説明

光学システムおよびデジタルシステムの設計を最適化するシステムおよび方法

光学および/またはデジタルシステム設計を最適化するためのシステム、方法、およびソフトウェア製品。前記光学システム設計の光学モデルが生成される。前記デジタルシステムのデジタルモデルが生成される。スコアを作り出すために前記光学およびデジタルモデルのシミュレーションされた出力が分析される。前記スコアは、前記シミュレーションされた出力が1つ以上の目標を達成しているかどうかを決定するために処理される。前記目標が達成されなければ、前記光学モデルおよび前記デジタルモデルのうちの少なくとも1つの、1つ以上の特性が変更される。前記分析、処理、変更は、前記目標が達成されるまで繰り返されて、最適化された光学システム設計と最適化されたデジタルシステム設計が前記光学およびデジタルモデルから生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、「Designing Optical Imaging Systems with Wavefront Coding Elements」と題され、2003年12月1日に出願された米国特許仮出願第60/526,216号の優先権を主張する。米国特許仮出願第60/526,216号は参照によりここに援用される。
【背景技術】
【0002】
電子光学システムは、しばしば、さまざまな光学的、電子的、機械的要素を持つ。これらの要素はサブシステムを形成することができる。一例では、デジタルおよび携帯電話カメラのような電子光学システムは、光学サブシステムを形成する光学要素(例、レンズ要素)とデジタルサブシステムを形成する電子要素(例、信号プロセッサ)を含む。これらのサブシステムは、例えば、光学画像をキャプチャして、デジタル写真を作り出すために協働する。
【0003】
1つ以上の意図する目的を実行する電子光学システムを設計することは困難な作業となる場合がある。設計目標を満たすために、電子光学システムは、しばしば、過度に設計されて設計処理に費用と開発時間を追加する。さらに、電子光学システムが光学と電子両方のサブシステムを含む場合、これらのサブシステムは別々に設計され最適化される。典型的に、例えば、まず、光学サブシステムの規定が選択され最適化されてから、次に、光学サブシステムからの出力に基き、信号処理サブシステムが別個に設計される。
【0004】
先行の従来の技術の電子光学システムの開発においては、一般に市販されているソフトウェア設計パッケージが使用される場合がある。例えば、光学サブシステムは、Zemax Development Corp.のZemaxまたはOptical Research AssociatesのCODE−Vを使用して設計最適化できる。デジタルサブシステムは、例えば、MathWorks Inc.のMATLABまたはカスタム化されたC/C++コードを使用して設計できる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
ある実施例では、ソフトウェア製品はコンピュータが読み取り可能な媒体に保管された命令を有し、コンピュータにより実行されると、前記命令は光学システム設計とデジタルシステム設計を最適化するためのステップを実行する。前記ソフトウェア製品は、前記光学システム設計の光学モデルをシミュレーションするための命令、前記デジタルシステム設計のデジタルモデルをシミュレーションするための命令、スコアを作り出すために前記光学モデルのシミュレーションされた出力と前記デジタルモデルのシミュレーションされた出力を分析するための命令、前記スコアに基き前記光学モデルと前記デジタルモデルを変更するための命令を含む。
【0006】
別の実施例では、ソフトウェア製品はコンピュータが読み取り可能な媒体に保管された命令を有し、コンピュータにより実行されると、前記命令は波面符号化により光学システムを最適化するためのステップを実行する。前記ソフトウェア製品は、前記光学システム設計の光学モデルをシミュレーションするための命令、スコアを作り出すために前記光学モデルのシミュレーションされた出力を分析するための命令、前記スコアに基き前記光学モデルに位相変調光学を実装するなど、前記光学モデルを変更するための命令を含む。
【0007】
別の実施例では、方法が光学およびデジタルシステム設計を最適化する。光学システム設計の光学モデルが生成される。デジタルシステム設計のデジタルモデルが生成される。スコアを作り出すために前記光学およびデジタルモデルのシミュレーションされた出力が分析される。前記スコアは、シミュレーションされた出力が1つ以上の目標を達成しているかどうかを決定するために処理される。目標が達成されていなければ、前記光学モデルおよび前記デジタルモデルのうちの少なくとも1つの、1つ以上の特性が変更される。分析、処理、変更のステップは目標が達成されるまで繰り返されて、最適化された光学システム設計と最適化されたデジタルシステム設計が前記光学およびデジタルモデルから生成される。
【0008】
別の実施例では、システムが光学およびデジタルシステム設計を最適化する。前記システムは、前記光学システム設計の光学モデル、前記デジタルシステム設計のデジタルモデル、前記光学モデルをシミュレーションするための光学シミュレータ、前記デジタルモデルをシミュレーションするためのデジタルシミュレータ、スコアを生成するために前記光学およびデジタルモデルのシミュレーションされた出力を分析するためのアナライザ、前記スコアに基き前記光学およびデジタルモデルを変更するためのオプティマイザを有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下で説明する光学システム設計は、製造されると、物体からの電磁放射線の波面を変更する1つ以上の光学設計物体(例えば、レンズ、ミラー)を含む。波面は、物体の単独ポイントからの電磁放射線の不変の位相領域を定義する。電磁放射線は、例えば、可視光範囲にある波長を持つことがあり、例えば、周波、マイクロ波、赤外線、紫外線、x線、宇宙線の範囲などその他のスペクトルを備えることができる。
【0010】
光学システム設計は、物体を焦点平面に描くために、波面を焦点平面に焦点を合わせる光学撮像システムを特定できる。それから、画像をキャプチャするために焦点平面に配置された焦点平面配列(例えばCCD、CMOS、マイクロボロメータ配列)または検出器を使用できる。そして、最終画像を生成するために、焦点平面と連結したエレクトロニクス(例えばコンピュータ)がキャプチャした画像をデジタル処理できる。このようにして、焦点平面配列やエレクトロニクスと一体になった光学撮像システムは、電子光学システムを形成する。焦点平面配列とエレクトロニクスの組み合わせは、集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)および/またはデスクトップコンピュータのソフトウェアを備えることができる。従って、焦点平面配列とエレクトロニクスによるデジタル処理は、本明細書では「デジタルシステム」と記されることがある。デジタルシステム設計はデジタルシステムのデジタル処理を記述することができる。
【0011】
リソグラフアプリケーションで使用されるフォトレジスト物質の場合のように、焦点平面配列または検出器の代わりに、電磁放射線に反応する物質を焦点平面に配置することがある。焦点平面の検出器のその他の例としては、アプリケーションに応じて、光学ビューワまたはレチナを含む場合がある。従って、光学および/またはデジタルシステム設計はさまざまな種類の検出器または物質を特定することもできる。
【0012】
あるいは、光学および/またはデジタルシステム設計は、例えば、人間の視覚化で使用されるコンピュータ出力や状態、マシンビジョンまたは処理、バーコード読み取り、光学式文字認識または生体認証など、「タスクベース」の光学デジタルシステムを特定できる。タスクベースの光学デジタルシステムは、人間が認識可能な画像を形成しないことがある。また、形成する場合も、その画像がタスクのユーティリティに接続されないことや、タスクを完了するために必要な最低情報量に削減されることがある。
【0013】
光学システム設計は、さらに、光学要素と連結するために、光学筐体など、機械の物体を特定できる。バッフルは、光学システム内の迷光を削減するために、光学システム設計により特定できる別の種類の機械の物体である。機械の物体は、さらに、焦点平面配列および/またはエレクトロニクスを光学システムに連結する筐体を特定できる。この場合、典型的に、機械の物体は規定の許容範囲により特定されるので、例えば、明確な画像をキャプチャするために、焦点平面配列は焦点プレーンで正確に位置づけられる。
【0014】
光学システム設計は、光学システム内の光学が2つ以上の焦点平面を形成する場合や、光学システムが反射放射線をキャプチャまたは処理する場合など、複数の波面を処理する光学システムを特定できる。
【0015】
光学システム設計は、さらに、光学システムにより処理される波面の位相を変調する「位相変調光学」(例えば、1つ以上のレンズ、レンズ表面、ホログラム、鏡面、3次元位相要素、回折光学など)を特定できる。位相変調光学は、誤焦点および/または収差に関連する誤焦点などの影響に対して感度が少ない画像を形成させる。一例では、位相変調光学は、焦点平面で誤焦点およびまたは収差に関係する1つ以上の誤焦点に非常に不変である光学撮像システムの光学転送機能(「OTF」)のような、波面の位相を変調する1つの光学要素上の光学表面を含む。「非常に不変」とは、例えば、光学システムのOTFが、最終画像を描画するために、あるいは、システムが意図しようとした、および/または実行するために十分なタスクを完了するために、光学システムの能力を低下させない、または、抑制する程度まで変化しないということを意味する。別の例では、非常に不変とは、焦点平面で検出される周波の帯域内またはデジタル処理に必要なそのサブバンド内にゼロがないことを意味することがある。別の例では、非常に不変とは、空間領域の変更が焦点平面配列の物理的ピクセルサイズより小さいので、全く検出できないことを意味することがある。
【0016】
光学デジタルシステム設計は、1つ以上の目標を満たすために設計される。目標の例は、光学システムまたはそのシステムからの出力のタスクベースのユーティリティにより形成される画質を含む。また、目標は、以下で詳細が定義されるように、光学システムの1つ以上の物体またはパラメータを含むことがある。目標例として、光学システムが一定の費用またはサイズ要件を満たすことがある。
【0017】
以下に詳細が説明されるように、光学システム設計の設計物体は、光学撮像システムの物理的部分(例えば、レンズ)を特定できる。光学システム設計のパラメータは、1つ以上の設計物体の物理的および/または経済的特性(例えば、費用)を特定できる。従って、設計物体のパラメータは、例えば、サイズ、物質、物質特性、一時的および空間干渉性の特性、波長(発光、吸光)、位置および/または形状を特定できる。
【0018】
コンピュータにより処理される光学システム設計は、本明細書では光学システムモデルと記されることがある。同様に、コンピュータは、デジタルシステムモデルを生成するためにデジタルシステム設計を処理できる。これらのモデルを生成するために、コンピュータはソフトウェア設計ツールを使用できる。モデルのパラメータは、光学、信号処理、機械的、環境および/その他の要素(例えば、費用)に応じて、さまざまな範囲の「変数」として指定できる。
【0019】
以下の特許および特許出願は参照することによりここに組み込まれる。米国特許番号5,748,371、発明の名称「EXTENDED DEPTH OF FIELD OPTICAL SYSTEMS」、米国出願番号10/813,993、発明の名称「SYSTEMS AND METHODS FOR MINIMIZING ABERRATING EFFECTS IN IMAGING SYSTEMS」、米国出願番号10/376,924、発明の名称「OPTIMIZED IMAGE PROCESSING FOR WAVEFRONT CODED IMAGING SYSTEMS」。
【0020】
図1は、ある実施例に従い、光学システム設計13を最適化するための設計最適化システム12を説明するブロック図を示す。光学システム設計13は、望ましい光学システムを特定する初期の光学仕様のこともある。光学システム設計13は、光学システムモデル16を作成するための設計最適化システム12への入力である。操作を説明すると、ユーザーは、設計最適化システム12のグラフィカルユーザーインターフェイスにより光学システムモデル16をインタラクティブに作成できる(例は図3と4に表示)。
【0021】
ある実施例では、出力16Aを生成するために、設計最適化システム12が、光学システムモデル16の機能をシミュレーションする。出力16Aは、例えば、光学システムモデル16のシミュレーションにより生成された瞳マップである。しかしながら、出力16Aは、以下に詳細を説明するように追加または異なる情報(例えば、デジタル画像データ)を備えることがある。
【0022】
アナライザ20は、出力16Aを処理して、単独の数字のこともあるスコア20Aを生成する。この処理では、スコア20Aを生成するために、アナライザ20内の1つ以上の測定基準20Bを出力16Aに比較する。一例では、測定基準は、点像分布関数(PSF)のような画質の測定基準であり、別の画質の測定基準は、例えば、変調伝達関数(MTF)である。測定基準は、次の例を1つ以上無制限に含むことができる。問題の指定の空間周波数帯で出力16Aから取得されたMTFの最低指数、3x3域のような小さく囲まれた連続域外側の出力16Aから取得された再構成PSFの合計指数、基準測定20Bに既知の望ましいPSFと出力16Aにより提供された再構成PSFの差の指数、微分係数を計算することにより計算される光学およびデジタルPSFとMTFの滑らかさ、すべての係数が1.0に等しい場合根二乗和の値(二乗係数の和の平方根)を計算することにより測定される再構成フィルタの指数、任意の数または、例えば、Zemaxにより提供される分析または「オペランド」の組み合わせ。
【0023】
オプティマイザ22は、設計最適化システム12のユーザーが特定できる1つ以上の設計目標24に対して比較することにより、スコア20Aを処理する。この処理において、オプティマイザ22は、光学システムモデル16が最適化されたことを決定できるが、決定しなければ、光学システムモデル16を変更するために、設計最適化システム12がオプティマイザ22からの出力22Aに応答する。光学システムモデル16が変更されると、光学システムモデル16のシミュレーションされた出力は、再び、スコア20Aを生成するためにアナライザ20の測定基準20Bに対して比較され、このようなオプティマイザ22は、再び、さらなる変更が必要かどうかを決定する。このように、オプティマイザ22は、設計目標24が達成されるまで、アナライザ20とインタラクティブに光学システムモデル16を変更することを継続する。
【0024】
操作の一例では、設計目標24の達成を促進するために、オプティマイザ22が位相変調光学の1つ以上の物体描写を組み入れることにより、光学システムモデル16を変更する。位相変調光学を実装する最適化処理の1つが図6に説明されている。位相変調光学を実装する別の最適化処理は図7に説明されている。
【0025】
例えば、目標24は、スコア20Aに関連付けられた合格/不合格条件を特定する。例えば、光学設計モデル16に関連付けられた設計物体の実装の総費用を含むことができる。
【0026】
設計目標24が達成され、オプティマイザ22により変更されると、設計最適化システム12は、光学システムモデル16に基き最適化光学システム設計25を出力できる。光学システム設計25は、目標24を満たす光学システムの設計物体を特定するパラメータを含む。設計最適化システム12は、さらに、例えば、最適化された光学システム設計25の機能を要約する予想能力39を出力できる。
【0027】
アナライザ20とオプティマイザ22は、設計最適化システム12の構成要素のことがある。本明細書で使用されているように、構成要素は、デザイン最適化システム12に実装されて実行することがある実行可能ツールである。構成要素は、デザイン最適化システム12のグラフィカルユーザーインターフェイスにより設計され、特定の光学および/またはデジタル設計のためのユーザーワークスペースにドラッグアンドドロップできる。図3と図4を参照する。構成要素は、記述されて、スクリプト、マクロ、プログラム機能に相互接続できる。ある実施例では、各構成要素は、構成要素間でデータを共有するために、その他の構成要素に接続する1つ以上の「ピン」を持つ。ピンは、データを共有しない互換性のないピンの専門知識を含むことができる。構成要素は、共有することができる一定の特性(例えば、テキスト文字列)を有する。構成要素は、出力16Aとして共有される瞳マップのことがある。従って、このような瞳マップは、光学システムモデル16を別個にシミュレーションする外部プログラムから、設計最適化システム12にインポートできる。
【0028】
図2は、光学システム設計14とデジタルシステム設計15両方を含み、システム設計13(1)を最適化するための設計最適化システム実施例12(1)を説明するブロック図を示す。一例として、光学システム設計14は、光学システムの初期の光学規定のことがあり、デジタルシステム設計15は、光学システムから画像を処理する信号処理の初期設計のことがある。光学システム設計14は、例えば、図1の光学システム設計13に類似することがある。設計最適化システム12(1)は、説明のように、最適化デジタルシステム設計28を生成すること以外、図1の設計最適化システム12に類似して機能することができる。
【0029】
システム設計13(1)は、システムモデル16(1)を作成するための設計最適化システム12(1)への入力である。システムモデル16(1)は、それぞれ、光学システム設計14およびデジタルシステム設計15を表す光学システムモデル17とデジタルシステムモデル18を説明的に含む。ユーザーは、設計最適化システム12(1)のグラフィカルユーザーインターフェイス(図3に表示)により、システムモデル16(1)、アナライザ20(1)、オプティマイザ22(1)をインタラクティブに作成できる。
【0030】
ある実施例では、出力16A(1)を生成するために、設計最適化システム12(1)がシステムモデル16(1)の機能をシミュレーションする。例えば、出力16A(1)は、光学システムモデル17のシミュレーションにより生成された瞳マップと、デジタルシステムモデル18による処理に関連付けられたビットストリーム情報を含むことができる。しかしながら、出力16A(1)は、以下に説明するように、データが生成される条件や構成、密度分布、撮像されている物体のシミュレーション(例えば、文字「F」の画像の推定)、相互強度関数、縦座標すべてにベクトル情報がある電磁場、および/またはデジタル処理情報など、追加または異なる情報を備えることができる。
【0031】
スコア20A(1)を生成するために、設計最適化システム12(1)は出力16A(1)を処理するアナライザ20(1)を含む。上記のように、スコア20A(1)を決定するために、アナライザ20(1)は1つ以上の測定基準20B(1)を利用することができる。測定基準20B(1)は、光学システムモデル17とデジタルシステムモデル18両方に関係する。スコア20A(1)を形成するために、アナライザ10(1)により各測定基準20B(1)の結果に重みを付けて処理することができる。例えば、各測定基準20B(1)の重みは、ユーザーにより特定、および/またはアルゴリズム的に決定できる。
【0032】
オプティマイザ22(1)は、スコア20A(1)を処理して、ここでもオプティマイザ22(1)への入力のためにユーザーが特定できる(例えば、ユーザー定義目標23(1))目標24(1)に対するシステムモデル16(1)の性能を決定する。システムモデル16(1)が最適化されていなければ、光学システムモデル17からの出力を変更するために、設計最適化システム12(1)が、オプティマイザ22(1)からの出力22A(1)および/またはデジタルシステムモデル18を変更するためにオプティマイザ22(1)からの出力38に応答する。システムモデル17または18のいずれかが変更されると、システムモデル16(1)は、デザイン最適化システム12(1)により再びシミュレーションされて、新しいスコア20A(1)を生成するために、出力16A(1)のスコアがアナライザ20(1)により決定される。このように、オプティマイザ22(1)は、設計目標24(1)が達成されるまで、システムモデル17および18の変更をインタラクティブに継続する。
【0033】
設計目標24(1)が達成されると、設計最適化システム12(1)は、オプティマイザ22(1)により変更されたシステムモデル16(1)に基く最適化システム設計25(1)を出力することができる。最適化システム設計25(1)は、表示されているように、最適化光学システム設計26および最適化デジタルシステム設計28を含む。以下に詳細が説明されているように、デジタルシステム設計28は、電子記述、ビットストリームフィルタ、シミュレーション結果、および/または、カスタムハードウェアの特定の実装のための限定ビット深度および量子化された値に対するバイナリIEEE浮動小数値および整数値の多くの表現におけるフィルタカーネル係数、費用や電源およびゲートカウントや最高速度の推定、ハードウェアにおける外部の入出力または通信または追加ロジックの制約、許容データ値および最大データサイズおよびビット幅の制約、騒音削減やカラー処理などパラメータ化された処理の固定または変数パラメータに関連する値、最適化パラメータや規定要素、光学システム設計25(1)の信号処理に関係するシミュレーションにおいて採用された規則化要素または方法などのようなその他の情報を含むことができる。
【0034】
操作の一例では、設計目標24(1)の達成を促進するために、オプティマイザ22(1)は、位相変調光学の1つ以上の設計物体表現を組み入れることにより、光学システムモデル16(1)を変更する。位相変調光学を実装する最適化処理の1つは、図6に説明されている。位相変調光学を実装する別の最適化処理は図7に説明されている。
【0035】
従って、最適化されたシステム設計25(1)は、目標24(1)を満たす電子光学システムの設計物体を特定するパラメータを含むことができる。設計最適化システム12(1)は、例えば、最適化されたシステム設計25(1)の能力を要約する予想能力39(1)を出力できる。
【0036】
上記のように、アナライザ20(1)とオプティマイザ22(1)は、設計最適化システム12(1)の構成要素のことがある。これらの構成要素は、図3と関連して説明するように、実行時ツールとして扱うことができる。
【0037】
特に、図3は4つの要素40(1)‐40(4)の例を含むワークスペース48(例えば、設計最適化システム12または12(1)のグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)の一部)の操作を説明する。各構成要素は、表示のように、1つ以上の入力ピン42(1)−42(4)と1つ以上の出力ピン44(1)−44(6)を持つ。本明細書で使用されるように、「ピン」は、構成要素の入力、出力、入力/出力、またはトライステート機能であり、データタイプにより特徴づけられる。ピンは、GUI(例えば、図4に表示)を使用して接続できる。さまざまな実施例では、ピンはその他のピンに接続されていないことがあるが、1つ以上のピンに接続されていることもある。図3の例では、構成要素40(1)の出力ピン44(1)は、接続46(1)により構成要素40(2)の入力ピン42(2)と、また、接続46(2)により構成要素40(4)の入力ピン42(4)と接続する。ピンは専門知識を含むことができるので、ユーザーがデータを共有できないピンを接続することは禁じられることがある。
【0038】
従って、構成要素は、ユーザーが扱うことができる非常にさまざまな実行時ツールを表す。構成要素の例としては、検出構成要素、サンプリング構成要素、騒音モデリング構成要素、線形および非線形信号処理構成要素、二乗平均平方根分析構成要素、人間の監視ベースの構成要素、分析構成要素(例えば、アナライザ20、20(1))、最適化構成要素(例えば、オプティマイザ22、22(1))、グラフィックディスプレイ構成要素、光学設計物体の伝播モデル構成要素(例えば、光学モデル16、17)、ユーザー定義の構成要素、フォーマットされた情報をエクスポートする構成要素(例えば、コンピュータ数値制御ツールのためのCNCスクリプトの準備やエクスポート、または、レンズメーカー用に製造説明文書を自動的に生成)、外部設計および/またはソフトウェアシステムからの動的かつ反復入力および出力をサポートするインターフェイス構成要素(例えば、Zemaxのような光学設計パッケージやMATLABのようなコンピュータパッケージ)を含むことができる。
【0039】
図4は、ある実施例に従い、設計最適化システム12(2)の構成要素の機能を説明する組織図50を示す。設計最適化システム12(2)は、外部の光学シミュレータ52および/または外部のデジタルシミュレータ54に接続されて操作する。設計最適化システム12(2)は、例えば、ネットワークからシミュレータ52および/または54に接続して通信することができる。
【0040】
操作では、設計最適化システム12(2)は、光学システム設計および/またはデジタルシステム設計を最適化する。設計最適化システム12(2)は、光学およびデジタル設計のモデル(例えば、図2のシステムモデル16(1))を作成するために、ワークスペース92内のツールボックス56のテンプレートの構成要素の利用(例えば、ドラッグアンドドロップ動作)を促進するGUI98を持つ。
【0041】
ツールボックス56は、例えば、マウスを使用して、インタラクティブにワークスペース92へドラッグアンドドロップすることができる構成テンプレート58、60、62、64、66、68、70、72の8つが例として説明的に示されている。外部入力テンプレート58は、設計最適化システム12(2)が外部パッケージから(例えば、外部光学シミュレータ52から)入力を受け取ることができる外部入力構成要素のためのテンプレートである。外部出力テンプレート60は、設計最適化システム12(2)が外部パッケージに(例えば、外部の光学シミュレータ52に)出力を送信できる外部の出力構成要素のためのテンプレートである。伝播テンプレート62は、光学モデル(例えば、図2の光学システムモデル17)内で信号伝播をモデルする伝播構成要素のための構成要素テンプレートである。信号処理テンプレート64は、デジタルシステムモデル(例えば、図2のデジタルシステムモデル18)の信号処理をモデルする信号処理構成要素のためのテンプレートである。検出テンプレート66は、焦点平面配列(「FPA」)のような検出器をモデルする検出構成要素のためのテンプレートである。また、検出テンプレート66により、設計最適化システム12(2)による使用のために選択される外部検出装置(例えば、カメラのような「CCD」)からの入力が可能である。ディスプレイテンプレート68は、例えば、画像やその他の情報がGUI98内で表示できるようにするディスプレイ構成要素のためのテンプレートである。分析/測定基準テンプレート70は、システムモデル(例えば、図2のシステムモデル16(1))のシミュレーションの出力(例えば、出力16A、16A(1))のスコアを決定するアナライザ構成要素(例えば、アナライザ20または20(1))のためのテンプレートである。オプティマイザテンプレート72は、目標に到達したかどうかを決定するために、1つ以上の分析/測定基準構成要素からのスコア(例えば、出力20A、20A(1))を目標(例えば、目標24または24(1))に対して評価する最適化構成要素(例えば、オプティマイザ22、22(1))のためのテンプレートである。繰り返してシステムモデルを変更して目標に到達するために、最適化構成要素からの出力は設計最適化システム(例えば、図2のシステム12(1))により使用されることがある。
【0042】
このように、ツールボックス56からのテンプレートは、システムモデル(例えば、図2のシステムモデル16(1))を最適化するためにワークスペース92内で組み合わせることができる。新しいテンプレート構成要素は、例えば、外部アプリケーションにより定義される構成要素のエディタ96またはC/C++、MATLAB、マクロ言語などのようなプログラム言語を使用して、作成し、ツールボックス56に追加できる。
【0043】
図4の例を続けると、外部入力テンプレート58は、ツールボックス56からドラッグされて、ワークスペース92にドロップされて、外部入力構成要素74として示される。同様に、信号処理テンプレート64は、ツールボックス56からドラッグされて、ワークスペース92にドロップされて、信号処理構成要素76として示される。分析/測定基準テンプレート70はツールボックス56からドラッグされて、ワークスペース92にドロップされて、分析構成要素78として示される。オプティマイザのテンプレート72はツールボックス56からドラッグされて、ワークスペース92にドロップされて、オプティマイザ構成要素80として示される。外部出力テンプレート60はツールボックス56からドラッグされて、ワークスペース92にドロップされて、外部出力構成要素82として示される。ワークスペース92に配置されると、これらの構成要素は、構成要素間でデータを転送するために接続することができる。このような接続は、例えば、図3で説明されているようにマウスを使ったり、構成要素を選択して、プロパティエディタ94を使用してプロパティを設定するなど図に示されて、および/または、関連づけられたスクリプト、マクロおよび/またはプログラム言語により、実装できる。
【0044】
図4の例では、外部入力構成要素74は、外部の光学シミュレータ52から入力を受け取るために設定される(例えば、プロパティエディタ94を使用)。外部の光学シミュレータ52は、例えば、市販されている光学設計パッケージ(例えば、Zemax、Code V)である。外部の光学シミュレータ52は、外部の入力構成要素74への入力である出力52(1)を生成するために光学システムモデル17(1)をシミュレーションしているところが示されている。外部の光学シミュレータ52からの出力52(1)は、例えば、瞳マップおよび/あるいは外部の光学シミュレータ52により光学システムモデル17(1)のシミュレーションに関係するその他の情報を備えることができる。外部の入力構成要素74は、例えば、外部の光学シミュレータ52を操作するためにリモートのプロシージャコールを利用することができる。ある実施例では、設計最適化システム12(2)の実行は、外部の光学シミュレータ52により初期化することができる。
【0045】
また、出力52(1)は、外部の入力構成要素74から信号処理構成要素76および/またはアナライザ構成要素78へ通信できる。この例では、信号処理構成要素76は、デジタルシステムモデル18(1)をシミュレーションするために外部のデジタルシミュレータ54を利用するように設定される。表示のように、信号処理構成要素76と外部デジタルシミュレータ54の間のデータは、信号ライン90から通信することができる。信号ライン90は、例えば、単独のプロセッサ内の共有メモリであるか、プラットフォーム全体で通信するネットワーク標準規格を利用できる。
【0046】
一例では、外部のデジタルシミュレータは、デジタルシステムモデル18(1)をシミュレーションし、信号ライン90で通信される信号処理構成要素76から入力を受け取り、信号ライン90から通信される出力を信号処理構成要素76に生成するようにプログラムされているMATLABを備える。この出力は、例えば、外部デジタルシミュレータ54により処理されるビットストリーム情報を含むことができる。
【0047】
分析構成要素78は、信号処理構成要素76からの出力のスコアを決定するために設定できる(例えば、プロパティエディタ94を使用)。このスコアは、光学システムモデル17(1)および/またはデジタルシステムモデル18(1)を変更するかどうか、および変更方法を決定するために、オプティマイザ構成要素80により使用される。光学システムモデル17(1)を変更する命令は、外部の出力構成要素82により、通信経路86を介して、オプティマイザ構成要素80から外部光学シミュレータ52へ渡される。デジタルシステムモデル18(1)を変更する命令は、通信経路88を介して、オプティマイザ構成要素80から信号処理構成要素76へ渡される。従って、オプティマイザ構成要素80は、以前に述べた通信方法のいずれかを備えることがある通信経路88を直接通過して、信号処理構成要素76のプロパティを変更できる。そして、信号処理構成要素76は、通信経路90を直接通過してデジタルシステムモデル18のパラメータを変更できる。同様に、オプティマイザ構成要素80からの出力に基き、外部出力構成要素82は、通信経路86を介して、光学システムモデル17(1)のパラメータを変更できる。外部の出力構成要素82は、例えば、外部の光学シミュレータ52とインターフェイスするためにリモートプロシージャコールを利用できる。
【0048】
図4に示した方法で構成されると、ユーザー定義の目標23(1)を基本とする目標24(1)を満たすために、設計最適化システム12(2)は、光学およびデジタル設計を最適化するために図2のシステム12(1)のように機能することができる。
【0049】
設計最適化システム12(2)は、これより少ないまたは多いテンプレートや構成要素を含むことができる。また、システムモデルをシミュレートして最適化するために、ゼロまたは1つ以上の外部シミュレータとインターフェイスできる。任意の1つの構成要素のプロパティは、固定、ピックアップ、アルゴリズムとしても特定できる。固定プロパティに関連付けられる値は、最適化の間は変更できない。ピックアッププロパティは、別の構成要素のプロパティ値に基く値を有することができる。例えば、ピックアッププロパティ値は、別のプロパティ値の2倍として特定できる。アルゴリズムプロパティは、アルゴリズムにより定義される値を有する。例えば、アルゴリズムのプロパティ値は、第一のプロパティの値の2倍に第二のプロパティの3倍の値を加えたものとして特定できる。
【0050】
図5は、システム設計(例えば、図2のシステム設計13(1))を最適化するための一例であるシステム100を示す。システム100は、コンピュータ102と端末112とともに示される。コンピュータ102は保管装置104、メモリ106、プロセッサ108を持つ。保管装置104は、例えば、ハードドライブまたはその他の非揮発性保管媒体である。保管装置104は、設計最適化プログラム114、システム設計130、目標124、最適化されたシステム設計132とともに示される。設計最適化プログラム114は、例えば、図2の設計最適化システム12(1)または図4のシステム12(2)の機能をシミュレーションできる。設計最適化プログラム114は、GUI116とツールボックス122とともに説明的に示される。GUI116とツールボックス122は、例えば、それぞれ、図4のGUI98とツールボックス56を表すことができる。ツールボックス122は、アナライザテンプレート118、オプティマイザテンプレート120、光学シミュレータテンプレート126、デジタルシミュレータテンプレート128とともに示される。光学シミュレータテンプレート126は、光学システムモデルをシミュレーションする構成要素のテンプレートを表す。デジタルシミュレータテンプレート128は、デジタルシステムモデルをシミュレーションする構成要素のテンプレートを表す。例えば、光学シミュレータテンプレート128とデジタルシミュレータテンプレート128は、それぞれ、外部光学シミュレータ52と外部デジタルシミュレータ54の機能を提供できる。システム設計130は、光学システム設計(例えば、図2の光学システム設計14)、または、光学システム設計とデジタルシステム設計(例えば、図2のデジタルシステム設計15)両方を含むことができる。目標124は、図2の目標24(1)および/または図1の目標24を表すことができる。操作の一例では、システム100のユーザーは、システム設計130の望む特徴(例えば、製造費用)を特定する目標124を作成するために端末112を利用する。
【0051】
プロセッサ108は、設計最適化プログラム114の一部またはすべてをその実行のためにメモリ106にロードできる。
【0052】
操作の一例では、メモリ106内にワークスペース156を作成するために、ユーザーは、設計最適化プログラム114と相互作用する。ワークスペース156は、例えば、図4のワークスペース92を表す。上記のように、ユーザーは、ツールボックス122のテンプレートをワークスペース156にドラッグアンドドロップできる。ワークスペース156は、光学シミュレータ構成要素158、デジタルシミュレータ構成要素160、アナライザ構成要素162、オプティマイザ構成要素164とともに示される。ワークスペース156は、これより多いまたは少ない構成要素を任意に含むことができる。
【0053】
図5の例では、光学シミュレータ構成要素158は、システムモデル150内の光学システムモデル152をシミュレーションする。デジタルシミュレータ構成要素160は、モデル150内のデジタルシステムモデル154をシミュレーションする。光学システムモデル152とデジタルシステムモデル154は、例えば、システム設計130の光学およびデジタル部分を表す。
【0054】
端末112は、例えば、グラフィック情報の表示に適したグラフィカルコンピュータインターフェイスのことがある。一実施例では、コンピュータ102は、パーソナルコンピュータシステムであり、端末112は、モニター端末、キーボード、マウスを表す。
【0055】
また、コンピュータ102はネットワークインターフェイス110とともに示される。ネットワークインターフェイス110はオプションで、設計最適化プログラム114がその他のコンピュータシステムと通信および/または制御するために、コンピュータ102に含むことができる。従って、設計最適化プログラム114は、モデル150の最適化中、ネットワークインターフェイス110を介して分散処理を利用する(図9を参照)。このような処理は、例えば、外部シミュレータ(例えば、図4のシミュレータ52、54)を採用できる。
【0056】
図13は、ある実施例に従い、図2の設計最適化システム12(1)の操作とシステムモデル(例えば、システムモデル17)の分析を説明するコンピュータ画面ディスプレイ500を示す。図13の例では、コンピュータ画面ディスプレイ500は、光学システムモデル(例えば、図2の光学システムモデル17)からの出力を表す瞳マップ502を図で説明する。一例では、瞳マップ502は、図4に示されているように外部光学シミュレータ52から設計最適化システム12への入力にできる。外部光学シミュレータ52は、その後、瞳マップ502として外部入力構成要素74への入力である、出力52(1)を作り出すために光学システムモデル17(1)をシミュレーションする。別の例では、ユーザーは、光学システムの設計へのアクセスはないが、設計から形成された瞳マップ502を有することがある。この場合、瞳マップ502は、設計最適化システム12(1)への入力のために、データファイルの数字行列として、または、例えばZernike係数のような多色係数のセットとして、提供されることがある。まだ別の例では、瞳マップ502は、振幅や位相機能や設計最適化システム12(1)への入力を記述する1つ以上の式から生成されることがある。
【0057】
光学MTF504がディスプレイ500に示される。光学MTF504は、瞳マップ502と瞳マップ502の複雑な共役との相互関係により作られる。光学MTF504の電力差や最低電力を決定するために、光学MTF504は分析されることがある(例えば、図2のアナライザ20(1)または図4のアナライザ構成要素78)。出力20A(1)を決定するために、アナライザ20(1)は、例えば、光学MTF504の電力差と最低電力を測定基準20B(1)に比較することがある。
【0058】
ZemaxやCodeVのような市販のアプリケーションでは、アナライザ20、20(1)は、メリット関数と呼ばれることがあり、「オペランド」とも呼ばれる測定基準を含むことができる。しかしながら、従来のオペランドは、電子光学システムを最適化するときにアナライザ20、20(1)が必要な信号処理測定基準20B、20B(1)を含まない。
【0059】
光学PSF506は、逆フーリエ変換を使用して光学MTF504から形成される。PSF幅507を作るために、光学PSF506は、例えば、アナライザ20(1)により分析される。出力20A(1)を決定するとき、PSF幅507はアナライザ20(1)によって測定基準20B(1)に比較されることがある。この例では、測定基準20B(1)により、光学PSF506の指数が一定の閾値を超える水平方向の光学PSF506の最低および最高空間場所が決定される。スケールファクタ(例えば、図13の例の10)を乗じて決定されるこれらの空間場所の距離が、水平方向のPSF幅507である。
【0060】
光学システムモデル17からの出力は、デジタルシステムモデル18への入力用のデジタルデータをモデルするために「サンプル」される。一例では、検出テンプレート68は、CCD配列またはフォトレジストのようなエマルジョンの粒子のサンプリングをモデル化するために利用できる。従って、光学PSF506デジタルシステムモデル18への入力用にデジタルPSFを作り出すために「サンプル」できる。図13と14の例の計算を簡単にするために、最適の検出器が想定され、光学PSF506は、デジタルシステムモデル18に直接入力できる(例えば、図4の信号処理構成要素76への入力)。
【0061】
信号処理構成要素76は、例えばフィルタを実装する。光学システム設計14は、例えば、位相変調光学の影響を復号する(例えば、最小二乗計算により、または、パラ目トリックウィーナ設計による)フィルタを実装する信号処理構成要素74などの位相変調光学を含む。光学PSF506(またはサンプルが採用されている場合はデジタルPSF)は、2Dフィルタ508を作るために最小二乗計算で使用される。
【0062】
フィルタ空間周波数反応510は、2Dフィルタ508で高速フーリエ変換(「FFT」を実行することにより決定される。例えば、アナライザ20(1)はFFTを実行できる。図15の例では、帯域幅は0.74として示されている。そして、2Dフィルタ508の帯域幅は、例えば、アナライザ20(1)によりフィルタ空間周波数反応510から決定することができ、出力20A(1)を決定するために測定基準20B(1)に比較することができる。
【0063】
また、アナライザ20(1)は、フィルタ指数(例えば、根二乗和計算による)や出力20A(1)で使用が必要であればフィルタ空間周波数反応510からのその他の特性も決定することができる。
【0064】
フィルタされたPSF512は、例えば、線形コンボリューションを使用して2Dフィルタ508と光学PSF506から作成される。その後、出力20A(1)の決定において利用できるアーチファクト、サイズ、焦点が合わないことによる類似性やその他の特徴を決定するために、フィルタされたPSF512は、アナライザ20(1)により分析される。さらに、これらの特徴は、それぞれ、出力20A(1)に対する影響として重みをつけられることがある。
【0065】
オプティマイザ22(1)はアナライザ20(1)から出力20A(1)を受け取る。上記のように、出力20A(1)は、光学MTF504、光学PSF507、フィルタ508、フィルタされたPSF512、フィルタ空間周波数反応510から決定された加重累積の分析結果に基づくスコアを含む。オプティマイザ22(1)は、光学システムモデル17のどのプロパティが変数であるかがわかっているので、従って、瞳マップ502を変更するためにこれらのプロパティを変更できる。同様に、オプティマイザ22(1)は、デジタルモデル18のプロパティのどのプロパティが変数であるかがわかっているので、従って、フィルタされたPSF512を変更するためにフィルタ508を変更することにより、これらのプロパティを変更できる。従って、目標24(1)を達成するために、オプティマイザ22(1)は、出力20A(1)に基き光学システムモデル17とデジタルシステムモデル18のうちの1つまたは両方のプロパティを変更することができる。
【0066】
設計最適化システム12(1)は、システムモデル16(1)を繰り返しシミュレーションして分析することにより、システムモデル16(1)を繰り返し最適化する。例えば、光学システムモデル17とデジタルシステムモデル18のどちらかのプロパティが変更されると、出力20A(1)を作り出すために、光学システムモデル17とデジタルシステムモデル18がシミュレーションされて、アナライザ20(1)が光学システムモデル17とデジタルシステムモデル18からの出力を再び分析する。さらに、オプティマイザ22(1)は、システムモデル16(1)へのさらなる変更を決定するとき、システムモデル16(1)に行われた変更とそのシステム構成の分析結果を記憶する。
【0067】
図14は、最適化された後の瞳マップ602、光学MTF604、光学PSF606、2Dフィルタ608、フィルタ空間周波数反応620、フィルタされたPSF612を表すコンピュータ画面ディスプレイ600を示す。目標24(1)を達成するために、光学システムモデル17とデジタルシステムモデル18は、どちらも、オプティマイザ22(1)により変更された。
【0068】
後述するシステム説明において、光学システム設計は、しばしば、位相変調光学として物体を決定し特定することにより最適化される。光学システム内に実装されると、これらの位相変調光学は、例えば、誤焦点/または収差のような誤焦点の影響の削減を手助けする。
【0069】
図6は、位相変調光学のある光学システムモデルを最適化するための処理実施例200を説明するフローチャートを示す。処理200のステップ204−212は、例えば、図5のワークスペース156のオプティマイザ構成要素164により実装される。
【0070】
ステップ202では、処理200は、システムモデル150の目標を決定する。ステップ202の一例では、目標124を作成するために、図5のシステム100のユーザーは、端末112から設計最適化プログラム114のGUI116と相互作用する。これらの目標は、その後、ステップ202のオプティマイザ構成要素164により読み込まれる。
【0071】
ステップ204では、処理200は、光学システムモデルの収差をバランスする。ステップ204の一例では、オプティマイザ構成要素164は、コマ収差の影響を最低限にし、コマ収差以外の収差の影響をバランスして最低限にし、迷光、ゴースト、影、反射、口径食をバランスするために、光学システムモデル152のプロパティを変更する。
【0072】
ステップ206では、処理200が位相変調光学を実装する。ステップ206の一例では、オプティマイザ構成要素164は、光学システムモデル152の1つの設計物体の表面上に非球面の曲率を実装する。
【0073】
ステップ208はオプションで、光学システムモデル17(1)がリトグラフィック撮像装置内のフォトレジストにレチクルを撮像するために設計されるときに含まれる。ステップ208では、処理200が特別のレチクルを実装する。ステップ208の一例では、オプティマイザ構成要素164が光学システムモデル152のレチクルのプロパティを変更する。公有同時継続の米国出願番号第10/858,337号、発明の名称「Lithographic Systems and Methods With Extended Depth of Focus」を個別に参照し組み入れる。
【0074】
ステップ210はオプションである。ステップ210で、処理200がデジタルシステムモデル(例えば、デジタルシステムモデル18(1))内に信号処理機能を実装する。ステップ210の一例では、オプティマイザ構成要素164が、光学システムモデル152に追加された位相変調光学の影響を復号するために、デジタルシステムモデル154の処理機能を変更する。
【0075】
ステップ212では、処理200がモデル150の変数プロパティを最適化する。ステップ212の一例では、オプティマイザ構成要素164が、例えば、(a)開口や厚み、球面、円錐、非球面などの条件を制御するために光学システムモデル152のプロパティ、(b)目標124を達成するために光学システムモデル152とデジタルシステムモデル154両方のプロパティ、(c)デジタルシステムモデル154のプラットフォーム、または、実行のアーキテクチャ、電源消費、サイズ、費用、速度などを制御するためにモデル150のプロパティ、を変更する。
【0076】
ステップ204から212までは、目標124が達成されるまで繰り返すことができる。
【0077】
図7は、位相変調光学のあるデジタルシステムモデルと光学システムモデルを最適化するための処理の実施例を説明するフローチャートである。処理240のステップ242は、例えば、図5の設計最適化プログラム114により実装することができ、ステップ244から256は、例えば、設計最適化プログラム114のオプティマイザ構成要素164内で実装される。
【0078】
ステップ242では、処理240が光学システムの目標を決定する。ステップ242の一例では、目標124を作成するために、ユーザーは設計最適化プログラム114と相互作用することができる。特に、目標124を作成するために、ユーザーは設計最適化プログラム114のGUI116と相互作用する端末112を使用することができる。目標124は、例えば、操作の温度範囲、マイクロプロセッサによる最低電源消費、処理の速度(時間単位毎のピクセルまたは画像)、光学的ひずみや色の正確性、および/または指定の空間周波数に対する最低MTF指数を含むことができる。
【0079】
ステップ244では、処理240は、光学システムの光学物体の開口または停止位置、球面および円錐表面の記述、厚みを変更することにより、第一の収差の影響をバランスする。ステップ244の一例では、コマ収差の影響を最低限に抑えるために、オプティマイザ構成要素164が光学システムモデル152のプロパティを変更する。
【0080】
ステップ246では、処理240は、光学システムの光学物体の開口または停止位置、球面および円錐表面の記述、厚みを変更することにより、その他の収差の影響をバランスする。ステップ246の一例では、コマ収差以外の収差をバランスして最低限に抑えるために、オプティマイザ構成要素164が光学設計モデル152のプロパティを変更する。
【0081】
ステップ248では、処理240は、非収差の影響をバランスする。ステップ248の一例では、迷光、ゴースト、影、反射および/または口径食をバランスまたは制御するために、オプティマイザ構成要素164は、光学システムモデル152のプロパティを変更する。
【0082】
ステップ250では、サンプルした画像が誤焦点の影響を受けないために、処理240は位相光学を実装する。ステップ250の一例では、サンプルした画像が誤焦点(範囲外)による影響を受けず、ステップ244から248の変更によりバランスしているように、オプティマイザ構成要素164は、光学設計物体の表面記述において、高位の非球面条件を制御するように光学システムモデル152のプロパティを変更する。
【0083】
ステップ251はオプションである。ステップ251は、例えば、リトグラフィのための光学システムの設計中に実装される。ステップ251では、記録された画像が誤焦点に影響を受けないように、処理240はレチクルを実装する。ステップ251の一例では、レチクルを実装するために、オプティマイザ構成要素164は光学システム設計152のプロパティを変更する。認識されるように、レチクルが含まれる場合、目標124を達成するために、その他の変更により変更してバランスすることがある。
【0084】
ステップ252では、ステップ242の画像関連の目標に到達するように、処理240が、光学システムモデルの開口、厚み、球面、円錐および/または非球面条件を変更する。ステップ252の一例では、開口、厚み、球面、円錐およびまたは非球面条件を制御するために、オプティマイザ構成要素164が光学システムモデル152のプロパティを変更する。
【0085】
ステップ254では、ステップ242の画像関連の目標を達成するために、処理240が、光学システムモデル152のプロパティとデジタルシステムモデル154のプロパティを変更する。ステップ254の一例では、目標124を達成するために、オプティマイザ構成要素164が、光学システムモデル152とデジタルシステムモデル154両方のプロパティを変更する。
【0086】
ステップ256では、デジタルシステムモデル154の目標を達成するために、処理240が、光学システムモデル152のプロパティとデジタルシステムモデル154のプロパティを変更する。ステップ256の一例では、デジタルサブシステムモデル154のプラットフォーム、実行のアーキテクチャ、電源消費、サイズ、費用、および/または速度などの目標124を達成するために、オプティマイザ構成要素164が、光学システムモデル152のプロパティとデジタルシステムモデル154のプロパティを変更する。
【0087】
図8は、ある実施例に従い、光学およびデジタルシステム設計の並列最適化を説明する概要図である。モデル272は、光学シミュレータ276とデジタルシミュレータ278とともに表示されている。モデル272は、例えば、図2の光学システムモデル16(1)を表す。一例では、光学シミュレータ276とデジタルシミュレータ278は、図5のワークスペース156の光学シミュレータ158とデジタルシミュレータ160を表すことができる。別の例では、光学276は、図4の外部の光学シミュレータ52を表すことができ、デジタルシミュレータ278は外部のデジタルシミュレータ54を表すことができる。
【0088】
この例では、光学シミュレータ276は、280(1)、280(2)、280(3)の3つの光学システムモデルをシミュレーションしていることが示されている。光学シスレムモデル280のそれぞれは、例えば、図2の1つの光学システムモデル17を表すことができる。代わりの実施例では、光学システムモデル280は、それぞれ、同じコンピュータシステムで実行されていることも、実行されていないこともある、独立の光学シミュレータによりシミュレーションできる。
【0089】
同様に、デジタルシミュレータ278は、282(1)、282(2)、282(3)の3つのデジタルシステムモデルとともに示される。デジタルシステムモデル282のそれぞれは、例えば、図2の1つのデジタルシステムモデル18を表すことができる。代わりの実施例では、デジタルシステムモデル282は、それぞれ、同じコンピュータシステムで実行されていることも、実行されていないこともある、独立のデジタルシミュレータによりシミュレーションできる。
【0090】
図8は、3つのアナライザ構成要素284(1)、284(2)、284(3)とオプティマイザ270(例えば、図2のオプティマイザ22(1))を含むアナライザ274も示す。それぞれのアナライザ構成要素284は、図4のアナライザ構成要素78を表すことができる。
【0091】
光学システムモデル280(1)からの出力は、デジタルシステムモデル282(1)への入力である。デジタルシステムモデル282(1)からの出力は、この入力の1つ以上の特徴をスコアするアナライザ構成要素284(1)への入力である。同様に、光学システムモデル280(2)と280(3)からの出力は、それぞれ、デジタルシステムモデル282(2)と282(3)への入力である。デジタルシステムモデル282(2)と282(3)からの出力は、それぞれ、アナライザ構成要素284(2)と284(3)への入力である。
【0092】
オプティマイザ270は、アナライザ構成要素284(1)、284(2)、284(3)からの出力を処理して、光学システム設計の目標(例えば、目標24)を達成するために、必要であれば、光学システムモデル280とデジタルシステムモデル282のプロパティに変更を作成する。
【0093】
図5の設計最適化プログラム114(または、例えば、図1の設計最適化システム12)の分散処理機能を説明するために、図9は3つのコンピュータシステム例302、304、206を説明する概要図300を示す。コンピュータシステム302、304、306は、イーサネット(登録商標)ネットワークのようなネットワーク(非表示)により接続されている。この例では、コンピュータシステム306は、例えば、図4のオプティマイザ構成要素80を表すことができるオプティマイザ270を含む。
【0094】
コンピュータシステム302は、光学システムモデル280(1)、デジタルシステムモデル282(1)、アナライザ284(1)とともに説明的に示されている。光学システムモデル280(1)は、デジタルシステムモデル282(1)に接続し、デジタルシステムモデル282(1)はアナライザ284(1)に接続する。コンピュータシステム304は、光学システムモデル280(2)、デジタルシステムモデル282(2)、アナライザ284(2)とともに説明的に示されている。光学システムモデル280(2)は、デジタルシステムモデル282(2)に接続し、デジタルシステムモデル282(2)はアナライザ284(2)に接続する。コンピュータシステム306は、光学システムモデル280(3)、デジタルシステムモデル282(3)、アナライザ284(3)とともに説明的に示されている。光学システムモデル280(3)は、デジタルシステムモデル282(3)に接続し、デジタルシステムモデル282(3)はアナライザ284(3)に接続する。アナライザ284は、デジタルシステムモデル282からの入力を処理して、入力情報のスコアを決定する。アナライザ284は、それぞれ、オプティマイザ270に接続して、決定したスコアの情報を送信する。
【0095】
オプティマイザ270は、システム設計の目標(例えば、目標124)を達成するためには光学システムモデル280とデジタルシステムモデル282のプロパティがどのように変更されるべきかを決定するためにこれらのスコアを処理する。
【0096】
概要図300は、3つのコンピュータシステムで同時にモデル化されて最適化されている3つの光学システムを示す。コンピュータシステムの数は多少すると認識されるように、本明細書の範囲を逸脱することなく、光学システムモデル280、デジタルシステムモデル282、アナライザ284、オプティマイザ270を含むことができる。
【0097】
図9の例では、オプティマイザ270は、コンピュータシステム302、304、306間のタスク分散と通信も管理する。代わりの実施例では、コンピュータシステム302、304、306のうち1つ以上が、タスク分散と通信を管理するために、監視または裁定処理を含むことができる。まだ別の実施例では、コンピュータシステム302、304、306のうち1つ以上が、その他のコンピュータシステムにより制御または接続されていないオプティマイザを持つ。しかしながら、アナライザ284は、依然として、システム300内で最適化の全体的な制御のために、オプティマイザ270にスコアを通信することができる。
【0098】
図10は、一実施例に従い、構成要素間の関係や、設計最適化システム(例えば、図2のシステム12(1))で使用されるこれらの構成要素の機能を説明する。光学モデル化構成要素324は、光学システムの光学物体により、光線または光子の伝播をモデル化する。光学モデル化構成要素324は、例えば、光学システムモデル17をモデル化する外部の光学シミュレータ52へのインターフェイスのことがある。代わりに、光学モデル化構成要素324は、光学システムモデル17で直接(つまり、図11に関して以下で説明するように外部の光学シミュレータを使用しない)光学モデル化を実行する設計システム12の構成要素のことがある。
【0099】
光学モデル化構成要素324からの伝播データは、光学撮像モデル化構成要素326に渡すことができる。撮像モデル化構成要素326は、例えば、デジタルシステムモデル18をモデル化する外部のデジタルシミュレータ54とのインターフェイスのことがある。代わりに、撮像モデル化構成要素326は、デジタルシステムモデル18で直接(つまり、図11に関して以下で説明するように外部のデジタルシミュレータを使用しない)デジタルモデル化を実行する設計システム12の信号処理構成要素76および/またはその他の構成要素のことがある。撮像モデル化構成要素326は、例えば、(a)検出器により検出する前の光線伝播、(b)検出器(例えばFPA)または感光性の媒体(例えば、フォトレジスト、フィルム)による検出、(c)検出器または媒体により生成されるデータまたは画像の次の処理をモデル化できる。
【0100】
光学モデル化構成要素324からのデータ(および使用される場合は撮像モデル化構成要素326からのデータ)は、分析構成要素328に渡される。分析構成要素328は、例えば、アナライザ構成要素78を表すことができる。分析構成要素328から分析されたデータは、最適化構成要素322に渡される。最適化構成要素322は、例えば、最適化構成要素80のことがある。最適化構成要素322は、光学システムモデルが最適化されるまで、光学システムモデル(例えば、光学システムモデル16)の変数を変更して、モデル化構成要素324と326、分析構成要素328と最適化構成要素322の繰り返し操作を開始することができる。
【0101】
図11は、図10に示した構成要素の詳細例を説明する。光学モデル化構成要素324は、光学システムモデルかの一定の側面を実行する構成要素を含むことが示されている。例えば、オプションの照明システムモデル化構成要素330は、照明光学の波面データ(光学経路差マップ、口径食コード、内部反射コード、密度マップなど)を計算するために光学伝播をモデル化することができる。物体モデル化構成要素334は、物体(例えば、図2の光学システムモデル17を形成するレンズ、ミラー、フィルター、回折要素やその他の物体による光伝播をモデル化する)。物体モデル化構成要素334または照明システムモデル化構成要素330は、外部の光学シミュレータ(例えば、図4の外部の光学シミュレータ52への外部出力構成要素82)へのインターフェイスであったり、設計最適化システム12のカスタムまたはユーザー定義のモデル化構成要素であったりするので、伝播テンプレート62のような、ツールボックス56の1つ以上の構成要素テンプレートに基くことがある。
【0102】
光学システムモデルの光学設計物体間の光線の伝播は、1つ以上の構成要素によりいくつかのやり方でシミュレーションできる。例えば、ABCD測定基準構成要素336の伝播は、近軸近似により伝播をモデル化できる。ベクトル回折構成要素338は、偏光で複雑な値の波面をモデル化できる(つまり、構成要素338は波面の振幅と位相をモデル化する)。ホイヘンス回折の伝播構成要素340は、個別のポイント光源の伝播をモデル化して結果を論理的に追加する。光線追跡の伝播構成要素342は、三角法の関係をモデル化して、光学システムにより個別の光線を追跡するためにスネルの屈折法則を使用することができる。光学モデル化構成要素324は、伝播モデル化構成要素336、338、340、342の1つ以上を使用することができる。光学モデル化ステップ324の出力は、各光線伝播データを特定の電波モデルに連結する光線伝播データと情報のセットを複数含むことができる。
【0103】
撮像モデル化構成要素326(1)は、電子出力を生成する検出器による撮像をモデル化する。上記のように、光学モデル化構成要素324からの光線伝播データは、撮像モデル化構成要素326(1)が使用できる。図10の実施例では、撮像モデル化構成要素326(1)は、光エネルギーが電子信号に変換される前に、検出システム内で光線伝播をモデル化するオプションの検出伝播モデル化構成要素343を含む(例えば、マイクロレンズ構造、微小空洞、および/または検出器の非反射フィルム内の光線伝播)。
【0104】
検出伝播モデル化構成要素344は、例えば、光検出装置やFPAのような光電子工学構成要素により、光から電子信号への変換をモデル化する。FPAの場合、光はピクセルと呼ばれる離散空間位置で集束する。ピクセルは、可視および/不可視(例えば、赤外線、紫外線)である波長など、一定の波長の光だけをサンプルできる。または、広帯域(つまり、広範囲の波長に感度がある)のこともある。波長の感度作用は検出モデル化構成要素344により実行されるモデル化に含むことができる。構成要素344は、検出器は一定の騒音源を含むことがあるので、騒音モデル化も実行することができる。回路を使用する離散処理(光子の累積を想定するFPAや熱エネルギーの累積を測定するマイクロボロメーターなど)や電子信号への変換の動作は、確率も含む。構成要素344はこの確率もモデル化できる。
【0105】
撮像モデル化構成要素326(1)やその中の構成要素は、1つ以上の種類のデータを受け取ることができ、1つ以上の種類のデータを出力することができる。例えば、撮像モデル化構成要素326(1)は、光学モデル化構成要素324から光線伝播データを受け取り、検出伝播モデル化構成要素343は光線伝播データを検出モデル化構成要素344に渡す。検出モデル化構成要素344は、モデル化されている検出機能に応じて、モデル化されたアナログデータやモデル化されたデジタルデータを出力することができる。
【0106】
また、モデル化されたデータの複数のビューは、撮像モデル化構成要素326(1)内の構成要素間で受け渡すことができ、出力することができる。例えば、モデル化された2次元の波面データの複数平面が存在することがある。2つ以上のこのような平面のグループは、本明細書では「画像スタック」と呼ぶ。画像スタックの各平面は、光学モデル化構成要素324の別の構成を表すが、この構成はモデル化されている光学システムの変形により、または、異なる伝播モデル化構成要素336、338、340、342の使用により設定される。
【0107】
撮像モデル化構成要素326(1)は、その他のオプションの構成要素を含むことができる。例えば、オプションの画像再構成構成要素346は、例えば、人間の視覚化、マシンビジョンまたは機械処理、バーコードの読み取り、光学文字認識または生体認識などの特別なタスクのためにモデル化された画像データを形成する。オプションの画像復号構成要素348は、コード化されたデータを分析328により分析できるデータに変換する。コード化されたデータは、目的を持ってコード化(暗号化システムのように)または生体的にコード化(人間の目の虹彩のように)することができる。オプションの信号処理モデル化構成要素350は、画像データ上で、非線形騒音削減、スケーリング、歪みまたは座標再マッピング、機能検出や分類のような高度な機能など、信号処理作用をモデル化する。
【0108】
光学モデル化構成要素324と撮像モデル化構成要素326(1)のいずれか、または両方は、データを分析構成要素328へ送信できる。撮像モデル化構成要素326(1)から分析構成要素328へ送信されたデータは、モデル化されたアナログおよび/またはデジタルデータ、画像データの統計、および/またはモデル化された画像スタックを含むことができる。光学モデル化構成要素324から分析構成要素328へ送信されたデータは、(a)モデル化されている光学システムのパラメータ、(b)光線伝播データ(例えば、分析構成要素328にも送信される光伝播データ)、(c)光学モデル化構成要素324の構成データ、を含むことができる。構成データは、撮像モデル化構成要素326(1)により提供される画像スタックの平面に対応するそれぞれの構成のデータを含むことができる。
【0109】
分析構成要素328は、光学モデル化構成要素324および/または撮像モデル化構成要素326(1)からのデータを容認して、得たデータの数字を最適化構成要素322に渡す。分析構成要素328は、リトグラフィック処理のウェハーをちょうど上回るエネルギー分布にあるPSFのエッジの鋭さを測定するオプションの空中画像エッジ傾斜構成要素352を含むことができる。エッジが鋭ければ鋭いほど、ウェハーに形成されるパターンの整合性が高い。
【0110】
分析構成要素328は、失敗確率警告を検出確率に比較することにより、復号化アルゴリズムに配置できる確信度を示すオプションのデコーダROC(レシーバー/操作特性)曲線構成要素354も含むことができる。ROC特性は、例えば、画像再構成構成要素346やモデル化構成要素324のことがある画像復号構成要素348の信頼性測定として、最適化構成要素322に与えることができる。
【0111】
分析構成要素328は、受け取った画質の数値的評価を提供するオプションの画質測定基準構成要素356も含むことができる。構成要素356は、例えば、人間の視覚応答に関連する質の測定基準を、一部の波長(色)と空間周波数を軽減し、その他を強調して、計算することができる。また、構成要素356は、例えば、指定の空間周波数やPSFの第一のエアリーディスクの半径のような、画質に影響を与えることがわかっている撮像システムの特性を計算することができる。
【0112】
分析構成要素328は、構成の機能として偏角を記述するオプションの一定反応測定基準構成要素358も含むことができる(構成がここでもオプションのモデル化構成要素324の偏角を意味する場合)。構成要素358で計算できる測定基準は、構成での密度偏角、位相偏角(空間移動)、信号対騒音偏角、収差偏角を含む。分析構成要素328は、構成要素322を最適化するためのスコアデータを作る。スコアデータは、単独のスカラー値、またはオプティマイザーが到達しようとする目標値のベクトルまたは行列のことがある。
【0113】
最適化構成要素322は、システムモデルの変数パラメータに変更を行う(例えば、光学システムモデル17および/またはデジタルシステムモデル18)。最適化構成要素322は、Nelder−Meadの滑降シンプレクス法、遺伝的アルゴリズム、減衰最小二乗法などのアルゴリズムを使用して変更を決定する。最適化構成要素322は、分析構成要素328により、モデル化構成要素324および/または撮像構成要素326により渡されたデータから取得される光学システム設計のメリット表示質の数値を受容する。最適化構成要素322は、システム設計の目標(例えば、目標24)がいつ満たされるかを決定する。
【0114】
図12は、ある実施例に従い、検出器から撮像された物への反射を最低限に抑える光学システムを設計するために設計最適化システムで使用されている構成要素間の関係、これらの構成要素の機能を説明する。FPAの画像平面への物の情報の伝播や撮像をモデル化するために、光学システムモデル化構成要素424が項目対画像モデル化構成要素430を使用して、画像対物モデル化構成要素432がFPAから物へ反射された照明の伝播をモデル化する。構成要素430と432は、システム設計のデータを使用することができる(例えば、構成要素430と432のいずれかは上記のように外部の光学シミュレータ52のことがある、または、カスタムまたはユーザー定義構成要素のことがあり、光学システムモデル17のデータを使用することができる)。物対画像モデル化構成要素430と画像対物モデル化構成要素432は、モデル化データを分析構成要素428に渡す。フィルタ生成構成要素426は、フィルタを形成する。構成要素426は、画像再構成構成要素434も含む。分析構成要素428は、検出された画像を分析する。画質分析構成要素436はフィルタされた(つまり、再構成された)画像を分析し(例えば、フィルタされた画像を測定基準20B(1)に比較することにより)、反射指数分析構成要素438は反射指数を分析する(例えば、反射指数を決定するために、FPAからの反射を表す画像対項目モデル化構成要素432からのデータを分析)。分析構成要素428は、最適化構成要素422のためのメリットデータ(例えばスコア)の数値を形成するために構成要素436と438からのデータを使用する。最適化構成要素422は、システムモデルの変数パラメータ(例えば、光学システムモデル17またはデジタルモデル18のパラメータ)に変更を行い、画質(構成要素430によりモデル化され、構成要素426によりフィルタされて再構成され、構成要素436により分析される)と画像対項目反射(構成要素432によりモデル化され、構成要素438により分析される)がすべて設計目標を満たすまで、変更を続ける。
【0115】
図15は、赤外線監視装置の光学システム設計700の例を示す。システム設計700は、例えば、図4の設計最適化システム12(2)による最適化に適している。光学システム設計700は、レンズ702、開口停止704、検出器708とともに説明的に示される。検出器708は、例えば、非冷却型マイクロボロメータである。検出器708は、ゲルマニウムのカバー板706を含み、FPA709を持つ。ゲルマニウムのカバー板706は、例えば、検出器708のシールと光学窓を形成する。特に、光学システム設計700はレンズ702の表面703に波面符号化を含む。
【0116】
赤外線監視装置は、既知の焦点位置から+/−100μm、画像平面709(軸上の完全に縦方向のフィールド上に表示)の[x=0、y=0]および[x=0、y=0.8]のフィールド角、8μm、10μm、12μmの波長で検出器708を取り付けて操作できる。単独のレンズ設計用の第一の順番のパラメータは、11mm焦点長、F/0.9、名目上の表示フィールド+/−4度、物体距離250メートル、20mm未満の光学総合追跡を含む。
【0117】
光学設計700は、例えば、外部光学シミュレータ52によりシミュレーションできる。この例では、再構成される画像は不要なので、再構成フィルタと画像再構成は利用されない(この例の出力は、光学システム設計700のビューフィールドの「ホットスポット」の存在を含むことである)。しかしながら、最適化中、デジタル処理は、PSFを表す編集上スタックされた数字行列の内積を計算することにより、PSFの指数を計算するために使用されることがある。
【0118】
以下にリストする3つの測定基準の例は、光学システム設計700の最適化中にアナライザ構成要素78内で設定される。認識されるように、システム設計700の最適化は、設計選択に関して、測定基準が多くても少なくても利用することができる
測定基準1 PSFの総合指数
測定基準2 任意のPSFの最低指数
測定基準3 すべてのPSFの指数の分布。
【0119】
測定基準1、測定基準2、測定基準3は、例えば、外部のデジタルシミュレータで実行するために設定されることがある(例えば、図4の外部デジタルシミュレータ54)。この例では、コードサンプルがMATLABによる実行のために含まれる。以下のコードサンプル1測定基準1は、測定基準1のコード例を示す。
【0120】
コードサンプル1測定基準1
【0121】
【数1】

コードサンプル1測定基準1では、PSFの総合指数の指定のセットまたはスタックは、PSFがさまざまな光学構成のPSFであるとき、編集上スタックされたPSFデータの内積を追加することにより決定される。この値は、例えば、オプティマイザ構成要素80への出力のスコアを決定するとき、アナライザ構成要素78により利用される。
【0122】
コードサンプル2測定基準2は、測定基準2のコード例を示す。
【0123】
コードサンプル2測定基準2
【0124】
【数2】

コードサンプル2測定基準2では、PSFの総合指数の指定のセットまたはスタックは、PSFがさまざまな光学構成のPSFであるとき、編集上スタックされたPSFデータの内積の最低を見つけることにより、決定される。この値は、例えば、オプティマイザ構成要素80への出力のスコアを決定するとき、アナライザ構成要素78により利用される。
【0125】
コードサンプル3測定基準3は、測定基準3のコード例を示す。
【0126】
コードサンプル3測定基準3
【0127】
【数3】

コードサンプル3測定基準3では、PSFの総合指数の指定のセットまたはスタックは、PSFがさまざまな光学構成のPSFであるとき、編集上スタックされたPSFデータの内積の分布を計算することにより、決定される。この値は、例えば、オプティマイザ構成要素80への出力のスコアを決定するとき、アナライザ構成要素78により利用される。
【0128】
アナライザ構成要素78は、測定基準1−3の結果を、オプティマイザ構成要素80へ渡す単独のスコアに組み合わせることができる。例えば、スコアを決定するために、アナライザ構成要素78は、各結果に重み、またはスケールを適用することができる。操作者または設計者は、例えば、各結果の重み、アルゴリズム的に決定できる重みを定義することができる。オプティマイザ構成要素80は、その後、光学システム設計700の目標を取得するために表面703のパラメータを調整する。これらの目標は、例えば、高指数、高い最低指数、低分散のことがある。このように、この例では、オプティマイザ構成要素80は、測定基準1からの指数値出力を最高に、測定基準2からの最低PSF指数出力を最高に、測定基準3からのPSF指数出力を最低にしようとする。これらの目標は、最高の信号対騒音比、または、騒音指数が一定のときPSFの内積として定義される信号強度に依存する追跡/検出アルゴリズムに適している。
【0129】
図16は、波面の符号化なしで、図15の光学システム設計700から決定されるスポットダイアグラムの例を示す。各スポットダイアグラムは、それぞれ、−100μm、焦点、+100μmの構成1−3、軸上(スポットダイアグラムの上の列)、軸外(スポットダイアグラムの下の列)全体で記号(「+」=8μm、「x」=10μm、「四角」=12μm)で記されている3つの波長を含む。図17は、焦点の位置にある検出器708による画像平面の正接(T)とサジタル(S)のフィールドポイント、[x=0、y=0]および[x=0、y=0.8]mmの多色(8μm‐12μm波長)回折MTFの例を示す。図18は、焦点から−100μmに位置する検出器708による画像平面の正接(T)とサジタル(S)のフィールドポイント、[x=0、y=0]および[x=0、y=0.8]mmの多色(8μm‐12μm波長)回折MTFの例を示す。図19は、焦点から+100μmに位置する検出器708による画像平面の正接(T)とサジタル(S)のフィールドポイント、[x=0、y=0]および[x=0、y=0.8]mmの多色(8μm‐12μm波長)回折MTFの例を示す。図17から図18では、検出器の取り付けによりMTFが変化することが明らかである。図18では、サジタル(S)フルフィールドMTFはミリメートルあたり10サイクル以下ではナルを有し、ミリメートルあたり10から20の間でゼロに非常に近いままである。
【0130】
図20は、検出器708の+/−100μmの取り付けのために波面符号化なしの光学システム設計700のPSFの例を示す。図20は、図20が検出器708によるサンプリング処理後にデジタルPSFを表示することを除けば、図16と同じである。図20では、PSFの変異は単独のピクセルよりも大きいので、検出器により「見られる」ことが明らかである。そうでなければ、PSFは同じに見える。PSFは、8μm、10μm、12μmで軸上(左半分)であり同じ波長で軸以外(右半分)で検出器708の−100μmの取り付けのために、左から右、上の列である。真中の列は焦点が合う。下の列は+100μmの検出機708の取り付け位置である。
【0131】
図21は、最適化波面符号化のある(つまり、図4の設計最適化システム12(2)による最適過後)、図15の光学システム設計700から決定されたスポットダイアグラムの例を示す。各スポットダイアグラムは、それぞれ、−100μm、焦点、+100μmの構成1−3全体で、および軸上(スポットダイアグラムの上の列)と軸外(スポットダイアグラムのしたの列)で記号(「+」=8μm、「x」=10μミリ、「四角」=12μm)で記された3つの波長を含む。図22は、焦点の位置にある検出器708による画像平面の正接(T)とサジタル(S)フィールドポイント[x=0、y=0]および[x=0、y=0.8]の多色(8μm‐12μmの波長)回折MTFの例を示す。図23は、焦点から−100μmの位置にある検出器708による画像平面の正接(T)とサジタル(S)フィールドポイント[x=0、y=0]および[x=0、y=0.8]の多色(8μm‐12μmの波長)回折MTFの例を示す。図24は、焦点から+100μmの位置にある検出器708による画像平面の正接(T)とサジタル(S)フィールドポイント[x=0、y=0]および[x=0、y=0.8]の多色(8μm‐12μmの波長)回折MTFの例を示す。図22から図24では、MTFは図16から図18よりも検出器の取り付けによる差が少ないことが明らかである。多色MTFは、ミリメートルあたり20サイクル前にはゼロを有することがない。また、MTFは、最適化前、図18に比較してミリメートルあたり10から20サイクルの間でゼロをはるかに上回ったままである。
【0132】
図25は、検出器708の+/−100μmの取り付けのための最適化波面符号化のある光学システム設計700のPSF例を示す。図25では、PSFの偏角は単独のピクセルよりも大きいので、検出器により「見られる」が、コードサンプル1から3により記述される重みメリット機能により測定されるようにPSFは図20よりももっと類似することが明らかである。図25のPSFは、左から右、8μm、10μm、12μmの軸上(左半分)の検出器708の−100μmの上の列と同じ波長の軸外(左半分)である。真中の列は焦点である。下の列は+100μm検出器708の取り付けである。
【0133】
最適化前の表面703の式は以下の通り。
【0134】
【数4】

この例では、最適後、表面703は以下のように定義できる。
【0135】
【数5】

本明細書の範囲を逸脱することなく、上記の方法とシステムに変更を行うことができる。このように、上記説明に含まれる内容、または添付の図面に表示される内容は、説明するためであって限定するものではないことに留意されたい。以下の請求は、本明細書で説明したすべての一般的および特別な機能とともに、本方法とシステムの範囲のすべての明細に及ぶことを意図するものであり、表現上の問題としてはこの間に収まると言える。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】光学システム設計を最適化するためのシステム実施例を示す。
【図2】光学システム設計およびデジタルシステム設計を最適化するためのシステム実施例を示す。
【図3】構成要素のワークスペース操作を説明する。
【図4】光学システム設計およびデジタルシステム設計を最適化するために構成要素を使用するシステム実施例を示す。
【図5】位相変調光学を有する光学システム設計を最適化するためのシステム実施例を示す。
【図6】位相変調光学によりデジタルシステムモデルおよび光学システムモデルを最適化するための処理実施例を説明するフローチャートである。
【図7】位相変調光学によりデジタルシステムモデルおよび光学システムモデルを最適化するための処理実施例を説明するフローチャートである。
【図8】一実施例に従い、光学およびデジタルシステム設計の並列最適化を説明する概略図である。
【図9】一実施例に従い、光学およびデジタルシステム設計の分散最適化を説明する概略図である。
【図10】一実施例に従い、光学およびデジタルシステム設計を最適化するための構成要素間の関係例を説明する。
【図11】一実施例に従い、図10の関係の詳細例を示す。
【図12】反射防止システム用の設計方法論の例を説明する操作図である。
【図13】一実施例における1つの設計最適化システムの操作を説明するコンピュータ画面の表示を示す。
【図14】図13の設計最適化システムの操作後のコンピュータ画面表示を示す。
【図15】赤外線探求装置用光学システム設計例を示す。
【図16】波面符号化なしで、図15の光学システム設計から決定されたスポットダイアグラム例を示す。
【図17】波面符号化なしで、図15の光学システム設計用に最も焦点の合う位置にある検出器により画像平面内の正接およびサジタルのフィールドポイントのための多色回折MTF例を示す。
【図18】波面符号化なしで、図15の光学システム設計用に焦点から−100μmに位置する検出器により画像平面内の正接およびサジタルのフィールドポイントのための多色回折MTF例を示す。
【図19】波面符号化なしで、図15の光学システム設計用に焦点から+100μmに位置する検出器により画像平面内の正接およびサジタルのフィールドポイントのための多色回折MTF例を示す。
【図20】波面符号化なしで、検出器の+/−100μmの取り付け用、図15の光学システム設計のためのPSF例を示す。
【図21】最適化された波面符号化を備える図15の光学システム設計から決定されたスポットダイアグラムの例を示す。
【図22】最適化された波面符号化を備える図15の光学システム設計用に、焦点位置にある検出器により画像平面内の正接およびサジタルのフィールドポイント用多色回折MTFの例を示す。
【図23】最適化された波面符号化を備える図15の光学システム設計用に、焦点から−100μmに位置する検出器により画像平面内の正接およびサジタルのフィールドポイント用多色回折MTFの例を示す。
【図24】最適化された波面符号化を備える図15の光学システム設計用に、焦点から+100μmに位置する検出器により画像平面内の正接およびサジタルのフィールドポイント用多色回折MTFの例を示す。
【図25】検出器の+/−100μmの取り付け用に最適化された波面符号化を備える図15の光学システム設計用PSFの例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが読み取り可能な媒体上に保管された命令を備えるソフトウェア製品であって、前記命令はコンピュータにより実行されると、光学システム設計とデジタルシステム設計を最適化するためのステップを実行し、前記命令は、スコアを作り出すために、
前記光学システム設計の光学モデルをシミュレーションするための命令と、
前記デジタルシステム設計のデジタルモデルをシミュレーションするための命令と、
前記光学モデルのシミュレーションされた出力と前記デジタルモデルのシミュレーションされた出力を分析するための命令と、
前記スコアに基き前記光学モデルおよびデジタルモデルを変更するための命令と
を備えているソフトウェア製品。
【請求項2】
前記シミュレーションするための命令、前記分析するための命令、および前記変更するための命令は、前記光学およびデジタルシステム設計の目標が達成されるまで再実行される、請求項1に記載のソフトウェア製品。
【請求項3】
前記光学モデルをシミュレーションするための前記命令は、外部の光学シミュレータを操作するための命令を備えている、請求項1に記載のソフトウェア製品。
【請求項4】
前記デジタルモデルをシミュレーションするための前記命令は、外部のデジタルシミュレータを操作するための命令を備えている、請求項1に記載のソフトウェア製品。
【請求項5】
外部のシミュレータから、(a)前記光学モデルをシミュレーションするための前記命令、(b)前記デジタルモデルをシミュレーションするための命令、(c)前記分析するための命令、および(d)前記変更するための命令、のうち1つ以上の実行を開始するための命令をさらに備えている、請求項1に記載のソフトウェア製品。
【請求項6】
前記分析するための命令は、前記スコアを作り出すために、前記光学およびデジタルモデルのシミュレーションされた出力を分析するために外部の光学シミュレータおよび外部のデジタルシミュレータを操作するための命令を備えている、請求項1に記載のソフトウェア製品。
【請求項7】
前記分析するための命令は、1つ以上の結果を作り出すために、目標により定義された1つ以上の測定基準に対して前記光学モデルおよびデジタルモデルのシミュレーションされた出力を比較するための命令を備え、さらに、前記スコアを作り出すために前記結果を処理するための命令を備えている、請求項1に記載のソフトウェア製品。
【請求項8】
前記処理のための命令は、前記結果のそれぞれにスカラー、線形、非線形、連続、非連続関数またはアルゴリズムの1つで重みをつけるための命令を備えている、請求項7に記載のソフトウェア製品。
【請求項9】
グラフィカルユーザーインターフェイス内で構成要素を実装するための命令をさらに備え、前記構成要素は光学モデルをシミュレーションするための前記命令の実行を制御する、請求項1に記載のソフトウェア製品。
【請求項10】
グラフィカルユーザーインターフェイス内で構成要素を実装するための命令をさらに備え、前記構成要素はデジタルモデルをシミュレーションするための前記命令の実行を制御する、請求項1に記載のソフトウェア製品。
【請求項11】
グラフィカルユーザーインターフェイス内で構成要素を実装するための命令をさらに備え、前記構成要素は前記分析するための命令の実行を制御する、請求項1に記載のソフトウェア製品。
【請求項12】
グラフィカルユーザーインターフェイス内で構成要素を実装するための命令をさらに備え、前記構成要素は前記変更するための命令の実行を制御する、請求項1に記載のソフトウェア製品。
【請求項13】
グラフィカルユーザーインターフェイス内で複数の構成要素を実装するための命令をさらに備え、前記構成要素は、(a)光学モデルをシミュレーションするための前記命令、(b)デジタルモデルをシミュレーションするための前記命令、(c)前記分析するための命令、および(d)前記変更するための命令、の実行を制御し、さらに、構成要素間でデータを選択的に共有するための命令を備える、請求項1に記載のソフトウェア製品。
【請求項14】
ツールボックスに複数のテンプレートの構成要素を形成するための命令と、前記テンプレートの構成要素から前記構成要素を生成するための命令とをさらに備える、請求項13に記載のソフトウェア製品。
【請求項15】
前記構成要素をプログラムで作成するための命令をさらに備える、請求項13に記載のソフトウェア製品。
【請求項16】
構成要素を作成または変更するための構成要素エディタを実装するための命令をさらに備える、請求項13に記載のソフトウェア製品。
【請求項17】
実行するために、分散処理システム上で1つ以上の構成要素を分散するための命令をさらに備える、請求項13に記載のソフトウェア製品。
【請求項18】
前記構成要素の1つ以上の特性を特定するための命令をさらに備える、請求項13に記載のソフトウェア製品。
【請求項19】
一部の特性を変数、ピックアップ、固定、またはアルゴリズムとして指定するための命令をさらに備える、請求項18に記載のソフトウェア製品。
【請求項20】
前記変更するための命令は、前記光学モデルと前記デジタルモデルのうち1つまたは両方を変更するために、変数特性を変更するための命令を備える、請求項19に記載のソフトウェア製品。
【請求項21】
構成要素間でデータ共有を特定するために、前記構成要素でピンを実装するための命令をさらに備える、請求項13に記載のソフトウェア製品。
【請求項22】
前記変更するための命令は、収差を合わせるための命令をさらに備える、請求項1に記載のソフトウェア製品。
【請求項23】
前記変更するための命令は、前記光学モデル内で位相光学を実装するための命令をさらに備える、請求項1に記載のソフトウェア製品。
【請求項24】
前記変更するための命令は、さらに、前記位相光学により生じた影響を復号するために、前記デジタルモデル内にフィルタを実装するための命令を備える、請求項23に記載のソフトウェア製品。
【請求項25】
前記変更するための命令は、特別のレチクルを実装するための命令をさらに備える、請求項1に記載のソフトウェア製品。
【請求項26】
前記変更するための命令は、前記スコアと前記光学およびデジタルモデルの以前の変更に基き、前記光学モデルおよび前記デジタルモデルを変更するための命令を備える、請求項1に記載のソフトウェア製品。
【請求項27】
前記光学システム設計およびデジタルシステム設計のうち1つ以上の目標を特定するための命令をさらに備える、請求項1に記載のソフトウェア製品。
【請求項28】
前記目標は、(a)前記光学モデルにより形成された画質、(b)前記光学およびデジタルモデルからの出力のタスクベースのユーティリティ、(c)前記光学およびデジタルシステム設計の実装費用、(d)前記光学およびデジタルシステム設計の前記実装のサイズ、(e)前記光学およびデジタルシステム設計の低電力消費、の1つ以上を備える、請求項27に記載のソフトウェア製品。
【請求項29】
前記分析するための命令は、前記スコアを作り出すために、前記光学モデルのシミュレーションされた出力を分析するために外部の光学シミュレータを制御するための命令を備える、請求項1に記載のソフトウェア製品。
【請求項30】
前記分析するための命令は、前記スコアを作り出すために、前記光学モデルのシミュレーションされた出力を分析するために外部のデジタルシミュレータを制御するための命令を備える、請求項1に記載のソフトウェア製品。
【請求項31】
前記光学およびデジタルモデルから画像および他の情報を表示するための命令をさらに備える、請求項1に記載のソフトウェア製品。
【請求項32】
最適化された光学およびデジタルモデルの予想能力を出力するための命令をさらに備える、請求項1に記載のソフトウェア製品。
【請求項33】
前記変更するための命令は、前記光学およびデジタルモデルのうち1つまたは両方を変更するために、外部の光学シミュレータと外部のデジタルシミュレータを操作するための命令を備える、請求項1に記載のソフトウェア製品。
【請求項34】
コンピュータが読み取り可能な媒体上に保管された命令を備えるソフトウェア製品であって、コンピュータにより実行されると、前記命令は波面符号化により光学システムを最適化するためのステップを実行し、前記命令は、
前記光学システム設計の光学モデルをシミュレーションするための命令と、
スコアを作り出すために前記光学モデルのシミュレーションされた出力を分析するための命令と、
前記スコアに基き前記光学モデル内で位相変更光学を実装するなど、前記光学モデルを変更するための命令と
を備えるソフトウェア製品。
【請求項35】
前記シミュレーションするための命令、前記分析するための命令、および前記変更するための命令は、前記光学システム設計の目標が達成されるまで再実行する、請求項34に記載のソフトウェア製品。
【請求項36】
前記光学モデルをシミュレーションするための前記命令は、外部の光学シミュレータを操作するための命令を備える、請求項34に記載のソフトウェア製品。
【請求項37】
外部シミュレータから、(a)前記シミュレーションするための命令、(b)前記分析するための命令、および(c)前記変更するための命令のうち1つ以上の実行を開始するための命令をさらに備える、請求項34に記載のソフトウェア製品。
【請求項38】
前記分析するための命令は、前記スコアを作り出すために、前記光学モデルのシミュレーションされた出力を分析するために外部の光学シミュレータを操作するための命令を備える、請求項34に記載のソフトウェア製品。
【請求項39】
前記分析するための命令は、1つ以上の結果を作り出すために、目標により定義される1つ以上の測定基準に対して前記光学モデルのシミュレーションされた出力を比較するための命令を備え、さらに、前記スコアを作り出すために前記結果を処理するための命令を備える、請求項34に記載のソフトウェア製品。
【請求項40】
前記処理するための命令は、それぞれの結果をスカラー、線形、非線形、連続、非連続関数またはアルゴリズムの1つで重みをつけるための命令を備える、請求項39に記載のソフトウェア製品。
【請求項41】
グラフィカルユーザーインターフェイス内に構成要素を実装するための命令をさらに備え、前記構成要素は光学モデルをシミュレーションするための前記命令の実行を制御する、請求項34に記載のソフトウェア製品。
【請求項42】
グラフィカルユーザーインターフェイス内に構成要素を実装するための命令をさらに備え、前記構成要素は前記分析するための命令の実行を制御する、請求項34に記載のソフトウェア製品。
【請求項43】
グラフィカルユーザーインターフェイス内に構成要素を実装するための命令をさらに備え、前記構成要素は前記変更するための命令の実行を制御する、請求項34に記載のソフトウェア製品。
【請求項44】
グラフィカルユーザーインターフェイス内に複数の構成要素を実装するための命令をさらに備え、前記構成要素は、(a)前記光学モデルをシミュレーションするための前記命令、(b)前記分析するための命令、(c)前記変更するための命令、の実行を制御し、さらに、構成要素間でデータを選択的に共有するための命令を備える、請求項34に記載のソフトウェア製品。
【請求項45】
構成要素間で共有するデータを特定するために、前記構成要素でピンを実装するための命令をさらに備える、請求項44に記載のソフトウェア製品。
【請求項46】
ツールボックスに複数のテンプレート構成要素を形成するための命令、および前記テンプレート構成要素から前記構成要素を生成するための命令をさらに備える、請求項44に記載のソフトウェア製品。
【請求項47】
前記構成要素をプログラムで作成するための命令をさらに備える、請求項44に記載のソフトウェア製品。
【請求項48】
構成要素を作成または変更するための構成要素のエディタを実装するための命令をさらに備える、請求項44に記載のソフトウェア製品。
【請求項49】
実行するために、分散処理システムで1つ以上の構成要素を分散するための命令をさらに備える、請求項44に記載のソフトウェア製品。
【請求項50】
前記構成要素の1つ以上の特性を特定するための命令をさらに備える、請求項44に記載のソフトウェア製品。
【請求項51】
一部の特性を、変数、ピックアップ、固定、またはアルゴリズムとして指定するための命令をさらに備える、請求項50に記載のソフトウェア製品。
【請求項52】
前記変更するための命令は、前記光学モデルを変更するために変数特性を変更するための命令を備える、請求項51に記載のソフトウェア製品。
【請求項53】
前記変更するための命令は収差を合わせるための命令を備える、請求項34に記載のソフトウェア製品。
【請求項54】
前記変更するための命令は特別のレチクルを実装するための命令を備える、請求項34に記載のソフトウェア製品。
【請求項55】
前記変更するための命令は、前記スコアと前記光学モデルの以前の変更に基き、前記光学モデルを変更するための命令を備える、請求項34に記載のソフトウェア製品。
【請求項56】
前記分析するための命令は、前記スコアを作り出すために、前記光学モデルのシミュレーションされた出力を分析するために外部の光学シミュレータを制御するための命令を備える、請求項34に記載のソフトウェア製品。
【請求項57】
画像と前記光学モデルのその他の情報を表示するための命令をさらに備える、請求項34に記載のソフトウェア製品。
【請求項58】
前記最適化された光学モデルの予想能力を出力するための命令をさらに備える、請求項34に記載のソフトウェア製品。
【請求項59】
前記光学システム設計の目標を特定するための命令をさらに備える、請求項34に記載のソフトウェア製品。
【請求項60】
前記目標は、(a)前記光学モデルにより形成される画質、(b)前記光学モデルからの出力のタスクベースのユーティリティ、(c)前記光学システム設計の実装費用、(d)前記光学システム設計の前記実装のサイズ、および(e)前記光学システム設計の低電力消費、のうち1つ以上を備える、請求項59に記載のソフトウェア製品。
【請求項61】
前記変更するための命令は、前記光学モデルを変更するために外部の光学シミュレータを操作するための命令を備える、請求項34に記載のソフトウェア製品。
【請求項62】
光学およびデジタルシステム設計を最適化するための方法であって、前記光学システム設計の光学モデルを生成するステップと、
前記デジタルシステム設計のデジタルモデルを生成するステップと、スコアを作り出すために、前記光学およびデジタルモデルのシミュレーションされた出力を分析するステップと、
前記シミュレーションされた出力が1つ以上の目標を達成するかどうかを決定するために前記スコアを処理するステップと、
前記目標が達成されていない場合、前記光学モデルと前記デジタルモデルのうち少なくとも1つ以上の特性を変更するステップと、
前記目標が達成されるまで分析、処理、変更を繰り返すステップと、
前記光学およびデジタルモデルから最適化された光学システム設計および最適化されたデジタルシステム設計を生成するステップと
を備える方法。
【請求項63】
前記目標を特定するステップをさらに備える、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記光学モデルを生成する前記ステップは、テンプレートから作成された構成要素を使用する前記光学モデルを定義するためにグラフィカルユーザーインターフェイスと相互作用するステップを備える、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
前記デジタルモデルを生成する前記ステップは、テンプレートから作成された構成要素を使用する前記デジタルモデルを定義するためにグラフィカルユーザーインターフェイスと相互作用するステップを備える、請求項62に記載の方法。
【請求項66】
前記変更ステップは前記構成要素の1つ以上の変数特性を変更するステップを備える、請求項62に記載の方法。
【請求項67】
前記変更ステップは前記光学モデル内に位相光学を実装するステップを備える、請求項62に記載の方法。
【請求項68】
前記目標は、(a)前記光学モデルにより形成される画質、(b)前記デジタルモデルにより形成される画質、(c)前記光学およびデジタルモデルからの出力のタスクベースのユーティリティ、(d)前記光学およびデジタルシステム設計の実装費用、(e)前記光学およびデジタルシステム設計の前記実装のサイズ、(f)前記光学およびデジタルシステム設計の低電力消費、のうち1つ以上を備える、請求項62に記載の方法。
【請求項69】
光学およびデジタルシステム設計を最適化するためのシステムであって、
前記光学システム設計の光学モデルと、
前記デジタルシステム設計のデジタルモデルと、
前記光学モデルをシミュレーションするための光学シミュレータと、
前記デジタルモデルをシミュレーションするためのデジタルシミュレータと、
スコアを生成するために、前記光学およびデジタルモデルのシミュレーションされた出力を分析するためのアナライザと、
前記スコアに基き前記光学およびデジタルモデルを変更するためのオプティマイザと
を備えるシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公表番号】特表2007−513427(P2007−513427A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542707(P2006−542707)
【出願日】平成16年12月1日(2004.12.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/040218
【国際公開番号】WO2005/054927
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(505361451)シーディーエム オプティックス, インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】