
【0006】
CPL21は、光増幅装置10から出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD24に出力し、もう一方の光信号をVOA23に出力する。CPL22はVOA23から出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD25に出力し、もう一方の光信号を分散補償デバイス26に出力する。
【0007】
VOA23は、光信号を減衰させる装置である。VOA23は、CPL21から光信号を取得し、取得した光信号を減衰させた後に、減衰させた光信号をCPL22に出力する。
【0008】
PD24は、CPL21から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD24は、電気信号をモニタに出力する。PD25は、CPL22から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD25は、電気信号をモニタに出力する。
【0009】
分散補償デバイス26は、CPL22から光信号を取得した場合に、波長ごとに適切な遅延を与えることで、光信号に存在する分散を補償する装置である。分散補償デバイス26は、To_DCFポートと、From_DCFポートに接続する。
【0010】
分散補償デバイス26は、To_DCFポートを介して、CPL22から出力される光信号を取得し、分散補償を行う。そして、分散補償デバイス26は、From_DCFポートを介して、分散補償を行った光信号を光増幅モジュール27に出力する。
【0011】
ここで、光通信システムの簡略化・オペレーションの簡易化・分散補償器メニューを削除することを鑑みると、分散補償デバイス26として、サーキュレータ等の方向性デバイスを有する分散補償デバイスを用いることが有効である。方向性デバイスを有する分散補償デバイスは、例えば、可変分散補償器である。
【0012】
光増幅モジュール27は、分散補償デバイス26から光信号を取得し、取得した光信号を増幅し、増幅した光信号を出力する装置である。また、光増幅モジュール27は、内部にPDを有する。光増幅モジュール27は、内部のPDにより光信号を電気信号に変換し、変換した電気信号をモニタに出力する。
【0013】
ここで、光増幅装置20が分散補償デバイス26の異常検出を行う場合には、PD25から出力される電気信号と、光増幅モジュールの内部に設けられたPDから出力される電気信号の差分を検出する。そして、検出した差分と、規定値を比較することで、分散補償デバイス26の接続に異常があるか否かを検出する。
【0014】
例えば、光増幅装置20が接続の異常を検出した場合には、光増幅モジュール27を強制的にシャットダウンすることで、光増幅モジュールから異常な光信号が出力されてしまうことを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2003−143080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、上述した従来の技術では、光増幅装置が、方向性デバイスを有する分散補償デバイスを用いた場合に、かかる分散補償器に関する異常を正確に検出することができないという問題があった。図16、図17は、従来技術の問題点を説明するための図である。
【0017】
まず、図16を用いて従来技術の問題点を説明する。図16に示す分散補償器26は、サーキュレータ26aと、分散補償を実行するデバイス26bを有する。分散補償器26のポート(1)に入力した光信号は、サーキュレータ26aを介して、デバイス26bに入力する。そして、デバイス26bから出力した光信号は、サーキュレータ26aを介して、ポート(2)から出力する。
【0018】
従来の異常検出方法では、デバイス26bに異常が発生した場合と、To_DCFポートまたはFrom_DCFポートにポート抜け等の異常が発生した場合の両状態において、「PD25のモニタ値が正常」、「光増幅器モジュール27のモニタ値が異常」となるため、各状態を区別することができない。
【0019】
続いて、図17を用いて従来技術の問題点を説明する。図17に示す分散補償器26を図16と異なり、To_DCFポートとFrom_DCFポートを逆に接続している。この接続では、ポート(2)から入力した光信号は、デバイス26bを経由することなく、ポート(1)から出力する。
【0020】
このように、To_DCFポートとFrom_DCFポートを逆に接続している場合には、光信号がデバイス26bを経由しないため、期待した分散特性が得られず、本来異常と判定すべきである。しかし、図17に示すように、光信号がデバイス26bを経由しない場合には、光損失が小さいため、PD25のモニタ値と光増幅モジュールのモニタ値のみでは、異常状態として判定することが出来ない。
【0021】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、光デバイスに関する異常を正確に検出することが出来る光伝送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この光伝送装置は、第1ないし第3のポートを有し、前記第1のポートから入力された光を前記第2のポートに出力し、前記第2のポートから入力された光を前記第3のポートに出力し、前記第3のポートから入力された光を前記第1のポートに出力する非相反デバイスと、前記非相反デバイスの前記第2のポートに接続され、前記非相反デバイスの第2のポートから入力された光に所定の処理を与え、前記非相反デバイスの第2のポートに所定の処理を与えた光を出力する光デバイスと、前記第1のポートから出力される光と、前記第3のポートから出力される光に基づいて、ポートの接続異常と前記光デバイスの異常を検出する異常検出部とを有することを要件とする。
【発明の効果】
【0023】
この光伝送装置によれば、光デバイスの異常を正確に判定することが出来る。例えば、サーキュレータ等の方向性を持つ分散補償デバイス等の接続異常、デバイス故障、接続ミスを切り分けて判定することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本実施例1にかかる光通信システムの構成を示す図である。
【図2】図2は、本実施例1にかかる分散補償デバイスが誤接続された場合を説明するための図である。
【図3】図3は、本実施例1のTo_DCFポートおよびFrom_DCFポートの各状態における光スペクトルを示す図である。
【図4】図4は、本実施例1にかかる光増幅装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は、本実施例2にかかる光通信システムの構成を示す図である。
【図6】図6は、本実施例2にかかる分散補償デバイスが誤接続された場合を説明するための図である。
【図7】図7は、本実施例2のTo_DCFポートおよびFrom_DCFポートの各状態における光スペクトルを示す図(1)である。
【図8】図8は、本実施例2のTo_DCFポートおよびFrom_DCFポートの各状態における光スペクトルを示す図(2)である。
【図9】図9は、本実施例3にかかる光通信システムの構成を示す図である。
【図10】図10は、本実施例3にかかる光増幅装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、本実施例4にかかる光通信システムの構成を示す図である。
【図12】図12は、本実施例4にかかる光増幅装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】図13は、本実施例5にかかる光通信システムの構成を示す図である。
【図14】図14は、本実施例5にかかる光増幅装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】図15は、従来の光通信システムの構成を示す図である。
【図16】図16は、従来技術の問題点を説明するための図(1)である。
【図17】図17は、従来技術の問題点を説明するための図(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本願の開示する光伝送装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0026】
図1は、本実施例1にかかる光通信システムの構成を示す図である。図1に示すように、この光通信システムは、光増幅装置100a,100bを有する。光増幅装置100aと光増幅装置100bは、伝送路1を介して接続している。光増幅装置100aと光増幅装置100bの構成は同じであるため、以下では、光増幅装置100bの構成について説明する。
【0027】
光増幅装置100bは、CPL(カプラ)101〜105、VOA(可変減衰器)106、PD(フォトダイオード)107〜109、分散補償デバイス110、光増幅モジュール111、異常判定部112を有する。
【0028】
CPL101は、光増幅装置100aから出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD107に出力し、もう一方の光信号をVOA106に出力する。CPL102はVOA106から出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD108に出力し、もう一方の光信号をCPL103に出力する。
【0029】
CPL103は、CPL102からの光信号をCPL104に出力する。また、CPL103は、CPL104からの光信号をCPL105に出力する。CPL104は、CPL103からの光信号を、To_DCFポート(分散補償デバイス110)に出力する。また、CPL104は、To_DCFポート(分散補償デバイス110)からの光信号を、CPL103に出力する。
【0030】
CPL105は、Form_DCFポート(分散補償デバイス110)からの光信号を、光増幅モジュール111に出力する。また、CPL105は、CPL103からの光信号を、Form_DCFポート(分散補償デバイス110)に出力する。
【0031】
VOA106は、光信号を減衰させる装置である。VOA106は、CPL101から光信号を取得し、取得した光信号を減衰させた後に、減衰させた光信号をCPL102に出力する。また、VOA106は、分散補償デバイス110等に対する異常が発生した場合に、減衰量を増加することで、分散補償デバイス110に高出力の光信号が入力されることを防止する。
【0032】
PD107は、CPL101から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD107は、電気信号をモニタに出力する。PD108は、CPL102から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD108は、電気信号をモニタに出力する。PD109は、CPL104から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD109は、電気信号を異常判定部112に出力する。
【0033】
分散補償デバイス110は、CPL104から光信号を取得した場合に、波長ごとに適切な遅延を与えることで、光信号に存在する分散を補償する装置である。分散補償デバイス110は、サーキュレータ110aと分散補償を実行するデバイス110bを有する。
【0034】
分散補償デバイス110は、To_DCFポートと、From_DCFポートに接続する。分散補償デバイス110のポート(1)とTo_DCFポートを接続し、分散補償デバイス110のポート(2)とFrom_DCFポートを接続する方式が、正常な接続である。
【0035】
分散補償デバイス110のポート(1)に入力した光信号は、サーキュレータ110aを介して、デバイス110bに入力する。そして、デバイス110bにより分散補償された光信号は、サーキュレータ110aを介して、ポート(2)から出力する。一方、分散補償デバイス110のポート(2)に入力した光信号は、デバイス110bを経由することなく、ポート(1)から出力する。
【0036】
光増幅モジュール111は、CPL105から光信号を取得し、取得した光信号を増幅し、増幅した光信号を出力する装置である。また、光増幅モジュール111は、内部にPDを有する。光増幅モジュール111は、内部のPDにより光信号を電気信号に変換し、変換した電気信号を異常判定部112に出力する。
【0037】
異常判定部112は、分散補償デバイス110に関する異常を判定する処理部である。異常判定部112は、第1の規定値と第2の規定値を有し、PD109から取得する電気信号の値と第1の規定値、光増幅モジュール111のPDから取得する電気信号の値と第2の規定値をそれぞれ比較し、比較結果に基づいて異常を判定する。
【0038】
以下の説明において、PD109から取得する電気信号の値を第1のモニタ値、光増幅モジュール111のPDから取得する電気信号の値を第2のモニタ値と表記する。また、第1の閾値は、分散補償デバイス110のデバイス110bを介さず、ポート(2)からポート(1)を通過する光信号のロスを反映して設定される値である。第2の閾値は、デバイス110bを介して、ポート(1)からポート(2)を通過する光信号のロスを反映して設定される値である。
【0039】
異常判定部112は、第1のモニタ値が第1の規定値以上となり、かつ、第2のモニタ値が第2の閾値以上となる場合には、分散補償デバイス110は正常状態であると判定し、判定結果をモニタ等に出力する。
【0040】
異常判定部112は、第1のモニタ値が第1の閾値以上(第1のモニタ値が正常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の閾値未満(第2のモニタ値が異常値)となる場合には、デバイス110bが故障したと判定し、判定結果をモニタ等に出力する。第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合は、ポート接続異常は存在せず、正常に接続されている。そして、ポート接続異常が存在しないにも関わらず、第2のモニタ値が第2の閾値未満の場合には、デバイス110bに何らかの異常が発生し、第2のモニタ値にロスが発生したものと判定する。
【0041】
異常判定部112は、第1のモニタ値が第1の規定値未満(第1のモニタ値が異常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の規定値未満(第2のモニタ値が異常値)の場合には、To_DCFポートまたはFrom_DCFポートにポート接続異常が発生したと判定し、判定結果をモニタ等に出力する。ポート接続異常の発生時は、CPL104から分散補償デバイス110に入力する信号光の経路と、CPL105から分散補デバイス110に入力する信号光の経路が共に断状態となる。したがって、第1,2のモニタ値は無入力レベルとなる。
【0042】
続いて、本実施例1にかかる分散補償デバイス110が誤接続された場合について説明する。図2は、本実施例1にかかる分散補償デバイスが誤接続された場合を説明するための図である。図2に示す分散補償デバイス110は、To_DCFポートとポート(2)を接続し、From_DCFポートとポート(1)を接続している。
【0043】
図2のように分散補償デバイス110が誤接続されると、本来分散補償されるべきTo_DCFポートからの光信号が、分散補償デバイス110に入力されても、デバイス110bを経由せずに出力されてしまう。そのため、分散補償されていない光信号が出力され、光増幅モジュール111に入力してしまう。この場合、光増幅モジュール111に入力する光信号には、デバイスロスが発生しないので、第2のモニタ値は、第2の規定値以上となる。
【0044】
一方、本来分散補償を行わないFrom_DCFポートからの光信号が、分散補償デバイス110に入力されると、デバイス110bを経由して出力されてしまう。この場合、PD109に入力される光信号には、想定外のデバイスロスが発生するので、第1のモニタ値は、第1の規定値未満となる。
【0045】
すなわち、異常判定部112は、第1のモニタ値が第1の規定値未満となり、かつ、第2のモニタ値が第2の規定値以上となる場合には、分散補償値が誤接続状態であると判定し、判定結果をモニタ等に出力する。
【0046】
異常判定部112は、デバイス110bの故障、ポート接続異常、誤接続の何れかを検出した場合には、VOA106を制御して、VOA106のロスを増加させる。VOA106のロスを増加させることで、To_DCFポートから高出力の光信号が分散補償デバイス110に出力されることを防止する。また、異常判定部112は、異常状態であると判定した場合に、かかる異常を通知するべく、アラームなどを出力しても良い。
【0047】
図3は、本実施例1のTo_DCFポートおよびFrom_DCFポートの各状態における光スペクトルを示す図である。なお、デバイス110bのロス特性として、図3の左側に示すように、平坦なロス特性を持つ場合と、図3の右側に示すように、周期的なロス特性を持つ場合に分けて図示する。
【0048】
図3に示すように、デバイス110bが平坦ロス特性の場合、周期的なロス特性の場合において、それぞれ下記の様に、PD109のモニタ値(信号光とASE光(自然放出光)の積分値)に違いがある。周期的なロス特性には、例えば、櫛形ロス特性が含まれる。図1に示した光増幅装置100bは、平坦ロス特性を持つデバイスだけでなく、周期的なロス特性を有するデバイスを分散補償デバイス110に適用して場合でも、正確に異常検出を実行することが出来る。
【0049】
正常時には、光信号とASE光は、サーキュレータ110aのロスのみ反映され、本デバイスのロスが小さい為、From_DCFポートのスペクトルとほぼ同じとなる。なお、減衰量は、0.xdB程度と非常に低い値である。図3の実線参照。
【0050】
デバイス異常時には、正常時と同値がPD109にてモニタされる。ただし、光増幅モジュール111の入力が異常となるため、本状態の判定が可能となる。図3の実線参照。
【0051】
ポート接続異常時には、ポート抜けが発生しているため、To_DCFポートにおける分散補償デバイス110からの光信号のレベルは、無入力レベルとなる。
【0052】
ポート逆接続時には、光信号とASE光は、デバイスロス特性を反映し、レベルが低下する。このデバイスロスがサーキュレータ110aのロスと比較して非常に大きいため、PD109で検出されるモニタ値は、通常状態・デバイス異常状態とポート逆接続状態で判定可能である。図3の破線参照。
【0053】
次に、本実施例1にかかる光増幅装置100bの処理手順について説明する。図4は、本実施例1にかかる増幅装置100bの処理手順を示すフローチャートである。図4に示すように、光増幅装置100bは、異常判定部112が、光増幅モジュール111から第2のモニタ値を検出し(ステップS101)、第2のモニタ値が第2の規定値以上か否かを判定する(ステップS102)。
【0054】
異常判定部112は、第2のモニタ値が第2の規定値以上の場合に(ステップS103,Yes)、第1のモニタ値をPD109から検出する(ステップS104)。異常判定部112は、第1のモニタ値が第1の規定値以上か否かを判定する(ステップS105)。
【0055】
異常判定部112は、第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合に(ステップS106,Yes)、正常状態であると判定する(ステップS107)。異常判定部112は、第1のモニタ値が第1の規定値未満の場合に(ステップS106,No)、ポートが誤接続状態であると判定する(ステップS108)。
【0056】
ところで、ステップS103において、第2のモニタ値が第2の閾値未満の場合に(ステップS103,No)、第1のモニタ値をPD109から検出する(ステップS109)。異常判定部112は、第1のモニタ値が第1の規定値以上か否かを判定する(ステップS110)。
【0057】
異常判定部112は、第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合に(ステップS111,Yes)、デバイス異常であると判定する(ステップS112)。異常判定部112は、第1のモニタ値が第1の規定値未満の場合に(ステップS111,No)、ポート抜け状態であると判定する(ステップS113)。
【0058】
上述してきたように、本実施例1にかかる光増幅装置100bは、異常判定部112が、PD109から第1のモニタ値を取得し、光増幅モジュール111から第2のモニタ値を取得する。そして、異常判定部112が、第1のモニタ値と第1の規定値を比較すると共に、第2のモニタ値と第2の規定値を比較し、それぞれの比較結果に基づいて異常判定を実行するので、分散補償デバイスの異常を正確に判定することが出来る。例えば、サーキュレータ110a等の方向性を持つ分散補償デバイスの接続異常、デバイス故障、接続ミスを切り分けて判定することが出来る。
【0059】
また、光増幅装置100bを立ち上げた場合に、異常判定部112が異常判定を実行して判定結果をモニタに出力することで、オペレーションミスによる異常接続状態を早急に検出し、異常状態での装置立上げを回避可能となる。
【0060】
また、本実施例1にかかる光増幅装置100bは、図3で説明したように、デバイス110bのロス特性に関係なく、異常状態を判定することが出来る。
【0061】
なお、本実施例1では、第2のモニタ値を検出する場合に、光増幅モジュール111が有するPDを使用していたが、これに限定されるものではない。例えば、かかる第2のモニタ値2を検出するPDを、分散補償デバイス110の後段に別途設けても良い。
【0062】
また、CPL103の代わりに光SWを配置し、光増幅装置100aから入力する主信号光と分散補償デバイス110から出力される逆方向の光信号とが干渉しないように、各信号光を切り替えても良い。
【実施例2】
【0063】
次に、本実施例2にかかる光通信システムの構成について説明する。図5は、本実施例2にかかる光通信システムの構成を示す図である。図5に示すように、この光通信システムは、光増幅装置200aと光増幅装置200bを有する。光増幅装置200aと光増幅装置200bの構成は同じであるため、以下では、光増幅装置200bの構成について説明する。
【0064】
光増幅装置200bは、CPL201〜204、VOA205、PD206〜208、分散補償デバイス209、光増幅モジュール210、LD(レーザーダイオード)211、異常判定部212を有する。
【0065】
CPL201は、光増幅装置200aから出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD206に出力し、もう一方の光信号をVOA205に出力する。CPL202は、VOA205から出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD207に出力し、もう一方の光信号をCPL203に出力する。
【0066】
CPL203は、CPL202から出力された光信号を、分散補償デバイス209に出力する。また、CPL203は、分散補償デバイス209から出力された光信号をPD208に出力する。
【0067】
CPL204は、分散補償デバイス209から出力された光信号を、光増幅モジュール210に出力する。また、CPL204は、LD211から出力された光信号を、分散補償デバイス209に出力する。
【0068】
VOA205は、光信号を減衰させる装置である。VOA205は、CPL201から光信号を取得し、取得した光信号を減衰させた後に、減衰させた光信号をCPL202に出力する。また、VOA205は、分散補償デバイス209等に対する異常が発生した場合に、減衰量を増加することで、分散補償デバイス209に高出力の光信号が入力されることを防止する。
【0069】
PD206は、CPL201から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD206は、電気信号をモニタに出力する。PD207は、CPL202から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD207は、電気信号をモニタに出力する。
【0070】
PD208は、CPL203から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD208は、電気信号を異常判定部212に出力する。
【0071】
分散補償デバイス209は、CPL203から光信号を取得した場合に、波長ごとに適切な遅延を与えることで、光信号に存在する分散を補償する装置である。分散補償デバイス209は、サーキュレータ209aと分散補償を実行するデバイス209bを有する。
【0072】
分散補償デバイス209は、To_DCFポートと、From_DCFポートに接続する。分散補償デバイス209のポート(1)とTo_DCFポートを接続し、分散補償デバイス209のポート(2)とFrom_DCFポートを接続する方式が、正常な接続である。
【0073】
分散補償デバイス209のポート(1)に入力した光信号は、サーキュレータ209aを介して、デバイス209bに入力する。そして、デバイス209bにより分散補償された光信号は、サーキュレータ209aを介して、ポート(2)から出力する。一方、分散補償デバイス209のポート(2)に入力した光信号は、デバイス209bを経由することなく、ポート(1)から出力する。
【0074】
光増幅モジュール210は、CPL204から光信号を取得し、取得した光信号を増幅し、増幅した光信号を出力する装置である。また、光増幅モジュール210は、内部にPDを有する。光増幅モジュール210は、内部のPDにより光信号を電気信号に変換し、変換した電気信号を異常判定部212に出力する。
【0075】
LD211は、CPL204を介して、分散補償デバイス209に光信号(LD光)を出力する装置である。LD211は、異常検出を実行する期間内に光信号をCPL204に出力することで、消費電力を低減させてもよい。
【0076】
異常判定部212は、分散補償デバイス209に関する異常を判定する処理部である。異常判定部212は、第1の規定値と第2の規定値を有し、PD208から取得する電気信号の値と第1の規定値、光増幅モジュール210のPDから取得する電気信号の値と第2の規定値をそれぞれ比較し、比較結果に基づいて異常を判定する。
【0077】
以下の説明において、PD208から取得する電気信号の値を第1のモニタ値、光増幅モジュール210のPDから取得する電気信号の値を第2のモニタ値と表記する。また、第1の閾値は、分散補償デバイス209のデバイス209bを介さず、ポート(2)からポート(1)を通過する光信号のロスを反映して設定される値である。第2の閾値は、デバイス209bを介して、ポート(1)からポート(2)を通過する光信号のロスを反映して設定される値である。
【0078】
異常判定部212は、第1のモニタ値が第1の規定値以上(第1のモニタ値が正常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の閾値以上(第2のモニタ値が正常値)となる場合には、分散補償デバイス110は正常状態であると判定し、判定結果をモニタ等に出力する。
【0079】
異常判定部212は、第1のモニタ値が第1の閾値以上(第1のモニタ値が正常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の閾値未満(第2のモニタ値が異常値)となる場合には、デバイス209bが故障したと判定し、判定結果をモニタ等に出力する。第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合は、ポート接続異常は存在せず、正常に接続されている。そして、ポート接続異常が存在しないにも関わらず、第2のモニタ値が第2の閾値未満の場合には、デバイス209bに何らかの異常が発生し、第2のモニタ値にロスが発生したものと判定する。
【0080】
異常判定部212は、第1のモニタ値が第1の規定値未満(第1のモニタ値が異常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の規定値未満(第2のモニタ値が異常値)の場合には、To_DCFポートまたはFrom_DCFポートにポート接続異常が発生したと判定し、判定結果をモニタ等に出力する。ポート接続異常の発生時は、CPL203から分散補償デバイス209に入力する信号光の経路と、CPL204から分散補デバイス209に入力する信号光の経路が共に断状態となる。したがって、第1,2のモニタ値は無入力レベルとなる。
【0081】
続いて、本実施例2にかかる分散補償デバイス209が誤接続された場合について説明する。図6は、本実施例2にかかる分散補償デバイスが誤接続された場合を説明するための図である。図6に示す分散補償デバイス209は、To_DCFポートとポート(2)を接続し、From_DCFポートとポート(1)を接続している。
【0082】
図6のように分散補償デバイス209が誤接続されると、本来分散補償されるべきTo_DCFポートからの光信号が、分散補償デバイス209に入力されても、デバイス209bを経由せずに出力されてしまう。そのため、分散補償されていない光信号が出力され、光増幅モジュール210に入力してしまう。この場合、光増幅モジュール210に入力する光信号には、デバイスロスが発生しないので、第2のモニタ値は第2の規定値以上となる。
【0083】
一方、本来分散補償を行わないFrom_DCFポートからの光信号が、分散補償デバイス209に入力されると、デバイス209bを経由して出力されてしまう。この場合、PD208に入力される光信号には、想定外のデバイスロスが発生するので、第1のモニタ値は、第1の規定値未満となる。
【0084】
すなわち、異常判定部212は、第1のモニタ値が第1の規定値未満(第1のモニタ値が異常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の規定値以上(第2のモニタ値が正常値)となる場合には、分散補償値が誤接続状態であると判定し、判定結果をモニタ等に出力する。
【0085】
異常検出部212は、デバイス209bの故障、ポート接続異常、誤接続の何れかを検出した場合に、VOA205を制御して、VOA205のロスを増加させる。VOA205のロスを増加させることで、To_DCFポートから高出力の光信号が分散補償デバイス209に出力されることを防止する。
【0086】
図7および図8は、本実施例2のTo_DCFポートおよびFrom_DCFポートの各状態における光スペクトルを示す図である。図7は、デバイスのロス特性として平坦なロス特性を示し、図8は、デバイスのロス特性として周期的なロス特性を示している。
【0087】
まず、図7を用いて、デバイスが平坦なロス特性を有する場合のモニタ値について説明する。正常時において、LD211から出力する光信号(LD光)は、サーキュレータ209aのロスのみ反映され、本デバイスのロスが小さい為、From_DCFポートのスペクトルとほぼ同じとなる。なお、減衰量は、0.xdB程度と非常に低い値である。図7の破線参照。
【0088】
デバイス異常時には、正常時と同値がPD208にてモニタされる。ただし、光増幅モジュール210の入力が異常となるため、本状態の判定が可能となる。図7の破線参照。
【0089】
ポート接続異常時には、ポート抜けが発生しているため、To_DCFポートでのLD光は、無入力レベルとなる。
【0090】
ポート逆接続時には、LD光は、デバイスのロス特性を反映し、レベルが低下する。このデバイスロスがサーキュレータ209aのロスと比較して非常に大きいため、PD208で検出されるモニタ値は、通常状態・デバイス異常状態とポート逆接続状態で判定可能である。図7の破線参照。
【0091】
続いて、図8を用いて、デバイスが周期的なロス特定を有する場合のモニタ値について説明する。図8において、デバイスが周期的なロス特性を有するため、LD光を透過信号帯域内と透過信号外に分けて図示する。図8の左側は、LD光が透過信号帯域内の場合のモニタ値を示し、図8の右側は、LD光が透過信号帯域外の場合のモニタ値を示す。
【0092】
ポート逆接続時において、周期的なロス特性の信号透過帯域のLD光を選択した場合、PD208でモニタされるLD光は、デバイスロスを判定してレベルが透過する。図8の左図の一点鎖線参照。
【0093】
また、周期的なロス特性の信号透過帯域外のLD光を選択した場合、LD光はデバイスにより大きく減衰され、PD208では、無入力レベル付近のモニタ値が検出される。この信号透過帯域内、外の両状態において、サーキュレータ209aのロスと比較してロス大の為、PD208で検出されるモニタ値は、通常状態・デバイス異常状態とポート接続状態で判定可能である。
【0094】
本実施例2にかかる光増幅装置200bは、実施例1に示した光増幅装置と同様に、平坦なロス特性を持つデバイスだけでなく、周期的なロス特性を有するデバイスを適用した場合でも、異常検出を正確に実行することが出来る。また、LD211から出力するLD光は、信号帯域内でも信号帯域外であっても、正確に異常検出を実行することが出来る。例えば、サーキュレータ110a等の方向性を持つ分散補償デバイスの接続異常、デバイス故障、接続ミスを切り分けて判定することが出来る。
【実施例3】
【0095】
次に、本実施例3にかかる光通信システムの構成について説明する。図9は、本実施例3にかかる光通信システムの構成を示す図である。図9に示すように、この光通信システムは、光増幅装置300aと光増幅装置300bを有する。光増幅装置300aと光増幅装置300bの構成は同じであるため、以下では、光増幅装置300bの構成について説明する。
【0096】
光増幅装置300bは、LD313からのLD光(光信号)をTo_DCFポート側と、From_DCFポート側から入力し、PD310、光増幅モジュール312でLD光のモニタ値を検出することで、光増幅装置300aからの主信号が無い状態でも、異常状態の検出を可能とする。
【0097】
図9に示すように、光増幅装置300bは、CPL301〜306、VOA307、PD308〜310、分散補償デバイス311、光増幅モジュール312、LD(レーザーダイオード)313、異常判定部315を有する。
【0098】
CPL301は、光増幅装置300aから出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD308に出力し、もう一方の光信号をVOA307に出力する。CPL302は、VOA307から出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD309に出力し、もう一方の光信号をCPL303に出力する。
【0099】
CPL303は、CPL302から出力された光信号またはCPL306から出力された光信号(LD光)を、CPL304に出力する。CPL304は、CPL303から出力された光信号を分散補償デバイス311に出力する。また、CPL304は、分散補償デバイス311から出力された光信号をPD310に出力する。
【0100】
CPL305は、分散補償デバイス311から出力された光信号を、光増幅モジュール312に出力する。また、CPL305は、CPL306から出力された光信号を、分散補償デバイス311に出力する。
【0101】
CPL306は、LD313から出力された光信号(LD光)を分割し、一方の光信号をCPL303に出力し、もう一方の光信号をCPL305に出力する。
【0102】
VOA307は、光信号を減衰させる装置である。VOA307は、CPL301から光信号を取得し、取得した光信号を減衰させた後に、減衰させた光信号をCPL302に出力する。また、VOA307は、分散補償デバイス311等に対する異常が発生した場合に、減衰量を増加することで、分散補償デバイス311に高出力の光信号が入力されることを防止する。
【0103】
PD308は、CPL301から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD308は、電気信号をモニタおよびLD制御部314に出力する。PD309は、CPL302から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD309は、電気信号をモニタに出力する。
【0104】
PD310は、CPL304から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD310は、電気信号を異常判定部315に出力する。
【0105】
分散補償デバイス311は、CPL304から光信号を取得した場合に、波長ごとに適切な遅延を与えることで、光信号に存在する分散を補償する装置である。分散補償デバイス311は、サーキュレータ311aと分散補償を実行するデバイス311bを有する。
【0106】
分散補償デバイス311は、To_DCFポートと、From_DCFポートに接続する。分散補償デバイス311のポート(1)とTo_DCFポートを接続し、分散補償デバイス311のポート(2)とFrom_DCFポートを接続する方式が、正常な接続である。
【0107】
分散補償デバイス311のポート(1)に入力した光信号は、サーキュレータ311aを介して、デバイス311bに入力する。そして、デバイス311bにより分散補償された光信号は、サーキュレータ311aを介して、ポート(2)から出力する。一方、分散補償デバイス311のポート(2)に入力した光信号は、デバイス311bを経由することなく、ポート(1)から出力する。
【0108】
光増幅モジュール312は、CPL305から光信号を取得し、取得した光信号を増幅し、増幅した光信号を出力する装置である。また、光増幅モジュール312は、内部にPDを有する。光増幅モジュール312は、内部のPDにより光信号を電気信号に変換し、変換した電気信号を異常判定部315に出力する。
【0109】
LD313は、各CPLを介して、To_DCFポートおよびFrom_DCFポートから分散補償デバイス311に光信号(LD光)を出力する装置である。
【0110】
LD制御部314は、PD308から電気信号を取得し、光増幅装置300bへの光信号およびASE入力の有無を判定し、判定結果に基づいてLD313の出力制御を行う処理部である。
【0111】
LD制御部314は、PD308から電気信号を取得した場合に、光信号およびASEの入力が有ると判定し、LD313をシャットダウンする。一方、LD制御部314は、PD308から電気信号を取得しない場合には、光信号およびASEの入力が無いと判定し、LD313から光信号(LD光)を出力させる。
【0112】
異常判定部315は、分散補償デバイス311に関する異常を判定する処理部である。異常判定部315は、第1の規定値と第2の規定値を有し、PD310から取得する電気信号の値と第1の規定値、光増幅モジュール312のPDから取得する電気信号の値と第2の規定値をそれぞれ比較し、比較結果に基づいて異常を判定する。
【0113】
以下の説明において、PD310から取得する電気信号の値を第1のモニタ値、光増幅モジュール312のPDから取得する電気信号の値を第2のモニタ値と表記する。また、第1の閾値は、分散補償デバイス311のデバイス311bを介さず、ポート(2)からポート(1)を通過する光信号のロスを反映して設定される値である。第2の閾値は、デバイス311bを介して、ポート(1)からポート(2)を通過する光信号のロスを反映して設定される値である。
【0114】
異常判定部315は、第1のモニタ値が第1の規定値以上(第1のモニタ値が正常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の閾値以上(第2のモニタ値が正常値)となる場合には、分散補償デバイス311は正常状態であると判定し、判定結果をモニタ等に出力する。
【0115】
異常判定部315は、第1のモニタ値が第1の閾値以上(第1のモニタ値が正常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の閾値未満(第2のモニタ値が異常値)となる場合には、デバイス311bが故障したと判定し、判定結果をモニタ等に出力する。第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合は、ポート接続異常は存在せず、正常に接続されている。そして、ポート接続異常が存在しないにも関わらず、第2のモニタ値が第2の閾値未満の場合には、デバイス311bに何らかの異常が発生し、第2のモニタ値にロスが発生したものと判定する。
【0116】
異常判定部315は、第1のモニタ値が第1の規定値未満(第1のモニタ値が異常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の規定値未満(第2のモニタ値が異常値)の場合には、To_DCFポートまたはFrom_DCFポートにポート接続異常が発生したと判定し、判定結果をモニタ等に出力する。ポート接続異常の発生時は、CPL304から分散補償デバイス311に入力する信号光の経路と、CPL305から分散補デバイス311に入力する信号光の経路が共に断状態となる。したがって、第1,2のモニタ値は無入力レベルとなる。
【0117】
異常判定部315は、第1のモニタ値が第1の規定値未満(第1のモニタ値が異常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の規定値以上(第2のモニタ値が正常値)となる場合には、分散補償値311が誤接続状態であると判定し、判定結果をモニタ等に出力する。
【0118】
異常判定部315は、デバイス311bの故障、ポート接続異常、誤接続の何れかを検出した場合には、VOA307を制御して、VOA307のロスを増加させる。VOA307のロスを増加させることで、To_DCFポートから高出力の光信号が分散補償デバイス311に出力されることを防止する。
【0119】
次に、本実施例3にかかる光増幅装置300bの処理手順について説明する。図10は、本実施例3にかかる光増幅装置300bの処理手順を示すフローチャートである。図10に示すように、光増幅装置300bは、LD制御部314がPD308から電気信号を取得し、光信号が入力されているか否かを判定する(ステップS201)。
【0120】
LD制御部314は、光信号が入力されている場合に(ステップS202,Yes)、検出用のLD313をオフにし(ステップS203)、正常状態で運用する(ステップS204)。
【0121】
一方、LD制御部314は、光信号が入力されていない場合に(ステップS202,No)、検出用のLD313をオンし(ステップS205)、異常判定部315が、光増幅モジュール312から第2のモニタ値を検出する(ステップS206)。
【0122】
異常判定部315は、第2のモニタ値が第2の規定値以上か否かを判定する(ステップS207)。異常判定部315は、第2のモニタ値が第2の規定値以上の場合に(ステップS208,Yes)、PD310から第1のモニタ値を検出し(ステップS209)、第1のモニタ値が第1の規定値以上か否かを判定する(ステップS210)。
【0123】
異常判定部315は、第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合に(ステップS211、Yes)、正常状態であると判定する(ステップS212)。一方、異常判定部315は、第1のモニタ値が第1の規定値未満の場合に(ステップS211,No)、ポートが誤接続状態であると判定する(ステップS213)。
【0124】
ところで、ステップS208において、異常判定部315は、第2のモニタ値が第2の規定値未満の場合に(ステップS208,No)、PD310から第1のモニタ値を検出し(ステップS214)、第1のモニタ値が第1の規定値以上か否かを判定する(ステップS215)。
【0125】
異常判定部315は、第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合に(ステップS216,Yes)、デバイス異常であると判定する(ステップS217)。異常判定部315は、第1のモニタ値が第1の規定値未満の場合に(ステップS216,No)、ポート抜け状態であると判定する(ステップS218)。
【0126】
上述してきたように、本実施例3にかかる光増幅装置300bは、LD313からのLD光(光信号)をTo_DCFポート側と、From_DCFポート側から入力し、PD310、光増幅モジュール312でLD光のモニタ値を検出することで、光増幅装置300aからの主信号が無い状態でも、異常状態の検出を可能とする。
【0127】
また、LD制御部314は、PD308から電気信号を取得した場合に、光信号およびASEの入力が有ると判定し、LD313をシャットダウンするので、消費電力を最小限に抑えることが出来る。
【0128】
なお、LD313は、分散補償デバイス311が平坦なロス特性を有する場合に、光増幅装置300aから出力される光信号の帯域内に含まれるようにLD光の波長を調整し、出力する。
【0129】
また、LD313は、分散補償デバイス311が周期的なロス特性を有する場合に、かかる分散補償デバイス311を透過するようにLD光の波長を調整する。LD光の波長を調整しないで、LD光を分散補償デバイス311に入力すると、正常時であっても、デバイス311bで大きなロスが発生し、第2のモニタ値が第2の規定値以上とならない可能性があるためである。
【実施例4】
【0130】
次に、本実施例4にかかる光通信システムの構成について説明する。図11は、本実施例4にかかる光通信システムの構成を示す図である。図11に示すように、この光通信システムは、光増幅装置400aと400bを有する。光増幅装置400aと光増幅装置400bの構成は同じであるため、以下では、光増幅装置400bの構成について説明する。
【0131】
光増幅装置400bは、光増幅装置400aからの光信号が入力されていない場合に、LD413からの光信号を、To_DCFポート側と、From_DCFポート側から入力して異常判定を行う。また、光増幅装置400bは、光増幅装置400aからの光信号が入力されている場合に、LD413から出力される光信号の内、To_DCFポート側に出力される光信号を光SW414にてブロックし、光増幅装置400aからの光信号をTo_DCFポート側から出力して、異常判定を行う。
【0132】
このように、光増幅装置400bは、光増幅装置400aから光信号が入力されているか否かに基づいて、光SW414がLD413からのLD光をブロックするので、光増幅装置400aから光信号が入力されているか否かによらず、異常状態を判定することが出来る。
【0133】
光増幅装置400bは、CPL401〜406、VOA407、PD408〜410、分散補償デバイス411、光増幅モジュール412、LD(レーザーダイオード)413を有する。また、光増幅装置400bは、光SW414、光SW制御部415、異常判定部416を有する。
【0134】
CPL401は、光増幅装置400aから出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD408に出力し、もう一方の光信号をVOA407に出力する。CPL402は、VOA407から出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD409に出力し、もう一方の光信号をCPL403に出力する。
【0135】
CPL403は、CPL402から出力された光信号またはCPL406から出力された光信号(LD光)を、CPL404に出力する。CPL404は、CPL403から出力された光信号を分散補償デバイス411に出力する。また、CPL404は、分散補償デバイス411から出力された光信号をPD410に出力する。
【0136】
CPL405は、分散補償デバイス411から出力された光信号を、光増幅モジュール412に出力する。また、CPL405は、CPL406から出力された光信号を、分散補償デバイス411に出力する。CPL406は、LD413から出力された光信号(LD光)を分割し、一方の光信号をCPL403に出力し、もう一方の光信号をCPL405に出力する。
【0137】
VOA407は、光信号を減衰させる装置である。VOA407は、CPL401から光信号を取得し、取得した光信号を減衰させた後に、減衰させた光信号をCPL402に出力する。また、VOA407は、分散補償デバイス411等に対する異常が発生した場合に、減衰量を増加することで、分散補償デバイス411に高出力の光信号が入力されることを防止する。
【0138】
PD408は、CPL401から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD408は、電気信号をモニタおよび光SW制御部415に出力する。PD409は、CPL402から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD409は、電気信号をモニタに出力する。
【0139】
PD410は、CPL404から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD410は、電気信号を異常判定部416に出力する。
【0140】
分散補償デバイス411は、CPL404から光信号を取得した場合に、波長ごとに適切な遅延を与えることで、光信号に存在する分散を補償する装置である。分散補償デバイス411は、サーキュレータ411aと分散補償を実行するデバイス411bを有する。
【0141】
分散補償デバイス411は、To_DCFポートと、From_DCFポートに接続する。分散補償デバイス411のポート(1)とTo_DCFポートを接続し、分散補償デバイス411のポート(2)とFrom_DCFポートを接続する方式が、正常な接続である。
【0142】
分散補償デバイス411のポート(1)に入力した光信号は、サーキュレータ411aを介して、デバイス411bに入力する。そして、デバイス411bにより分散補償された光信号は、サーキュレータ411aを介して、ポート(2)から出力する。一方、分散補償デバイス411のポート(2)に入力した光信号は、デバイス411bを経由することなく、ポート(1)から出力する。
【0143】
光増幅モジュール412は、CPL405から光信号を取得し、取得した光信号を増幅し、増幅した光信号を出力する装置である。また、光増幅モジュール412は、内部にPDを有する。光増幅モジュール412は、内部のPDにより光信号を電気信号に変換し、変換した電気信号を異常判定部416に出力する。
【0144】
LD413は、各CPLを介して、To_DCFポート、From_DCFポートから分散補償デバイス411に光信号(LD光)を出力する装置である。光SW414は、光SW制御部415からの制御命令を基にして、LD413からの光信号の通過をブロックするスイッチである。
【0145】
光SW制御部415は、PD408からの電気信号に基づいて、光SWを制御する処理部である。光SW制御部415は、PD408から電気信号を取得した場合には、光信号の通過をブロックする旨の制御命令を光SW414に出力する。一方、光SW制御部415は、PD408から電気信号を取得していない場合に、光信号の通過を許可する旨の制御命令を光SW414に出力する。
【0146】
異常判定部416は、分散補償デバイス411に関する異常を判定する処理部である。異常判定部416は、第1の規定値と第2の規定値を有し、PD410から取得する電気信号の値と第1の規定値、光増幅モジュール412のPDから取得する電気信号の値と第2の規定値をそれぞれ比較し、比較結果に基づいて異常を判定する。
【0147】
以下の説明において、PD410から取得する電気信号の値を第1のモニタ値、光増幅モジュール412のPDから取得する電気信号の値を第2のモニタ値と表記する。また、第1の閾値は、分散補償デバイス411のデバイス411bを介さず、ポート(2)からポート(1)を通過する光信号のロスを反映して設定される値である。第2の閾値は、デバイス411bを介して、ポート(1)からポート(2)を通過する光信号のロスを反映して設定される値である。
【0148】
異常判定部416は、第1のモニタ値が第1の規定値以上(第1のモニタ値が正常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の閾値以上(第2のモニタ値が正常値)となる場合には、分散補償デバイス411は正常状態であると判定し、判定結果をモニタ等に出力する。
【0149】
異常判定部416は、第1のモニタ値が第1の閾値以上(第1のモニタ値が正常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の閾値未満(第2のモニタ値が異常値)となる場合には、デバイス411bが故障したと判定し、判定結果をモニタ等に出力する。第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合は、ポート接続異常は存在せず、正常に接続されている。そして、ポート接続異常が存在しないにも関わらず、第2のモニタ値が第2の閾値未満の場合には、デバイス411bに何らかの異常が発生し、第2のモニタ値にロスが発生したものと判定する。
【0150】
異常判定部416は、第1のモニタ値が第1の規定値未満(第1のモニタ値が異常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の規定値未満(第2のモニタ値が異常値)の場合には、To_DCFポートまたはFrom_DCFポートにポート接続異常が発生したと判定し、判定結果をモニタ等に出力する。ポート接続異常の発生時は、CPL404から分散補償デバイス411に入力する信号光の経路と、CPL405から分散補デバイス411に入力する信号光の経路が共に断状態となる。したがって、第1,2のモニタ値は無入力レベルとなる。
【0151】
異常判定部416は、第1のモニタ値が第1の規定値未満(第1のモニタ値が異常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の規定値以上(第2のモニタ値が正常値)となる場合には、分散補償値411が誤接続状態であると判定し、判定結果をモニタ等に出力する。
【0152】
異常判定部415は、デバイス411bの故障、ポート接続異常、誤接続の何れかを検出した場合には、VOA407を制御して、VOA407のロスを増加させる。VOA407のロスを増加させることで、To_DCFポートから高出力の光信号が分散補償デバイス411に出力されることを防止する。
【0153】
次に、本実施例4にかかる光増幅装置400bの処理手順について説明する。図12は、本実施例4にかかる光増幅装置400bの処理手順を示すフローチャートである。図12に示すように、光増幅装置400bは、光SW制御部415が、光増幅装置400aからの光信号が入力されているか否かを判定する(ステップS401)。
【0154】
光SW制御部415は、光信号が入力されていない場合に(ステップS402,No)、光SW414をスルー設定し(ステップS403)、ステップS405に移行する。一方、光SW制御部415は、光信号が入力されている場合に(ステップS402,Yes)、光SW414をブロック設定する(ステップS404)。
【0155】
続いて、異常判定部416は、光増幅モジュール412から第2のモニタ値を検出し(ステップS405)、第2のモニタ値が第2の規定値以上か否かを判定する(ステップS406)。
【0156】
異常判定部416は、第2のモニタ値が第2の規定値以上の場合に(ステップS407,Yes)、PD410から第1のモニタ値を検出し(ステップS408)、第1のモニタ値が第1の規定値以上か否かを判定する(ステップS409)。
【0157】
異常判定部416は、第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合に(ステップS410,Yes)、正常状態であると判定する(ステップS411)。異常判定部416は、第1のモニタ値が第1の閾値未満の場合に(ステップS410,No)、ポートが誤接続状態であると判定する(ステップS412)。
【0158】
ところで、ステップS407において、第2のモニタ値が第2の規定値未満の場合に(ステップS407,No)、異常判定部416は、PD410から第1のモニタ値を検出し(ステップS413)、第1のモニタ値が第1の規定値以上か否かを判定する(ステップS414)。
【0159】
異常判定部416は、第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合に(ステップS415,Yes)、デバイス異常状態であると判定する(ステップS416)。異常判定部416は、第1のモニタ値が第1の規定値未満の場合に(ステップS415,No)、ポート抜け状態であると判定する(ステップS417)。
【0160】
このように、本実施例4にかかる光増幅装置400bは、光増幅装置400aから光信号が入力されているか否かに基づいて、光SW制御部415が光SW414を制御して、LD413からのLD光をブロックするので、光増幅装置400aから光信号が入力されているか否かによらず、異常状態を正確に判定することが出来る。
【0161】
なお、LD413は、分散補償デバイス411が平坦なロス特性を有する場合に、光増幅装置400aから出力される光信号の帯域内に含まれるようにLD光の波長を調整し、出力する。
【0162】
また、LD413は、分散補償デバイス411が周期的なロス特性を有する場合に、かかる分散補償デバイス411を透過するようにLD光の波長を調整する。LD光の波長を調整しないで、LD光を分散補償デバイス411に入力すると、正常時であっても、デバイス411bで大きなロスが発生し、第2のモニタ値が第2の規定値以上とならない可能性があるためである。
【実施例5】
【0163】
次に、本実施例5にかかる光通信システムの構成について説明する。図13は、本実施例5にかかる光通信システムの構成を示す図である。図13に示すように、この光通信システムは、光増幅装置500aと光増幅装置500bを有する。光増幅装置500aと光増幅装置500bの構成は同じであるため、以下では、光増幅装置500bの構成について説明する。
【0164】
光増幅装置500bは、光増幅装置500aから光信号が入力されない場合に、LDの代わりに、光増幅モジュール513を強制発光させることで信号光を分散補償デバイス512に出力し、異常判定を実行する。
【0165】
図13に示すように、光増幅装置500bは、CPL501〜507、VOA508、PD509〜511、分散補償デバイス512、光増幅モジュール513、光SW514、光SW制御部515、異常判定部516を有する。
【0166】
CPL501は、光増幅装置500aから出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD509に出力し、もう一方の光信号をVOA508に出力する。CPL502は、VOA508から出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD510に出力し、もう一方の光信号をCPL503に出力する。
【0167】
CPL503は、CPL502から出力された光信号またはCPL506から出力された光信号を、CPL504に出力する。CPL504は、CPL503から出力された光信号を分散補償デバイス512に出力する。また、CPL504は、分散補償デバイス512から出力された光信号をPD511に出力する。
【0168】
CPL505は、分散補償デバイス512から出力された光信号を、光増幅モジュール513に出力する。また、CPL505は、CPL506から出力された光信号を、From_DCFポートに出力する。
【0169】
CPL506は、CPL507から光信号を取得した場合に、光信号を分割し、一方の光信号をCPL505に出力し、もう一方の光信号を、光SW514を介してCPL503に出力する。CPL507は、光増幅モジュール513から光信号を取得した場合に、光信号を分割し、一方の光信号をCPL506に出力し、もう一方の光信号を外部に出力する。
【0170】
VOA508は、光信号を減衰させる装置である。VOA508は、CPL501から光信号を取得し、取得した光信号を減衰させた後に、減衰させた光信号をCPL502に出力する。また、VOA508は、分散補償デバイス512等に対する異常が発生した場合に、減衰量を増加することで、分散補償デバイス512に高出力の光信号が入力されることを防止する。
【0171】
PD509は、CPL501から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD509は、電気信号をモニタおよび光SW制御部515に出力する。PD510は、CPL502から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD510は、電気信号をモニタに出力する。
【0172】
PD511は、CPL504から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD511は、電気信号を異常判定部516に出力する。
【0173】
分散補償デバイス512は、CPL504から光信号を取得した場合に、波長ごとに適切な遅延を与えることで、光信号に存在する分散を補償する装置である。分散補償デバイス512は、サーキュレータ512aと分散補償を実行するデバイス512bを有する。
【0174】
分散補償デバイス512は、To_DCFポートと、From_DCFポートに接続する。分散補償デバイス512のポート(1)とTo_DCFポートを接続し、分散補償デバイス512のポート(2)とFrom_DCFポートを接続する方式が、正常な接続である。
【0175】
分散補償デバイス512のポート(1)に入力した光信号は、サーキュレータ512aを介して、デバイス512bに入力する。そして、デバイス512bにより分散補償された光信号は、サーキュレータ512aを介して、ポート(2)から出力する。一方、分散補償デバイス512のポート(2)に入力した光信号は、デバイス512bを経由することなく、ポート(1)から出力する。
【0176】
光増幅モジュール513は、CPL505から光信号を取得し、取得した光信号を増幅し、増幅した光信号を出力する装置である。光増幅モジュール513は、内部にPDを有する。光増幅モジュール513は、内部のPDにより光信号を電気信号に変換し、変換した電気信号を異常判定部516に出力する。また、光増幅モジュール513は、強制発光の制御命令を取得した場合に、光信号をCPL507に出力する。
【0177】
光SW514は、光SW制御部515からの制御命令を基にして、CPL506からの光信号の通過をブロックするスイッチである。
【0178】
光SW制御部515は、PD509からの電気信号に基づいて、光SW514を制御する処理部である。光SW制御部515は、PD509から電気信号を取得した場合には、光信号の通過をブロックする旨の制御命令を光SW514に出力する。一方、光SW制御部515は、PD509から電気信号を取得していない場合に、光信号の通過を許可する旨の制御命令を光SW514に出力する。
【0179】
異常判定部516は、分散補償デバイス512に関する異常を判定する処理部である。異常判定部516は、第1の規定値と第2の規定値を有し、PD511から取得する電気信号の値と第1の規定値、光増幅モジュール513のPDから取得する電気信号の値と第2の規定値をそれぞれ比較し、比較結果に基づいて異常を判定する。
【0180】
以下の説明において、PD511から取得する電気信号の値を第1のモニタ値、光増幅モジュール513のPDから取得する電気信号の値を第2のモニタ値と表記する。また、第1の閾値は、分散補償デバイス512のデバイス512bを介さず、ポート(2)からポート(1)を通過する光信号のロスを反映して設定される値である。第2の閾値は、デバイス512bを介して、ポート(1)からポート(2)を通過する光信号のロスを反映して設定される値である。
【0181】
異常判定部516は、第1のモニタ値が第1の規定値以上(第1のモニタ値が正常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の閾値以上(第2のモニタ値が正常値)となる場合には、分散補償デバイス512は正常状態であると判定し、判定結果をモニタ等に出力する。
【0182】
異常判定部516は、第1のモニタ値が第1の閾値以上(第1のモニタ値が正常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の閾値未満(第2のモニタ値が異常値)となる場合には、デバイス512bが故障したと判定し、判定結果をモニタ等に出力する。第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合は、ポート接続異常は存在せず、正常に接続されている。そして、ポート接続異常が存在しないにも関わらず、第2のモニタ値が第2の閾値未満の場合には、デバイス512bに何らかの異常が発生し、第2のモニタ値にロスが発生したものと判定する。
【0183】
異常判定部516は、第1のモニタ値が第1の規定値未満(第1のモニタ値が異常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の規定値未満(第2のモニタ値が異常値)の場合には、To_DCFポートまたはFrom_DCFポートにポート接続異常が発生したと判定し、判定結果をモニタ等に出力する。ポート接続異常の発生時は、CPL504から分散補償デバイス512に入力する信号光の経路と、CPL505から分散補デバイス512に入力する信号光の経路が共に断状態となる。したがって、第1,2のモニタ値は無入力レベルとなる。
【0184】
異常判定部516は、第1のモニタ値が第1の規定値未満(第1のモニタ値が異常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の規定値以上(第2のモニタ値が正常値)となる場合には、分散補償値512が誤接続状態であると判定し、判定結果をモニタ等に出力する。
【0185】
異常判定部516は、デバイス512bの故障、ポート接続異常、誤接続の何れかを検出した場合には、VOA508を制御して、VOA508のロスを増加させる。VOA508のロスを増加させることで、To_DCFポートから高出力の光信号が分散補償デバイス512に出力されることを防止する。
【0186】
次に、本実施例5にかかる光増幅装置500bの処理手順について説明する。図14は、本実施例5にかかる光増幅装置500bの処理手順を示すフローチャートである。図14に示すように、光増幅装置500bは、光SW制御部515がPD509からの電気信号に基づいて、光信号が入力されているか否かを判定する(ステップS501)。
【0187】
光SW制御部515は、光信号が入力されていない場合に(ステップS502,No)、光SW514をスルー設定し(ステップS503)、光増幅モジュール513を強制発光させ(ステップS504)、ステップS507に移行する。
【0188】
一方、光SW制御部515は、光信号が入力されている場合に(ステップS502,Yes)、光SW514をブロック設定し(ステップS505)、光増幅モジュールを通常運用させる(ステップS506)。
【0189】
続いて、異常判定部516は、光増幅モジュール513から第2のモニタ値を検出し(ステップS507)、第2のモニタ値が第2の規定値以上か否かを判定する(ステップS508)。異常判定部516は、第2のモニタ値が第2の規定値以上の場合に(ステップS509,Yes)、PD511から第1のモニタ値を検出する(ステップS510)。
【0190】
異常判定部516は、第1のモニタ値が第1の規定値以上か否かを判定する(ステップS511)。異常判定部516は、第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合に(ステップS512,Yes)、正常状態であると判定する(ステップS513)。一方、異常判定部516は、第1のモニタ値が第1の規定値未満の場合に(ステップS512,No)、ポートが誤接続状態であると判定する(ステップS514)。
【0191】
ところで、ステップS509において、異常判定部516は、第2のモニタ値が第2の規定値未満の場合に(ステップS509,No)、PD511から第1のモニタ値を検出し(ステップS515)、第1のモニタ値が第1の規定値以上か否かを判定する(ステップS516)。
【0192】
異常判定部516は、第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合に(ステップS517,Yes)、デバイス異常状態であると判定する(ステップS518)。一方、異常判定部516は、第1のモニタ値が第1の規定値未満の場合に(ステップS517,No)、ポート抜け状態であると判定する(ステップS519)。
【0193】
上述してきたように、本実施例5にかかる光増幅装置500bは、光増幅装置500aから光信号が入力されない場合に、LDの代わりに、光増幅モジュール513を強制発光させるので、光信号の入力の有無に関わらず、分散補償デバイス512の異常判定を正確に実行することが出来る。
【0194】
なお、本実施例1〜5では、第1のモニタ値と第1の規定値、第2のモニタ値と第2の規定値とを比較して、異常判定を行う場合を例にして説明したが、これに限定されるものではない。第1のモニタ値、第2のモニタ値が異常であるか否かを判定できれば、第1,2の規定値の代わりにどの様なパラメータを用いても構わない。
【0195】
ところで、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0196】
なお、前述した光デバイスの一例として分散補償デバイス26を例示しているが、例えば、マッハツェンダタイプの外部光変調器、光分岐装置、波長分波器、光アイソレータを含んで構成された光増幅器とゲインイコライザ、などを使用することが出来る。
【0197】
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0198】
(付記1)第1ないし第3のポートを有し、前記第1のポートから入力された光を前記第2のポートに出力し、前記第2のポートから入力された光を前記第3のポートに出力し、前記第3のポートから入力された光を前記第1のポートに出力する非相反デバイスと、
前記非相反デバイスの前記第2のポートに接続され、前記非相反デバイスの第2のポートから入力された光に所定の処理を与え、前記非相反デバイスの第2のポートに所定の処理を与えた光を出力する光デバイスと、
前記第1のポートから出力される光と、前記第3のポートから出力される光に基づいて、ポートの接続異常と前記光デバイスの異常を検出する異常検出部と
を有することを特徴とする光伝送装置。
【0199】
(付記2)外部の装置から光を取得し、取得した光を前記第1のポートまたは前記第3のポートに出力している間に、前記第1のポートと前記第3の接続ポートのうち、光が出力されていないポートに光を出力する光信号出力部を更に有することを特徴とする付記1に記載の光伝送装置。
【0200】
(付記3)前記光信号出力部は、前記外部の装置から光信号を取得していない間に、前記第1のポートおよび前記第3のポートに光信号を出力することを特徴とする付記2に記載の光伝送装置。
【0201】
(付記4)外部の装置から光を取得し、取得した光を前記第1のポートまたは第3のポートに出力し、前記光信号出力部から出力される光の出力先を前記第1のポートおよび/または前記第3のポートに切り替える切替部を更に有することを特徴とする付記2に記載の光伝送装置。
【0202】
(付記5)外部の装置から光を取得したか否かに基づいて、前記第1のポートまたは前記第2のポートから出力する光を増幅する増幅部から光を発光させ、当該光を前記第1のポートおよび前記第3のポートに入力する制御部を更に有することを特徴とする付記1に記載の光伝送装置。
【0203】
(付記6)前記異常検出部の検出結果に基づいて、前記非相反デバイスに入力される光を減衰させる減衰部を更に有することを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の光伝送装置。
【0204】
(付記7)前記光信号出力部は、ポートの接続異常と前記光デバイスの異常を検出した場合に、光を出力することを特徴とする付記2、3または4に記載の光伝送装置。
【0205】
(付記8)第1ないし第3のポートを有し、前記第1のポートから入力された光を前記第2のポートに出力し、前記第2のポートから入力された光を前記第3のポートに出力し、前記第3のポートから入力された光を前記第1のポートに出力する非相反デバイスと、
前記非相反デバイスの前記第2のポートに接続され、前記非相反デバイスの第2のポートから入力された光に所定の処理を与え、前記非相反デバイスの第2のポートに所定の処理を与えた光を出力する光デバイスとを有する光伝送装置が、
前記第1のポートから出力される光と、前記第3のポートから出力される光を取得するステップと、
前記第1のポートから出力される光と、前記第3のポートから出力される光に基づいて、ポートの接続異常と前記光デバイスの異常を検出するステップと
を含んだことを特徴とする異常検出方法。
【0206】
(付記9)前記光伝送装置は光を出力する光信号出力部を有し、
外部の装置から光信号が、前記第1のポートまたは前記第3のポートに光を出力している間に、前記光信号出力部から、前記第1のポートと前記第3のポートのうち、前記光が出力されていない接続ポートに光を出力するステップを更に含んだことを特徴とする付記8に記載の異常検出方法。
【0207】
(付記10)前記外部の装置が光信号を出力していない間に、前記光信号出力部から、前記第1のポートおよび前記第3のポートに光を出力するステップを更に含んだことを特徴とする付記9に記載の異常検出方法。
【符号の説明】
【0208】
1 伝送路
10,20,100a,100b,200a,200b,300a,300b,400a,400b,500a,500b 光増幅装置
21,22,101,102,103,104,105,201,202,203,204,301,302,303,304,305,306,401,402,403,404,405,406,501,502,503,504,505,506,507 CPL
23,106,205,307,407,508 VOA
24,25,107,108,109,206,207,208,308,309,310,408,409,410,509,510,511 PD
26,110,209,311,411,512 分散補償デバイス
110a,209a,311a,411a,512a サーキュレータ
110b,209b,311b,411b,512b デバイス
27,111,212,312,412,513 光増幅モジュール
112,212,315,416,516 異常判定部
313 LD
314 LD制御部
414,514 光SW
415,515 光SW制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、光信号を伝送する光伝送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、波長の異なる複数の光信号を一つの伝送路に入力することで伝送容量を増大させる、波長多重方式(WDM方式:Wavelength Division Multiplexing)が普及している。この波長多重方式では、1波長当たりの光出力パワーが数dBmと低い場合でも、光信号が多重化された後の光出力パワーは、+20dBm程度の非常に高い出力となり、その安全対策が必須となる。
【0003】
例えば、光通信システムにおいて利用される光増幅装置は、伝送路で発生する分散特性を補償する分散補償ユニットを有している。そして、上述した安全対策の観点から、光増幅装置は、分散補償ユニットの接続異常の検出などを行っている。
【0004】
図15は、従来の光通信システムの構成を示す図である。図15に示すように、この光通信システムは、光増幅装置10,20を有する。光増幅装置10と光増幅装置20は、伝送路1を介して接続している。光増幅装置10により増幅された光信号が、伝送路1を介して光増幅装置20に入力する。光増幅装置10と光増幅装置20の構成は同じであるため、以下では、光増幅装置20の構成について説明する。
【0005】
光増幅装置20は、CPL(カプラ)21,22、VOA(可変減衰器)23、PD(フォトダイオード)24,25、分散補償デバイス26、光増幅モジュール27を有する。このうち、CPL21,22は、光信号を分割する装置である。
【0006】
CPL21は、光増幅装置10から出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD24に出力し、もう一方の光信号をVOA23に出力する。CPL22はVOA23から出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD25に出力し、もう一方の光信号を分散補償デバイス26に出力する。
【0007】
VOA23は、光信号を減衰させる装置である。VOA23は、CPL21から光信号を取得し、取得した光信号を減衰させた後に、減衰させた光信号をCPL22に出力する。
【0008】
PD24は、CPL21から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD24は、電気信号をモニタに出力する。PD25は、CPL22から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD25は、電気信号をモニタに出力する。
【0009】
分散補償デバイス26は、CPL22から光信号を取得した場合に、波長ごとに適切な遅延を与えることで、光信号に存在する分散を補償する装置である。分散補償デバイス26は、To_DCFポートと、From_DCFポートに接続する。
【0010】
分散補償デバイス26は、To_DCFポートを介して、CPL22から出力される光信号を取得し、分散補償を行う。そして、分散補償デバイス26は、From_DCFポートを介して、分散補償を行った光信号を光増幅モジュール27に出力する。
【0011】
ここで、光通信システムの簡略化・オペレーションの簡易化・分散補償器メニューを削除することを鑑みると、分散補償デバイス26として、サーキュレータ等の方向性デバイスを有する分散補償デバイスを用いることが有効である。方向性デバイスを有する分散補償デバイスは、例えば、可変分散補償器である。
【0012】
光増幅モジュール27は、分散補償デバイス26から光信号を取得し、取得した光信号を増幅し、増幅した光信号を出力する装置である。また、光増幅モジュール27は、内部にPDを有する。光増幅モジュール27は、内部のPDにより光信号を電気信号に変換し、変換した電気信号をモニタに出力する。
【0013】
ここで、光増幅装置20が分散補償デバイス26の異常検出を行う場合には、PD25から出力される電気信号と、光増幅モジュールの内部に設けられたPDから出力される電気信号の差分を検出する。そして、検出した差分と、規定値を比較することで、分散補償デバイス26の接続に異常があるか否かを検出する。
【0014】
例えば、光増幅装置20が接続の異常を検出した場合には、光増幅モジュール27を強制的にシャットダウンすることで、光増幅モジュールから異常な光信号が出力されてしまうことを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2003−143080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、上述した従来の技術では、光増幅装置が、方向性デバイスを有する分散補償デバイスを用いた場合に、かかる分散補償器に関する異常を正確に検出することができないという問題があった。図16、図17は、従来技術の問題点を説明するための図である。
【0017】
まず、図16を用いて従来技術の問題点を説明する。図16に示す分散補償器26は、サーキュレータ26aと、分散補償を実行するデバイス26bを有する。分散補償器26のポート(1)に入力した光信号は、サーキュレータ26aを介して、デバイス26bに入力する。そして、デバイス26bから出力した光信号は、サーキュレータ26aを介して、ポート(2)から出力する。
【0018】
従来の異常検出方法では、デバイス26bに異常が発生した場合と、To_DCFポートまたはFrom_DCFポートにポート抜け等の異常が発生した場合の両状態において、「PD25のモニタ値が正常」、「光増幅器モジュール27のモニタ値が異常」となるため、各状態を区別することができない。
【0019】
続いて、図17を用いて従来技術の問題点を説明する。図17に示す分散補償器26を図16と異なり、To_DCFポートとFrom_DCFポートを逆に接続している。この接続では、ポート(2)から入力した光信号は、デバイス26bを経由することなく、ポート(1)から出力する。
【0020】
このように、To_DCFポートとFrom_DCFポートを逆に接続している場合には、光信号がデバイス26bを経由しないため、期待した分散特性が得られず、本来異常と判定すべきである。しかし、図17に示すように、光信号がデバイス26bを経由しない場合には、光損失が小さいため、PD25のモニタ値と光増幅モジュールのモニタ値のみでは、異常状態として判定することが出来ない。
【0021】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、光デバイスに関する異常を正確に検出することが出来る光伝送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この光伝送装置は、第1ないし第3のポートを有し、前記第1のポートから入力された光を前記第2のポートに出力し、前記第2のポートから入力された光を前記第3のポートに出力し、前記第3のポートから入力された光を前記第1のポートに出力する非相反デバイスと、前記非相反デバイスの前記第2のポートに接続され、前記非相反デバイスの第2のポートから入力された光に所定の処理を与え、前記非相反デバイスの第2のポートに所定の処理を与えた光を出力する光デバイスと、前記第1のポートから出力される光と、前記第3のポートから出力される光に基づいて、ポートの接続異常と前記光デバイスの異常を検出する異常検出部とを有することを要件とする。
【発明の効果】
【0023】
この光伝送装置によれば、光デバイスの異常を正確に判定することが出来る。例えば、サーキュレータ等の方向性を持つ分散補償デバイス等の接続異常、デバイス故障、接続ミスを切り分けて判定することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、本実施例1にかかる光通信システムの構成を示す図である。
【図2】図2は、本実施例1にかかる分散補償デバイスが誤接続された場合を説明するための図である。
【図3】図3は、本実施例1のTo_DCFポートおよびFrom_DCFポートの各状態における光スペクトルを示す図である。
【図4】図4は、本実施例1にかかる光増幅装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図5は、本実施例2にかかる光通信システムの構成を示す図である。
【図6】図6は、本実施例2にかかる分散補償デバイスが誤接続された場合を説明するための図である。
【図7】図7は、本実施例2のTo_DCFポートおよびFrom_DCFポートの各状態における光スペクトルを示す図(1)である。
【図8】図8は、本実施例2のTo_DCFポートおよびFrom_DCFポートの各状態における光スペクトルを示す図(2)である。
【図9】図9は、本実施例3にかかる光通信システムの構成を示す図である。
【図10】図10は、本実施例3にかかる光増幅装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、本実施例4にかかる光通信システムの構成を示す図である。
【図12】図12は、本実施例4にかかる光増幅装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】図13は、本実施例5にかかる光通信システムの構成を示す図である。
【図14】図14は、本実施例5にかかる光増幅装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図15】図15は、従来の光通信システムの構成を示す図である。
【図16】図16は、従来技術の問題点を説明するための図(1)である。
【図17】図17は、従来技術の問題点を説明するための図(2)である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本願の開示する光伝送装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0026】
図1は、本実施例1にかかる光通信システムの構成を示す図である。図1に示すように、この光通信システムは、光増幅装置100a,100bを有する。光増幅装置100aと光増幅装置100bは、伝送路1を介して接続している。光増幅装置100aと光増幅装置100bの構成は同じであるため、以下では、光増幅装置100bの構成について説明する。
【0027】
光増幅装置100bは、CPL(カプラ)101〜105、VOA(可変減衰器)106、PD(フォトダイオード)107〜109、分散補償デバイス110、光増幅モジュール111、異常判定部112を有する。
【0028】
CPL101は、光増幅装置100aから出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD107に出力し、もう一方の光信号をVOA106に出力する。CPL102はVOA106から出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD108に出力し、もう一方の光信号をCPL103に出力する。
【0029】
CPL103は、CPL102からの光信号をCPL104に出力する。また、CPL103は、CPL104からの光信号をCPL105に出力する。CPL104は、CPL103からの光信号を、To_DCFポート(分散補償デバイス110)に出力する。また、CPL104は、To_DCFポート(分散補償デバイス110)からの光信号を、CPL103に出力する。
【0030】
CPL105は、Form_DCFポート(分散補償デバイス110)からの光信号を、光増幅モジュール111に出力する。また、CPL105は、CPL103からの光信号を、Form_DCFポート(分散補償デバイス110)に出力する。
【0031】
VOA106は、光信号を減衰させる装置である。VOA106は、CPL101から光信号を取得し、取得した光信号を減衰させた後に、減衰させた光信号をCPL102に出力する。また、VOA106は、分散補償デバイス110等に対する異常が発生した場合に、減衰量を増加することで、分散補償デバイス110に高出力の光信号が入力されることを防止する。
【0032】
PD107は、CPL101から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD107は、電気信号をモニタに出力する。PD108は、CPL102から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD108は、電気信号をモニタに出力する。PD109は、CPL104から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD109は、電気信号を異常判定部112に出力する。
【0033】
分散補償デバイス110は、CPL104から光信号を取得した場合に、波長ごとに適切な遅延を与えることで、光信号に存在する分散を補償する装置である。分散補償デバイス110は、サーキュレータ110aと分散補償を実行するデバイス110bを有する。
【0034】
分散補償デバイス110は、To_DCFポートと、From_DCFポートに接続する。分散補償デバイス110のポート(1)とTo_DCFポートを接続し、分散補償デバイス110のポート(2)とFrom_DCFポートを接続する方式が、正常な接続である。
【0035】
分散補償デバイス110のポート(1)に入力した光信号は、サーキュレータ110aを介して、デバイス110bに入力する。そして、デバイス110bにより分散補償された光信号は、サーキュレータ110aを介して、ポート(2)から出力する。一方、分散補償デバイス110のポート(2)に入力した光信号は、デバイス110bを経由することなく、ポート(1)から出力する。
【0036】
光増幅モジュール111は、CPL105から光信号を取得し、取得した光信号を増幅し、増幅した光信号を出力する装置である。また、光増幅モジュール111は、内部にPDを有する。光増幅モジュール111は、内部のPDにより光信号を電気信号に変換し、変換した電気信号を異常判定部112に出力する。
【0037】
異常判定部112は、分散補償デバイス110に関する異常を判定する処理部である。異常判定部112は、第1の規定値と第2の規定値を有し、PD109から取得する電気信号の値と第1の規定値、光増幅モジュール111のPDから取得する電気信号の値と第2の規定値をそれぞれ比較し、比較結果に基づいて異常を判定する。
【0038】
以下の説明において、PD109から取得する電気信号の値を第1のモニタ値、光増幅モジュール111のPDから取得する電気信号の値を第2のモニタ値と表記する。また、第1の閾値は、分散補償デバイス110のデバイス110bを介さず、ポート(2)からポート(1)を通過する光信号のロスを反映して設定される値である。第2の閾値は、デバイス110bを介して、ポート(1)からポート(2)を通過する光信号のロスを反映して設定される値である。
【0039】
異常判定部112は、第1のモニタ値が第1の規定値以上となり、かつ、第2のモニタ値が第2の閾値以上となる場合には、分散補償デバイス110は正常状態であると判定し、判定結果をモニタ等に出力する。
【0040】
異常判定部112は、第1のモニタ値が第1の閾値以上(第1のモニタ値が正常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の閾値未満(第2のモニタ値が異常値)となる場合には、デバイス110bが故障したと判定し、判定結果をモニタ等に出力する。第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合は、ポート接続異常は存在せず、正常に接続されている。そして、ポート接続異常が存在しないにも関わらず、第2のモニタ値が第2の閾値未満の場合には、デバイス110bに何らかの異常が発生し、第2のモニタ値にロスが発生したものと判定する。
【0041】
異常判定部112は、第1のモニタ値が第1の規定値未満(第1のモニタ値が異常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の規定値未満(第2のモニタ値が異常値)の場合には、To_DCFポートまたはFrom_DCFポートにポート接続異常が発生したと判定し、判定結果をモニタ等に出力する。ポート接続異常の発生時は、CPL104から分散補償デバイス110に入力する信号光の経路と、CPL105から分散補デバイス110に入力する信号光の経路が共に断状態となる。したがって、第1,2のモニタ値は無入力レベルとなる。
【0042】
続いて、本実施例1にかかる分散補償デバイス110が誤接続された場合について説明する。図2は、本実施例1にかかる分散補償デバイスが誤接続された場合を説明するための図である。図2に示す分散補償デバイス110は、To_DCFポートとポート(2)を接続し、From_DCFポートとポート(1)を接続している。
【0043】
図2のように分散補償デバイス110が誤接続されると、本来分散補償されるべきTo_DCFポートからの光信号が、分散補償デバイス110に入力されても、デバイス110bを経由せずに出力されてしまう。そのため、分散補償されていない光信号が出力され、光増幅モジュール111に入力してしまう。この場合、光増幅モジュール111に入力する光信号には、デバイスロスが発生しないので、第2のモニタ値は、第2の規定値以上となる。
【0044】
一方、本来分散補償を行わないFrom_DCFポートからの光信号が、分散補償デバイス110に入力されると、デバイス110bを経由して出力されてしまう。この場合、PD109に入力される光信号には、想定外のデバイスロスが発生するので、第1のモニタ値は、第1の規定値未満となる。
【0045】
すなわち、異常判定部112は、第1のモニタ値が第1の規定値未満となり、かつ、第2のモニタ値が第2の規定値以上となる場合には、分散補償値が誤接続状態であると判定し、判定結果をモニタ等に出力する。
【0046】
異常判定部112は、デバイス110bの故障、ポート接続異常、誤接続の何れかを検出した場合には、VOA106を制御して、VOA106のロスを増加させる。VOA106のロスを増加させることで、To_DCFポートから高出力の光信号が分散補償デバイス110に出力されることを防止する。また、異常判定部112は、異常状態であると判定した場合に、かかる異常を通知するべく、アラームなどを出力しても良い。
【0047】
図3は、本実施例1のTo_DCFポートおよびFrom_DCFポートの各状態における光スペクトルを示す図である。なお、デバイス110bのロス特性として、図3の左側に示すように、平坦なロス特性を持つ場合と、図3の右側に示すように、周期的なロス特性を持つ場合に分けて図示する。
【0048】
図3に示すように、デバイス110bが平坦ロス特性の場合、周期的なロス特性の場合において、それぞれ下記の様に、PD109のモニタ値(信号光とASE光(自然放出光)の積分値)に違いがある。周期的なロス特性には、例えば、櫛形ロス特性が含まれる。図1に示した光増幅装置100bは、平坦ロス特性を持つデバイスだけでなく、周期的なロス特性を有するデバイスを分散補償デバイス110に適用して場合でも、正確に異常検出を実行することが出来る。
【0049】
正常時には、光信号とASE光は、サーキュレータ110aのロスのみ反映され、本デバイスのロスが小さい為、From_DCFポートのスペクトルとほぼ同じとなる。なお、減衰量は、0.xdB程度と非常に低い値である。図3の実線参照。
【0050】
デバイス異常時には、正常時と同値がPD109にてモニタされる。ただし、光増幅モジュール111の入力が異常となるため、本状態の判定が可能となる。図3の実線参照。
【0051】
ポート接続異常時には、ポート抜けが発生しているため、To_DCFポートにおける分散補償デバイス110からの光信号のレベルは、無入力レベルとなる。
【0052】
ポート逆接続時には、光信号とASE光は、デバイスロス特性を反映し、レベルが低下する。このデバイスロスがサーキュレータ110aのロスと比較して非常に大きいため、PD109で検出されるモニタ値は、通常状態・デバイス異常状態とポート逆接続状態で判定可能である。図3の破線参照。
【0053】
次に、本実施例1にかかる光増幅装置100bの処理手順について説明する。図4は、本実施例1にかかる増幅装置100bの処理手順を示すフローチャートである。図4に示すように、光増幅装置100bは、異常判定部112が、光増幅モジュール111から第2のモニタ値を検出し(ステップS101)、第2のモニタ値が第2の規定値以上か否かを判定する(ステップS102)。
【0054】
異常判定部112は、第2のモニタ値が第2の規定値以上の場合に(ステップS103,Yes)、第1のモニタ値をPD109から検出する(ステップS104)。異常判定部112は、第1のモニタ値が第1の規定値以上か否かを判定する(ステップS105)。
【0055】
異常判定部112は、第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合に(ステップS106,Yes)、正常状態であると判定する(ステップS107)。異常判定部112は、第1のモニタ値が第1の規定値未満の場合に(ステップS106,No)、ポートが誤接続状態であると判定する(ステップS108)。
【0056】
ところで、ステップS103において、第2のモニタ値が第2の閾値未満の場合に(ステップS103,No)、第1のモニタ値をPD109から検出する(ステップS109)。異常判定部112は、第1のモニタ値が第1の規定値以上か否かを判定する(ステップS110)。
【0057】
異常判定部112は、第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合に(ステップS111,Yes)、デバイス異常であると判定する(ステップS112)。異常判定部112は、第1のモニタ値が第1の規定値未満の場合に(ステップS111,No)、ポート抜け状態であると判定する(ステップS113)。
【0058】
上述してきたように、本実施例1にかかる光増幅装置100bは、異常判定部112が、PD109から第1のモニタ値を取得し、光増幅モジュール111から第2のモニタ値を取得する。そして、異常判定部112が、第1のモニタ値と第1の規定値を比較すると共に、第2のモニタ値と第2の規定値を比較し、それぞれの比較結果に基づいて異常判定を実行するので、分散補償デバイスの異常を正確に判定することが出来る。例えば、サーキュレータ110a等の方向性を持つ分散補償デバイスの接続異常、デバイス故障、接続ミスを切り分けて判定することが出来る。
【0059】
また、光増幅装置100bを立ち上げた場合に、異常判定部112が異常判定を実行して判定結果をモニタに出力することで、オペレーションミスによる異常接続状態を早急に検出し、異常状態での装置立上げを回避可能となる。
【0060】
また、本実施例1にかかる光増幅装置100bは、図3で説明したように、デバイス110bのロス特性に関係なく、異常状態を判定することが出来る。
【0061】
なお、本実施例1では、第2のモニタ値を検出する場合に、光増幅モジュール111が有するPDを使用していたが、これに限定されるものではない。例えば、かかる第2のモニタ値2を検出するPDを、分散補償デバイス110の後段に別途設けても良い。
【0062】
また、CPL103の代わりに光SWを配置し、光増幅装置100aから入力する主信号光と分散補償デバイス110から出力される逆方向の光信号とが干渉しないように、各信号光を切り替えても良い。
【実施例2】
【0063】
次に、本実施例2にかかる光通信システムの構成について説明する。図5は、本実施例2にかかる光通信システムの構成を示す図である。図5に示すように、この光通信システムは、光増幅装置200aと光増幅装置200bを有する。光増幅装置200aと光増幅装置200bの構成は同じであるため、以下では、光増幅装置200bの構成について説明する。
【0064】
光増幅装置200bは、CPL201〜204、VOA205、PD206〜208、分散補償デバイス209、光増幅モジュール210、LD(レーザーダイオード)211、異常判定部212を有する。
【0065】
CPL201は、光増幅装置200aから出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD206に出力し、もう一方の光信号をVOA205に出力する。CPL202は、VOA205から出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD207に出力し、もう一方の光信号をCPL203に出力する。
【0066】
CPL203は、CPL202から出力された光信号を、分散補償デバイス209に出力する。また、CPL203は、分散補償デバイス209から出力された光信号をPD208に出力する。
【0067】
CPL204は、分散補償デバイス209から出力された光信号を、光増幅モジュール210に出力する。また、CPL204は、LD211から出力された光信号を、分散補償デバイス209に出力する。
【0068】
VOA205は、光信号を減衰させる装置である。VOA205は、CPL201から光信号を取得し、取得した光信号を減衰させた後に、減衰させた光信号をCPL202に出力する。また、VOA205は、分散補償デバイス209等に対する異常が発生した場合に、減衰量を増加することで、分散補償デバイス209に高出力の光信号が入力されることを防止する。
【0069】
PD206は、CPL201から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD206は、電気信号をモニタに出力する。PD207は、CPL202から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD207は、電気信号をモニタに出力する。
【0070】
PD208は、CPL203から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD208は、電気信号を異常判定部212に出力する。
【0071】
分散補償デバイス209は、CPL203から光信号を取得した場合に、波長ごとに適切な遅延を与えることで、光信号に存在する分散を補償する装置である。分散補償デバイス209は、サーキュレータ209aと分散補償を実行するデバイス209bを有する。
【0072】
分散補償デバイス209は、To_DCFポートと、From_DCFポートに接続する。分散補償デバイス209のポート(1)とTo_DCFポートを接続し、分散補償デバイス209のポート(2)とFrom_DCFポートを接続する方式が、正常な接続である。
【0073】
分散補償デバイス209のポート(1)に入力した光信号は、サーキュレータ209aを介して、デバイス209bに入力する。そして、デバイス209bにより分散補償された光信号は、サーキュレータ209aを介して、ポート(2)から出力する。一方、分散補償デバイス209のポート(2)に入力した光信号は、デバイス209bを経由することなく、ポート(1)から出力する。
【0074】
光増幅モジュール210は、CPL204から光信号を取得し、取得した光信号を増幅し、増幅した光信号を出力する装置である。また、光増幅モジュール210は、内部にPDを有する。光増幅モジュール210は、内部のPDにより光信号を電気信号に変換し、変換した電気信号を異常判定部212に出力する。
【0075】
LD211は、CPL204を介して、分散補償デバイス209に光信号(LD光)を出力する装置である。LD211は、異常検出を実行する期間内に光信号をCPL204に出力することで、消費電力を低減させてもよい。
【0076】
異常判定部212は、分散補償デバイス209に関する異常を判定する処理部である。異常判定部212は、第1の規定値と第2の規定値を有し、PD208から取得する電気信号の値と第1の規定値、光増幅モジュール210のPDから取得する電気信号の値と第2の規定値をそれぞれ比較し、比較結果に基づいて異常を判定する。
【0077】
以下の説明において、PD208から取得する電気信号の値を第1のモニタ値、光増幅モジュール210のPDから取得する電気信号の値を第2のモニタ値と表記する。また、第1の閾値は、分散補償デバイス209のデバイス209bを介さず、ポート(2)からポート(1)を通過する光信号のロスを反映して設定される値である。第2の閾値は、デバイス209bを介して、ポート(1)からポート(2)を通過する光信号のロスを反映して設定される値である。
【0078】
異常判定部212は、第1のモニタ値が第1の規定値以上(第1のモニタ値が正常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の閾値以上(第2のモニタ値が正常値)となる場合には、分散補償デバイス110は正常状態であると判定し、判定結果をモニタ等に出力する。
【0079】
異常判定部212は、第1のモニタ値が第1の閾値以上(第1のモニタ値が正常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の閾値未満(第2のモニタ値が異常値)となる場合には、デバイス209bが故障したと判定し、判定結果をモニタ等に出力する。第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合は、ポート接続異常は存在せず、正常に接続されている。そして、ポート接続異常が存在しないにも関わらず、第2のモニタ値が第2の閾値未満の場合には、デバイス209bに何らかの異常が発生し、第2のモニタ値にロスが発生したものと判定する。
【0080】
異常判定部212は、第1のモニタ値が第1の規定値未満(第1のモニタ値が異常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の規定値未満(第2のモニタ値が異常値)の場合には、To_DCFポートまたはFrom_DCFポートにポート接続異常が発生したと判定し、判定結果をモニタ等に出力する。ポート接続異常の発生時は、CPL203から分散補償デバイス209に入力する信号光の経路と、CPL204から分散補デバイス209に入力する信号光の経路が共に断状態となる。したがって、第1,2のモニタ値は無入力レベルとなる。
【0081】
続いて、本実施例2にかかる分散補償デバイス209が誤接続された場合について説明する。図6は、本実施例2にかかる分散補償デバイスが誤接続された場合を説明するための図である。図6に示す分散補償デバイス209は、To_DCFポートとポート(2)を接続し、From_DCFポートとポート(1)を接続している。
【0082】
図6のように分散補償デバイス209が誤接続されると、本来分散補償されるべきTo_DCFポートからの光信号が、分散補償デバイス209に入力されても、デバイス209bを経由せずに出力されてしまう。そのため、分散補償されていない光信号が出力され、光増幅モジュール210に入力してしまう。この場合、光増幅モジュール210に入力する光信号には、デバイスロスが発生しないので、第2のモニタ値は第2の規定値以上となる。
【0083】
一方、本来分散補償を行わないFrom_DCFポートからの光信号が、分散補償デバイス209に入力されると、デバイス209bを経由して出力されてしまう。この場合、PD208に入力される光信号には、想定外のデバイスロスが発生するので、第1のモニタ値は、第1の規定値未満となる。
【0084】
すなわち、異常判定部212は、第1のモニタ値が第1の規定値未満(第1のモニタ値が異常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の規定値以上(第2のモニタ値が正常値)となる場合には、分散補償値が誤接続状態であると判定し、判定結果をモニタ等に出力する。
【0085】
異常検出部212は、デバイス209bの故障、ポート接続異常、誤接続の何れかを検出した場合に、VOA205を制御して、VOA205のロスを増加させる。VOA205のロスを増加させることで、To_DCFポートから高出力の光信号が分散補償デバイス209に出力されることを防止する。
【0086】
図7および図8は、本実施例2のTo_DCFポートおよびFrom_DCFポートの各状態における光スペクトルを示す図である。図7は、デバイスのロス特性として平坦なロス特性を示し、図8は、デバイスのロス特性として周期的なロス特性を示している。
【0087】
まず、図7を用いて、デバイスが平坦なロス特性を有する場合のモニタ値について説明する。正常時において、LD211から出力する光信号(LD光)は、サーキュレータ209aのロスのみ反映され、本デバイスのロスが小さい為、From_DCFポートのスペクトルとほぼ同じとなる。なお、減衰量は、0.xdB程度と非常に低い値である。図7の破線参照。
【0088】
デバイス異常時には、正常時と同値がPD208にてモニタされる。ただし、光増幅モジュール210の入力が異常となるため、本状態の判定が可能となる。図7の破線参照。
【0089】
ポート接続異常時には、ポート抜けが発生しているため、To_DCFポートでのLD光は、無入力レベルとなる。
【0090】
ポート逆接続時には、LD光は、デバイスのロス特性を反映し、レベルが低下する。このデバイスロスがサーキュレータ209aのロスと比較して非常に大きいため、PD208で検出されるモニタ値は、通常状態・デバイス異常状態とポート逆接続状態で判定可能である。図7の破線参照。
【0091】
続いて、図8を用いて、デバイスが周期的なロス特定を有する場合のモニタ値について説明する。図8において、デバイスが周期的なロス特性を有するため、LD光を透過信号帯域内と透過信号外に分けて図示する。図8の左側は、LD光が透過信号帯域内の場合のモニタ値を示し、図8の右側は、LD光が透過信号帯域外の場合のモニタ値を示す。
【0092】
ポート逆接続時において、周期的なロス特性の信号透過帯域のLD光を選択した場合、PD208でモニタされるLD光は、デバイスロスを判定してレベルが透過する。図8の左図の一点鎖線参照。
【0093】
また、周期的なロス特性の信号透過帯域外のLD光を選択した場合、LD光はデバイスにより大きく減衰され、PD208では、無入力レベル付近のモニタ値が検出される。この信号透過帯域内、外の両状態において、サーキュレータ209aのロスと比較してロス大の為、PD208で検出されるモニタ値は、通常状態・デバイス異常状態とポート接続状態で判定可能である。
【0094】
本実施例2にかかる光増幅装置200bは、実施例1に示した光増幅装置と同様に、平坦なロス特性を持つデバイスだけでなく、周期的なロス特性を有するデバイスを適用した場合でも、異常検出を正確に実行することが出来る。また、LD211から出力するLD光は、信号帯域内でも信号帯域外であっても、正確に異常検出を実行することが出来る。例えば、サーキュレータ110a等の方向性を持つ分散補償デバイスの接続異常、デバイス故障、接続ミスを切り分けて判定することが出来る。
【実施例3】
【0095】
次に、本実施例3にかかる光通信システムの構成について説明する。図9は、本実施例3にかかる光通信システムの構成を示す図である。図9に示すように、この光通信システムは、光増幅装置300aと光増幅装置300bを有する。光増幅装置300aと光増幅装置300bの構成は同じであるため、以下では、光増幅装置300bの構成について説明する。
【0096】
光増幅装置300bは、LD313からのLD光(光信号)をTo_DCFポート側と、From_DCFポート側から入力し、PD310、光増幅モジュール312でLD光のモニタ値を検出することで、光増幅装置300aからの主信号が無い状態でも、異常状態の検出を可能とする。
【0097】
図9に示すように、光増幅装置300bは、CPL301〜306、VOA307、PD308〜310、分散補償デバイス311、光増幅モジュール312、LD(レーザーダイオード)313、異常判定部315を有する。
【0098】
CPL301は、光増幅装置300aから出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD308に出力し、もう一方の光信号をVOA307に出力する。CPL302は、VOA307から出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD309に出力し、もう一方の光信号をCPL303に出力する。
【0099】
CPL303は、CPL302から出力された光信号またはCPL306から出力された光信号(LD光)を、CPL304に出力する。CPL304は、CPL303から出力された光信号を分散補償デバイス311に出力する。また、CPL304は、分散補償デバイス311から出力された光信号をPD310に出力する。
【0100】
CPL305は、分散補償デバイス311から出力された光信号を、光増幅モジュール312に出力する。また、CPL305は、CPL306から出力された光信号を、分散補償デバイス311に出力する。
【0101】
CPL306は、LD313から出力された光信号(LD光)を分割し、一方の光信号をCPL303に出力し、もう一方の光信号をCPL305に出力する。
【0102】
VOA307は、光信号を減衰させる装置である。VOA307は、CPL301から光信号を取得し、取得した光信号を減衰させた後に、減衰させた光信号をCPL302に出力する。また、VOA307は、分散補償デバイス311等に対する異常が発生した場合に、減衰量を増加することで、分散補償デバイス311に高出力の光信号が入力されることを防止する。
【0103】
PD308は、CPL301から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD308は、電気信号をモニタおよびLD制御部314に出力する。PD309は、CPL302から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD309は、電気信号をモニタに出力する。
【0104】
PD310は、CPL304から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD310は、電気信号を異常判定部315に出力する。
【0105】
分散補償デバイス311は、CPL304から光信号を取得した場合に、波長ごとに適切な遅延を与えることで、光信号に存在する分散を補償する装置である。分散補償デバイス311は、サーキュレータ311aと分散補償を実行するデバイス311bを有する。
【0106】
分散補償デバイス311は、To_DCFポートと、From_DCFポートに接続する。分散補償デバイス311のポート(1)とTo_DCFポートを接続し、分散補償デバイス311のポート(2)とFrom_DCFポートを接続する方式が、正常な接続である。
【0107】
分散補償デバイス311のポート(1)に入力した光信号は、サーキュレータ311aを介して、デバイス311bに入力する。そして、デバイス311bにより分散補償された光信号は、サーキュレータ311aを介して、ポート(2)から出力する。一方、分散補償デバイス311のポート(2)に入力した光信号は、デバイス311bを経由することなく、ポート(1)から出力する。
【0108】
光増幅モジュール312は、CPL305から光信号を取得し、取得した光信号を増幅し、増幅した光信号を出力する装置である。また、光増幅モジュール312は、内部にPDを有する。光増幅モジュール312は、内部のPDにより光信号を電気信号に変換し、変換した電気信号を異常判定部315に出力する。
【0109】
LD313は、各CPLを介して、To_DCFポートおよびFrom_DCFポートから分散補償デバイス311に光信号(LD光)を出力する装置である。
【0110】
LD制御部314は、PD308から電気信号を取得し、光増幅装置300bへの光信号およびASE入力の有無を判定し、判定結果に基づいてLD313の出力制御を行う処理部である。
【0111】
LD制御部314は、PD308から電気信号を取得した場合に、光信号およびASEの入力が有ると判定し、LD313をシャットダウンする。一方、LD制御部314は、PD308から電気信号を取得しない場合には、光信号およびASEの入力が無いと判定し、LD313から光信号(LD光)を出力させる。
【0112】
異常判定部315は、分散補償デバイス311に関する異常を判定する処理部である。異常判定部315は、第1の規定値と第2の規定値を有し、PD310から取得する電気信号の値と第1の規定値、光増幅モジュール312のPDから取得する電気信号の値と第2の規定値をそれぞれ比較し、比較結果に基づいて異常を判定する。
【0113】
以下の説明において、PD310から取得する電気信号の値を第1のモニタ値、光増幅モジュール312のPDから取得する電気信号の値を第2のモニタ値と表記する。また、第1の閾値は、分散補償デバイス311のデバイス311bを介さず、ポート(2)からポート(1)を通過する光信号のロスを反映して設定される値である。第2の閾値は、デバイス311bを介して、ポート(1)からポート(2)を通過する光信号のロスを反映して設定される値である。
【0114】
異常判定部315は、第1のモニタ値が第1の規定値以上(第1のモニタ値が正常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の閾値以上(第2のモニタ値が正常値)となる場合には、分散補償デバイス311は正常状態であると判定し、判定結果をモニタ等に出力する。
【0115】
異常判定部315は、第1のモニタ値が第1の閾値以上(第1のモニタ値が正常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の閾値未満(第2のモニタ値が異常値)となる場合には、デバイス311bが故障したと判定し、判定結果をモニタ等に出力する。第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合は、ポート接続異常は存在せず、正常に接続されている。そして、ポート接続異常が存在しないにも関わらず、第2のモニタ値が第2の閾値未満の場合には、デバイス311bに何らかの異常が発生し、第2のモニタ値にロスが発生したものと判定する。
【0116】
異常判定部315は、第1のモニタ値が第1の規定値未満(第1のモニタ値が異常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の規定値未満(第2のモニタ値が異常値)の場合には、To_DCFポートまたはFrom_DCFポートにポート接続異常が発生したと判定し、判定結果をモニタ等に出力する。ポート接続異常の発生時は、CPL304から分散補償デバイス311に入力する信号光の経路と、CPL305から分散補デバイス311に入力する信号光の経路が共に断状態となる。したがって、第1,2のモニタ値は無入力レベルとなる。
【0117】
異常判定部315は、第1のモニタ値が第1の規定値未満(第1のモニタ値が異常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の規定値以上(第2のモニタ値が正常値)となる場合には、分散補償値311が誤接続状態であると判定し、判定結果をモニタ等に出力する。
【0118】
異常判定部315は、デバイス311bの故障、ポート接続異常、誤接続の何れかを検出した場合には、VOA307を制御して、VOA307のロスを増加させる。VOA307のロスを増加させることで、To_DCFポートから高出力の光信号が分散補償デバイス311に出力されることを防止する。
【0119】
次に、本実施例3にかかる光増幅装置300bの処理手順について説明する。図10は、本実施例3にかかる光増幅装置300bの処理手順を示すフローチャートである。図10に示すように、光増幅装置300bは、LD制御部314がPD308から電気信号を取得し、光信号が入力されているか否かを判定する(ステップS201)。
【0120】
LD制御部314は、光信号が入力されている場合に(ステップS202,Yes)、検出用のLD313をオフにし(ステップS203)、正常状態で運用する(ステップS204)。
【0121】
一方、LD制御部314は、光信号が入力されていない場合に(ステップS202,No)、検出用のLD313をオンし(ステップS205)、異常判定部315が、光増幅モジュール312から第2のモニタ値を検出する(ステップS206)。
【0122】
異常判定部315は、第2のモニタ値が第2の規定値以上か否かを判定する(ステップS207)。異常判定部315は、第2のモニタ値が第2の規定値以上の場合に(ステップS208,Yes)、PD310から第1のモニタ値を検出し(ステップS209)、第1のモニタ値が第1の規定値以上か否かを判定する(ステップS210)。
【0123】
異常判定部315は、第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合に(ステップS211、Yes)、正常状態であると判定する(ステップS212)。一方、異常判定部315は、第1のモニタ値が第1の規定値未満の場合に(ステップS211,No)、ポートが誤接続状態であると判定する(ステップS213)。
【0124】
ところで、ステップS208において、異常判定部315は、第2のモニタ値が第2の規定値未満の場合に(ステップS208,No)、PD310から第1のモニタ値を検出し(ステップS214)、第1のモニタ値が第1の規定値以上か否かを判定する(ステップS215)。
【0125】
異常判定部315は、第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合に(ステップS216,Yes)、デバイス異常であると判定する(ステップS217)。異常判定部315は、第1のモニタ値が第1の規定値未満の場合に(ステップS216,No)、ポート抜け状態であると判定する(ステップS218)。
【0126】
上述してきたように、本実施例3にかかる光増幅装置300bは、LD313からのLD光(光信号)をTo_DCFポート側と、From_DCFポート側から入力し、PD310、光増幅モジュール312でLD光のモニタ値を検出することで、光増幅装置300aからの主信号が無い状態でも、異常状態の検出を可能とする。
【0127】
また、LD制御部314は、PD308から電気信号を取得した場合に、光信号およびASEの入力が有ると判定し、LD313をシャットダウンするので、消費電力を最小限に抑えることが出来る。
【0128】
なお、LD313は、分散補償デバイス311が平坦なロス特性を有する場合に、光増幅装置300aから出力される光信号の帯域内に含まれるようにLD光の波長を調整し、出力する。
【0129】
また、LD313は、分散補償デバイス311が周期的なロス特性を有する場合に、かかる分散補償デバイス311を透過するようにLD光の波長を調整する。LD光の波長を調整しないで、LD光を分散補償デバイス311に入力すると、正常時であっても、デバイス311bで大きなロスが発生し、第2のモニタ値が第2の規定値以上とならない可能性があるためである。
【実施例4】
【0130】
次に、本実施例4にかかる光通信システムの構成について説明する。図11は、本実施例4にかかる光通信システムの構成を示す図である。図11に示すように、この光通信システムは、光増幅装置400aと400bを有する。光増幅装置400aと光増幅装置400bの構成は同じであるため、以下では、光増幅装置400bの構成について説明する。
【0131】
光増幅装置400bは、光増幅装置400aからの光信号が入力されていない場合に、LD413からの光信号を、To_DCFポート側と、From_DCFポート側から入力して異常判定を行う。また、光増幅装置400bは、光増幅装置400aからの光信号が入力されている場合に、LD413から出力される光信号の内、To_DCFポート側に出力される光信号を光SW414にてブロックし、光増幅装置400aからの光信号をTo_DCFポート側から出力して、異常判定を行う。
【0132】
このように、光増幅装置400bは、光増幅装置400aから光信号が入力されているか否かに基づいて、光SW414がLD413からのLD光をブロックするので、光増幅装置400aから光信号が入力されているか否かによらず、異常状態を判定することが出来る。
【0133】
光増幅装置400bは、CPL401〜406、VOA407、PD408〜410、分散補償デバイス411、光増幅モジュール412、LD(レーザーダイオード)413を有する。また、光増幅装置400bは、光SW414、光SW制御部415、異常判定部416を有する。
【0134】
CPL401は、光増幅装置400aから出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD408に出力し、もう一方の光信号をVOA407に出力する。CPL402は、VOA407から出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD409に出力し、もう一方の光信号をCPL403に出力する。
【0135】
CPL403は、CPL402から出力された光信号またはCPL406から出力された光信号(LD光)を、CPL404に出力する。CPL404は、CPL403から出力された光信号を分散補償デバイス411に出力する。また、CPL404は、分散補償デバイス411から出力された光信号をPD410に出力する。
【0136】
CPL405は、分散補償デバイス411から出力された光信号を、光増幅モジュール412に出力する。また、CPL405は、CPL406から出力された光信号を、分散補償デバイス411に出力する。CPL406は、LD413から出力された光信号(LD光)を分割し、一方の光信号をCPL403に出力し、もう一方の光信号をCPL405に出力する。
【0137】
VOA407は、光信号を減衰させる装置である。VOA407は、CPL401から光信号を取得し、取得した光信号を減衰させた後に、減衰させた光信号をCPL402に出力する。また、VOA407は、分散補償デバイス411等に対する異常が発生した場合に、減衰量を増加することで、分散補償デバイス411に高出力の光信号が入力されることを防止する。
【0138】
PD408は、CPL401から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD408は、電気信号をモニタおよび光SW制御部415に出力する。PD409は、CPL402から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD409は、電気信号をモニタに出力する。
【0139】
PD410は、CPL404から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD410は、電気信号を異常判定部416に出力する。
【0140】
分散補償デバイス411は、CPL404から光信号を取得した場合に、波長ごとに適切な遅延を与えることで、光信号に存在する分散を補償する装置である。分散補償デバイス411は、サーキュレータ411aと分散補償を実行するデバイス411bを有する。
【0141】
分散補償デバイス411は、To_DCFポートと、From_DCFポートに接続する。分散補償デバイス411のポート(1)とTo_DCFポートを接続し、分散補償デバイス411のポート(2)とFrom_DCFポートを接続する方式が、正常な接続である。
【0142】
分散補償デバイス411のポート(1)に入力した光信号は、サーキュレータ411aを介して、デバイス411bに入力する。そして、デバイス411bにより分散補償された光信号は、サーキュレータ411aを介して、ポート(2)から出力する。一方、分散補償デバイス411のポート(2)に入力した光信号は、デバイス411bを経由することなく、ポート(1)から出力する。
【0143】
光増幅モジュール412は、CPL405から光信号を取得し、取得した光信号を増幅し、増幅した光信号を出力する装置である。また、光増幅モジュール412は、内部にPDを有する。光増幅モジュール412は、内部のPDにより光信号を電気信号に変換し、変換した電気信号を異常判定部416に出力する。
【0144】
LD413は、各CPLを介して、To_DCFポート、From_DCFポートから分散補償デバイス411に光信号(LD光)を出力する装置である。光SW414は、光SW制御部415からの制御命令を基にして、LD413からの光信号の通過をブロックするスイッチである。
【0145】
光SW制御部415は、PD408からの電気信号に基づいて、光SWを制御する処理部である。光SW制御部415は、PD408から電気信号を取得した場合には、光信号の通過をブロックする旨の制御命令を光SW414に出力する。一方、光SW制御部415は、PD408から電気信号を取得していない場合に、光信号の通過を許可する旨の制御命令を光SW414に出力する。
【0146】
異常判定部416は、分散補償デバイス411に関する異常を判定する処理部である。異常判定部416は、第1の規定値と第2の規定値を有し、PD410から取得する電気信号の値と第1の規定値、光増幅モジュール412のPDから取得する電気信号の値と第2の規定値をそれぞれ比較し、比較結果に基づいて異常を判定する。
【0147】
以下の説明において、PD410から取得する電気信号の値を第1のモニタ値、光増幅モジュール412のPDから取得する電気信号の値を第2のモニタ値と表記する。また、第1の閾値は、分散補償デバイス411のデバイス411bを介さず、ポート(2)からポート(1)を通過する光信号のロスを反映して設定される値である。第2の閾値は、デバイス411bを介して、ポート(1)からポート(2)を通過する光信号のロスを反映して設定される値である。
【0148】
異常判定部416は、第1のモニタ値が第1の規定値以上(第1のモニタ値が正常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の閾値以上(第2のモニタ値が正常値)となる場合には、分散補償デバイス411は正常状態であると判定し、判定結果をモニタ等に出力する。
【0149】
異常判定部416は、第1のモニタ値が第1の閾値以上(第1のモニタ値が正常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の閾値未満(第2のモニタ値が異常値)となる場合には、デバイス411bが故障したと判定し、判定結果をモニタ等に出力する。第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合は、ポート接続異常は存在せず、正常に接続されている。そして、ポート接続異常が存在しないにも関わらず、第2のモニタ値が第2の閾値未満の場合には、デバイス411bに何らかの異常が発生し、第2のモニタ値にロスが発生したものと判定する。
【0150】
異常判定部416は、第1のモニタ値が第1の規定値未満(第1のモニタ値が異常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の規定値未満(第2のモニタ値が異常値)の場合には、To_DCFポートまたはFrom_DCFポートにポート接続異常が発生したと判定し、判定結果をモニタ等に出力する。ポート接続異常の発生時は、CPL404から分散補償デバイス411に入力する信号光の経路と、CPL405から分散補デバイス411に入力する信号光の経路が共に断状態となる。したがって、第1,2のモニタ値は無入力レベルとなる。
【0151】
異常判定部416は、第1のモニタ値が第1の規定値未満(第1のモニタ値が異常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の規定値以上(第2のモニタ値が正常値)となる場合には、分散補償値411が誤接続状態であると判定し、判定結果をモニタ等に出力する。
【0152】
異常判定部415は、デバイス411bの故障、ポート接続異常、誤接続の何れかを検出した場合には、VOA407を制御して、VOA407のロスを増加させる。VOA407のロスを増加させることで、To_DCFポートから高出力の光信号が分散補償デバイス411に出力されることを防止する。
【0153】
次に、本実施例4にかかる光増幅装置400bの処理手順について説明する。図12は、本実施例4にかかる光増幅装置400bの処理手順を示すフローチャートである。図12に示すように、光増幅装置400bは、光SW制御部415が、光増幅装置400aからの光信号が入力されているか否かを判定する(ステップS401)。
【0154】
光SW制御部415は、光信号が入力されていない場合に(ステップS402,No)、光SW414をスルー設定し(ステップS403)、ステップS405に移行する。一方、光SW制御部415は、光信号が入力されている場合に(ステップS402,Yes)、光SW414をブロック設定する(ステップS404)。
【0155】
続いて、異常判定部416は、光増幅モジュール412から第2のモニタ値を検出し(ステップS405)、第2のモニタ値が第2の規定値以上か否かを判定する(ステップS406)。
【0156】
異常判定部416は、第2のモニタ値が第2の規定値以上の場合に(ステップS407,Yes)、PD410から第1のモニタ値を検出し(ステップS408)、第1のモニタ値が第1の規定値以上か否かを判定する(ステップS409)。
【0157】
異常判定部416は、第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合に(ステップS410,Yes)、正常状態であると判定する(ステップS411)。異常判定部416は、第1のモニタ値が第1の閾値未満の場合に(ステップS410,No)、ポートが誤接続状態であると判定する(ステップS412)。
【0158】
ところで、ステップS407において、第2のモニタ値が第2の規定値未満の場合に(ステップS407,No)、異常判定部416は、PD410から第1のモニタ値を検出し(ステップS413)、第1のモニタ値が第1の規定値以上か否かを判定する(ステップS414)。
【0159】
異常判定部416は、第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合に(ステップS415,Yes)、デバイス異常状態であると判定する(ステップS416)。異常判定部416は、第1のモニタ値が第1の規定値未満の場合に(ステップS415,No)、ポート抜け状態であると判定する(ステップS417)。
【0160】
このように、本実施例4にかかる光増幅装置400bは、光増幅装置400aから光信号が入力されているか否かに基づいて、光SW制御部415が光SW414を制御して、LD413からのLD光をブロックするので、光増幅装置400aから光信号が入力されているか否かによらず、異常状態を正確に判定することが出来る。
【0161】
なお、LD413は、分散補償デバイス411が平坦なロス特性を有する場合に、光増幅装置400aから出力される光信号の帯域内に含まれるようにLD光の波長を調整し、出力する。
【0162】
また、LD413は、分散補償デバイス411が周期的なロス特性を有する場合に、かかる分散補償デバイス411を透過するようにLD光の波長を調整する。LD光の波長を調整しないで、LD光を分散補償デバイス411に入力すると、正常時であっても、デバイス411bで大きなロスが発生し、第2のモニタ値が第2の規定値以上とならない可能性があるためである。
【実施例5】
【0163】
次に、本実施例5にかかる光通信システムの構成について説明する。図13は、本実施例5にかかる光通信システムの構成を示す図である。図13に示すように、この光通信システムは、光増幅装置500aと光増幅装置500bを有する。光増幅装置500aと光増幅装置500bの構成は同じであるため、以下では、光増幅装置500bの構成について説明する。
【0164】
光増幅装置500bは、光増幅装置500aから光信号が入力されない場合に、LDの代わりに、光増幅モジュール513を強制発光させることで信号光を分散補償デバイス512に出力し、異常判定を実行する。
【0165】
図13に示すように、光増幅装置500bは、CPL501〜507、VOA508、PD509〜511、分散補償デバイス512、光増幅モジュール513、光SW514、光SW制御部515、異常判定部516を有する。
【0166】
CPL501は、光増幅装置500aから出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD509に出力し、もう一方の光信号をVOA508に出力する。CPL502は、VOA508から出力された光信号を分割し、分割した光信号のうち、一方の光信号をPD510に出力し、もう一方の光信号をCPL503に出力する。
【0167】
CPL503は、CPL502から出力された光信号またはCPL506から出力された光信号を、CPL504に出力する。CPL504は、CPL503から出力された光信号を分散補償デバイス512に出力する。また、CPL504は、分散補償デバイス512から出力された光信号をPD511に出力する。
【0168】
CPL505は、分散補償デバイス512から出力された光信号を、光増幅モジュール513に出力する。また、CPL505は、CPL506から出力された光信号を、From_DCFポートに出力する。
【0169】
CPL506は、CPL507から光信号を取得した場合に、光信号を分割し、一方の光信号をCPL505に出力し、もう一方の光信号を、光SW514を介してCPL503に出力する。CPL507は、光増幅モジュール513から光信号を取得した場合に、光信号を分割し、一方の光信号をCPL506に出力し、もう一方の光信号を外部に出力する。
【0170】
VOA508は、光信号を減衰させる装置である。VOA508は、CPL501から光信号を取得し、取得した光信号を減衰させた後に、減衰させた光信号をCPL502に出力する。また、VOA508は、分散補償デバイス512等に対する異常が発生した場合に、減衰量を増加することで、分散補償デバイス512に高出力の光信号が入力されることを防止する。
【0171】
PD509は、CPL501から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD509は、電気信号をモニタおよび光SW制御部515に出力する。PD510は、CPL502から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD510は、電気信号をモニタに出力する。
【0172】
PD511は、CPL504から光信号を取得し、取得した光信号を電気信号に変換する装置である。PD511は、電気信号を異常判定部516に出力する。
【0173】
分散補償デバイス512は、CPL504から光信号を取得した場合に、波長ごとに適切な遅延を与えることで、光信号に存在する分散を補償する装置である。分散補償デバイス512は、サーキュレータ512aと分散補償を実行するデバイス512bを有する。
【0174】
分散補償デバイス512は、To_DCFポートと、From_DCFポートに接続する。分散補償デバイス512のポート(1)とTo_DCFポートを接続し、分散補償デバイス512のポート(2)とFrom_DCFポートを接続する方式が、正常な接続である。
【0175】
分散補償デバイス512のポート(1)に入力した光信号は、サーキュレータ512aを介して、デバイス512bに入力する。そして、デバイス512bにより分散補償された光信号は、サーキュレータ512aを介して、ポート(2)から出力する。一方、分散補償デバイス512のポート(2)に入力した光信号は、デバイス512bを経由することなく、ポート(1)から出力する。
【0176】
光増幅モジュール513は、CPL505から光信号を取得し、取得した光信号を増幅し、増幅した光信号を出力する装置である。光増幅モジュール513は、内部にPDを有する。光増幅モジュール513は、内部のPDにより光信号を電気信号に変換し、変換した電気信号を異常判定部516に出力する。また、光増幅モジュール513は、強制発光の制御命令を取得した場合に、光信号をCPL507に出力する。
【0177】
光SW514は、光SW制御部515からの制御命令を基にして、CPL506からの光信号の通過をブロックするスイッチである。
【0178】
光SW制御部515は、PD509からの電気信号に基づいて、光SW514を制御する処理部である。光SW制御部515は、PD509から電気信号を取得した場合には、光信号の通過をブロックする旨の制御命令を光SW514に出力する。一方、光SW制御部515は、PD509から電気信号を取得していない場合に、光信号の通過を許可する旨の制御命令を光SW514に出力する。
【0179】
異常判定部516は、分散補償デバイス512に関する異常を判定する処理部である。異常判定部516は、第1の規定値と第2の規定値を有し、PD511から取得する電気信号の値と第1の規定値、光増幅モジュール513のPDから取得する電気信号の値と第2の規定値をそれぞれ比較し、比較結果に基づいて異常を判定する。
【0180】
以下の説明において、PD511から取得する電気信号の値を第1のモニタ値、光増幅モジュール513のPDから取得する電気信号の値を第2のモニタ値と表記する。また、第1の閾値は、分散補償デバイス512のデバイス512bを介さず、ポート(2)からポート(1)を通過する光信号のロスを反映して設定される値である。第2の閾値は、デバイス512bを介して、ポート(1)からポート(2)を通過する光信号のロスを反映して設定される値である。
【0181】
異常判定部516は、第1のモニタ値が第1の規定値以上(第1のモニタ値が正常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の閾値以上(第2のモニタ値が正常値)となる場合には、分散補償デバイス512は正常状態であると判定し、判定結果をモニタ等に出力する。
【0182】
異常判定部516は、第1のモニタ値が第1の閾値以上(第1のモニタ値が正常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の閾値未満(第2のモニタ値が異常値)となる場合には、デバイス512bが故障したと判定し、判定結果をモニタ等に出力する。第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合は、ポート接続異常は存在せず、正常に接続されている。そして、ポート接続異常が存在しないにも関わらず、第2のモニタ値が第2の閾値未満の場合には、デバイス512bに何らかの異常が発生し、第2のモニタ値にロスが発生したものと判定する。
【0183】
異常判定部516は、第1のモニタ値が第1の規定値未満(第1のモニタ値が異常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の規定値未満(第2のモニタ値が異常値)の場合には、To_DCFポートまたはFrom_DCFポートにポート接続異常が発生したと判定し、判定結果をモニタ等に出力する。ポート接続異常の発生時は、CPL504から分散補償デバイス512に入力する信号光の経路と、CPL505から分散補デバイス512に入力する信号光の経路が共に断状態となる。したがって、第1,2のモニタ値は無入力レベルとなる。
【0184】
異常判定部516は、第1のモニタ値が第1の規定値未満(第1のモニタ値が異常値)となり、かつ、第2のモニタ値が第2の規定値以上(第2のモニタ値が正常値)となる場合には、分散補償値512が誤接続状態であると判定し、判定結果をモニタ等に出力する。
【0185】
異常判定部516は、デバイス512bの故障、ポート接続異常、誤接続の何れかを検出した場合には、VOA508を制御して、VOA508のロスを増加させる。VOA508のロスを増加させることで、To_DCFポートから高出力の光信号が分散補償デバイス512に出力されることを防止する。
【0186】
次に、本実施例5にかかる光増幅装置500bの処理手順について説明する。図14は、本実施例5にかかる光増幅装置500bの処理手順を示すフローチャートである。図14に示すように、光増幅装置500bは、光SW制御部515がPD509からの電気信号に基づいて、光信号が入力されているか否かを判定する(ステップS501)。
【0187】
光SW制御部515は、光信号が入力されていない場合に(ステップS502,No)、光SW514をスルー設定し(ステップS503)、光増幅モジュール513を強制発光させ(ステップS504)、ステップS507に移行する。
【0188】
一方、光SW制御部515は、光信号が入力されている場合に(ステップS502,Yes)、光SW514をブロック設定し(ステップS505)、光増幅モジュールを通常運用させる(ステップS506)。
【0189】
続いて、異常判定部516は、光増幅モジュール513から第2のモニタ値を検出し(ステップS507)、第2のモニタ値が第2の規定値以上か否かを判定する(ステップS508)。異常判定部516は、第2のモニタ値が第2の規定値以上の場合に(ステップS509,Yes)、PD511から第1のモニタ値を検出する(ステップS510)。
【0190】
異常判定部516は、第1のモニタ値が第1の規定値以上か否かを判定する(ステップS511)。異常判定部516は、第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合に(ステップS512,Yes)、正常状態であると判定する(ステップS513)。一方、異常判定部516は、第1のモニタ値が第1の規定値未満の場合に(ステップS512,No)、ポートが誤接続状態であると判定する(ステップS514)。
【0191】
ところで、ステップS509において、異常判定部516は、第2のモニタ値が第2の規定値未満の場合に(ステップS509,No)、PD511から第1のモニタ値を検出し(ステップS515)、第1のモニタ値が第1の規定値以上か否かを判定する(ステップS516)。
【0192】
異常判定部516は、第1のモニタ値が第1の規定値以上の場合に(ステップS517,Yes)、デバイス異常状態であると判定する(ステップS518)。一方、異常判定部516は、第1のモニタ値が第1の規定値未満の場合に(ステップS517,No)、ポート抜け状態であると判定する(ステップS519)。
【0193】
上述してきたように、本実施例5にかかる光増幅装置500bは、光増幅装置500aから光信号が入力されない場合に、LDの代わりに、光増幅モジュール513を強制発光させるので、光信号の入力の有無に関わらず、分散補償デバイス512の異常判定を正確に実行することが出来る。
【0194】
なお、本実施例1〜5では、第1のモニタ値と第1の規定値、第2のモニタ値と第2の規定値とを比較して、異常判定を行う場合を例にして説明したが、これに限定されるものではない。第1のモニタ値、第2のモニタ値が異常であるか否かを判定できれば、第1,2の規定値の代わりにどの様なパラメータを用いても構わない。
【0195】
ところで、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0196】
なお、前述した光デバイスの一例として分散補償デバイス26を例示しているが、例えば、マッハツェンダタイプの外部光変調器、光分岐装置、波長分波器、光アイソレータを含んで構成された光増幅器とゲインイコライザ、などを使用することが出来る。
【0197】
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0198】
(付記1)第1ないし第3のポートを有し、前記第1のポートから入力された光を前記第2のポートに出力し、前記第2のポートから入力された光を前記第3のポートに出力し、前記第3のポートから入力された光を前記第1のポートに出力する非相反デバイスと、
前記非相反デバイスの前記第2のポートに接続され、前記非相反デバイスの第2のポートから入力された光に所定の処理を与え、前記非相反デバイスの第2のポートに所定の処理を与えた光を出力する光デバイスと、
前記第1のポートから出力される光と、前記第3のポートから出力される光に基づいて、ポートの接続異常と前記光デバイスの異常を検出する異常検出部と
を有することを特徴とする光伝送装置。
【0199】
(付記2)外部の装置から光を取得し、取得した光を前記第1のポートまたは前記第3のポートに出力している間に、前記第1のポートと前記第3の接続ポートのうち、光が出力されていないポートに光を出力する光信号出力部を更に有することを特徴とする付記1に記載の光伝送装置。
【0200】
(付記3)前記光信号出力部は、前記外部の装置から光信号を取得していない間に、前記第1のポートおよび前記第3のポートに光信号を出力することを特徴とする付記2に記載の光伝送装置。
【0201】
(付記4)外部の装置から光を取得し、取得した光を前記第1のポートまたは第3のポートに出力し、前記光信号出力部から出力される光の出力先を前記第1のポートおよび/または前記第3のポートに切り替える切替部を更に有することを特徴とする付記2に記載の光伝送装置。
【0202】
(付記5)外部の装置から光を取得したか否かに基づいて、前記第1のポートまたは前記第2のポートから出力する光を増幅する増幅部から光を発光させ、当該光を前記第1のポートおよび前記第3のポートに入力する制御部を更に有することを特徴とする付記1に記載の光伝送装置。
【0203】
(付記6)前記異常検出部の検出結果に基づいて、前記非相反デバイスに入力される光を減衰させる減衰部を更に有することを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の光伝送装置。
【0204】
(付記7)前記光信号出力部は、ポートの接続異常と前記光デバイスの異常を検出した場合に、光を出力することを特徴とする付記2、3または4に記載の光伝送装置。
【0205】
(付記8)第1ないし第3のポートを有し、前記第1のポートから入力された光を前記第2のポートに出力し、前記第2のポートから入力された光を前記第3のポートに出力し、前記第3のポートから入力された光を前記第1のポートに出力する非相反デバイスと、
前記非相反デバイスの前記第2のポートに接続され、前記非相反デバイスの第2のポートから入力された光に所定の処理を与え、前記非相反デバイスの第2のポートに所定の処理を与えた光を出力する光デバイスとを有する光伝送装置が、
前記第1のポートから出力される光と、前記第3のポートから出力される光を取得するステップと、
前記第1のポートから出力される光と、前記第3のポートから出力される光に基づいて、ポートの接続異常と前記光デバイスの異常を検出するステップと
を含んだことを特徴とする異常検出方法。
【0206】
(付記9)前記光伝送装置は光を出力する光信号出力部を有し、
外部の装置から光信号が、前記第1のポートまたは前記第3のポートに光を出力している間に、前記光信号出力部から、前記第1のポートと前記第3のポートのうち、前記光が出力されていない接続ポートに光を出力するステップを更に含んだことを特徴とする付記8に記載の異常検出方法。
【0207】
(付記10)前記外部の装置が光信号を出力していない間に、前記光信号出力部から、前記第1のポートおよび前記第3のポートに光を出力するステップを更に含んだことを特徴とする付記9に記載の異常検出方法。
【符号の説明】
【0208】
1 伝送路
10,20,100a,100b,200a,200b,300a,300b,400a,400b,500a,500b 光増幅装置
21,22,101,102,103,104,105,201,202,203,204,301,302,303,304,305,306,401,402,403,404,405,406,501,502,503,504,505,506,507 CPL
23,106,205,307,407,508 VOA
24,25,107,108,109,206,207,208,308,309,310,408,409,410,509,510,511 PD
26,110,209,311,411,512 分散補償デバイス
110a,209a,311a,411a,512a サーキュレータ
110b,209b,311b,411b,512b デバイス
27,111,212,312,412,513 光増幅モジュール
112,212,315,416,516 異常判定部
313 LD
314 LD制御部
414,514 光SW
415,515 光SW制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ないし第3のポートを有し、前記第1のポートから入力された光を前記第2のポートに出力し、前記第2のポートから入力された光を前記第3のポートに出力し、前記第3のポートから入力された光を前記第1のポートに出力する非相反デバイスと、
前記非相反デバイスの前記第2のポートに接続され、前記非相反デバイスの第2のポートから入力された光に所定の処理を与え、前記非相反デバイスの第2のポートに所定の処理を与えた光を出力する光デバイスと、
前記第1のポートから出力される光と、前記第3のポートから出力される光に基づいて、ポートの接続異常と前記光デバイスの異常を検出する異常検出部と
を有することを特徴とする光伝送装置。
【請求項2】
外部の装置から光を取得し、取得した光を前記第1のポートまたは前記第3のポートに出力している間に、前記第1のポートと前記第3の接続ポートのうち、光が出力されていないポートに光を出力する光信号出力部を更に有することを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。
【請求項3】
前記光信号出力部は、前記外部の装置から光信号を取得していない間に、前記第1のポートおよび前記第3のポートに光信号を出力することを特徴とする請求項2に記載の光伝送装置。
【請求項4】
外部の装置から光を取得し、取得した光を前記第1のポートまたは第3のポートに出力し、前記光信号出力部から出力される光の出力先を前記第1のポートおよび/または前記第3のポートに切り替える切替部を更に有することを特徴とする請求項2に記載の光伝送装置。
【請求項5】
外部の装置から光を取得したか否かに基づいて、前記第1のポートまたは前記第2のポートから出力する光を増幅する増幅部から光を発光させ、当該光を前記第1のポートおよび前記第3のポートに入力する制御部を更に有することを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。
【請求項1】
第1ないし第3のポートを有し、前記第1のポートから入力された光を前記第2のポートに出力し、前記第2のポートから入力された光を前記第3のポートに出力し、前記第3のポートから入力された光を前記第1のポートに出力する非相反デバイスと、
前記非相反デバイスの前記第2のポートに接続され、前記非相反デバイスの第2のポートから入力された光に所定の処理を与え、前記非相反デバイスの第2のポートに所定の処理を与えた光を出力する光デバイスと、
前記第1のポートから出力される光と、前記第3のポートから出力される光に基づいて、ポートの接続異常と前記光デバイスの異常を検出する異常検出部と
を有することを特徴とする光伝送装置。
【請求項2】
外部の装置から光を取得し、取得した光を前記第1のポートまたは前記第3のポートに出力している間に、前記第1のポートと前記第3の接続ポートのうち、光が出力されていないポートに光を出力する光信号出力部を更に有することを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。
【請求項3】
前記光信号出力部は、前記外部の装置から光信号を取得していない間に、前記第1のポートおよび前記第3のポートに光信号を出力することを特徴とする請求項2に記載の光伝送装置。
【請求項4】
外部の装置から光を取得し、取得した光を前記第1のポートまたは第3のポートに出力し、前記光信号出力部から出力される光の出力先を前記第1のポートおよび/または前記第3のポートに切り替える切替部を更に有することを特徴とする請求項2に記載の光伝送装置。
【請求項5】
外部の装置から光を取得したか否かに基づいて、前記第1のポートまたは前記第2のポートから出力する光を増幅する増幅部から光を発光させ、当該光を前記第1のポートおよび前記第3のポートに入力する制御部を更に有することを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−4171(P2011−4171A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−145678(P2009−145678)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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