Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
光学活性アミノアルコールの製造法
説明

光学活性アミノアルコールの製造法

【課題】医薬品や農薬またはそれらの合成中間体として有用な光学活性β−アミノアルコールを、α−アミノケトンより効率的に製造する方法を提供すること。
【解決手段】例えば、下記一般式(I)で表されるα−アミノケトンを、下記一般式(II)で表される周期表第VIII族金属化合物、下記一般式(III)で表される光学活性ジアミンおよび水素供与体の存在下、還元することを特徴とする下記一般式(IV)で表される光学活性β−アミノアルコールの製造法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品や農薬またはそれらの合成中間体として有用な光学活性アミノアルコールの製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学活性なβ−アミノアルコール類は、医薬品や農薬またはそれらの合成中間体として有用な化合物であることが知られており、例えばN−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)型グルタミン酸受容体(NMDA受容体)拮抗薬等として有用であることが知られている(特許文献1〜4、11および12ならびに非特許文献1等参照)。
α−アミノケトンの不斉還元による光学活性なβ−アミノアルコールの製造法としては、光学活性なジホスフィン化合物と遷移金属触媒の存在下、不斉水素化反応を行う方法がいくつか知られている(特許文献5および非特許文献2〜9等参照)。これらの方法は、水素ガスの加圧条件下での反応を必要とするため、工業的に安全な方法とはいえない。また、光学活性なオキサボロリジン化合物を触媒としてボランにより不斉還元反応を行う方法も知られているが、収率および光学収率はともに中程度であり、毒性の強いボランを用いることから工業的に有利な方法とはいえない。また、光学活性なホウ素化合物を用いてα−アミノケトンを不斉還元する方法も知られているが(非特許文献10〜13等参照)、理論当量以上のホウ素化合物を必要とすることから経済的な方法とはいえない。また、光学活性なシスチン誘導体と水素化ホウ素リチウムを用いる方法も知られているが(非特許文献14等参照)、同様に理論当量以上のシスチン誘導体と水素化ホウ素リチウムを必要とすること、収率が中程度であることから工業的に有利な方法とはいえない。
【0003】
一方、ケトンの不斉還元による光学活性アルコールの製造法として、光学活性なジアミン化合物と遷移金属触媒の存在下、水素移動型不斉還元反応を行う方法が知られている(特許文献6および7等参照)。しかし、α−アミノケトンの水素移動型不斉還元による光学活性なβ−アミノアルコールの製造については、これまで該アミノ基をtert-ブトキシカルボニル基で保護した後、還元する例が知られているのみである(非特許文献15〜17等参照)。また、該水素移動型不斉還元において、N,N−ジアルキル−α−アミノケトンを基質とした場合は、反応が進行しないことが報告されている(非特許文献15等参照)。
【0004】
また、水素移動型不斉還元反応を用いた光学活性なβ−アミノアルコールの製造法としては、α−ニトロケトンまたはα−アジドケトンを水素移動型不斉還元して光学活性なアルコールとした後、ニトロ基またはアジド基を還元する方法(特許文献8および9等参照)、α−ハロケトンを水素移動型不斉還元して光学活性なハロヒドリンとした後、アミンと反応させる方法(特許文献10等参照)および同様にして得られる光学活性なハロヒドリンとイソシアナートとの反応によって得られるオキサゾリジノンを加水分解する方法(特許文献10等参照)が知られているが、いずれも多段階を必要とするため工業的に有利な方法とはいえない。
【特許文献1】国際公開第03/091241号パンフレット
【特許文献2】国際公開第91/17156号パンフレット
【特許文献3】米国特許出願公開第2002/0072485号明細書
【特許文献4】特開2002-322092号公報
【特許文献5】国際公開第01/58843号パンフレット
【特許文献6】国際公開第97/20789号パンフレット
【特許文献7】特開平11-335385号公報
【特許文献8】特開2003-201269号公報
【特許文献9】特開2003-201270号公報
【特許文献10】国際公開第04/58414号パンフレット
【特許文献11】国際公開第2005/035523号パンフレット
【特許文献12】国際公開第2005/097782号パンフレット
【非特許文献1】「バイオオーガニック・アンド・メディシナル・ケミストリー・レターズ(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters)」、2000年、第10巻、p.1377
【非特許文献2】「テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)」、2001年、第42巻、p.2809
【非特許文献3】「オルガノメタリクス(Organometallics)」、2000年、第19巻、p.5723
【非特許文献4】「ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブリテン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin)」、1999年、第47巻、p.436
【非特許文献5】「テトラヘドロン・アシメトリー(Tetrahedron Asymmetry)」、1998年、第9巻、p.193
【非特許文献6】「シンレット(Synlett)」、1997年、p.1306
【非特許文献7】「ケミカル・アンド・ファーマシューティカル・ブリテン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin)」、1995年、第43巻、p.748
【非特許文献8】「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(Journal of American Chemical Society)」、1990年、第112巻、p.5876
【非特許文献9】「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティー(Journal of American Chemical Society)」、1988年、第110巻、p.629
【非特許文献10】「チャイニーズ・ジャーナル・オブ・ケミストリー(Chinese Journal of Chemistry)」、2001年、第19巻、p.1130
【非特許文献11】「ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(Journal ofOrganic Chemistry)」、1998年、第63巻、p.7964
【非特許文献12】「テトラヘドロン・アシメトリー(Tetrahedron Asymmetry)」、1992年、第3巻、p.341
【非特許文献13】「テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Letters)」、1994年、第35巻、p.1511
【非特許文献14】「ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティー、ケミカル・コミュニケーションズ(Journal of Chemical Society, Chemical Communications)」、1987年、p.801
【非特許文献15】「シンレット(Synlett)」、1999年、p.1615
【非特許文献16】「テトラヘドロン・アシメトリー(Tetrahedron Asymmetry)」、2000年、第11巻、p.3257
【非特許文献17】「ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイエティー、パーキン・トランスアクションズ 1(Journal of Chemical Society, Perkin Transactions 1)」、2001年、p.1916
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、医薬品や農薬またはそれらの合成中間体として有用な光学活性β−アミノアルコールを、α−アミノケトンより効率的に製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の(1)〜(15)に関する
(1) 一般式(I)
【0007】
【化11】

【0008】
(式中、
は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基または置換もしくは非置換の脂環式複素環基を表し、
およびRは同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基または置換もしくは非置換の脂環式複素環基を表すか、またはRとRが隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の脂環式複素環基を形成する)
で表されるα−アミノケトンを、
一般式(II)
【0009】
【化12】

【0010】
(式中、
Mは周期表第VIII族金属原子を表し、
Xはハロゲンまたは水素原子を表し、
Lは置換もしくは非置換のアレーン、置換もしくは非置換のシクロペンタジエニルまたはトリフェニルホスフィンを表し、
pは1または2を表し、
mおよびnは同一または異なって0〜4の整数を表すが、ただしmとnが同時に0となることはない)
で表される周期表第VIII族金属化合物、
一般式(III)
【0011】
【化13】

【0012】
(式中、
およびRは同一または異なって、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルを表すか、またはRとRがそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって環を形成し、
は1,7,7−トリメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−10−イル、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、
*のついた炭素原子はそれぞれ不斉炭素原子であり、該2つの不斉炭素原子における立体配置は(S,S)、(R,R)、(R,S)または(S,R)である)
で表される光学活性ジアミン
および
水素供与体の存在下、
還元することを特徴とする
一般式(IV)
【0013】
【化14】

【0014】
(式中、
、RおよびRはそれぞれ前記と同義であり、
*のついた炭素原子は不斉炭素原子であり、該不斉炭素原子における立体配置は(S)または(R)である)
で表される光学活性β−アミノアルコールの製造法。
(2) 一般式(I)
【0015】
【化15】

【0016】
(式中、R、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)
で表されるα−アミノケトンを、
一般式(V)
【0017】
【化16】

【0018】
(式中、
、R、R、M、XおよびLはそれぞれ前記と同義であり、
*のついた炭素原子はそれぞれ不斉炭素原子であり、該不斉炭素原子における立体配置は(S,S)、(R,R)、(R,S)または(S,R)である)
で表される不斉遷移金属錯体
および
水素供与体の存在下、
還元することを特徴とする
一般式(IV)
【0019】
【化17】

【0020】
(式中、
、RおよびRはそれぞれ前記と同義であり、
*のついた炭素原子は不斉炭素原子であり、該不斉炭素原子における立体配置は(S)または(R)である)
で表される光学活性β−アミノアルコールの製造法。
【0021】
(3) RおよびRがフェニルであり、Rが4−メチルフェニルである上記(1)または(2)記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
(4) Mがロジウムである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
(5) Lがペンタメチルシクロペンタジエニルである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
(6) 水素供与体がギ酸である上記(1)〜(5)のいずれかに記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
【0022】
(7) RおよびRが同一または異なって、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基または置換もしくは非置換の脂環式複素環基を表すか、RとRが隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の脂環式複素環基を形成する上記(1)〜(6)のいずれかに記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
(8) RとRが隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の脂環式複素環基を形成する上記(1)〜(6)のいずれかに記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
(9) RとRが隣接する窒素原子と一緒になって形成する置換もしくは非置換の脂環式複素環基が、一般式(A)
【0023】
【化18】

【0024】
[式中、
およびRは水素原子を表すか、またはRとRが一緒になってエチレンを表し、
−Q−は−O−、−S−、−CR10−(式中、Rはヒドロキシまたは水素原子を表し、R10は置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリールオキシ、置換もしくは非置換のアリールスルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルまたは置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキルを表す)または−NR11−(式中、R11は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニルまたは置換もしくは非置換の低級アルキニルを表す)を表す]
で表される基である上記(8)記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
【0025】
(10) −Q−が−O−、−S−または−CR10−(式中、RおよびR10はそれぞれ前記と同義である)である上記(9)記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
(11) Rがヒドロキシである上記(10)記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
(12) R10が置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基である上記(10)または(11)記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
(13) R10が置換もしくは非置換のフェニルまたは置換もしくは非置換のチエニルである上記(10)または(11)記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
(14) Rが置換もしくは非置換のアリールまたは一般式(Ba)
【0026】
【化19】

【0027】
[式中、
12は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニルまたは置換もしくは非置換の低級アルキニルを表し、
13は水素原子、ヒドロキシ、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニルまたは置換もしくは非置換の低級アルコキシを表し、
−C(=O)−Z−は−C(=O)−CH−、−C(=O)−C(CH)−、−C(=O)−NH−、−C(=O)−O−、−C(=O)−S−、−C(=O)−CHCH−、−C(=O)−CH=CH−、−C(=O)−CHO−、−C(=O)−CHS−、−C(=O)−CHCHCH−または−C(=O)−NR14CH−(式中、R14は水素原子または置換もしくは非置換の低級アルキルを表す)を表す]
で表される基である上記(1)〜(13)のいずれかに記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
(15) Rが置換もしくは非置換のアリールまたは一般式(Bb)
【0028】
【化20】

【0029】
(式中、R12、R13および−C(=O)−Z−はそれぞれ前記と同義である)
で表される基である上記(1)〜(13)のいずれかに記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
【発明の効果】
【0030】
本発明により、医薬品や農薬またはそれらの合成中間体として有用な光学活性β−アミノアルコールを、α−アミノケトンより効率的に製造する方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
一般式(I)および(IV)の各基の定義において:
低級アルキルとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数1〜10のアルキルがあげられ、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、デシル等があげられる。
【0032】
シクロアルキルとしては、例えば炭素数3〜8のシクロアルキルがあげられ、具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等があげられる。
低級アルケニルとしては、例えば直鎖、分岐または環状の炭素数2〜8のアルケニルがあげられ、具体的にはビニル、アリル、1−プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、2,6−オクタジエニル等があげられる。
【0033】
低級アルキニルとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜6のアルキニルがあげられ、具体的にはエチニル、プロピニル、2−ブチニル、3−ブチニル、2−ペンチニル、4−ペンチニル、2−ヘキシニル、5−ヘキシニル、4−メチル−2−ペンチニル等があげられる。
アリールとしては、例えば炭素数6〜14の単環性、二環性または三環性のアリールがあげられ、具体的にはフェニル、ナフチル、インデニル、アントラニル等があげられる。
【0034】
芳香族複素環基としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性芳香族複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性芳香族複素環基等があげられ、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキソピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チエニル、フリル、ベンゾイミダゾリル、2−オキソベンゾイミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、オキソオキサジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキサゾリル、インダゾリル、インドリル、イソインドリル、プリニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル等があげられる。
【0035】
脂環式複素環基としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員〜9員の単環性脂環式複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性脂環式複素環基、3〜8員の環が結合したスピロ構造を有し、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む脂環式複素環基等があげられ、具体的にはピラニル、チオピラニル、ピロリジニル、ピロリニル、ジオキソラニル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキサジアゾリニル、アゾチジニル、ピペリジニル、ピペリジノ、ピペラジニル、ペルヒドロアゼピニル、ペルヒドロアゾシニル、ペルヒドロジアゼピニル、ペルヒドロジアゾシニル、ペルヒドロジアゾニニル、モルホリニル、モルホリノ、チオモルホリニル、チオモルホリノ、テトラヒドロピリジル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロイソキノリル、テトラヒドロイソキノリル、オクタヒドロキノリル、2H−クロメニル、4H−クロメニル、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカニル、一般式(B)
【0036】
【化21】

【0037】
(式中、−CH−Z−は−CH−CH−、−CH−C(CH)−、−CH−NH−、−CH−O−、−CH−S−、−CH−CHCH−、−CH−CH=CH−、−CH−CHO−、−CH−CHS−、−CH−CHCHCH−または−CH−NHCH−を表す)で表される基、一般式(C)
【0038】
【化22】

【0039】
(式中、−CH−Z−は−CH−O−、−CH−S−、−CH−CHO−または−CH−CHS−を表し、−Y−は−CH−または−O−を表す)で表される基等があげられる。
一般式(I)のRにおける置換もしくは非置換の脂環式複素環基の脂環式複素環基部分としては、中でも上記一般式(B)で表される基または上記一般式(C)で表される基が好ましく、特に一般式(Bc)
【0040】
【化23】

【0041】
(式中、−CH−Z−は前記と同義である)で表される基または一般式(Ca)
【0042】
【化24】

【0043】
(式中、−CH−Z−および−Y−はそれぞれ前記と同義である)で表される基が
が好ましい。
【0044】
隣接する窒素原子と一緒になって形成される脂環式複素環基としては、例えば少なくとも1個の窒素原子を含む5員〜8員の単環性脂環式複素環基(該単環性脂環式複素環基は、他の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい)、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で少なくとも1個の窒素原子を含む縮環性脂環式複素環基(該縮環性脂環式複素環基は、他の窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい)等があげられ、具体的には、テトラヒドロピリジル、インドリニル、イソインドリニル、ピロリジニル、チアゾリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジノ、ピペラジニル、モルホリノ、チオモルホリノ、ペルヒドロアゼピニル、ペルヒドロアゾシニル、ペルヒドロジアゼピニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、オクタヒドロキノリル、アザビシクロ[3.2.1]オクタニル等があげられる。
【0045】
置換低級アルキル、置換低級アルケニルおよび置換低級アルキニルにおける置換基(i)としては、同一または異なって例えば置換基数1〜3の置換基があげられ、具体的にはシアノ、ニトロ、置換もしくは非置換のシクロアルキル、ハロゲン、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、ヒドロキシ、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシ、置換もしくは非置換のアラルキルオキシ、ホルミル、低級アルカノイル、低級アルコキシカルボニル、カルボキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ低級アルキルアミノカルボニルオキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルカノイルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、カルバモイル、低級アルキルアミノカルボニル、ジ低級アルキルアミノカルボニル、スルファニル、低級アルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアリールスルファニル、低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルフィニル等があげられる。
【0046】
置換基(i)で例示した置換シクロアルキル、置換アリール、置換アリールオキシ、置換アラルキルオキシ、置換アリールスルファニル、置換芳香族複素環基および置換脂環式複素環基における置換基(a)としては、同一または異なって例えば置換基数1〜3の置換基があげられ、具体的にはカルボキシ、シアノ、ニトロ、メチルスルファニル、低級アルキル、シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルコキシ、アリールオキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ等があげられる。
【0047】
置換基(i)で例示した置換低級アルコキシにおける置換基(b)としては、同一または異なって例えば置換基数1〜3の置換基があげられ、具体的にはハロゲン等があげられる。
置換基(i)および置換基(a)で例示したアリール、アリールオキシ、アラルキルオキシおよびアリールスルファニルのアリール部分、シクロアルキル、芳香族複素環基、脂環式複素環基ならびに低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイル、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイルオキシ、低級アルカノイルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルホニルおよび低級アルキルスルフィニルの低級アルキル部分は、それぞれ前記アリール、シクロアルキル、芳香族複素環基、脂環式複素環基および低級アルキルと同義であり、アラルキルオキシのアルキレン部分は、前記低級アルキルから水素原子を一つ除いたものと同義である。低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルキルアミノカルボニル、ジ低級アルキルアミノカルボニル、低級アルキルアミノカルボニルオキシおよびジ低級アルキルアミノカルボニルオキシの低級アルキル部分は、前記低級アルキルと同義であり、ジ低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノカルボニルおよびジ低級アルキルアミノカルボニルオキシの2つの低級アルキル部分は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
【0048】
置換基(i)、置換基(a)および置換基(b)で例示したハロゲンはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素の各原子を意味する。
置換アリールおよび置換芳香族複素環基における置換基(ii)としては、同一または異なって例えば置換基数1〜3の置換基があげられ、具体的には前記置換基(i)で例示した基に加えて、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル等があげられる。
【0049】
置換基(ii)で例示した置換低級アルキル、置換低級アルケニルおよび置換低級アルキニルにおける置換基(c)としては、同一または異なって例えば置換基数1〜3の置換基があげられ、具体的にはカルボキシ、シアノ、ニトロ、メチルスルファニル、ハロゲン、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、ヒドロキシ、低級アルコキシ、置換もしくは非置換のアリールオキシ、置換もしくは非置換のアラルキルオキシ、ホルミル、低級アルカノイル、低級アルコキシカルボニル、カルボキシ、低級アルカノイルオキシ、低級アルキルアミノカルボニルオキシ、ジ低級アルキルアミノカルボニルオキシ、アミノ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルカノイルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、カルバモイル、低級アルキルアミノカルボニル、ジ低級アルキルアミノカルボニル、スルファニル、低級アルキルスルファニル、置換もしくは非置換のアリールスルファニル、低級アルキルスルホニル、低級アルキルスルフィニル等があげられる。
【0050】
置換基(c)で例示した置換アリール、置換芳香族複素環基、置換脂環式複素環基、置換アリールオキシ、置換アラルキルオキシおよび置換アリールスルファニルにおける置換基としては、同一または異なって例えば置換基数1〜3の置換基があげられ、具体的には置換基(a)で例示した基等があげられる。
置換基(ii)および置換基(c)で例示したアリール、アリールオキシ、アラルキルオキシおよびアリールスルファニルのアリール部分、ハロゲン、低級アルケニル、低級アルキニル、芳香族複素環基、脂環式複素環基ならびに低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルカノイル、低級アルコキシカルボニル、低級アルカノイルオキシ、低級アルカノイルアミノ、低級アルコキシカルボニルアミノ、低級アルキルスルファニル、低級アルキルスルホニルおよび低級アルキルスルフィニルの低級アルキル部分は、それぞれ前記アリール、ハロゲン、低級アルケニル、低級アルキニル、芳香族複素環基、脂環式複素環基および低級アルキルと同義であり、アラルキルオキシのアルキレン部分は、前記低級アルキルから水素原子を一つ除いたものと同義である。低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルキルアミノカルボニル、ジ低級アルキルアミノカルボニル、低級アルキルアミノカルボニルオキシおよびジ低級アルキルアミノカルボニルオキシの低級アルキル部分は、前記低級アルキルと同義であり、ジ低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノカルボニルおよびジ低級アルキルアミノカルボニルオキシの2つの低級アルキル部分は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
【0051】
置換シクロアルキル、置換脂環式複素環基および隣接する窒素原子と一緒になって形成される置換脂環式複素環基における置換基(iii)としては、同一または異なって例えば置換基数1〜3の置換基があげられ、具体的には前記置換基(ii)で例示した基に加えて、オキソ等があげられる。
【0052】
一般式(A)および(B)の各基の定義において:
低級アルキルおよび低級アルコキシの低級アルキル部分、シクロアルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、アラルキル、アリールオキシおよびアリールスルファニルのアリール部分、芳香族複素環基および芳香族複素環アルキルの芳香族複素環基部分ならびに脂環式複素環基および脂環式複素環アルキルの脂環式複素環基部分は、それぞれ前記低級アルキル、シクロアルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、アリール、芳香族複素環基および脂環式複素環基と同義であり、アラルキル、芳香族複素環アルキルおよび脂環式複素環アルキルのアルキレン部分は、前記低級アルキルから水素原子を一つ除いたものと同義である。
【0053】
置換シクロアルキル、置換アリール、置換フェニル、置換アリールオキシ、置換アリールスルファニル、置換芳香族複素環基、置換チエニル、置換脂環式複素環基、置換アラルキル、置換芳香族複素環アルキルおよび置換脂環式複素環アルキルにおける置換基(iv)としては、同一または異なって例えば置換基数1〜3の置換基があげられ、具体的には置換基(a)で例示した基等があげられる。
【0054】
置換低級アルコキシにおける置換基(v)としては、同一または異なって例えば置換基数1〜3の置換基があげられ、具体的には置換基(b)で例示した基等があげられる。
置換低級アルキル、置換低級アルケニルおよび置換低級アルキニルにおける置換基(vi)としては、同一または異なって例えば置換基数1〜3の置換基があげられ、具体的には置換基(c)で例示した基等があげられる。
【0055】
一般式(II)、(III)および(V)の各基の定義において:
周期表第VIII族金属原子としては、例えば周期表第8〜10族の金属原子があげられ、具体的には鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミニウム、イリジウム、白金等があげられる。中でも、ルテニウム、ロジウム、イリジウムまたはコバルトが好ましく、特にロジウムが好ましい。
【0056】
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素の各原子を表す。
アレーンとしては、例えば炭素数6〜14の単環性、二環性または三環性のアレーンがあげられ、具体的にはベンゼン、ナフタレン、インデン、アントラセン等があげられる。
それぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって形成される環としては、例えば炭素数3〜8のシクロアルカンがあげられ、具体的にはシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等があげられる。
【0057】
低級アルキル、シクロアルキル、アリールおよび芳香族複素環基はそれぞれ前記低級アルキル、シクロアルキル、アリールおよび芳香族複素環基と同義である。
置換アリール、置換シクロアルキルおよび置換芳香族複素環基における置換基(vii)としては、同一または異なって例えば置換基数1〜3の置換基があげられ、具体的にはハロゲン、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルコキシ等があげられる。
【0058】
置換基(vii)で例示した置換低級アルキルおよび置換低級アルコキシにおける置換基(d)としては、同一または異なって例えば置換基数1〜3の置換基があげられ、具体的にはハロゲン等があげられる。
置換アレーンおよび置換シクロペンタジエニルにおける置換基(viii)としては、同一または異なって例えば置換基数1〜6の置換基があげられ、具体的には低級アルキル、シクロアルキル、ベンジル、ビニル、アリル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル等があげられる。
【0059】
置換低級アルキルにおける置換基(ix)としては、同一または異なって例えば置換基数1〜3の置換基があげられ、具体的にはハロゲン等があげられる。
置換基(vii)、置換基(viii)、置換基(ix)および置換基(d)で例示したハロゲン、シクロアルキルならびに低級アルキル、低級アルコキシおよび低級アルコキシカルボニルの低級アルキル部分は、それぞれ前記ハロゲン、シクロアルキルおよび低級アルキルと同義である。
【0060】
上記一般式(II)で表される周期表第VIII族金属化合物(以下、周期表第VIII族金属化合物(II)という)のより具体的な例としては、RuCl3、[RuCl2(C6H6)]2、[RuCl2(p-シメン)]2、[RuCl2(メシチレン)]2、{RuCl2[C6(CH3)6]}2、[RuCl2(C5H5)]2、{RuCl2[C5(CH3)5]}2、RuCl2(PPh3)3、RhCl3、[RhCl2(C6H6)]2、[RhCl2(p-シメン)]2、[RhCl2(メシチレン)]2、{RhCl2[C6(CH3)6]}2、[RhCl2(C5H5)]2、{RhCl2[C5(CH3)5]}2、RhCl(PPh3)3、IrCl3、[IrCl2(C6H6)]2、[IrCl2(p-シメン)]2、[IrCl2(メシチレン)]2、{IrCl2[C6(CH3)6]}2、[IrCl2(C5H5)]2、{IrCl2[C5(CH3)5]}2、CoCl2、[CoCl2(p-シメン)]2、[CoCl2(メシチレン)]2、{CoCl2[C6(CH3)6]}2、{CoCl2[C5(CH3)5]}2、NiCl2、NiCl2(PPh3)2、NiBr2、NiBr2(PPh3)2、PdCl2、Pd(PPh3)4、PtCl2、Pt(PPh3)4等があげられる。中でも、[RuCl2(p-シメン)]2、[RuCl2(メシチレン)]2、{RhCl2[C5(CH3)5]}2、{IrCl2[C5(CH3)5]}2等が好ましい。
【0061】
上記一般式(III)で表される光学活性ジアミン(以下、光学活性ジアミン(III)という)のより具体的な例としては、それぞれ光学活性な(つまり(S,S)、(R,R)、(S,R)または(R,S)の立体配置を有し、以下、それぞれの光学活性体を(S,S)体、(R,R)体、(S,R)体または(R,S)体という)
N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、
N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、
N−ベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、
N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、
N−(p−メトキシベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、
N−(p−クロロベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、
N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、
N−カンファースルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、
N−(1−ナフタレンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、
N−メタンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジアミン、
N−ベンゼンスルホニル−1,2−シクロヘキサンジアミン、
N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−シクロヘキサンジアミン、
N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−シクロヘキサンジアミン、
N−カンファースルホニル−1,2−シクロヘキサンジアミン、
N−(1−ナフタレンスルホニル)−1,2−シクロヘキサンジアミン、
N−メタンスルホニル−1,2−ジシクロヘキシルエチレンジアミン、
N−ベンゼンスルホニル−1,2−ジシクロヘキシルエチレンジアミン、
N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジシクロヘキシルエチレンジアミン、
N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジシクロヘキシルエチレンジアミン、
N−カンファースルホニル−1,2−ジシクロヘキシルエチレンジアミン、
N−(1−ナフタレンスルホニル)−1,2−ジシクロヘキシルエチレンジアミン
等があげられる。
【0062】
中でも、これらジアミンの(S,S)体または(R,R)体が好ましい。
さらには、N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−ベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン等の(S,S)体または(R,R)体がより好ましい。
【0063】
上記一般式(V)で表される不斉遷移金属錯体(以下、不斉遷移金属錯体(V)という)としては、例えば上記周期表第VIII族金属化合物(II)および上記光学活性ジアミン(III)から形成される不斉遷移金属錯体等があげられる。中でも、上記光学活性ジアミン(III)のうち(S,S)体または(R,R)体から調製または形成される不斉遷移金属錯体が好ましく、これらのより具体的な例としては、
クロロ[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ルテニウム、
クロロ[(1R,2R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ルテニウム、
クロロ[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、
クロロ[(1R,2R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、
クロロ[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム、
クロロ[(1R,2R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム、
クロロ[(1S,2S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム、
クロロ[(1R,2R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム、
ヒドリド[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム、ヒドリド[(1R,2R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)ルテニウム、
クロロ[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ロジウム、
クロロ[(1R,2R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ロジウム、
クロロ[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ロジウム、
クロロ[(1R,2R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ロジウム、
クロロ[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)ロジウム、
クロロ[(1R,2R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)ロジウム、
クロロ[(1S,2S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)ロジウム、
クロロ[(1R,2R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)ロジウム、
ヒドリド[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)ロジウム、
ヒドリド[(1R,2R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)ロジウム、
クロロ[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)イリジウム、
クロロ[(1R,2R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)イリジウム、
クロロ[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)イリジウム、
クロロ[(1R,2R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)イリジウム、
クロロ[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)イリジウム、
クロロ[(1R,2R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)イリジウム、
クロロ[(1S,2S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)イリジウム、
クロロ[(1R,2R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)イリジウム、
ヒドリド[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)イリジウム、
ヒドリド[(1R,2R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)イリジウム
等があげられる。中でも、クロロ[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ルテニウム、
クロロ[(1R,2R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ルテニウム、
クロロ[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、
クロロ[(1R,2R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、
クロロ[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)ロジウム、
クロロ[(1R,2R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)ロジウム、
クロロ[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)イリジウム、
クロロ[(1R,2R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)イリジウム等が好ましい。
【0064】
以下、一般式(I)および(IV)で表される化合物をそれぞれ化合物(I)および(IV)という。他の式番号で表される化合物についても同様である。
次に、本発明の製造法の例について説明する。
製造法1:
化合物(IV)は、以下の工程により製造することができる。
【0065】
【化25】

【0066】
(式中、R、R、R、R、R、R、M、X、L、m、nおよびpはそれぞれ前記と同義であり、*はそれぞれ不斉炭素原子を表し、式(III)の該2つの不斉炭素原子における立体配置は(S,S)、(R,R)、(R,S)または(S,R)、好ましくは(S,S)または(R,R)であり、式(IV)の該不斉炭素原子における立体配置は(S)または(R)である)
化合物(IV)は、化合物(I)を、不活性溶媒中または無溶媒で、周期表第VIII族金属化合物(II)、光学活性ジアミン(III)および水素供与体の存在下、塩基の存在下または非存在下、還元することにより得ることができる。反応は、通常−50℃から用いる溶媒の沸点の間の温度、好ましくは10℃〜50℃の間の温度で、5分間〜100時間行われる。
【0067】
原料化合物(I)は、市販で入手できる場合、市販品をそのまま、または精製して用いればよい。また、市販で入手できない場合、例えば「コンプリヘンシブ・オルガニック・トランスフォーメーションズ第二版(Comprehensive Organic Transformations, second edition)」、ラロック(R. C. Larock)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・インコーポレイテッド(John Wiley & Sons Inc.)(1999年)等に記載の方法またはそれらに準じた方法により得ることができる。
【0068】
周期表第VIII族金属化合物(II)は、市販で入手できる場合、市販品をそのまま、または精製して用いればよい。また、市販で入手できない場合、例えば特開平11-335385号公
報、国際公開第97/20789号パンフレット等に記載の方法またはそれらに準じた方法により得ることができる。周期表第VIII族金属化合物(II)の使用量に特に制限はないが、通常化合物(I)に対して、遷移金属原子として0.00001〜1.0当量、好ましくは0.001〜0.2当量用いられる。
【0069】
光学活性ジアミン(III)は市販で入手できる場合、市販品をそのまま、または精製して用いればよい。また、市販で入手できない場合、例えば国際公開第97/20789号パンフレット、「シンレット(Synlett)」、641頁(1992年)等に記載の方法またはそれらに準じた方法により得ることができる。光学活性ジアミン(III)の使用量に特に制限はないが、通常周期表第VIII族金属化合物(II)の遷移金属原子に対して、0.9〜5.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量用いられる。
【0070】
水素供与体としては、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、アミルアルコール、ベンジルアルコール等の水素原子をα位に有するアルコール類、ギ酸、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、ギ酸アンモニウム等のギ酸塩類、テトラヒドロナフタレン等の部分的に飽和炭素結合を有する不飽和炭化水素類、ヒドロキノン等があげられ、中でも、2−プロパノール、ギ酸またはギ酸アンモニウムが好ましい。水素供与体の使用量に特に制限はないが、通常化合物(I)に対して0.5〜100当量、好ましくは1.0〜10当量用いられる。
【0071】
塩基としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、ジエチルアニリン、ピリジン、ルチジン、N−メチルモルホリン等の有機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム tert−ブトキシド等の金属アルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸セシウム等の炭酸塩、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物等があげられ、中でも、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンまたはカリウム tert−ブトキシドが好ましい。塩基の使用量に特に制限はないが、通常周期表第VIII族金属化合物(II)の遷移金属原子に対して0.5〜10000当量、好ましくは1.0〜500当量、より好ましくは1.0〜50当量用いられる。また、中でも本反応は塩基の非存在下で行うことが最も好ましい。
【0072】
不活性溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に制限はないが、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等の非芳香族系有機溶剤、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール等のアルコール、水等があげられ、これら溶媒を単独でまたは混合物として用いることができる。中でも、メタノール、エタノール、酢酸エチルまたはN,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。溶媒の使用量には特に制限はないが、通常化合物(I)に対して0.01〜100倍重量、好ましくは0.01〜50倍重量用いられる。
【0073】
光学活性ジアミン(III)としては、好ましくは上記光学活性ジアミン(III)のうち(S,S)体または(R,R)体が用いられるが、反応において、これらを適宜使い分けることにより、それぞれ逆の立体配置を有する光学活性体の化合物(IV)を選択的に得ることができる。具体的に説明すると、例えば化合物(I)のうちRがR1a(式中、R1aはRの定義中、置換もしくは非置換のアリール、上記一般式(B)で表される基または上記一般式(C)で表される基を表す)である化合物(Ia)を、光学活性ジアミン(III)の(S,S)体を用いた還元反応に付した場合、化合物(IV)のうちRがR1aである化合物(IVa)の(R)体をエナンチオ選択的に得ることができる。逆に、化合物(Ia
)を、光学活性ジアミン(III)の(R,R)体を用いた還元反応に付した場合、化合物(IVa)の(S)体をエナンチオ選択的に得ることができる。
【0074】
【化26】

【0075】
(式中、R1a、R、R、R、R、R、M、X、L、m、nおよびpはそれぞれ前記と同義である)
製造法2:
また、化合物(IV)は、以下の工程により製造することもできる。
【0076】
【化27】

【0077】
(式中、R、R、R、R、R、R、M、XおよびLはそれぞれ前記と同義であり、*はそれぞれ不斉炭素原子を表し、式(V)の該2つの不斉炭素原子における立体配置は(S,S)、(R,R)、(R,S)または(S,R)、好ましくは(S,S)または(R,R)であり、式(IV)の該不斉炭素原子における立体配置は(S)または(R)である)
化合物(IV)は、化合物(I)を、不活性溶媒中または無溶媒で、不斉遷移金属錯体(V)および水素供与体の存在下、塩基の存在下または非存在下、還元することにより得ることができる。反応は、通常−50℃から用いる溶媒の沸点の間の温度、好ましくは10℃〜50℃の間の温度で、5分間〜100時間行われる。
【0078】
不斉遷移金属錯体(V)は、市販で入手できる場合、市販品をそのまま、または精製して用いればよい。また、市販で入手できない場合、例えば特開平11-335385号公報、国際公開第97/20789号パンフレット等に記載の方法またはそれらに準じた方法により得ることができる。不斉遷移金属錯体(V)の使用量に特に制限はないが、通常化合物(I)に対して、不斉遷移金属錯体(V)の遷移金属原子として0.00001〜1.0当量、好ましくは0.001〜0.2当量用いられる。
【0079】
原料化合物(I)、不活性溶媒、水素供与体および塩基ならびにそれらの使用量としては、それぞれ製造法1で例示したものがあげられる。
不斉遷移金属錯体(V)としては、好ましくは上記不斉遷移金属錯体(V)のうち(S,S)体または(R,R)体が用いられるが、反応において、これらを適宜使い分けることにより、それぞれ逆の立体配置を有する光学活性体の化合物(IV)を選択的に得ることができる。具体的に説明すると、例えば化合物(Ia)を、不斉遷移金属錯体(V)の(S,S)体を用いた還元反応に付した場合、化合物(IV)のうちRがR1aである化合物(IVa)の(R)体をエナンチオ選択的に得ることができる。逆に、化合物(Ia)を、不斉遷移金属錯体(V)の(R,R)体を用いた還元反応に付した場合、化合物(IVa)の(S)体をエナンチオ選択的に得ることができる。
【0080】
上記各製造法における目的化合物は、有機合成化学で常用される分離精製法、例えば、濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等に付して単離精製することができる。
化合物(I)の中には、幾何異性体、互変異性体、光学異性体、回転異性体等の立体異性体が存在し得るものもあるが、これらを含め、全ての可能な異性体およびそれらの混合物を本発明で使用することができる。また、化合物(IV)の中には、さらに幾何異性体、互変異性体、光学異性体、回転異性体等の立体異性体が存在し得るものもあるが、これらを含め、全ての可能な異性体およびそれらの混合物も本発明により得られる化合物(IV)に包含される。
【0081】
また、化合物(IV)は、化合物(IV)の塩として得られることもあるが、その塩およびそれらの混合物も本発明により得られる化合物に包含される。
化合物(IV)の塩としては、例えば薬理学的に許容される塩等があげられる。該薬理学的に許容される塩としては、例えば薬理学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等があげられる。薬理学的に許容される酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩があげられ、薬理学的に許容される金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等があげられ、薬理学的に許容されるアンモニウム塩としては、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩があげられ、薬理学的に許容される有機アミン付加塩としては、モルホリン、ピペリジン等の付加塩があげられ、薬理学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、リジン、グリシン、フェニルアラニン等の付加塩があげられる。
【0082】
化合物(IV)の塩を取得したいとき、化合物(IV)が塩の形で得られるときはそのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られるときは、化合物(IV)を適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えて単離、精製すればよい。
また、化合物(IV)およびその塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これらの付加物も本発明により得られる化合物に包含される。
【0083】
本発明によって得られる化合物(IV)の具体例を第1表に示す。
【0084】
【表1】

以下に、本発明の態様を実施例および参考例で説明する。
【実施例1】
【0085】
(R)−2−モルホリノ−1−フェニルエタノール(化合物1)の合成
参考例1で得た2−モルホリノ−1−フェニルエタノン(500 mg, 2.44 mmol)をメタノール(6 mL)に溶解し、ギ酸(0.331 mL, 8.72 mmol)およびクロロ[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)ロジウム(15.6 mg, 0.024 mmol)を加え、室温で3日間撹拌した。得られた反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することで、化合物1(470 mg, 93%)を黄色結晶として得た。下記条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、得られた化合物1を分析した結果、目的物の光学純度は97.9%eeであった。
【0086】
<HPLC条件>
カラム:CHIRALCEL OJ−H(ダイセル社製;4.6 mm X 250 mm)
溶媒:n-ヘキサン/エタノール=100/15
流速:1.0 mL/分
検出波長:254 nm
カラム温度:40℃
融点; 94〜96℃
1H-NMR(300 MHz, CDCl3, δ, ppm); 2.43-2.58(m, 4H), 2.72-2.79(m, 2H), 3.70-3.82(m, 4H), 4.76(dd, J=3.5, 9.2Hz, 1H), 7.25-7.39(m, 5H).
MS (ESI(+)); m/z 208 (M+H)+.
比旋光度; [α]25D = -45.1゜(c 0.105, エタノール)
【実施例2】
【0087】
(R)−6−{2−[4−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジノ]−1−ヒドロキシエチル}−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(化合物2)のメシル酸塩の合成
(工程1)
参考例5で得た6−{2−[4−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジノ]アセチル}−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(501 mg, 1.31 mmol)をメタノール(15 mL)に溶解し、ギ酸(0.178 mL, 4.72 mmol)およびクロロ[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)ロジウム(8.5 mg, 0.013 mmol)を加え、室温で3日間撹拌した。得られた反応液を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することで、化合物2(503 mg, 100%)を黄色結晶として得た。下記条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、得られた化合物2を分析した結果、目的物の光学純度は99.4%eeであった。
【0088】
<HPLC条件>
カラム:CHIRALCEL AS−H(ダイセル社製;4.6 mm X 250 mm)
溶媒:アセトニトリル/メタノール/ジエチルアミン=950:50:1
流速:1.0 mL/分
検出波長:254 nm
カラム温度:40℃
融点; 176〜177℃
1H-NMR(300 MHz, DMSO-d6, δ, ppm); 1.53-1.57(m, 2H), 1.86-2.00(m, 2H), 2.36-2.59(m, 6H), 2.70-2.74(m, 2H), 2.85(t, J=8.0Hz, 2H), 4.62(m, 1H), 4.78(d, J=3.1Hz, 1H), 4.89(s, 1H), 6.78(d, J=8.0Hz, 1H), 7.01(t, J=8.2Hz, 1H), 7.10(d, J=8.0Hz, 1H), 7.14(s, 1H), 7.24-7.38(m, 3H), 9.99(s, 1H).
MS (ESI(+)); m/z 385 (M+H)+.
【0089】
(工程2)
工程1で得た化合物2(503 mg, 1.31 mmol)を2−プロパノール(15 mL)に溶解し、メタンスルホン酸(96.4 μL, 1.49 mmol)を加え、室温で10分間攪拌した。得られた反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣を2−プロパノールから再結晶することで、化合物2のメシル酸塩(620 mg, 95%)を黄色結晶として得た。
融点; 84〜85℃
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ, ppm); 1.75-1.88(m, 2H), 2.31(s, 3H), 2.42-2.47(m, 2H), 2.88(t, J = 7.4 Hz, 2H), 3.19-3.44(m, 7H), 3.60-3.63(m, 1H), 5.02(d, J=7.1Hz, 1H), 6.85(d, J=8.1Hz, 1H), 7.10(dt, J=2.1, 8.5Hz, 1H), 7.19-7.29(m, 4H), 7.36-7.47(m, 1H), 9.18(br s, 1H), 10.11(s, 1H).
比旋光度; [α]25D = -20.8゜(c 0.100, メタノール)
【実施例3】
【0090】
(R)−6−{1−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−4−(チオフェン−2−イル)ピペリジノ]エチル}−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(化合物3)の合成
参考例8で得た6−{2−[4−ヒドロキシ−4−(チオフェン−2−イル)ピペリジノ]アセチル}−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(1.00 g, 2.70 mmol)をメタノール(30 mL)に溶解し、ギ酸(0.367 mL, 9.73 mmol)およびクロロ[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)ロジウム(17.2 mg, 0.027 mmol)を加え、室温で24時間撹拌した。得られた反応液を減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することで、化合物3(822 mg, 82%)を黄色結晶として得た。実施例2と同一の条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、得られた化合物3を分析した結果、目的物の光学純度は98.6%eeであった。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ, ppm); 1.73-1.78 (m, 2H), 1.90-1.98 (m, 2H), 2.42-2.57 (m, 6H), 2.67-2.73 (m, 2H), 2.84 (t, J = 7.4Hz, 2H), 4.60-4.62 (m, 1H), 4.80 (1H, s), 5.25 (s, 1H), 6.77 (d, J = 8.0Hz, 1H), 6.92-6.95 (m, 2H), 7.08 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.13 (s, 1H), 7.31-7.34 (m, 1H), 10.00 (br s, 1H).
MS (ESI(+)); m/z 373 (M+H)+.
比旋光度; [α]25D = -21.0゜(c 0.100, メタノール)
【実施例4】
【0091】
(R)−5−{1−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−4−(チオフェン−2−イル)ピペリジノ]エチル}インドール−2(3H)−オン(化合物4)の合成
参考例10で得られた5−{2−[4−ヒドロキシ−4−(チオフェン−2−イル)ピペリジノ]アセチル}インドール−2(3H)−オン(1.00 g, 2.80 mmol)をメタノール(30 mL)に溶解し、ギ酸(0.38 mL, 10.1 mmol)およびクロロ[(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルシクロペンタジエニル)ロジウム(36 mg, 0.056 mmol)を加え、25℃で1日間攪拌した。得られた反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィにて精製することで、化合物4(779 mg, 78%)を淡褐色固体として得た。下記条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、得られた化合物4を分析した結果、目的物の光学純度は94.4%eeであった。
【0092】
<HPLC条件>
カラム:CHIRALCEL IA(ダイセル社製;4.6 mm X 250 mm)
溶媒:ヘキサン/エタノール/ジエチルアミン=1000:300:1
流速:1.0 mL/分
検出波長:254 nm
カラム温度:40℃
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ, ppm); 1.76 (2H, d, J = 12.6 Hz), 1.93 (2H, dd, J = 12.6, 9.7 Hz), 2.34-2.56 (4H, m), 2.68 (2H, d, J = 7.9 Hz), 3.44 (2H, s), 4.60-4.65 (1H, m), 4.80 (1H, d, J = 3.3 Hz), 5.24 (1H, brs), 6.74 (1H, d, J = 7.9 Hz), 6.92-6.95 (2H, m), 7.13 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.19 (1H, s), 7.31-7.34 (1H, m), 10.29 (1H, s).
MS (ESI(+)); m/z 359 (M+H)+.
比旋光度[α]D25 = −13.5°(c 0.100, メタノール)
【実施例5】
【0093】
(R)−6−{1−ヒドロキシ−2−[4−ヒドロキシ−4−(チオフェン−2−イル)ピペリジノ)エチル]ベンゾチアゾール−2(3H)−オン(化合物5)の合成
参考例12で得た6−{2−[4−ヒドロキシ−4−(チオフェン−2−イル)ピペリジノ]アセチル}ベンゾチアゾール−2(3H)−オン(500 mg, 1.34 mmol)をメタノール(5 mL)に懸濁し、ペンタメチルシクロペンタジエニルイリジウムクロリドダイマー(26.5 mg, 0.033 mmol)、(1S,2S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン(24.3 mg、0.067 mmol)およびギ酸(0.18 mL, 4.82 mmol)を加え、30℃で5日間攪拌した。得られた反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製することで、化合物5(362 mg, 72%)を得た。実施例4と同一の条件で高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、得られた化合物5を分析した結果、目的物の光学純度は82.7%eeであった。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ, ppm); 1.75 (2H, d, J = 13.6 Hz), 1.87-1.98 (2H, m), 2.38-2.56 (4H, m), 2.65-2.69 (2H, m), 4.70 (1H, dt, J = 7.9, 4.8 Hz), 4.99 (1H, br), 5.25 (1H, s), 6.92-6.97 (2H, m), 7.05 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.25 (1H, dd, J = 8.3, 1.5 Hz), 7.31-7.34 (1H, m), 7.52 (1H, d, J = 1.5 Hz).
MS (ESI(+)); m/z 377 (M+H)+.
比旋光度[α]D25 = −8.6° (c 0.100, メタノール)
【0094】
参考例1:2−モルホリノ−1−フェニルエタノンの合成
2−ブロモ−1−フェニルエタノン(2.00 g, 10.0 mmol)をメタノール(2 mL)に溶解し、モルホリン(0.958 g, 11.0 mmol)およびトリエチルアミン(1.11 g, 11.0 mmol)のメタノール(4 mL)溶液を加え、室温で1日間撹拌した。得られた反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することで、2−モルホリノ−1−フェニルエタノン(2.07 g, 100%)を黄色結晶として得た。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3, δ, ppm); 2.62(t, J=4.5Hz, 4H), 3.78(t, J=4.5Hz,4H), 3.82(s, 2H), 7.46(m, 2H), 7.58(t, J=7.5Hz, 1H), 8.00(d, J=7.2Hz, 2H).
【0095】
参考例2:6−(2−クロロアセチル)−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンの合成
塩化アルミニウム(5.43 g, 40.7 mmol)をジクロロメタン(30 mL)に溶解し、3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(2.00 g, 13.6 mmol)加え、室温で10分間攪拌した。得られた反応液にクロロアセチルクロリド(2.17 mL, 27.2 mmol)を滴下し、室温でさらに3時間撹拌した。得られた反応液を氷水に注ぎ、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を水で洗浄した後、乾燥することで、6−(2−クロロアセチル)−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(2.68 g, 88%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3, δ, ppm); 2.96(t, J=7.5Hz, 2H), 3.29-3.31(m ,2H), 5.08(s, 2H), 6.95(d, J=8.2Hz, 1H), 7.79-7.83(m, 2H), 10.5(br s, 1H).
【0096】
参考例3:4−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステルの合成
マグネシウム(691 mg, 27.8 mmol)をテトラヒドロフラン(10 mL)に懸濁し、1−ブロモ−3−フルオロベンゼン(5.23 g, 30.0 mmol)のテトラヒドロフラン溶液(6.0 mL)を滴下し、還流下で2時間攪拌した。得られた反応液に、4−オキソピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(5.00 g, 21.4 mmol)のテトラヒドロフラン溶液(8.0 mL)を滴下し、室温で1.5時間撹拌した。得られた反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(15 mL)を加え、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液(10 mL)で洗浄し、無水硫酸アンモニウムで乾燥した後、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製することで、4−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(4.65 g, 66%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3, δ, ppm); 1.59-1.75(m, 4H), 1.91-2.01(m, 2H), 3.27-3.35(m, 2H), 5.15(s, 2H), 6.96(ddt, J=1.1, 2.6, 8.3Hz, 1H), 7.16-7.22(m, 2H), 7.29-7.38(m, 6H).
【0097】
参考例4:4−(3−フルオロフェニル)−ピペリジン−4−オールの合成
参考例3で得た4−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸ベンジルエステル(2.33 g, 7.06 mmol)をメタノール(18 mL)に溶解し、4%(パラジウム)+1%(白金)/活性炭(363 mg)を加え、6気圧の水素加圧下、室温で8.5時間攪拌した。得られた反応液を濾過し、濾別した不溶物をメタノールで洗浄した。得られた濾液および洗浄液を合わせて濃縮することで、4−(3−フルオロフェニル)−ピペリジン−4−オール(1.38 g, 100%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, CDCl3, δ, ppm); 1.97-2.07(m, 2H), 2.99-3.00(m, 2H), 3.08-3.16(m, 2H), 3.47-3.49(m, 2H), 6.95(d, J=13.9Hz, 1H), 7.22-7.36(m, 3H).
【0098】
参考例5:6−{2−[4−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジノ]アセチル}−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンの合成
参考例4で得た4−(3−フルオロフェニル)−ピペリジン−4−オール(1.38 g, 7.07 mmol)をジメチルホルムアミド(11 mL)に溶解し、参考例2で得た6−(2−クロロアセチル)−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(1.50 g, 6.71 mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。得られた反応液にトリエチルアミン(0.99 mL, 7.11 mmol)を加え、終夜攪拌した。得られた反応液に水を加え、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を水で洗浄した後、乾燥することで、6−{2−[4−(3−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−イル]アセチル}−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(2.09 g, 81%)を得た。
1H-NMR(300 MHz, DMSO-d6, δ, ppm); 1.55(d, J=12.5Hz, 2H), 1.92(dt, J=4.1, 12.5Hz, 2H), 2.47-2.58(m, 4H), 2.69-2.72(m, 2H), 2.94(t, J=7.5Hz, 2H), 3.76(s, 2H), 4.94(s, 1H), 6.92(d, J=8.0Hz, 1H), 6.98-7.04(m, 1H), 7.24-7.38(m, 3H), 7.84-7.87(m, 2H), 10.40(br s, 1H).
【0099】
参考例6:エチル=4−(チオフェン−2−イル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラートの合成
マグネシウム(6.80 g, 280 mmol)をテトラヒドロフラン(100 mL)に懸濁し、2−ブロモチオフェン(29.1 ml, 301 mmol)を室温で加え、50℃で1.5時間撹拌した後、室温まで冷却した。反応液にN−エトキシカルボニル−4−ピペリドン(30.0 mL, 200 mmol)のテトラヒドロフラン溶液(80 mL)を室温で30分かけて滴下し、室温で1時間攪拌した。得られた反応液を氷冷し、飽和塩化アンモニウム水溶液(100 mL)を加えた。得られた反応液を、セライトを通して濾過し、さらに濾去した不溶物をメタノールで洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、得られた水溶液を酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下で濃縮することにより析出した結晶を濾取し、乾燥することで、エチル=4−(チオフェン−2−イル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラート(33.8 g, 75%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, CDCl3, δ, ppm); 1.28 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.86-2.09 (m, 4H), 3.31-3.41 (m, 2H) , 3.90-4.06 (m, 2H), 4.16 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 6.95-7.03 (m, 2H), 7.25 (dd, J = 4.1, 2.2 Hz, 1H).
【0100】
参考例7:4−(チオフェン−2−イル)ピペリジン−4−オールの合成
参考例6で得たエチル=4−(チオフェン−2−イル)−4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシラート(26.2 g, 116 mmol)をイソプロパノール(230 mL)に溶解し、水酸化カリウム(26.1 g, 465 mmol)を加え、加熱還流下で終夜攪拌した。得られた反応液を減圧下で濃縮し、得られた残渣に水を加え、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を水で洗浄した後、乾燥することで、4−(チオフェン−2−イル)−ピペリジン−4−オール(12.3 g, 58%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ, ppm); 1.66-1.82 (m, 4H), 2.60-2.73 (m, 2H), 2.83-2.90 (m, 2H), 5.24 (s, 1H), 6.91-6.96 (m, 2H), 7.32 (dd, J = 4.8, 1.5 Hz, 1H).
【0101】
参考例8:6−{2−[4−ヒドロキシ−4−(チオフェン−2−イル)ピペリジノ]アセチル}−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンの合成
参考例7で得た4−(チオフェン−2−イル)ピペリジン−4−オール(860 mg, 4.69 mmol)をジメチルホルムアミド(7 mL)に溶解し、参考例2で得た6−(2−クロロアセチル)−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(1.00 g, 4.47 mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。得られた反応液にトリエチルアミン(0.654 mL, 4.69 mmol)を加え、さらに3時間攪拌した。得られた反応液に水を加え、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を水で洗浄した後、乾燥することで、6−{2−[4−ヒドロキシ−4−(チオフェン−2−イル)ピペリジノ]アセチル}−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン(1.57 g, 95%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ, ppm); 1.72-1.83 (m, 2H), 1.87-2.00 (m, 2H), 2.50 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 2.50-2.59 (m, 2H), 2.62-2.73 (m, 2H), 2.95 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 3.74 (s, 2H), 5.28 (s, 1H), 6.88-6.97 (m, 3H), 7.33 (dd, J = 4.5, 1.7 Hz, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.86 (d, J = 1.8 Hz, 1H), 10.40 (s, 1H).
【0102】
参考例9:5−(2−クロロアセチル)インドール−2(3H)−オンの合成
塩化アルミニウム(12.5 g, 93.9 mmol)を1,2−ジクロロエタン(20 mL)に溶解し、クロロアセチルクロリド(6.0 mL, 75.1 mmol)を加え、室温で攪拌した。得られた反応液にインドール−2(3H)−オン(5.0 g, 37.6 mmol)を15℃以下で加え、10℃で2時間攪拌した。得られた反応液を水(100 mL)に20℃以下で滴下し、室温で1時間攪拌した後、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を1 mol/L 塩酸(100 mL)に懸濁し、室温で1時間攪拌した後、濾取し、水(25 mL)で洗浄した。得られた結晶を減圧下で乾燥することで、5−(2−クロロアセチル)インドール−2(3H)−オン(7.5 g, 95%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ, ppm); 3.57 (2H, s), 5.08 (2H, s), 6.93 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.83 (1H, s), 7.88 (1H, d, J = 8.1 Hz), 10.82 (1H, s).
【0103】
参考例10:5−{2−[4−ヒドロキシ−4−(チオフェン−2−イル)ピペリジノ]アセチル}インドール−2(3H)−オンの合成
参考例7で得た4−(チオフェン−2−イル)ピペリジン−4−オール(6.4 g, 35.0 mmol)をジメチルホルムアミド(56 mL)に懸濁し、参考例9で得た5−(2−クロロアセチル)インドール−2(3H)−オン(7.0 g, 33.4 mmol)を5℃で加え、1時間撹拌した。得られた反応混合物にトリエチルアミン(4.9 mL, 35.0 mmol)を加え、25℃で4.5時間攪拌した。得られた反応混合物に水(80 mL)を加え、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を水で洗浄した後、減圧下、50℃で乾燥することで、5−{2−[4−ヒドロキシ−4−(チオフェン−2−イル)ピペリジノ]アセチル}インドール−2(3H)−オン(6.63 g, 56%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ, ppm); 1.76 (2H, d, J = 12.1 Hz), 1.88-1.97 (2H, m), 2.49-2.56 (2H, m), 2.66 (2H, d, J = 10.5 Hz), 3.54 (2H, s), 3.73 (2H, s), 5.28 (1H, s), 6.90 (1H, d, J = 8.3 Hz), 6.92-6.96 (2H, m), 7.33 (1H, dd, J = 4.2, 1.8 Hz), 7.85 (1H, s), 7.94 (1H, d, J = 8.3 Hz), 10.74 (1H, s).
【0104】
参考例11:6−(2−クロロアセチル)ベンゾチアゾール−2(3H)−オンの合成
塩化アルミニウム(17.6 g, 132 mmol) を1,2−ジクロロエタン(10 mL)に溶解し、クロロアセチルクロリド(6.0 mL, 75.1 mmol)を加え、室温で攪拌した。得られた反応液にベンゾチアゾ−ル−2(3H)−オン(5.0 g, 33.1 mmol)を15℃以下で加え、50℃で4時間攪拌した。得られた反応液を水(100 mL)に20℃以下で滴下し、室温で1時間攪拌した後、析出した結晶を濾取した。得られた結晶を1 mol/L塩酸に懸濁し、室温で1時間攪拌した後、濾取し、得られた結晶を水(25 mL)で洗浄した。得られた結晶をアセトン(64 mL)に懸濁し、50℃で1時間攪拌した後、濾取した。得られた結晶をさらにアセトン(60 mL)に懸濁し、50℃で1時間攪拌し、濾取した。得られた結晶を減圧下、50℃で乾燥することで、6−(2−クロロアセチル)ベンゾチアゾール−2(3H)−オン(5.4 g, 71%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ, ppm); 5.14 (2H, s), 7.23 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.92 (1H, dd, J = 8.4, 1.7 Hz), 8.27 (1H, d, J = 1.7 Hz), 12.35 (1H, s).
【0105】
参考例12:6−{2−[4−ヒドロキシ−4−(チオフェン−2−イル)ピペリジノ]アセチル}ベンゾチアゾール−2(3H)−オンの合成
参考例7で得た4−(チオフェン−2−イル)ピペリジン−4−オール(5.7 g, 30.9 mmol)をジメチルホルムアミド(56 mL)に懸濁し、参考例11で得た6−(2−クロロアセチル)ベンゾチアゾール−2(3H)−オン(7.0 g, 29.5 mmol)を5℃で加え、同温度で2時間攪拌した。得られた反応液に酢酸エチル(200 mL)、水(100 mL)および20%クエン酸水溶液(200 mL)を加えて分液した。水層を炭酸カリウムで中和した後、イソプロパノール(100 mL)、酢酸エチル(200 mL)および塩化ナトリウム(10 g)を加え、室温で1時間撹拌した。析出した結晶を濾取し、得られた結晶を水(114 mL)に懸濁し、50℃で2時間攪拌した。結晶を濾取し、減圧下、50℃で乾燥することで、6−{2−[4−ヒドロキシ−4−(チオフェン−2−イル)ピペリジノ]アセチル}ベンゾチアゾール−2(3H)−オン(4.0 g, 48%)を得た。
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6, δ, ppm); 1.97-2.07 (4H, m), 2.32-2.43 (4H, m), 5.02 (2H, s), 5.96 (1H, s), 7.00-7.02 (2H, m), 7.32 (1H, d, J = 8.4 Hz), 7.44 (1H, dd, J = 4.5, 1.5 Hz), 7.95 (1H, d, J = 8.4 Hz), 8.31 (1H, s).

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】


(式中、
は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基または置換もしくは非置換の脂環式複素環基を表し、
およびRは同一または異なって、水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基または置換もしくは非置換の脂環式複素環基を表すか、またはRとRが隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の脂環式複素環基を形成する)
で表されるα−アミノケトンを、
一般式(II)
【化2】


(式中、
Mは周期表第VIII族金属原子を表し、
Xはハロゲンまたは水素原子を表し、
Lは置換もしくは非置換のアレーン、置換もしくは非置換のシクロペンタジエニルまたはトリフェニルホスフィンを表し、
pは1または2を表し、
mおよびnは同一または異なって0〜4の整数を表すが、ただしmとnが同時に0となることはない)
で表される周期表第VIII族金属化合物、
一般式(III)
【化3】


(式中、
およびRは同一または異なって、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルを表すか、またはRとRがそれぞれが隣接する2つの炭素原子と一緒になって環を形成し、
は1,7,7−トリメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン−10−イル、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、
*のついた炭素原子はそれぞれ不斉炭素原子であり、該2つの不斉炭素原子における立体配置は(S,S)、(R,R)、(R,S)または(S,R)である)
で表される光学活性ジアミン
および
水素供与体の存在下、
還元することを特徴とする
一般式(IV)
【化4】


(式中、
、RおよびRはそれぞれ前記と同義であり、
*のついた炭素原子は不斉炭素原子であり、該不斉炭素原子における立体配置は(S)または(R)である)
で表される光学活性β−アミノアルコールの製造法。
【請求項2】
一般式(I)
【化5】


(式中、R、RおよびRはそれぞれ前記と同義である)
で表されるα−アミノケトンを、
一般式(V)
【化6】


(式中、
、R、R、M、XおよびLはそれぞれ前記と同義であり、
*のついた炭素原子はそれぞれ不斉炭素原子であり、該不斉炭素原子における立体配置は(S,S)、(R,R)、(R,S)または(S,R)である)
で表される不斉遷移金属錯体
および
水素供与体の存在下、
還元することを特徴とする
一般式(IV)
【化7】


(式中、
、RおよびRはそれぞれ前記と同義であり、
*のついた炭素原子は不斉炭素原子であり、該不斉炭素原子における立体配置は(S)または(R)である)
で表される光学活性β−アミノアルコールの製造法。
【請求項3】
およびRがフェニルであり、Rが4−メチルフェニルである請求項1または2記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
【請求項4】
Mがロジウムである請求項1〜3のいずれかに記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
【請求項5】
Lがペンタメチルシクロペンタジエニルである請求項1〜4のいずれかに記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
【請求項6】
水素供与体がギ酸である請求項1〜5のいずれかに記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
【請求項7】
およびRが同一または異なって、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基または置換もしくは非置換の脂環式複素環基を表すか、RとRが隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の脂環式複素環基を形成する請求項1〜6のいずれかに記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
【請求項8】
とRが隣接する窒素原子と一緒になって置換もしくは非置換の脂環式複素環基を形成する請求項1〜6のいずれかに記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
【請求項9】
とRが隣接する窒素原子と一緒になって形成する置換もしくは非置換の脂環式複素環基が、一般式(A)
【化8】


[式中、
およびRは水素原子を表すか、またはRとRが一緒になってエチレンを表し、
−Q−は−O−、−S−、−CR10−(式中、Rはヒドロキシまたは水素原子を表し、R10は置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のアラルキル、置換もしくは非置換のアリールオキシ、置換もしくは非置換のアリールスルファニル、置換もしくは非置換の芳香族複素環基、置換もしくは非置換の脂環式複素環基、置換もしくは非置換の芳香族複素環アルキルまたは置換もしくは非置換の脂環式複素環アルキルを表す)または−NR11−(式中、R11は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニルまたは置換もしくは非置換の低級アルキニルを表す)を表す]
で表される基である請求項8記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
【請求項10】
−Q−が−O−、−S−または−CR10−(式中、RおよびR10はそれぞれ前記と同義である)である請求項9記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
【請求項11】
がヒドロキシである請求項10記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
【請求項12】
10が置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基である請求項10または11記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
【請求項13】
10が置換もしくは非置換のフェニルまたは置換もしくは非置換のチエニルである請求項10または11記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
【請求項14】
が置換もしくは非置換のアリールまたは一般式(Ba)
【化9】


[式中、
12は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニルまたは置換もしくは非置換の低級アルキニルを表し、
13は水素原子、ヒドロキシ、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニルまたは置換もしくは非置換の低級アルコキシを表し、
−C(=O)−Z−は−C(=O)−CH−、−C(=O)−C(CH)−、−C(=O)−NH−、−C(=O)−O−、−C(=O)−S−、−C(=O)−CHCH−、−C(=O)−CH=CH−、−C(=O)−CHO−、−C(=O)−CHS−、−C(=O)−CHCHCH−または−C(=O)−NR14CH−(式中、R14は水素原子または置換もしくは非置換の低級アルキルを表す)を表す]
で表される基である請求項1〜13のいずれかに記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。
【請求項15】
が置換もしくは非置換のアリールまたは一般式(Bb)
【化10】


(式中、R12、R13および−C(=O)−Z−はそれぞれ前記と同義である)
で表される基である請求項1〜13のいずれかに記載の光学活性β−アミノアルコールの製造法。

【公開番号】特開2006−312626(P2006−312626A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−106233(P2006−106233)
【出願日】平成18年4月7日(2006.4.7)
【出願人】(000001029)協和醗酵工業株式会社 (276)
【Fターム(参考)】