説明

光学ディスクドライブのデータ復元方法

【課題】光学ディスクドライブのデータ復元方法の提供。
【解決手段】本発明は、PRML検出により一枚のディスクに保存されたチャネルビット列を復号化する光学ディスクドライブのデータ復元方法を提供する。従来の技術と異なり、本発明では検知したRF信号を直接復号化するのではなく、一部のRF信号を理想とされるRF信号のレベルにまで調整した後で復号化を図ることにより、チャネルビットにおける復号化エラー率を低下させるものである。本方法にはそのプロセスとして、第一RF信号列を検出、RF信号列が特定条件の信号ビット列に符合するか否かを判断、第一RF信号列において複数のRF信号が特定の理想とするRF信号となるように調整、並びに第二RF信号列を形成、その後復号化して第二RF信号列を取出し、が含まれる。実施例中において、本発明のデータ復元方法はパーシャルリスポンス通信路PR(1,2,2,2,1)系統中に応用されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光信号のRF波形を調整してチャネルビット復号化エラー率を低下させるようなデータ復元方法に関するもの、特に光学ディスクドライブのデータ復元方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
符号化はディジタル系統、特にディジタル信号であり、データディスクドライブ中において重要な一環を占める。一般的には、符号化には下記の三種類がある。情報源符号化(source coding)、誤り訂正符号化(error control coding)、通信路符号化(channel coding)。情報源符号化の目的は、人またはコンピュータを来源とする情報をディジタルデータ列、特に二値化されたビット列に変換し、当該情報内容を圧縮するもの。誤り訂正符号化はディジタルデータ列を新しいビット列に符号化し、このビット列にエラー信号を検知、校正させて保護機能を持たせるもの。通信路符号化の目的は、ビット列を効率的に変調してデータ通信路または記憶メディアまで送り、データ送信または保存の便を図るものである。
【0003】
ランレングス制限(RLL) (Run-Length Limited) は、HDD、CD-ROM、DVD-ROMといったディスクドライブ装置において広く使用されている通信路符号化技術である。RLLは通常。RLL(m、n)で表示され、符号化後のデータ中において、非ゼロ復帰記録(Non-Return-to-Zero, NRZ)の法則により、二個の″1″の間に最少m個、最多n個の″0″を含むことを表している。たとえば、RLL(1、7)符号化後のコードワード(codeword)は、二個の″1″の間に最少1個、最多で連続7個の″0″を含むことになる。
【0004】
光学ディスクドライブにおけるデータ取り込み過程は概ね以下のとおり。読取り書込みヘッドが固定波長のレーザー光をディスクに照射し、反射レーザー光を受けてPRML(Partial Response Maximum Likelihood)検出によりチャネルビットのRF波形をピックアップ、最尤推定法で探索して(たとえばビタビアルゴリズム)、記録されたチャネルビット列を復元、最後に、チャネルビット列を誤り制御符合を経て復号化して、所要のデータビット(情報)を取得する。ノイズや干渉の影響により、検出されたチャネルビットのRF波形は通常、理想のRFレベルと比して隔たりがあり、誤りが大きすぎると、チャネルビット復元化作業に影響を与えることになる。
【0005】
ディスク記憶密度が日に日に高くなる現在の趨勢下にあって、光学ディスクドライブのデータ再生の正確さをアップさせるに当たり、誤り制御/校正符合だけでは不十分である。本発明における動機は、チャネルビットのエラー率を低下させ、全体の復号化機能を向上させるようなデータ復元方法を提供することにある。いかにしてチャネルビットのエラー率を低下させるかに関しては、以下、実施形態の欄において詳述する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明における第一の目的は、ピックアップされた光信号のRF波形を調整して、チャネルビットの正確さを向上させるような光学ディスクドライブのチャネルビットデータ復元方法を提供することである。
【0007】
本発明における第二の目的は、チャネルビットのエラー率を低下させ、光学ディスクドライブ全体の復号化エラー率を降下させるような光学ディスクドライブのデータ復元方法を提供することである。
【0008】
上述に依拠して、本発明は、PRML検出を応用して一枚のディスク上に記録されたチャネルビット列を複合化するに当たり、その方法におけるプロセスとして、第一RF信号列を検出、RF信号列が特定条件の信号ビット列に符合するか否かを判断、第一RF信号列において複数のRF信号が特定の理想とするRF信号となるように調整、並びに第二RF信号列を形成、その後復号化して第二RF信号列を取出し、が含まれるような、光学ディスクドライブのデータ復元方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、PRML検出により一枚のディスクに保存されたチャネルビット列を復号化し、そのプロセスとして、
第一RF信号列を検出、
RF信号列が特定条件の信号ビット列に符合するか否かを判断、
第一RF信号列において複数のRF信号が特定の理想とするRF信号となるように調整、並びに第二RF信号列を形成、第二RF信号ビット列復号化、といったステップが含まれることを特徴とする光学ディスクドライブのデータ復元方法としている。
請求項2の発明は、請求項1記載の光学ディスクドライブのデータ復元方法において、当該特定条件の信号組成とは、当該第一RF信号ビット列中における複数個のRF信号が特定の信号レベルと波形(pattern)を具備していることを指すことを特徴とする光学ディスクドライブのデータ復元方法としている。
請求項3の発明は、請求項1記載の光学ディスクドライブのデータ復元方法において、当該ディスク上のチャネルビット列をPRチャネルに通過させ当該第一RF信号ビット列をピックアップすることを特徴とする光学ディスクドライブのデータ復元方法としている。
請求項4の発明は、PRML検出を応用して一枚のディスク上に記録されたチャネルビット列を複合化するに当たり、そのPRチャネルがPR(1、2、2、2、1)であり、且つディスク上のチャネルビット列がRLL(1、n)符号化原則(nは正の整数)に符合し、理想とするRF信号には九個の信号レベル0、±2、±4、±6、±8が含まれ、当該光学ディスクドライブのデータ復元方法として、
ビット列(a、b、c)を含むRF信号ビット列をピックアップ、
当該ビット列(a、b、c)が(2、4、2)または(-2、-4、-2)という特定のビット列に属するものか否かを判断、
当該ビット列(a、b、c)を(2、4、2)または(-2、-4、-2)に調整後、RF信号ビット列を復号化、が含まれることを特徴とする光学ディスクドライブのデータ復元方法としている。
請求項5の発明は、請求項4記載の光学ディスクドライブのデータ復元方法において、当該ビット列(a、b、c)が(2、4、2)または(-2、-4、-2)という特定のビット列に属するものか否かを判断するプロセスにおいて、
「bが(m1、m2)という上下制限値内にあり、且つaとcがbよりも小さい数か否かに基づき、当該ビット列(a、b、c)が(2、4、2)という特定のビット列に属することを判断し、2<m1<4<m2<6である。」、および
「bが(n1、n2)という上下制限値内にあり、且つaとcがbよりも大きい数か否かに基づき、当該ビット列(a、b、c)が(-2、-4、-2)という特定のビット列に属することを判断し、-2>n1>-4>n2>-6である。」を含むことを特徴とする光学ディスクドライブのデータ復元方法としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明において、PRML検出を応用して一枚のディスク上に記録されたチャネルビット列を複合化するに当たり、そのPR通信路がPR(1、2、2、2、1)であり、且つディスク上のチャネルビット列がRLL(1、n)符号化原則(nは正の整数)に符合し、理想とするRF信号には九個の信号レベル0、±2、±4、±6、±8が含まれる。そのデータ復元方法として、ビット列(a、b、c)を含むRF信号列をピックアップ、当該ビット列(a、b、c)が(2、4、2)または(-2、-4、-2)という特定のビット列に属するものか否かを判断、当該ビット列(a、b、c)を(2、4、2)または(-2、-4、-2)に調整後、RF信号列を復号化、が含まれるような、光学ディスクドライブのデータ復元方法を提供するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
ディスク上において、ピット(pit)・ランド(land)変換の箇所がチャネルビット″1″であり、平坦なピット、ランドが″0″である、との前提で話を進める。従来の技術によると、RLL(m、n)においてふたつの″1″の間に最少m個、最多n個の″0″が含まれると制限されている。言い換えると、光ディスク上のピット、ランドに対応して、RLL符号化の特性がピット長、ランド長を制限していることになる。本発明の実施例中におけるチャネルビットの表示方法に関して、ピットを″-1″で表し、ランドを″1″で表す。例を挙げると、記録ビット列(-1、-1、1、1、-1)を一般RLLコードで表すと(0,1,1,0)、記録ビット列(1、-1、-1、1、1)は(1,0,1,0)となる。ディスク上においてRLL符号化規則に符合するチャネルビット列は、m値が1を上回るので、最小ピット長または最小ランド長は2と限定され、ゆえに(-1、1、-1)または(1、-1、1、)といったピット・ランド変換が連続するビット列は存在しない。
【0012】
PRML検出に当たり周知の符合間干渉(Inter-Symbol Interference, ISI)を用いてPR通信路を読取り書込みヘッド/ディスク間のチャネルレスポンスに整合(match)させ、最尤推定法を用いてチャネルビット列を検出/決定する。これによって、PRMLをもってディスク上に記録されたチャネルビット列を検出し、ノイズ影響のない環境下において、これはチャネルビットがPR通信路を通過した後のアウトプットに相当する。数学的に表示すると、チャネルビットとPR通信路モデルとの畳み込み積分(convolution)の結果である。例を挙げると、チャネルビット列が(1、-1、-1、-1、1)とすると、PR通信路モデルPR(1,2,1)が検出するRF波形のチャネルビット列(1、-1、-1、-1、1)とビット列(1,2,1)の畳み込み積分の結果、すなわち(-2、-4、-2)である。
【0013】
RLL符号化規則に符合する二値データ列は、PR(1,2,1)、PR(1,2,2,1)、PR(1,2,2,2,1)といった光学ディスクドライブにおいて常用されるPR通信路モデルのアウトプットを経るに当たり、一定のモードを有している。言い換えると、RLL符号化における二値データ列と上述のPR通信路モデルとの畳み込み積分後、明確な特性を具備する。これらの特性の応用を経て、ディスクのチャネルビット復号化に当たり、チャネルビットの復号化エラー率を低下させる。
【0014】
PR(1,2,2,2,1)を例にとると、RLL(1、n)符号化規則に符合する二値データ列(nは1より大)は、畳み込み積分の結果、それぞれ0、±2、±4、±6、±8のレベルにある。ディスクのチャネル復号化に当たり、ノイズと干渉がない条件下において、RFの可能性としては0、±2、±4、±6、±8に限られ、RFのビット列はビタビアルゴリズムを経て復号化されディスク上のチャネルビットに記録される。
【0015】
検出されたRFが特定のレベルにあるのに加えて、レベル4の位置にある理想のRFは、必ずデータ列(-1、1、1、1、-1)とPR(1、2、2、2、1)との畳み込み積分の結果であり、レベル-4の位置にある理想のRFは、必ずデータ列(1、-1、-1、-1、1)とPR(1、2、2、2、1)との畳み込み積分の結果である。言い換えると、データ列(-1、1、1、1、-1)がなければ理想のFR波形となるレベル4をアウトプットできない、或いはデータ列(1、-1、-1、-1、1)がなければ理想のRF波形となるレベル-4をアウトプットできないことになる。″mは1以上″というRLL (m、n)コード規則に鑑みて、データ列(-1、1、1、1、-1)における前後二個のビット数値は必ず-1であり、データ列(1、-1、-1、-1、1)における前後二個のビット数値は必ず1である(または以下のようにも言える。データ列(-1、1、1、1、-1)を一般コード表示すればV1=(1,0,0,1)であり、二個の″1″の間に最小一個の″0″というRLLコード化制限条件を満たすためには、V1の前後には必ず″0″が必要。すなわち、(0、V1、0)=(0、1、0、0、1、0)である。実施例において使用する表記方式ではビット列(-1、-1、1、1、1、-1、-1)となる。データ列(1、-1、-1、-1、1)の場合は同様に類推されたし。)。よって、理想のRF波形となるレベル4の前後二個のRFは必ず2であり(データ列(1、1、-1、-1、-1)とPR(1、2、2、2、1)、およびデータ列(-1、-1、-1、1、1)とPR(1、2、2、2、1)との畳み込み積分の結果は2)、理想のRF波形となるレベル-4の前後二個のRFは必ず-2である(データ列(-1、-1、1、1、1)とPR(1、2、2、2、1)、およびデータ列(1、1、1、-1、-1)とPR(1、2、2、2、1)との畳み込み積分の結果は-2)。
【0016】
上述の特性がディスクのチャネルビット復号化の助けとなる。ノイズの影響により、実際上検出されるRFは0、±2、±4、±6、±8のレベル上にはなく、多少のずれが見られる。いま、RF信号列R1=(0.2、2.3、3.8、1.8、-0.1)と仮定すると、理想のRF信号列は(0、2、4、2、0)である。従来の技術において、図1を参照すると、RF信号列が直接ビタビアルゴリズムを経て、軟判定(Soft Decision)復号法によりチャネルビット復元されている。そして本発明の発想の原点において、レベル4にあるRFの前後は必ず2であることが既に判明しているので、RF信号列R1において、理想のRFであるレベル4になると思われる点を先にレベル4に調整し、前後を2に調整して再びビタビアルゴリズムを施す。本例中の図2において、すなわち、3.8を4に調整し、2.3と1.8を2に調整し、RF信号列R2=(0.2、2、4、2、-0.1)を得た後で、再びビタビアルゴリズムを施す。RF信号列R2は既にノイズの影響を除去されている(中間三個のRFレベルが修正されている)ので、RF信号列R1に直接ビタビアルゴリズムを施すよりも正確度は高い。
【0017】
同様の特性はRFがレベル-4となる点にも成立する。前述のように、レベル-4にあるRFの前後は必ず-2である。いま、RF信号列R3=(0.2、-1.8、-4.2、-2.4、-0.1)と仮定すると、理想のRF信号列は(0、-2、-4、-2、0)である。従来の技術では、RF信号列R3を直接復号化する(図3)が、本発明においては、図4のように、-1.8、-4.2、-2.4を-2、-4、-2に調整し、RF信号列R4=(0.2、-2、-4、-2、-0.1)を得た後で復号化を行う。
【0018】
上述の方法における実施上のポイントは、まず先にRF信号列においてレベル4(或いは-4)になると思われる点を判断し、その後で前後のRFレベルの大きさ(より大きい、或いはより小さい)を探索する。以上の二条件が同時に満たされる場合に限り、当該レベルとその前後を2、4、2(或いは-2、-4、-2)に調整できることになる。4或いは-4となる点を判断する簡単な条件は、上下制限値を設けることであり、検出されたRFレベルが当該上下制限値内にある場合に、当該レベルが4或いは-4に調整可能と推定する。たとえば、4の上下制限値を4.3と3.7、-4の上下制限値を-4.3と-3.7とし、続いて前後のRFレベルの大きさ(より大きい、或いはより小さい)を探索する。上述の例において、RF信号列R3において2.3、1.8はともに3.8を下回り、RF信号列R4において-1.8、-2.4はともに-4.2を上回るので、以上の方式を用いての調整が可能となる。
【0019】
ここで、実施例の方法に依拠すれば、信号列(0.3、2.6、3.4、3.6、2.1)は調整不可能(3.4と3.6は当該上下制限値外)、;信号列(0.3、2.6、2.8、3.9、3.4)は(0.3、2.6、2、4、2)に調整可能(3.9は当該上下制限値内、且つ2.8と3.4は3.9を下回る)。ゆえに、レベル4の判断は、以下のような判断式で表示可能である、
IF RF(i)n2、
IF (RF(i+1) && RF(i-1))<RF(i)、
RF(i)=4、
RF(i+1)=2、
RF(i-1)=2、
END
END
そのうち、RF(i)は第i個目のRF信号列の値、n1とn2はレベル4判断に当たっての上下制限値、n1>n2(それぞれ4.3と3.7)。
【0020】
同様にして、レベル-4の判断は、以下のような判断式で表示可能である、
IF RF(i)n4、
IF (RF(i+1) && RF(i-1))>RF(i)、
RF(i)=-4、
RF(i+1)=-2、
RF(i-1)=-2、
END
END
そのうち、n3とn4はレベル-4判断に当たっての上下制限値、n3>n4(それぞれ-3.7と-4.3)。
【0021】
復号化方法の光学ディスクドライブにおける応用は図5に示すとおり。ディスクから反射されてきたレーザー光を検知し、RF信号ビット列をピックアップする(ステップ300)。RF信号列中において、レベル4或いはレベル-4判断となる上下制限値内にある点の有無を探索する(ステップ302)。そのうち、レベル4の上下制限値を4.3と3.7、レベル-4の上下制限値を-4.3と-3.7とする。もしRF信号列において符合する点がなければ、ステップ312を進めてRF信号列に対して直接ビタビアルゴリズムを施す。もしそれがあり、且つレベル4の上下制限値内にある場合には、ステップ304に進み、当該点の前後二点がどちらも当該点のレベル値より小さいか否かを判断し、もしそうであれば、RF信号列を調整して、当該点とその前後二点を順に2、4、2とする(ステップ306)。もしなければ、ステップ312に進む。もしステップ302の結果、当該点がレベル-4の上下制限値内にある場合には、ステップ308に進み、当該点の前後二点がどちらも当該点のレベル値より大きいか否かを判断し、もしそうであれば、RF信号列を調整して、当該点とその前後二点を順に-2、-4、-2とする(ステップ310)。もしなければ、ステップ312に進む。
【0022】
これらを総合すると、本発明はRLLコードとPRチャネル(特にPR(1、2、2、2、1)チャネル)を根拠に畳み込み積分を行った後アウトプットするという特性があり、特定条件に符合するRF信号列の調整を経て、後続のチャネルビット復号化のエラー率を低下させるものである。本発明者は、特にPR(1、2、2、2、1)モデルに関して、RFレベルが4(或いは-4)となる点においてその特徴が最も顕著であり、その前後二点は理想的な状況下において必ず2(或いは-2)となることを発見した。ゆえに、条件に符合するRF信号列の点をビタビアルゴリズムに進む前の段階において、上述の実施例のような方式で先行調整し、調整後のRF信号列に基づき複合化を行えば、チャネルビット復号化のエラー率を低下させることが可能である。
【0023】
さらに、本発明の着想はその他の実施例においても広く応用可能であり、上述のPR(1、2、2、2、1)或いはRFレベル4或いは-4に限るものではない。たとえば、PR(1、2、2、1)とRLL(1、3)コード化規則に符合するデータビットからいくと、RFレベル6の前後二点は必ず4である(理想上はビット列(1、1、1、1)のみがRFレベル6を形成可能)。同時にRLL(1、3)コード化規則による制限から、ビット列(1、1、1、1)前後は必ず-1となり、レベル6前後二点のRFレベルは必ず4となる。前述の方法と同様にして、RF信号列中においてレベル6となる点が含まれ且つその前後がどちらも当該点よりも小さければ、類似方法を用いて調整が可能となる(たとえば、ビット列(0.3、2.5、4.4、5.8、5.1、3.4)は(0.3、2.5、4、6、4、3.4)まで調整可能)。
【0024】
これによって、″RF検出段階において理想とするRFレベルを得る″という条件を満たすことさえできれば、検出されたRFを理想とするRFへと調整し、新しいRF 信号列を形成させて、この新しいRF信号列に基づき復号化を行いチャネルビット復号化のエラー率を低下させ、ディスクデータ読取りに当たる復号化の正確度を増進することが可能となる。このほか、本発明に基づく光学ディスクドライブのデータ復元方法は、CD-ROM、DVD-/+R、DVD-ROM、DVD-/+RW等の各種光学ディスクドライブにおいて広く応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】RF信号列R1
【図2】本発明において元RF信号列R1が別のRF信号列R2に調整される様子
【図3】RF信号列R3
【図4】本発明において元RF信号列R3が別のRF信号列R4に調整される様子
【図5】本発明における復号化方法の流れ図
【符号の説明】
【0026】
300 RF信号列検出
302 レベル4或いは-4を含む
304 前後二点が当該点よりも小さい?
306 当該点とその前後二点を順に2、4、2に調整
308 前後二点が当該点よりも大きい?
310 当該点とその前後二点を順に-2、-4、-2に調整
313 ビタビアルゴリズム復号化

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PRML検出により一枚のディスクに保存されたチャネルビット列を復号化し、そのプロセスとして、
第一RF信号列を検出、
RF信号列が特定条件の信号ビット列に符合するか否かを判断、
第一RF信号列において複数のRF信号が特定の理想とするRF信号となるように調整、並びに第二RF信号列を形成、第二RF信号ビット列復号化、といったステップが含まれることを特徴とする光学ディスクドライブのデータ復元方法。
【請求項2】
請求項1記載の光学ディスクドライブのデータ復元方法において、当該特定条件の信号組成とは、当該第一RF信号ビット列中における複数個のRF信号が特定の信号レベルと波形(pattern)を具備していることを指すことを特徴とする光学ディスクドライブのデータ復元方法。
【請求項3】
請求項1記載の光学ディスクドライブのデータ復元方法において、当該ディスク上のチャネルビット列をPRチャネルに通過させ当該第一RF信号ビット列をピックアップすることを特徴とする光学ディスクドライブのデータ復元方法。
【請求項4】
PRML検出を応用して一枚のディスク上に記録されたチャネルビット列を複合化するに当たり、そのPRチャネルがPR(1、2、2、2、1)であり、且つディスク上のチャネルビット列がRLL(1、n)符号化原則(nは正の整数)に符合し、理想とするRF信号には九個の信号レベル0、±2、±4、±6、±8が含まれ、当該光学ディスクドライブのデータ復元方法として、
ビット列(a、b、c)を含むRF信号ビット列をピックアップ、
当該ビット列(a、b、c)が(2、4、2)または(-2、-4、-2)という特定のビット列に属するものか否かを判断、
当該ビット列(a、b、c)を(2、4、2)または(-2、-4、-2)に調整後、RF信号ビット列を復号化、が含まれることを特徴とする光学ディスクドライブのデータ復元方法。
【請求項5】
請求項4記載の光学ディスクドライブのデータ復元方法において、当該ビット列(a、b、c)が(2、4、2)または(-2、-4、-2)という特定のビット列に属するものか否かを判断するプロセスにおいて、
「bが(m1、m2)という上下制限値内にあり、且つaとcがbよりも小さい数か否かに基づき、当該ビット列(a、b、c)が(2、4、2)という特定のビット列に属することを判断し、2<m1<4<m2<6である。」、および
「bが(n1、n2)という上下制限値内にあり、且つaとcがbよりも大きい数か否かに基づき、当該ビット列(a、b、c)が(-2、-4、-2)という特定のビット列に属することを判断し、-2>n1>-4>n2>-6である。」を含むことを特徴とする光学ディスクドライブのデータ復元方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−141348(P2007−141348A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−333209(P2005−333209)
【出願日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(500386703)建興電子科技股▲ふん▼有限公司 (9)
【出願人】(505406442)
【Fターム(参考)】