説明

光周波数領域反射測定方法及び光周波数領域反射測定装置

【課題】低コストで、光コムによるフェーディング雑音低減効果を得る。
【解決手段】光源11及び光コム発生部12で発生される光コムを外部変調器13に入射して、各輝線スペクトルの変調側波帯を時間に対して線形に周波数掃引し、周波数掃引された出力光を第1の光方向性結合器14にて2分岐し、一方を参照光17とし参照光経路に入射し、もう一方を信号光16として被測定物15に入射する。被測定物15内の各地点で反射または後方散乱された信号光16を取り出して、第2の光方向性結合器18で参照光17と合波して干渉ビート信号を生じさせ、干渉ビート信号を受信器19で受光し、周波数解析装置20で解析することにより、被測定物15内の各地点における反射率及び損失を測定する。ここで、参照光17と信号光16との間に与える遅延時間差を変えて複数回の測定を行い、反射率及び損失を加算平均して、フェーディング雑音を低減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光部品や光伝送路において、反射光や後方散乱光を高距離分解能で測定することが可能な光周波数領域反射測定方法及びこの方法を用いた光周波数領域反射測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光部品や光伝送路からの反射光および後方散乱光を高空間分解能で測定することが可能な手法として、非特許文献1に示すようなコヒーレント光を用いた光周波数領域反射(C−OFDR:Coherent Optical Frequency Domain Reflectometry)測定法がある。
【0003】
このC−OFDR測定法は、測定対象に周波数掃引されたコヒーレント光を入射し、測定対象からの反射光および後方散乱光と、予め分岐された参照光をコヒーレント検波し、これによって得られた測定ビート信号を周波数解析することで、測定対象内の任意の位置での反射光および後方散乱光強度を得て、測定対象の損失分布や故障点の特定を可能にする技術である。
【0004】
C−OFDRのようにコヒーレント検波を用いた測定においては、フェーディング雑音と呼ばれる雑音が測定波形上に現れる。フェーディング雑音は異なる位置での後方散乱光電界の不均一によって生じ、レイリー後方散乱光強度の揺らぎとして測定波形に重畳される。これにより、C−OFDRの測定精度は大きく劣化してしまう。
【0005】
そこで、フェーディング雑音の低減のために、非特許文献2に示すような周波数シフト平均法(FSAV:Frequency Shift Averaging Technique)が有効であることが知られている。このFSAVは測定毎に試験光の周波数(波長)を変えることで、測定結果に重畳されるフェーディング雑音の揺らぎのパターンが異なる波形を複数得る。その後、それら無相関なフェーディング雑音の揺らぎが重畳された複数の波形を加算平均することで、フェーディング雑音による波形揺らぎを低減するものである。
【0006】
但し、非特許文献3に示すような従来のC−OFDRでは、波長の異なる試験光によって得られる無相関なフェーディング雑音の揺らぎが重畳された複数の波形を得るために、光周波数コムとその各輝線スペクトルを切り出す狭帯域波長可変光フィルタ(帯域幅数十GHz程度)を光源に用いた構成となっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】W.Eickhoff and R.Ulrich,Applied physics Letters, vol.39, no9, pp.693-695, 1981
【非特許文献2】K. Shimizu, T. Horiguchi, and Y. Koyamada, IEEE/OSA J. Lightwave Technol. Vol.10, No.10, pp.982-987, 1992
【非特許文献3】古敷谷, Fan, 伊藤, 2010年電子情報通信学会総合大会, B-13-13, 2010
【非特許文献4】M. Doi, M. Sugiyama, K. Tanaka, and M. Kawai, “Advanced LiNbO3 Optical Modulators for Broadband Optical Communications”, IEEE J. Sel. Top. Quantum Elec., Vol. 12, No. 4, pp. 745-750 (2006)
【非特許文献5】T. Yamamoto, T. Komukai, K. Suzuki, and A. Takada, “Multicarrier Light Source with Flattened Spectrum Using Phase Modulators and Dispersion Medium”, IEEE/OSA J. Lightwave Technol. Vol. 27, No. 19, pp. 4297-4305 (2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のように、FSAVを適用するために光コム光源を用いた従来のC−OFDR測定方法では、狭帯域波長可変光フィルタにて周波数の異なる輝線スペクトルを切り出して試験光とすることで、フェーディング雑音のパターンに相関の無い波形を得て、その加算平均で雑音低減を実現している。
【0009】
しかし、一般的に光コムの輝線スペクトル間隔は変調器の特性上最大で25GHz程度であり、それらを切り出すには少なくとも20GHz以下程度の遮断帯域幅を持つ狭帯域波長可変光フィルタを用意する必要がある。さらに、各輝線スペクトルを順次切り出すためには、遮断帯域のオフセットも可変でなければならない。このような狭帯域波長可変光フィルタは比較的高価であり、より簡易かつ安価な装置構成が求められている。
【0010】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、比較的簡易かつ安価にフェーディング雑音の影響を低減することのできる光周波数領域反射測定方法及びこの方法を用いた光周波数領域反射測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る光周波数領域反射測定方法は、以下のような態様の構成とする。
(1)変調周波数と同じ周波数間隔の輝線スペクトルを有する光コムを信号光として発生し、前記光コム出力光の変調側波帯を時間に対して線形に周波数掃引し、前記周波数掃引した前記外部変調器からの出力光を2分岐し、一方を参照光とし参照光経路に入射し、もう一方を信号光として被測定物に入射し、前記被測定物の各地点で反射または後方散乱した信号光を抽出し、前記被測定物の各地点で反射または後方散乱した信号光と前記参照光とを任意の遅延時間差を与えて合波し、前記信号光と参照光との合波光を受光し、合波によって生じた干渉ビート信号を電気信号に変換し、前記干渉ビート信号を周波数解析し、前記被測定物内での各地点における反射率または損失を繰り返し測定する測定方法であって、前記繰り返し測定は、測定毎に前記光遅延手段の光遅延量を変化させ、各測定で得られる反射率または損失を加算平均する態様とする。
【0012】
(2)(1)の装置において、前記周波数解析は、前記光コムの輝線スペクトル間隔をΔfc、輝線スペクトルの数をNとするとき、前記遅延時間差τをτ=1/NΔfcとして、測定回数を少なくともN回とする態様とする。
また、本発明に係る光周波数領域反射測定装置は、以下のような態様の構成とする。
【0013】
(3)変調周波数と同じ周波数間隔の輝線スペクトルを有する光コムを信号光として発生する光コム発生手段と、前記光コム出力光の変調側波帯を時間に対して線形に周波数掃引する外部変調手段と、前記周波数掃引した前記外部変調器からの出力光を2分岐し、一方を参照光とし参照光経路に入射し、もう一方を信号光として被測定物に入射し、前記被測定物の各地点で反射または後方散乱した信号光を抽出する第1の光方向性結合器と、前記被測定物の各地点で反射または後方散乱した信号光と前記参照光とを合波する第2の光方向性結合器と、前記第2の光方向性結合器に入射される参照光と信号光との間に任意の遅延時間を与える光遅延手段と、前記第2の光方向性結合器による合波光を受光し、合波によって生じた干渉ビート信号を電気信号に変換する光受信手段と、前記光受信手段から出力される前記干渉ビート信号を周波数解析し、前記被測定物内での各地点における反射率または損失を繰り返し測定する解析手段とを具備し、前記解析手段は、測定毎に前記光遅延手段の光遅延量を変化させ、各測定で得られる反射率または損失を加算平均する態様とする。
【0014】
(4)(3)の装置において、前記周波数解析手段は、前記光コムの輝線スペクトル間隔をΔfc、輝線スペクトルの数をNとするとき、前記光遅延手段により与える遅延時間τをτ=1/NΔfcとして、測定回数を少なくともN回とする態様とする。
【発明の効果】
【0015】
以上の構成によれば、C−OFDR測定において、狭帯域波長可変光フィルタに代えて比較的安価な可変光遅延機構を用いるだけで、フェーディング雑音のパターンが無相関な複数の測定波形を得られ、光コムによるフェーディング雑音低減効果を得ることができる。
【0016】
したがって、本発明によれば、比較的簡易かつ安価にフェーディング雑音の影響を低減することのできる光周波数領域反射測定方法及びこの方法を用いた光周波数領域反射測定装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るC−OFDR測定方法を用いたC−OFDR測定装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の実施形態の光コム発生部の第1の具体例を示すブロック図である。
【図3】図1の実施形態の光コム発生部の第2の具体例を示すブロック図である。
【図4】図1の実施形態の光コム発生部の第3の具体例を示すブロック図である。
【図5】図1の実施形態において、光遅延時間を変えることによって参照光の光コムスペクトルにおける位相状態が変化する様子ことを示す図である。
【図6】通常のC−OFDR波形と本発明を適用したC−OFDR波形とを比較して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
図1は本発明に係るC−OFDR測定方法を用いたC−OFDR測定装置の一実施形態の構成を示すブロック図である。図1において、光源11から出力されるコヒーレント光は光コム発生部12に入射される。この光コム発生部12の具体的な構成を図2乃至図4に示す。
【0019】
図2に示す光コム発生部12は、強度変調器22および位相変調器23を備える。これらの変調器22,23は、それぞれ電気アンプ24,25、位相シフタ26及び任意信号発生器27によって駆動される。任意信号発生器27は、任意の変調周波数fsをもつ正弦波信号を出力するものである。
【0020】
すなわち、上記光コム発生部12では、任意信号発生器27で発生される正弦波信号が電気アンプ24で増幅されて強度変調器22に送られ、これによって入射光の強度が正弦波信号の周波数によって変調される。また、上記正弦波信号が位相シフタ26で規定量位相シフトされた後、電気アンプ25で増幅されて位相変調器23に送られ、これによって入射光の位相が正弦波の周波数によって変調される。このように、光コム発生部12の入射光は、強度変調器22および位相変調器23を経て、変調周波数fsと同じ周波数間隔Δfcの輝線スペクトルを有する光コムとなって出力される(fs=Δfc)。
【0021】
ここで、上記位相シフタ26は、強度変調器22と位相変調器23の変調信号を同期させるために用いられる。また、生成できる輝線スペクトルの数は、位相変調器23と同じ位相変調器をさらに1台後段に追加することで増やすことができる。
図3に示す光コム発生部12は、2台の位相変調器28,29と、例えばチャープ型ファイバブラッググレーティングのような分散媒体30を用い、図2の場合と同様に、電気アンプ24,25、位相シフタ26および任意信号発生器27を用いて、上記位相変調器28,29を駆動することで実現する。
【0022】
図4に示す光コム発生部12は、光源11からの入射光をアイソレータ34を介して第3の方向性結合器36に入射し、当該方向性結合器36で2分岐し、一方の分岐光を光周波数シフタ31、光アンプ32、アイソレータ34、偏波コントローラ35及び第3の光方向性結合器36による光ループ100に入射する。そして、光周波数シフタ31を図2と同様の任意信号発生器27で発生される正弦波の周波数fsによってループ光の光周波数をシフトし、当該シフト光を方向性結合器36でアイソレータ34からの入射光と合波することで、変調周波数fsと同じ周波数間隔Δfcの輝線スペクトルを有する光コムを生成する。
【0023】
尚、光源11及び光コム発生部12の代わりに光コム型の多モードレーザを利用することでも光コムの生成を実現できる。
光コム発生部12の出力光は、外部変調器13に入射される。外部変調器13に入射された光波は光変調処理により各輝線スペクトルに対して変調側波帯を発生し、それぞれの変調側波帯を時間に対して線形に周波数掃引するもので、その出力光は第1の光方向性結合器14によって分岐され、一方は信号光16として測定対象15に入射され、他方は参照光17として用いられる。
【0024】
測定対象15内で反射または後方散乱された信号光16は、第1の光方向性結合器14により取り出される。一方、参照光17はその経路に設置された光遅延部21にて測定ごとに一定量ずつ変化させた光遅延を与えられる。その後、第2の光方向性結合器18によって信号光16と合波され、受信器19によって検波される。この時、信号光16と参照光17の干渉によって生じる干渉ビート信号を周波数解析装置20によって周波数解析する事で測定対象内の各位置からの反射光および後方散乱光強度分布が測定される。
【0025】
上記構成において、以下に本発明に係るC−OFDR測定方法について説明する。
まず、光源11及び光コム発生部12で生成された光コムは外部変調器13で周波数掃引され、第1の光方向性結合器14で2分岐される。一方は信号光16として測定対象15に入射され、他方は参照光17として光遅延部21に入射される。
【0026】
上記測定対象15内で反射または後方散乱された信号光16は、第1の光方向性結合器14により取り出され、参照光17は光遅延部21にて測定ごとに一定量ずつ変化させた光遅延を与えられて、第2の光方向性結合器18によって信号光16と合波され、受信器19によって検波される。
【0027】
この時、周波数解析装置20では、信号光16と参照光17の干渉によって生じる干渉ビート信号を周波数解析することで、測定対象15内の各位置からの反射光および後方散乱光強度分布が測定される。以上で第一の測定を終了する。
引き続き、同様の測定を実施するが、第二の測定においては、参照光経路における光遅延量を変化させて測定を実施する。これによって、参照光17の各輝線スペクトルの位相が回転する。このとき、それぞれの輝線スペクトルでは位相の回転量が異なるため、図5(a),(b),(c)に示すように、遅延時間によって光コムスペクトルの位相状態が異なることになる。
【0028】
このような異なる位相状態をもつ信号光16と参照光17を合波して得られる測定結果は、フェーディング雑音のパターンがそれぞれ異なる。つまり、第一の測定と第二の測定においてはフェーディング雑音のパターンに相関の無い波形を得ることができ、それらを複数取得して加算平均すれば、フェーディング雑音を低減することができる。
【0029】
ここで、そのような無相関な波形を取得するのに必要となる測定毎に変化させる光遅延時間τは、光コムの帯域の逆数程度が必要であるため、光コムの輝線スペクトル間隔をΔfc、輝線スペクトルの数をNとすると、τ=1/NΔfcで表される。また、遅延時間が1/Δfc秒変わると位相が第一の測定と同じ状態になるため、測定回数は少なくともN回とすべきである。
【0030】
また、光遅延部21は、信号光経路のみに配置しても、参照光経路および信号光経路の両方に配置しても、遅延時間を測定毎にτだけ変化させれば同様の効果を得ることができる。
以上説明した形態にてC−OFDR測定を実施した。本測定では、輝線スペクトル間隔Δfc=9.8GHz、輝線スペクトル数N=13の光コムを用いた。すなわち、測定ごとに変化させる光遅延時間は9.8GHz×13の逆数でおよそ7.8ps、測定回数は13回とした。また、測定対象は500mのファイバとし、終端までの反射を測定した。
【0031】
図6(a)に通常のC−OFDR測定結果、同図(b)に本発明を適用した場合の実施形態におけるC−OFDR測定結果を示す。このように、本発明を用いることでフェーディング雑音による波形の揺らぎが低減しており、その有効性は明らかである。
したがって、上記実施形態によれば、C−OFDR測定において、狭帯域波長可変光フィルタに代えて比較的安価な可変光遅延機構を用いるだけで、フェーディング雑音のパターンが無相関な複数の測定波形を得られ、光コムによるフェーディング雑音低減効果を得ることができる。
【0032】
なお、本発明は、上記実施例そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施例に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種種の発明を形成できる。例えば、異なる実施例に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0033】
11…光源、12…光コム発生部、13…外部変調器、14…第1の光方向性結合器、15…測定対象、16…信号光、17…参照光、18…第2の光方向性結合器、19…受信器、20…周波数解析装置、21…光遅延部、22…強度変調器、23,28,29…位相変調器、24,25…電気アンプ、26…位相シフタ、27…任意信号発生器、30…分散媒体、31…光周波数シフタ、32…光アンプ、33,34…アイソレータ、35…偏波コントローラ、36…第3の光方向性結合器、100…光ループ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変調周波数と同じ周波数間隔の輝線スペクトルを有する光コムを信号光として発生し、
前記光コム出力光の変調側波帯を時間に対して線形に周波数掃引し、
前記周波数掃引した前記外部変調器からの出力光を2分岐し、一方を参照光とし参照光経路に入射し、もう一方を信号光として被測定物に入射し、前記被測定物の各地点で反射または後方散乱した信号光を抽出し、
前記被測定物の各地点で反射または後方散乱した信号光と前記参照光とを任意の遅延時間差を与えて合波し、
前記信号光と参照光との合波光を受光し、合波によって生じた干渉ビート信号を電気信号に変換し、
前記干渉ビート信号を周波数解析し、前記被測定物内での各地点における反射率または損失を繰り返し測定する測定方法であって、
前記繰り返し測定は、測定毎に前記光遅延手段の光遅延量を変化させ、各測定で得られる反射率または損失を加算平均することを特徴とする光周波数領域反射測定方法。
【請求項2】
前記周波数解析は、前記光コムの輝線スペクトル間隔をΔfc、輝線スペクトルの数をNとするとき、前記遅延時間差τをτ=1/NΔfcとして、測定回数を少なくともN回とすることを特徴とする請求項1記載の光周波数領域反射測定方法。
【請求項3】
変調周波数と同じ周波数間隔の輝線スペクトルを有する光コムを信号光として発生する光コム発生手段と、
前記光コム出力光の変調側波帯を時間に対して線形に周波数掃引する外部変調手段と、
前記周波数掃引した前記外部変調器からの出力光を2分岐し、一方を参照光とし参照光経路に入射し、もう一方を信号光として被測定物に入射し、前記被測定物の各地点で反射または後方散乱した信号光を抽出する第1の光方向性結合器と、
前記被測定物の各地点で反射または後方散乱した信号光と前記参照光とを合波する第2の光方向性結合器と、
前記第2の光方向性結合器に入射される参照光と信号光との間に任意の遅延時間を与える光遅延手段と、
前記第2の光方向性結合器による合波光を受光し、合波によって生じた干渉ビート信号を電気信号に変換する光受信手段と、
前記光受信手段から出力される前記干渉ビート信号を周波数解析し、前記被測定物内での各地点における反射率または損失を繰り返し測定する解析手段と
を具備し、
前記解析手段は、測定毎に前記光遅延手段の光遅延量を変化させ、各測定で得られる反射率または損失を加算平均することを特徴とする光周波数領域反射測定装置。
【請求項4】
前記周波数解析手段は、前記光コムの輝線スペクトル間隔をΔfc、輝線スペクトルの数をNとするとき、前記光遅延手段により与える遅延時間τをτ=1/NΔfcとして、測定回数を少なくともN回とすることを特徴とする請求項3記載の光周波数領域反射測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−7695(P2013−7695A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−141543(P2011−141543)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2011年1月20日 社団法人電子情報通信学会発行の「電子情報通信学会技術研究報告 信学技報 Vol.110 No.397」に発表、平成23年2月28日 社団法人電子情報通信学会発行の「電子情報通信学会2011年総合大会講演論文集」に発表
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】