説明

光学レンズおよびそれを用いた発光モジュール

【課題】光学レンズおよびそれを用いた発光モジュールを提供する。
【解決手段】面発光レーザーチップにより生成される光線を変調する光学レンズが開示される。この光学レンズは、凹槽を有する主体を含む。凹槽の底表面は入光曲面を有し、且つ、主体と底表面に反対の外表面は出光曲面を有する。凹槽は、発光レーザーチップを収容し、面発光レーザーチップと入光曲面は、距離を有する。また、上述の光学レンズを適用した発光モジュールも開示される。上述の光学レンズは、まず、入射光を発散させてから、所定角度に収束させて、出力される照明光を均一に、投射距離を遠くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学素子に関するものであって、特に、光学レンズとその発光モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
居住セキュリティやその他の商業上の需要により、赤外線監視システムや識別システムが幅広く応用されている。従来のシステムは多くが、複数の高消耗電力の発光ダイオードを照明光源としている。しかし、発光ダイオードを照明光源とすると、消耗電力が高く、且つ、照明光は、例えば、200〜300メートル等の遠方に投射できないので、システムの応用範囲が制限される。
【0003】
上述の問題を改善するため、現在、レーザー光源を赤外線監視システムや識別システムの照明光源としている。しかし、従来の面発光レーザーチップの出力光線は、中央が暗いドーナツ形で、イメージに陰影が生じやすく、システムの識別精確度を低下させる。
【0004】
よって、いかにして、赤外線照明光源の均一度を向上させ、投射距離を遠くできるようにするかが課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、光学レンズおよびそれを用いた発光モジュールを提供し、上述の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、入光曲面と出光曲面を有する光学レンズを提供し、好ましくは、入光曲面を霧化処理する。よって、本発明の光学レンズに入射する光源は、まず発散して、その後、所定角度で収束し、本発明の光学レンズを採用した発光モジュールにより出力される照明光は、均一で、投射距離が遠い。
【0007】
本発明の一つの実施例による光学レンズは、面発光レーザーチップにより生成される光線を変調する。本発明の光学レンズは、凹槽を有する主体を含む。凹槽の底表面は入光曲面を有し、且つ、底表面に相対する外表面は出光曲面を有する。凹槽は、面発光レーザーチップを収容し、面発光レーザーチップと入光曲面間は、ある距離を有する。
【0008】
本発明の別の実施例による発光モジュールは、光学レンズおよび少なくとも一つの面発光レーザーチップを含む。光学レンズは、凹槽を有する主体を含む。凹槽の底表面は入光曲面を有し、且つ、底表面に相対する外表面は出光曲面を有する。面発光レーザーチップを凹槽内に設置し、面発光レーザーチップと入光曲面間にある距離を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の光学レンズにより出力される照明光は、均一で、且つ、投射距離が遠い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一つの実施例による光学レンズの立体図である。
【図2】本発明の一つの実施例による光学レンズの下視図である。
【図3】本発明の一つの実施例による光学レンズの図2のAA線に沿った断面構造を示す図である。
【図4】本発明の一つの実施例による発光モジュールの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の一つの実施例による光学レンズの立体図である。図2は、本発明の光学レンズの下視図である。図3は、本発明の光学レンズの図2のAA線に沿った断面構造を示す図である。図1〜図3を参照すると、本発明の一つの実施例による光学レンズは、凹槽11を有する主体10を含む。凹槽11の底表面12は入光曲面121を有する。一つの実施例では、入光曲面121は非球面である。好ましくは、入光曲面121は霧化処理により粗雑化される。この構造によると、入光曲面121は、入射光線を発散させる効果を有する。底表面12に相対する外表面13は、出光曲面131を有する。一つの実施例では、出光曲面131は球面である。出光曲面131は、入光曲面121を経て発散する光線を収束する効果を有する。よって、設計者は必要に応じて、出力される照明を所定角度に収束して、照明効率を向上させる。
【0012】
上述の構造によると、凹槽11内に設置される発光素子により生成される光線は、まず、入光曲面121に入射してから発散し、さらに、出光曲面131に入射して、所定角度で収束して、出力される。よって、本発明の光学レンズにより出力される照明光は、均一で、且つ、投射距離が遠い。
【0013】
図3を参照すると、一つの実施例では、凹槽11の底表面12から主体10の外表面13の距離Dは、出光曲面131の突出高度Hより大きく、入光曲面121および出光曲面131の間に大きい距離を有して、光線を均一にする。図2を参照すると、一つの実施例では、凹槽11の側壁は、複数の相対する突出部14を有する。相対する突出部14は、本発明の光学レンズを基板と係合させる。一つの実施例では、主体10は一体成形の構造で、その材料は、ガラスまたは高分子ポリマー、例えば、アクリル、ポリカーボネート(Polycarbonate,PC)等のプラスチック材料である。注意すべきことは、主体10の材料中にドープされる散乱材料も、散乱效果を生成して、入射光線を発散させることができることである。
【0014】
図4を参照すると、本発明の一つの実施例による発光モジュールは、光学レンズおよび発光素子31を含む。光学レンズは主体10を含み、詳細な構造は前述のようであり、ここで詳述しない。図4で示される光学レンズは、図2のBB線に沿った断面構造である。発光素子31が、光学レンズの凹槽11内に設置され、且つ、発光素子31と入光曲面121間にある距離を有する。例えば、発光素子31は、一つまたは複数の面発光レーザーチップで、パッケージキャリア30上に設置される。複数の面発光レーザーチップは、線的配列、アレイ配列または幾何パターン配列である。パッケージが完成した発光素子31を、さらに回路板20上に設置する。図4に示されるように、光学レンズの主体10は、相対する突出部14を利用して、発光素子31のパッケージキャリア30に抵接させて、光学レンズと発光素子31を係合する。注意すべきことは、適当な設計により、光学レンズを直接、回路板20と係合して、発光素子31を光学レンズの凹槽11内に設置してもよいことである。
【0015】
上述のように、本発明の光学レンズとその発光モジュールは、入光曲面および出光曲面を有し、好ましくは、入光曲面を霧化処理して、光線発散効果を向上させる。よって、本発明の光学レンズに入射する光源は、まず、入光曲面を経て発散後、出光曲面から所定角度で収束し、本発明の光学レンズにより出力される照明光は、均一で、且つ、投射距離が遠い。
【0016】
本発明では好ましい実施例を前述の通り開示したが、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない範囲内で各種の変動や潤色を加えることができ、従って本発明の保護範囲は、特許請求の範囲で指定した内容を基準とする。
【符号の説明】
【0017】
10 主体
11 凹槽
12 底表面
121 入光曲面
13 外表面
131 出光曲面
14 突出部
20 回路板
30 パッケージキャリア
31 発光素子
D 距離
H 突出高度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面発光レーザーチップにより生成される光線を変調する光学レンズであって、
底表面に入光曲面を有し、且つ、前記底表面と相対する外表面が出光曲面を有し、前記面発光レーザーチップを収容する凹槽を備え、前記面発光レーザーチップと前記入光曲面とが所定の距離を有するように形成された主体を含むことを特徴とする光学レンズ。
【請求項2】
前記入光曲面は、霧化処理されることを特徴とする請求項1に記載の光学レンズ。
【請求項3】
前記底表面から前記外表面の距離は、前記出光曲面の突出高度より大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学レンズ。
【請求項4】
前記凹槽の側壁は、複数の相対する突出部を有し、基板に係合することを特徴とする請求項1から3の何れかの一項に記載の光学レンズ。
【請求項5】
前記主体は一体成形構造であることを特徴とする請求項1から4の何れかの一項に記載の光学レンズ。
【請求項6】
前記主体の材料は、散乱材料をドープすることを特徴とする請求項1から5の何れかの一項に記載の光学レンズ。
【請求項7】
前記主体の材料は、ガラス又は高分子ポリマーであることを特徴とする請求項1から6の何れかの一項に記載の光学レンズ。
【請求項8】
前記入光曲面は非球面であることを特徴とする請求項1から7の何れかの一項に記載の光学レンズ。
【請求項9】
前記出光曲面は球面であることを特徴とする請求項1から8の何れかの一項に記載の光学レンズ。
【請求項10】
発光モジュールであって、
底表面に入光曲面を有し、且つ、前記底表面と相対する外表面が出光曲面を有する凹槽を備えた主体を含む光学レンズと、
前記凹槽内に設置され、且つ、前記入光曲面との間に所定の距離を有する少なくとも一つの面発光レーザーチップと
を含むことを特徴とする発光モジュール。
【請求項11】
前記入光曲面は、霧化処理を経ることを特徴とする請求項10に記載の発光モジュール。
【請求項12】
前記底表面から前記外表面の距離は、前記出光曲面の突出高度より大きいことを特徴とする請求項10又は11に記載の発光モジュール。
【請求項13】
前記凹槽の側壁は、複数の相対する突出部を有し、基板に係合することを特徴とする請求項10から12の何れかの一項に記載の発光モジュール。
【請求項14】
前記光学レンズは一体成形構造であることを特徴とする請求項10から13の何れかの一項に記載の発光モジュール。
【請求項15】
前記光学レンズの材料は、散乱材料をドープすることを特徴とする請求項10から14の何れかの一項に記載の発光モジュール。
【請求項16】
前記光学レンズの材料は、ガラス又は高分子ポリマーであることを特徴とする請求項10から15の何れかの一項に記載の発光モジュール。
【請求項17】
前記面発光レーザーチップは、複数の線的配列、アレイ配列または幾何パターン配列であることを特徴とする請求項10から16の何れかの一項に記載の発光モジュール。
【請求項18】
前記入光曲面は非球面であることを特徴とする請求項10から17の何れかの一項に記載の発光モジュール。
【請求項19】
前記出光曲面は球面であることを特徴とする請求項10から18の何れかの一項に記載の発光モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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