説明

光学シート、バックライトユニットおよびディスプレイ装置

【課題】優れた光の集光・拡散特性及び干渉縞を発生させ難い構造を併せ持ち、光出射面上に別の光学シートを積層させた際においても、光学シート自体の反りやねじれ等の変形による傷付防止効果を有する光学シートを提供する。
【解決手段】光学シート10は、光出射面10bに略半球状のマイクロレンズ31とプリズムレンズ19を設け、プリズムレンズ19頂部に沿った断面におけるマイクロレンズの断面高さhを高さH1を上限とする範囲でランダムに変化させる構造とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光路制御に用いられる光学シート、そして、この光学シートを備えたバックライトユニットおよびディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルを利用した液晶表示装置が、携帯電話や個人用携帯情報端末、パーソナルコンピュータ用ディスプレイ等の画像表示手段だけでなく、家電製品としてのテレビにも幅広く普及してきている。このような現状において、液晶表示装置は、これまでのCRT(カソード・レイ・チューブ)テレビでは困難であった大型画面対応の情報家電の画像表示装置としても一般家庭に広まってきている。さらには、液晶表示装置の利点をより活用させるために、大型化だけでなく、高輝度化、薄型・軽量化に対応した製品も非常に早いスピードで市場に供給されている。
【0003】
このような液晶表示装置は装置内部に光源を内蔵していることが多く、画像を表示するために必要な明るさを確保するべく、液晶パネルの背面側に光源を含めたバックライトユニットを配置している。このバックライトユニットに採用されている光源手段としては、大別して、冷陰極管やライト・エミッティング・ダイオード(LED)に代表される光源を液晶表示装置の側面側に配置させ、光透過性に優れた平板状の導光板内で多重反射させる「導光板ライトガイド方式」(いわゆる、エッジライト方式)と、画像表示素子及び液晶表示装置の背面側に対向して冷陰極管やLEDなどの複数の光源が配設され、両者の間に光散乱性の強い拡散板及び光学フィルムを配置して冷陰極管やLEDなどの光源が直接視認されないような構成を備えた「直下型方式」との二つが採用されている。
【0004】
近年の液晶表示装置においては、地球環境問題対策の一環である、消費エネルギーを低減させることを目的とする消費電力抑制が大きな課題となってきている。液晶表示装置の場合、光源となるバックライトの消費電力が最も大きく、このバックライトの消費電力を抑制する取組みが幅広い分野で行われてきている。この取組みの一つとして、光源である冷陰極管の本数を低減させて消費電力を低く抑える試みが行われており、その消費電力低減の効果は社会に広く認められつつある。しかしながら、冷陰極管の本数を減らすことは光源の明暗である輝度ムラ(ランプイメージ)を強めることになり、これまでの拡散板及び光学シートの組合せでは完全にランプイメージを消すことは困難となってきている。ランプイメージを消すために拡散板内部の拡散粒子を増やすと、拡散板の光線透過率を下げることになり、画像観察に必要な輝度を得ることが出来なくなる。この場合、光源である冷陰極管からの光を強くすることで必要とされる輝度は得られるが、光を強くすることは消費電力低減の効果が大幅に低下するといった問題が発生する。
【0005】
また、消費電力が低いと言われているLEDを光源とする場合においても、光源を液晶表示装置の背面側に配置する直下型方式や液晶表示装置の側面側に配置するエッジライト型方式の構成が採用されており、従来よりもコントラスト比を向上させた製品が市場に投入されつつある。しかし、まだLED光源周囲の発熱や必要とされる輝度が得られていない等の課題が残されている。そのため、発熱を抑えて消費電力を下げるには、点光源であるLEDの数を減らすことが要求されているが、上述したように必要な輝度が得られない、光源の明暗である輝度ムラ(ランプイメージ)が強くなる、ディスプレイ内部の温度環境による光学シートの変形に起因する明暗ムラ等の課題を解決する必要がある。現状においては、これらの課題を解消する取組みとして、液晶表示装置に用いられている拡散板、導光板及び集光、拡散、偏光機能を有する光学シートのそれぞれの性能を向上させると共に、これらを複数組合せて使用することで、必要とされる輝度の確保や、ランプイメージや輝度ムラの低減が図られている。
【0006】
上述した光学シートにおいては、従来、光源の光の利用効率を高める手法として、バックライトユニットからの拡散光を光学シートによって集光して正面輝度を向上させる方式がとられており、特に、米国3M社の登録商標である「BEF」(Brightness Enhancement Film;輝度強調フィルム)が光学シートとして広く使用されている。BEFは、透明基材の上面に断面が三角形状の単位プリズムを一方向に一定のピッチで配列させたシートであり、軸外(off−axis)からの光を集光し、この光を視聴者に向けて軸上(on−axis)に方向転換し、またはリサイクルすることにより、基材の平坦面から入射した光がプリズム面から射出する際、正面方向に光を集める効果をもち、正面方向の輝度を向上させることが可能になる。
【0007】
液晶表示装置に用いられるBEF等の光学シートには、光の利用効率の向上による輝度向上だけでなく、光源のムラの除去、ディスプレイの視域の確保、ディスプレイの剛性の維持などの様々な機能が要求されている。この光学シートは、所望の光学特性を実現させるために、拡散板の光進行方向前方側(液晶パネル側)に複数積層されることが多い。しかしながら、BEFを光学シートとして用いる場合、BEFの垂直方向の光をプリズム平面部で屈折させて法線方向に出射させるため、水平方向の視野角に対し垂直方向の視野角が非常に狭くなる欠点があった。しかも、BEFはプリズム頂部が尖っているため、プリズムの頂部側に配置される光学シートや機能性を有するシート部材あるいは液晶パネルに接触する際に傷が発生しやすいという欠点を有していた。
【0008】
これらの欠点を補い、同等の光学特性や環境特性を維持しながら、使用する光学シートの枚数を減らす試みがなされている。例えば特許文献1には、幾何学構造体であるプリズムレンズ内に拡散性微粒子を分散させることによりプリズムの集光機能に拡散機能を付与する手法が開示されている。
また特許文献2では、マイクロレンズを基材上にランダムに配置することで、背面から入射した光をマイクロレンズで集光させて前方に出射させ、従来よりも少ない枚数の光学シートで同等の光学性能を達成する手段などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平10−246805号公報
【特許文献2】特開2006−301528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に記載された光学シートは、集光機能に加えて拡散機能を有している反面、プリズム内に拡散性微粒子を分散させているため、正面に集めた光が拡散性微粒子によって再び拡散することになり、正面方向への光量が少なくなる。また、レンズの特定の角度における屈折や反射によるギラツキが視認されるという問題が残っている。さらには、プリズム先端が尖っているため、上部に配置される光学シートまたは機能性を有する光学部材の裏面、或いは液晶パネルとの接触による傷が発生し易く、接触や摩擦によって異物が発生するという問題も抱えている。特に積層されて用いられる光学シートまたは光を拡散、集光、偏光、変色等に代表される機能性を有する光学部材は、液晶表示装置に配置される際、その四辺を装置の枠に固定して用いられることもあるが、装置内部で完全に動くことなく固定されてはいない。そのため、液晶表示装置の搬送または移動時の振動により、他の光学シートまたは機能性を有する光学部材と接触し、擦れて傷が付くおそれがある。
【0011】
また、液晶表示装置を駆動させる際には、光源からの発熱により光学シートや機能性を有する光学部材が暖められ、その結果、各部材を構成する材料固有の物性に依存する伸縮が面内で発生して寸法の変化や撓みが生じるため、他の光学シートや機能性を有する光学部材と接触することで擦れて傷が付くことも起こり得る。耐擦傷性を向上させて異物の発生を防止する対策として、プリズム頂部を丸くすることが考えられるが、プリズム頂部を丸くカットする幅と正面輝度とは反比例の関係にあるため、所望の耐擦傷性を達成するには正面輝度の低下を招くことにつながる。
【0012】
一方、特許文献2に記載の光学シートは半球状のレンズを有することから、積層されて用いられる光学シートまたは機能性を有する光学部材と接触しても、丸みを帯びた構造上、接触による摩擦が生じても滑りがよいために傷が付き難い特徴を有している。しかしながら、隣接するマイクロレンズ間に隙間が生じることから、マイクロレンズ内を通ってマイクロレンズと空気層界面で屈折、散乱されて正面に集光される光と、隣接するマイクロレンズ間にできる隙間から屈折、散乱されずに出射される光とが発生し、これらの光の輝度差から輝点や輝線が視認されてしまうという問題を抱えている。
【0013】
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、半球状のマイクロレンズと幾何学構造体の優れた光の集光・拡散特性及び干渉縞を発生させ難い構造を併せ持ち、光出射面上に別の光学シートを積層させた際においても、光学シート自体の反りやねじれ等の変形による傷付防止効果を有する光学シートを提供することを目的としている。さらには、この光学シートを用いたバックライトユニット、及びディスプレイ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、光を出射する光出射面に、互いに離隔して配置された複数のマイクロレンズと、一方向に向けて延在する幾何学形状が上記延在方向に交差する方向に複数配列してなる幾何学構造体とが形成された光学シートにおいて、上記幾何学構造体よりも光出射方向に突出したマイクロレンズの略半円形状部分の突出高さは、少なくとも一部の上記略半円形状部分が、他の半円形状部分と異なることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、傷が付き難い構造の略半球形状のマイクロレンズが、異なる高さで幾何学構造体の頂部より突出して設けられることで幾何学構造体を接触による摩擦傷から保護すると同時に、マイクロレンズの配置の規則性を無くし、他の光学シート、または画像表示素子が有する規則性のある構造体との干渉によるモアレの発生を抑制することが可能となる。
【0016】
また、請求項2に記載した発明は、光を出射する光出射面に、互いに離隔し且つ不規則に配置された複数のマイクロレンズと、一方向に向けて延在する幾何学形状が上記延在方向に交差する方向に複数配列してなる幾何学構造体とが形成された光学シートにおいて、上記複数のマイクロレンズの高さは、70μm以下20μm以上の範囲に設定され、このマイクロレンズの高さの最大高さと最小高さの比は、1.2以上1.8以下の範囲内にあり、かつマイクロレンズの最小高さが幾何学構造体よりも高いことを特徴とする。
【0017】
「上記複数のマイクロレンズの高さは、70μm以下20μm以上の範囲に設定され、このマイクロレンズの高さの最大高さと最小高さの比は、1.2より大きく且つ1.8未満の範囲内にあり」ということは、マイクロレンズを形成する工法及びその条件を整合させることにより可能となるものであり、略半球形状のマイクロレンズの高さを上記の範囲内で変動させることで、本発明によれば、積層される光学シートあるいは本発明の光学シート自身の反りやねじれ等の変形に追随することが可能となり、幾何学構造体を接触による摩擦傷から保護すると同時に、積層される光学シート面とマイクロレンズの接触箇所を限定させることがなくなるために、部分的にマイクロレンズが傷付くことも防ぐことが可能となる。さらには、略半球形状マイクロレンズと幾何学構造体の優れた光学特性を併せ持つ光学シートを提供することも可能となる。
【0018】
マイクロレンズの最大高さが70μmより高い場合は、それにともないマイクロレンズの直径も大きくなり、外観上マイクロレンズ自体が目視され易くなるために好ましくない。また、最小高さが20μm未満となる場合、略半球形状を形成することが困難となることから好ましくない。また、このマイクロレンズ高さの最大高さと最小高さの比が1.2未満の場合、積層される光学シートあるいは本発明の光学シート自身の反りやねじれ等の変形により、常に同じ箇所が接することが生じ、その部位が限定されて傷つくことが起こり好ましくない。また、最大高さと最小高さの比が1.8より大きい場合は、マイクロレンズの集光と拡散による特性の差が顕著に現われて光出射面内において輝度ムラが生じることが起こり得る。さらには、形状及びサイズによる差も大きくなることから、光出射面内の外観においても形状及びサイズに起因するムラが目視されるために好ましくない。
【0019】
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1又は請求項2に記載した構成に対し、 上記マイクロレンズの光出射面全体に占める面積率は、1%以上10%以下の範囲であることを特徴とする。
面積率が1%未満の場合は、必要とするマイクロレンズの傷付防止効果が得られなくなる、10%より大きい場合は、幾何学構造体の集光による正面輝度向上効果が低下して、必要とされる輝度が発揮されない。略半球形状のマイクロレンズの面積率を規定することで、マイクロレンズが有する傷付防止効果、及び視野角を拡げる効果と、幾何学構造体を有する輝度向上効果を制御することが可能となり、高い耐擦傷性と優れた光学特性の両立が可能な光学シートを提供することが可能となる。
【0020】
次に、請求項4に記載した発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した構成に対し、上記マイクロレンズの高さH1は、幾何学構造体の高さH2の1.2倍以上6倍以下の範囲内であることを特徴とする。
これは、1.2倍未満である場合は必要とされる光学シートの変形に対する耐擦傷性が確保できなくなり、6倍より大きい場合はマイクロレンズのサイズが大きくなり過ぎて、光出射面上で目視されることによる外観不良を引起こすことがあるためである。マイクロレンズの断面高さhを上述した範囲に設定することで、必要な耐擦傷性と良好な外観を得ることが可能となる。
【0021】
次に、請求項5に記載した発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した構成に対し、光出射面とは反対面である光入射面側に、略半球形状の構造をランダムな配置で設けると同時に、その光入射面面に微細な凹凸を付与することを特徴とする。
光学シートの光入射面に設けられた略半球形状構造によって頂部のみが拡散板または導光板等の光学部材に接触することから、光学シートと光学部材が相対的に振動や擦れ等を生じたとしても突起部の滑らかな頂部のみが接触して擦れるために摩擦傷が付きにくく高い耐擦傷性を有する。また、略半球状の構造によって隙間が生じることから、密着によって生じるニュートンリング等の干渉むらの発生を抑えると同時に、光入射面側に略半球形状の構造と微細な凹凸を付与することで、光入射面側の拡散板あるいは他の光学シートの光出射面側との接触や擦れによる傷の発生を防ぎ、光出射面側の表面に微細な凹凸形状を付与することで光の拡散機能を高め、視野角の拡大及び光源側にある導光板のパターンを隠蔽する効果性を向上させることが可能となる。
【0022】
次に、請求項6に記載した発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した構成に対し、光入射面に形成された略半球形状の構造が光入射面全体に占める面積率は、1%以上10%以下の範囲内であることを特徴とする。
これは、1%未満である場合は、密着によって生じるニュートンリング等の干渉むらの発生を抑えることが困難となるからであり、10%を越える場合は、本発明の光学シートが有する正面輝度を低下させるために好ましくない。光入射面に対する略半球形状構造の面積率を制御することにより、必要とされる耐擦傷性を発揮すると同時に、輝度の低下を抑制することができる。
【0023】
次に、請求項7に記載した発明は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載した構成に対し、光入射面の凹凸面部に形成された微細な凹凸は、粗さがRz(十点平均粗さ)において0.5μm以上5.0μm以下の範囲内であることを特徴とする。
微細な凹凸の粗さRzが0.5μm未満である場合は拡散性や隠蔽性が不十分であり、5.0μmより大きい場合は拡散性能が強くなり過ぎて、本発明の光学シートが有する正面輝度を低下させるために好ましくない。光入射面における凹凸面部の凹凸が上述した範囲内の粗さを有することで、必要とされる拡散性と隠蔽性を発揮すると同時に、凹凸面部の凹凸形状に起因する輝度の低下を抑制することができる。
【0024】
次に、請求項8に記載した発明は、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載された構成に対し、上記幾何学構造体を構成する幾何学形状は、頂角を80°以上100°以下の範囲とする断面三角形のプリズムレンズであることを特徴とする。
これは、頂角が80°以上100°以下の範囲内である断面三角形のプリズムレンズが、最も高い正面輝度を示すからである。
【0025】
次に、請求項9に記載した発明は、光源と、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載した光学シートと、該光学シートの光入射面側に配設された光学部材とを備えたことを特徴とするバックライトユニットを提供するものである。
本発明によるバックライトユニットによれば、光源と拡散板あるいは導光板、上述したいずれかに記載された光学シート、あるいは該光学シートと他の光学シートを備えたことを特徴とする。本発明の光学シートをバックライトユニットに備えることで、光源からの光を輝度、視野角、隠蔽性に優れた光に変換させ、画像表示素子に出射することが可能となる。
【0026】
次に、請求項10に記載した発明は、請求項9に記載されたバックライトユニットと、該バックライトから出射する光を画素単位で透過または遮光して画像を表示する画像表示素子とを備えたことを特徴とするディスプレイ装置を提供する者である。
本発明によるディスプレイ装置は、上述したバックライトユニットと、バックライトから出射する光を画素単位で透過または遮光して画像を表示する画像表示素子とを備えたことを特徴とする。本発明の光学シートを備えることで、光源のランプイメージや輝度ムラ、拡散板等の光学部材のムラやパターンを低減させ、画面全体の輝度を均一化させた画像を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明による光学シートによれば、傷が付き難い構造の略半球形状のマイクロレンズが、連続して配置される幾何学構造体の頂部位に一定の範囲内の高さで設けられることで、積層される光学シートの反りやねじれ等の変形に追随することが可能となり、幾何学構造体を接触による摩擦傷から保護すると同時に、積層される光学シート面とマイクロレンズの接触箇所を限定させることがなくなるために、部分的にマイクロレンズが傷付くことも防ぐことが可能となる。さらには、略半球形状マイクロレンズと幾何学構造体の優れた光学特性を併せ持つ光学シートを提供することも可能となる。また、幾何学構造体の頂部上に設けられたマイクロレンズそれぞれを異なる高さにすることで、マイクロレンズの配置の規則性を無くし、他の光学シート、または画像表示素子が有する規則性のある構造体との干渉によるモアレの発生を抑制することが出来る。
【0028】
光入射面に略球面形状の突起部と微細な凹凸を設けた凹凸面部とを備えたから、光入射面側に配置された拡散板等の光学部材が光学シートの光入射面の突起部に接触したり振動したりしたとしても滑りが良く傷が付き難い略球面形状の頂部のみで接触するために、光学部材の接触や擦れによる傷の発生を防ぐことができ、耐擦傷性を発揮できる。しかも、光入射面の凹凸面部に微細な凹凸を設けたことで、光源イメージや傷や輝度ムラ等に対して必要とされる光の拡散性及び隠蔽性を発揮することができる。
さらには、本発明による光学シートと、その光入射面に拡散板等の光学部材とを備えたバックライトユニット、更にはこのバックライトユニットに画像表示素子を加えたディスプレイ装置を備えることで、高い輝度と広い視野角が得られる光または表示画像を観察者側方向へと射出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に基づく実施形態に係る光学シートを含むディスプレイ装置の断面模式図である。
【図2】本発明に基づく実施形態に係る光学シートを示すもので、(a)はその拡大図であり、(b)は(a)の断面図である。
【図3】本発明に基づく実施形態に係る光学シートを示すもので、光の入射面及び出射面の平面図である。
【図4】本発明に基づく実施形態に係る光学シート光出射面に形成される幾何学構造体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態の一例を図面に基づき詳細に説明する。
「ディスプレイ装置」
本発明に基づく本実施形態のディスプレイ装置1は、図1に示すように、バックライトユニット2と画像表示素子3とで構成されている。このディスプレイ装置1は、バックライトユニット2から出射した光Kが画像表示素子3を透過することで画像表示素子3の画像を観察することができる。
【0031】
上記バックライトユニット2は、ランプハウスを形成する反射板5内に複数の光源6が所定間隔で配列された光源ユニット7を備える。光源ユニット7の観察者側方向Fには、光源6の光を拡散させるための光学部材8として拡散板または導光板またはその他の光学シートが単体または複数配置される。図1に示す例では、光学部材8として拡散板8Aが設けられている場合を例示している。
拡散板8Aの観察者側方向Fには、本実施形態の光学シート10が配設され、その観察者側方向Fには機能性を有するシート11が単一又は複数枚の構成で配置されて構成されている。
【0032】
ここで、機能性を有するシート部材11とは、例えば集光、拡散、偏光、変色等に代表される機能を一つあるいは複数同時に有するシートであり、画像表示素子3へ入射する光の輝度分布や高輝度や偏光機能などの必要な特性を付与するための各種の集光、拡散、或いは偏光特性を備えた光学部材である。このシート部材11の更に観察者側方向Fには、例えば液晶表示素子からなる画像表示素子3が配設されている。
【0033】
このような構成を備えたディスプレイ装置1によれば、バックライトユニット2において、光源6から射出された光Hは、拡散板8Aで拡散され、光学シート10で集光させられて輝度となり、その光の進行方向前方に配置された機能性を有するシート部材11で入射光が拡散、集光、あるいは偏光、またカラーシフト等により必要とされる光に変換される。そして、機能性を有するシート部材11を透過した光は、バックライトユニット2から射出される必要な機能に達した光Kとして、画像表示素子3に入射して観察画像の光が観察者側Fへと射出される。
【0034】
ここで、光源ユニット7における光源6は画像表示素子3へと光を供給するものであり、光源6としては、例えば複数の線状光源または点光源を用いることができる。複数の線状光源として、例えば複数の蛍光灯、冷陰極管(CCFL)またはEEFLを用いることができる。また点光源としてLEDなどを用いることができる。ランプハウスを形成する反射板5は、複数の光源6の観察者側Fとは反対側に配置され、光源6から全方向に出射された光のうち観察者側Fと反対側の方向に出射された光を反射させて観察者側Fに出射させる役割を担っている。この結果、観察者側Fに出射された光Hは、光源6からほぼ全方向に出射された光となる。このように反射板5を用いることによって光の利用効率を高めることができる。反射板5としては、光を高効率で反射させる部材であればよく、たとえば一般的な反射シート、反射板などを使用することができる。
【0035】
光源ユニット7の光出射側に配設された拡散板8Aは、透明樹脂に光拡散粒子が分散されて形成されている。透明樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などを用いることができる。拡散板8Aに含まれる光拡散粒子によって、好適な拡散性能を容易に得ることができる。光拡散粒子としては、無機酸化物または樹脂からなる透明粒子を用いることができる。無機酸化物からなる透明粒子としては、例えばシリカ、アルミナなどを用いることができる。また、樹脂からなる透明粒子としては、アクリル粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子及びその架橋体、メラミン・ホルマリン縮合物の粒子、フッ素ポリマー粒子、シリコーン樹脂粒子などを用いることができる。また、上述した透明粒子から2種類以上の透明粒子を組み合わせて使用してもよい。さらにまた、透明粒子の大きさや形状は特に規定されない。また、LEDを光源とするディスプレイ装置1においては、LED光源と光学シート10との間に、光を導光する導光板8が設けられていてもよい。
【0036】
また、画像表示素子3は、図1に示すように、1組の偏光板(偏光フィルム;偏光子)14、15と、その1組の偏光板14、15の間に挟持された液晶パネル16とで構成されている。液晶パネル16は、例えば2枚のガラス基板の間に液晶層が充填されて構成されている。画像表示素子3は、画素単位で光を透過/遮光して画像を表示する素子であることが好ましい。画素単位で光を透過/遮光して画像を表示するものであれば、光学シート10により観察者側Fへの輝度が向上され光強度の視角度依存性が低減される。さらに、ランプイメージが低減された光を有効に利用して、画像品位の高い画像を表示させることができる。画像表示素子3は液晶表示素子であることが好ましい。液晶表示素子は、画素単位で光を透過/遮光して画像を表示する代表的な素子であり、他の表示素子に比べて画像品位を高くすることができるとともに、製造コストを低減することができる。
【0037】
「光学シート」
次に、本実施形態の光学シート10について詳述する。
光学シート10は、図2(a)に示すように、光源6に対する光入射側の面を光入射面10a、光出射側の面を光出射面10bとする。光出射面10bには、頂点の高さがH1の略半球形状のマイクロレンズ31と、一方向に向けて延在する幾何学形状が上記延在する方向(例えば直交する方向)に向けて複数配列してなる、つまり複数配列された連続する幾何学構造体と、が形成されている。複数配列された連続する幾何学構造体は、本実施形態では、高さH2の断面三角形のプリズムレンズ19が一方向に延在することで構成されている。ここで、マイクロレンズ31は、その高さH1が所定の範囲内で異なる仕様で設けられており、プリズムレンズ19の断面三角形をなす頂部の頂角θは例えば80°以上100°以下の範囲となっている。
【0038】
また、連続する幾何学構造体である高さH2の断面三角形のプリズムレンズ19の頂点の断面を示す図2(b)のように、プリズムレンズ19の頂部からのマイクロレンズの断面高さhは、マイクロレンズ31の高さH1が変化する範囲内存在する。その結果、プリズムレンズ19が傷付くことを防止する効果に加え、マイクロレンズ31と、他の光学シート11、あるいは画像表示素子3、または光学部材8が有する規則性のある構造が干渉することにより発生する干渉縞(モアレ)を防ぐことが可能となる。さらには、傷付防止効果に優れることで、光学シート10を作製する際に必要とされる保護フィルムを省くことも可能となる。
【0039】
略半球形状のマイクロレンズ31の光出射面側10bに光学シート11が積層される構成において、マイクロレンズ31の高さH1及び断面高さhが常に同じである場合、ほとんど全てのマイクロレンズ頂点部位が光学シート11の光入射面に接していると考えられる。しかし、ディスプレイ内部では、電源ON/OFF、光源や駆動回路または外部環境等に起因する温度変化により、光学シート自体が変形する。光学シート10及びこの上に積層される光学シート11に反りやうねり等の変形が生じた場合、マイクロレンズ31はこれらの変形に依存して限定された部位で積層された光学シート11と接触する。限定された箇所のみが接触する場合、その部位のみが傷付く可能性が高くなる。
【0040】
しかし、本実施形態の光学シート10においては、略半球形状のマイクロレンズ31の高さH1を、最大高さが70μm以下、最小高さが20μm以上の範囲であり、このマイクロレンズ高さの最大高さと最小高さの比が1.2以上1.8以内の範囲内にすることで、光学シート10及びこの上に積層される光学シート11の複雑な変形に追随することが可能となる。そのため、プリズムレンズ19を接触による摩擦傷から保護すると同時に、積層される光学シート面とマイクロレンズ31の接触箇所を限定させることがなく、複雑な変形にも追随することが出来ることから、光出射面において部分的にマイクロレンズ31が傷付くことも防ぐことが可能となり、傷付き難い略半球形状マイクロレンズ31とプリズムレンズ19の優れた光学特性を併せ持つ光学シートを提供することが可能となる。略半球形状のマイクロレンズの高さH1を一定の範囲内で変動させることで、本発明によれば、傷が付き難い構造の略半球形状のマイクロレンズが、異なる高さで傷付き易いプリズムレンズ19の頂部位に設けられることで、積層される光学シートの反りやねじれ等の変形に追随することが可能となり、プリズムレンズ19を接触による摩擦傷から保護すると同時に、積層される光学シート面とマイクロレンズの接触箇所を限定させることがなくなるために、部分的にマイクロレンズが傷付くことも防ぐことが可能となる。さらには、略半球形状マイクロレンズとプリズムレンズ19の優れた光学特性を併せ持つ光学シートを提供することも可能となる。
【0041】
また、光源や駆動回路または外部環境等に起因する温度変化により生じる光学シート自体の反りやうねり等の変形は、光学シート10面内の輝度ムラの要因ともなる。すなわち、反りやうねり等の変形により隙間が生じ、この部位のみが近接する箇所よりも輝度が低下して明暗ムラを発生させることになる。しかしながら、光学シート10に形成された高さH1及び断面高さhが所定の範囲内でランダムに変化する場合、これらの変形のより柔軟に追随することが可能となり、明暗ムラや輝度ムラを低減させることに繋がる。
【0042】
本実施形態の略半球形状のマイクロレンズ31が光出射面全体に占める面積率は、1%以上10%以下の範囲であることが望ましい。面積率が1%未満の場合は、必要とするマイクロレンズの傷付防止効果が得られなくなるからであり、10%より大きい場合は、プリズムレンズ19の比率が低下することにより正面輝度向上効果が低下し、必要とされる輝度が得られないからである。略半球形状のマイクロレンズ31の面積率を規定することで、マイクロレンズが有する傷付防止効果、及び視野角を拡げる効果と、プリズムレンズ19が有する輝度向上効果を制御することが可能となり、高い耐擦傷性と優れた光学特性の両立が可能な光学シートを提供することが可能となる。
【0043】
また、プリズムレンズ19の頂部上に設けられた略半球形状のマイクロレンズ31の間隔Lは、マイクロレンズの光出射面に占める面積率によって左右される。図2(b)に示すプリズムレンズ19の頂部上に設けられた略半球形状のマイクロレンズ31の間隔Lは、面積率が1%である場合、その間隔は800μm以下となることが望ましい。これは、800μmより大きな間隔で拡がると、必要とするプリズムレンズ19の傷付防止効果が十分に得られないことが起こり得るからである。略半球形状のマイクロレンズ31の間隔Lがそれぞれ異なることで、温度変化等に起因する光学シート10及びこの上に積層される光学シート11の複雑な変形に追随することが可能となる。接触や擦れによる傷の発生を防ぎ、視野角を拡大させると同時に、他の光学シート、または画像表示素子が有する規則性のある構造体との干渉によるモアレの発生を抑制することが出来る。
【0044】
図2(a)に示したマイクロレンズ31の高さH1は、プリズムレンズ19の高さH2の1.2倍以上6倍以下の範囲内であることが望ましい。これは、1.2倍未満である場合は、プリズムレンズ19の傷付防止効果が低くなり、必要とされる光学シートの変形に対する耐擦傷性が確保できなくなるからである。また、マイクロレンズ31の高さH1が6倍より大きい場合、マイクロレンズ31自体のサイズが大きくなり過ぎて、光出射面上で目視されることによる外観不良を引起こすことがあるためである。マイクロレンズ31の高さH1を上述した範囲に設定することで、必要な耐擦傷性と良好な外観を得ることが可能となる。
なお、プリズムレンズ19の高さH2は、10μm以上100μm以下の範囲内であることが望ましい。これは、10μm未満である場合は、光の回折効果により必要とされる輝度が得られなくなるからであり、100μmより大きい場合にはプリズムレンズ19自体が光出射面上で目視されることによる外観不良を引起こすことがあるためである。
【0045】
上述した光出射面側10bとは反対の光入射面側10aには、略半球形状構造である突起部20がランダムに配置されていることが望ましい。この突起部20は、その略球面形状により、光の入射面10a側に配置される拡散板8Aまたは導光板等の光学部材8との接触や擦れによる傷の発生を抑制する機能を発揮すると同時に、略半球状の構造によって隙間が生じることから、密着によって生じるニュートンリング等の干渉むらの発生を抑えることが可能となる。さらに、傷付防止効果を付与することで、光学シート10を作製する際に必要とされる保護フィルムを省くことも可能となる。
【0046】
さらには、光入射面側10aに微細な凹凸を付与することで光の拡散機能を高め、視野角の拡大及び光源側にある導光板のパターンを隠蔽する効果性を向上させることが可能となる。表面が微細な凹凸で粗面化された平面部21は、光源6からの光Hを粗面化された平面部21で拡散させて光学シート10内部に取り込むことができる。そのため、光学シート10は、光入射面10aで光源6のランプイメージや、拡散板8Aに形成されたパターンを観測者に対して隠蔽する働きと、光出射面10bから観測者側Fに出射される光をプリズムレンズ19群で集光・拡散させて視野角を拡げる役割とを有している。
【0047】
上述した光学シート10の光入射面10aに占める突起部20の面積率は、1%以上10%以下の範囲内であることが望ましい。突起部20の底面20aの面積率が上記範囲内であれば拡散板8Aとの接触によって擦れて傷を発生することを抑制して入射光の輝度低下を抑制できる。しかし、面積率が1%未満である場合には突起部20の頂部20bの拡散板8Aとの接触や擦れによる傷の発生を防ぐ効果が望めず、10%を超える場合には光源6からの光Hを光学シート20内部に取り入れることの妨げとなり、光学シート10の輝度低下を引起こすからである。
【0048】
また、本実施形態による光学シート10は、入射面10aに形成された微細な凹凸の粗さがRz(十点平均粗さ)において0.5μm以上5.0μm以下の範囲内であることが望ましい。光入射面10aの平面部21の粗さRzが0.5μm以上5.0μm以下の範囲内であれば透過光の必要な拡散性と観察画像に対する隠蔽性を発揮させ、凹凸形状に起因する輝度の低下を抑制できる。しかし、凹凸のRz粗さが0.5μmを下回る場合には拡散及び隠蔽効果は得難く、Rz粗さが5.0μmを超える場合には光学シート10の正面輝度を大幅に低下させる要因になる。なお、微細な凹凸の形成方法として、例えば光学シート10を作製する際に用いる金型面を、エッチングやサンドブラストなどによって粗らす方法や、金型に微細な凹凸を形成した後に略球面形状の突起部20を形成する等の方法が代表例として挙げられる。
【0049】
光学シート10の光入射面10aに形成された突起部20の外径(直径)は、30μm以上150μm以下の範囲が好ましい。そして、光学シート10の突起部20の高さの外径に対する比率が3%以上30%以下の範囲内であることが望ましい。突起部20の外径が150μmを超える場合には突起部20自体が観察者に目視され易くなり、これが外観上、光出射面10bのムラや粗さ、輝点の原因となる。一方、突起部20の外径が30μm未満の場合では突起部20による傷付防止効果が低下すると共に、金型の作製及び光学シート10の製作が困難となるため好ましくない。なお、光学シート10の突起部20について、拡散板8Aに接触する頂部20bが滑らかで傷が付き難い略球面形状であれば、光源6側から見た突起部20の平面視形状が円形状でも略円形状でも良く、或いは楕円形状や頂部が曲面状に丸くなった三角錐形状や四角錐形状、あるいはその他の多角錐形状等であっても良い。光入射面10aの平面部21aに円滑な略球面形状の突起部20が上述した条件の範囲内で形成されていることにより、必要とされる耐擦傷性を発揮すると同時に略球面形状に起因する輝度の低下を抑制することが可能となる。
【0050】
また、光学シート10の突起部20の外径に対する高さの比率が3%以上30%以下の範囲内であれば、突起部20の頂部が拡散板8Aとの接触や擦れによって傷が発生するのを防ぐと共に光の入射を妨げて輝度が低下することを抑制できる。一方、突起部20の比率が3%未満であると接触や擦れによる傷の発生を防ぐ効果が得られず、30%を超えると突起部20自体が光Hの入射を妨げる要因となり、結果的に光学シート10の輝度を大幅に低下させる要因となるために好ましくない。
【0051】
なお、光学シート10の幾何学構造体としては、図1から図3に示すように、光出射面10bにプリズムレンズ19が一方向に複数配列されてなる構成を採用することが好ましい。或いは、図4に示すような断面形状を有する幾何学構造体を単独あるいは複数組合せて形成しても良い。上記したプリズムレンズ19においては、光を集光させて正面輝度を向上させるために、その頂角を90°にすることが最も望ましい。また、輝度と視野角の最適化を図る場合、その頂角は80°以上100°の範囲内であることが好ましい。これは、組合せて用いる光学シート11や光学部材8との性能や特性に対して最適な構造を取るために特に望ましい範囲となる。
【0052】
これまでに述べてきた光学シート10は、液晶表示装置等のディスプレイ装置1のみならず、背面投射型スクリーン、太陽電池、有機又は無機ELを備えた照明装置など、光路制御を行うものであれば何れのものにも使用することができる。また、本実施形態による光学シート10は、光入射面10a側の略平面部21に微細な凹凸21aを付与させることで、光源6から入射する強い正面光Hを拡散させて、視野角を拡げることができる。また、観察者側F側から画像表示素子3を通して透過画像を観察する際に、光源6による輝度ムラ、ランプイメージ、明暗差の低減、さらには拡散板8Aの平面部または裏面のパターンや構造体が、観察者側F側に透けて観えることを抑制することもできる。さらには、組合せて使用する他の光学シート11の使用される環境に起因する変形に対し、接触するマイクロレンズ31及び略半球形状構造である突起部20の高さをランダムにすることで温度等に対応可能となる。
【0053】
「光学シートの作製工程」
次に光学シート10の作製工程について説明する。
光学シート10は、透明性の高いシート状の基材上にUV硬化樹脂に代表される電子線硬化樹脂を用いて成形することができる。一例として、予めエッチング工法またはサンドブラスト工法により平面部21を粗面化させた金型に、設計寸法の略球面形状の突起部20を形成した。この金型を用いて、突起部20を基材18上に成形することができる。ここで、透明性の高いシート状の基材18の材質としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、アクリルニトリルスチレン共重合体、アクリロニトリルポリスチレン共重合体などを挙げることができる。
【0054】
さらに、本実施形態による光学シート10を構成する材料として熱可塑性樹脂からなる透明樹脂が好ましく、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン、アクリルニトリルスチレン共重合体、アクリロニトリルポリスチレン共重合体などを挙げることができる。これらの材料を用いた押出し成形加工法、あるいは射出成型法、熱プレス成型法によって入射面10aを有する光学シート10を製作することも可能である。
【0055】
本実施形態による光学シート10は、光入射面10aと光出射面10bを表裏同時に両面加工して形成することが出来る。或いは、基材18の表裏面である光入射面10aと光出射面10bとを別々に加工して得られた各半分の厚みの片面シート同士を貼り合せることで光学シート10を得ることが出来る。また、マイクロレンズ19を形成する工法においては、エッチング条件またはサンドブラスト条件、さらには切削方法を最適化させることで、形成するマイクロレンズ19の高さH1を、H1の90%から110%の範囲内で制御することが出来る。
【0056】
本実施形態による光学シート10には、拡散性を向上させる目的として無機微粒子または有機微粒子を添加させて用いることが出来る。一例としては、アクリル系粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子およびその架橋体、メラミン−ホルマリン縮合物の粒子、ポリウレタン系粒子、ポリエステル系粒子、シリコーン系粒子、フッ素系粒子、これらの共重合体、スメクタイト、カオリナイト、タルクなどの粘土化合物粒子、シリカ、酸化チタン、アルミナ、シリカアルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化バリウム、酸化ストロンチウムなどの無機酸化物粒子、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、塩化バリウム、硫酸バリウム、硝酸バリウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、ガラス粒子などの無機微粒子等を挙げることができる。
【0057】
また、本実施形態による光学シート10は紫外線吸収剤が添加されたものが好ましい。紫外線吸収剤を添加することにより、光源6から照射される紫外線を含む光によって光出射面10bに形成したプリズムレンズ19群の劣化を抑制することができて、光学シート10の長寿命化を図ることができる。この紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2´- ヒドロキシ−5´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系化合物、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物、4−t−ブチルフェニルサリシレートなどのサリチル酸エステル系化合物、2−エトキシ−2´−エチルオキザリックアシッドビスアニリドなどのオキザリックアシッドアニリド系化合物、エチル−2− シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどのシアノアクリレート系等を用いることができる。
【0058】
なお、光学シート10の光入射面10a側において平面部21に形成された微細凹凸を形成する方法としては、マット加工やエンボス加工等が挙げられる。光入射面10aの平面部21における微細凹凸に関し、マット加工による作製に変えて不連続の微小突起を設ける加工を施してもよい。これらの工法によれば、加熱されることにより柔らかくなった状態の透明樹脂を微細な凹凸を形成した転写部材に押し付けて当該転写部材の形状を転写し、その後に透明樹脂を硬化させて微細な凹凸形状を得ることができる。また、その他の方法として、粒径30〜100μm程の透明粒子を溶融状態の透明樹脂に配合し、これら透明粒子を最外層側に押し出すことで平面部21に微細な凹凸を形成させるようにしてもよい。この加工方法を用いる場合には、透明樹脂と透明粒子との屈折率が等しく調整されていることが好ましい。
【0059】
本実施形態による光学シート10の厚みは、使用する材料や材質、使用する環境や状況により異なるが、50μm以上600μm以下の範囲内であることが望ましい。50μm未満の厚みでは光出射面10bに形成されるプリズムレンズ19のサイズに制限が生じ、必要とされる光学特性を発揮することが困難となる。また、基材18自体の強度が得られないために熱などによる撓みや変形が生じ易くなる結果、シワや輝度ムラを発生しやすくなるという問題が生じる。他方、600μmを超えた厚みでは、光学シート10全体の透過率低下や材料コスト上昇に加え、成形加工における重量上昇などのために取扱いに不具合が生じる。
【0060】
本実施形態によるディスプレイ装置1は、上述の構成を備えていることから、光源ユニット7の光源6から出射する光Hは拡散板8Aによって拡散されて光学シート10の光入射面10aに入射される。そして、光学シート10の入射面10aから光が入射する際、光入射面10aに設けた突起部20は面内の面積率を規定していため、光の入射を妨げることが少なくなっている。さらに、平面部21の微細な凹凸を透過する光は、拡散性と隠蔽性を付与して光源6のランプイメージや輝度ムラ、光学部材8のムラやパターンを低減させる。そして、光学シート10を透過して光出射面10bから出射する際、マイクロレンズ31群とプリズムレンズ19群によって集光・拡散させられて光学特性が向上させられ、画像表示素子3を透過して画面全体の輝度を均一化させた画像を観察者側Fに映すことができる。ここで、画像表示素子3は液晶表示素子であり、バックライトユニット2により集光・拡散特性を向上させた光Kを利用する構成であることから、観察者側Fの輝度を向上させ、光強度の視角方向の分布を滑らかにするとともに、光源のランプイメージや輝度ムラ、拡散板または導光板のムラやパターンを低減させて、画面全体の輝度を均一化させた画像を得ることができる。
【実施例1】
【0061】
以下、本発明の実施形態について実施例1に基づいて詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。以下、実施例において、本実施形態による光学シート10及びこれを用いたディスプレイ装置1の光学特性について説明する。
(実施例1)
実施例1による光学シート10として、光学シート10の光出射面10bとして、互いに分離して設けた直径59μmから75μm、レンズ高さ28μmから38μmの範囲内にある形状のマイクロレンズ31と、底面の幅が30μm、レンズ高さが15μmとなる頂角90°の断面三角形を有する線状構造の複数のプリズムレンズ19の版を第一金型面に加工作製した。このマイクロレンズ31は、加工条件を最適化させてマイクロレンズの高さと直径が異なる第一金型を作製した。次に、UV成形機を用いて、厚み188μmのPET基材(東洋紡績製品)上にUV硬化性樹脂(屈折率=1.51)による略半球形状のマイクロレンズ100とプリズムレンズ19を形成して光学シート10を作製した。得られた光学シート10の光出射面10bにおけるマイクロレンズ31の直径と高さを計測し、その高さが29μmから37μmの範囲(40箇所測定結果)であることを確認した。また、直径の平均値からマイクロレンズ31の光出射面に占める面積率が6%であることを導き出した。なお、線状構造のプリズムレンズ19は、観測者側から観て水平方向に線状配置された構成とした。このようにして得られた光学シート10を実施例1とする。
【0062】
(比較例1)
比較例1として、互いに分離して設けた直径78μmから84μm、レンズ高さ38μmから42μmの範囲内にある形状のマイクロレンズ31と、底面の幅が30μm、レンズ高さが15μmとなる頂角90°の断面三角形を有する線状構造の複数のプリズムレンズ19の版を第二金型面に加工作製した。このマイクロレンズ31は、予め規則性のある六方配置となるように第二金型作製時に工夫を施した。次に、実施例1と同様に、UV成形機を用いて、厚み188μmのPET基材(東洋紡績製品)上にUV硬化性樹脂(屈折率=1.51)による略半球形状のマイクロレンズ100とプリズムレンズ19を形成して光学シート10を作製した。得られた光学シート10の光出射面10bにおけるマイクロレンズ31の直径と高さを計測し、その高さが38μmから42μmの範囲(40箇所測定結果)であることを確認した。また、直径の平均値からマイクロレンズ31の光出射面に占める面積率が21%であることを導き出した。なお、線状構造のプリズムレンズ19は、観測者側から観て水平方向に線状配置された構成とした。このようにして得られた光学シートを比較例1とする。
【0063】
(比較例2)
比較例2として、底面の幅が30μm、プリズム高さが15μmとなる頂角90°の断面三角形を有する線状構造の複数のプリズムレンズ19のみの版を第三金型面に加工作製し、実施例1と同様に、UV成形機を用いて、厚み188μmのPET基材(東洋紡績製品)上にUV硬化性樹脂(屈折率=1.51)によるプリズムレンズ19を形成して光学シート10を作製した。なお、線状構造のプリズムレンズ19は、観測者側から観て水平方向に線状配置された構成とした。このようにして得られた光学シートを比較例2とする。
【0064】
(光学評価)
実施例1及び比較例1〜2による光学シート10を上述した図1に示す実施形態によるディスプレイ装置1に装着して、光源6として冷陰極管を用いて、その光学的評価を以下に示す測定方法により評価した。なお、輝度ムラや明暗ムラを評価するために、光学シート11として恵和(株)の製品である光拡散シートを用いて評価した。
【0065】
(正面輝度評価)
実施例1及び比較例1〜2として作製した3種類の光学シート10を、住友化学(株)製でポリスチレン製の拡散板8A上にそれぞれ配置し、観測者側Fに画像表紙素子3として液晶表示素子を用いたディスプレイ装置1を組み立てた。なお、評価に用いた光源はCCFLとした。各実施例1及び比較例1〜2による光学シート10をそれぞれ装着したディスプレイ装置1を用い、その観察画面を全白表示として、分光放射輝度計(SR−3A:トプコンテクノハウス社製)を用いて同一条件下で画像表紙素子3の観察画面中心部の輝度を測定した。
【0066】
(干渉縞評価)
実施例1及び比較例1〜2として作製した3種類の光学シート10を、住友化学(株)製でポリスチレン製の拡散板8A上にそれぞれ配置し、観測者側Fに画像表紙素子3として液晶表示素子を用いたディスプレイ装置1を組み立てた。なお、評価に用いた光源はCCFLとした。各実施例1及び比較例1〜2による光学シート10をそれぞれ装着したディスプレイ装置1を用い、同時に全白表示とした観察画面に表れる干渉縞の有無及びその程度を目視で観察評価した。
【0067】
(輝度ムラ評価)
実施例1及び比較例1〜2として作製した3種類の光学シート10を、住友化学(株)製のポリスチレン拡散板8A上にそれぞれ配置し、光学シート10の光出射面10b側に光拡散シート11として恵和(株)の製品である光拡散シートを配置した。その上に観測者側Fに画像表紙素子3として液晶表示素子を用いたディスプレイ装置1を組み立てた。なお、評価に用いた光源はCCFLとした。評価は、ディスプレイ装置を組み上げた後、点灯から60分間における輝度ムラ及び明暗ムラの発生及びその変化の評価を行った。
【0068】
(磨耗評価)
実施例1及び比較例1〜2の磨耗評価を以下の測定方法により評価した。
(学振式磨耗試験)
学振式磨耗試験機を用いて以下に示す条件で実施例1及び比較例1〜2の光学シート10について耐擦傷性の評価を実施した。先ず、光学シート10の光出射面10bを上に向けて学振式磨耗試験機の振動台に固定した。次に、光学シート11の裏面として光拡散シート(恵和製品)の光入射面側を光学シート10の光出射面10bに向き合わせて設置し、荷重が300g/cmとなる条件で加圧させ、光学シート10の光出射面10bと光拡散シートの光入射面側を、振幅120mm、速度120mm/秒で20回往復させて擦り合わせ、磨耗試験後の実施例1及び比較例1〜2の光出射面10bの傷発生の有無及び傷の程度を目視で評価した。上述した実施例1及び比較例1〜2の光学評価試験結果と摩耗評価試験結果について表1に示す。
【0069】
【表1】

【0070】
表1に示す結果から次のことがいえる。
実施例1による光学シート10を用いた場合、正面輝度は441cd/m、垂直方向の視野半値角は34.1°であり、画面上には目視できるような干渉縞は認められなかった(○)。点灯から60分間における輝度ムラ及び明暗ムラを観察した結果、点灯直後に画面右下に帯状の輝度の低い部位が見られたが、数分後目視できなくなり、その後60分後まで画面上に輝度ムラや明暗ムラは認められなかった(○)。学振式磨耗試験結果においては、互いに対向する光学シート10の光出射面10bと光学シート11の光入射面には傷は認められず、高い耐擦傷性を確認することが出来た(○)。
【0071】
比較例1は、正面輝度が417cd/mとなり実施例1に比較して輝度の低下が認められた(△)。また、垂直方向の視野半値角は36.2°であり、画面上には目視できるような干渉縞は認められなかった(○)。点灯から60分間における輝度ムラ及び明暗ムラを観察した結果、点灯直後から画面右下隅と左下隅に帯状の輝度の低い部位が見られ、時間の経過と供にこの帯状のムラの位置が変化することが認められた。点灯開始後から5分程経過すると画面上の一部にあった薄い輝度ムラが目視できなくなり、60分経過するまで画面上に輝度ムラや明暗ムラは認められなかった(△)。学振式磨耗試験結果においては、互いに対向する光学シート10の光出射面10bと光学シート11の光入射面には傷は認められず、高い耐擦傷性を確認することが出来た(○)。
【0072】
比較例2は、正面輝度が449cd/m、垂直方向の視野半値角は31.8°であり、画面上には目視できる斜め方向の干渉縞が認められた(×)。また、輝度ムラ及び明暗ムラを観察した結果、点灯直後から画面中央右側に縦方向の帯状の輝度の低い部位が認められた。縦方向の帯状の輝度ムラは10分程で薄くなり目視できない程度になった。60分経過するまで画面上に輝度ムラや明暗ムラは認められなかった(△)。学振式磨耗試験では、プリズムレンズ上に幅広い目視できる傷が認められ、光拡散シートの光入射面にも擦れた痕が認められた(×)。
【0073】
以上に示した実施例1及び比較例1から2の評価結果から、本発明による光学シートには、傷が付き難い構造の略半球形状のマイクロレンズが、異なる高さで幾何学構造体の頂部位に設けられることで、積層される光学シートの反りやねじれ等の変形に追随することが可能となり、幾何学構造体を接触による摩擦傷から保護すると同時に、積層される光学シート面とマイクロレンズの接触箇所を限定させることがなくなるために、部分的にマイクロレンズが傷付くことも防ぐことが可能となる。さらには、略半球形状マイクロレンズと幾何学構造体の優れた光学特性を併せ持つ光学シートを提供することも可能となる。また、幾何学構造体の頂部上に設けられたマイクロレンズそれぞれを異なる高さにすることで、マイクロレンズの配置の規則性を無くし、他の光学シート、または画像表示素子が有する規則性のある構造体との干渉によるモアレの発生を抑制することが出来ることが分かった。
【符号の説明】
【0074】
1 ディスプレイ装置
2 バックライトユニット
3 画像表示素子
6 光源
8 光学部材
8A 拡散板
10 光学シート
10a 光入射面
10b 光出射面
20 突起部
21 平面部
19 プリズムレンズ(幾何学構造体)
31 マイクロレンズ
H1 マイクロレンズ高さ
H2 プリズムレンズ高さ
h プリズムレンズ頂部からのマイクロレンズ高さ(上記幾何学構造体よりも光出 射方向に突出したマイクロレンズの略半円形状部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する光出射面に、互いに離隔して配置された複数のマイクロレンズと、一方向に向けて延在する幾何学形状が上記延在方向に交差する方向に複数配列してなる幾何学構造体とが形成された光学シートにおいて、
上記幾何学構造体よりも光出射方向に突出したマイクロレンズの略半円形状部分の突出高さは、少なくとも一部の上記略半円形状部分が、他の半円形状部分と異なることを特徴とする光学シート。
【請求項2】
光を出射する光出射面に、互いに離隔し且つ不規則に配置された複数のマイクロレンズと、一方向に向けて延在する幾何学形状が上記延在方向に交差する方向に複数配列してなる幾何学構造体とが形成された光学シートにおいて、
上記複数のマイクロレンズの高さは、70μm以下20μm以上の範囲に設定され、このマイクロレンズの高さの最大高さと最小高さの比は、1.2以上1.8以下の範囲内にあり、かつマイクロレンズの最小高さが幾何学構造体よりも高いことを特徴とする光学シート。
【請求項3】
上記マイクロレンズの光出射面全体に占める面積率は、1%以上10%以下の範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した光学シート。
【請求項4】
上記マイクロレンズの高さは、幾何学構造体の高さの1.2倍以上6倍以下の範囲内であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した光学シート。
【請求項5】
光出射面とは反対面である光入射面側に、略半球形状の構造をランダムな配置で設けると同時に、その光入射面面に微細な凹凸を付与することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載した光学シート。
【請求項6】
光入射面に形成された略半球形状の構造が光入射面全体に占める面積率は、1%以上10%以下の範囲内であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載した光学シート。
【請求項7】
光入射面の凹凸面部に形成された微細な凹凸は、粗さがRz(十点平均粗さ)において0.5μm以上5.0μm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載した光学シート。
【請求項8】
上記幾何学構造体を構成する幾何学形状は、頂角を80°以上100°以下の範囲とする断面三角形のプリズムレンズであることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載された光学シート。
【請求項9】
光源と、請求項1〜請求項8の何れか1項に記載した光学シートと、該光学シートの光入射面側に配設された光学部材とを備えたことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項10】
請求項9に記載されたバックライトユニットと、該バックライトから出射する光を画素単位で透過または遮光して画像を表示する画像表示素子とを備えたことを特徴とするディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−98409(P2012−98409A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244473(P2010−244473)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】