説明

光制御体及び該光制御体の製造方法

【課題】光有効利用率が高い光制御体を提供する。
【解決手段】光源から出射した光を集光させる光制御体1である。光制御体1の上下面の一方の表面上に複数の柱状三角プリズムレンズ2が並列に配置され、互いに隣り合う柱状三角プリズムレンズ2の頂角が不規則に異なる構成とされている。この構成により、正面輝度の低下を起こさずにサイドローブを抑制することができ、光有効利用率を向上させることができる。ここで、柱状三角プリズムレンズの頂部は略円弧の一部からなる曲面部を有することが好ましい。光制御体を成形するための金型を切削バイトで切削する際に、切削バイトの切削誤差が顕著に現れないので、金型の生産性が良く、安価に製造できる。したがって、光制御体の製造コストも抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に大型で高輝度と輝度均一性が必要とされる光源直下方式の照明看板装置、液晶ディスプレイ装置等に好適に用いられる照明装置及び画像表示装置の光制御体及び該光制御体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高輝度と輝度均一性が必要とされる光源直下方式の照明看板装置、液晶ディスプレイ装置等に用いられる光制御体は、特許文献1〜特許文献4に開示されているように、光入射面側が平滑面で出射面側に柱状三角プリズムレンズが並列に配置されている。ここで、柱状三角プリズムレンズの頂角としては、高い正面輝度を達成することを目的とするため、何れも略90°が適応されている。
【0003】
しかし、液晶ディスプレイ装置の光制御用部材として、柱状三角プリズムレンズが並列に配置された光制御体を用いた場合、他の柱状レンズパターン付きフィルム又はシート状物と重ね合わせた際にモアレ模様を呈したり、或いは液晶ディスプレイ装置をなす液晶パネルのピクセル格子との干渉によるモアレ模様を呈する。
【0004】
そこで、特許文献2〜特許文献4の光制御体は、柱状三角プリズムレンズのピッチを不規則に配列したり、或いは溝深さを異なるようにしている。
【特許文献1】特開2004−326127号公報
【特許文献2】特表2000−508786号公報
【特許文献3】特表2002−504698号公報
【特許文献4】US7,180,672 B2
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1〜特許文献4の光制御体は、柱状三角プリズムレンズの頂角として、最も高い正面輝度特性(輝度上昇率)を得るために、略90°(π/2rad)が適応されている。そのため、左右約50°((2π/360)×50rad)以上の広視野領域での輝度が持ち上がるサイドローブ現象を呈し、光有効利用率が著しく損なわれるという問題を抱えている。
【0006】
本発明は、光有効利用率が高い光制御体及び該光制御体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る光制御体は、光源から出射した光を集光させる光制御体であって、
該光制御体の上下面の一方の表面上に複数の柱状三角プリズムレンズが並列に配置され、互いに隣り合う該柱状三角プリズムレンズの頂角が不規則に異なる構成とされている。この構成により、正面輝度の低下を起こさずにサイドローブを抑制することができ、光有効利用率を向上させることができる。
【0008】
上述の互いに隣り合う柱状三角プリズムレンズの頂角は2π/360rad以上異なることが好ましい。
【0009】
上述の互いに隣り合う柱状三角プリズムレンズの頂角は、少なくとも1mmの区間内で異なっており、該区間内に形成された柱状三角プリズムレンズ群が周期的に並列に配置されていても良い。
【0010】
上述の柱状三角プリズムレンズの頂部は略円弧の一部からなる曲面部を有することが好ましい。光制御体を成形するための金型を切削バイトで切削する際に、切削バイトの切削誤差が顕著に現れないので、金型の生産性が良く、安価に製造できる。したがって、光制御体の製造コストも抑制することができる。
【0011】
上述の柱状三角プリズムレンズの高さは一定であることが好ましい。このような形状の光制御体は押出成形法に適している。
【0012】
上述の互いに隣り合う柱状三角プリズムレンズの頂部のピーク間距離(P)と、頂部の曲面部の半径(R)が、
20μm≦P≦150μm、
3μm≦R≦25μm、
の範囲にあり、
かつ、該柱状三角プリズムレンズの頂角(φ)が、
(2π/360)×80rad≦φ≦(2π/360)×110rad、
の範囲にあることが好ましい。この構成により、正面輝度の低下を起こさずにサイドローブを抑制することができ、光有効利用率を向上させることができる。
【0013】
上述の柱状三角プリズムレンズの左右の底角は互いに異なる、形状とすることができる。
【0014】
上述の柱状三角プリズムレンズが配置された反対側の面は非平滑なエンボス面であることが好ましい。柱状三角プリズムレンズが配置された反対側の面に、他の柱状レンズパターン付きフィルム又はシート状物を重ねても、密着模様斑が発生し難い。
【0015】
上述の光制御体に光拡散材が混入されていることが好ましい。柱状三角プリズムレンズが配置された反対側の面に、他の柱状レンズパターン付きフィルム又はシート状物を重ねても、密着模様斑が発生し難い。
【0016】
上述の光制御体は光拡散材が混入された層を有することが好ましい。柱状三角プリズムレンズが配置された反対側の面に、他の柱状レンズパターン付きフィルム又はシート状物を重ねても、密着模様斑が発生し難い。
【0017】
本発明に係る光制御体の製造方法は、光源から出射した光を集光させる光制御体を製造する方法であって、
互いに隣り合う柱状三角プリズムレンズの頂角が不規則に異なり、且つ該柱状三角プリズムレンズの頂部が略円弧の一部からなる曲面部を有する光制御体を成形するべく、刃先頂部に略円弧の一部からなる曲面部を有する切削バイトを用いて金型を作成し、
該金型を用いて光制御体を成形する。光制御体を成形するための金型を切削バイトで切削する際に、切削バイトの切削誤差が顕著に現れないので、金型の生産性が良く、安価に製造できる。したがって、光制御体の製造コストも抑制することができる。
【0018】
このとき、演算装置によって乱数を発生させ、該乱数に基づいて柱状三角プリズムレンズの頂角の不規則性を定めることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、光有効利用率が高い光制御体及び該光制御体の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係る光制御体の実施形態を、図面に基づいて説明する。但し、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0021】
この光制御体1は、通例の光制御体と同様に、光源直下方式の照明看板装置、液晶ディスプレイ装置等の光制御用部材として用いられ、光源から出射した光を集光させるものである。
【0022】
図1に示す光制御体1は、上下面の一方の表面上に複数の柱状三角プリズムレンズ2が並列に配置されたフィルム又はシート状物であって、互いに隣り合う柱状三角プリズムレンズ2の頂角φ(図15)が不規則に異なる構成とされている。
【0023】
具体的には、柱状三角プリズムレンズ2の頂角φは、サイドローブ現象を抑制することができるように、(2π/360)×80rad≦φ≦(2π/360)×110radの範囲とされ、互いに隣り合う柱状三角プリズムレンズ2の頂角は2π/360rad以上異なるように形成されている。そのため、正面輝度の低下を起こさずにサイドローブを抑制することができ、光有効利用率を向上させることができる。
【0024】
ここで、本発明でいう「不規則」とは、少なくともある区間において、規則性がないことをいう。つまり、互いに隣り合う柱状三角プリズムレンズ2の頂角が、全ての領域でランダムに異なる場合に限らず、少なくとも所定の区間内でランダムに異なっており、この区間内に形成された柱状三角プリズムレンズ群が周期的に並列に配置されても良い。このとき、所定の区間としては、モアレ模様を抑制できるように、1mm以下とすることが好ましい。ちなみに、柱状三角プリズムレンズ2の不規則性は、演算装置によって乱数を発生させ、この乱数に基づいて定めることができるが、この限りではない。
【0025】
さらに図1に示す光制御体1は、互いに隣り合う柱状三角プリズムレンズ2の頂部のピーク間距離P(図15)が異なる構成とするべく、柱状三角プリズムレンズ2の左右の底角α、β(図15)とが異なる形状としている。または、柱状三角プリズムレンズ2の左右の斜辺の長さが異なる形状としている。より確実にモアレ模様を抑制できる。また、各々の柱状三角プリズムレンズ2の頂部天端を結んだ線が折れ線になるので、柱状三角プリズムレンズ2が配置された側に他の柱状レンズパターン付きフィルム又はシート状物を重ねても、密着模様斑が生じにくい。
【0026】
しかも、図1に示す光制御体1は、柱状三角プリズムレンズ2の頂部が略円弧の一部からなる曲面部3を有している。そのため、詳細は後述するが、光制御体1を製造する際に金型の製造誤差が顕著に現れないので、製品歩留まりを大幅に改善できる。
【0027】
柱状三角プリズムレンズ2の頂部のピーク間距離Pは、成形金型の彫刻精度及び賦形転写性の限界、並びに回折などの問題から20μm以上とされ、液晶パネルのピクセル格子との干渉によるモアレ模様の抑制から150μm以下とされることが好ましい。このとき、柱状三角プリズムレンズ2の頂部の曲面部3の半径R(図15)は、正面輝度を高くする効果を確保するためにプリズム平均ピッチの30%、好ましくは20%以下が良く、3μm以上、25μm以下とされることが好ましい。
【0028】
なお、図示は省略するが、柱状三角プリズムレンズ2が配置された反対側の面に、他の柱状レンズパターン付きフィルム又はシート状物を重ねても、密着模様斑が発生しないように、柱状三角プリズムレンズ2が配置された反対側の面は非平滑なエンボス面であることが好ましい。または、光制御体1の基材4内に光拡散材が混入されていることが好ましい。または、基材4は光拡散材が混入された層を有することが好ましい。
【0029】
このような構成の光制御体1は、以下のように製造される。
光制御体1は、通例の光制御体と同様に、表面が平滑で厚さ精度が高い光透過性の延伸PETフィルムを基材としてフィルムの一方の表面上に、紫外線硬化性樹脂を用いてプリズム形状を転写する2P成形法や放射線硬化樹脂を用いたEB成形法で製造することができる。または光制御体1は、熱可塑性樹脂を溶融して一対の賦形ロールで圧搾及び冷却することにより、プリズム形状を転写賦形する押出成形法、平金型を用いた射出圧縮成形法等で製造することができる。
【0030】
何れの製法においても、プリズム形状を転写賦形するロール状、或いは平板状の金型製作が必要となるが、溝の彫刻手段としてはNC付きロール旋盤装置若しくはNC付きシェーバー切削装置が用いられる。
【0031】
例えば、切削バイトによって1ピッチ分ずつ金型を切削する方法が採られる。先ず切削バイトを所定の深さだけ切り込んでプリズム形状の1ピッチ分の切削を完了する。続いて切削バイトを1ピッチ分ロールの軸方向へ移動し、プリズム形状の1ピッチ分を切削する工程を繰り返す。
【0032】
光制御体1を製造するための金型を切削する際には、以下の二種類の方法を好適に採用することができる。
【0033】
第1の切削方法は、図2(a)、(b)に示すように、刃先頂部に略円弧の一部からなる曲面部5を有する三角形状の切削バイト6を用いて、金型7の溝底部が柱状三角プリズムレンズ2の曲面部3に倣った曲面部8を有するように切削する。
【0034】
具体的には、この切削バイト6を、図2(a)に示すようにプリズム形状の一方の斜辺に合わせて傾斜させ、切削バイト6を金型7に対して斜め方向に進行させて所定の深さまで切り込む。そして、切削バイト6を一旦引き上げて、切削バイト6を回転させて、プリズム形状の他方側の斜辺に合わせて傾斜させ、図2(b)に示すように切削バイト6を金型7に対して斜め方向に進行させて所定の深さまで切り込むと、プリズム形状の1ピッチ分の切削が完了する。この工程を繰り返して所定の個数の溝を切削する。そのため、図3(a)、(b)に示すように、切削バイト6に切削誤差が生じても、金型7の溝底部の形状が曲面であり、しかも切削バイト6の刃先頂部も曲面であるので、切削バイト6の切削誤差が顕著に現れない。特に、光制御体1の柱状三角プリズムレンズ2の頂角、ピーク間距離及び曲面部3の半径が異なる場合は、切削バイト6の切削誤差が生じやすいが、上述のように切削バイト6の切削誤差が顕著に現れないので、金型7の生産性が良く、安価に製造できる。したがって、光制御体1の製造コストも抑制することができる。
【0035】
第二の切削方法も、図4(a)、(b)に示すように、刃先頂部に略円弧の一部からなる曲面部5を有する三角形状の切削バイト6を用いて、金型7の溝底部が柱状三角プリズムレンズ2の曲面部3に倣った曲面部8を有するように切削する。
【0036】
具体的には、図4(a)に示すように、切削バイト6をプリズム形状の一方の斜辺に合わせて傾斜させ、切削バイト6を金型7に対して鉛直方向に進行させて所定の深さまで切り込む。そして、切削バイト6を一旦引き上げて、切削バイト6を回転させて、プリズム形状の他方側の斜辺に合わせて傾斜させ、図4(b)に示すように切削バイト6を金型7に対して鉛直方向に進行させて所定の深さまで切り込むと、プリズム形状の1ピッチ分の切削が完了する。この工程を繰り返して所定の個数の溝を切削する。そのため、第二の切削方法も、図5(a)、(b)に示すように、切削バイト6に切削誤差が生じても、金型7の溝底部の形状が曲面であり、しかも切削バイト6の刃先頂部も曲面であるので、切削バイト6の切削誤差が顕著に現れない。特に、光制御体1の柱状三角プリズムレンズ2の頂角、ピーク間距離及び曲面部3の半径が異なる場合は、切削バイト6の切削誤差が生じやすいが、上述のように切削バイト6の切削誤差が顕著に現れないので、金型7の生産性が良く、安価に製造できる。したがって、光制御体1の製造コストも抑制することができる。
【0037】
このように製造した金型7を用いて樹脂材料を成形し、光制御体1を製造する。金型7の溝底部は、曲面に形成されているので、金型7から光制御体1を脱形する際に、光制御体1の柱状三角プリズムレンズ2の頂部が損傷しにくい。
【0038】
なお、光制御体1の形状は、図1に示した形状に限られず、図6〜図9に示すような柱状三角プリズムレンズ2を配置し、各柱状三角プリズムレンズ2の頂部を結んだ線が直線になるように、柱状三角プリズムレンズ2の高さHを一定にしても良い。このような形状の光制御体1は押出成形法に適している。また、図10〜図12に示すような柱状三角プリズムレンズ2を配置し、各柱状三角プリズムレンズ2の頂部を結んだ線が折れ線になるようにしても良い。このような形状の光制御体1は、上述したようにモアレ模様及びサイドローブ現象の抑制に寄与するだけでなく、他の柱状レンズパターン付きフィルム又はシート状物を重ねても、密着模様斑が生じにくい。
【実施例】
【0039】
<実施例1>
本実施例の光制御体100は、図13に示すような形状に製造した。詳細には、図14に示すように、柱状三角プリズムレンズ2の先端(頂部)の丸み(R)が一定(0.0030mm)、柱状三角プリズムレンズ2の幅(W=P)が不規則、柱状三角プリズムレンズ2の頂角(φ)が不規則(φmax=110°=(2π/360)×110rad)、φmin=80°=(2π/360)×80rad)とした。柱状三角プリズムレンズ2の一方の底角(α)が不規則、柱状三角プリズムレンズ2の他方の底角(β:αとの関係)がβ≠α、α側の柱状三角プリズムレンズ2の高さ(H1)が不規則、β側の柱状三角プリズムレンズ2の高さ(H2)が不規則、α側の柱状三角プリズムレンズ2の幅(W1)が不規則、β側の柱状三角プリズムレンズ2の幅(W2)が不規則とした。α側弦の半値幅(w1)が不規則、β側弦の半値幅(w2)が不規則、α側弦の高さ(h1)が不規則、β側弦の高さ(h2)が不規則、α側の弦の中心角(θ1)が不規則、β側の弦の中心角(θ2)が不規則とした。各柱状三角プリズムレンズ2の頂部天端を結んだ線が折れ線、各柱状三角プリズムレンズ2の谷部エッジを結んだ線が折れ線とした。なお、各要素は、図15に示しており、他の実施例でも同様とする。
【0040】
<実施例2>
本実施例の光制御体200は、図16に示すような形状に製造した。詳細には、図14に示すように、柱状三角プリズムレンズ2の先端の丸み(R)が一定(0.0030mm)、柱状三角プリズムレンズ2の幅(W=P)が不規則、柱状三角プリズムレンズ2の頂角(φ)が不規則(φmax=110°、φmin=80°)とした。柱状三角プリズムレンズ2の一方の底角(α)が不規則、柱状三角プリズムレンズ2の他方の底角(β)がβ=α、α側の柱状三角プリズムレンズ2の高さ(H1)が一定(0.040mm)、α側の柱状三角プリズムレンズ2の幅(W1)が不規則とした。α側弦の半値幅(w1)が不規則、α側弦の高さ(h1)が不規則、α側の弦の中心角(θ1)が不規則とした。各柱状三角プリズムレンズ2の頂部天端を結んだ線が直線、各柱状三角プリズムレンズ2の谷部エッジを結んだ線が直線とした。
【0041】
<実施例3>
本実施例の光制御体300は、図17に示すような形状に製造した。詳細には、図14に示すように、柱状三角プリズムレンズ2の先端の丸み(R)が一定(0.0030mm)、柱状三角プリズムレンズ2の幅(W=P)が不規則、柱状三角プリズムレンズ2の頂角(φ)が不規則(φmax=110°、φmin=80°)とした。柱状三角プリズムレンズ2の一方の底角(α)が不規則、柱状三角プリズムレンズ2の他方の底角(β)がβ=α、α側の柱状三角プリズムレンズ2の高さ(H1)が不規則、β側の柱状三角プリズムレンズ2の高さ(H2)が不規則、α側の柱状三角プリズムレンズ2の幅(W1)が不規則、β側の柱状三角プリズムレンズ2の幅(W2)が不規則とした。α側弦の半値幅(w1)が不規則、β側弦の半値幅(w2)が不規則、α側弦の高さ(h1)が不規則、β側弦の高さ(h2)が不規則、α側の弦の中心角(θ1)が不規則、β側の弦の中心角(θ2)が不規則とした。各柱状三角プリズムレンズ2の頂部天端を結んだ線が折れ線、各柱状三角プリズムレンズ2の谷部エッジを結んだ線が折れ線とした。
【0042】
<実施例4>
本実施例の光制御体400は、図18に示すような形状に製造した。詳細には、図14に示すように、柱状三角プリズムレンズ2の先端の丸み(R)が一定(0.0030mm)、柱状三角プリズムレンズ2の幅(W=P)が不規則、柱状三角プリズムレンズ2の頂角(φ)が不規則(φmax=110°、φmin=80°)とした。柱状三角プリズムレンズ2の一方の底角(α)が不規則、柱状三角プリズムレンズ2の他方の底角(β)がβ≠α、α側の柱状三角プリズムレンズ2の高さ(H1)が一定、α側の柱状三角プリズムレンズ2の幅(W1)が不規則とした。α側弦の半値幅(w1)が不規則、α側弦の高さ(h1)が不規則、α側の弦の中心角(θ1)が不規則とした。各柱状三角プリズムレンズ2の頂部天端を結んだ線が直線、各柱状三角プリズムレンズ2の谷部エッジを結んだ線が直線とした。
【0043】
<実施例5>
本実施例の光制御体は、具体的な図示は省略したが、上記実施形態の図8に対応する形状に製造した。詳細には、図14に示すように、柱状三角プリズムレンズ2の先端の丸み(R)が一定、柱状三角プリズムレンズ2の幅(W=P)が不規則、柱状三角プリズムレンズ2の頂角(φ)が不規則とした。柱状三角プリズムレンズ2の一方の底角(α)が不規則、柱状三角プリズムレンズ2の他方の底角(β)がβ=α、α側の柱状三角プリズムレンズ2の高さ(H1)が不規則、α側の柱状三角プリズムレンズ2の幅(W1)が不規則とした。α側弦の半値幅(w1)が不規則、α側弦の高さ(h1)が不規則、α側の弦の中心角(θ1)が不規則とした。各柱状三角プリズムレンズ2の頂部天端を結んだ線が直線、各柱状三角プリズムレンズ2の谷部エッジを結んだ線が折れ線とした。
【0044】
<実施例6>
本実施例の光制御体は、具体的な図示は省略したが、上記実施形態の図9に対応する形状に製造した。詳細には、図14に示すように、柱状三角プリズムレンズ2の先端の丸み(R)が一定、柱状三角プリズムレンズ2の幅(W=P)が不規則、柱状三角プリズムレンズ2の頂角(φ)が不規則とした。柱状三角プリズムレンズ2の一方の底角(α)が不規則、柱状三角プリズムレンズ2の他方の底角(β)がβ≠α、α側の柱状三角プリズムレンズ2の高さ(H1)が不規則、β側の柱状三角プリズムレンズ2の高さ(H2)が不規則、α側の柱状三角プリズムレンズ2の幅(W1)が不規則、β側の柱状三角プリズムレンズ2の幅(W2)が不規則とした。α側弦の半値幅(w1)が不規則、β側弦の半値幅(w2)が不規則、α側弦の高さ(h1)が不規則、β側弦の高さ(h2)が不規則、α側の弦の中心角(θ1)が不規則、β側の弦の中心角(θ2)が不規則とした。各柱状三角プリズムレンズ2の頂部天端を結んだ線が直線、各柱状三角プリズムレンズ2の谷部エッジを結んだ線が折れ線とした。
【0045】
<実施例7>
本実施例の光制御体は、具体的な図示は省略したが、上記実施形態の図11に対応する形状に製造した。詳細には、図14に示すように、柱状三角プリズムレンズ2の先端の丸み(R)が一定、柱状三角プリズムレンズ2の幅(W=P)が不規則、柱状三角プリズムレンズ2の頂角(φ)が不規則とした。柱状三角プリズムレンズ2の一方の底角(α)が不規則、柱状三角プリズムレンズ2の他方の底角(β)がβ=α、α側の柱状三角プリズムレンズ2の高さ(H1)が不規則、α側の柱状三角プリズムレンズ2の幅(W1)が不規則とした。α側弦の半値幅(w1)が不規則、α側弦の高さ(h1)が不規則、α側の弦の中心角(θ1)が不規則とした。各柱状三角プリズムレンズ2の頂部天端を結んだ線が折れ線、各柱状三角プリズムレンズ2の谷部エッジを結んだ線が直線とした。
【0046】
<実施例8>
本実施例の光制御体は、具体的な図示は省略したが、上記実施形態の図12に対応する形状に製造した。詳細には、図14に示すように、柱状三角プリズムレンズ2の先端の丸み(R)が一定、柱状三角プリズムレンズ2の幅(W=P)が不規則、柱状三角プリズムレンズ2の頂角(φ)が不規則とした。柱状三角プリズムレンズ2の一方の底角(α)が不規則、柱状三角プリズムレンズ2の他方の底角(β)がβ≠α、α側の柱状三角プリズムレンズ2の高さ(H1)が不規則、β側の柱状三角プリズムレンズ2の高さ(H2)が不規則、α側の柱状三角プリズムレンズ2の幅(W1)が不規則、β側の柱状三角プリズムレンズ2の幅(W2)が不規則とした。α側弦の半値幅(w1)が不規則、β側弦の半値幅(w2)が不規則、α側弦の高さ(h1)が不規則、β側弦の高さ(h2)が不規則、α側の弦の中心角(θ1)が不規則、β側の弦の中心角(θ2)が不規則とした。各柱状三角プリズムレンズ2の頂部天端を結んだ線が折れ線、各柱状三角プリズムレンズ2の谷部エッジを結んだ線が直線とした。
【0047】
上記実施例1〜8の光制御体は、正面輝度の低下を起こさずにサイドローブを抑制することができ、光有効利用率が向上することが確認できた。ちなみに、本発明の光制御体1は、成形性などを考慮して実施例4の形態が最も好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施形態の光制御体を概略的に示した部分斜視図である。
【図2】金型を切削バイトで切削する工程を概略的に示した断面図である。
【図3】金型を切削バイトで切削する際に生じる誤差を示した説明図である。
【図4】金型を切削バイトで切削する異なる工程を概略的に示した断面図である。
【図5】金型を切削バイトで切削する際に生じる誤差を示した説明図である。
【図6】本発明の実施形態の異なる光制御体を概略的に示した部分側面図である。
【図7】本発明の実施形態の異なる光制御体を概略的に示した部分側面図である。
【図8】本発明の実施形態の異なる光制御体を概略的に示した部分側面図である。
【図9】本発明の実施形態の異なる光制御体を概略的に示した部分側面図である。
【図10】本発明の実施形態の異なる光制御体を概略的に示した部分側面図である。
【図11】本発明の実施形態の異なる光制御体を概略的に示した部分側面図である。
【図12】本発明の実施形態の異なる光制御体を概略的に示した部分側面図である。
【図13】本発明の実施例1の光制御体を示した側面図である。
【図14】実施例の柱状三角プリズムレンズの構成を詳細に示した図である。
【図15】柱状三角プリズムレンズの各要素を示した説明図である。
【図16】本発明の実施例2の光制御体を示した側面図である。
【図17】本発明の実施例3の光制御体を示した側面図である。
【図18】本発明の実施例4の光制御体を示した側面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 光制御体
2 柱状三角プリズムレンズ
3 曲面部
4 基材
5 切削バイトの曲面部
6 切削バイト
7 金型
8 金型の曲面部
100 光制御体
200 光制御体
300 光制御体
400 光制御体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から出射した光を集光させる光制御体であって、
該光制御体の上下面の一方の表面上に複数の柱状三角プリズムレンズが並列に配置され、互いに隣り合う該柱状三角プリズムレンズの頂角が不規則に異なる光制御体。
【請求項2】
互いに隣り合う該柱状三角プリズムレンズの頂角は2π/360rad以上異なることを特徴とする、請求項1に記載の光制御体。
【請求項3】
互いに隣り合う該柱状三角プリズムレンズの頂角は、少なくとも1mmの区間内で異なっており、該区間内に形成された柱状三角プリズムレンズ群が周期的に並列に配置されていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の光制御体。
【請求項4】
該柱状三角プリズムレンズの頂部は略円弧の一部からなる曲面部を有することを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光制御体。
【請求項5】
各柱状三角プリズムレンズの高さは一定であることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の光制御体。
【請求項6】
互いに隣り合う該柱状三角プリズムレンズの頂部のピーク間距離(P)と、頂部の曲面部の半径(R)が、
20μm≦P≦150μm、
3μm≦R≦25μm、
の範囲にあり、
かつ、該柱状三角プリズムレンズの頂角(φ)が、
(2π/360)×80rad≦φ≦(2π/360)×110rad、
の範囲にあることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の光制御体。
【請求項7】
該柱状三角プリズムレンズの左右の底角は互いに異なることを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の光制御体。
【請求項8】
該柱状三角プリズムレンズが配置された反対側の面は非平滑なエンボス面であることを特徴とする、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の光制御体。
【請求項9】
該光制御体に光拡散材が混入されていることを特徴とする、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の光制御体。
【請求項10】
該光制御体は光拡散材が混入された層を有することを特徴とする、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の光制御体。
【請求項11】
光源から出射した光を集光させる光制御体を製造する方法であって、
互いに隣り合う柱状三角プリズムレンズの頂角が不規則に異なり、且つ該柱状三角プリズムレンズの頂部が略円弧の一部からなる曲面部を有する光制御体を成形するべく、刃先頂部に略円弧の一部からなる曲面部を有する切削バイトを用いて金型を作成し、
該金型を用いて光制御体を成形する光制御体の製造方法。
【請求項12】
演算装置によって乱数を発生させ、該乱数に基づいて柱状三角プリズムレンズの頂角の不規則性を定めることを特徴とする、請求項11に記載の光制御体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−204952(P2009−204952A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−47962(P2008−47962)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000001085)株式会社クラレ (1,607)
【Fターム(参考)】