光学シート及びバックライトユニット並びにディスプレイ装置
【課題】光源の影消しの性質を輝度向上用の光学シートに持たせて製品の低コストを可能にした光学シート及びこれを用いたバックライトユニット並びにディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】光学シート50において、少なくとも二種類以上の異なる樹脂硬化物から形成される半円柱状凸レンズ5021が複数並列してなる光学素子シート503を含み、この光学素子シート503において、異なる樹脂硬化物から形成される半円柱状凸レンズ5021の屈折率差Mが0.01 ≦ M ≦ 0.09の範囲を満足し、かつそれぞれの色度をYxy表色系で表した場合、色差Δx及びΔyがΔx ≧ 0.003、Δy ≧ 0.003をそれぞれ満足し、かつ異なる樹脂硬化物から形成される半円柱状凸レンズ5021の境界線のピッチ幅PがP ≦ 300μmを満足する構成にした。
【解決手段】光学シート50において、少なくとも二種類以上の異なる樹脂硬化物から形成される半円柱状凸レンズ5021が複数並列してなる光学素子シート503を含み、この光学素子シート503において、異なる樹脂硬化物から形成される半円柱状凸レンズ5021の屈折率差Mが0.01 ≦ M ≦ 0.09の範囲を満足し、かつそれぞれの色度をYxy表色系で表した場合、色差Δx及びΔyがΔx ≧ 0.003、Δy ≧ 0.003をそれぞれ満足し、かつ異なる樹脂硬化物から形成される半円柱状凸レンズ5021の境界線のピッチ幅PがP ≦ 300μmを満足する構成にした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
画素単位での透過/非透過のレンズシートを有するディスプレイ用の光学シート及び透明状態/散乱状態に応じて表示パターンが規定される表示素子が配置された液晶パネルを背面側から前記光学シートを介して照明するバックライトユニット並びにディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、TFT型液晶パネルやSTN型液晶パネルを使用した液晶表示装置は、主としてOA分野のカラーノートPC(パーソナルコンピュータ)を中心に商品化されている。
このような液晶表示装置においては、液晶パネルの背面側(観察者と対向する面と反対の面)に光源を配置し、この光源からの光で液晶パネルを照明する方式、いわゆる、バックライト方式が採用されている。
この種のバックライト方式に採用されているバックライトユニットとしては、大別して冷陰極管(CCFT)等の光源ランプを、光透過性に優れたアクリル樹脂等からなる平板状の導光板内で多重反射させる「導光板ライトガイド方式」(いわゆる、エッジライト方式)と、導光板を用いない「直下型方式」とがある。
【0003】
導光板ライトガイド方式のバックライトユニットが搭載された液晶表示装置としては、例えば、図8に示すものが一般に知られている。
この液晶表示装置は、表裏両面に偏光板71,73を有する液晶パネル72が上部に位置して設けられ、液晶パネル72の下面側には、略長方形の板状を呈するPMMA(ポリメチルメタクリレート)やアクリル等の透明な基材からなる導光板79が設置されており、この導光板79の上面(光射出側)には拡散フィルム(拡散層)78が設けられている。
さらに、導光板79の下面(光入射側)には、導光板79に導入された光を効率よく液晶パネル72の方向に均一となるように散乱して反射されるための散乱反射パターン部(図示せず)が印刷などによって設けられると共に、この散乱反射パターン部の下方に反射フィルム(反射層)77が設けられている。
【0004】
また、導光板79の側端部に光源ランプ76が設けられており、さらに、光源ランプ76の光を効率よく導光板79中に入射させるために、光源ランプ76の背面側を覆うようにして高反射率のランプリフレクター81が設けられている。
上記散乱反射パターン部は、白色である二酸化チタン(TiO2)粉末を透明な接着剤等の溶液に混合した混合物を、所定パターン、例えばドットパターンにて印刷し乾燥、形成したものであり、導光板79内に入射した光に指向性を付与し、導光板79の光射出面側へと導くようになっている。これは高輝度化を図るための工夫である。
【0005】
さらに、最近では、光利用効率をアップして高輝度化を図るべく、図9に示す液晶表示装置が知られている。
この液晶表示装置は、表裏両面に偏光板71,73を有する液晶パネル72と、液晶パネル72の下面側に配置された、光源ランプ76、ランプリフレクター81及び反射フィルム(反射層)77を有する導光板79と、導光板79の光出射面側に設けられた拡散フィルム78と、拡散フィルム78とこれに対向する液晶パネル72の偏光板73との間に配置された、光集光機能を備えたプリズムフィルム(プリズム層)74,75とを備えている。プリズムフィルム74,75は、導光板79の光射出面から射出され、拡散フィルム78で拡散された光を、高効率で液晶パネル72の有効表示エリアに集光させるものである。
【0006】
しかしながら、図8に示した液晶表示装置では、視野角の制御は、拡散フィルム78の拡散性のみに委ねられているため、その制御は難しく、ディスプレイの正面方向の中心部が明るく、周辺部に行くほど暗くなるという特性は避けられない。そのため、液晶画面を横から見たときの輝度の低下が大きく、光の利用効率の低下を招いていた。
さらに、図9に示したプリズムフィルム74,75を用いてなる液晶表示装置では、プリズムフィルムの枚数が2枚必要であるため、プリズムフィルムの吸収による光量の低下が大きいだけでなく、部材数の増加によりコストが上昇するという問題があった。
【0007】
一方、直下型方式は、導光板の利用が困難な大型の液晶TVなどの液晶表示装置に利用される。
直下型方式の液晶表示装置としては、図10に示す構成のものが一般的に知られている。
この液晶表示装置は、図10に示すように、表裏両面に偏光板71,73を有する液晶パネル72を備えており、この液晶パネル72の偏光板73と対向する光入射面側には拡散フィルム82が設けられ、さらに、拡散フィルム82の光入射面側には、蛍光管等からなる複数の光源51が拡散フィルム82の光入射面に沿って等間隔に配列されている。また、さらに、複数の光源51の背面には、各光源51からの光を効率よく照明光として利用するためのリフレター52が配置されている。
このような直下型方式の液晶表示装置においては、光源51から射出され、拡散フィルム82で拡散された光を、高効率で液晶パネル72の有効表示エリアに集光させることができる。
【0008】
しかしながら、図10に示す液晶表示装置では、視野角の制御は、拡散フィルム82の拡散性のみに委ねられているため、その制御は難しく、ディスプレイの正面方向の中心部は明るく、周辺部に行くほど暗くなる特性は避けられない。そのため、液晶画面を横から見たときの輝度の低下が大きく、光の利用効率の低下を招いていた。
【0009】
そこで、上記問題を解決する光学シートとして、米国3M社の登録商標である輝度強調フィルム(Brightness Enhancement Film:BEF)が、広く使用されている。
このBEFは、図11に示すように、光拡散フィルム(基材)21の上面に、断面が三角形状の単位プリズム22が一方向に一定のピッチで配列されたフィルムである。
単位プリズム22は光の波長に比較して大きいサイズ(ピッチ)である。BEFは、“軸外(off-axis)”からの光を集光し、この光を視聴者に向けて“軸上(on-axis)”に方向転換(redirect)または“リサイクル(recycle)”する。
【0010】
ディスプレイの使用時(観察時)に、BEFは、軸外輝度を低下させることによって軸上輝度を増大させる。ここで言う「軸上」とは、視聴者の視覚方向に一致する方向であり、一般的にはディスプレイ画面に対する法線方向(図1中に示す矢印Fの方向)である。
BEFの採用により、ディスプレイ設計者が電力消費を低減しながら所望の軸上輝度を達成することができるようになった。
【0011】
BEFを輝度制御部材として用いた光学シートでは、図12に示すように、屈折作用xによって、光源23からの光Pが、最終的には、制御された角度φでフィルムから出射されることにより、視聴者の視覚方向の光の強度を高めるように制御することができる。
BEFに代表されるプリズムの反復的アレイ構造を有する輝度制御部材をディスプレイ装置に採用する技術が従来から知られている(特許文献1乃至3参照)。
【特許文献1】特公平1−37801号公報
【特許文献2】特開平6−102506号公報
【特許文献3】特表平10−506500号公報
【特許文献4】特開2000−284268号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記図11に示す光学シートでは、同時に視聴者の視覚方向に進むことなく横方向に無駄に出射する、想定外の光線が存在する。このため、図13に示すように、BEFを用いた光学シートから出射される光強度分布は、特性曲線Bに示すように、視聴者の視覚方向、すなわち視覚方向Fに対する角度が0°(軸上方向にあたる)における光強度が最も高められるものの、正面より±90°近辺に小さな光強度ピークが生じる。すなわち、横方向から無駄に出射される光(サイドローブ)が増えてしまうという問題がある。
このような光強度ピークを有する輝度分布は望ましくはなく、図13の特性曲線Aに示すように、±90°近辺での光強度ピークのない滑らかな輝度分布の方が望ましい。
【0013】
また、このような液晶表示装置では、軽量、低消費電力、高輝度、薄型化であることが市場ニーズとして強く要請されており、それに伴い、液晶表示装置に搭載されるバックライトユニットも、軽量、低消費電力、高輝度であることが要求されている。特に、最近、目覚しい発展をみるカラー液晶表示装置においては、液晶パネルのパネル透過率がモノクロ対応の液晶パネルに比べ格段に低く、そのため、バックライトユニットの輝度向上を図ることが、表示装置自体の低消費電力を得るために必須となっている。
しかしながら、上述したように従来の液晶表示装置では、高輝度、低消費電力の要請に充分に応えられているとは言いがたく、ユーザからは、低コスト、高輝度、高表示品位で、かつ低消費電力の液晶表示装置を実現できるバックライトユニット及びディスプレイ装置の開発が待ち望まれている。
【0014】
以上の事情に鑑み、本出願人は、BEFに代表されるプリズムシートの代替製品として、特許文献4に開示されたレンズシートを提案している。
上記レンズシートを備える液晶表示装置は、図14に示すように、表裏両面に偏光板71,73を有する液晶パネル72を備える。この液晶パネル72の下面側には拡散フィルム74が設けられ、この拡散フィルム74の下方には、長方形板状の透明な基材からなる導光板79が配設され、導光板79の下面には反射フィルム(反射層)77が設けられている。また、導光板79の側端部に沿って光源ランプ76が配設されており、さらに、光源ランプ76の光を効率よく導光板79中に入射させるべく、光源ランプ76の背面側を覆うようにして高反射率のランプリフレクタ81が設けられている。さらに、拡散フィルム74と導光板79との間には、開口部84aを有する光反射層84を備えるレンズシート83が配設されている。
【0015】
上記液晶表示装置において、レンズシート83の光入射面側に設けられた光反射層84の開口部84aを通ることができなかった光は、光反射層84で反射され、導光板79側に戻される。そして、導光板79との界面あるいは導光板79内での反射を繰り返した後、いずれは開口部84aを通ってレンズシート83に再度入射し、出射角度を所定角度内に制御された後に液晶パネル72に向け出射される。
このようなレンズシート83を用いたバックライトユニットでは、裏面に設けた光反射層83の開口部84aの大きさ及び位置を調節することによって、光の利用効率を高めて、レンズシート83から液晶パネル72に向け出射される光の割合を高めると同時にサイドローブも抑えることができる。
【0016】
ところで、上述した輝度向上用の光学シートであるレンズシートや光拡散部材は、一般的に光拡散板や光拡散シートと共にディスプレイ装置に組み込まれて使用される。
この種のディスプレイ装置は、図15に示すように、液晶パネル90、液晶パネル90の光入射面側に配置された、光路制御機能を有する光学シート98、及び光学シート98の光入射面側に配置されたバックライト用の光源97を備える。
光学シート98は、透明な基材シート93の液晶パネル90と対向する面に設けられた半円柱状凸レンズ群からなるレンズ部92を有するレンズシート94と、レンズシート94の光入射面側に積層状態に配設された光拡散シート91及び光拡散板95とから構成されている。また、光源97は、光拡散板95の光入射面に沿って等間隔に配列された冷陰極管等からなる複数のランプ96aと、複数のランプ96aの背面に配置され、各ランプ96aからの光を効率よく照明光として利用するためのリフレター96bとから構成されている。
【0017】
このような輝度向上用の光学シートをディスプレイ装置に組み込む目的の一つは、バックライトからの光を均一に液晶パネル方向へ向けること、そして、目的の二つ目はバックライトとして用いられている冷陰極管の影を消し、液晶パネルの画面上で視認できないようにすることである。しかし、上記二つ目の目的を達成するために、冷陰極管の種類によっては拡散度の強い光拡散板95や、2枚以上の光拡散シート91を要する場合があり、コスト高を招く問題がある。
【0018】
本発明は、上記のような従来の問題を解決するためになされたもので、光源の影消しの性質を輝度向上用の光学シートに持たせて製品の低コストを可能にした光学シート及びこれを用いたバックライトユニット並びにディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、照明光を収束もしくは均一化する機能を有する光学シートであって、透明な基材シート、及び前記基材シートの光出射面に形成され前記基材シートの光入射面から入射された前記照明光が前記光出射面から出射される際の出射光の方向、範囲、色、輝度分布の少なくとも何れかを制御する光学素子部を有する光学素子シートと、前記基材シートの光入射面に対向して設けられた光拡散部材とを備え、前記光学素子部は前記光出射面に並列して設けられた複数の帯状レンズからなり、前記複数の帯状レンズは複数種類の異なる樹脂硬化物で構成され、前記複数の帯状レンズの屈折率差Mが0.01 ≦ M ≦ 0.09の範囲に設定され、前記複数の帯状レンズそれぞれの色度をYxy表色系で表した場合の色差Δx及びΔyのうち、色差ΔxがΔx ≧ 0.003の範囲に設定され、色差ΔyがΔy ≧ 0.003の範囲に設定され、前記複数の帯状レンズの並列方向において、前記複数種類の異なる樹脂硬化物の混ざり具合で当該異なる樹脂硬化物同士の界面に生じる境界線のうち、互いに隣り合う境界線間の寸法をピッチ幅Pとした場合、前記ピッチ幅PがP ≦ 300μmの範囲に設定されていることを特徴とする。
【0020】
請求項2の発明は、請求項1記載の光学シートにおいて、前記帯状レンズは、三角形状プリズムもしくは半円柱状凸レンズであることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求1または2に記載の光学シートにおいて、前記帯状レンズは、熱可塑性もしくは放射線硬化性の樹脂硬化物からなり、該光学素子が前記基材シートの光出射面に重合接着されるか、もしくは前記基材シートの光出射面に該基材シート一度に形成されることを特徴とする。
【0021】
請求項4の発明は、バックライトユニットであって、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の光学シートと、前記光学シートの光入射面側に配置された光源を少なくとも備えることを特徴とする。
【0022】
請求項5の発明は、ディスプレイ装置であって、画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示素子と、前記画像表示素子の背面に、請求項4に記載のバックライトユニットを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明にかかる光学シート及びこれを用いたバックライトユニット並びにディスプレイ装置おいては、光学素子シートを構成する光学素子部を基材シートの光出射面に並列して設けられた複数の帯状レンズで形成し、この複数の帯状レンズを複数種類の異なる樹脂硬化物で構成し、この帯状レンズの屈折率差Mを0.01 ≦ M ≦ 0.09の範囲に設定し、かつ帯状レンズの色差Δx及びΔyをΔx ≧ 0.003及びΔy ≧ 0.003の範囲にそれぞれ設定し、さらに、複数の帯状レンズの並列方向において、複数種類の異なる樹脂硬化物の混ざり具合で当該異なる樹脂硬化物同士の界面に生じる境界線のうち、互いに隣り合う境界線間の寸法をピッチ幅Pとした場合、このピッチ幅PをP ≦ 300μmの範囲に設定する構成にした。
したがって、本発明によれば、光源を構成する冷陰極管等のランプの影消しの性質を光学素子シートに持たせることができ、併せて、光拡散部材の薄型化、光拡散シートの枚数の低減及び製品の低コスト化が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明にかかる光学シートを用いたバックライトユニットを具備する液晶表示装置の一例を示す概略断面図であり、各部位の縮尺は実際とは一致しない。
図1に示す液晶表示装置10は、液晶パネル(特許請求の範囲に記載した画像表示素子に相当する)20と、この液晶パネル20の光入射側に臨ませて配置されたディスプレイ用のバックライトユニット30を備える。
バックライトユニット30は、光学シート50及び光学シート50の光入射側に配置された直下型の光源60とを備える。
前記光源60は、光学シート50の光入射面に沿って等間隔に配列された冷陰極線管などからなる複数のランプ601と、ランプ601からの光を効率よく照明光として利用するためのリフレター602とを備えている。
【0025】
光学シート50は、透明な基材シート501、及び基材シート501の光出射面に形成され、基材シート501の光入射面から入射された照明光が基材シート501の光出射面から出射される時の出射光の方向、範囲、色、輝度分布の少なくとも何れかを制御する光学素子部502を有する輝度向上用の光学素子シート503を備え、さらに、基材シート501の光入射面に対向して積層状態に設けられた光拡散シート504及び光拡散板505(光拡散シート504と光拡散板505が特許請求の範囲に記載した光拡散部材に相当する)を備えている。
光学素子部502は、基材シート501の光出射面に並列して設けられた複数の半円柱状凸レンズ(特許請求の範囲に記載した帯状レンズに相当する)5021からなるもので、この半円柱状凸レンズ5021は複数種類の互いに異なる熱可塑性もしくは放射線硬化性の樹脂硬化物から構成される。また、この半円柱状凸レンズ5021は基材シート501の光出射面に重合接着されるか、または基材シート501の光出射面に基材シート501と一度に形成されるものである。
【0026】
樹脂硬化物からなる半円柱状凸レンズ5021の屈折率差Mは、0.01 ≦ M ≦ 0.09の範囲に設定されている。また、半円柱状凸レンズ5021それぞれの色度をYxy表色系で表した場合の色差Δx及びΔyのうち、色差ΔxはΔx ≧ 0.003の範囲に設定され、色差ΔyはΔy ≧ 0.003の範囲に設定されている。
さらに、複数の半円柱状凸レンズ5021の並列方向において、複数種類の異なる樹脂硬化物の混ざり具合で当該異なる樹脂硬化物同士の界面に生じる境界線L1のうち、互いに隣り合う境界線L1間の寸法をピッチ幅Pとした場合、このピッチ幅Pは、P ≦ 300μmの範囲に設定されている。
本実施の形態では、一例として、複数の半円柱状凸レンズ5021に二種類の異なる樹脂硬化物を用いた場合を示した。図1では、梨地模様で示す樹脂硬化物からなる半円柱状凸レンズ5021aと白抜きで示す樹脂硬化物からなる半円柱状凸レンズ5021bとが複数並列して設けられた場合を示している。また、互いに隣り合う境界線L1間の寸法であるピッチ幅Pはランダムであるが、それぞれの硬化前の樹脂の混ぜ具合によってピッチ幅を制御することができる。詳細は後述する実施例2で述べる。
【0027】
基材シート501の素材としては、当該技術分野で良く知られているポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン(PE)等のプラスチックシートを用いる。これらのシートの屈折率はグレード等にもよるが、参考までに値を示すと屈折率は何れも1.50±0.5となっている。
光学素子シート503における光学素子部502の素材としては、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル系樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン等の放射線硬化性樹脂、またはアクリルニトリルスチレン共重合体樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂等の熱硬化性樹脂、またはプロプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂等を用いる。
【0028】
光学素子シート503のレンズパターンの成形法としては、図3に示したようなロールトゥロール方式が用いられる。
図3に示すロールトゥロール方式の成形機は、ロール状に巻回された基材シート501を巻き出す基材巻出し部45、レンズパターンを成形する金型ロール43、基材巻出し部45から巻き出される基材シート501を金型ロール43へ案内する複数のガイドロール47a,47b、ガイドロール47aと47bとの間に延在する基材シート501に対向して配置され、基材シート501の上面に樹脂及び混合樹脂を塗布する樹脂供給部41およびドクターナイフ40、樹脂が塗布された基材シート501を金型ロール43に押し付ける押圧ロール48、金型ロール43に近接して配置された冷却、加熱もしくは放射線照射部42、レンズパターンが成形された後の光学素子シートを巻き取る巻取り部46とを備える。
【0029】
次に動作について説明する。
まず、少なくとも二種類の異なった熱硬化性、熱可塑性もしくは放射線硬化性の樹脂41aを適度な割合で混合させ、樹脂41aと樹脂41aの界面に複数の境界線44を作る。基本的に、種類の異なる樹脂は、完全に混ざり合うことは無いため、何れの樹脂の組み合わせにおいても、異なる樹脂同士の界面に境界線を作ることはできる。
次に、ロールトゥロール方式の成形機にて、樹脂供給部41により、図3に示すライン進行方向に走行される基材シート501の上面に混合樹脂41aを塗布する。そして、凹凸形状の逆型形状を表面に有する金型ロール43に樹脂塗布側を圧接させつつ、基材シート501を通して冷却、加熱もしくは放射線照射部42で冷却、加熱もしくは放射線照射を行い、基材シート501の表面上に塗布された樹脂41aを硬化する。これにより、目的の凹凸形状を持った光学素子部502のレンズパターンを基材シート501の表面上に成形する。この場合、異なった樹脂が混ざり合わずに硬化されるため、少なくとも二種類以上の異なる樹脂硬化物、すなわち、図1に示すように、梨地模様で示す樹脂硬化物からなる半円柱状凸レンズ5021aと白抜きで示す樹脂硬化物からなる半円柱状凸レンズ5021bが複数並列してなる光学素子シート503を作成することができる。
また、光学素子部502のレンズパターンと基材シート501を押出し成形法や射出成形法等で一度に形成する方法も挙げられる。
【0030】
また、顧客による光学特性の要望次第では、光学素子シート503の入射面側に光反射層を設ける場合もある。光反射層の有無は必要とする集光機能とコスト、どちらをとるかによって決まる。
光反射層を設ける場合は白色顔料、金属蒸着層を用い高反射率で光吸収の少ないものを選択することが好ましい。例えば、アクリル系樹脂等の透明樹脂に、二酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシウム、亜鉛華、鉛白、リトポン等の白色微粒子を分散させて固化させたものや、または白インキ等を採用しても良い。
光反射層の反射率としては、背面側に光を反射して照明光として再利用することができるように、83%以上の高反射率であることが好ましく、90%以上であるとより好ましい。
【0031】
該光反射層は、UV硬化型粘着材を使用した転写法で作成することもできる。あらかじめレンズと反対の面にUV硬化型粘着材を貼合し、レンズ側からUVを照射することで、粘着材のレンズの集光部分を硬化し、粘着材の硬化部分と未硬化部分が交互に並ぶパターンを形成する。その後、粘着材の表面に光反射層を貼合し、剥離することで、粘着材の未硬化部分のみに光反射層を残すことでき、レンズのパターンに同期した光反射層パターンが出来上がる。この方法であれば、容易にレンズと光反射層を1:1に対応させて配置することができる。
また、該光反射層は押し出しや射出成形で出射面側に光学素子部502、基材シート501および他の面に凹凸をつけたレンズシートを一体化して成形したのち、この凹凸を利用して光反射性を示すインキをパターン状に塗布する方法で作成することもできる。
【0032】
光拡散板505や光拡散シート504は、透明樹脂とこの透明樹脂の中に分散された透明粒子とを具備して構成されており、これら透明樹脂の屈折率と透明粒子の屈折率が異なるものである必要がある。透明樹脂の屈折率と透明粒子の屈折率の差は0.02以上であることが望ましい。屈折率の差がこれより小さいと十分な光散乱性能が得られない。また、その屈折率差は0.5以下で良い。
また、光拡散板505や光拡散シート504は、この光拡散板に入射した光を散乱させながら透過させる必要がある。このため、光拡散板505や光拡散シート504に含まれる前記透明粒子の平均粒径は0.5〜10.0μmであることが望ましい。好ましくは1.0〜5.0μmである。または、光拡散板505においては、透明樹脂中に空気を含む微細な空洞を有した構造をしており、透明樹脂と空気の屈折率差で拡散性能を得ても良い。
透明樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン、アクリルニトリルスチレン共重合体等を使用することができる。
【0033】
(実施の形態2)
図2は、本発明にかかる光学シートを用いたバックライトユニットを具備する液晶表示装置の他の例を示す概略断面図であり、各部位の縮尺は実際とは一致しない。
図2に示す液晶表示装置10は、図1に示す場合と同様な液晶パネル20、液晶パネル20の光入射側に臨ませて配置されたディスプレイ用のバックライトユニット30を備える。
バックライトユニット30は、図1に示す場合と異なる構成の光学シート52と、光学シート52の光入射側に配置された、図1に示す場合と同様な直下型の光源60を備えている。
図2に示す光学シート52において、図1と異なるところは、光学素子シート523を構成する光学素子部522にある。この光学素子部522は、図2に示すように、図1に示す場合と同様な材料からなる基材シート521の光出射面に並列して設けられた三角柱状を呈する複数のプリズム(特許請求の範囲に記載した帯状レンズに相当する)5221からなるもので、この複数のプリズム5221は複数種類の互いに異なる熱可塑性もしくは放射線硬化性の樹脂硬化物から構成される。また、このプリズム5221は基材シート521の光出射面に重合接着されるか、または基材シート521の光出射面に基材シート521と一度に形成されるものである。
また、基材シート521の光入射面側には、図1に示す場合と同様な光拡散シート524と光拡散板525が積層状態に設けられている。
【0034】
樹脂硬化物からなるプリズム5221の屈折率差Mは、0.01 ≦ M ≦ 0.09の範囲に設定されている。また、プリズム5221それぞれの色度をYxy表色系で表した場合の色差Δx及びΔyのうち、色差ΔxはΔx ≧ 0.003の範囲に設定され、色差ΔyはΔy ≧ 0.003の範囲に設定されている。
さらに、複数のプリズム5221の異なる樹脂硬化物同士が接合し合う境界線L2のうち、互いに隣り合う境界線L2間の寸法をピッチ幅Pとした場合、このピッチ幅Pは、P ≦ 300μmの範囲に設定されている。
図2に示す実施の形態では、一例として、光学素子部522に二種類の異なる樹脂硬化物を用いた場合を示した。図2では、梨地模様で示す樹脂硬化物からなるプリズム5221aと白抜きで示す樹脂硬化物からなるプリズム5221bとが複数並列して設けられた場合を示している。また、また、互いに隣り合う境界線L2間の寸法であるピッチ幅Pはランダムであるが、それぞれの硬化前の樹脂の混ぜ具合によってピッチ幅を制御することができる。
【0035】
次に本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例1では、図1に示した構成の光学素子シート503を作成した。
まず、最良の形態で挙げたポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル系樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン等のUV硬化性樹脂の中から異なる樹脂を二種類選び、混合攪拌機を用いて1:1の割合で混合した。次に、厚さ75μmの基材シートのPETシート表面上に混合樹脂を塗布し、ドクターナイフで薄延し、凹凸形状の逆型形状を表面に有するロール状金型に樹脂塗布側を圧接させつつ基材シートを通してUV照射し、PETシート表面上に塗布された樹脂を硬化し、二種類の異なる樹脂硬化物から形成される光学素子が複数並列してなる光学素子シート503を作成した。
【0036】
本実施例1の光学素子シート503においては、半円柱状凸レンズ5021を形成する樹脂は二種類とした。形状は、全てピッチ幅Pを140μm、高さを76μmとし、半円柱状のシリンドリカルレンズ群が一方向に並列してなるレンチキュラーレンズアレイのレンズシートとした。
二種類の樹脂は、まず、UV照射装置を用いて高圧水銀灯ランプで1000mJ/cm2のUVを照射して硬化を行い、75μmの平膜をそれぞれ成形した。そして、成形した硬化膜の膜屈折率、色差を測定し、様々な屈折率差M、色差Δx及びΔyを示す樹脂の組み合わせを考慮して選択した。屈折率測定にはデジタル屈折計RX−2000を、色差測定には色彩色差計CR−300を用いた。
なお、実際のレンズ成形におけるUV照射強度も、上述と同等に高圧水銀灯ランプで1000mJ/cm2とした。
作成した上記レンズシートにおいて、樹脂硬化物の屈折率差と色差に対して外観検査を行った。この場合の外観検査の結果を図5に示した。この図5から明らかように、屈折率差M ≧ 0.01、色差Δx ≧0.003かつΔy ≧ 0.003の両条件を満たすときに、外観にて樹脂硬化物の境界線が視認できることがわかった。この条件を満たさないと、外観で境界線が視認できず、バックライトの冷陰極管(ランプ601)の影消し効果は期待できない。
【0037】
(実施例2)
本実施例2では、図1に示した構成の光学素子シート503を作成した。
まず、最良の形態で挙げたポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル系樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン等のUV硬化性樹脂の中から異なる樹脂を二種類選び、混合攪拌機を用いて1:1の割合で混合した。次に、厚さ75μmの基材シートのPETシート表面上に混合樹脂を塗布し、ドクターナイフで薄延し、凹凸形状の逆型形状を表面に有するロール状金型に樹脂塗布側を圧接させつつ基材シートを通してUV照射し、PETシート表面上に塗布された樹脂を硬化し、二種類の異なる樹脂硬化物から形成される光学素子が複数並列してなる光学素子シート503を作成した。
【0038】
本実施例2の光学素子シート503においては、半円柱状凸レンズ5021を形成する樹脂は二種類とした。形状は、全てピッチ幅Pを140μm、高さを76μmとし、半円柱状のシリンドリカルレンズ群が一方向に並列してなるレンチキュラーレンズアレイのレンズシートとした。
本実施例2では、実施例1における半円柱状凸レンズ5021の屈折率差MがM ≧ 0.01で、色差ΔxがΔx ≧0.003、色差ΔyがΔy ≧ 0.003の両条件を満たした図5に示すサンプルNo.4のレンズシートを作成した。ここで、二種類の樹脂を攪拌する際に、混合攪拌機の攪拌条件を制御することによって、二種類の樹脂の混ざり具合を変化させ、これに伴い、二種類の樹脂間に生じる境界線L1間のピッチ幅Pを変化させた様々なレンズシートを作成した。境界線L1間のピッチ幅Pの測定はスケールルーペを用い、レンズシートのレンズアレイと垂直の方向へ等間隔に5点測定を行い、平均値を取ることで行った。
作成したレンズシートにおいて、境界線L1間のピッチ幅Pに対する冷陰極管の影消し効果を調査した。
【0039】
調査方法としては、図4に示したように、ランプ601に直径3mmの冷陰極管(CCFL)を用いた液晶ディスプレイ装置において、光の入射側から順に光拡散板505、本実施例で作成したレンズシート(光学素子シート)503の順に積層して組み込み、液晶パネル20の上方から外観検査を行った。この時の外観検査結果を図6に示した。図6から明らかなように、境界線間のピッチ幅PがP ≦ 300μmのときに、冷陰極管の影が液晶パネル20の上方から視認できず、影消し効果があることがわかった。これに対して、ピッチ幅Pが300μm以上では冷陰極管の影が生じることが確認された。
【0040】
(実施例3)
本実施例3では、図1に示した構成の光学素子シート505を作成した。
まず、最良の形態で挙げたポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル系樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン等のUV硬化性樹脂の中から異なる樹脂を二種類選び、混合攪拌機を用いて1:1の割合で混合した。次に、厚さ75μmの基材シートのPETシート表面上に混合樹脂を塗布し、ドクターナイフで薄延し、凹凸形状の逆型形状を表面に有するロール状金型に樹脂塗布側を圧接させつつ基材シートを通してUV照射し、PETシート表面上に塗布された樹脂を硬化し、二種類の異なる樹脂硬化物から形成される光学素子が複数並列してなる光学素子シート503を作成した。
【0041】
本実施例3の光学素子シート503おいては、光学素子ぶ502を形成する樹脂は二種類とした。形状は、全てピッチ幅Pは140μm、高さは76μmとし、半円柱状のシリンドリカルレンズ群が一方向に並列してなるレンチキュラーレンズアレイのレンズシートとした。
また、本実施例3では、実施例1における屈折率差M ≧ 0.01、色差Δx ≧0.003かつΔy ≧ 0.003の両条件を満たしたサンプルNo.3〜8の樹脂を用い、かつ境界線のピッチ幅P ≦ 300μmとなるようにレンズシートの作成を行った。そして、それぞれのレンズシートの輝度測定を行った。リファレンスとしてアクリル系樹脂(屈折率は1.55)一種類を用いて作成した通常のレンズシートの輝度測定も行った。方法としては、レンズシートをディスプレイ装置に組み込み、輝度測定機を用いて正面輝度、及び水平方向の半値角の測定を行った。正面輝度に関しては、参照として3M社のBEFIIIの輝度測定をし、その値を1としたときの比率にて表記した。この場合の輝度測定結果を図7に示す。
図7から明らかなように、屈折率差Mが0.1のサンプルにおいては正面輝度が大きく低下してしまうが、その他の0.01 ≦ M ≦ 0.09を満たすサンプルにおいては何れも通常のシートと比較して光学特性が変化することなく問題無いことがわかった。
【0042】
実施例1〜3の結果より、二種類の異なる樹脂硬化物から形成されるレンチキュラーレンズが複数並列してなるレンズシートの、樹脂間の屈折率差M、色差Δx及びΔy、境界線ピッチ幅Pにおいて、P0.01 ≦ M ≦ 0.09、色差Δx ≧0.003かつΔy ≧ 0.003、P ≦ 300μmの条件を全て満たすとき、光拡散シートの持つ冷陰極管の影消しの性質をレンズシートに付加させることができる。そのため今回の液晶パネル、冷陰極管においては通常のレンズシートでは影消しのために光拡散シートの積層が必要となるが、本発明に係るレンズシートは光拡散シートを積層せずに、かつ光学特性を損なうことなく液晶表示装置に組み込んで使用することができる。また、冷陰極管の種類によっては、本発明に係るレンズシートを用いても拡散シートを必要とする場合もあるが、拡散板を薄型化する等の低コスト化は可能である。従って、本発明によりコストを低減した光学シート、ディスプレイ用バックライトユニット、ディスプレイ装置を提供することができる。
また、今回はピッチ幅140μm、高さ76μmのレンズ形状のものに限って検証を行ったが、それ以外のピッチ幅や高さを持ったレンズ、またはプリズムにおいても同様の傾向が見られることが期待できる。更に、三種類以上の樹脂を用いた場合においても、上記の条件を満たすことによって同様の効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る光学シートを用いたバックライトユニット及び液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明に係る光学シートを用いたバックライトユニット及び液晶表示装置の他の例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における光学素子シートのロールトゥロール方式成形機を示す概略構成図である。
【図4】本発明に係る液晶パネル上方からの外観検査の様子を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるレンズシートの外観検査結果を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるレンズシートの外観検査結果を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるレンズシートの輝度測定結果を示す説明図である。
【図8】従来技術による液晶表示装置の構成例を示す説明図である。
【図9】従来技術による液晶表示装置の構成例を示す説明図である。
【図10】従来技術による液晶表示装置の構成例を示す説明図である。
【図11】従来技術によるBEFの斜視図を示す説明図である。
【図12】従来技術による液晶表示用光学シートの構成例を示す説明図である。
【図13】BEFを用いた光学シートから出射される光強度分布を示す説明図である。
【図14】BEFとは別タイプの従来技術に係る光学シートを示す説明図である。
【図15】BEFを積層して構成した光学シートと液晶表示装置を示す説明図である。
【符号の説明】
【0044】
10……液晶表示装置、20……液晶パネル、30……バックライトユニット、50……光学シート、501……基材シート、502……光学素子部、503……光学素子シート、504……光拡散シート、505……光拡散板、5021……半円柱状凸レンズ、60……光源、601……ランプ、602……リフレター、52……光学シート、522……光学素子部、523……光学素子シート、5221……プリズム。
【技術分野】
【0001】
画素単位での透過/非透過のレンズシートを有するディスプレイ用の光学シート及び透明状態/散乱状態に応じて表示パターンが規定される表示素子が配置された液晶パネルを背面側から前記光学シートを介して照明するバックライトユニット並びにディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、TFT型液晶パネルやSTN型液晶パネルを使用した液晶表示装置は、主としてOA分野のカラーノートPC(パーソナルコンピュータ)を中心に商品化されている。
このような液晶表示装置においては、液晶パネルの背面側(観察者と対向する面と反対の面)に光源を配置し、この光源からの光で液晶パネルを照明する方式、いわゆる、バックライト方式が採用されている。
この種のバックライト方式に採用されているバックライトユニットとしては、大別して冷陰極管(CCFT)等の光源ランプを、光透過性に優れたアクリル樹脂等からなる平板状の導光板内で多重反射させる「導光板ライトガイド方式」(いわゆる、エッジライト方式)と、導光板を用いない「直下型方式」とがある。
【0003】
導光板ライトガイド方式のバックライトユニットが搭載された液晶表示装置としては、例えば、図8に示すものが一般に知られている。
この液晶表示装置は、表裏両面に偏光板71,73を有する液晶パネル72が上部に位置して設けられ、液晶パネル72の下面側には、略長方形の板状を呈するPMMA(ポリメチルメタクリレート)やアクリル等の透明な基材からなる導光板79が設置されており、この導光板79の上面(光射出側)には拡散フィルム(拡散層)78が設けられている。
さらに、導光板79の下面(光入射側)には、導光板79に導入された光を効率よく液晶パネル72の方向に均一となるように散乱して反射されるための散乱反射パターン部(図示せず)が印刷などによって設けられると共に、この散乱反射パターン部の下方に反射フィルム(反射層)77が設けられている。
【0004】
また、導光板79の側端部に光源ランプ76が設けられており、さらに、光源ランプ76の光を効率よく導光板79中に入射させるために、光源ランプ76の背面側を覆うようにして高反射率のランプリフレクター81が設けられている。
上記散乱反射パターン部は、白色である二酸化チタン(TiO2)粉末を透明な接着剤等の溶液に混合した混合物を、所定パターン、例えばドットパターンにて印刷し乾燥、形成したものであり、導光板79内に入射した光に指向性を付与し、導光板79の光射出面側へと導くようになっている。これは高輝度化を図るための工夫である。
【0005】
さらに、最近では、光利用効率をアップして高輝度化を図るべく、図9に示す液晶表示装置が知られている。
この液晶表示装置は、表裏両面に偏光板71,73を有する液晶パネル72と、液晶パネル72の下面側に配置された、光源ランプ76、ランプリフレクター81及び反射フィルム(反射層)77を有する導光板79と、導光板79の光出射面側に設けられた拡散フィルム78と、拡散フィルム78とこれに対向する液晶パネル72の偏光板73との間に配置された、光集光機能を備えたプリズムフィルム(プリズム層)74,75とを備えている。プリズムフィルム74,75は、導光板79の光射出面から射出され、拡散フィルム78で拡散された光を、高効率で液晶パネル72の有効表示エリアに集光させるものである。
【0006】
しかしながら、図8に示した液晶表示装置では、視野角の制御は、拡散フィルム78の拡散性のみに委ねられているため、その制御は難しく、ディスプレイの正面方向の中心部が明るく、周辺部に行くほど暗くなるという特性は避けられない。そのため、液晶画面を横から見たときの輝度の低下が大きく、光の利用効率の低下を招いていた。
さらに、図9に示したプリズムフィルム74,75を用いてなる液晶表示装置では、プリズムフィルムの枚数が2枚必要であるため、プリズムフィルムの吸収による光量の低下が大きいだけでなく、部材数の増加によりコストが上昇するという問題があった。
【0007】
一方、直下型方式は、導光板の利用が困難な大型の液晶TVなどの液晶表示装置に利用される。
直下型方式の液晶表示装置としては、図10に示す構成のものが一般的に知られている。
この液晶表示装置は、図10に示すように、表裏両面に偏光板71,73を有する液晶パネル72を備えており、この液晶パネル72の偏光板73と対向する光入射面側には拡散フィルム82が設けられ、さらに、拡散フィルム82の光入射面側には、蛍光管等からなる複数の光源51が拡散フィルム82の光入射面に沿って等間隔に配列されている。また、さらに、複数の光源51の背面には、各光源51からの光を効率よく照明光として利用するためのリフレター52が配置されている。
このような直下型方式の液晶表示装置においては、光源51から射出され、拡散フィルム82で拡散された光を、高効率で液晶パネル72の有効表示エリアに集光させることができる。
【0008】
しかしながら、図10に示す液晶表示装置では、視野角の制御は、拡散フィルム82の拡散性のみに委ねられているため、その制御は難しく、ディスプレイの正面方向の中心部は明るく、周辺部に行くほど暗くなる特性は避けられない。そのため、液晶画面を横から見たときの輝度の低下が大きく、光の利用効率の低下を招いていた。
【0009】
そこで、上記問題を解決する光学シートとして、米国3M社の登録商標である輝度強調フィルム(Brightness Enhancement Film:BEF)が、広く使用されている。
このBEFは、図11に示すように、光拡散フィルム(基材)21の上面に、断面が三角形状の単位プリズム22が一方向に一定のピッチで配列されたフィルムである。
単位プリズム22は光の波長に比較して大きいサイズ(ピッチ)である。BEFは、“軸外(off-axis)”からの光を集光し、この光を視聴者に向けて“軸上(on-axis)”に方向転換(redirect)または“リサイクル(recycle)”する。
【0010】
ディスプレイの使用時(観察時)に、BEFは、軸外輝度を低下させることによって軸上輝度を増大させる。ここで言う「軸上」とは、視聴者の視覚方向に一致する方向であり、一般的にはディスプレイ画面に対する法線方向(図1中に示す矢印Fの方向)である。
BEFの採用により、ディスプレイ設計者が電力消費を低減しながら所望の軸上輝度を達成することができるようになった。
【0011】
BEFを輝度制御部材として用いた光学シートでは、図12に示すように、屈折作用xによって、光源23からの光Pが、最終的には、制御された角度φでフィルムから出射されることにより、視聴者の視覚方向の光の強度を高めるように制御することができる。
BEFに代表されるプリズムの反復的アレイ構造を有する輝度制御部材をディスプレイ装置に採用する技術が従来から知られている(特許文献1乃至3参照)。
【特許文献1】特公平1−37801号公報
【特許文献2】特開平6−102506号公報
【特許文献3】特表平10−506500号公報
【特許文献4】特開2000−284268号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記図11に示す光学シートでは、同時に視聴者の視覚方向に進むことなく横方向に無駄に出射する、想定外の光線が存在する。このため、図13に示すように、BEFを用いた光学シートから出射される光強度分布は、特性曲線Bに示すように、視聴者の視覚方向、すなわち視覚方向Fに対する角度が0°(軸上方向にあたる)における光強度が最も高められるものの、正面より±90°近辺に小さな光強度ピークが生じる。すなわち、横方向から無駄に出射される光(サイドローブ)が増えてしまうという問題がある。
このような光強度ピークを有する輝度分布は望ましくはなく、図13の特性曲線Aに示すように、±90°近辺での光強度ピークのない滑らかな輝度分布の方が望ましい。
【0013】
また、このような液晶表示装置では、軽量、低消費電力、高輝度、薄型化であることが市場ニーズとして強く要請されており、それに伴い、液晶表示装置に搭載されるバックライトユニットも、軽量、低消費電力、高輝度であることが要求されている。特に、最近、目覚しい発展をみるカラー液晶表示装置においては、液晶パネルのパネル透過率がモノクロ対応の液晶パネルに比べ格段に低く、そのため、バックライトユニットの輝度向上を図ることが、表示装置自体の低消費電力を得るために必須となっている。
しかしながら、上述したように従来の液晶表示装置では、高輝度、低消費電力の要請に充分に応えられているとは言いがたく、ユーザからは、低コスト、高輝度、高表示品位で、かつ低消費電力の液晶表示装置を実現できるバックライトユニット及びディスプレイ装置の開発が待ち望まれている。
【0014】
以上の事情に鑑み、本出願人は、BEFに代表されるプリズムシートの代替製品として、特許文献4に開示されたレンズシートを提案している。
上記レンズシートを備える液晶表示装置は、図14に示すように、表裏両面に偏光板71,73を有する液晶パネル72を備える。この液晶パネル72の下面側には拡散フィルム74が設けられ、この拡散フィルム74の下方には、長方形板状の透明な基材からなる導光板79が配設され、導光板79の下面には反射フィルム(反射層)77が設けられている。また、導光板79の側端部に沿って光源ランプ76が配設されており、さらに、光源ランプ76の光を効率よく導光板79中に入射させるべく、光源ランプ76の背面側を覆うようにして高反射率のランプリフレクタ81が設けられている。さらに、拡散フィルム74と導光板79との間には、開口部84aを有する光反射層84を備えるレンズシート83が配設されている。
【0015】
上記液晶表示装置において、レンズシート83の光入射面側に設けられた光反射層84の開口部84aを通ることができなかった光は、光反射層84で反射され、導光板79側に戻される。そして、導光板79との界面あるいは導光板79内での反射を繰り返した後、いずれは開口部84aを通ってレンズシート83に再度入射し、出射角度を所定角度内に制御された後に液晶パネル72に向け出射される。
このようなレンズシート83を用いたバックライトユニットでは、裏面に設けた光反射層83の開口部84aの大きさ及び位置を調節することによって、光の利用効率を高めて、レンズシート83から液晶パネル72に向け出射される光の割合を高めると同時にサイドローブも抑えることができる。
【0016】
ところで、上述した輝度向上用の光学シートであるレンズシートや光拡散部材は、一般的に光拡散板や光拡散シートと共にディスプレイ装置に組み込まれて使用される。
この種のディスプレイ装置は、図15に示すように、液晶パネル90、液晶パネル90の光入射面側に配置された、光路制御機能を有する光学シート98、及び光学シート98の光入射面側に配置されたバックライト用の光源97を備える。
光学シート98は、透明な基材シート93の液晶パネル90と対向する面に設けられた半円柱状凸レンズ群からなるレンズ部92を有するレンズシート94と、レンズシート94の光入射面側に積層状態に配設された光拡散シート91及び光拡散板95とから構成されている。また、光源97は、光拡散板95の光入射面に沿って等間隔に配列された冷陰極管等からなる複数のランプ96aと、複数のランプ96aの背面に配置され、各ランプ96aからの光を効率よく照明光として利用するためのリフレター96bとから構成されている。
【0017】
このような輝度向上用の光学シートをディスプレイ装置に組み込む目的の一つは、バックライトからの光を均一に液晶パネル方向へ向けること、そして、目的の二つ目はバックライトとして用いられている冷陰極管の影を消し、液晶パネルの画面上で視認できないようにすることである。しかし、上記二つ目の目的を達成するために、冷陰極管の種類によっては拡散度の強い光拡散板95や、2枚以上の光拡散シート91を要する場合があり、コスト高を招く問題がある。
【0018】
本発明は、上記のような従来の問題を解決するためになされたもので、光源の影消しの性質を輝度向上用の光学シートに持たせて製品の低コストを可能にした光学シート及びこれを用いたバックライトユニット並びにディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、照明光を収束もしくは均一化する機能を有する光学シートであって、透明な基材シート、及び前記基材シートの光出射面に形成され前記基材シートの光入射面から入射された前記照明光が前記光出射面から出射される際の出射光の方向、範囲、色、輝度分布の少なくとも何れかを制御する光学素子部を有する光学素子シートと、前記基材シートの光入射面に対向して設けられた光拡散部材とを備え、前記光学素子部は前記光出射面に並列して設けられた複数の帯状レンズからなり、前記複数の帯状レンズは複数種類の異なる樹脂硬化物で構成され、前記複数の帯状レンズの屈折率差Mが0.01 ≦ M ≦ 0.09の範囲に設定され、前記複数の帯状レンズそれぞれの色度をYxy表色系で表した場合の色差Δx及びΔyのうち、色差ΔxがΔx ≧ 0.003の範囲に設定され、色差ΔyがΔy ≧ 0.003の範囲に設定され、前記複数の帯状レンズの並列方向において、前記複数種類の異なる樹脂硬化物の混ざり具合で当該異なる樹脂硬化物同士の界面に生じる境界線のうち、互いに隣り合う境界線間の寸法をピッチ幅Pとした場合、前記ピッチ幅PがP ≦ 300μmの範囲に設定されていることを特徴とする。
【0020】
請求項2の発明は、請求項1記載の光学シートにおいて、前記帯状レンズは、三角形状プリズムもしくは半円柱状凸レンズであることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求1または2に記載の光学シートにおいて、前記帯状レンズは、熱可塑性もしくは放射線硬化性の樹脂硬化物からなり、該光学素子が前記基材シートの光出射面に重合接着されるか、もしくは前記基材シートの光出射面に該基材シート一度に形成されることを特徴とする。
【0021】
請求項4の発明は、バックライトユニットであって、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の光学シートと、前記光学シートの光入射面側に配置された光源を少なくとも備えることを特徴とする。
【0022】
請求項5の発明は、ディスプレイ装置であって、画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示素子と、前記画像表示素子の背面に、請求項4に記載のバックライトユニットを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明にかかる光学シート及びこれを用いたバックライトユニット並びにディスプレイ装置おいては、光学素子シートを構成する光学素子部を基材シートの光出射面に並列して設けられた複数の帯状レンズで形成し、この複数の帯状レンズを複数種類の異なる樹脂硬化物で構成し、この帯状レンズの屈折率差Mを0.01 ≦ M ≦ 0.09の範囲に設定し、かつ帯状レンズの色差Δx及びΔyをΔx ≧ 0.003及びΔy ≧ 0.003の範囲にそれぞれ設定し、さらに、複数の帯状レンズの並列方向において、複数種類の異なる樹脂硬化物の混ざり具合で当該異なる樹脂硬化物同士の界面に生じる境界線のうち、互いに隣り合う境界線間の寸法をピッチ幅Pとした場合、このピッチ幅PをP ≦ 300μmの範囲に設定する構成にした。
したがって、本発明によれば、光源を構成する冷陰極管等のランプの影消しの性質を光学素子シートに持たせることができ、併せて、光拡散部材の薄型化、光拡散シートの枚数の低減及び製品の低コスト化が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明にかかる光学シートを用いたバックライトユニットを具備する液晶表示装置の一例を示す概略断面図であり、各部位の縮尺は実際とは一致しない。
図1に示す液晶表示装置10は、液晶パネル(特許請求の範囲に記載した画像表示素子に相当する)20と、この液晶パネル20の光入射側に臨ませて配置されたディスプレイ用のバックライトユニット30を備える。
バックライトユニット30は、光学シート50及び光学シート50の光入射側に配置された直下型の光源60とを備える。
前記光源60は、光学シート50の光入射面に沿って等間隔に配列された冷陰極線管などからなる複数のランプ601と、ランプ601からの光を効率よく照明光として利用するためのリフレター602とを備えている。
【0025】
光学シート50は、透明な基材シート501、及び基材シート501の光出射面に形成され、基材シート501の光入射面から入射された照明光が基材シート501の光出射面から出射される時の出射光の方向、範囲、色、輝度分布の少なくとも何れかを制御する光学素子部502を有する輝度向上用の光学素子シート503を備え、さらに、基材シート501の光入射面に対向して積層状態に設けられた光拡散シート504及び光拡散板505(光拡散シート504と光拡散板505が特許請求の範囲に記載した光拡散部材に相当する)を備えている。
光学素子部502は、基材シート501の光出射面に並列して設けられた複数の半円柱状凸レンズ(特許請求の範囲に記載した帯状レンズに相当する)5021からなるもので、この半円柱状凸レンズ5021は複数種類の互いに異なる熱可塑性もしくは放射線硬化性の樹脂硬化物から構成される。また、この半円柱状凸レンズ5021は基材シート501の光出射面に重合接着されるか、または基材シート501の光出射面に基材シート501と一度に形成されるものである。
【0026】
樹脂硬化物からなる半円柱状凸レンズ5021の屈折率差Mは、0.01 ≦ M ≦ 0.09の範囲に設定されている。また、半円柱状凸レンズ5021それぞれの色度をYxy表色系で表した場合の色差Δx及びΔyのうち、色差ΔxはΔx ≧ 0.003の範囲に設定され、色差ΔyはΔy ≧ 0.003の範囲に設定されている。
さらに、複数の半円柱状凸レンズ5021の並列方向において、複数種類の異なる樹脂硬化物の混ざり具合で当該異なる樹脂硬化物同士の界面に生じる境界線L1のうち、互いに隣り合う境界線L1間の寸法をピッチ幅Pとした場合、このピッチ幅Pは、P ≦ 300μmの範囲に設定されている。
本実施の形態では、一例として、複数の半円柱状凸レンズ5021に二種類の異なる樹脂硬化物を用いた場合を示した。図1では、梨地模様で示す樹脂硬化物からなる半円柱状凸レンズ5021aと白抜きで示す樹脂硬化物からなる半円柱状凸レンズ5021bとが複数並列して設けられた場合を示している。また、互いに隣り合う境界線L1間の寸法であるピッチ幅Pはランダムであるが、それぞれの硬化前の樹脂の混ぜ具合によってピッチ幅を制御することができる。詳細は後述する実施例2で述べる。
【0027】
基材シート501の素材としては、当該技術分野で良く知られているポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン(PE)等のプラスチックシートを用いる。これらのシートの屈折率はグレード等にもよるが、参考までに値を示すと屈折率は何れも1.50±0.5となっている。
光学素子シート503における光学素子部502の素材としては、例えばポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル系樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン等の放射線硬化性樹脂、またはアクリルニトリルスチレン共重合体樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂等の熱硬化性樹脂、またはプロプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリアセタール樹脂等の熱可塑性樹脂等を用いる。
【0028】
光学素子シート503のレンズパターンの成形法としては、図3に示したようなロールトゥロール方式が用いられる。
図3に示すロールトゥロール方式の成形機は、ロール状に巻回された基材シート501を巻き出す基材巻出し部45、レンズパターンを成形する金型ロール43、基材巻出し部45から巻き出される基材シート501を金型ロール43へ案内する複数のガイドロール47a,47b、ガイドロール47aと47bとの間に延在する基材シート501に対向して配置され、基材シート501の上面に樹脂及び混合樹脂を塗布する樹脂供給部41およびドクターナイフ40、樹脂が塗布された基材シート501を金型ロール43に押し付ける押圧ロール48、金型ロール43に近接して配置された冷却、加熱もしくは放射線照射部42、レンズパターンが成形された後の光学素子シートを巻き取る巻取り部46とを備える。
【0029】
次に動作について説明する。
まず、少なくとも二種類の異なった熱硬化性、熱可塑性もしくは放射線硬化性の樹脂41aを適度な割合で混合させ、樹脂41aと樹脂41aの界面に複数の境界線44を作る。基本的に、種類の異なる樹脂は、完全に混ざり合うことは無いため、何れの樹脂の組み合わせにおいても、異なる樹脂同士の界面に境界線を作ることはできる。
次に、ロールトゥロール方式の成形機にて、樹脂供給部41により、図3に示すライン進行方向に走行される基材シート501の上面に混合樹脂41aを塗布する。そして、凹凸形状の逆型形状を表面に有する金型ロール43に樹脂塗布側を圧接させつつ、基材シート501を通して冷却、加熱もしくは放射線照射部42で冷却、加熱もしくは放射線照射を行い、基材シート501の表面上に塗布された樹脂41aを硬化する。これにより、目的の凹凸形状を持った光学素子部502のレンズパターンを基材シート501の表面上に成形する。この場合、異なった樹脂が混ざり合わずに硬化されるため、少なくとも二種類以上の異なる樹脂硬化物、すなわち、図1に示すように、梨地模様で示す樹脂硬化物からなる半円柱状凸レンズ5021aと白抜きで示す樹脂硬化物からなる半円柱状凸レンズ5021bが複数並列してなる光学素子シート503を作成することができる。
また、光学素子部502のレンズパターンと基材シート501を押出し成形法や射出成形法等で一度に形成する方法も挙げられる。
【0030】
また、顧客による光学特性の要望次第では、光学素子シート503の入射面側に光反射層を設ける場合もある。光反射層の有無は必要とする集光機能とコスト、どちらをとるかによって決まる。
光反射層を設ける場合は白色顔料、金属蒸着層を用い高反射率で光吸収の少ないものを選択することが好ましい。例えば、アクリル系樹脂等の透明樹脂に、二酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシウム、亜鉛華、鉛白、リトポン等の白色微粒子を分散させて固化させたものや、または白インキ等を採用しても良い。
光反射層の反射率としては、背面側に光を反射して照明光として再利用することができるように、83%以上の高反射率であることが好ましく、90%以上であるとより好ましい。
【0031】
該光反射層は、UV硬化型粘着材を使用した転写法で作成することもできる。あらかじめレンズと反対の面にUV硬化型粘着材を貼合し、レンズ側からUVを照射することで、粘着材のレンズの集光部分を硬化し、粘着材の硬化部分と未硬化部分が交互に並ぶパターンを形成する。その後、粘着材の表面に光反射層を貼合し、剥離することで、粘着材の未硬化部分のみに光反射層を残すことでき、レンズのパターンに同期した光反射層パターンが出来上がる。この方法であれば、容易にレンズと光反射層を1:1に対応させて配置することができる。
また、該光反射層は押し出しや射出成形で出射面側に光学素子部502、基材シート501および他の面に凹凸をつけたレンズシートを一体化して成形したのち、この凹凸を利用して光反射性を示すインキをパターン状に塗布する方法で作成することもできる。
【0032】
光拡散板505や光拡散シート504は、透明樹脂とこの透明樹脂の中に分散された透明粒子とを具備して構成されており、これら透明樹脂の屈折率と透明粒子の屈折率が異なるものである必要がある。透明樹脂の屈折率と透明粒子の屈折率の差は0.02以上であることが望ましい。屈折率の差がこれより小さいと十分な光散乱性能が得られない。また、その屈折率差は0.5以下で良い。
また、光拡散板505や光拡散シート504は、この光拡散板に入射した光を散乱させながら透過させる必要がある。このため、光拡散板505や光拡散シート504に含まれる前記透明粒子の平均粒径は0.5〜10.0μmであることが望ましい。好ましくは1.0〜5.0μmである。または、光拡散板505においては、透明樹脂中に空気を含む微細な空洞を有した構造をしており、透明樹脂と空気の屈折率差で拡散性能を得ても良い。
透明樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン、アクリルニトリルスチレン共重合体等を使用することができる。
【0033】
(実施の形態2)
図2は、本発明にかかる光学シートを用いたバックライトユニットを具備する液晶表示装置の他の例を示す概略断面図であり、各部位の縮尺は実際とは一致しない。
図2に示す液晶表示装置10は、図1に示す場合と同様な液晶パネル20、液晶パネル20の光入射側に臨ませて配置されたディスプレイ用のバックライトユニット30を備える。
バックライトユニット30は、図1に示す場合と異なる構成の光学シート52と、光学シート52の光入射側に配置された、図1に示す場合と同様な直下型の光源60を備えている。
図2に示す光学シート52において、図1と異なるところは、光学素子シート523を構成する光学素子部522にある。この光学素子部522は、図2に示すように、図1に示す場合と同様な材料からなる基材シート521の光出射面に並列して設けられた三角柱状を呈する複数のプリズム(特許請求の範囲に記載した帯状レンズに相当する)5221からなるもので、この複数のプリズム5221は複数種類の互いに異なる熱可塑性もしくは放射線硬化性の樹脂硬化物から構成される。また、このプリズム5221は基材シート521の光出射面に重合接着されるか、または基材シート521の光出射面に基材シート521と一度に形成されるものである。
また、基材シート521の光入射面側には、図1に示す場合と同様な光拡散シート524と光拡散板525が積層状態に設けられている。
【0034】
樹脂硬化物からなるプリズム5221の屈折率差Mは、0.01 ≦ M ≦ 0.09の範囲に設定されている。また、プリズム5221それぞれの色度をYxy表色系で表した場合の色差Δx及びΔyのうち、色差ΔxはΔx ≧ 0.003の範囲に設定され、色差ΔyはΔy ≧ 0.003の範囲に設定されている。
さらに、複数のプリズム5221の異なる樹脂硬化物同士が接合し合う境界線L2のうち、互いに隣り合う境界線L2間の寸法をピッチ幅Pとした場合、このピッチ幅Pは、P ≦ 300μmの範囲に設定されている。
図2に示す実施の形態では、一例として、光学素子部522に二種類の異なる樹脂硬化物を用いた場合を示した。図2では、梨地模様で示す樹脂硬化物からなるプリズム5221aと白抜きで示す樹脂硬化物からなるプリズム5221bとが複数並列して設けられた場合を示している。また、また、互いに隣り合う境界線L2間の寸法であるピッチ幅Pはランダムであるが、それぞれの硬化前の樹脂の混ぜ具合によってピッチ幅を制御することができる。
【0035】
次に本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
本実施例1では、図1に示した構成の光学素子シート503を作成した。
まず、最良の形態で挙げたポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル系樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン等のUV硬化性樹脂の中から異なる樹脂を二種類選び、混合攪拌機を用いて1:1の割合で混合した。次に、厚さ75μmの基材シートのPETシート表面上に混合樹脂を塗布し、ドクターナイフで薄延し、凹凸形状の逆型形状を表面に有するロール状金型に樹脂塗布側を圧接させつつ基材シートを通してUV照射し、PETシート表面上に塗布された樹脂を硬化し、二種類の異なる樹脂硬化物から形成される光学素子が複数並列してなる光学素子シート503を作成した。
【0036】
本実施例1の光学素子シート503においては、半円柱状凸レンズ5021を形成する樹脂は二種類とした。形状は、全てピッチ幅Pを140μm、高さを76μmとし、半円柱状のシリンドリカルレンズ群が一方向に並列してなるレンチキュラーレンズアレイのレンズシートとした。
二種類の樹脂は、まず、UV照射装置を用いて高圧水銀灯ランプで1000mJ/cm2のUVを照射して硬化を行い、75μmの平膜をそれぞれ成形した。そして、成形した硬化膜の膜屈折率、色差を測定し、様々な屈折率差M、色差Δx及びΔyを示す樹脂の組み合わせを考慮して選択した。屈折率測定にはデジタル屈折計RX−2000を、色差測定には色彩色差計CR−300を用いた。
なお、実際のレンズ成形におけるUV照射強度も、上述と同等に高圧水銀灯ランプで1000mJ/cm2とした。
作成した上記レンズシートにおいて、樹脂硬化物の屈折率差と色差に対して外観検査を行った。この場合の外観検査の結果を図5に示した。この図5から明らかように、屈折率差M ≧ 0.01、色差Δx ≧0.003かつΔy ≧ 0.003の両条件を満たすときに、外観にて樹脂硬化物の境界線が視認できることがわかった。この条件を満たさないと、外観で境界線が視認できず、バックライトの冷陰極管(ランプ601)の影消し効果は期待できない。
【0037】
(実施例2)
本実施例2では、図1に示した構成の光学素子シート503を作成した。
まず、最良の形態で挙げたポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル系樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン等のUV硬化性樹脂の中から異なる樹脂を二種類選び、混合攪拌機を用いて1:1の割合で混合した。次に、厚さ75μmの基材シートのPETシート表面上に混合樹脂を塗布し、ドクターナイフで薄延し、凹凸形状の逆型形状を表面に有するロール状金型に樹脂塗布側を圧接させつつ基材シートを通してUV照射し、PETシート表面上に塗布された樹脂を硬化し、二種類の異なる樹脂硬化物から形成される光学素子が複数並列してなる光学素子シート503を作成した。
【0038】
本実施例2の光学素子シート503においては、半円柱状凸レンズ5021を形成する樹脂は二種類とした。形状は、全てピッチ幅Pを140μm、高さを76μmとし、半円柱状のシリンドリカルレンズ群が一方向に並列してなるレンチキュラーレンズアレイのレンズシートとした。
本実施例2では、実施例1における半円柱状凸レンズ5021の屈折率差MがM ≧ 0.01で、色差ΔxがΔx ≧0.003、色差ΔyがΔy ≧ 0.003の両条件を満たした図5に示すサンプルNo.4のレンズシートを作成した。ここで、二種類の樹脂を攪拌する際に、混合攪拌機の攪拌条件を制御することによって、二種類の樹脂の混ざり具合を変化させ、これに伴い、二種類の樹脂間に生じる境界線L1間のピッチ幅Pを変化させた様々なレンズシートを作成した。境界線L1間のピッチ幅Pの測定はスケールルーペを用い、レンズシートのレンズアレイと垂直の方向へ等間隔に5点測定を行い、平均値を取ることで行った。
作成したレンズシートにおいて、境界線L1間のピッチ幅Pに対する冷陰極管の影消し効果を調査した。
【0039】
調査方法としては、図4に示したように、ランプ601に直径3mmの冷陰極管(CCFL)を用いた液晶ディスプレイ装置において、光の入射側から順に光拡散板505、本実施例で作成したレンズシート(光学素子シート)503の順に積層して組み込み、液晶パネル20の上方から外観検査を行った。この時の外観検査結果を図6に示した。図6から明らかなように、境界線間のピッチ幅PがP ≦ 300μmのときに、冷陰極管の影が液晶パネル20の上方から視認できず、影消し効果があることがわかった。これに対して、ピッチ幅Pが300μm以上では冷陰極管の影が生じることが確認された。
【0040】
(実施例3)
本実施例3では、図1に示した構成の光学素子シート505を作成した。
まず、最良の形態で挙げたポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル系樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン等のUV硬化性樹脂の中から異なる樹脂を二種類選び、混合攪拌機を用いて1:1の割合で混合した。次に、厚さ75μmの基材シートのPETシート表面上に混合樹脂を塗布し、ドクターナイフで薄延し、凹凸形状の逆型形状を表面に有するロール状金型に樹脂塗布側を圧接させつつ基材シートを通してUV照射し、PETシート表面上に塗布された樹脂を硬化し、二種類の異なる樹脂硬化物から形成される光学素子が複数並列してなる光学素子シート503を作成した。
【0041】
本実施例3の光学素子シート503おいては、光学素子ぶ502を形成する樹脂は二種類とした。形状は、全てピッチ幅Pは140μm、高さは76μmとし、半円柱状のシリンドリカルレンズ群が一方向に並列してなるレンチキュラーレンズアレイのレンズシートとした。
また、本実施例3では、実施例1における屈折率差M ≧ 0.01、色差Δx ≧0.003かつΔy ≧ 0.003の両条件を満たしたサンプルNo.3〜8の樹脂を用い、かつ境界線のピッチ幅P ≦ 300μmとなるようにレンズシートの作成を行った。そして、それぞれのレンズシートの輝度測定を行った。リファレンスとしてアクリル系樹脂(屈折率は1.55)一種類を用いて作成した通常のレンズシートの輝度測定も行った。方法としては、レンズシートをディスプレイ装置に組み込み、輝度測定機を用いて正面輝度、及び水平方向の半値角の測定を行った。正面輝度に関しては、参照として3M社のBEFIIIの輝度測定をし、その値を1としたときの比率にて表記した。この場合の輝度測定結果を図7に示す。
図7から明らかなように、屈折率差Mが0.1のサンプルにおいては正面輝度が大きく低下してしまうが、その他の0.01 ≦ M ≦ 0.09を満たすサンプルにおいては何れも通常のシートと比較して光学特性が変化することなく問題無いことがわかった。
【0042】
実施例1〜3の結果より、二種類の異なる樹脂硬化物から形成されるレンチキュラーレンズが複数並列してなるレンズシートの、樹脂間の屈折率差M、色差Δx及びΔy、境界線ピッチ幅Pにおいて、P0.01 ≦ M ≦ 0.09、色差Δx ≧0.003かつΔy ≧ 0.003、P ≦ 300μmの条件を全て満たすとき、光拡散シートの持つ冷陰極管の影消しの性質をレンズシートに付加させることができる。そのため今回の液晶パネル、冷陰極管においては通常のレンズシートでは影消しのために光拡散シートの積層が必要となるが、本発明に係るレンズシートは光拡散シートを積層せずに、かつ光学特性を損なうことなく液晶表示装置に組み込んで使用することができる。また、冷陰極管の種類によっては、本発明に係るレンズシートを用いても拡散シートを必要とする場合もあるが、拡散板を薄型化する等の低コスト化は可能である。従って、本発明によりコストを低減した光学シート、ディスプレイ用バックライトユニット、ディスプレイ装置を提供することができる。
また、今回はピッチ幅140μm、高さ76μmのレンズ形状のものに限って検証を行ったが、それ以外のピッチ幅や高さを持ったレンズ、またはプリズムにおいても同様の傾向が見られることが期待できる。更に、三種類以上の樹脂を用いた場合においても、上記の条件を満たすことによって同様の効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る光学シートを用いたバックライトユニット及び液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明に係る光学シートを用いたバックライトユニット及び液晶表示装置の他の例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の実施の形態における光学素子シートのロールトゥロール方式成形機を示す概略構成図である。
【図4】本発明に係る液晶パネル上方からの外観検査の様子を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態におけるレンズシートの外観検査結果を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態におけるレンズシートの外観検査結果を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態におけるレンズシートの輝度測定結果を示す説明図である。
【図8】従来技術による液晶表示装置の構成例を示す説明図である。
【図9】従来技術による液晶表示装置の構成例を示す説明図である。
【図10】従来技術による液晶表示装置の構成例を示す説明図である。
【図11】従来技術によるBEFの斜視図を示す説明図である。
【図12】従来技術による液晶表示用光学シートの構成例を示す説明図である。
【図13】BEFを用いた光学シートから出射される光強度分布を示す説明図である。
【図14】BEFとは別タイプの従来技術に係る光学シートを示す説明図である。
【図15】BEFを積層して構成した光学シートと液晶表示装置を示す説明図である。
【符号の説明】
【0044】
10……液晶表示装置、20……液晶パネル、30……バックライトユニット、50……光学シート、501……基材シート、502……光学素子部、503……光学素子シート、504……光拡散シート、505……光拡散板、5021……半円柱状凸レンズ、60……光源、601……ランプ、602……リフレター、52……光学シート、522……光学素子部、523……光学素子シート、5221……プリズム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光を収束もしくは均一化する機能を有する光学シートであって、
透明な基材シート、及び前記基材シートの光出射面に形成され前記基材シートの光入射面から入射された前記照明光が前記光出射面から出射される際の出射光の方向、範囲、色、輝度分布の少なくとも何れかを制御する光学素子部を有する光学素子シートと、
前記基材シートの光入射面に対向して設けられた光拡散部材とを備え、
前記光学素子部は前記光出射面に並列して設けられた複数の帯状レンズからなり、
前記複数の帯状レンズは複数種類の異なる樹脂硬化物で構成され、
前記複数の帯状レンズの屈折率差Mが0.01 ≦ M ≦ 0.09の範囲に設定され、
前記複数の帯状レンズそれぞれの色度をYxy表色系で表した場合の色差Δx及びΔyのうち、色差ΔxがΔx ≧ 0.003の範囲に設定され、色差ΔyがΔy ≧ 0.003の範囲に設定され、
前記複数の帯状レンズの並列方向において、前記複数種類の異なる樹脂硬化物の混ざり具合で当該異なる樹脂硬化物同士の界面に生じる境界線のうち、互いに隣り合う境界線間の寸法をピッチ幅Pとした場合、前記ピッチ幅PがP ≦ 300μmの範囲に設定されている、
ことを特徴とする光学シート。
【請求項2】
前記帯状レンズは、三角形状プリズムもしくは半円柱状凸レンズであることを特徴とする請求項1記載の光学シート。
【請求項3】
前記帯状レンズは、熱可塑性もしくは放射線硬化性の樹脂硬化物からなり、該光学素子が前記基材シートの光出射面に重合接着されるか、もしくは前記基材シートの光出射面に該基材シート一度に形成されることを特徴とする請求1または2に記載の光学シート。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の光学シートと、前記光学シートの光入射面側に配置された光源を少なくとも備える、
ことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項5】
画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示素子と、
前記画像表示素子の背面に、請求項4に記載のバックライトユニットを備える、
ことを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項1】
照明光を収束もしくは均一化する機能を有する光学シートであって、
透明な基材シート、及び前記基材シートの光出射面に形成され前記基材シートの光入射面から入射された前記照明光が前記光出射面から出射される際の出射光の方向、範囲、色、輝度分布の少なくとも何れかを制御する光学素子部を有する光学素子シートと、
前記基材シートの光入射面に対向して設けられた光拡散部材とを備え、
前記光学素子部は前記光出射面に並列して設けられた複数の帯状レンズからなり、
前記複数の帯状レンズは複数種類の異なる樹脂硬化物で構成され、
前記複数の帯状レンズの屈折率差Mが0.01 ≦ M ≦ 0.09の範囲に設定され、
前記複数の帯状レンズそれぞれの色度をYxy表色系で表した場合の色差Δx及びΔyのうち、色差ΔxがΔx ≧ 0.003の範囲に設定され、色差ΔyがΔy ≧ 0.003の範囲に設定され、
前記複数の帯状レンズの並列方向において、前記複数種類の異なる樹脂硬化物の混ざり具合で当該異なる樹脂硬化物同士の界面に生じる境界線のうち、互いに隣り合う境界線間の寸法をピッチ幅Pとした場合、前記ピッチ幅PがP ≦ 300μmの範囲に設定されている、
ことを特徴とする光学シート。
【請求項2】
前記帯状レンズは、三角形状プリズムもしくは半円柱状凸レンズであることを特徴とする請求項1記載の光学シート。
【請求項3】
前記帯状レンズは、熱可塑性もしくは放射線硬化性の樹脂硬化物からなり、該光学素子が前記基材シートの光出射面に重合接着されるか、もしくは前記基材シートの光出射面に該基材シート一度に形成されることを特徴とする請求1または2に記載の光学シート。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の光学シートと、前記光学シートの光入射面側に配置された光源を少なくとも備える、
ことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項5】
画素単位での透過/遮光に応じて表示画像を規定する画像表示素子と、
前記画像表示素子の背面に、請求項4に記載のバックライトユニットを備える、
ことを特徴とするディスプレイ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−192573(P2009−192573A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−30112(P2008−30112)
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月12日(2008.2.12)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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