説明

光学活性リン酸誘導体およびこれを用いた光学活性スフィンゴシン1−リン酸誘導体の製造方法

【課題】光学活性スフィンゴシン1−リン酸誘導体を合成するために有用な原料を提供する。
【解決手段】一般式(I)


(式中、RおよびRは置換基を有していてもよい低級アルコキシ基であり、Qは水素原子、アミノ基の保護基、または置換基を有していてもよい炭素数2−20のアシル基であり、Qは水素原子または水酸基の保護基である。)で表される光学活性リン酸誘導体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規な光学活性リン酸誘導体およびこれを用いた光学活性スフィンゴシン1−リン酸誘導体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光学活性スフィンゴシン1−リン酸誘導体を製造する方法としては、光学活性スフィンゴシン誘導体をリン酸化する方法が用いられてきた。たとえば、クロロ−N,N−ジイソプロピルアミノメトキシホスフィンを用いる方法(非特許文献1)、エチレンクロロホスファイトを用いる方法(非特許文献2)、環状クロロホスフェートを用いる方法(非特許文献3)などが知られている。
【非特許文献1】A. L. Weis, Chem. Phys. Lip., 102, 3-12 (1999)
【非特許文献2】H. -S. Byun, R. K. Erukulla, and R. K. Bittman,J. Org. Chem., 59, 6495-6498 (1994)
【非特許文献3】Z. Dong and J. A. Butcher, Tetrahedron Lett., 32, 5291-5294 (1991)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、非特許文献1〜3に記載されている方法は、いずれも高価な光学活性スフィンゴシン誘導体を原料として用いなければならない上、収率も一般的に低いという問題がある。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、スフィンゴミエリンなどの合成原料として有用な新規な光学活性リン酸誘導体およびこれを用いた光学活性スフィンゴシン1−リン酸誘導体の簡便な製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、かかる問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、新規な光学活性リン酸誘導体およびこれを用いた光学活性スフィンゴシン1−リン酸誘導体の簡便な製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明の光学活性リン酸誘導体は、一般式(I)
【化1】

【0007】
(式中、RおよびRは置換基を有していてもよい低級アルコキシ基であり、Qは水素原子、アミノ基の保護基、または置換基を有していてもよい炭素数2−20のアシル基であり、Qは水素原子または水酸基の保護基である。)で表されることを特徴とするものである。
【0008】
本発明の光学活性スフィンゴシン1−リン酸誘導体の製造方法は、一般式(I)
【化2】

【0009】
(式中、RおよびRは置換基を有していてもよい低級アルコキシ基であり、Qは水素原子、アミノ基の保護基、または置換基を有していてもよい炭素数2−20のアシル基であり、Qは水素原子または水酸基の保護基である。)で表される光学活性リン酸誘導体と、一般式(II)
【化3】

【0010】
(式中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1−20のアルキル基である。)で表されるオレフィンをメタセシス触媒の存在下で反応させ、一般式(III)
【化4】

【0011】
(式中、R、R、R、Q、Qは一般式(I)および一般式(II)と同じである。)で表される光学活性スフィンゴシン1−リン酸誘導体を得ることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のスフィンゴシン1−リン酸誘導体の製造方法によれば、一般式(I)
【化5】

【0013】
(式中、RおよびRは置換基を有していてもよい低級アルコキシ基であり、Qは水素原子、アミノ基の保護基、または置換基を有していてもよい炭素数2−20のアシル基であり、Qは水素原子または水酸基の保護基である。)で表される光学活性リン酸誘導体をメタセシス反応に付すことにより1段階で、ドラッグデリバリーシステム等に有効なスフィンゴミエリンの合成原料として有用な光学活性スフィンゴシン1−リン酸誘導体を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の光学活性リン酸誘導体は、一般式(I)
【化6】

【0015】

(式中、RおよびRは置換基を有していてもよい低級アルコキシ基であり、Qは水素原子、アミノ基の保護基、または置換基を有していてもよい炭素数2−20のアシル基であり、Qは水素原子または水酸基の保護基である。)で表されることを特徴とし、一般式(I)は、実施例に示す参考例1−6のように、光学活性なアミノジオール類をリン酸化することにより製造することができる。
【0016】
本発明の光学活性スフィンゴシン1−リン酸誘導体の製造方法は、一般式(I)
【化7】

【0017】
(式中、RおよびRは置換基を有していてもよい低級アルコキシ基であり、Qは水素原子、アミノ基の保護基、または置換基を有していてもよい炭素数2−20のアシル基であり、Qは水素原子または水酸基の保護基である。)で表される光学活性リン酸誘導体と、一般式(II)
【化8】

【0018】
(式中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1−20のアルキル基である。)で表されるオレフィンをメタセシス触媒の存在下に反応させ、一般式(III)
【化9】

【0019】
(式中、R、R、R、Q、Qは一般式(I)および一般式(II)と同じである。)で表される光学活性スフィンゴシン1−リン酸誘導体を製造することを特徴とする。
【0020】
本発明におけるアルキル基とは、枝分かれを有していてもよい炭素数1から20のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イコシル基等を例示することができる。
【0021】
本発明のアシル基とは、枝分かれを有していてもよい炭素数2から20のアシル基であり、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ヘキサノイル基、オクタノイル基、デカノイル基、テトラデカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル基等を例示することができる。
【0022】
置換基としては特に制限はないが、生体内における作用部位の特定等に有効な蛍光標識基や光親和性標識基、およびこれらの基を導入するための官能基等を例示することができる。
【0023】
蛍光標識基としては蛍光標識ユニットであれば何ら限定されることはなく、例えば7−ニトロベンゾ−2−オキサ−1,3−ジアゾール基、7−ニトロベンゾ[1,2,5]オキサジアゾール基、アントラセニル基、ダンシル基等を例示することができる。
【0024】
光親和性標識基としては光親和性標識ユニットであれば何ら限定されることはなく、例えばジアジリン基を有する化合物である4−(3−トリフルオロメチル−3H−ジアジリン−3−イル)フェニル基等を例示することができる。
【0025】
これらの基を導入するための官能基としては、蛍光標識基や光親和性標識基の種類によっても異なるが、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基等を例示することができる。
【0026】
本発明における低級アルコキシ基とは、枝分かれを有していてもよい炭素数1から8のアルキルオキシ基であり、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、t−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基等を例示することができる。
【0027】
置換基としては特に制限はないが、たとえば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、水酸基、低級アルコキシ基、アミノ基、アンモニウム基等を例示することができる。
【0028】
本発明のアミノ基の保護基としては、公知のアミノ基の保護基はいずれも使用でき、たとえばメトキシカルボニル基、t−ブトキシキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンジル基等を挙げることができる。
【0029】
本発明の水酸基の保護基としては、公知の水酸基の保護基はいずれも使用でき、たとえばトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、メトキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、p−メトキシベンジル基等を例示することができる。
【0030】
本発明の製造方法はメタセシス触媒の存在下に行うものであり、メタセシス触媒としては、既存の各種メタセシス触媒が好適に用いられるが、なかでもルテニウムカルベン錯体が反応効率の点で好ましい。
【0031】
ルテニウムカルベン錯体としては、既存のルテニウムカルベン錯体が好適に用いられるが、下記一般式(IV)
【化10】

【0032】
(式中、RおよびR5はアルキル基またはアリール基であり、R6はホスフィン配位子であり、Zはハロゲン原子である。)で表される錯体が反応効率、収率、入手の容易さ等の点で好ましい。
【0033】
ここで、上記アルキル基は反応に関与しない置換基を有していてもよい炭素数1から20のアルキル基であり、アリール基としては、反応に関与しない置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基、フラン基、ピロール基、チオフェン基等を例示することができる。上記ホスフィン配位子とは、上記アルキル基またはアリール基が置換したホスフィン配位子である。ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。
【0034】
本発明の実施にあたっては、反応に関与しない溶媒中で行うことが好ましく、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化溶媒等を例示することができる。
【0035】
反応温度は、0℃ないし150℃の温度範囲から適宜選択することができるが、反応速度ならびに経済的観点から室温ないし80℃の範囲が好ましい。
【0036】
以下、本発明を実施例および参考例によりさらに詳しく説明する。
【実施例】
【0037】
(参考例1)
【化11】

【0038】
L-セリン(10.00 g, 95.16 mmol)の水(57 ml)、ジオキサン(57 ml)混合溶液に室温でトリエチルアミン(67 ml, 475 mmol)、ジ-t-ブチルジカーボネート(di-tert-butyl dicarbonate:26 ml, 114 mmol)を順次加え、同温で3時間攪拌した。反応混合物にヘキサンを加え抽出後、水層に6規定塩酸を加え中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣のジクロロメタン(300 ml)溶液に-15 ℃でN, O-ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(19.3g, 104 mmol)、N-メチルモルホリン(11.6 ml, 104 mmol)を順次加え、同温で1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(18.3 g, 104 mmol)を30分かけて加え1時間攪拌した。反応混合物に1規定塩酸、氷を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水溶液で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行ない、(S)-3-ヒドロキシ-1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イルカルバミン酸t-ブチル((S)-tert-butyl 3-hydroxy-1-(methoxy(methyl)amino)-1-oxopropan-2-ylcarbamate :21.5 g, 91%)を得た。
【0039】
(参考例2)
【化12】

【0040】
(S)-3-ヒドロキシ-1-(メトキシ(メチル)アミノ)-1-オキソプロパン-2-イルカルバミン酸-t-ブチル(1.50 g, 6.04 mmol)のTHF(30.21 ml)溶液に、室温でビニルマグネシウムブロミドの1.0M THF溶液(24.17 ml, 24.17 mmol)を滴下した。30分攪拌した後、反応混合物を2N HCl と氷の混合物に滴下し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサンに9〜25%の酢酸エチルを溶かしたもの) により精製し、(S)-1-ヒドロキシ-3-オキソペンタ-4-エン-2-イルカルバミン酸t-ブチル( (S)-tert-butyl-1-hydroxy-3-oxopent-4-en-2-ylcarbamate:402 mg, 31%)を得た。(S)-1-ヒドロキシ-3-オキソペンタ-4-エン-2-イルカルバミン酸t-ブチルのIR 、1H NMR、13C NMRデータを以下に示す。
【0041】
IR (NaCl neat) = 3434, 2980, 1692, 1508, 1169, 1061 cm-1
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 6.57 (dd, J= 10.5, 17.3 Hz, 1H), 6.44 (dd, J= 1.5, 17.3 Hz, 1H), 5.93 (dd, J= 10.5, 0.7 Hz, 1H), 5.69 (brm, 1H), 4.66 (m, 1H), 3.95 (ddd, J= 11.5, 6.8, 3.7 Hz, 1H), 3.90 (ddd, J= 11.5, 5.4, 4.4 Hz, 1H), 2.75 (brm, 1H), 1.46 (s, 9H)
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 170.6, 155.6, 132.6, 129.7, 79.6, 62.3, 59.5, 27.9
【0042】
(参考例3)
【化13】

【0043】
(S)-1-ヒドロキシ-3-オキソペンタ-4-エン-2-イルカルバミン酸t-ブチル (402 mg, 1.87 mmol)のエタノール(9.34 ml)溶液に、-78 ℃でリチウムトリ-t-ブトキシアルミニウムヒドリド(1.57 g, 6.16 mmol)を加え、同温にて15分攪拌した。反応混合物に1N HCl を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサンに9〜33%の酢酸エチルを溶かしたもの) により精製し、(2S,3R)-1,3-ジヒドロキシペンタ-4-エン-2-イルカルバミン酸t-ブチル(tert-butyl (2S,3R)-1,3-dihydroxypent-4-en-2-ylcarbamate :402 mg, 99%)を得た。(2S,3R)-1,3-ジヒドロキシペンタ-4-エン-2-イルカルバミン酸t-ブチルのIR 、1H NMR、13C NMRデータを以下に示す。
【0044】
IR (NaCl neat) = 3370, 2978, 1690, 1510, 1171, 1053 cm-1
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 5.94 (ddd, J= 17.3, 10.5, 5.4 Hz, 1H), 5.40 (ddd, J= 17.3, 1.5, 1.5 Hz, 1H), 5.29-5.37 (brm, 1H), 5.28 (ddd, J= 10.5, 1.5, 1.5 Hz, 1H), 4.40 (m, 1H), 3.94 (ddd, J= 11.2, 3.7, 3.7 Hz, 1H), 3.73 (ddd, J= 10.7, 7.1, 3.7 Hz, 1H), 3.65 (m, 1H), 2.78-2.66 (brm, 1H), 2.38-2.50 (brm, 1H), 1.46 (s, 9H)
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 156.1, 137.3, 116.1, 79.4, 73.7, 61.7, 54.9, 28.0
【0045】
(参考例4)
【化14】

【0046】
モレキュラーシーブ4A(MS4A)存在下、四臭化炭素(3.87 g, 11.7 mmol)のピリジン(20 ml)溶液に0 ℃で、亜リン酸2−ブロモエチルジメチル (1.75 ml, 11.7 mmol)を加え、続いて(2S,3R)-1,3-ジヒドロキシペンタ-4-エン-2-イルカルバミン酸t-ブチル(1.27 g, 5.84 mmol)のピリジン(19.2 ml)溶液を加えた後、同温にて3.5時間攪拌し、反応混合物を濾過し、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサンに17〜67%の酢酸エチルを溶かしたもの) により精製し、(2S,3R)-1-((2-ブロモエトキシ)(メトキシ)ホスホリルオキシ)-3-ヒドロキシペンタ-4-エン-2-イルカルバミン酸t-ブチル(tert-butyl (2S,3R)-1-((2-bromoethoxy)(methoxy)phosphoryloxy)-3-hydroxypent-4-en-2-ylcarbamate:(1.57 g, 64%)を得た。(2S,3R)-1-((2-ブロモエトキシ)(メトキシ)ホスホリルオキシ)-3-ヒドロキシペンタ-4-エン-2-イルカルバミン酸t-ブチルのIR 、1H NMR、13C NMRデータを以下に示す。
【0047】
IR(NaCl neat) = 3405, 2978, 1709, 1524, 1265, 1171, 1034 cm-1
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 5.91 (ddd, J = 16.7, 10.5, 5.7 Hz, 1H), 5.36 (d, J = 17.2 Hz, 1H), 5.24 (dd, J = 10.5, 1.2 Hz, 1H), 5.20 - 5.09 (brm, 1H), 4.40 - 4.25 (m, 3H), 4.22 (dd, J = 5.5, 5.5 Hz, 1H), 4.16 (m, 1H), 3.808 (d, J = 11.2 Hz, 3/2H), 3.806 (d, J= 11.2 Hz, 3/2H), 3.75 (m, 1H), 3.54 (t, 2H), 1.43 (s, 9H)
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 155.7, 136.9, 117.2, 79.9, 72.5, 67.0 (d, Jc-p= 4.8 Hz), 66.8 (1/2C) (d, Jc-p = 5.8 Hz), 66.7 (1/2C) (d, Jc-p = 4.8 Hz), 54.8 (d, Jc-p = 5.8 Hz), 54.6 (m), 29.4 (d, Jc-p = 6.7 Hz), 28.3
【0048】
(参考例5)
【化15】

【0049】
MS4Aの存在下、四臭化炭素(458 mg, 1.38 mmol)のピリジン(1.50 ml)溶液に0 ℃で、亜リン酸トリメチル(0.16 ml, 1.38 mmol)を加え、続いて(2S,3R)-1,3-ジヒドロキシペンタ-4-エン-2-イルカルバミン酸t-ブチル (100 mg, 0.46 mmol)のピリジン(0.80 ml)溶液を加えた後、同温にて3.5時間攪拌し、反応混合物を濾過し、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (ヘキサンに17〜67%の酢酸エチルを溶かしたもの) により精製し、(2S,3R)-1-(ジメトキシホスホリルオキシ)-3-ヒドロキシペンタ-4-エン-2-イルカルバミン酸t-ブチル(tert-butyl (2S,3R)-1-(dimethoxyphosphoryloxy)-3-hydroxypent-4-en-2-ylcarbamate:(44 mg, 30%)を得た。(2S,3R)-1-(ジメトキシホスホリルオキシ)-3-ヒドロキシペンタ-4-エン-2-イルカルバミン酸t-ブチルのIR 、1H NMR、13C NMRデータを以下に示す。
【0050】
IR(NaCl neat) = 3372, 2967, 1711, 1530, 1256, 1173, 1042 cm-1
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 5.89 (ddd, J = 17.0, 10.6, 5.7 Hz, 1H), 5.34 (d, J = 17.1 Hz, 1H), 5.21 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 5.24 - 5.15 (brm, 1H), 4.29 (m, 1H), 4.20 (dd, J = 5.7, 5.7 Hz, 1H), 4.10 (ddd, J = 10.5, 7.1, 3.4 Hz, 1H),3.81 (m, 1H), 3.761 (d, J= 11.0 Hz, 3H), 3.757 (d, J= 11.2 Hz, 3H), 3.45-3.15 (brm, 1H), 1.41 (s, 9H)
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 155.7, 137.0, 117.0, 79.7, 72.5, 66.5 (d, Jc-p= 5.7 Hz), 54.6, 54.5 (d, Jc-p = 5.8 Hz), 28.3
【0051】
(参考例6)
【化16】

【0052】
(2S,3R)-1-((2-ブロモエトキシ)(メトキシ)ホスホリルオキシ)-3-ヒドロキシペンタ-4-エン-2-イルカルバミン酸t-ブチル (750 mg, 1.79 mmol)のジクロロメタン(8.97 ml)溶液に0 ℃でトリフルオロ酢酸(3.59 ml)を同温にて加え、1.5時間攪拌した。反応混合物に炭酸カリウム水溶液を加えpH9とした後、同温にて塩化パルミトイル(592 mg, 2.15 mmol加え20分攪拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮を行った。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサンに17〜67%の酢酸エチルを溶かしたもの) により精製し、(2S,3R)-1-((2-ブロモエトキシ)(メトキシ)ホスホリルオキシ)-3-ヒドロキシ-2-パルミトアミド-4-ペンテン((2S,3R)-1-((2-bromoethoxy)(methoxy)phosphoryloxy)-3-hydroxy-2-palmitamido-4-pentene:795 mg, 80%)を得た。(2S,3R)-1-((2-ブロモエトキシ)(メトキシ)ホスホリルオキシ)-3-ヒドロキシ-2-パルミトアミド-4-ペンテンのIR 、1H NMR、13C NMRデータを以下に示す。
【0053】
IR(KBr disk) = 3337, 2849, 1642, 1551, 1470, 1188, 1036 cm-1
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 6.24 (brm, 1H), 5.89 (ddd, J = 17.1, 10.5, 5.9 Hz, 1H), 5.36 (d, J = 17.1 Hz, 1H), 5.25 (d, J = 10.5 Hz, 1H), 4.38-4.31 (m, 3H), 4.25 (m, 1H), 4.20-4.14 (m, 2H), 3.82 (d, J = 11.2 Hz, 3/2H), 3.81 (d, J = 11.2 Hz, 3/2H), 3.545 (dd, J = 5.9, 5.9 Hz, 2/2H), 3.543 (dd, J = 5.9, 5.9 Hz, 2/2H), 2.21 (t, J = 7.3 Hz, 2H), 1.61 (tt, J = 7.3, 7.3 Hz, 2H), 1.32-1.23 (m, 24H), 0.88 (t, J = 6.6 Hz, 3H)
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 173.9, 136.8, 117.4, 72.7, 67.1 (m), 66.6 (d, Jc-p = 5.8 Hz), 54.9 (d, Jc-p = 6.7 Hz), 53.6 (d, Jc-p = 4.8 Hz), 36.7, 31.9, 29.68, 29.67, 29.6, 29.5, 29.4, 29.34, 29.33, 29.26, 29.25, 25.6, 22.7, 14.1
【0054】
(実施例1)
【化17】

【0055】
(2S,3R)-1-(ジメトキシホスホリルオキシ)-3-ヒドロキシペンタ-4-エン-2-イルカルバミン酸t-ブチル(43 mg, 0.132 mmol)のジクロロメタン(1.32 ml)溶液に室温で7-ニトロ-N-(ウンデカ-10-エニル)ベンゾ[c][1,2,5]オキサヂアゾール-4-アミン(7-nitro-N-(undec-10-enyl)benzo[c][1,2,5]oxadiazol-4-amine :176 mg, 0.529 mmol)を加え、続いてトリシクロホスフィン[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾル-2-イリデン](ベンジリデン)ルテニウム(IV)ジクロリド(3 mg, 0.0040 mmol)を加えた。反応混合物を2時間還流した。反応混合物を減圧濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサンに33〜67%の酢酸エチルを溶かしたもの)により分離・精製し、(2S,3R、4E)-1-(ジメトキシホスホリルオキシ)-3-ヒドロキシ-14-(7-ニトロベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-イルアミノ)テトラデカ-4-エン-2-イルカルバミン酸t-ブチル(tert-butyl (2S,3R,E)-1-(dimethoxyphosphoryloxy)-3-hydroxy-14-(7-nitrobenzo[c][1,2,5]oxadiazol-4-ylamino)tetradec-4-en-2-ylcarbamate :63 mg, 76%)を得た。(2S,3R、4E)-1-(ジメトキシホスホリルオキシ)-3-ヒドロキシ-14-(7-ニトロベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾール-4-イルアミノ)テトラデカ-4-エン-2-イルカルバミン酸t-ブチルのIR 、1H NMR、13C NMRデータを以下に示す。
【0056】
IR(NaCl neat) = 3326, 2928, 2701, 1588, 1530, 1366, 1042 cm-1
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 8.49 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.73 (br s, 1H), 6.18 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 5.75 (dtd, J = 0.7, 6.8, 15.4 Hz, 1H), 5.51 (dd, J = 6.8, 15.4 Hz, 1H), 5.09 (br d, J = 7.8 Hz, 1H), 4.33 (ddd, J = 4.9, 7.8, 10.7 Hz, 1H), 4.12-4.18 (m, 2H), 3.77-3.81 (m, 7H), 3.51 (td, J = 6.3, 6.3 Hz, 1H), 2.03 (m, 2H), 1.81 (tt, J = 7.3, 7.3 Hz, 2H), 1.43 (s, 9H), 1.24-1.15 (m, 12H),
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 155.7, 144.2, 144.1, 143.9, 136.5, 134.5, 128.6, 119.4, 98.4, 79.7, 72.4, 66.6 (d, Jc-p = 5.0 Hz), 60.3, 54.9 (d, Jc-p = 5.0 Hz), 54.5 (d, Jc-p = 5.8 Hz), 44.0, 32.1, 29.2, 29.1, 29.0, 28.9, 28.8, 28.4, 28.3, 26.8
【0057】
(実施例2)
【化18】

【0058】
(2S,3R)-1-((2-ブロモエトキシ)(メトキシ)ホスホリルオキシ)-3-ヒドロキシペンタ-4-エン-2-イルカルバミン酸t-ブチル(48 mg, 0.115 mmol)のジクロロメタン(1.15 ml)溶液に室温でペンタデカ-1-エン(97 mg, 0.459 mmol)を加え、続いてトリシクロホスフィン[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾル-2-イリデン](ベンジリデン)ルテニウム(IV)ジクロリド(3 mg, 0.0034 mmol)を加えた。反応混合物を2時間還流した。反応混合物を減圧濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサンに33〜67%の酢酸エチルを溶かしたもの)により分離・精製し、(2S,3R,4E)-1-((2-ブロモエトキシ)(メトキシ)ホスホリルオキシ)-3-ヒドロキシオクタデカ-4-エン-2-イルカルバミン酸t-ブチル(tert-butyl (2S,3R,E)-1-((2-bromoethoxy)(methoxy)phosphoryloxy)-3-hydroxyoctadec-4-en-2-ylcarbamate:48 mg, 70%)を得た。(2S,3R,4E)-1-((2-ブロモエトキシ)(メトキシ)ホスホリルオキシ)-3-ヒドロキシオクタデカ-4-エン-2-イルカルバミン酸t-ブチルのIR 、1H NMR、13C NMRデータを以下に示す。
【0059】
IR(NaCl neat) 3387, 1713, 1522, 1460, 1260, 1175, 1024 cm-1
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 5.76 (td, J = 6.8, 15.4 Hz, 1H), 5.50 (dd, J = 7.1, 15.4 Hz, 1H), 5.05 (brs, 1H), 4.36-4.31 (m, 3H), 4.16 (m, 2H), 3.82 (d, J = 11.2 Hz, 3/2H), 3.82 (d, J = 11.2 Hz, 3/2H), 3.79 (m, 1H), 3.55 (dd, J = 6.1, 6.1 Hz, 2H), 2.04 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.26 (m, 22H), 0.88 (t, J = 6.8 Hz, 3H)
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 155.6, 134.9, 128.5, 79.7, 72.4, 66.9 (m, 2C), 54.7 (m, 2C), 32.3, 31.9, 29.6, 29.6, 29.5, 29.3, 29.2, 29.1, 28.3, 22.6, 14.1
【0060】
(実施例3)
【化19】

【0061】
(2S,3R)-1-((2-ブロモエトキシ)(メトキシ)ホスホリルオキシ)-3-ヒドロキシペンタ-4-エン-2-イルカルバミン酸t-ブチル(61 mg, 0.146 mmol)のジクロロメタン(1.46 ml)溶液に室温で3-(トリフルオロメチル)-3-(4-(ウンデカ-10-エニルオキシ)フェニル)-3H-ジアジリン(3-(trifluoromethyl)-3-(4-(undec-10-enyloxy)phenyl)-3H-diazirine :207 mg, 0.583 mmol)を加え、続いてトリシクロホスフィン[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾル-2-イリデン](ベンジリデン)ルテニウム(IV)ジクロリド(4 mg, 0.0043 mmol)を加えた。反応混合物を2時間還流した。反応混合物を減圧濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサンに33〜67%の酢酸エチルを溶かしたもの)により分離・精製し、(2S,3R,4E)-1-((2-ブロモエトキシ)(メトキシ)ホスホリルオキシ)-3-ヒドロキシ-14(4-(3-トリフルオロメチル)-3H-ジアジリン-3-イル)フェノキシ)テトラデカ-4-エン-2-イルカルバミン酸t−ブチル(tert-butyl (2S,3R,E)-1-((2-bromoethoxy)(methoxy)phosphoryloxy)-3-hydroxy-14-(4-(3-(trifluoromethyl)-3H-diazirin-3-yl)phenoxy)tetradec-4-en-2-ylcarbamate :59 mg, 55%)を得た。(2S,3R,4E)-1-((2-ブロモエトキシ)(メトキシ)ホスホリルオキシ)-3-ヒドロキシ-14(4-(3-トリフルオロメチル)-3H-ジアジリン-3-イル)フェノキシ)テトラデカ-4-エン-2-イルカルバミン酸t−ブチルのIR 、1H NMR、13C NMRデータを以下に示す。
【0062】
IR(NaCl neat) 3407, 1713, 1518, 1258, 1055 cm-1
1H NMR (CDCl3, 400MHz) δ: 7.13 (md, J = 9.0 Hz, 2H), 6.89 (md, J = 9.0 Hz, 2H), 5.76 (dtd, J = 0.7, 6.7, 15.4 Hz, 1H), 5.50 (d, J = 7.1, 15.4 Hz, 1H), 5.06 (brs, 1H), 4.36-4.31 (m, 3H), 4.16 (m, 2H), 3.94 (t, J = 6.6 Hz, 2H), 3.83 (d, J = 11.2 Hz, 3/2H), 3.80 (d, J = 11.2 Hz, 3/2H), 3.81 (m, 1H), 3.54 (ddd, J = 1.0, 6.1, 6.1 Hz, 2/2H), 3.54 (ddd, J = 1.0, 6.1, 6.1 Hz, 2/2H), 2.04 (m, 2H), 1.77 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 1.35-1.28 (m, 12H)
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 160.2, 155.6, 134.8, 128.5, 128.0, 122.2 (q, JC-F = 274.6 Hz), 120.6, 114.8, 79.7, 72.4, 68.1, 66.9 (m, 2C), 54.7 (m, 2C), 32.2, 29.4, 29.3, 29.3, 29.2, 29.0, 29.0, 28.3, 25.9
【0063】
(実施例4)
【化20】

【0064】
(2S,3R)-1-((2-ブロモエトキシ)(メトキシ)ホスホリルオキシ)-3-ヒドロキシ-2-パルミトアミド-4-ペンテン(55 mg, 0.0988 mmol)のジクロロメタン(1.00 ml)溶液に室温でペンタデカ-1-エン (83 mg, 0.395 mmol)を加え、続いてトリシクロホスフィン[1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)-4,5-ジヒドロイミダゾル-2-イリデン](ベンジリデン)ルテニウム(IV)ジクロリド(3 mg, 0.0030 mmol)を加えた。反応混合物を2時間還流した。反応混合物を減圧濃縮した後、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサンに33〜67%の酢酸エチルを溶かしたもの)により分離・精製し、(2S,3R、4E)-1-((2-ブロモエトキシ)(メトキシ)ホスホリルオキシ)-3-ヒドロキシ-2-パルミトアミド-4-オクタデセン((2S,3R)-1-((2-bromoethoxy)(methoxy)phosphoryloxy)-3-hydroxy-2-palmitamido-4-octadecene):(40 mg, 55%)を得た。(2S,3R、4E)-1-((2-ブロモエトキシ)(メトキシ)ホスホリルオキシ)-3-ヒドロキシ-2-パルミトアミド-4-オクタデセンのIR 、1H NMR、13C NMRデータを以下に示す。
【0065】
IR (KBr disk): 3291, 2917, 1647, 1547, 1468, 1269, 1047 cm-1
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ: 6.25 (d, J =7.3 Hz, 1H), 5.75 (td, J = 6.8, 15.1 Hz, 1H), 5.48 (dd, J =6.6, 15.4 Hz, 1H), 4.33 (m, 3H), 4.17 (m, 3H), 3.81 (d, J =11.2 Hz, 3/2H), 3.80 (d, J =11.2 Hz, 3/2H), 3.55 (t, J =6.1 Hz, 2H), 2.19 (dt, J =1.7, 7.1 Hz, 2H), 2.03 (td, J =7.1, 1.7 Hz, 2H), 1.61 (m, 2H), 1.26 (m, 46 H), 0.88 (t, J =6.6 Hz, 6 H)
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ: 173.6, 134.8, 128.5, 72.4, 67.2 (m), 66.8 (d, JC-P = 5.0 Hz), 54.77 (d, JC-P = 5.8 Hz, 1/2 C), 54.74 (d, JC-P = 5.8 Hz, 1/2 C), 53.7 (d, JC-P = 5.8 Hz), 36.7, 32.3, 31.9, 29.7, 29.5, 29.4, 29.3, 29.3, 29.1, 25.7, 22.6, 14.1
【0066】
(参考例7)
【化21】

【0067】
(2S,3R、4E)-1-((2-ブロモエトキシ)(メトキシ)ホスホリルオキシ)-3-ヒドロキシ-2-パルミトアミド-4-オクタデセン ( 502 mg, 0.679 mmo ) のメタノール ( 8.36 ml )溶液に室温で無水のトリメチルアミン ( 5.40 ml ) を加え、同温で2日間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、クロロホルム、メタノールで抽出し、有機層を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルムに10%メタノールを溶かしたものから、メタノール:クロロホルム:水=65:25:4を混合したものへ変化させて)により分離・精製し,スフィンゴミエリンを得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

(式中、RおよびRは置換基を有していてもよい低級アルコキシ基であり、Qは水素原子、アミノ基の保護基、または置換基を有していてもよい炭素数2−20のアシル基であり、Qは水素原子または水酸基の保護基である。)で表される光学活性リン酸誘導体。
【請求項2】
一般式(I)
【化2】

(式中、RおよびRは置換基を有していてもよい低級アルコキシ基であり、Qは水素原子、アミノ基の保護基、または置換基を有していてもよい炭素数2−20のアシル基であり、Qは水素原子または水酸基の保護基である。)で表される光学活性リン酸誘導体と、一般式(II)
【化3】

(式中、Rは置換基を有していてもよい炭素数1−20のアルキル基である。)で表されるオレフィンをメタセシス触媒の存在下で反応させることを特徴とする一般式(III)
【化4】

(式中、R、R、R、Q、Qは一般式(I)および一般式(II)と同じである。)で表される光学活性スフィンゴシン1−リン酸誘導体の製造方法。

【公開番号】特開2007−204384(P2007−204384A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−22296(P2006−22296)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000180586)株式会社ケミクレア (20)
【出願人】(503092180)学校法人関西学院 (71)
【復代理人】
【識別番号】100111040
【弁理士】
【氏名又は名称】渋谷 淑子
【Fターム(参考)】