説明

光学微小共振器

光学微小共振器システム及びそれを組み込むセンサシステムが開示される。光学微小共振器システムは光導波路と、光導波路に光学的に結合される光微小空洞と、を含む。微小空洞は一次的に1つ以上の共振モードをサポートすることができる。光学微小共振器システムは微小空洞に光学的に結合され、共振モードをサポートすることができる光学微小共振器を更に含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して光学デバイスに関する。本発明は、特に、微小共振器を組み込む、光学センサ等の光学デバイスに適用することができる。
【背景技術】
【0002】
微小共振器は、例えば米国特許第6,876,796号に記載される光スイッチング、例えば同第7,092,591号に記載される光学フィルター、例えば同第7,062,131号に記載される波長フィルター、例えば同第6,741,628号に記載されるレーザー、例えば同第6,891,998号に記載される光の偏光解消、並びに例えば、同第5,744,902号に記載される化学的及び生物学的感知等の様々な用途において、より一層注目を浴びている。
【0003】
幾つかの既知の微小共振器構成では、光ファイバー等の光導波路に近接してガラス球状微小共振器を置く必要がある。そのような場合、光エネルギーは、エバネッセント結合によって共振器と光導波路との間を移動することができる。共振器と光導波路との間の分離は、典型的に1μm未満であり、再現可能な性能を提供するために、精密に制御されなければならない。微小共振器のその他の形態には、例えば、米国特許第7,095,010号に記載される円盤形状又はリング形状の微小共振器が挙げられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概して、本発明は、光学デバイスに関する。また、本発明は、1つ以上の微小共振器を含む、光学センサに関する。
【0005】
一実施形態においては、光学微小共振器システムは、光導波路と、光導波路に光学的に結合される光微小空洞と、を含む。微小空洞は1つ以上の共振モードを一次的にサポートすることができる。光学微小共振器システムは、微小空洞に光学的に結合され、共振モードをサポートすることができる光学微小共振器を更に含む。
【0006】
別の実施形態においては、光学微小共振器システムは、厚さ寸法h、幅寸法W、及び長さ寸法Lを有する矩形光微小空洞を含む。光学微小共振器システムは、微小空洞に光学的に結合される入力光導波路と、微小空洞の長さに沿って微小空洞に光学的に結合される光学微小共振器と、を更に含む。比率L/Wは、約6以下である。
【0007】
別の実施形態においては、光学センサは、第1の共振モードをサポートすることができる微小共振器システムであって、光学微小共振器、1つ以上の共振モードを一次的にサポートすることができる光微小空洞であって、光学微小共振器に光学的に結合される光微小空洞を含む、微小共振器システムを含む。微小共振器システムは、光微小空洞に光学的に結合される第1の光導波路を更に含む。光学センサは、第1の光導波路との光通信内にあり、微小共振器システムの第1の共振モードに対応する波長で光を放射することができる光源を更に含む。光学センサは、微小共振器システムとの光通信内にある検出器を更に含む。検出器は、第1の共振モードの特性を検出することができる。検体が微小共振器システムの近くに来た場合に第1の共振モードの特性は変化する。検出器は特性の変化を検出することができる。
【0008】
別の実施形態においては、光学微小共振器システムは、第1の光導波路と、第1の光導波路に光学的に結合され、1つ以上の共振モードを一次的にサポートすることができる光微小空洞を含む。光学微小共振器システムは、微小空洞に光学的に結合され、共振モードをサポートすることができる光学ファブリ・ペロー(Fabry Perot)空洞を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、添付の図面に関連して、本発明の様々な実施形態の、以下の詳細な記載を考慮して、より完全に理解され、評価されることができる。
【図1】微小共振器システムの概略平面図。
【図2】図1の微小共振器システムの一部分の拡大図。
【図3】定在波の概略プロファイル。
【図4A】微小空洞内の様々な定在波モードの略図。
【図4B】微小空洞内の様々な定在波モードの略図。
【図4C】微小空洞内の様々な定在波モードの略図。
【図4D】微小空洞内の様々な定在波モードの略図。
【図4E】微小空洞内の様々な定在波モードの略図。
【図5A】2つの微小共振器システムの概略平面図。
【図5B】2つの微小共振器システムの概略平面図。
【図6】微小共振器システムの概略三次元図。
【図7】多モード干渉カップラーの概略平面図。
【図8】光空洞の例示的な導波モードの略図。
【図9】微小共振器システムの概略平面図。
【図10】集積光学デバイスの概略三次元図。
【図11】散乱中心を有する異なる微小共振器システムの計算された信号強度対波長のプロット。
【図12】散乱中心を有する異なる微小共振器システムの計算された信号強度対波長のプロット。
【図13】散乱中心を有する異なる微小共振器システムの計算された信号強度対波長のプロット。
【図14】散乱中心を有する異なる微小共振器システムの計算された信号強度対波長のプロット。
【図15】金散乱中心を有する又は有さない、微小共振器システムの計算された信号強度対波長のプロット。
【図16A】図15でのプロットの異なる部分の拡大図。
【図16B】図15でのプロットの異なる部分の拡大図。
【図16C】図15でのプロットの異なる部分の拡大図。
【図16D】図15でのプロットの異なる部分の拡大図。
【図17】金散乱中心を有さない、並びに異なる位置に定置された金散乱中心を有する微小共振器システムの計算された信号強度対波長のプロット。
【0010】
本明細書において複数の図面で用いられる同じ参照符号は、同一又は同様の性質及び機能を有する同一又は同様の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、概して光学デバイスに関する。本発明は、特に、微小共振器を組み込む光学センサ等の光学デバイスに適用することができる。
【0012】
本願は、光微小空洞を介して、光学微小共振器に光学的に結合される1つ以上の光導波路を含む光学デバイスを開示する。光微小空洞は定在波等の1つ以上の共振モードを一次的にサポートするように設計される。幾つかの開示された光学デバイスにおいては、光学デバイスの性能は、微小空洞に対する導波路及び微小共振器の配置には比較的感度が低い。そのような場合、光学デバイスは、例えば、光導波路の光微小空洞との光学近接での配置における製造誤差及び/又は制限が、光結合及び/又はデバイスの性能に大幅な変化をもたらす可能性が低いため、低費用で製造することができる。
【0013】
本明細書で使用される場合、本願に開示される光学デバイス等の任意の光学的構成では、光学モードは、光学的構成において可能な電磁界を指し、放射線又は放射モードは、光学的構成において、閉じ込められない光学モードを指し、導波モードは、光学的構成において、典型的に芯領域である高屈折率領域が存在するために、少なくとも一次元に閉じ込められる光学モードを指す。一次元(第1の次元)に閉じ込められる導波モードは、一次元導波モードと称され得、2つの互いに直交する次元(第1及び第2の次元)に閉じ込められる導波モードは、二次元導波モードと称され得る。共振モードは、3つの互いに直交する次元(第1、第2、及び第3の次元)に閉じ込められる光学モードと称される。共振モードは、三次元導波モード又は光学的構成において、第3の次元に沿った追加の境界条件要求を条件とする二次元導波モードと見なされてもよく、追加の要求は実際は典型的に周期的である。
【0014】
共振モードは、光学的構成において、3つの互いに直交する次元に沿った光学モードの量子化から生じる離散モードである。広くは、光学的構成の共振モードに対応する周波数若しくは波長で光学的構成を励起する又はエネルギーを与えることは、オフ共振励起から生じる反応と比較して、実質的により強い反応が光学的構成によって生じる。
【0015】
光学的構成の共振モードのモードプロファイルは、3つの互いに直交する次元に沿った境界条件によって確定される。場合によっては、共振モードは進行波モード又は実質的に進行波モードであってよい。幾つかのその他の場合においては、共振モードは定在波モード又は実質的に定在波モードであってよい。
【0016】
場合によっては、共振モードは放射モードに結合可能であってよい。幾つかのその他の場合においては、共振モードは放射線であり、閉じ込められない構成成分を有することができる。広くは、導波モードは共振又は非共振モードであってよい。
【0017】
図1は、微小共振器システム100の概略平面図を示す。微小共振器システム100は、光源110と、第1の光導波路120と、第2の光導波路130と、光微小空洞140と、光学微小共振器150と、光学検出器166と、を含む。
【0018】
第1の光導波路120は、入力面124、光学芯122、クラッド101、及び出力面126、を含む。光導波路120は、電界プロファイル145を有する導波モード128をサポートすることができる。広くは、導波路120の導波モードに関連する電界では、電界のエバネッセント・テイル(evanescent tails)は、導波路のクラッド領域内に位置決めされ、電界のピーク又は極大は、導波路の芯領域内に位置する。例えば、導波路120の導波モード128はクラッド101内にエバネッセント・テイル145A及び145Bを有し、芯122内にピーク145Cを有する。
【0019】
第2の光導波路130は入力面134、光学芯132、クラッド101、及び出力面136を含む。光導波路130は導波モード138をサポートすることができる。
【0020】
微小空洞140は光学芯142及びクラッド101を含み、接触点又は出力面126を介して、導波路120に光学的に結合される。同様に、微小空洞140は接触点又は入力面134を介して、第2の光導波路130に光学的に結合される。微小空洞140はそれぞれの共振モードが、例えば、進行波、定在波、又はその2つの組み合わせであってよい1つ以上の共振モードを一次的にサポートすることができる。場合によっては、微小空洞140は非共振進行波等の非共振モードをサポートすることが可能であり得るが、そのような非共振モードは微小空洞によってサポートすることができる共振モードに対する二次的なものである。
【0021】
場合によっては、微小空洞140の共振モードは一次的に定在波モードであってよく、広くは、定在波は反対方向等の概して異なる方向に進行する2つの進行波の干渉重ね合わせと同等であってよい。そのような場合、微小空洞140によってサポートされる共振モードは共振進行部分を有してもよいが、このようないずれの進行部分も、共振モード全体のごく一部しか形成せず、共振モードは事実上、一次的に定在波であり、モードのいずれかの共振進行部分はモードの定在波部分に対する二次的なものでしかないことを意味する。
【0022】
場合によっては、微小空洞140の共振モードは一次的に進行波モードであってよい。そのような場合、微小空洞140によってサポートされる共振モードは共振定在波部分を有してもよいが、このようないかなる定在波部分も、共振モード全体のごく一部しか形成せず、共振モードは事実上、一次的に進行しており、モードのいずれかの共振定在波部分はモードの進行部分に対する二次的なものでしかないことを意味する。
【0023】
微小空洞140の共振モードは例えば、微小空洞が芯142の境界に沿って大きな反射を有し、結果として入射波の大部分が反射波として反射され、入射波及び反射波が干渉し、事実上、主に共振である波を形成する場合、事実上、一次的に定在波であってよい。共振モードのいかなる進行波構成成分も、共振モードの定在波部分に対する二次的なものである。
【0024】
微小空洞140の共振モードは例えば、微小空洞が芯142の境界に沿って大きな反射を有し、結果として入射波の大部分が反射波として反射され、入射波及び反射波が干渉し、事実上、主に進行波である波を形成する場合、事実上、一次的に進行波であってよい。共振モードのいかなる定在波構成成分も、共振モードの進行波部分に対する二次的なものである。
【0025】
光源110は光線112を放射することができ、その少なくとも一部分は、入力面124を通って第1の光導波路120に入る。場合によっては、光源110から光導波路120に入る光は導波モード128等の導波路の導波モードとして導波路に沿って伝播することができる。場合によっては、導波モード128は光微小空洞140の共振モード170を励起する。場合によっては、共振モード170は光学微小共振器150の共振モード160を励起する。場合によっては、共振モード170及び160はそれぞれ微小空洞140及び微小共振器150の定在波モードであってよい。広くは、共振モード170と160との間の光結合は微小共振器システム100の共振モードを形成することができる。
【0026】
場合によっては、微小空洞140の共振モード170は第2の光導波路130の導波モード138を励起することができる。導波モード138は出力光168として出力面136から第2の光導波路を抜け出すことができる。出力光168は検出器166によって検出することができる。広くは、検出器166は強度、波長、又は位相等の出力光168の1つ以上の特性を検出することによって微小共振器システム100の共振モード等のモードの1つ以上の特性を検出することができる。
【0027】
場合によっては、検出器166は波長又は強度の変化等、出力光168の特性の変化を検出することができる。このような変化は、微小共振器システム100における変化を示すことができる。出力光168の変化は、例えば、クラッド101の屈折率の変化、及び/又は微小共振器150の芯152の屈折率の変化を示すことができる。別の例としては、出力光168の変化は、例えば室温の変化による、例えば微小共振器システム100の寸法変化を示すことができる。
【0028】
場合によっては、出力光168の1つ以上の特性の変化は、微小共振器システム100の1つ以上の特性に影響を与えることができる、散乱中心180等の外部物質の存在を示すことができる。例えば散乱中心と光学微小共振器150の芯152との間の距離「t」が十分に小さい場合、散乱中心は微小共振器に十分近く、微小共振器と散乱中心との間の光結合を可能にする。光結合は微小共振器システム100の励起された共振モードの1つ以上の特性を変化させることができる。例えば光結合は微小共振器150の共振モード160の1つ以上の特性を変化させることができる。モード160の変化は出力光168として第2の光導波路130を抜け出す導波モード138の1つ以上の特性に変化をもたらすことができる。検出器166は出力光168における対応する変化を検出することによって微小共振器システム100のモード160又は共振モードの変化を検出することができる。
【0029】
図1に示される例示的な微小共振器システム100においては、散乱中心180は微小共振器150に近接する。広くは、散乱中心180は微小共振器システムの共振モードの特性に変化をもたらすことができる、微小共振器システム100のいずれかの部分と十分近くすることができる。例えば、散乱中心は散乱中心と微小空洞との間の光結合を可能にするために、微小空洞140に十分に近くてもよい。
【0030】
散乱中心180と微小共振器150との間の光結合の強度の変化は、例えば共振モード160の特性の変化を引き起こすことができる。光結合の強度の変化は様々な手段によって達成することができる。例えば散乱中心180と微小共振器150又は芯152との間の間隔「t」の変化は、散乱中心と微小共振器との間の光結合の強度を変化させることができる。別の例としては、散乱中心の屈折率nの変化は散乱中心と微小共振器との間の光結合の強度を変化させることができる。広くは、散乱中心180と微小共振器150との間の光結合の強度に変化を生じさせることができるいずれかの機構は出力光168及び微小共振器システムの共振モードの特性に変化を引き起こすことができる。
【0031】
金等の幾つかの金属類の場合など、幾つかの場合においては、散乱中心の屈折率の実数部は1未満である。シリコンの場合など幾つかのその他の場合においては、1550nm付近の波長に対する散乱中心の屈折率の実数部は1を超える。
【0032】
散乱中心180として使用することができる散乱中心の例には、シリコンナノ粒子、並びに金及びアルミニウムナノ粒子を含む金属ナノ粒子が挙げられる。場合によっては、散乱中心は、Si、GaAs、InP、CdSe、又はCdS等の半導体であってもよい。例えば、散乱中心は直径が80nmであり、関心波長に対する屈折率(実数部)が3.5である、シリコン粒子であってよい。散乱中心の別の例は、直径が80nmであり、1550nm付近の波長に対する屈折率が0.54+9.58iである、金粒子である。散乱中心の別の例は、直径が80nmであり、1550nm付近の波長に対する屈折率が1.44+16.0iである、アルミニウム粒子である。
【0033】
場合によっては、散乱中心は誘電体粒子であってよい。場合によっては、散乱中心は非蛍光粒子であってよい。場合によっては、散乱中心は半導体ではない。
【0034】
場合によっては、散乱中心180の寸法は約1000nm以下、約500nm以下、約100nm以下、又は約50nm以下である。
【0035】
微小共振器システム100は、例えば、検体182を感知することができるセンサとして使用することができる。例えば、微小共振器150は検体182と接合可能であってもよい。このような接合性能は、例えば、微小共振器150又は芯152の外側表面の適した処理によって達成されてもよい。場合によっては、検体182は散乱中心180に付随している。このような付随は、例えば検体を散乱中心に付着させることによって達成することができる。散乱中心は、検体182が微小共振器の外側表面と接合する際に、微小共振器150に光学近接されてもよい。散乱中心は、共振モード160の特性に変化を引き起こし、これは次いで微小共振器システムの共振モードの特性に変化を生じさせる。光学検出器166は、出力光168の1つ以上の特性の変化をモニタリングすることにより共振モード160の特性の変化を検出することによって検体182の存在を検出することができる。場合によっては、引き起こされる変化はモード160における周波数偏移であってよい。そのような場合、光学検出器166は周波数偏移を検出することができる。検体182は、例えば、タンパク質、病原体、又はDNAを含むことができる。
【0036】
場合によっては、検体182は検出される抗原の第1の抗体を含むことができる。第1の抗体は、散乱中心180に付随することができる。抗原の第2の抗体は、微小共振器150に付随することができる。抗原は第1の抗体と第2の抗体との間の接合を促進する。結果として、散乱中心は微小共振器と光接触され、微小共振器システム内に存在する共振モードの特性における変化を引き起こす。検出器は特性変化を検出することによって散乱中心の存在、したがって抗原の存在を検出することができる。場合によっては、第1の抗体は第2の抗体と同一であることができる。このような例示的な検地プロセスは、食品の安全性、食品加工、医療検査、環境試験、及び産業衛生等の様々な用途に使用することができる。場合によっては、散乱中心180は共振モード160、並びに、したがって微小共振器システムの対応する共振モードに周波数偏移を引き起こすことができ、偏移は検出器166によって検出することができる。
【0037】
場合によっては、微小共振器システム100はクラッド層101の屈折率の変化を検出可能であってよい。例えば、クラッド層101は初期は空気であってもよい。空気クラッドを用いて、微小共振器システムの共振モードを共振周波数fの出力光168を生じることができる、共振周波数fにすることができる。クラッド層101の屈折率の変化は、例えば空気クラッドが、例えば有機蒸気等の蒸気、ガス、液体、生物学的若しくは化学物質、又はクラッド101の屈折率に変化をもたらすことができるいずれかの他の物質によっても置き換えられる又はそれと混合される場合に生じ得る。クラッド101の屈折率の変化は微小共振器システムの共振モードの変化及び出力光168の、fとは異なるfへの、周波数fへの偏移をもたらすことができる。光学検出器166は周波数偏移Δf=f−fを検出することができる。
【0038】
図2は微小共振器システム100の拡大部分を示す。微小空洞140は異なる、例えば反対の方向に進行する2つ以上の進行波モード間の干渉から生じる共振定在波モード170をサポートする。モード170は進行波モード間の破壊的干渉から生じる、微小空洞の芯の外側表面に沿った一点鎖線171Aから171C及び微小共振器の芯内の一点鎖線171C等の複数個の一点鎖線を含む。一点鎖線上の波節は概して、モード170上の、モードの最小電界振幅の点である。典型的に、モードは波節で振動が最小となる又は振動がなくなる。場合によっては、モード振幅は波節でゼロである又はゼロに近くなることができる。場合によっては、波節は進行波節であってもよい。幾つかのその他の場合においては、波節は経時的に、実質的に非進行又は定在であってもよい。例えば定在波モードが反対方向に進行する以外は実質的に同一である2つの進行波モードから生じる場合、定在波モードの波節は実質的に定常点である。
【0039】
定在波モード170は定在波モードを形成する進行波モード間の最大建設的干渉点に位置する、波腹172Aから172C等の複数個の波腹を更に含む。波腹は概して、定在波モード上の定在波モードのピーク又は最大の点である。波腹は典型的に、最大正電界強度と最大負電界強度との間で振動する。場合によっては波腹は、進行波腹であってもよい。幾つかのその他の場合においては、波腹は経時的に、実質的に定在であってもよい。定在波モードの波腹は、例えば定在波モードが反対方向に進行する以外は実質的に同一である2つの進行波モードの干渉から生じる場合、実質的に定常である。線178は一定電界強度の例示的な輪郭を示す。
【0040】
図3は方向Aに沿ったyz平面の定在波モード170の概略断面プロファイルを示す。定在波モード170は第1の包絡線310と第2の包絡線320との間で振動する。図3に示される例示的なプロファイルにおいては171Cの波節は、振幅がゼロである。広くは、171Cの波節は振幅がゼロであってもそうでなくてもよい。
【0041】
図3に示される例示的な定在波モード170においては、波節171Cから171Eは電界強度がゼロの点に位置する。広くは、定在波モードの波節は強度がゼロであってもそうでなくてもよい。波腹172A及び172Bは正の最大電界強度Amaxと負の最大電界強度−Amaxとの間で振動する。
【0042】
図2に示される例示的な定在波モード170はy方向に沿って2つの波腹を有し、x方向に沿って2つの波腹を有する。広くは、微小空洞140の定在波モードはx方向に沿って1つ以上の波腹を有してもよく、y方向に沿って1つ以上の波腹を有してもよい。
【0043】
微小空洞140の共振定在波モードはΨm,nとして示すことができ、mはx軸に沿ったモードの波腹の数を指し、nはy軸に沿ったモードの波腹の数を指す。例えば、定在波モード170はΨ2,2として象徴的に示すことができ、x及びy方向のそれぞれに2つの波腹を有する。
【0044】
微小空洞140の幾つかの例示的な定在波モードが図4A〜4Eに概略的に示される。具体的に、図4AはΨ1,6として象徴的に示され、x軸に沿って1つの波腹を有し、y軸に沿って6つの波腹を有する定在波モード170Aを示し、図4BはΨ2,3として象徴的に示され、x軸に沿って2つの波腹を有し、y軸に沿って3つの波腹を有する定在波モード170Bを示し、図4CはΨ2,1として象徴的に示され、x軸に沿って2つの波腹を有し、y軸に沿って1つの波腹を有する定在波モード170Cを示し、図4DはΨ1,5として象徴的に示され、x軸に沿って1つの波腹を有し、y軸に沿って5つの波腹を有する定在波モード170Dを示し、図4EはΨ1,4として象徴的に示され、x軸に沿って1つの波腹を有し、y軸に沿って4つの波腹を有する定在波モード170Eを示す。
【0045】
第1の光導波路120の導波モード128は出力面126又はその近くで結合領域を介して、光微小空洞140に結合することができる。結果として、導波モード128は同一周波数及び/又は波長で微小空洞の共振モード(共振モード170等の)を励起することができ、波長は例えば、自由空間波長であってよい。場合によっては、任意の波長で、導波モード128は微小空洞140の1つの共振モードを一次的に、微小空洞140の2つの共振モードを一次的に、又は微小空洞140の3つの共振モードを一次的に励起することができる。例えば、導波モード128が微小空洞140の2つの共振モードを一次的に励起する場合、導波モードによって励起されるいずれかその他の共振及び/又は非共振モードは、モードの光電力又は強度等のモードの特性において、2つの一次的励起共振モードに対する二次的なものでしかない。
【0046】
場合によっては、導波モード128は共振モード170及び170A〜170Eのうちの1つを一次的に励起することができる。例えば、場合によっては、導波モード128は共振モード170Aを一次的に励起してもよい。そのような場合、導波モード128はモード170Bを励起してもよいが、モード170Aは微小空洞140に存在する一次共振モードとなり、共振モード170Bは例えば、実質的にモード170Aより低い強度となる。場合によっては、モード170A及び170Bは同一若しくは実質的に同一の周波数及び/又は波長を有することができる。
【0047】
場合によっては、導波モード128は、微小空洞140のモード170A等の1つ以上の共振モードを微小空洞140の1つ以上の非共振モードより大幅に低い程度まで一次的に励起してもよい。そのような場合、微小空洞の励起されるモードに結合される導波モード128からの光エネルギーの大部分は、微小空洞の共振モードに結合される。
【0048】
共振定在波モードの場合、場合によっては、導波モード128は微小空洞140の、モード170A等の1つ以上の定在波モードを微小空洞140の1つ以上の進行波モードより大幅に低い程度まで一次的に励起してもよい。そのような場合、微小空洞の励起されるモードに結合される導波モード128からの光エネルギーの大部分は、微小空洞の定在波モードに結合される。
【0049】
場合によっては、異なる波長の導波モード128は微小空洞140の異なる共振モードを一次的に励起してもよい。例えば、第1の波長λを有する導波モード128は共振モード170Aを一次的に励起することができ、一方、第2の波長λを有する導波モードは共振モード170C等の異なる共振モードを一次的に励起することができる。
【0050】
場合によっては、微小空洞140は縮退共振モードをサポート可能であり得、波長λを有する導波モード128が同一波長λを有するモード170A及び170B等の2つ以上の共振モードを一次的に励起できることを意味する。場合によっては、微小空洞140は1つの比率L/Wに対して、共振定在波モード等の縮退共振モードをサポートすることができるが、別の比率に対しては、サポートすることができない場合がある。場合によっては、微小空洞140は1つ以上の別個の比率L/W対して、縮退共振モードをサポート可能であり得る。
【0051】
光学微小共振器150は光学芯152及びクラッド101を含み、第1の面154及び第2の面156を介して、光微小空洞140に光学的に結合される。光学微小共振器150は共振モード160をサポートすることができる。場合によっては、共振モード160は微小共振器150の周囲を伝播し、共振のための往復条件を満たす進行波モードであってよい。例えば、微小共振器の周囲の往復を進行する共振進行波モード160の位相は2πの整数乗算によって変化する。
【0052】
場合によっては、共振モード160は光学微小共振器150の定在波モードであってよい。そのような場合、共振定在波モード160は第1及び第2の進行波光学モード162並びに164をそれぞれ伝播するカウンタを含むことができる。定在波モード160並びに進行波光学モード162及び164は同一周波数及び/又は波長を有する。
【0053】
場合によっては、第1及び第2の進行波モード162及び164のうちの少なくとも1つは微小共振器150の進行導波モードであってよい。例えば、第1及び第2の導波光学モード162及び164は微小共振器150の「ウィスパリングギャラリーモード」(Whispering gallery mode:WGM)であってもよい。WGMは概して、微小共振器空洞の表面付近に閉じ込められ、比較的低い放射損失を有する進行モードである。WGMは微小共振器の芯の外側表面付近に閉じ込められるため、それらは微小共振器表面上又はその近くの検体との光結合に非常に適している。
【0054】
場合によっては、微小空洞140の共振モードは微小共振器150の共振モードを励起することができる。場合によっては、微小空洞140の定在波モードは微小共振器150の定在波モードを励起することができる。例えば、微小空洞の定在波モード170は光学的に微小共振器の定在波モード160に結合し、それを励起することができる。
【0055】
場合によっては、定在波モード170は第1の進行波モード173及び第2の進行波モード175等の異なる方向に進行する2つの進行波モード間の光学干渉から生じる。場合によっては、進行波モード173は進行波モード162に光学的に結合し、それを一次的に励起することができ、進行波モード175は進行波モード164に光学的に結合し、それを一次的に励起することができる。そのような場合、励起される進行波モード162及び164は光学的に干渉し、定在波モード160を形成することができる。
【0056】
図1において、進行モード173及び175はx方向に沿って進行するように、概略的に示される。広くは、モード173及び175のそれぞれは、いずれかの方向に沿って進行することができる。例えば、モード173及び175のそれぞれは様々な方向の、例えば、一定の振幅の波動ベクトルを有することができる。場合によっては、図1においてモード173及び175を示す水平矢印は2つのモードに関連付けられた波動ベクトルのx構成成分を示すことができる。
【0057】
例示的な微小共振器システム100において、芯122、132、及び152のそれぞれは微小空洞の芯142から延びる。結果として、微小空洞140と光導波路120及び130のそれぞれとの間の光結合はエバネッセント結合ではなく、一次的に芯結合である。同様に、面154及び156の微小空洞140と微小共振器150との間の光結合は一次的に芯結合である。
【0058】
場合によっては、芯122、132、142、及び152は同一又は異なる屈折率を有する異なる芯材料で作製されてもよい。幾つかのその他の場合においては、芯122、132、142、及び152は一体構成を形成してもよく、芯が物理的境界面のない単一ユニットを形成することを意味する。一体構成においては、芯は典型的に、同一の芯材料で作製される。一体構成はエッチング、鋳造、成形、エンボス加工、及び押出成形等の様々な既知の方法を使用して作製することができる。
【0059】
例示的な微小共振器システム100においては、微小共振器150は微小空洞140を介して、光導波路120及び130に光学的に結合し、それぞれの導波路と微小空洞との間の光結合は芯結合によるものであり、微小共振器と微小空洞との間の光結合も、芯結合によるものである。
【0060】
広くは、微小共振器システム100における光結合はエバネッセント結合又は芯結合によるものであってもよい。例えば、場合によっては、光導波路120、130、及び微小共振器150のうちの少なくとも1つはエバネッセント結合によって微小空洞140に光学的に結合してもよい。
【0061】
芯結合の特性は結合ギャップの削除である。既知の微小共振器においては、光導波路と、例えば微小共振器との間にギャップが存在する。そのような場合、導波路と微小共振器との間の光結合はエバネッセント結合によって達成される。このような結合は、とりわけ、例えば製造誤差のために典型的に再生可能な方法で制御することが困難である結合ギャップの寸法に非常に敏感である。ギャップを十分な精度で制御することができる製造方法であっても、このような制御は製造費用を大幅に増大させる可能性がある。本願に開示される幾つかの例示的な実施形態においては、光導波路と微小空洞との間の結合ギャップはそれらのそれぞれの芯間に直接物理接触を提供することによって削除される。同様に、幾つかの例示的な実施形態においては、微小共振器と微小空洞との間の結合ギャップはそれらのそれぞれの芯間に1つ以上の直接物理接触を提供することによって削除される。結合ギャップの削除は削減された製造費用及び改善された再現性をもたらすことができる。
【0062】
図1の微小共振器150は卵形又は楕円形リング微小共振器として示される。広くは、微小共振器110は少なくとも1つの共振モードをサポートすることができ、微小空洞140に光学的に結合することができる任意の形状の微小共振器等の任意の種類の微小共振器であってよい。場合によっては、微小共振器150は円対称性を有し、微小共振器150の芯152の断面の外辺部は中心点からの距離のみの関数として表現することができることを意味する。図5Aに概略的に示される円形リング微小共振器450等、場合によっては、中心点は微小共振器の芯452の中心451であってよい。円対称性を有するその他の例示的な微小共振器形状には、球体、円盤、及び円筒が挙げられる。
【0063】
場合によっては、微小共振器150は球状微小共振器の場合等、球対称を有することができる。場合によっては、微小共振器150は図5Bに概略的に示されるレーストラック微小共振器460等、閉鎖ループ微小共振器であってよい。微小共振器460の芯462は直線部430、432、434、並びに曲線部436及び438を有する。
【0064】
広くは、微小共振器150は特定の方向に沿って単一又は多モードであってもよい。例えば、微小共振器150は微小共振器の厚さ方向(例えば、z方向)に沿って単一モード又は多モードであってよい。リング形状微小共振器の場合等、場合によっては、微小共振器は半径方向に沿って単一又は多モードであってよい。リング形状微小共振器の場合等、場合によっては、微小共振器150の進行波導波モード162及び164は微小共振器の方位角モードであってよい。
【0065】
光導波路120及び130は、光学導波モードをサポートすることができる任意の種類の導波路であってよい。光導波路120及び130は平面導波路等の一次元導波路であってよく、一次元導波路は1つの方向に沿った光の閉じ込めを指す。場合によっては、光導波路120及び130は二次元導波路であってよく、二次元導波路は2つの互いに直交する方向に沿った光の閉じ込めを指す。例示的な二次元光導波路にはチャネル導波路、ストリップ装荷導波路、リブ(rib)又はリッジ(ridge)導波路、及びイオン交換導波路が挙げられる。
【0066】
例示的な微小共振器システム100においては、第1の光導波路120の芯122及び第2の光導波路130の芯132は微小空洞140とのそれらのそれぞれの接触点で又はその近くで実質的に平行である。特に、両方の芯122及び132はそれぞれ接触点126及び134でx軸に沿って伸びる。更に、芯122及び132は共線である。広くは、芯122及び132は微小空洞140とのそれらのそれぞれの接触点で平行であってもそうでなくてもよい。同様に、芯122及び132は微小空洞140とのそれらのそれぞれの接触点で、共線であってもそうでなくてもよい。
【0067】
図1に示される例示的な微小共振器システム100においては、光微小空洞140はx軸に沿って長さLを有し、y軸に沿って幅Wを有する直方体である。広くは、微小空洞140は1つ以上の共振モードを一次的にサポートすることができる任意の光微小空洞であってよい。光微小空洞140の例示的な形状には、球体、円盤、円筒、リング、ドーナツ形状、及びレーストラックが挙げられる。場合によっては、微小空洞140は閉鎖ループ微小空洞であってよい。
【0068】
場合によっては、光微小空洞140の幅側113及び114は、微小空洞の可能な光学モードがx軸に沿って離散モードに量子化されるように、十分に反射する。広くは、微小空洞140のモードは、モードに関連付けられた実効屈折率が境界面での実効クラッド屈折率と異なる、例えば十分に異なる場合、クラッドと微小共振器との間の境界面で強反射される。例えば、幅側113又は114等の幅側は、例えば微小空洞140によってサポートされるモードの実効屈折率が例えば光学微小共振器150又は光導波路130によってサポートされるモードの実効屈折率と異なる場合、十分に反射することができる。場合によっては、光微小空洞140の長さ側111及び112は、微小空洞の可能な光学モードが、y軸に沿って離散モードに量子化されるように十分に反射する。
【0069】
広くは、光学微小共振器150は面154及び156を含む結合領域190内の微小空洞140に光学的に結合される。広くは、2つの導波路間の結合領域は、2つの導波路間に光結合が生じる空間等の領域である。微小共振器芯152と導波路120の芯122との間の距離間隔はdであり、dはW未満である。
【0070】
図6は芯652を含む光学微小共振器650を含み、共振モードをサポートすることができ、結合領域690内で光微小空洞640に光学的に結合される概略三次元微小共振器システム600を示す。結合領域690は微小共振器と微小空洞との間の光学ギャップを定義する。
【0071】
微小共振器システム600は光軸691上に中心をとる光導波路620も含む。光導波路620は微小空洞の芯642から延び、それにより微小空洞と導波路との間の結合領域695を定義する芯622を含む。
【0072】
図6に示される例示的な微小共振器システムにおいては、微小共振器と微小空洞との間の光結合はエバネッセント結合によるものであり、導波路と微小空洞との間の光結合は芯結合である。
【0073】
例示的な微小共振器システム600においては、結合領域690での微小共振器芯652と光導波路芯622との間の距離はdであり、dは結合領域695を越えて光軸691を延ばし、結合領域690から光軸に対して垂直に線692を描くことによって定義される。広くは、方向692は異なる方向に沿うことができるが、方向692はy軸に沿うことができる。微小空洞640は方向692に沿って最大寸法Wを有する。
【0074】
微小空洞640は方向692に直交する方向693に沿って最大厚さhを有する。図6の例示的な実施形態においては、方向693はz軸に沿う。微小空洞640は、この場合においてはx軸である方向692(y軸)及び693(z軸)に直交する方向に沿って最大寸法Lを有する。
【0075】
図7は、例えばソルダノ(Soldano)らの「自己画像化に基づく、光学多モード干渉デバイス:原理及び用途(Optical Multi-Mode Interference Devices Based on Self-Imaging: Principles and Applications)」(光波技術ジャーナル(Journal of Lightwave Technology)、1995年4月号、13章、4項、615〜626ページ)に記載される光学多モード干渉カップラー(MMIC)700の概略平面図を示す。MMIC 700はx軸に沿った光軸702上に中心をとり、矩形光空洞730、二次元光導波路710、715、720、及び725を含む。光空洞730は、芯732、クラッド705、第1の入力ポート714、第2の入力ポート719、第1の出力ポート724、及び第2の出力ポート729を有する。光空洞730はx軸に沿って長さLを有し、y軸に沿って幅Wを有する。
【0076】
光導波路710は光軸701上に中心をとり、芯712、クラッド705を有し、第1の入力ポート714で空洞730に光学的に芯結合され、光導波路715は光軸703上に中心をとり、芯717、クラッド705を有し、第2の入力ポート719で空洞730に光学的に芯結合され、光導波路720は光軸701上に中心をとり、芯722、クラッド705を有し、第1の出力ポート724で空洞730に光学的に芯結合され、光導波路725は光軸703上に中心をとり、芯727、クラッド705を有し、第2の出力ポート729で空洞730に光学的に芯結合される。入力ポート714及び719は光空洞730の入力側又は幅側752と関連付けられ、出力ポート724及び729は光空洞の出力側又は幅側754と関連付けられる。
【0077】
MMIC 700内のそれぞれの光導波路は芯幅dを有し、光空洞芯732の最も近い長さ側から距離dだけ離れている。光導波路710及び715はW−2(d+d)と等しい距離dだけ離れている。光導波路720及び725も距離dだけ離れている。
【0078】
簡易化及び一般性を喪失しないために、空洞及び4つの導波路は屈折率nを有する同一クラッド705を有すると見なされる。4つの導波路及び光空洞の芯は同一屈折率nを有すると更に見なされる。
【0079】
空洞730の可能な光学モードはy軸に沿って離散モードに量子化されるが、x軸に沿って離散モードに量子化されないように、空洞芯732の長さ側791及び792は関心波長を十分に反射し、芯732の幅側752及び754は関心波長を十分に透過する。幅側752及び754のそれぞれは幅の両側で同一又は実質的に同一のモード実効屈折率を有することによって十分に光学的に透過性にすることができる。
【0080】
幅側752及び754が十分に反射しないため、光空洞730はx方向に沿って進行する、非共振導波モード等の非共振モードを一次的にサポートすることができる。MMICは、例えば第2の入力導波路715内で発される光が、入力側752で光空洞730内の複数個の非共振進行波モードを励起するように設計される。出力側754で光空洞内の実質的に全ての光が空洞から抜け出て、それぞれに出力ポート724及び729を通って出力導波路720及び/又は725に入るように、複数個の非共振進行波はx軸に沿って進行し干渉する。したがって、MMICは、例えば光空洞730の出力側754で複数個の進行波モードの一部分も反射されない又はほんのごく一部が反射されるように設計されるため、光空洞730は共振モードを一次的にサポートすることができない。
【0081】
場合によっては、入力側752からx軸に沿って進行し出力側754上に入射する光空洞730の進行波モードのごく一部は出力側で反射されてもよい。しかしながら、反射は非常に小さいため、入射波と反射波との間のいかなる光学干渉も一次的に非共振モードであるモードを生じる。例えば、出力側での反射は非常に小さいため、入射波と反射波との間のいかなる干渉も一次的に非共振進行波モードであり、共振定在波モードではないモードを生じる。
【0082】
第2の入力導波路内の光学導波モード760は簡易化及び一般性を喪失しないために、x=0が入力側752に対応すると見なされる、xの関数として、y軸に沿って変化するプロファイルを有することができる光空洞730内の進行波電界Φ(x,y)を励起することができる。例えば、電界Φ(0,y)は図7に概略的に示されるように光軸703上に実質的に中心をとる電界プロファイル740を有する。図7に示される特定の電界プロファイル740は例示のためのものであり、制限するためのものではないことが理解されるであろう。したがって、開示される実施形態はいずれかの特定の電界プロファイルに制限されると解釈されるべきではない。
【0083】
簡易化及び一般性を喪失しないために、例えばソルダノ(Soldano)らの「自己画像化に基づく、光学多モード干渉デバイス:原理及び用途(Optical Multi-Mode Interference Devices Based on Self-Imaging: Principles and Applications)」(光波技術ジャーナル(Journal of Lightwave Technology)、1995年4月号、13章、4項、615〜626ページ)に記載されるように、電界Φ(x,y)は、放射等の非導波モードを含まず、進行電界Φ(x,y)は、光空洞730の一次結合として表現することができると見なす。1つのピークを有するゼロ次導波モード810、2つのピークを有する一次導波モード820、3つのピークを有する二次導波モード830、4つのピークを有する三次導波モード840等、光空洞の導波モードの幾つかの実施例が、図8に概略的に示される。
【0084】
光空洞730は以下の等式1で示される、空洞によってサポートされるモードに関連付けられた、特性長さLを有する。
【0085】
【数1】

【0086】
式中、nは、芯732の屈折率であり、λは、自由空間内の波長であり、Wは、サポートされるモードに対する光空洞730の実効幅である。実効幅Wはテイル811及び812等のモードエバネッセント・テイルの主要因となり、光空洞730の幅Wと異なってよい。
【0087】
進行電界Φ(x,y)はx軸に沿って周期的に変化する。図7に概略的に示されるように、例えばx=(1/2)Lで、進行電界Φ((1/2)L,y)は電界740と類似し、光軸703上に実質的に中心をとる進行電界741A及び、実質的に電界741Aの鏡像であり光軸701上に実質的に中心をとる進行電界741Bを含む。光空洞730の長さLが(1/2)Lと等しい場合、電界741Aは第2の出力ポート729で第2の出力導波路725の導波モードと実質的に結合することができ、電界741Bは第1の出力ポート724で第1の出力導波路720の導波モードと実質的に結合することができる。そのような場合、導波モード760からの光の約50%は第2の出力導波路725に移動し、導波モード760からの光の約50%は第1の出力導波路720に移動する。したがって、L=(1/2)Lでは、MMICカップラー700は50:50カップラーと称することができる。
【0088】
別の実施例としては、x=Lでは、図7に概略的に示されるように、進行波電界Φ(L,y)は電界740の鏡像と類似し、光軸701上に実質的に中心をとる進行波電界742を含む。光空洞730の長さLがLと等しい場合、電界742は第1の出力ポート724で第1の出力導波路720の導波モードに実質的に結合することができる。そのような場合、導波モード760からの光の約100%は第1の出力導波路720に移動し、導波モード760からの光の約0%は第2の出力導波路725に移動する。したがって、L=Lでは、MMICカップラー700は0:100カップラーと称することができる。
【0089】
別の実施例としては、x=(3/2)Lでは、進行波電界Φ((3/2)L,y)は進行波電界Φ((1/2)L,y)と実質的に類似する。したがって、L=(3/2)Lでは、MMICカップラー700は50:50カップラーである。
【0090】
更に別の実施例として、x=2Lでは、図7に概略的に示されるように、進行波電界Φ(2L,y)は電界740と類似し、光軸703上に実質的に中心をとる光空洞730内の進行波電界744を含む。光空洞730の長さLが2Lと等しい場合、電界744は第2の出力ポート729で第2の出力導波路725の導波モードに実質的に結合することができる。そのような場合、導波モード760からの光の約100%は第2の出力導波路725に移動し、導波モード760からの光の約0%は第1の出力導波路720に移動する。したがって、L=2Lでは、MMICカップラー700は100:0カップラーと称することができる。
【0091】
したがって、50:50MMIC 700の最小長さL50:50は等式2で示され、
【0092】
【数2】

【0093】
0:100MMIC 700の最小長さL0:100は等式3で示される。
【0094】
【数3】

【0095】
簡易化及び一般性を喪失しないために、光空洞730はz方向における単一モード空洞であり、その結果、光空洞は例えば、P.ヤー(P. Yeh)らの「層状媒体中の光波(Optical Waves in Layered Media)」(ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)、ニューヨーク(New York)、1988)に記載されるように、以下の関係を満たす場合、y方向に沿って少なくともmモードをサポートすることができると見なす。
【0096】
【数4】

【0097】
したがって、50:50MMIC 700の最小長さL50:50は、以下の等式で示され、
【0098】
【数5】

【0099】
0:100MMIC 700の最小長さL0:100は、以下の等式で示される。
【0100】
【数6】

【0101】
実効幅Wは通常、Wを超えるため、等式(5)及び(6)はWがWで置き換えられる場合、依然として維持される。広くは、芯屈折率nは約1.5〜約3.5であってよく、クラッド屈折率nは約1.44〜約1.51であってよい。このような範囲のn及びnでは、実効幅Wは、約10%以下Wを超える。
【0102】
多モード干渉カップラーにおいては、光空洞730は、図8に示される導波モード810及び820等の導波モード(m≧2)の少なくとも2つの進行波をサポートすることができるy方向における多モード空洞でなければならない。したがって、50:50カップラーでは、比率L/Wは2を超えなければならず、0:100では、比率L/Wは4を超えなければならない。
【0103】
MMIC 700が、低減された光学的損失等、改善された性能を有する必要がある場合、光空洞730は導波モード810、820、及び830等、少なくとも3つの進行導波モード(m≧3)をサポートできなければならない。そのような場合、50:50カップラーでは比率L/Wは、3を超えなければならず、0:100では比率L/Wは6を超えなければならない。
【0104】
図6に戻り、光微小空洞640は共振定在波等の1つ以上の共振モードを一次的にサポートすることができる。場合によっては、比率L/Wは約10以下、約6以下、約5以下、約4以下、約3以下、又は約2以下である。幾つかのその他の場合においては、比率L/Wは約1以下、約0.8以下、約0.5以下、約0.3以下、又は約0.1以下である。場合によっては、光微小空洞640は光微小空洞140と類似する矩形空洞である。
【0105】
場合によっては、Lは約50μm以下、約30μm以下、約20μm以下、又は約10μm以下である。幾つかのその他の場合においては、Lは約5μm以下、約3μm以下、約2μm以下、又は約1μm以下である。幾つかのその他の場合においては、Lは約0.8μm以下、約0.6μm以下、又は約0.5μm以下である。
【0106】
場合によっては、光微小空洞640は、100以下の共振モード、50以下の共振モード、20以下の共振モード、15以下の共振モード、10以下の共振モード、8以下の共振モード、又は5以下の共振モードを一次的にサポートすることができる。
【0107】
場合によっては、光微小空洞640は、少なくとも1つの共振モード、少なくとも2つの共振モード、少なくとも5つの共振モード、又は少なくとも10の共振モードを一次的にサポートすることができる。場合によっては、光微小空洞640は、1つの共振モード又は2つの共振モードを一次的にサポートすることができる。
【0108】
場合によっては、微小共振器システム600は約0.3μm〜約15μm、0.3μm〜約5μm、約0.3μm〜約2μm、約0.4μm〜約1.6μm、又は約0.6μm〜約1.6μmの波長で一次的に動作するように設計される。場合によっては、微小共振器システム600は約633nm、約850nm、約980nm、約1310nm、約1550nm、又は約10,600nmの波長で一次的に動作するように設計される。
【0109】
例示的な微小共振器システム600においては、光導波路620は芯結合によって光微小空洞640に光学的に結合する。広くは、光導波路620は用途に適し得る任意の結合機構を使用して、光微小空洞640に光学的に結合することができる。例えば、光導波路620はエバネッセント結合によって光微小空洞640に光学的に結合することができる。
【0110】
例示的な微小共振器システム600においては、光微小空洞640はエバネッセント結合によって光学微小共振器650に光学的に結合する。広くは、光微小空洞640は用途に適し得る、任意の結合機構を使用して、光学微小共振器650に光学的に結合することができる。例えば、光微小空洞640は例えば、図1に概略的に示されるように、芯結合によって光学微小共振器650に光学的に結合することができる。
【0111】
図9は、光学微小共振器150が、光学微小共振器950で置き換えられていることを除き、微小共振器システム100と類似する微小共振器システム900の概略平面図を図示する。光学微小共振器950は共振モード999をサポートすることができ、芯952、第3の光導波路960、及び第4の光導波路970を含む。第3の光導波路960は第2の面156を介して、芯結合によって光微小空洞140に光学的に結合され、第1の格子934及び第1の端面956を含む。第4の光導波路970は第1の面154を介して、芯結合によって光微小空洞140に光学的に結合され、第2の格子932及び第2の端面954を含む。第3及び第4の光導波路960及び970は光軸965上に中心をとる。第1及び第2の格子934並びに932のそれぞれは光軸965に沿って周期的な屈折率を含む。場合によっては、周期性は例えば、導波路にエッチングされた又はその上に成膜された周期的構造によるものであってよい。幾つかのその他の場合においては、周期性は例えば構造的に滑らかな導波路における屈折率の周期的変化によるものであってよい。
【0112】
格子932及び934は1つ以上の波長で又は波長の範囲で、光を実質的に反射するように設計される。例えば、格子932は入射光980の大部分を反射光981として反射し、残りを透過光982として透過することができる。共振定在波モード999の場合、定在波は反対方向に進行する進行波導波モード980及び981を含んでもよい。
【0113】
場合によっては、格子932及び934は狭い波長範囲Δλ内の光を実質的に反射し、Δλ外の光を実質的に透過することができるブラッグ格子、分布ブラッグ格子、又は反射器(DBR)である。
【0114】
場合によっては、格子932及び934は微小共振器システム900の、共振波長等の動作波長で光を実質的に反射するように設計される。例えば、光源110は850nm等の波長λで光を放射し、格子932及び934は、λで光を実質的に反射するように設計され、λは微小共振器システム900の共振モードに対応することができる。
【0115】
格子又はDBR 932及び934は、2つの格子間のファブリ・ペロー(Fabry Perot)空洞を定義し、したがって微小共振器950が少なくとも1つの定在波導波モードをサポートできるようにする。場合によっては、一方又は両方の格子932及び934はチャープ格子、ブレーズド格子、正方格子、又は正弦格子であってよい。広くは、格子932及び934は相当な反射率を有する任意の種類の格子であってもよい。
【0116】
場合によっては、微小共振器システム900の動作波長での格子932及び934の反射率は少なくとも50%、少なくとも70%、又は少なくとも80%である。
【0117】
例示的な微小共振器システム900においては、光学微小共振器950は2つのDBRを含むことによって光を反射し定在波導波モードを形成するための機構を含む。広くは、光学微小共振器950は用途に適した任意の方法で光を反射することができる。例えば、場合によっては、格子932及び934は排除することができ、光学微小共振器950はそれぞれ実質的に反射する第1及び第2の端面956及び954を有することによって定在波導波モードを形成可能であってよい。場合によっては、いずれかの端面は平ら又は曲面であってよい。
【0118】
場合によっては、端面956及び954は一次的に正反射してもよい。そのような場合、端面956及び954は光を拡散反射することが可能であってよいが、いずれかのこのような拡散反射率は正反射率に対する二次的なもである。場合によっては、光学微小共振器950の端面のうちの少なくとも1つは少なくとも50%正反射する、少なくとも60%正反射する、又は少なくとも80%正反射する。
【0119】
場合によっては、微小共振器システム900は格子932及び934と、反射端面956及び954と、を含むことができる。例えば、場合によっては、光源110は範囲内の波長の光を放射する、広帯域光源であってもよい。そのような場合、格子932及び934は波長範囲に対する高反射率を提供するためにチャープ格子であってよい。反射端面は、例えば対応する格子によって反射されない任意の光を反射することができる。
【0120】
微小共振器システム900の動作波長は格子932及び934を調節することによって調整する又は狭く定義することができる。場合によっては、格子932と934との間の空隙部は微小共振器950の自由スペクトル領域を向上するために削減することができる。空隙部を削減することにより、全体がより小さな微小共振器システム900をもたらすこともできる。
【0121】
微小共振器システム900は出力面136及び第2の光導波路130との光通信内に検出器166を含むことができる。場合によっては、図9に概略的に示されるように、検出器166の代わりに又はそれに加えて、第1の光導波路120との光通信内に検出器966を定置することができる。
【0122】
光源110は少なくとも一部分が導波路の入力面124を通って光導波路120に入り導波モード901として正のx軸に沿って伝播する、光112を放射することができる。導波モード901は微小空洞140の共振モード170を励起することができる。モード170は、同様に、正のx軸に沿って伝播する導波路130の導波モード138、負のx軸に沿って伝播する導波路120の導波モード902、及び光学微小共振器950の共振モード999を励起することができる。
【0123】
光学部品930は光902の少なくとも一部分を光903として検出器966に向ける。散乱中心180は光学微小共振器950に光学的に結合され、導波モード902の特性に変化を引き起こすことができる。検出器966は特性の変化を検出することによって散乱中心180の存在を検出することができる。
【0124】
光学部品930は、例えば、入力光112の少なくとも一部分を透過する一方、y軸に沿って光902の少なくとも一部分を反射することによって向きを変える。光学部品930はビームスプリッタであってよい。別の実施例としては光学部品930は光サーキュレータであってよい。
【0125】
図1に示される例示的な微小共振器システム100においては、光導波路120及び130はエバネッセント結合ではなく、芯結合によって微小空洞140に光学的に結合する。微小空洞140と微小共振器150との間の光結合は芯結合である。広くは、光結合は芯結合又はエバネッセント結合であってよい。
【0126】
例示的な微小共振器システム100においては、例えば、導波路120と微小空洞140との間の光結合は横方向結合であって縦方向結合ではない。広くは、光結合は、例えば、全体が参照することによって本明細書に組み込まれる代理人整理番号が第62451US002である、同一所有者の米国特許出願第________号に記載されるように、横方向又は縦方向結合であってよい。
【0127】
場合によっては、導波路120及び130、微小共振器150、並びに微小空洞140は共通基材上に集積することができる。集積はモノリシック集積であってもよく、その場合、異なる構成要素は典型的に、同一材料系を使用して全て共通基材上に加工される。このような集積は基材特有であってよく、集積が幾つかの基材では容易又は実現可能であり、幾つかのその他の基材ではより困難又は不可能であることを意味する。例えば、検出器、微小共振器、微小空洞、及び導波路をSi基材等の基材上に加工する又は作ることは可能であり得るが、同一基材上に光源を作る又は加工することは困難又は不可能である場合がある。別の例としては、InP又はGaAs基材等のIII−V族半導体基材上に全てのシステム構成要素を作る又は加工することが可能であり得る。
【0128】
集積はハイブリッド集積であってよく、その場合、構成要素の少なくとも幾つかは最初に別個に加工され、次いで共通基材上に組み立てられる。組み立ては、例えば、検出器及び光源を基材上に接着剤で接合することによって行うことができる。そのような場合、微小共振器、微小空洞、及び導波路は基材上にモノリシック集積されてもよい。場合によっては、接合は光源及び検出器の導波路との能動整合を必要とする場合がある。
【0129】
図10は集積光学デバイス1100の概略三次元図を示す。光源110及び検出器166は光学デバイス1100の基材1161上に集積される。導波路120及び130、微小空洞140、並びにレーストラック微小共振器460は上部クラッド101及び下部クラッド層1165を有し基材1161上に集積される。光源110はギャップ1101によって導波路120から分離され、基材1161に集積された導線1140及び1141を含む。導線1140及び1141は、例えば、図10には示されていない外部電源及び/又は制御装置との接続のために光学デバイス1100の端部1121に延びる。検出器166はギャップ1102によって導波路130から分離され、基材1161上に集積された導線1130及び1131を含む。導線1130及び1131は、例えば、図10には示されていない外部電源及び/又はその他の電子機器との接続のために光学デバイス1100の端部1122に延びる。
【0130】
基材1161は剛性又は可撓性であってよい。基材1161は光学的に不透明であっても透過性であってもよい。基材は高分子、金属、半導体、又は任意の種類のガラスであってもよい。例えば、基材1161はシリコンであってよい。別の例としては、基材1161はフロートガラスであってもよく、又は、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスルホン等の有機材料から作製されてもよい。
【0131】
微小共振器150、微小空洞140、並びに光導波路120及び130は既知の加工技術を使用して作製することができる。代表的加工技術には、フォトリソグラフィ、印刷、鋳造、押出成形、エンボス加工、及び反応性イオンエッチング又は湿式化学エッチング等のエッチングが挙げられる。微小共振器システム100内の異なる層は、スパッタリング、蒸着、火炎堆積法(flame hydrolysis)、鋳造、又は用途に適し得る任意のその他の成膜法等の既知の方法を使用して、形成することができる。
【0132】
場合によっては、光源110は例えば、白色光を放射する広帯域光源であってよい。場合によっては、光源110は、調節可能な狭線幅レーザー源等の狭帯域光源であってよい。場合によっては、検出器166は、狭帯域検出器であってよく、又は検出器は、スペクトルに敏感な検出器であってよい。例えば、検出器166は、スペクトル分析器であってよい。場合によっては、検出器166は、広帯域検出器であってよい。
【0133】
開示される実施形態の利点の一部が、以下の実施例によって更に説明される。本実施例で列挙される特定の材料、量、及び寸法、並びにその他の条件及び詳細は、過度に本発明を制限すると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0134】
実施例1:
図1の微小共振器システム100及び図5Bに示される光学デバイスと類似する光学デバイスを、実効二次元時間領域差分(FDTD)法を使用して、数値解析した。模擬実験では、全ての芯は屈折率3.5及び実効厚さ0.4μmを有するシリコンであった。光学微小共振器は、4μm長の直線部430を有するレーストラックであった。曲線部436及び438は、それぞれ、内側半径rが1.6μm及び幅が0.2μmの半円であり、結果として7.6μmの長さL及び3.6μmの幅Wを有する微小共振器であった。寸法t、t、r、及びrのそれぞれは0.2μmであった。距離dは、1μmであり、結果として幅Wは1.8μmと同等であった。Lは、0.6μmであり、結果として、比率L/Wは約0.33であった。上部クラッド101は1の屈折率を有する空気であった。下部クラッド1165は1.46の屈折率を有する二酸化ケイ素であった。
【0135】
模擬実験において、光源110は2μmで中心をとり、半値全幅(FWHM)が1μmである、1フェムト秒長の離散型ガウス形パルスの形態で、光112を放射する、パルス光源であった。広帯域入力パルスは検出器166によって検出された約1μm〜約3μmの広帯域反応を生じた。
【0136】
図11は、散乱中心180がない状態で、波長(μm単位)の関数として、検出器166での計算された信号強度(入力光の強度に対する任意の単位での曲線1101)を示す。一例として、出力プロット上の点1130は約1.385μmでの約60%の透過に対応する。したがって、この波長では、例えば光の反射及び/又は散乱により、入力光の約40%が損失される。
【0137】
図11は、微小共振器システムが幾つかの波長で高いQ値を有したことを示す。例えば、数値解析は微小共振器のQ値が、約1.32μm(位置1120)で1648であり、約1.52μm(位置1110)で1510であったことを示した。Q値はλo1/Δλo1として定義することができ、λo1は中心(共振)波長であり、Δλo1は半値全幅(FWHM)である。
【0138】
二次元FDTD法を使用して、微小空洞が共振モードを一次的にサポートしたことを証明した。導波路120内で微小共振器システムの共振周波数で光を発し、時間の関数として微小空洞内の電界最高点の位置をモニタリングした。結果はこのような位置が本質的に静止していたことを示し、したがって微小空洞が一次的に共振定在波モードをサポートしたことを示唆する。
【0139】
実施例2:
が1.2μmであり、結果として比率L/Wが約0.67であったことを除き、実施例1のデバイスと類似する光学デバイスを、実効二次元FDTD法を使用して数値解析した。
【0140】
図12の曲線1201は散乱中心180がない状態で、μm単位の波長の関数として、検出器166での入力光の強度に対する計算された信号強度を任意の単位で示す。図12は、微小共振器システムが幾つかの波長で高いQ値を有したことを示す。例えば、微小共振器のQ値は約1.22μm(位置1220)で2600であり、約1.58μm(位置1210)で2263であった。
【0141】
時間の関数としての微小共振器システムの共振モードでの微小空洞内の電界最高点の位置のモニタリングは、微小空洞が共振定在波モードを一次的にサポートしたことを示した。
【0142】
実施例3:
dが1.6μmであり、結果として幅Wが2.4μmであり、比率L/Wが0.25であったことを除き、実施例1のデバイスと類似する光学デバイスを実効二次元FDTD法を使用して数値解析した。
【0143】
図13の曲線1301は、散乱中心180がない状態で、μm単位の波長の関数として、検出器166での入力光の強度に対する計算された信号強度を任意の単位で示す。図13は微小共振器システムが、幾つかの波長で高いQ値を有したことを示す。例えば、微小共振器のQ値は約1.30μm(位置1320)で1854であり、約1.65μm(位置1310)で2203であった。
【0144】
時間の関数としての微小共振器システムの共振モードでの微小空洞内の電界最高点の位置のモニタリングは、微小空洞が共振定在波モードを一次的にサポートしたことを示した。
【0145】
実施例4:
dが2.2μmであり、結果として幅Wが3.0μmであり、比率L/Wが0.2であったことを除き、実施例1のデバイスと類似する光学デバイスを実効二次元FDTD法を使用して数値解析した。
【0146】
図14の曲線1401は、散乱中心180がない状態で、μm単位の波長の関数として、検出器166での入力光の強度に対する計算された信号強度を任意の単位で示す。図14は微小共振器システムが、幾つかの波長で高いQ値を有したことを示す。例えば、微小共振器のQ値は約1.37μm(位置1420)で1094であり、約1.54μm(位置1410)で3090であった。
【0147】
時間の関数としての微小共振器システムでの共振モードの微小空洞内の電界最高点の位置のモニタリングは、微小空洞が共振定在波モードを一次的にサポートしたことを示した。
【0148】
実施例5:
dが2.8μmであり、結果として幅Wが3.6μmであり、比率L/Wが約0.17であったことを除き、実施例1のデバイスと類似する光学デバイスを実効二次元FDTD法を使用して数値解析した。
【0149】
図15の曲線1501は、散乱中心180がない状態で、μm単位の波長の関数として、検出器166での入力光の強度に対する計算された信号強度を任意の単位で示す。曲線1502は散乱中心180の存在下での計算された出力信号強度を示す。散乱中心は、80nmと同等の直径及び、約1550nmで0.54+9.58iと同等の複素屈折率を有する球状金粒子であった。散乱中心は、図5Bに概略的に示されるように、微小共振器(場所1)の水平な対称軸530に沿って定置された。粒子と微小共振器との間には50nmのギャップgがあった。図15は、散乱中心が微小共振器システムの少なくとも多数の共振周波数に偏移を引き起こしたことを示す。
【0150】
図16Aは、1.68μm(図15の位置1510A)付近の曲線1501及び1502の拡大図であり、散乱中心180が、Q値が約2100のピーク1610AからQ値が約840のピーク1620Aへの約2.3nmの比較的大きな偏移をもたらしたことを示す。図16Bは、1.57μm(図15の位置1510B1及び1510B2)付近の曲線1501及び1502の拡大図であり、散乱中心180が、ピーク1610Bからピーク1620Bへの約1.1nmの比較的大きな偏移、及びピーク1630Bからピーク1640Bへの約3nmの比較的大きな偏移をもたらしたことを示す。
【0151】
図16Cは1.37μm(図15の位置1510C)付近の曲線1501及び1502の拡大図であり、散乱中心180が、ピーク1610Cからピーク1620Cへの約1.2nmの比較的大きな偏移をもたらしたことを示す。図16Dは1.31μm(図15の位置1510D1及び1510D2)付近の曲線1501及び1502の拡大図であり、散乱中心180が、ピーク1610Dからピーク1620Dへの約0.45nmの比較的大きな偏移、及びピーク1630Dからピーク1640Dへの約0.7nmの比較的大きな偏移をもたらしたことを示す。
【0152】
時間の関数としての微小共振器システムの共振モードの微小空洞内の電界最高点の位置のモニタリングは、微小空洞が共振定在波モードを一次的にサポートしたことを示した。
【0153】
実施例6:
金粒子が曲線部438に沿って図5Bの場所2に距離g=0.42μm移動されたことを除き、実施例5のデバイスと類似する光学デバイスを実効二次元FDTD法を使用して数値解析した。距離gは1.68μmでλ/4と同等であり、λ=1.68μmは図16Aに示される位置1610Aでの微小共振器システムの共振周波数に対応した。
【0154】
図17の曲線1702は場所2に定置された金粒子の計算された信号強度を示す。曲線1702は、散乱中心180が、ピーク1710Aからピーク1730Aへの約2.8nmの比較的大きな偏移をもたらしたことを示す。
【0155】
実施例7:
金粒子が曲線部438に沿って図5Bの場所3に移動され、結果として角度αが45度と同等であったことを除き、実施例5のデバイスと類似する光学デバイスを実効二次元FDTD法を使用して数値解析した。
【0156】
図17の曲線1701は場所3に定置された金粒子の計算された信号強度を示す。曲線1701は、散乱中心180がピーク1710Aからピーク1720Aへの約2.2nmの比較的大きな偏移をもたらしたことを示す。
【0157】
本明細書で使用される場合、「垂直」、「水平」、「上方」、「下方」、「左側」、「右側」、「上部」及び「下部」、並びにその他の類似用語等の用語は図面に示されるような相対位置を指す。広くは、物理的な実施形態は異なる配向を有することができ、その場合、用語は装置の実際の配向に修正された相対位置を指すことが意図される。例えば、図10の構成が図面の配向と比較して反転されるとしても、クラッド層1165は依然として「下部」クラッド層と見なされる。
【0158】
本発明の種々の態様の説明を容易にするために、本発明の特定の実施例について上で詳細に説明しているが、その意図は、本発明を実施例の細部に限定することではないことを理解されたい。むしろ、その意図は添付の特許請求の範囲で、定義される本発明の趣旨と範囲に含まれる全ての修正物、等価物、並びに代替物を網羅することである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学微小共振器システムであって、
導波モードをサポートすることができる第1の光導波路と、
該第1の光導波路に光学的に結合され、1つ以上の共振モードを一次的にサポートすることができる光微小空洞であって、該第1の光導波路の該導波モードが該1つ以上の共振モードの第1の共振モードを励起する光微小空洞と、
該微小空洞に光学的に結合され、第2の共振モードをサポートすることができる光学微小共振器であって、該第1の共振モードが該第2の共振モードを励起する光学微小共振器と、を備える光学微小共振器システム。
【請求項2】
前記第1の共振モードが第1の進行波モードを含み、前記第2の共振モードが第2の進行波モードを含む、請求項1に記載の光学微小共振器。
【請求項3】
前記第1の共振モードが第1の定在波モードを含み、前記第2の共振モードが第2の定在波モードを含む、請求項1に記載の光学微小共振器。
【請求項4】
前記第1の定在波モードが第1及び第2の進行導波モードを含み、前記第2の定在波モードが第1及び第2の進行導波モードを含み、
該第1の定在波モードの該第1の進行導波モードが該第2の定在波モードの該第1の進行導波モードに一次的に光学的に結合し、
該第1の定在波モードの該第2の進行導波モードが該第2の定在波モードの該第2の進行導波モードに一次的に光学的に結合する、請求項3に記載の光学微小共振器。
【請求項5】
前記微小空洞が直方体である、請求項1に記載の光学微小共振器。
【請求項6】
前記微小共振器が第1の結合領域内の前記微小空洞に光学的に結合され、該微小共振器が該第1の結合領域の前記導波路から距離dに位置し、該距離が第1の方向を定義し、該微小空洞が該第1の方向と直交する第2の方向に沿って最大厚さhを有し、該微小空洞が該第1の方向に沿って最大寸法W及び該第1及び第2の方向と直交する第3の方向に沿って最大寸法Lを有し、L/Wが約10以下である、請求項1に記載の光学微小共振器。
【請求項7】
/Wが約5以下である、請求項6に記載の光学微小共振器。
【請求項8】
/Wが約2以下である、請求項6に記載の光学微小共振器。
【請求項9】
/Wが約1以下である、請求項6に記載の光学微小共振器。
【請求項10】
が約10μm以下である、請求項6に記載の光学微小共振器。
【請求項11】
が約5μm以下である、請求項6に記載の光学微小共振器。
【請求項12】
前記微小共振器が前記第1の方向に沿って最大寸法W、前記第2の方向に沿って最大厚さh、及び前記第3の方向に沿って最大寸法Lを有し、W及びLが実質的に等しい、請求項6に記載の光学微小共振器。
【請求項13】
前記光学微小共振器がマイクロリング及びレーストラックのうちの1つである、請求項1に記載の光学微小共振器。
【請求項14】
前記光学微小共振器が単一横モード微小共振器である、請求項1に記載の光学微小共振器。
【請求項15】
前記光微小空洞が約0.3μm〜約5μmの波長範囲で、100以下の共振モードをサポートすることができる、請求項1に記載の光学微小共振器。
【請求項16】
前記光微小空洞が約0.3μm〜約5μmの波長範囲で、20以下の共振モードをサポートすることができる、請求項1に記載の光学微小共振器。
【請求項17】
前記光微小空洞が約0.3μm〜約5μmの波長範囲で、少なくとも2つの共振モードをサポートすることができる、請求項1に記載の光学微小共振器。
【請求項18】
導波モードをサポートすることができ、前記光微小空洞に光学的に結合される第2の光導波路を更に備える、請求項1に記載の光学微小共振器。
【請求項19】
前記第1及び第2の光導波路が共線である、請求項18に記載の光学微小共振器。
【請求項20】
前記微小空洞が芯結合によって前記第1の導波路に光学的に結合され、前記微小共振器が芯結合によって該微小空洞に光学的に結合される、請求項1に記載の光学微小共振器システム。
【請求項21】
光学微小共振器システムであって、
厚さ寸法h、幅寸法W、及び長さ寸法Lを有する矩形光微小空洞と、
該微小空洞に光学的に結合される入力光導波路と、
該微小空洞の長さに沿って該微小空洞に光学的に結合される光学微小共振器と、を備え、L/Wが約6以下である、光学微小共振器システム。
【請求項22】
前記微小空洞が1つ以上の共振モードを一次的にサポートすることができる、請求項21に記載の光学微小共振器システム。
【請求項23】
前記1つ以上の共振モードのそれぞれが進行波モードである、請求項22に記載の光学微小共振器システム。
【請求項24】
前記光学微小共振器が芯結合によって前記微小空洞に光学的に結合される、請求項21に記載の光学微小共振器システム。
【請求項25】
前記入力光導波路が芯結合によって前記微小空洞に光学的に結合される、請求項21に記載の光学微小共振器システム。
【請求項26】
L/Wが約2以下である、請求項21に記載の光学微小共振器システム。
【請求項27】
L/Wが約1以下である、請求項21に記載の光学微小共振器システム。
【請求項28】
前記微小空洞に光学的に結合される出力光導波路を更に含む、請求項21に記載の光学微小共振器システム。
【請求項29】
前記出力光導波路が芯結合によって前記微小空洞に光学的に結合される、請求項28に記載の光学微小共振器システム。
【請求項30】
前記入力及び出力光導波路が共線である、請求項28に記載の光学微小共振器システム。
【請求項31】
光学センサであって、
第1の共振モードをサポートすることができる微小共振器システムであって、
光学微小共振器、
1つ以上の共振モードを一次的にサポートすることができる光微小空洞であって、該光学微小共振器に光学的に結合される光微小空洞、及び
該光微小空洞に光学的に結合される第1の光導波路を備える、微小共振器システムと、
該第1の光導波路との光通信内の光源であって、該微小共振器システムの該第1の共振モードに対応する波長で光を放射することができる光源と、
該微小共振器システムとの光通信内の検出器であって、検体が該微小共振器システムに近接する場合に該第1の共振モードの該特性が変化し、該検出器が該変化を検出するように、該第1の共振モードの特性を検出することができる検出器と、を備える、微小共振器システムを備える、光学センサ。
【請求項32】
前記光微小空洞の前記1つ以上の共振モードのそれぞれが定在波モードである、請求項31に記載の光学センサ。
【請求項33】
前記特性が前記第1の共振モードの強度を含む、請求項31に記載の光学センサ。
【請求項34】
前記特性が前記共振モードの波長を含む、請求項31に記載の光学センサ。
【請求項35】
前記特性が前記共振モードの位相を含む、請求項31に記載の光学センサ。
【請求項36】
前記微小共振器が前記微小空洞の長さに沿って該微小空洞に光学的に結合され、該微小空洞が長さ寸法L及び幅寸法Wを有し、L/Wが約6以下である、請求項31に記載の光学センサ。
【請求項37】
L/Wが約1以下である、請求項36に記載の光学センサ。
【請求項38】
光学微小共振器システムであって、
導波モードをサポートすることができる第1の光導波路と、
該第1の光導波路に光学的に結合され、1つ以上の共振モードを一次的にサポートすることができる光微小空洞であって、該第1の光導波路の該導波モードが該1つ以上の共振モードの第1の共振モードを励起する光微小空洞と、
該微小空洞に光学的に結合され、第2の共振モードをサポートすることができる光学ファブリ・ペロー(Fabry Perot)空洞であって、該第1の共振モードが該第2の共振モードを励起する光学ファブリ・ペロー(Fabry Perot)空洞と、を備える光学微小共振器システム。
【請求項39】
前記ファブリ・ペロー(Fabry Perot)が1つ以上の格子を含む、請求項38に記載の光学微小共振器システム。
【請求項40】
前記ファブリ・ペロー(Fabry Perot)が1つ以上の鏡面反射端面を含む、請求項38に記載の光学微小共振器システム。
【請求項41】
前記光微小空洞の前記1つ以上の共振モードのそれぞれが定在波モードである、請求項38に記載の光学微小共振器システム。
【請求項42】
前記光微小空洞の前記1つ以上の共振モードのそれぞれが進行波モードである、請求項38に記載の光学微小共振器システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図4D】
image rotate

【図4E】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16A】
image rotate

【図16B】
image rotate

【図16C】
image rotate

【図16D】
image rotate

【図17】
image rotate


【公表番号】特表2010−515059(P2010−515059A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−544155(P2009−544155)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【国際出願番号】PCT/US2007/087166
【国際公開番号】WO2008/094356
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】