説明

光学材料用組成物および光学材料

【課題】 高屈折率、光散乱性、環境特性に優れる光学材料を提供する。
【解決手段】 有機成分と無機成分からなる光学材料用組成物において、スズ酸化物からなる無機成分、重合性官能基を有する有機成分、および重合開始剤を含むことを特徴とする光学材料用組成物およびそれから得られた光学材料。該無機成分としては、スズアルコキシド、あるいはその加水分解物を重合させたものが使用される。また、該有機成分としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ化合物、硫黄含有有機化合物からなる群から選択される少なくとも一種が使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばカメラ等の撮像光学系、表示デバイス等の投影光学系、画像表示装置等の観察光学系などの光学系に用いる光学素子を形成するに適した光学材料用組成物およびそれを重合して得られる光学材料に関するものであり、光散乱性、環境特性、成形性に優れ、且つ所望の光学恒数を得られる光学材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、銀塩フィルム用やデジタル用のカメラ、ビデオカメラあるいはカメラ付携帯電話、テレビ電話あるいはカメラ付ドアホンなどに用いられる撮像モジュール等の光学系では小型軽量、低コスト化が大きな課題となっている。そこでこれらの光学系では、光学素子の大きさを小さくしやすい高屈折率の光学材料、色収差補正のし易い低分散、高分散の光学材料、あるいは成形が簡単で安価な光学材料を多用するようになってきた。
【0003】
このような光学材料としては、光学ガラス、熱可塑性光学樹脂、高温で押圧成形し所望の光学素子を得るための低融点ガラス、あるいは成形しつつ熱や光で重合し所望形状の光学素子を得るために熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂等が用いられてきた。
【0004】
また近年、光学素子用の光学材料として無機化合物と有機化合物を用いた有機無機複合材料、例えば合成樹脂中に粒子径数nm〜150nmの無機微粒子を均一に分散させた微粒子分散型の光学材料が提案されている。
【0005】
このような微粒子分散型の光学材料の場合、すなわち光学系の使用波長より小さい粒子等の不均一成分を含んだ有機無機複合材料を用いる場合、粒径が小さい不均一成分は光学性能に影響を与えないと考えられており、それ故に、およそ400〜800nmが使用波長域である白色光学系の光学素子の光学材料として、30nmないし100nm程度の不均一成分である微粒子を含む微粒子分散型の光学材料が提案されてきた。
【0006】
例えば、粒径1〜150nmのダイヤモンド微粉末を合成樹脂に均一に分散させてなる高屈折率を実現する光学用樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1)。
また、粒子径5〜100nmの金属粉末あるいは金属酸化物粉末を有機樹脂中に分散させることで高屈折率を実現する超微粒子分散型光学材料が提案されている(例えば、特許文献2)。
また、チタンとケイ素の複合金属酸化物(Six−Ti(1-x)2)の微粒子やTiO2、Nb25、ITO、Cr23、BaTiO3 などの粒径が2〜100nmの微粒子を熱可塑性の非晶性樹脂に分散させ高分散を実現する光学材料が提案されてきた(例えば、特許文献3)。
【特許文献1】特許第2867388号公報
【特許文献2】特開2000−44811号公報
【特許文献3】特許第3517625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
光学有効面を非球面形状とした光学素子は、収差補正性能に優れる等の多くの特徴を有しているが、光学ガラスによって非球面形状とすることは、加工工程が複雑となり、また時間を要するので、大量生産品の製造には問題があった。
また、融点が比較的低いガラスを用いて成形によって光学素子を製造する方法が知られているが、この方法では、所定の形状に加工した成形用の型を用いることによって光学素子の光学有効面を非球面形状に加工することが容易であるが、大口径あるいは大偏肉形状の素子の成形が難しいという問題点、あるいはガラス成形用の金型の寿命等に問題点があった。
【0008】
また、光学用熱可塑性樹脂および紫外線硬化型樹脂等においては、大口径あるいは複雑形状の素子に成形できるので、成形性や量産性に優れる利点があるものの、光学材料として選択できる屈折率および分散の範囲が狭く、光学系の小型軽量化あるいは高性能化を制限してしまう問題がある。
【0009】
一方、近年提案されてきた微粒子分散型の有機無機複合材料は、複雑形状の素子に成形できるという成形性に優れ、また透明性等にも優れ、比較的簡単に量産できる利点はあるものの、これまでの材料では選択できる屈折率および分散の範囲に限りがあり、光学系の小型軽量化あるいは高性能化を制限してしまうという問題点がある。特に高屈折率で低分散の材料は実現されていない。
また、上記の微粒子分散型の有機無機複合材料からなる光学素子は、微粒子が十分に分散していないので、光散乱性が大きいという問題点がある。光散乱性は、光学素子内部における散乱光の指標であって、光学素子の特性に大きな影響を及ぼす。例えば、散乱光の強度が大きい光学素子では仮にその光学素子の収差が全くないとしても、光学素子を透過した光により形成される像がぼやけてしまい、特性が劣った光学素子となる。
【0010】
光散乱性は、光学素子を構成する材料自身に起因するもので、光学素子内部が光学的に均一でない、すなわち、屈折率、透過率が均一でない場合に光が散乱してしまうことによる。光学系の使用波長より小さい微粒子を含有した有機無機複合材料のように不均一成分が多量に光学素子内部に存在すると、プリズムあるいは導波路など光学素子単体内での光路長が長い光学素子、あるいは顕微鏡や高精細デジタルカメラなど光学素子自身に高度な光学性能が要求される光学系用の光学素子においては、散乱光の大きさが問題になってしまう。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、とり得る屈折率および分散の範囲が広く、光散乱性も含めた光学特性、および成形性に優れた光学素子を形成するため光学材料を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、有機成分と無機成分からなる光学材料用組成物において、スズ酸化物からなる無機成分、重合性官能基を有する有機成分、および重合開始剤を含む光学材料用組成物である。
無機成分の含有量が、光学材料の総質量に対するスズ酸化物が酸化スズ(IV)に換算して、0.1〜70質量%である前記の光学材料用組成物である。
【0012】
また、化学式1で表される金属アルコキシドあるいはその加水分解物から得られる少なくとも1種類からなる第2の無機成分を更に含む前記の光学材料用組成物である。
化学式1
1a2bM(OR3c
(R1およびR2は、同一あるいは異なる有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R3は炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、MはAl、Be、Cu、Ge、Hf、La、Nb、Mg、Sc、Si、Ta、Ti、V、W、Zn、Zrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素、aおよびbは0ないし2、金属元素Mの価数をmとした場合に、c=m−(a+b)である。)
前記化学式1において、金属元素MがAl、Si、Tiからなる群から選ばれる少なくとも1種である前記の光学材料用組成物である。
【0013】
前記無機成分が、下記の化学式2で表されるスズアルコキシド、あるいはその加水分解物を重合させたものから得られたものである前記の光学材料用組成物である。
化学式2
4dSn(OR54-d
(R4 は有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R5は炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、dは0ないし1)
前記無機成分が、平均粒子径が20nm以下で、かつ90%粒子径が30nm以下のスズ酸化物粒子である前記の光学材料用組成物である。
前記有機成分がメタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステル、エポキシ化合物、硫黄含有有機化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である前記の光学材料用組成物である。
【0014】
有機成分と無機成分からなる光学材料において、スズ酸化物からなる無機成分、重合性官能基を有する有機成分、および重合開始剤を含む組成物を重合したものであること光学材料である。
また、無機成分の含有量が、光学材料の総質量に対するスズ酸化物が酸化スズ(IV)に換算して、0.1〜70質量%である前記の光学材料である。
化学式1で表される金属アルコキシドあるいはその加水分解物から選ばれる少なくとも1種類からなる第2の無機成分を更に含む前記の光学材料である。
化学式1
1a2bM(OR3c
(R1およびR2は、同一あるいは異なる有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R3は炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、MはAl、Be、Cu、Ge、Hf、La、Mg、Nb、Sc、Si、Ta、Ti、V、W、Zn、Zrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素、aおよびbは0ないし2、金属元素Mの価数をmとした場合に、c=m−(a+b)である。)
【0015】
前記化学式1において、金属元素MがAl、Si、Tiからなる群から選ばれる少なくとも1種である前記の光学材料である。
無機成分が、下記の化学式2で表されるスズのアルコキシド、あるいはその加水分解物を重合させたものから得られたものである前記に記載の光学材料である。
化学式2
4dSn(OR54-d
(R4 は有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R5は炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、dは0ないし1)
また、前記無機粒子成分が、平均粒子径が20nm以下で、かつ90%粒子径が30nm以下のスズ酸化物粒子である前記の光学材料である
前記有機成分がメタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステル、エポキシ化合物、硫黄含有有機化合物、芳香族含有有機化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である前記の光学材料である。
光学材料のd線の屈折率ndとアッベ数νdをそれぞれ、縦軸と横軸に示した場合に、(nd,νd)が、(1.62,22)、(1.88,25)、(1.57,58)、(1.47,58)で囲まれた領域の光学恒数を有する前記の光学材料である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の光学材料用組成物によって作製した光学材料は、とり得る屈折率および分散の範囲が広く、光学系の高性能化を可能にするとともに、光散乱性、耐環境性に優れている。また、本発明の光学材料用組成物は常温付近で液状であるので、高温や高い圧力を加えることなく複雑形状の光学素子を短時間で製造できる高い加工性を有しており、光学系の小型軽量化、製造効率の改善等の効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、スズ酸化物からなる無機成分と、重合性官能基を有する有機成分、重合開始剤を含む光学材料用組成物を重合させて得られた光学材料によって光散乱が少ない有機無機複合材料からなる光学材料を得ることが可能であることを見出したものである。
本発明の光学材料用組成物においては、スズ酸化物からなる無機成分は光学特性を変化させるための必須の成分である。なお、スズ酸化物からなる無機成分は、光学材料用組成物の総質量に対する酸化スズ(IV)換算で0.1質量%以上70質量%以下が好ましい。
0.1質量%未満では、スズ酸化物を添加した効果が小さく、70質量%を超える場合は光散乱性が悪化したり、所望の形状に成形することが難しい等の問題が発生する。
より好ましくは10質量%以上45質量%以下である。この範囲の添加量であれば光散乱性は良好となる。
【0018】
本願の発明において無機成分として使用するスズ酸化物成分は、光透過率、散乱等に悪影響を及ぼさない大きさの微粒子からなり、光学材料用組成物および硬化して得られる光学材料中に分散して存在している。
スズ酸化物成分は、下記の化学式2で表されるスズのアルコキシド、あるいはその加水分解物を重合させたものから製造したものを用いることができる。
化学式2
4dSn(OR54-d
(R4 は有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R5は炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、dは0ないし1)
【0019】
アルキル基としてはメチル基、エチル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基などを挙げることができる。ハロゲン化アルキル基としては、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタクロロエチル基などを挙げることができる。アリール基としてはフェニル基、スチリル基などを挙げることができる。好ましくはメチル基、フェニル基である。スズアルコキシドあるいはその加水分解物の具体例は、スズテトラメトキシド、スズテトラエトキシド、スズテトラプロポキシド、スズテトラブトキシド、スズメチルトリメトキシド、スズメチルトリエトキシド、スズメチルトリブトキシド、スズフェニルトリメトキシド、スズフェニルトリエトキドあるいはそれらの加水分解物などを挙げることができる。
【0020】
スズ酸化物としてスズアルコキシドから製造する無機成分を用いる場合、スズアルコキシドの縮重合反応における希釈溶剤の種類や量、触媒の種類や量、反応温度、時間を適宜調整することで、粒子径にかかわる分子量や、屈折率および分散にかかわる結晶性や密度が調整可能となる。
【0021】
また、固体状のスズ酸化物を砕いて粉末化し微粒子にしたもの、気相酸化法、ジュールクエンチ法、あるいは熱プラズマ法等で製造された微粒子を、水やアルコールなどの各種有機溶剤から選ばれる分散媒に分散させたものも用いることができる。
このようなスズ酸化物微粒子を無機成分として用いる場合、スズ酸化物無機粒子の大きさは個数基準での平均粒子径が20nm以下で、かつ90%粒子径が30nm以下であることが好ましい。より好ましくは平均粒子径が15nm以下で、かつ90%粒子径が20nm以下である。
【0022】
ここで粒子径は動的光散乱法よって求めたもので平均粒子径とは粒子径分布の中心値を、また90%粒子径とは全粒子の90%が含まれる範囲の粒子径のことを言う。
平均粒子径が20nmより大きい場合や90%粒子径が30nmよりも大きい場合には透過率や光散乱が大きくなってしまう。
また、平均粒子径が20nm以下であっても、粒子径分布の幅が広く30nmより大きな粒子径の粒子が全粒子の10%を超えた割合で存在してしまうと、透過率は悪化しないが光散乱が大きくなってしまうことになる。
【0023】
スズ酸化物粒子成分と、重合性官能基を有する有機成分以外にも、下記の化学式1で表される金属アルコキシドあるいはその加水分解物から選ばれる少なくても1種類から得られる無機成分を用いることができる。
【0024】
化学式1
1a2bM(OR3c
(R1およびR2は、同一あるいは異なる有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基である。
具体例としてはメチル基、イソブチル基、トリフルオルメチル基、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、フェニル基、スチリル基、エポキシ基、オキセタニル基、フェニル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基などが挙げられる。特に好ましくはメチル基、エチル基、イソブチル基、フェニル基、エポキシ基、オキセタニル基、アクリロイル基、メタクロイル基が挙げられる。
【0025】
また、R3 は炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、MはAl、Be、Cu、Ge、Hf、La、Mg、Nb、Sc、Si、Ta、Ti、V、W、Zn、Zrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素、aおよびbは0ないし2、金属元素Mの価数をmとした場合に、c=m−(a+b)である。
【0026】
また、前記無機成分は、スズ酸化物からなる無機成分の表面を修飾して、スズ酸化物からなる無機粒子成分と、重合性官能基を有する有機成分との相溶性や分散性を調整し、スズ酸化物粒子の凝集を防止して、粒子径が30nmより大きくならないように、透過率や光散乱性の低下を防ぐとともに、RlおよびR2で表される有機基としてビニル基、アクリロイル基、メタクロイル基、エポキシ基、オキセタン基などの重合性有機基を有する金属アルコキシドを用いると、有機成分と無機成分の問に強固な共有結合ができるので、相溶性および結合性が向上して、より環境安定性や光散乱性を向上させることができ、さらに機械的強度も向上できる。
【0027】
金属アルコキシドあるいはその加水分解物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリブトキシシラン、ビニルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、アルミニウムイソプロポキシド、タンタルペンタエトキシド、タンタルペンタメトキシド、チタンイソプロポキシド、チタンメタクリレートトリイソプロポキシド、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムエチルトリエトキシド、ハフニウムノルマルブトキシド、ランタンイソプロポキシドあるいはそれらの加水分解物などを挙げることができる。
【0028】
さらに金属アルコキシドあるいはその加水分解物から選ばれる無機成分は、単独であるいは複数種類の混合物として用いることができる。このため、光学設計上で求められる屈折率や分散、透過率などの光学特性にあわせて、混合する数種類の無機成分の組成比を決めることができる。
金属アルコキシドあるいはその加水分解物から選ばれる無機成分の添加量は、酸化スズ(IV)に換算して無機粒子成分のモル数に対して1/5以上1以下が好ましい。
【0029】
重合性官能基を有する有機成分としては、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステル(以下、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの少なくともいずれか一種を含有するものを(メタ)アクリレートと称す)、エポキシ化合物、硫黄含有有機化合物を用いることができる。
具体例としては、メタクリル酸、アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ジメチルロールトリシクロデカンジメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、トリメチルプロパントリ(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシナネート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂などを挙げることができる。また、モノマーのまま用いても良いし、モノマーを少し重合させたオリゴマーとしてから用いても良い。
重合性官能基を有する有機成分としては、上記以外にも、他の成分と相溶するウレタン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などを混合して用いることができる。
【0030】
本発明の光学材料は、上記酸化スズ粒子成分、有機成分および無機成分以外にも、その他の成分として硬化剤、光増感剤、連鎖移動剤、酸化防止剤などが添加される。
【0031】
硬化剤の例として光重合開始剤あるいは熱重合開始剤があげられ、具体的には有機成分が(メタ)アクリレートの場合および無機成分の金属アルコキシドの有機基Rl あるいはR2 がビニル基、アクリロイル基あるいはメタクリロイル基等である場合は、熱重合開始剤としては過酸化ベンゾイル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビスー2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスカルボアミド、イソプロピルヒドロペルオキシド、第3ブチルヒドロペルオキシド、クミルヒドロペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビスヘキサンなどを挙げることができ、光重合開始剤としてはベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンー1−オン、2−ヒドロキシー2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オンなどを挙げることができる。
【0032】
また有機成分がエポキシ樹脂の場合および無機成分の金属アルコキシドの有機基R1 あるいはR2 がエポキシ基あるいはオキセタニル基である場合は、触媒型硬化剤として芳香族系3級アミン類、イミダゾール類、ルイス酸類などを挙げることができ、重付加型硬化剤としては、アミン系硬化剤、変性アミン系硬化剤、カルボン酸無水物系硬化剤、フェノール系硬化剤、硫黄含有化合物系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ポリエステル系硬化剤などを挙げることができる。
【0033】
本発明の光学材料の屈折率および分散(アッベ数)の調整は、スズ酸化物粒子成分の添加量、分子量、結晶性および密度、重合性官能基を有する有機成分の種類と添加量、無機成分の種類と添加量、および硬化条件で行うことができる。
【0034】
例えば、高屈折率で高分散化する場合、スズ酸化物粒子成分として平均粒子径が5nmで、90%粒子径が20nmの酸化スズ(IV)粒子を水分散させたものを、重合性官能基を有する有機成分としてメチルメタクリレートを化学式2で表される金属アルコキシドからなる無機成分として、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを用い、またその他の成分としてベンゾフェノンを含む紫外線硬化剤を用いた場合の光学材料において、スズ酸化物微粒子と3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの割合をそれぞれの酸化物SnO2、SiO2に換算した時の質量比SnO2:SiO2で3:1として、光学材料全体に含まれるSnO2 の割合を、含まないものから70質量%まで変化させたときの、光学材料のd線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdの測定点の変化は図1の曲線Aに示す。
【0035】
メチルメタクリレート単体の(nd,νd)=(1.492,58)に対して、SnO2 の配合割合を増加させるとともに高屈折率高分散の方向に変化し、SnO2 の割合を70%まで増加させると(nd,νd)=(1.534,48)まで高屈折率高分散化することができる。
【0036】
また、上記光学材料において、化学式1で表される金属アルコキシドからなる無機成分のみをチタンテトライソプロポキシドに変更し、SnO2 との質量比をそれぞれ酸化物換算でSnO2:TiO2で1:1とした。また光学材料重合性官能基を有する有機成分を下記化学式3に示されるアクリレートに変更した。光学材料全体に含まれる SnO2−TiO2 の総量を含まないものから、70質量%まで変化させたときの、光学材料のd線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdの測定点の変化は図1の曲線Bに示す。
【0037】
【化1】

【0038】
また、上記光学材料の重合性官能基を有する有機成分として化学式4で示される硫黄含有有機化合物を、その他の成分としてアミン系硬化剤を用いた光学材料において、硬化工程において60℃で1時間、100℃で1時間、さらに160℃で2時間加熱した場合、光学材料全体に含まれる無機成分の割合を、SnO2 換算量で70質量%まで変化させたときの、光学材料のd線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdの測定点の変化を図1の曲線Cに示す。
【0039】
【化2】

【0040】
硫黄含有有機化合物単体の(nd,νd)=(1.710,36)からSnO2−TiO2の割合を増加させるとともに高屈折率高分散の方向に変化し、無機成分の総量をSnO2換算で70質量%まで増加させると(nd,νd)=(1.819,30)まで変化させることができる。
【0041】
また、化学式1で表される金属アルコキシドから得られる無機成分をアルミニウムテトライソプロポキシドに変更し、スズ酸化物との質量比をそれぞれ酸化物換算で、SnO2:Al23=6:4とした。
重合性官能基を有する有機成分として化学式5で示されるエポキシ化合物を使用し、硬化剤としてアミン系硬化剤を用いた光学材料用組成物を60℃で1時間、100℃で1時間、さらに160℃で2時間加熱した場合、光学材料全体に含まれるSnO2とAl23 の総量をSnO2 換算で70質量%まで変化させたときの、光学材料のd線の屈折率ndと分散を表すアッベ数νdの測定点の変化を図1の曲線Dに示す。
【0042】
【化3】

【0043】
また、エポキシ樹脂単体の(nd,νd)=(1.589,32)からSnO2−Al23の割合を増加させるとともに低分散の方向に変化し、無機成分の総量をSnO2換算で70質量%まで増加させると(nd,νd)=(1.584,37)まで低分散化することができる。
【0044】
以上のように、スズ酸化物粒子成分の添加量、分子量、結晶性および密度、重合性官能基を有する有機成分の種類と添加量、無機成分の種類と添加量、および硬化条件を調整することで、光学材料の高屈折率化、低分散化及び高屈折率低分散化が可能である。
以下、本発明によって作製した光学材料用組成物およびそれを重合した光学材料を実施例を示して説明する。
【実施例1】
【0045】
(スズ酸化物−シリカゾルの調製)
SnO2換算でスズ酸化物を20質量%含有しているスズ酸化物粒子酢酸分散液40gとメタノール8gを混合した液に、フェニルトリメトキシシラン3.5gを添加して、25℃で24時間攪拌してスズ酸化物粒子表面を表面処理したスズ酸化物−シリカゾルを調製した。
【0046】
(光学材料の作製と評価)
得られた無機成分がSnO2 換算で10質量%となるように、得られたスズ酸化物−シリカゾルの32.2g、メチルメタクリレート45.0g、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 イルガキュア500)0.05gを配合して1時間攪拌した後、水、メタノールおよび副生成物を50℃での蒸発操作で取り除き、紫外線照射によって硬化させたところ、(nd,νd)=(1.495,57)であった。この結果を図2に示す。
【0047】
また、スズ酸化物−シリカゾルとメチルメタクリレートとの混合比を調整し、無機成分の配合割合を、SnO2 換算で70質量%まで変化させた光学材料用組成物を同様に硬化させ、得られた光学材料の屈折率ndと分散νdの変化を図2において、横軸を光学材料に占めるSnO2 に換算の無機成分の含有量を質量%で示し、各質量%で得られた光学材料のd線の屈折率nd、アッベ数νdを縦軸に示している。
本実施例によれば、高屈折高分散である光学材料を得ることができた。
【実施例2】
【0048】
(スズ酸化物−シリカゾルの調製)
スズテトライソプロポキシド18.0gとイソプロパノール72gと0.1N塩酸1.0gとを混合し、25℃にて1時間攪拌し、スズテトライソプロポキシドを加水分解反応と縮重合反応させてスズ酸化物ゾルを調製した。
次いで、スズ酸化物ゾルを、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン10gと水1.0gを混合して25℃で12時間攪拌した液に添加して、更に25℃において8時間攪拌した後、水、イソプロパノール及び副生成物を50℃での蒸発操作にて取り除き、スズ酸化物−シリカゾルを得た。
【0049】
(光学材料の作製と評価)
光学材料に占める無機成分の割合を、SnO2 に換算して10質量%になるように、先に調製したスズ酸化物−シリカゾル12.8gと重合性官能基を有する有機成分としてジメチロールトリシクロデカンアクリレート(共栄社化学製DCP−A)9.0gと、光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 イルガキュア500)0.02gを混合して光学材料用組成物を調製した。得られた光学材料用組成物を紫外線照射によって硬化させたところ、(nd,νd)=(1.537,51)であった。この結果を図3に示した。
【0050】
また、スズ酸化物−シリカゾルと上記の重合性官能基を有する有機成分との混合比を調整し、スズ酸化物−シリカゾルの含有量を、SnO2 に換算の割合で、含まないものから70質量%まで変化させた光学材料用組成物を同様に硬化させて、得られた光学材料の屈折率ndと分散νdの変化を図3において、横軸を光学材料に占めるSnO2 に換算のスズ酸化物成分の含有量を質量%で示し、各質量%で得られた光学材料のd線の屈折率nd、アッベ数νdを縦軸に示した。
【実施例3】
【0051】
(スズ酸化物−チタニアゾルの調製)
SnO2 換算でスズ酸化物を20質量%含有しているスズ酸化物粒子酢酸分散液20gを、チタンテトライソプロポキシド14.2g、水1.0gを25℃にて12時間した混して、25℃にて8時間攪拌してスズ酸化物−チタニアゾルを調製した。
【0052】
(光学材料の作製と評価)
光学材料に占める無機成分の量が、SnO2 に換算の割合で10質量%になるように、得られたスズ酸化物−チタニアゾル4.4g、ビスフェノール型A型エポキシ化合物(エピコート828 ジャパンエポキシレジン社製)9.0g、テトラエチルペンタミン1.0gに混合した後、水、イソプロパノールおよび副生成物を50℃での蒸発操作で取り除き、光学材料用組成物を製造し、60℃で1時間、100℃で1時間、さらに160℃で2時間加熱硬化させたところ、(nd,νd)=(1.599,32)である光学材料が得られた。
【0053】
また、スズ酸化物−チタニアゾルの配合比を変えて、光学材料に占めるスズ酸化物−チタニアゾルの配合比を、無機成分の配合比をSnO2 に換算して70質量%まで変化させた光学材料用組成物を同様に硬化させて、得られた光学材料の屈折率ndと分散νdの変化を図4において、横軸を光学材料に占めるSnO2 換算の無機成分の含有量を質量%で示し、各質量%で得られた光学材料のd線の屈折率nd、アッベ数νdを縦軸に示した。
以上のように、高屈折高分散である光学材料を得ることができた。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の光学材料は、高屈折率かつ低分散であるので光学素子の大きさを小さくでき、収差も効率よく取り除くことができるとともに、光散乱性、耐環境性に優れ、常温付近で液状であるので、高温や高い圧力をかけることなく複雑形状の光学素子を短時間で製造できる高い加工性を有しているので、光学系の小型軽量、低コスト化に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の光学材料の屈折率とアッベ数の変化を説明する図である。
【図2】本発明の一実施例の光学材料の屈折率とアッベ数の変化を説明する図である。
【図3】本発明の他の実施例の光学材料の屈折率とアッベ数の変化を説明する図である。
【図4】本発明の他の実施例の光学材料の屈折率とアッベ数の変化を説明する図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機成分と無機成分からなる光学材料用組成物において、スズ酸化物からなる無機成分、重合性官能基を有する有機成分、および重合開始剤を含むことを特徴とする光学材料用組成物。
【請求項2】
無機成分の含有量が、光学材料の総質量に対するスズ酸化物の量が酸化スズ(IV)に換算して、0.1〜70質量%であることを特徴とする請求項1記載の光学材料用組成物。
【請求項3】
化学式1で表される金属アルコキシドあるいはその加水分解物から得られた少なくとも1種類からなる第2の無機成分を更に含むことを特徴とする請求項1記載の光学材料用組成物。
化学式1
1a2bM(OR3c
(R1およびR2は、同一あるいは異なる有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R3は炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、MはAl、Be、Cu、Ge、Hf、La、Nb、Mg、Sc、Si、Ta、Ti、V、W、Zn、Zrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素、aおよびbは0ないし2、金属元素Mの価数をmとした場合に、c=m−(a+b)である。)
【請求項4】
前記化学式1において、金属元素MがAl、Si、Tiからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3記載の光学材料用組成物。
【請求項5】
前記無機成分が、下記の化学式2で表されるスズアルコキシド、あるいはその加水分解物を重合させたものから得られたものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光学材料用組成物。
化学式2
4dSn(OR54-d
(R4 は有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R5は炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、dは0ないし1)
【請求項6】
前記無機粒子成分が、平均粒子径が20nm以下で、かつ90%粒子径が30nm以下のスズ酸化物粒子であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光学材料用組成物。
【請求項7】
前記有機成分がメタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステル、エポキシ化合物、硫黄含有有機化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光学材料用組成物。
【請求項8】
有機成分と無機成分からなる光学材料において、スズ酸化物からなる無機成分、重合性官能基を有する有機成分、および重合開始剤を含む組成物を重合したものであることを特徴とする光学材料。
【請求項9】
無機成分の含有量が、光学材料の総質量に対するスズ酸化物が酸化スズ(IV)に換算して、0.1〜70質量%であることを特徴とする請求項8記載の光学材料。
【請求項10】
化学式1で表される金属アルコキシドあるいはその加水分解物から得られる少なくとも1種類からなる第2の無機成分を更に含むことを特徴とする請求項8または9記載の光学材料。
化学式1
1a2bM(OR3c
(R1およびR2は、同一あるいは異なる有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R3は炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、MはAl、Be、Cu、Ge、Hf、La、Mg、Nb、Sc、Si、Ta、Ti、V、W、Zn、Zrからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属元素、aおよびbは0ないし2、金属元素Mの価数をmとした場合に、c=m−(a+b)である。)
【請求項11】
前記化学式1において、金属元素MがAl、Si、Tiからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項10記載の光学材料。
【請求項12】
無機成分が、下記の化学式2で表されるスズのアルコキシド、あるいはその加水分解物を重合させたものから得られたことを特徴とする請求項8ないし11のいずれか1項に記載の光学材料。
化学式2
化学式2
4dSn(OR54-d
(R4 は有機基で、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、シクロアルキル基、アシル基あるいはエポキシ基含有有機基、R5は炭素数1から6のアルキル基またはアリール基、dは0ないし1)
【請求項13】
前記無機成分が、平均粒子径が20nm以下で、かつ90%粒子径が30nm以下のスズ酸化物粒子であることを特徴とする請求項8ないし12のいずれか1項に記載の光学材料。
【請求項14】
前記有機成分がメタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステル、エポキシ化合物、硫黄含有有機化合物、芳香族含有有機化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項8ないし13のいずれか1項に記載の光学材料。
【請求項15】
光学材料のd線の屈折率ndとアッベ数νdをそれぞれ、縦軸と横軸に示した場合に、(nd,νd)が、(1.62,22)、(1.88,25)、(1.57,58)、(1.47,58)で囲まれた領域の光学恒数を有することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光学材料用組成物から得られた光学材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−215295(P2006−215295A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−28391(P2005−28391)
【出願日】平成17年2月4日(2005.2.4)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】