説明

光分岐装置および光通信システム

【課題】収容する心線数の増加に対して故障率の増加を抑える。
【解決手段】(M+N)個の入力ポートと(M+N)個の出力ポートとを有する第1および第2の周期性光波長合分波器(AWG)を備え、M個の第1入力ポートと第1のAWGのM個の入力ポートを接続し、M個の第2入力ポートと第2のAWGのM個の入力ポートを接続し、2N個の第3入力ポートのうちN個の第3入力ポートと第1のAWGのN個の入力ポートを接続し、残りのN個の第3入力ポートと第2のAWGのN個の入力ポートを接続し、M個の第1出力ポートと第2のAWGのM個の出力ポートを接続し、M個の第2出力ポートと第1のAWGのM個の出力ポートを接続し、2N個の第3出力ポートのうちN個の第3出力ポートと第1のAWGのN個の出力ポートを接続し、残りのN個の第3出力ポートと第2のAWGのN個の出力ポートを接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3地点以上の通信ノード間で、波長多重信号の波長ごとに接続経路を切り替える光分岐装置および光通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の光信号を異なる波長の光に乗せ、1本の光ファイバで伝送する波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)伝送システムは、伝送容量を大幅に増大させることが可能であり、2地点間を結ぶ光通信システムでも導入が進んでいる。さらに近年、光分岐装置を設置することで、3地点以上を結ぶ光通信システムを実現することも可能になっている。
【0003】
図7は、従来の光分岐装置の構成例を示す。ここでは、光インターリーブフィルタを内蔵する3分岐の光分岐装置の構成例を示す(特許文献1)。
【0004】
図7において、光分岐装置は、第1入力ポート71−1および第1出力ポート72−1、第2入力ポート71−2および第2出力ポート72−2、第3入力ポート71−3および第3出力ポート72−3を備える。さらに、奇数チャネルと偶数チャネルを分岐する光インターリーブフィルタ73−1〜73−3と、奇数チャネルと偶数チャネルを合流する光インターリーブフィルタ74−1〜74−3を備える。
【0005】
第1入力ポート71−1〜第3入力ポート71−3に入力する波長多重信号は、光インタリーブフィルタ73−1〜73−3にそれぞれ入力され、奇数チャネル出力と偶数チャネル出力に分岐される。また、光インタリーブフィルタ74−1〜74−3は、それぞれ奇数チャネル入力と偶数チャネル入力を合流し、波長多重信号として第1出力ポート72−1〜第3出力ポート72−3に出力する。
【0006】
光インターリーブフィルタ73−1〜73−3の奇数チャネル出力および偶数チャネル出力と、光インターリーブフィルタ74−1〜74−3の奇数チャネル入力および偶数チャネル入力は、以下の通り接続される。
【0007】
光インターリーブフィルタ73−1の奇数チャネル出力と光インターリーブフィルタ74−2の奇数チャネル入力とが接続され、光インターリーブフィルタ73−1の偶数チャネル出力と光インターリーブフィルタ74−3の偶数チャネル入力とが接続される。
【0008】
光インターリーブフィルタ73−2の奇数チャネル出力と光インターリーブフィルタ74−3の奇数チャネル入力とが接続され、光インターリーブフィルタ73−2の偶数チャネル出力と光インターリーブフィルタ74−1の偶数チャネル入力とが接続される。
【0009】
光インターリーブフィルタ73−3の奇数チャネル出力と光インターリーブフィルタ74−1の奇数チャネル入力とが接続され、光インターリーブフィルタ73−3の偶数チャネル出力と光インターリーブフィルタ74−2の偶数チャネル入力とが接続される。
【0010】
例えば、第1入力ポート71−1に入力する波長多重信号は、奇数チャネルが光インタリーブフィルタ73−1,74−2を介して第2出力ポート72−2に出力され、偶数チャネルが光インタリーブフィルタ73−1,74−3を介して第3出力ポート72−3に出力される。すなわち、奇数チャネルと偶数チャネルが2方路に分岐されることになる。同様に、第2入力ポート71−2に入力する波長多重信号の偶数チャネルと、第3入力ポート71−3に入力する波長多重信号の奇数チャネルは、それぞれ光インタリーブフィルタ73−2,73−3を介して光インタリーブフィルタ74−1で合流し、第1出力ポート72−1に出力される。すなわち、2方路から入力する奇数チャネルと偶数チャネルが合流することになる。
【0011】
このような光分岐装置を用いることにより、3地点間を結ぶ光通信システムを実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2003−198471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従来の光分岐装置では、各入出力ポートに1つずつ光インタリーブフィルタを配置する構成であるので、必要な部品点数は入出力ポートの合計数と等しい。したがって、光分岐装置に収容する光ファイバ伝送路の心線数の増加に対応する入出力ポート数の増加に伴い、光分岐装置に必要な部品点数が増加する。
【0014】
一方、光分岐装置の故障率を下げるためには、信頼性の高い部品で構成し、部品点数を少なくすることが有効であるが、従来の光分岐装置は、収容する心線数の増加に伴って部品点数が増加することから、それに比例して故障率も増加する課題があった。
【0015】
本発明は、信頼性の高い少数の部品で光分岐を可能とし、収容する心線数の増加に対して故障率の増加を抑えることができる光分岐装置および光通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
第1の発明は、M組(Mは整数)の波長多重信号を送受信する第1の通信ノードおよび第2の通信ノードと、2N組(Nは整数)の波長多重信号を送受信する第3の通信ノードと、第1の通信ノードに接続されるM個の第1入力ポートおよびM個の第1出力ポートと、第2の通信ノードに接続されるM個の第2入力ポートおよびM個の第2出力ポートと、第3の通信ノードに接続される2N個の第3入力ポートおよび2N個の第3出力ポートとを有し、第1入力ポート〜第3入力ポートと第1出力ポート〜第3出力ポートとの間で波長多重信号の波長ごとに接続経路を切り替える光分岐装置とを備えた光通信システムにおいて、光分岐装置は、(M+N)個の入力ポートと(M+N)個の出力ポートとを有する第1の周期性光波長合分波器および第2の周期性光波長合分波器を備え、M個の第1入力ポートと第1の周期性光波長合分波器のM個の入力ポートを接続し、M個の第2入力ポートと第2の周期性光波長合分波器のM個の入力ポートを接続し、2N個の第3入力ポートのうちN個の第3入力ポートと第1の周期性光波長合分波器のN個の入力ポートを接続し、残りのN個の第3入力ポートと第2の周期性光波長合分波器のN個の入力ポートを接続し、M個の第1出力ポートと第2の周期性光波長合分波器のM個の出力ポートを接続し、M個の第2出力ポートと第1の周期性光波長合分波器のM個の出力ポートを接続し、2N個の第3出力ポートのうちN個の第3出力ポートと第1の周期性光波長合分波器のN個の出力ポートを接続し、残りのN個の第3出力ポートと第2の周期性光波長合分波器のN個の出力ポートを接続したことを特徴とする。
【0017】
第2の発明は、M組(Mは整数)の波長多重信号を送受信する第1の通信ノードおよび第2の通信ノードと、2N組(Nは整数)の波長多重信号を送受信する第3の通信ノードと、第1の通信ノードに接続されるM個の第1入力ポートおよびM個の第1出力ポートと、第2の通信ノードに接続されるM個の第2入力ポートおよびM個の第2出力ポートと、第3の通信ノードに接続される2N個の第3入力ポートおよび2N個の第3出力ポートとを有し、第1入力ポート〜第3入力ポートと第1出力ポート〜第3出力ポートとの間で波長多重信号の波長ごとに接続経路を切り替える光分岐装置とを備えた光通信システムにおいて、光分岐装置は、M個の入力ポートと(L+N)個(Lは整数、L+N≧M)の出力ポートとを有する第1の周期性光波長合分波器および第2の周期性光波長合分波器と、(L+N)個の入力ポートとM個の出力ポートとを有する第3の周期性光波長合分波器および第4の周期性光波長合分波器とを備え、M個の第1入力ポートと第1の周期性光波長合分波器のM個の入力ポートを接続し、M個の第2入力ポートと第2の周期性光波長合分波器のM個の入力ポートを接続し、2N個の第3入力ポートのうちN個の第3入力ポートと第3の周期性光波長合分波器のN個の入力ポートを接続し、残りのN個の第3入力ポートと第4の周期性光波長合分波器のN個の入力ポートを接続し、M個の第1出力ポートと第4の周期性光波長合分波器のM個の出力ポートを接続し、M個の第2出力ポートと第3の周期性光波長合分波器のM個の出力ポートを接続し、2N個の第3出力ポートのうちN個の第3出力ポートと第1の周期性光波長合分波器のN個の出力ポートを接続し、残りのN個の第3出力ポートと第2の周期性光波長合分波器のN個の出力ポートを接続し、第1の周期性光波長合分波器のL個の出力ポートと第3の周期性光波長合分波器のL個の入力ポートを接続し、第2の周期性光波長合分波器のL個の出力ポートと第4の周期性光波長合分波器のL個の入力ポートを接続したことを特徴とする。
【0018】
第1の発明または第2の発明の光通信システムにおいて、光分岐装置の周期性光波長合分波器は、平面光波回路(PLC:Planar Lightwave Circuit)技術で形成されたアレイ導波路回折格子(AWG)である。
【0019】
第3の発明は、第1の発明の光通信システムに用いる光分岐装置である。
第4の発明は、第2の発明の光通信システムに用いる光分岐装置である。
第3の発明または第4の発明の光分岐装置において、周期性光波長合分波器は、平面光波回路(PLC:Planar Lightwave Circuit)技術で形成されたアレイ導波路回折格子(AWG)である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の光分岐装置は、信頼性の高い少数の部品を用いて構成可能であり、入出力する光ファイバの心線数に応じた入出力ポートを有する周期性光波長合分波器を用いることにより、部品数を増やすことなく対応することができる。これにより、光分岐装置に収容する心線数の増加に対して故障率の増加を抑え、信頼性の高い光通信システムを構築することができる。特に、本発明は、伝送容量の増大が見込まれる海底光通信システムの信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の光分岐装置の実施例1を示す図である。
【図2】周期性光波長合分波器13−1,13−2の波長入出力特性を示す図である。
【図3】本発明の光分岐装置を用いた光通信システムの構成例を示す図である。
【図4】本発明の光分岐装置の実施例2を示す図である。
【図5】周期性光波長合分波器23−1,23−2の波長入出力特性を示す図である。
【図6】周期性光波長合分波器24−1,24−2の波長入出力特性を示す図である。
【図7】従来の光分岐装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0022】
図1は、本発明の光分岐装置の実施例1を示す。
図1において、光分岐装置は、3(=M)個の第1入力ポート11−1および3(=M)個の第1出力ポート12−1、3(=M)個の第2入力ポート11−2および3(=M)個の第2出力ポート12−2、2(=2N)個の第3入力ポート11−3および2(=2N)個の第3出力ポート12−3を備える。さらに、4(=M+N)入力4(=M+N)出力の周期性光波長合分波器13−1,13−2を備える。ここでは、M=3、N=1の場合を示す。
【0023】
3個の第1入力ポート11−1および2個の第3入力ポート11−3の一方の入力ポートは、周期性光波長合分波器13−1の4個の入力ポートに接続される。周期性光波長合分波器13−1の4個の出力ポートは、3個の第2出力ポート12−2および2個の第3出力ポート12−3の一方の出力ポートに接続される。3個の第2入力ポート11−2および2個の第3入力ポート11−3の他方の入力ポートは、周期性光波長合分波器13−2の4個の入力ポートに接続される。周期性光波長合分波器13−2の4個の出力ポートは、3個の第1出力ポート12−1および2個の第3出力ポート12−3の他方の出力ポートに接続される。
【0024】
なお、2個の第3入力ポート11−3が接続される周期性光波長合分波器13−1,13−2の入力ポートの位置は任意であり、さらに2個の第3出力ポート12−3が接続される周期性光波長合分波器13−1,13−2の出力ポートの位置は任意である。図1に示す例は、周期性光波長合分波器13−1の入力ポートIn1,In2,In3,In4に、3個の第1入力ポート11−1および2個の第3入力ポート11−3の一方の入力ポートが順番に接続され、周期性光波長合分波器13−1の出力ポートOut1,Out2,Out3,Out4に、3個の第2出力ポート12−2および2個の第3出力ポート12−3の一方の出力ポートが順番に接続される。周期性光波長合分波器13−2においても同様である。
【0025】
ここで、周期性光波長合分波器13−1,13−2の波長入出力特性は同一であり、図2に示される信号波長が各入出力ポート間を透過する。すなわち、ある入力ポートから入力され、隣接する2つの出力ポートから出力される信号の波長はΔλ異なる特性を有する。隣接する2つの入力ポートから入力され、ある出力ポートから出力される信号の波長はΔλ異なる特性を有する。波長λk (kは整数)の光信号が、ある入出力ポート間を透過するならば、当該入出力ポート間をλk とは(M+N)×Δλの整数倍異なる波長の信号も透過する特性を有する。このような光波長合分波器は、例えば平面光波回路(PLC:Planar Lightwave Circuit)技術で形成されたアレイ導波路回折格子(AWG)で実現することができる。
【0026】
例えば、第1入力ポート11−1から周期性光波長合分波器13−1の入力ポートIn1に入力する波長λ1 ,λ2 ,λ3 ,λ4 ,λ5 ,…の光信号のうち、出力ポートOut1,Out2,Out3に出力される波長λ1 ,λ2 ,λ3 ,λ5 ,…の光信号は第2出力ポート12−2に出力され、出力ポートOut4に出力される波長λ4 ,…の光信号は第3出力ポート12−3に出力される。
【0027】
また、第3入力ポート11−3から周期性光波長合分波器13−1の入力ポートIn4に入力する波長λ1 ,λ2 ,λ3 ,λ4 ,λ5 ,…の光信号のうち、出力ポートOut1,Out2,Out3に出力される波長λ4 ,λ1 ,λ2 ,…の光信号は第2出力ポート12−2に出力される。出力ポートOut4に出力される波長λ3 ,…の光信号は、第3入出力ポート間の折り返しになるので通常は使用されない。
【0028】
このように光分岐装置を構成することにより、第1入力ポート11−1、第2入力ポート11−2および第3入力ポート11−3と、第1出力ポート12−1、第2出力ポート12−2および第3出力ポート12−3との間で、図2に示す波長入出力特性に従って光信号の分岐を行うことができる。
【0029】
図3は、本発明の光分岐装置を用いた光通信システムの構成例を示す。
図3において、光分岐装置の第1入力ポート11−1および第1出力ポート12−1には、3対の光ファイバを介して3組の波長多重信号を送受信する機能を備える第1の通信ノード31が接続される。光分岐装置の第2入力ポート11−2および第2出力ポート12−2には、3対の光ファイバを介して3組の波長多重信号を送受信する機能を備える第2の通信ノード32が接続される。光分岐装置の第3入力ポート11−3および第3出力ポート12−3には、2対の光ファイバを介して2組の波長多重信号を送受信する機能を備える第3の通信ノード33が接続される。
【0030】
以上説明したように、本実施例の光分岐装置は、周期性光波長合分波器として、平面光波回路(PLC)技術で形成されたアレイ導波路回折格子(AWG)のように信頼性の高い部品で構成することができる。また、光分岐装置に接続する光ファイバの心線数に応じた入出力ポートを有する周期性光波長合分波器を用いることにより、周期性光波長合分波器の個数は2個で対応することができる。また、周期性光波長合分波器の周期的な波長入出力特性により波長数の増加にも装置構成を変更することなく対応することができる。また、本発明の光分岐装置を2台以上用いることにより、4以上の通信ノード間の通信を実現することができる。
【実施例2】
【0031】
図4は、本発明の光分岐装置の実施例2を示す。
図4において、光分岐装置は、3(=M)個の第1入力ポート21−1および3(=M)個の第1出力ポート22−1、3(=M)個の第2入力ポート21−2および3(=M)個の第2出力ポート22−2、2(=2N)個の第3入力ポート21−3および2(=2N)個の第3出力ポート22−3を備える。さらに、3(=M)入力4(=L+N)出力の周期性光波長合分波器23−1,23−2、4(=L+N)入力3(=M)出力の周期性光波長合分波器24−1,24−2を備える。なお、L+N≧Mである。ここでは、M=3、N=1、L=3の場合を示す。
【0032】
3個の第1入力ポート21−1は、周期性光波長合分波器23−1の3(=M)個の入力ポートに接続される。3個の第2入力ポート21−2は、周期性光波長合分波器23−2の3(=M)個の入力ポートに接続される。2個の第3入力ポート21−3の入力ポートは、それぞれ周期性光波長合分波器24−1,24−2の1(=N)個の入力ポートに接続される。
【0033】
3個の第1出力ポート22−1は、周期性光波長合分波器24−2の3(=M)個の出力ポートに接続される。3個の第2出力ポート22−2は、周期性光波長合分波器24−1の3(=M)個の出力ポートに接続される。2個の第3出力ポート22−3の出力ポートは、それぞれ周期性光波長合分波器23−1,23−2の1(=N)個の出力ポートに接続される。
【0034】
周期性光波長合分波器23−1の3(=L)個の出力ポートと周期性光波長合分波器24−1の3(=L)個の入力ポートが接続される。周期性光波長合分波器23−2の3(=L)個の出力ポートと周期性光波長合分波器24−2の3(=L)個の入力ポートが接続される。
【0035】
なお、2個の第3入力ポート21−3が接続される周期性光波長合分波器24−1,24−2の入力ポートの位置は任意であり、さらに2個の第3出力ポート22−3が接続される周期性光波長合分波器23−1,23−2の出力ポートの位置は任意である。ただし、周期性光波長合分波器23−1の当該出力ポートと、周期性光波長合分波器24−1の当該入力ポートは、同じポート番号に設定する。周期性光波長合分波器23−2の当該出力ポートと、周期性光波長合分波器24−2の当該入力ポートは、同じポート番号に設定する。
【0036】
図4に示す例は、周期性光波長合分波器23−1の出力ポートOut1,Out2,Out3,Out4に、周期性光波長合分波器24−1の入力ポートIn1,In2,In3と、第3出力ポート22−3の一方の出力ポートが順番に接続され、周期性光波長合分波器24−1の入力ポートIn4に第3入力ポート21−3の一方の入力ポートが接続される。また、周期性光波長合分波器23−2の出力ポートOut1,Out2,Out3,Out4に、周期性光波長合分波器24−2の入力ポートIn1,In2,In3と、第3出力ポート22−3の他方の出力ポートが順番に接続され、周期性光波長合分波器24−1の入力ポートIn4に第3入力ポート21−3の他方の入力ポートが接続される。
【0037】
ここで、周期性光波長合分波器23−1,23−2の波長入出力特性は同一であり、図5に示される信号波長が各入出力ポート間を透過する。周期性光波長合分波器24−1,24−2の特性は同一であり、図6に示される信号波長が各入出力ポート間を透過する。このような周期的な波長入出力特性は、実施例1の周期性光波長合分波器13−1,13−2と同様である。
【0038】
例えば、第1入力ポート21−1から周期性光波長合分波器23−1の入力ポートIn1に入力する波長λ1 ,λ2 ,λ3 ,λ4 ,λ5 ,…の光信号のうち、出力ポートOut1,Out2,Out3に出力される波長λ1 ,λ2 ,λ3 ,λ5 ,…の光信号は、周期性光波長合分波器24−1の入力ポートIn1,In2,In3に入力し、出力ポートOut1から第2出力ポート22−2に出力される。また、周期性光波長合分波器23−1の出力ポートOut4に出力される波長λ4 ,…の光信号は、第3出力ポート22−3に出力される。
【0039】
また、第3入力ポート21−3から周期性光波長合分波器24−1の入力ポートIn4に入力する波長λ1 ,λ2 ,λ4 ,λ5 ,…の光信号は、出力ポートOut2,Out3,Out1から第2出力ポート22−2に出力される。
【0040】
このように光分岐装置を構成することにより、第1入力ポート21−1、第2入力ポート21−2および第3入力ポート21−3と、第1出力ポート22−1、第2出力ポート22−2および第3出力ポート22−3との間で、図5,図6に示す波長入出力特性に従って光信号の分岐を行うことができる。
【0041】
なお、本実施例の構成では、第1入力ポート21−1から入力され、第2出力ポート22−2から出力される光信号は、必ず同じ番号の入力ポートと出力ポートを通過し、第2入力ポート21−2から入力され、第1出力ポート22−1から出力される光信号は、必ず同じ番号の入力ポートと出力ポートを通過する特徴を有する。そのため、第1入力ポート21−1および第1出力ポート22−1に接続される通信ノード(図3の31)と、第2入力ポート21−2および第2出力ポート22−2に接続される通信ノード(図3の32)との間の伝送容量(信号波長数)を増やすときに、各通信ノードにおける波長多重信号を送受信する機能を信号波長数に応じて増設することにより容易に対応することができる。
【0042】
以上説明したように、本実施例の光分岐装置は、周期性光波長合分波器として、平面光波回路(PLC)技術で形成されたアレイ導波路回折格子(AWG)のように信頼性の高い部品で構成することができる。また、光分岐装置に接続する光ファイバの心線数に応じた入出力ポートを有する周期性光波長合分波器を用いることにより、周期性光波長合分波器の個数は4個で対応することができる。また、周期性光波長合分波器の周期的な波長入出力特性により波長数の増加にも装置構成を変更することなく対応することができる。また、本発明の光分岐装置を2台以上用いることにより、4以上の通信ノード間の通信を実現することができる。
【符号の説明】
【0043】
11−1 第1入力ポート
11−2 第2入力ポート
11−3 第3入力ポート
12−1 第1出力ポート
12−2 第2出力ポート
12−3 第3出力ポート
13−1,13−2 4入力4出力の周期性光波長合分波器
21−1 第1入力ポート
21−2 第2入力ポート
21−3 第3入力ポート
22−1 第1出力ポート
22−2 第2出力ポート
22−3 第3出力ポート
23−1,23−2 3入力4出力の周期性光波長合分波器
24−1,24−2 4入力3出力の周期性光波長合分波器
31,32,33 通信ノード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
M組(Mは整数)の波長多重信号を送受信する第1の通信ノードおよび第2の通信ノードと、
2N組(Nは整数)の波長多重信号を送受信する第3の通信ノードと、
前記第1の通信ノードに接続されるM個の第1入力ポートおよびM個の第1出力ポートと、前記第2の通信ノードに接続されるM個の第2入力ポートおよびM個の第2出力ポートと、前記第3の通信ノードに接続される2N個の第3入力ポートおよび2N個の第3出力ポートとを有し、第1入力ポート〜第3入力ポートと第1出力ポート〜第3出力ポートとの間で前記波長多重信号の波長ごとに接続経路を切り替える光分岐装置と
を備えた光通信システムにおいて、
前記光分岐装置は、(M+N)個の入力ポートと(M+N)個の出力ポートとを有する第1の周期性光波長合分波器および第2の周期性光波長合分波器を備え、
前記M個の第1入力ポートと前記第1の周期性光波長合分波器のM個の入力ポートを接続し、前記M個の第2入力ポートと前記第2の周期性光波長合分波器のM個の入力ポートを接続し、前記2N個の第3入力ポートのうちN個の第3入力ポートと前記第1の周期性光波長合分波器のN個の入力ポートを接続し、残りのN個の第3入力ポートと前記第2の周期性光波長合分波器のN個の入力ポートを接続し、
前記M個の第1出力ポートと前記第2の周期性光波長合分波器のM個の出力ポートを接続し、前記M個の第2出力ポートと前記第1の周期性光波長合分波器のM個の出力ポートを接続し、前記2N個の第3出力ポートのうちN個の第3出力ポートと前記第1の周期性光波長合分波器のN個の出力ポートを接続し、残りのN個の第3出力ポートと前記第2の周期性光波長合分波器のN個の出力ポートを接続した
ことを特徴とする光通信システム。
【請求項2】
M組(Mは整数)の波長多重信号を送受信する第1の通信ノードおよび第2の通信ノードと、
2N組(Nは整数)の波長多重信号を送受信する第3の通信ノードと、
前記第1の通信ノードに接続されるM個の第1入力ポートおよびM個の第1出力ポートと、前記第2の通信ノードに接続されるM個の第2入力ポートおよびM個の第2出力ポートと、前記第3の通信ノードに接続される2N個の第3入力ポートおよび2N個の第3出力ポートとを有し、第1入力ポート〜第3入力ポートと第1出力ポート〜第3出力ポートとの間で前記波長多重信号の波長ごとに接続経路を切り替える光分岐装置と
を備えた光通信システムにおいて、
前記光分岐装置は、M個の入力ポートと(L+N)個(Lは整数、L+N≧M)の出力ポートとを有する第1の周期性光波長合分波器および第2の周期性光波長合分波器と、(L+N)個の入力ポートとM個の出力ポートとを有する第3の周期性光波長合分波器および第4の周期性光波長合分波器とを備え、
前記M個の第1入力ポートと前記第1の周期性光波長合分波器のM個の入力ポートを接続し、前記M個の第2入力ポートと前記第2の周期性光波長合分波器のM個の入力ポートを接続し、前記2N個の第3入力ポートのうちN個の第3入力ポートと前記第3の周期性光波長合分波器のN個の入力ポートを接続し、残りのN個の第3入力ポートと前記第4の周期性光波長合分波器のN個の入力ポートを接続し、
前記M個の第1出力ポートと前記第4の周期性光波長合分波器のM個の出力ポートを接続し、前記M個の第2出力ポートと前記第3の周期性光波長合分波器のM個の出力ポートを接続し、前記2N個の第3出力ポートのうちN個の第3出力ポートと前記第1の周期性光波長合分波器のN個の出力ポートを接続し、残りのN個の第3出力ポートと前記第2の周期性光波長合分波器のN個の出力ポートを接続し、
前記第1の周期性光波長合分波器のL個の出力ポートと前記第3の周期性光波長合分波器のL個の入力ポートを接続し、前記第2の周期性光波長合分波器のL個の出力ポートと前記第4の周期性光波長合分波器のL個の入力ポートを接続した
ことを特徴とする光通信システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の光通信システムにおいて、
前記光分岐装置の周期性光波長合分波器は、平面光波回路(PLC:Planar Lightwave Circuit)技術で形成されたアレイ導波路回折格子(AWG)である
ことを特徴とする光通信システム。
【請求項4】
M組(Mは整数)の波長多重信号を送受信する第1の通信ノードおよび第2の通信ノードと、
2N組(Nは整数)の波長多重信号を送受信する第3の通信ノードと、
前記第1の通信ノードに接続されるM個の第1入力ポートおよびM個の第1出力ポートと、前記第2の通信ノードに接続されるM個の第2入力ポートおよびM個の第2出力ポートと、前記第3の通信ノードに接続される2N個の第3入力ポートおよび2N個の第3出力ポートとを有し、第1入力ポート〜第3入力ポートと第1出力ポート〜第3出力ポートとの間で前記波長多重信号の波長ごとに接続経路を切り替える光分岐装置と
を備えた光通信システムの光分岐装置において、
(M+N)個の入力ポートと(M+N)個の出力ポートとを有する第1の周期性光波長合分波器および第2の周期性光波長合分波器を備え、
前記M個の第1入力ポートと前記第1の周期性光波長合分波器のM個の入力ポートを接続し、前記M個の第2入力ポートと前記第2の周期性光波長合分波器のM個の入力ポートを接続し、前記2N個の第3入力ポートのうちN個の第3入力ポートと前記第1の周期性光波長合分波器のN個の入力ポートを接続し、残りのN個の第3入力ポートと前記第2の周期性光波長合分波器のN個の入力ポートを接続し、
前記M個の第1出力ポートと前記第2の周期性光波長合分波器のM個の出力ポートを接続し、前記M個の第2出力ポートと前記第1の周期性光波長合分波器のM個の出力ポートを接続し、前記2N個の第3出力ポートのうちN個の第3出力ポートと前記第1の周期性光波長合分波器のN個の出力ポートを接続し、残りのN個の第3出力ポートと前記第2の周期性光波長合分波器のN個の出力ポートを接続した
ことを特徴とする光分岐装置。
【請求項5】
M組(Mは整数)の波長多重信号を送受信する第1の通信ノードおよび第2の通信ノードと、
2N組(Nは整数)の波長多重信号を送受信する第3の通信ノードと、
前記第1の通信ノードに接続されるM個の第1入力ポートおよびM個の第1出力ポートと、前記第2の通信ノードに接続されるM個の第2入力ポートおよびM個の第2出力ポートと、前記第3の通信ノードに接続される2N個の第3入力ポートおよび2N個の第3出力ポートとを有し、第1入力ポート〜第3入力ポートと第1出力ポート〜第3出力ポートとの間で前記波長多重信号の波長ごとに接続経路を切り替える光分岐装置と
を備えた光通信システムの光分岐装置において、
M個の入力ポートと(L+N)個(Lは整数、L+N≧M)の出力ポートとを有する第1の周期性光波長合分波器および第2の周期性光波長合分波器と、(L+N)個の入力ポートとM個の出力ポートとを有する第3の周期性光波長合分波器および第4の周期性光波長合分波器とを備え、
前記M個の第1入力ポートと前記第1の周期性光波長合分波器のM個の入力ポートを接続し、前記M個の第2入力ポートと前記第2の周期性光波長合分波器のM個の入力ポートを接続し、前記2N個の第3入力ポートのうちN個の第3入力ポートと前記第3の周期性光波長合分波器のN個の入力ポートを接続し、残りのN個の第3入力ポートと前記第4の周期性光波長合分波器のN個の入力ポートを接続し、
前記M個の第1出力ポートと前記第4の周期性光波長合分波器のM個の出力ポートを接続し、前記M個の第2出力ポートと前記第3の周期性光波長合分波器のM個の出力ポートを接続し、前記2N個の第3出力ポートのうちN個の第3出力ポートと前記第1の周期性光波長合分波器のN個の出力ポートを接続し、残りのN個の第3出力ポートと前記第2の周期性光波長合分波器のN個の出力ポートを接続し、
前記第1の周期性光波長合分波器のL個の出力ポートと前記第3の周期性光波長合分波器のL個の入力ポートを接続し、前記第2の周期性光波長合分波器のL個の出力ポートと前記第4の周期性光波長合分波器のL個の入力ポートを接続した
ことを特徴とする光分岐装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の光分岐装置において、
前記周期性光波長合分波器は、平面光波回路(PLC:Planar Lightwave Circuit)技術で形成されたアレイ導波路回折格子(AWG)である
ことを特徴とする光分岐装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−195658(P2012−195658A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56409(P2011−56409)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】