説明

光学フィルムとその製造方法

【課題】溶剤のダイズ技術によりブレンドポリメチルメタクリレート(PMMA)を溶剤中で均一に混合し、ウエット膜を形成させ、且つ上記ウエット膜の加熱により光学フィルムを形成する光学フィルムとその製造方法を提供する。
【解決手段】PMMA、官能基が置換されたPMMA或いはPMMAブレンドのいずれかの一つと、上記PMMA、上記官能基が置換されたPMMA或いは上記PMMAブレンドのいずれかの材料に対応する溶剤を選択し、必要な仕様に応じて任意の比率で均一に上記溶剤中で混合し混合溶液を形成させ、上記混合溶液が乾燥処理後に光学フィルムを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光学フィルムとブレンド光学高分子が調整された前記光学フィルムの方法に関し、特にPMMA(ポリメチルメタクリレート)光学フィルム及び溶剤ダイス技術により調整された上記PMMA光学フィルムの方法である。
【背景技術】
【0002】
伝統的な光学フィルムの基本材料は一般的にトリアセテート(TAC)、PC(ポリカーボネート)、COPを主とする。典型的なTACフィルムはさらに光学フィルムの保護フィルムとベースフィルムとなっているので、一般的なTACフィルムは必要とされる光学特性を満たさなくてはいけない以外に、光学フィルムの使用需要を達成させ或いは保護TACフィルムの光学フィルムの効果を提供するために一定の強度且つ耐熱性及び耐湿性を有さなくてはならない。(以下の特許を参考にする:JP4342202、TW499573、JP2000−324055、JP2001−235625、JP2003−195048、EP1−285742、EP1−331245)。またアメリカ特許第6,652,926B1号で0.04%乃至0.3%のシリカ粒子をTACに添加すると、TACフィルムの靭性が増し、TACの膜厚を減少させることができると記載されている。
【0003】
続いて、基板或いは保護フィルムの形成に関し、アメリカ特許第2004/0086721A1号において、20乃至40%のPVDF(ポリフッ化ビニリデン)、40乃至60%のPMMA(ポリメチルメタクリレート)及び5乃至18%のアクリルエラストマーを溶融混合方式により基板或いは保護フィルムを形成できると記載されている。ヨーロッパ特許第EP1154005A1号ではPETフィルム中に5μmより小さい微粒子を混合させ平均粗さが20乃至600nmのPETフィルムを形成できると記載されている。このほか、日本特開平7−56017号で、ポリカーボネート樹脂を80重量%、(株)クラレ製PMMA系樹脂L−16(メチルメタクリレートとメタクリル酸トリブロモフェニルの共重合体)20重量%を押し出すことにより厚さ80μmの透明フィルムを得ることができ、及びメチルメタクリレート97重量%およびブチルアクリレート3重量%からなるPMMA共重合体75重量%にポリエチルアクリレート25重量%を混合した後、押し出しにより、厚さ500μmのフィルムを得たとしている。
【0004】
従来の技術の欠点は、TACフィルムの吸水性と透湿性が高いので、高温高湿環境下で使用した際、外部環境によりフィルムが変形したり、応力が生じるため、光学フィルムの光学特性に影響を及ぼし、ひいては光学フィルムが使えなくなる。またTACのb値が高いことは外観上明らかに分かり、視覚障害を引き起こし易くなる。そのほか、COPフィルム(例えばZeonor、Arton)の吸水性と透湿性は低すぎるため、性質が劣り、材料が脆くなり過ぎるという問題がある。ヨーロッパ特許第EP1154005A1号中の微粒子は表面粗さを減少させることができるが、その用いられるPETのガラス転移温度が低く(75℃)、現在光学フィルムの耐熱性に対する要求に適合できない。日本特開平7−56017号に記載されているPMMA/PCブレンドの材料性質は脆すぎ、PMMA/PEAブレンドの材料厚さは500μmにまで達し、相対する現在の光学フィルムの適用性は前記の欠点から見て不十分である。また溶融混合や熱間加工により材料が不安定な状態にならないように、及び光学フィルムの耐熱性、耐湿性と機械的性質を改善し、光学フィルムの安定性に関する問題を有効的に解決するために、本発明は前記欠点を解決することのできる光学フィルムとその製造方法を提供する。
【特許文献1】日本特許第4342202号公報
【特許文献2】台湾特許第499573号公報
【特許文献3】日本特開2000−324055号公報
【特許文献4】日本特開2001−235625号公報
【特許文献5】日本特開2003−195048号公報
【特許文献6】EP1−285742号公報
【特許文献7】EP1−331245号公報
【特許文献8】アメリカ特許第6,652,926B1号公報
【特許文献9】アメリカ特許第2004/0086721A1号公報
【特許文献1】ヨーロッパ特許第EP1154005A1号公報
【特許文献1】日本特開平7−56017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の第一目的は溶剤ダイス技術を用いてブレンドPMMAの光学フィルム及びその製造方法を提供することで、PMMAは毒性を持たない溶剤(例えばトルエン等)中で溶解させ、TACの製造工程で人体及び環境に害となり得るジクロロメタンを大量に使用するのを避けることができる。
【0006】
本発明の第二目的は最適な吸水性と透湿性を提供することで、光学フィルムの光学性質の変異に関する問題を有効的に解決できる。
【0007】
本発明の第三目的は耐熱性に優れており、機械的性質が良好で、低光弾性係数且つ良好な光学性質を備えており、例えば:低ヘイズ(haze)、低黄化指数、高アベ数、可視光の範囲(波長400乃至700nm)で高い透過度(>90%)を持ち、均一なフィルム面の性質(例えば厚み、表面粗さ等)を備える光学フィルムを提供することで、溶融混合や熱間加工により材料が不安定な状態にならないようにさせることができる。
【0008】
本発明で示す光学フィルムは、PMMA、官能基が置換されたPMMA或いはPMMAブレンドの少なくともいずれか一つの材料を選択する工程と、上記PMMA、官能基が置換されたPMMA或いはPMMAブレンドのいずれかの材料に対応する溶剤を選択する工程と、必要な仕様に応じて任意の比率で均一に上記溶剤中に混合し混合溶液を形成させ、重量百分率20乃至40%のPMMAを含む上記混合溶液が乾燥処理後に光学フィルムを形成する工程を含む。
【0009】
上記官能基はメチル基であり、上記置換されたPMMAはエチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ネオブチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキサン基等の官能基がメチル基に置換されたPMMAを含む。上記ブレンドは高分子、小分子、可塑剤、紫外線吸収剤、抗分解剤
anti-degradation agent)、或いはナノ粒子の少なくとも一つの材料を混合する。上記溶剤は芳香族、環状アルキル類、エーテル類、エステル類或いはケトン類の少なくとも一つを含む。上記芳香族はトルエン、オルトキシレン、メタキシレン、パラキシレンを含み、環状アルキル類はシクロヘキサンを含み、エーテル類はジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)を含み、エステル類はメチルアセテート、エチルアセテートを含み、ケトン類はアセトン、メチルエチルケトン(MEK)、1−メチルピロリドン(NMP)を含む。上記光学フィルムの厚さは20乃至200μmの間であり、かつ光学フィルムをLCD、LED、OLED或いはPLEDの光学フィルム基材或いは光学フィルムの保護フィルムで応用できる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は光学フィルムの製造方法に係り、PMMA、官能基が置換されたPMMA或いはPMMAブレンドの少なくともいずれか一つの材料を溶剤と混同させ均一な混合溶液を形成させる。上記混合溶液を均一に基板上に散布し、乾燥処理を行うと均一な表面の光学フィルムが得られる。
【0011】
上記混合液は溶剤ダイス方式により上記基板上に均一に散布される。上記溶剤ダイス方式はスクレーパー塗布、バー塗布、逆或いは同方向式ロール塗布、エアーカーテン式塗布、リール式塗布、グラビア塗布、ディップ式塗布、回転塗布、スリット塗布、押し出し式塗布或いはシャワ式塗布を含む。上記基板はガラス基板、プラスチック基板、鏡面鋼板、鏡面鋼テープ或いは表面が均一な状態である合成高分子を含む。上記合成高分子はPET(ポリエチレンテレフタラート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルホン)PI(ポリイミド)、PAR(ポリアリレート)、PC(ポリカーボネート)或いは天然繊維例えばCA(セルロース酸)、DAC(セルロース・ジアセテート)、TAC(セルロース・トリアセテート)などを含む。上記混合溶液が均一に上記基板上に散布され、その厚さは150μm乃至1200μmである。上記乾燥処理では紫外線光により均一に分布している上記基板上の混合溶液を照射する。
【0012】
本発明の光学フィルムの製造方法は円を描いている状態の上記光学フィルム上に液晶等の材料を塗布することを含み、ロール摩擦或いはUV感光などの方法により配向させ、位相差を有する位相差光学フィルムを得ることができる。
【0013】
また、本発明の光学フィルムに、更にポリメタクリル酸メチルメタクリレート及び/或いは、官能基が置換されたポリメタクリル酸メチルメタクリレート及び/或いはポリメタクリル酸メチルメタクリレートブレンドの少なくとも一つにより被覆されたゴム弾性材料から形成するPMMAゴム粒子を添加し、その上記ゴム弾性材料がブチルアクリル酸エステル(butyl acrylate)、ポリメタクリル酸メチルメタクリレート(methy methacrylate)、スチレンとそのポリマーのいずれかの一つの材料から選択することができ、且つ上記ゴム弾性材料の粒径は10μmよりも小さく、ひいてはナノレベルでもよく、光学フィルムの機械的性質を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
ここで、本発明の詳細な実施例を示す。しかし、注意すべきことは、このような明確な叙述以外に、本発明を広い範囲で実施例を実施することができ、本発明の範囲は前記実施例に限るものではなく、下記特許請求の範囲によって決定される。
【0015】
本発明は光学フィルムに係り、PMMA、官能基が置換されたPMMA及びブレンドPMMAの少なくともいずれか一つの材料と、上記PMMA、上記官能基が置換されたPMMA及びブレンドPMMAのいずれかの材料に対応する溶剤とを、必要な仕様に応じて任意の比率で均一に上記溶剤中で混合し、上記混合溶液は乾燥処理後に光学フィルムの基材を形成する特徴を含む。
【0016】
図1は、本発明である光学フィルムの製造プロセス(フローチャート)を示すものである。本発明である光学フィルムの製造プロセスは、まず、工程101でPMMA高分子及び溶剤を選択し、つまり1種類或いは2種類以上のPMMA或いは化学/物理手法により改質されたPMMAを選択し、必要な仕様に応じて任意の比率で均一に上記溶剤中で混合する。例を挙げれば、上記化学手法はPMMAブレンドを含み、上記ブレンドは高分子、小分子、可塑剤、紫外線吸収剤、抗分解剤(anti-degradation
agent)、或いはナノ粒子の少なくとも一つの材料を混合する。実施例を挙げると、上記溶剤は芳香族、環状アルキル類、エーテル類、エステル類、ケトン類或いはその混合物の少なくとも一つを含む。例を挙げると、上記芳香族はトルエン、オルトキシレン、メタキシレン、パラキシレンを含み、環状アルキル類はシクロヘキサンを含み、エーテル類はジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)を含み、エステル類はメチルアセテート、エチルアセテートを含み、ケトン類はアセトン、メチルエチルケトン(MEK)、1−メチルピロリドン(NMP)を含む。上記の溶剤選択はただの実施例であり、本発明を限定するものではない。
【0017】
上記ナノ粒子の粒径は100nmを超えないものが望ましく、良好な状態は80nmより小さい場合で、最も良いのは50nmより小さい場合である。
【0018】
実施例を挙げると、本発明では4組の溶剤ダイス技術によりPMMA光学フィルムの調整を示している。組成と溶剤は以下のとおりである。
1、Degussa 8N 100 part、Toluene 200 part;
2、Degussa 8N 97.5 part, Kuraray GR00100 2.5 part, Acetone 200part;
3、Degussa 8N 80 part、Degussa zk5BR 2.5 part, Methyl acetate 200part;
4、Degussa 8N 50 part, Kuraray GR049402.5 part, Toluene200part。
【0019】
続いて、工程102で、前記選択したPMMA高分子と溶剤とを溶剤混合技術により溶液系統を形成させ、測定を行う。その測定結果を図2に示す。また図3はPMMAが少量のシリカを加えられた後のPMMAフィルムの各種物理・化学性質を示している。シリカの含有量は0.5%乃至15%である。
【0020】
前記のKuraray
GRシリーズではGR04940、GR04970、GR00100、GR01240、GR01270、GR1000H24、GR1000H42及びGR1000H60を選択することができ、またDegussaのzk3BR、zk4BR、zk5BR、zk6BR、zk4HC、zk5HC、k6HC、zk5HT、zk6HT、zkHF、zk6HF、zk20、zk30、zk40及びzk50の中から任意の材料を用いることができる。最適な状態では、溶液中のPMMAの固体含有量は20乃至40%である。ステップ103に進むと、上記溶液を溶剤ダイス方式により、混合溶液を均一に基板上に散布する。例を挙げれば、上記基板はガラス基板、プラスチック基板、鏡面鋼板、鏡面鋼テープ或いは表面が均一な状態である合成高分子以外のものも含む。合成高分子はPET(ポリエチレンテレフタラート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PES(ポリエーテルサルホン)PI(ポリイミド)、PAR(ポリアリレート)、PC(ポリカーボネート)或いは天然繊維例えばCA(セルロース酸)、DAC(セルロース・ジアセテート)、TAC(セルロース・トリアセテート)などを含む。工程103において、本発明はスクレーパーにより混合溶液をガラス基板上に塗布し、例えば、スクレーパーの間隔(ギャップ)550μm、650μm、400μm以外のものも含む。また、上記溶剤ダイス方式はバー塗布、逆或いは同方向式ロール塗布、エアーカーテン式塗布、リール式塗布、グラビア塗布、ディップ式塗布、回転塗布、スリット塗布、押し出し式塗布或いはシャワ式塗布以外のものも含み、これらはすべて均一な光学フィルムの方式を形成するのに用いられる。
【0021】
前記の溶剤ダイス方式において、各種塗布方法以外にレンズ面に合わせた押し出し成型或いは射出成型によってでも、光学フィルムを形成することができる。
【0022】
塗布後形成された溶剤を含んでいるフィルムは湿膜と呼ばれ、湿膜厚さは需要に応じて決められる。最適な状態では、上記湿膜の厚みは150μm乃至1200μmとなる。炉でステップ式或いは連続式の昇温(例えば紫外線光を用いて照射する)方式により前記方法で得られた湿膜を乾燥させる。最適な状態では、上記乾燥された溶剤の残留量は1%以下で、良好な光学特性及び均一なフィルム面を有する光学フィルム(湿膜に対して乾膜と呼ばれる)を形成することができる。上記光学フィルムの厚みは溶剤の比率と加熱時間及び加熱温度によりコントロールされる。また上記乾膜は表面化学処理により、溶液中の分散性を高めることができる。その目的は形成されるフィルムの耐熱レベルを向上させるためで、乾膜の光学均一性には影響しない。
【0023】
上記PMMA光学フィルムの調合組成を溶剤に加え、90度まで加熱しながら、激しく攪拌する。この温度状態で1時間攪拌し、粒子が完全に溶解したら加熱源を移動させ室温になるまで攪拌を続ける。続いて35μmのフィルターで濾過した後しばらく静置させる。この混合溶液を傾けながらガラス基板上に流し込み、550μm間隔のスクレーパーで余分な塗布液を取り除く。その後、炉に10分間静置した後、乾燥処理工程を行い前記乾燥処理工程に前乾燥工程104と後乾燥工程105を含み、前記前乾燥工程104にさらに第一前乾燥工程と第二乾燥工程を含み、前記第一乾燥工程の主な温度範囲は60℃〜120℃で1〜5分の乾燥時間を維持し、前記第二乾燥工程の主な温度範囲は80℃〜140℃で1〜5分の乾燥時間を維持する。最後に後乾燥工程105を行いその温度範囲は60℃〜160℃で30〜60分の乾燥時間を維持する。結果、得られたフィルムの溶剤残留量は0.1%、フィルム厚は94μmであり、並びに光学測定と機械強度測定を行う。光学測定とは透過度、曇り度(HAZE)、b値等であり、機械強度とは伸び率(%)、引っ張り強度(MPa) 、引っ張り数値(MPa)等である。それから、上記のPMMAフィルムを加熱延伸処理により、円を描いている状態の液晶等の材料を塗布し、ロール摩擦或いはUV感光などの方法により配向させ、位相差を有する位相差光学フィルムを得ることができる。
【0024】
また、上記方法を用いて得られた光学フィルム(乾膜)が、良好な光学特性を有するため、例えば、低ヘイズ(HAZE)、低黄化指数、可視光の範囲(波長400乃至700nm)で高い透過度(>90%)を持ち、及び高アベ数(波長依存性が小さい)、光学フィルム基材或いは光学フィルムの保護フィルムとして直接応用することができる。言い換えれば、本発明の機能性光学フィルムは平面ディスプレイに応用され、例えばLCD、LED、OLED或いはPLED上である。
【0025】
本発明で用いる溶剤ダイス技術はブレンドPMMAから得られる光学フィルムに多くの利点を有させる。1.耐熱性に優れ、機械特性がちょうどよく、光弾性係数が低く、且つ良好な光学特性、例えば、低ヘイズ(HAZE)、低黄化指数、高アベ数(Abbe Number)、可視光の範囲(波長400乃至700nm)で高い透過度(>90%)を持ち、均一なフィルム面の性質(例えば厚み、表面粗さ等)を備える光学フィルムである;2.溶融混合や熱間加工により材料が不安定な状態にならないようにさせることができる;3.適度な吸水性と透湿性が光学フィルムの光学性質変位に関する問題を有効的に解決することができる;4.製造工程が簡単である。
【0026】
前記本発明の光学フィルムにおいて、更にポリメタクリル酸メチルメタクリレート及び/或いは官能基が置換されたポリメタクリル酸メチルメタクリレート及び/或いはポリメタクリル酸メチルメタクリレートブレンドブレンドに被覆されたゴム弾性材料から形成するポリメタクリル酸メチルメタクリレートゴム粒子を添加し、その上記ゴム弾性材料がブチルアクリル酸エステル(butyl acrylate)、ポリメタクリル酸メチルメタクリレート(methy methacrylate)、スチレンとそのポリマーのいずれかの一つの材料から選択することができ、且つ上記ゴム弾性材料の粒径は10μmよりも小さく、ひいてはナノレベルでもよい。また、上記PMMAゴム粒子の添加量が2.5乃至50%である。従って、延伸性等の性質を高めることも含め、光学フィルムの機械的性質を向上させることができる。
【0027】
前記本発明の光学フィルムにおいて、さらにシリカを添加でき、且つシリカは光学フィルムの製造工程で加えられる。比較的便利な方法は前記溶剤とシリカを先に混合し、それからPMMAブレンドの順序で行う。また、シリカを加える手順について、PMMA粒子を混合する際にシリカとPMMAをいっしょに加えてもよい。あるいは、PMMAを混合した後で前記シリカを混ぜてもよい。前記添加するシリカの割合は光学フィルムの重量百分率に対し0.5%乃至15%が最適な範囲である。
【0028】
本発明では最適な実施例の説明を上記に示したが、本発明の主張する特許範囲はこれに限られるものではない。その特許保護範囲は前記に示す特許請求の範囲と同等の領域で定められる。この領域を熟知している技術者が、本特許の主旨と範囲内から外れることなく、手を加え、本発明が示している主旨の下で変更或いは設計されているものも、上記の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
以下の詳細な説明を参照することにより、以上の観点と本発明の利点をより早く理解できると共に、以下の説明と添付図面により本発明の精神を容易に理解できる。
【図1】本発明に係る光学フィルムの製造の流れ図である。
【図2】本発明に係るPMMAのテスト結果図である。
【図3】本発明に係るPMMAフィルムにシリカを加えるテスト結果特性図である。
【符号の説明】
【0030】
101 PMMA高分子と溶剤の選択
102 溶剤の混合技術により溶液システムを形成し、且つ安定テストを行う
103 スクレーパー塗布のフィルター製造
104 予め乾燥処理
105 後乾燥

【特許請求の範囲】
【請求項1】
PMMA、官能基が置換されたPMMA及びPMMAブレンドの少なくともいずれか一つの材料を選択する工程と、
PMMA、上記官能基が置換されたPMMA及びPMMAブレンドのいずれかの材料に対応する溶剤を選択する工程と、
必要な仕様に応じて任意の比率で均一に上記溶剤中に混合し混合溶液を形成させ、上記混合溶液が乾燥処理後に光学フィルムを形成する工程を含むことを特徴とする光学フィルム。
【請求項2】
上記光学フィルムが更にシリカを含み、シリカの添加量が光学フィルムの重量百分率の20%乃至40%のいずれかの比率を占めることを選択することを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項3】
官能基が置換されたPMMAの置換された官能基はメチルでエチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチル、イソブチル、ネオブチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシルと複数の前記の官能基が置換されたメチルから選択することを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項4】
さらにPMMA材料、官能基が置換されたPMMA材料及び上記各種PMMAブレンド材料にゴム弾性の材料による粒子を含み、前記ゴム弾性材料はブチルアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸メチルメタクリレート(polymethyl methacryleate,PMMA)、スチレンと前記複数のゴム弾性材料ブレンドのいずれかの材料から選択し2.5乃至50%の添加量でPMMA、官能基が置換されたPMMA及び各種PMMAブレンドのいずれかの材料を選択し、上記ゴムの弾性材料を被覆することを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム。
【請求項5】
さらにシルカを添加する添加量が光学フィルムが占められる重量の0.5%ないし15%のいずれかの割合から選択することを特徴とする請求項3に記載の光学フィルム。
【請求項6】
PMMA、官能基が置換されたPMMA及び前記各種PMMAブレンドの少なくともいずれか一つの材料を選択する工程と、
混合し溶剤と混合し混合溶液を形成する工程と、
前記混合溶液を基板に散布する工程と、
乾燥処理を行い光学フィルムを形成する工程を含むことを特徴とする光学フィルムの製造方法。
【請求項7】
PMMA、官能基が置換されたPMMA及びPMMAブレンドのいずれかの材料は20%ないし40%の重量割合で前記溶剤を混合することを特徴とする請求項6に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項8】
前記混合溶液を前記基板に散布する厚さは150μm〜1200μmであることを特徴とする請求項6に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項9】
さらにPMMA材料、官能基が置換されたPMMA材料及び各種PMMAブレンドのいずれかの材料からゴム弾性の材料による粒子を含むことを選択し前記ゴム弾性材料はアクリル酸ブチルエステル、ポリメタクリル酸メチルメタクリレート(polymethyl methacryleate,PMMA)、スチレンと前記複数のゴム弾性材料ブレンドのいずれかの材料から選択し2.5乃至50%の添加量でPMMA、官能基が置換されたPMMA及び各種PMMAブレンドのいずれかの材料を選択し、上記ゴムの弾性材料を被覆することを特徴とする請求項6に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項10】
乾燥処理を行う工程により光学フィルムを形成し、前記乾燥処理工程にさらに前乾燥と後乾燥工程を含み、前記前乾燥工程の温度範囲は60℃〜140℃で前記後乾燥工程の温度範囲は60℃〜160℃であることを特徴とする請求項6に記載の光学フィルムの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−126654(P2007−126654A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−290844(P2006−290844)
【出願日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【出願人】(503168603)力特光電科技股▲ふん▼有限公司 (23)
【Fターム(参考)】