説明

光学的アドレッシングを用いたアクティブディスプレイシステムおよびその方法、並びに送信機

【課題】 本発明は、光学的アドレッシングを用いたアクティブディスプレイシステムおよびその方法、並びに送信機を提供すること。
【解決手段】 表示する画像に関連したデジタル画像情報16、28を光送信するように構成される光送信機12と、可視光を生成するように構成される複数の表示素子32に結合されるデコーダ30を含むアクティブディスプレイ14とを備えるディスプレイシステム10であって、前記デコーダ30は、前記デジタル画像情報16、28を受信し、これに応答して前記表示素子32の各々に制御信号58を生成するように構成され、該制御信号58は、前記素子が生成する可視光を個別に調整して前記画像の表示を行うために用いることができるディスプレイシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
 本発明は、光学的アドレッシングを用いたアクティブディスプレイシステムおよびその方法、並びに送信機に関する。
【背景技術】
【0002】
 静止画像および動画像を表示するための様々な手法が存在する。そのような手法の一つに、一般にプロジェクタをパッシブディスプレイスクリーンとともに使用するパッシブな光投射システムの使用がある。パッシブシステムにおいて、画像を表示するための光エネルギーはすべて、通常はプロジェクタが生成する。これは、大量の電力を消費し過剰な熱を発生する可能性のある高価なバルブまたはランプの使用を必要とすることが多い。多くのシステムは、冷却ファンを用いて余分な熱を放散する。冷却ファンは、製造費および投射システムの複雑性を増大させるだけでなく、望ましくない雑音を発生することが多い。さらに、パッシブシステムは一般に、光源と表示画面との間に鏡、カラーホイール、偏光子および他の光コンポーネントを使用する。これらのコンポーネントは、システムの費用を増大させ、画質を低下させ、かつサイズおよび/または輝度の異なる画像を生成する際に画質の維持を困難にする可能性がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
 本発明の目的は、光学的アドレッシングを用いたアクティブディスプレイシステムおよびその方法、並びに送信機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
 表示する画像に関連したデジタル画像情報を光送信するように構成された光送信機を備えるディスプレイシステムを提供する。本システムは、また、電気刺激に応答して可視光を生成するように構成される複数の表示素子に電気的に結合されるデコーダを含むアクティブディスプレイを含む。当該デコーダは、上記デジタル画像情報を受信し、これに応答して上記表示素子の各々に制御信号を生成するように構成され、当該制御信号は、上記表示素子が生成する可視光を個別に調  
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
 本発明は、画像を表示する方法および装置に関する。この状況において、画像には、静止画像またはビデオ画像が含まれ得るが、本明細書中では一貫性を保つために画像と呼ぶ。
【0006】
 図1は、画像を表示するディスプレイシステム10を示す。システム10は、光送信機12とアクティブディスプレイ14とを備える。光送信機12は画像情報16を光送信し、アクティブディスプレイ14がこれを受信する。アクティブディスプレイ14は、画像情報16に基づいて画像をアクティブに表示するために画像情報に応答する。
【0007】
 アクティブディスプレイ14は通常、画像情報16に基づいて制御されて画像を生成する複数の表示素子を含む。たとえば、図示の例示的な実施形態において、アクティブディスプレイ14は、可視光を生成するように構成された複数の発光コンポーネント(構成要素)を含む。個々の発光コンポーネントがそれぞれ生成する光の質により、視聴者に対する画像全体の見え方が決まる。以下でより詳細に説明するように、各発光コンポーネントの状態を個別に変えて、当該発光コンポーネントが生成する光の色、輝度および他の特性を調整することができる。
【0008】
 動画像の場合、個々の発光コンポーネントの状態を周期的に変化させて動画像を作り出す。たとえば、特定の発光コンポーネントの強度は、フレームとして知られる一定間隔で変化させることができる。ビデオ用途における通常のフレームレートは、60フレーム毎秒である。このような用途では、いくつかの連続するフレームにわたって個々の発光コンポーネントの状態を制御することによって、視聴者の視点から見て動画像が生じる。
【0009】
 上記のように、光送信機12は、アクティブディスプレイ14中の個々の発光コンポーネントの状態を制御するために用いられる情報を供給する。パッシブシステムに多く用いられるプロジェクタとは対象的に、光送信機12は通常、十分な強度の光を投射してパッシブスクリーンまたは他のパッシブディスプレイデバイス上に表示可能な画像を生成するようには構成されない。そのため、光送信機12は、パッシブシステムにおいて一般に用いられるような高価で高強度のバルブを使用して、表示画像を形成する光を生成する必要がない。また、光送信機12は、かかるシステムに付属する冷却ファン、あるいはパッシブシステムに多く用いられる鏡、レンズおよび他の光デバイスを必ずしも使用する必要はない。高強度の光を用いる代わりに、光送信機12は通常、以下でより詳細に説明するように、低強度の光により画像情報16をアクティブディスプレイ14に伝達する。
【0010】
 光送信機は通常、低強度の光により画像情報16を送信するように構成された1つまたは複数のエミッタ18または同様の光送信デバイスを含む。画像情報は通常、いくつかの空間的に分離した低強度の赤外線光線20として送信され、各光線はアクティブディスプレイ14の一部分22に対応する。特定の光線20とそれに対応するディスプレイ部分22は、参照番号に続く文字(a、b、など)を用いて個別に示す。以下でより詳細に説明するように、各光線は通常、アクティブディスプレイ14の所定の一部分における発光コンポーネントの挙動を制御するために用いられ得るデジタルエンコードされた情報のシリアルビットストリームを含む。
【0011】
 部分22は、アクティブディスプレイ14のサブアレイと呼ばれる場合もある。図示の例では、各光線20は、対応するサブアレイ22上に提示する画像全体の一部分に対応する画像情報を運ぶ。たとえば、光線20aは、サブアレイ22aに対応し、当該サブアレイ上に画像を生成するために用いられる情報を運ぶ。各サブアレイは、低強度の光線中にエンコードされている画像情報を受信するように構成されるデコーダまたは同様の処理サブシステムを含む。光線を受信すると、デコーダは、エンコードされている画像情報を処理して、当該サブアレイ内に含まれる様々な発光コンポーネントに個別の制御信号を生成する。各サブアレイ中で生成される制御信号に基づき、サブアレイは、アクティブディスプレイ14が視聴者に提示する画像全体を集合的に生成する。
【0012】
 図1に見て取れるように、ディスプレイシステム10は、視聴者がアクティブディスプレイ14に対して光送信機12と同じ側にいる前面投射システムとして実施され得る。ディスプレイシステム10は、また、光送信機と視聴者とがアクティブディスプレイの反対側にいる背面投射構成でも実施され得る。通常、視聴者、光送信機およびアクティブディスプレイは、送信機が画像情報をアクティブディスプレイに光送信できるような所望の相対的な向きにあってよい。
【0013】
 個々のサブアレイは、電気アドレスされるのではなく光アドレスされることが理解されるべきである。この状況において、「アドレッシング」とは、画像情報をディスプレイシステム10の特定のコンポーネントに送る方法を指す。図示の実施形態において、光送信機12は、有線の電気結合を用いてではなく光送信により画像情報16を送るため、サブアレイを光アドレスする。サブアレイは通常、光アドレスされるが、サブアレイ中の個々の発光コンポーネント(構成要素)は、以下で説明するように電気アドレスされることが多い。
【0014】
 アクティブディスプレイ14は、要求に応じて単一のサブアレイ22または他の任意数のサブアレイを含み得る。ディスプレイシステム10は、サブアレイ22を単に増設することによってディスプレイのサイズを変更するのが比較的単純であるという点で非常に柔軟性がある。増設したサブアレイに対応するために、送信機12は容易に再構成されて、新たなサブアレイに画像情報を提供することができる。上述した光アドレッシング方法は、アドレッシング接続(addressing connections)の物理的な再構成が必要ないため、ディスプレイサイズの変更を大きく簡略化する。さらに、光アドレッシングは、システムの全体的な複雑性を著しく増大させることなくサブアレイ中の発光コンポーネントの密度を高めることができる。対照的に、電気アドレス型システムでは、(たとえばディスプレイサイズまたは輝度を増大させるために)発光コンポーネントを増設すると、アドレッシング回路の物理的な再構成が必要となり、通常はディスプレイシステムの全体的な複雑性および製造費の著しい増大を伴う。
【0015】
 画像情報の1本または複数本の光線20が用いられ得ることが理解されるべきである。多くの場合、光線およびサブアレイを1対1の関係にして、各光線がサブアレイのうちの指定された1つに画像情報を運ぶようにすることが望ましい。代替的に、特定のサブアレイの画像情報が複数本の光線20に含まれてもよい。さらに別の代案は、個々の光線に複数のサブアレイの画像情報を運ばせることである。その場合、光線は複数のサブアレイに向けられて、対応するサブアレイの各々が情報を受信できるようにする。光線中にエンコードされるデジタル情報は、受信側のサブアレイの各々が光線中の画像情報のそれぞれの部分を特定および処理することを可能にするアドレッシング/ヘッダ情報を含む。
【0016】
 図2は、個々のサブアレイ22を、当該サブアレイの動作を制御するために用いられる画像情報28とともに概略的に示す。図のように、サブアレイ22は通常、いくつかの表示素子、たとえば発光コンポーネント32に電気的に結合されたデコーダ30を含む。デコーダ30は、画像情報28を受信および処理して、当該デコーダに結合された発光コンポーネントに対応する制御信号を生成するようにする。これらの制御信号は、発光コンポーネントが生成する可視スペクトルの光を調整し、よってサブアレイ22が生成する画像を調整する。
【0017】
 発光コンポーネント32は、それが画像形成のために可視スペクトルの光を生成可能である限り、任意の適切な構造またはタイプであり得る。図示の実施形態は、ピクセル(画素)に構成された赤(R)、緑(R)および青(B)の発光コンポーネントを含み、各ピクセルは、各カラーコンポーネント(color component)を1つずつ含む。たとえば、コンポーネントR1、G1およびB1が集合的に1つのピクセルを形成し、R2、G2およびB2が別のピクセルを形成する。代替的に、他の実施形態では、1つのピクセルは、1つの表示素子(たとえば単一の発光コンポーネント)のみから構成され得る。各ピクセル中の個々のコンポーネントは、サブピクセルと呼ばれる場合があり、以下で説明するように、ピクセルが生成する光の色および強度を変えるために通常は独立して制御される。図のように、1つのサブアレイには任意数の発光コンポーネントおよびピクセルを設けることができる。また、赤、緑および青以外の色、たとえば白、シアン、マゼンタ、黄色などを用いることもできる。さらに、本明細書中では発光コンポーネントを記載するが、(LCDにおいて見られるような)透過コンポーネント、(電子ペーパーにおいて見られるような)反射コンポーネントまたは光を調節することが可能な他の任意数のコンポーネントを用いてもよい。
【0018】
 図のように、デコーダ30は通常、カップリング34のような電気接続を介してサブアレイ22の発光コンポーネントに結合される。様々な結合方法やトポロジ(接続形態)を用いることができる。図示の実施形態に見て取れるように、デコーダ30と発光コンポーネントの各々との間に走るパラレルアドレスライン36を用い、各発光コンポーネントに個別のアドレスラインを設けるのが適切であることが多い。代替的に、バス構成または他のタイプのトポロジを使用して、デコーダと発光コンポーネントを電気的に接続することもできる。
【0019】
 上記のように、デコーダ30は、デジタル画像情報を光形式で受信し、当該情報をサブアレイ22の発光コンポーネント32に対応する制御信号に変換する。通常、この変換は、図3に概略的に示すようなシリアル−パラレル変換として実施される。具体的には、デコーダ30は、画像情報をデジタルエンコードされた情報のシリアルビットストリームの形式で受信する。このビットストリームは、表示する画像に関連する様々なタイプの情報を含み得る。たとえば、ビットストリームは、特定の発光コンポーネントを次のビデオフレームの間、特定の強度で作動させることを指示し得る。いずれにせよ、図のように、シリアルビットストリームはデコードされ、複数の発光コンポーネントにパラレルで送られる複数の制御信号に分離される。
【0020】
 図2を再び参照すると、図2は、サブアレイにシリアルビットストリーム40の形式で供給される画像情報28も示す。図示のように、多くの場合、ビットストリーム40中の画像情報を連続したフレームセグメントF1、F2、F3などに構成することが望ましい。各フレームセグメントは、サブアレイ22が所与のビデオフレーム中に表示する画像に対応した画像情報を含む。たとえば、F1は1番目のフレームに関する情報、F2は2番目に続くフレームに関する情報、F3はその次のフレームに関する情報を含むなどとなる。この情報は、デコーダ30によって受信されると、連続的に処理されて、一連の連続するビデオフレーム中にサブアレイ22上に生成する画像の調整に使用される。
【0021】
 フレームセグメントは通常、サブアレイ中の個々の発光コンポーネントの各々に対応した情報を含む。たとえば、図のように、セグメントF1は、発光コンポーネントR1、G1、B1、R2、G2、B2などに対応した情報を含む。かかる情報は、たとえば、対応する発光コンポーネントのF1フレーム中の強度を指定し得る。代替的に、ビットストリームはピクセル、サブピクセルによって、あるいは他のデータ構造またはデータ方式に従って構成され得る。
【0022】
 具体的にデコーダ30を参照すると、デコーダは通常、何らかの形態の光受信機42を含んで、入ってくる光の画像情報28を受信する。この光受信機は、フォトトランジスタ、フォトダイオードまたは同様のデバイスを用いて実施され得る。受信機42は、入ってくるデジタルビットストリームを受信して、デジタルパルスをサブアレイ22の発光コンポーネントの制御に用いられる電気信号に変換するように構成される。この変換は、受信機単独で、または他のコンポーネントと組み合わせて行われ得る。
【0023】
 デコーダ30は、また、アドレスデコード機能を行って、制御信号がサブアレイ22中の適切な発光コンポーネント32に供給されることを確実にする。様々なデコード/アドレス方式を用いることができる。たとえば、比較的単純な方式は、フレーム中の最初のN個のビットを最初のピクセル(R1、G1、およびB1)に、2番目のN個のビットを次のピクセル(R2、G2、およびB2)に割り当てるなどとすることであろう。代替的に、所与の発光コンポーネントに関する画像情報は、輝度/色情報だけでなく、当該発光コンポーネントの制御に用いられる特定のアドレスライン36を指定するアドレス情報も含み得る。
【0024】
 デコーダは、コントローラ44、記憶装置46、および/または受信、デコード、アドレッシング、および上述した他の機能に役立つ他の種々のコンポーネントも含み得る。たとえば記憶装置46は、全ての制御信号を発光コンポーネント32に同時にパラレルで送る準備ができるまで制御信号を保持する一時バッファを提供するために用いることができる。コントローラ44は、同期信号を出すことにより制御信号を同期して送出する助けとなる。したがってデコーダは、同期信号に応答して、発光コンポーネントへの制御信号の印加を同期させることができる。
【0025】
 次に図4を参照すると、代表するピクセル48の例示的な赤、緑および青の発光コンポーネントが示されている。図のように、各発光コンポーネントは、制御信号の印加により制御される発光デバイスを含む。具体的に当該ピクセルの赤の部分を参照すると、赤色発光ダイオード(LED)50が正電源52と接地54との間に結合されている。LED50は、当該LEDを流れる電流を制御するために制御信号58に応答するスイッチ(トランジスタ56など)と直列になっている。
【0026】
 通常、制御信号58は、所与のビデオフレーム中に1つまたは複数の固定振幅で固定持続時間を有する電圧パルスとして供給される。電圧パルスは、デコーダ30と発光コンポーネント32(図2)との間の電気接続により発光コンポーネントに供給される。この場合、1フレーム中に生じるパルス数により、LEDがそのフレームについて生成する光の特性、たとえば光強度が決まる。
【0027】
 制御信号と所与のピクセルが1つのビデオフレーム中に生成する光との間の関係は、24ビットのRGB表色系の状況においてより明確に理解され得る。かかる表色系において、所与のピクセルの赤、緑および青の発光コンポーネントの各々に8ビットが与えられる。したがって、256種類の強度の赤が利用可能であり、同様に256種類の強度の緑と青も利用可能である。これにより、3つのコンポーネントについて256×256×256種類、すなわち、およそ1,680万種類の強度の組み合わせが得られる。かかる表色系は、しばしば1,680万色表示と呼ばれる。
【0028】
 各色毎に256階調を達成するために、ビデオフレームは255の間隔に分割される。かかる各間隔中に、それぞれのLEDを流れる電流を制御するスイッチ(たとえばトランジスタ56)に固定振幅の電圧パルスが印加され得る。1フレーム中に様々な強度の赤色光を提供するために、スイッチには、0〜255の利用可能な時間間隔の間パルスが印加される。パルスがない場合は、当該フレーム中においてそのピクセルに赤が寄与しないことを意味する。255個のパルスの場合は、そのピクセルに赤が最大限の寄与をすることになる。
【0029】
 制御信号58は、デューティサイクル変調パルス列と考えることができる。上記で説明したように、図示のサブアレイのデジタル画像情報は、サブアレイ中の発光コンポーネントの各々に関する強度情報を含む。この強度情報は、そのフレームの制御信号のデューティ時間を変調するために用いられる。換言すれば、たとえばパルス幅変調により所与の発光素子に関する画像情報が指定する強度が増すに従って、所与のフレーム中に制御信号58の高いパルスが印加される(pulsed high)時間が増える。図示の例において、個々のパルスは固定持続時間(幅)であるため、所与のフレームのデューティ時間を増やすと、そのフレーム中にトランジスタ56に印加されるパルス数が増える。パルス幅変調、パルス位置変調などを含む様々なかかる方法を使用することができる。
【0030】
 通常のフレームレート、たとえば60フレーム毎秒の場合、パルスは通常、フレーム中にいつでも生じることができ、複数のパルスに対称的に時間間隔を置く必要はない。たとえば、60フレーム毎秒の上述したような24ビット表色系において、画像情報が0〜255の段階(scale)での赤の強度値4を指定するものと仮定する。これは、フレーム中でパルスが4回印加される制御信号58と同じである。これら4回のパルスは、隣接する時間間隔中にひとまとまりになって、フレーム中に均等に分散して、あるいは他の任意の相対時間で生じ得る。これは、人間の目が通常60フレーム毎秒のフレームレートでは差異を認識しないためである。
【0031】
 上記表色系により、所与のピクセルの色および輝度の両方を調整可能であることが理解されるべきである。たとえば、上記の24ビットの例において、128−128−128のRGB値を有するピクセルは通常、4−4−4のRGB値を有するピクセルと彩度が同じである。これは、3つの発光コンポーネントの相対的な寄与率が等しいためである。しかしながら、128−128−128のピクセルのほうが明度は遥かに高い。
【0032】
 任意の所望の色深度を用いることができ、上記24ビットの表色系は例として提示されたものに過ぎないことがさらに理解されるべきである。8ビットよりも多いかまたは少ないビットを用いて、所与の発光コンポーネントの強度階調数を指定することができる。
【0033】
 付加的に、あるいは代替的に、アナログ法を用いて、LEDが生成する光の強度を調整することができる。たとえば、デコーダ30は、固定振幅の電圧パルスを用いてLEDスイッチを間欠的に作動させる代わりに、可変振幅の制御信号をLEDスイッチに供給するように構成され得る。具体的に赤色LED50を参照すると、所与の間隔中の強度は、ビデオフレームの全持続時間の間電圧を印加することによって調整される。この電圧レベル(振幅)を上下させて、強度を所望のレベルに変化させる。
【0034】
 本発明を上記の好ましい実施形態を参照して特に図示および説明してきたが、当業者は、併記の特許請求項に定義されるような本発明の精神および範囲から逸脱することなく本発明中で多くの変形がなされ得ることを理解するであろう。本発明の記載は、本明細書中に記載する要素の全ての新規で非自明的な組み合わせを含むものと理解されるべきであり、これらの要素の任意の新規で非自明的な組み合わせに対する請求項が本件または以降の出願において提示され得る。請求項が「1つの」または「第1の」要素またはその均等物を挙げる場合、かかる請求項は、1つまたは複数の当該要素の組み込みを含み、2つまたはそれ以上の当該要素を要求も除外もしないものと理解されるべきである。
【0035】
 以上本発明の各実施例について説明したが、実施例の理解を容易にするために、実施例ごとの要約を以下に列挙する。
[ 1 ] 表示する画像に関連したデジタル画像情報(16、28)を光送信するように構成される光送信機(12)と、可視光を生成するように構成される複数の表示素子(32)に結合されるデコーダ(30)を含むアクティブディスプレイ(14)とを備えるディスプレイシステム(10)であって、前記デコーダ(30)は、前記デジタル画像情報(16、28)を受信し、これに応答して前記表示素子(32)の各々に制御信号(58)を生成するように構成され、該制御信号(58)は、前記素子が生成する可視光を個別に調整して前記画像の表示を行うために用いることができるディスプレイシステム。
[ 2 ] 前記光送信機(12)は、前記デジタル画像情報(16、28)を赤外線によりシリアルビットストリーム(20、40)として送信するように構成される[ 1 ]に記載のディスプレイシステム。
[ 3 ] 前記デコーダ(30)は、前記シリアルビットストリーム(20、40)を基に前記制御信号(58)を生成し、該制御信号を前記複数の表示素子にパラレルで印加するように構成される[ 2 ]に記載のディスプレイシステム。
[ 4 ] 前記アクティブディスプレイは、可視光を生成するように構成される複数の表示素子(32)に電気的に結合されるデコーダ(30)をそれぞれ有する複数のサブアレイ(22)を含み、該サブアレイ(22)それぞれの該デコーダ(30)の各々は、前記画像情報(16、28)の一部分に応答して前記サブアレイ(22)に前記画像の一部分を表示させるように構成されて、該サブアレイ(22)が集合的に前記画像を表示するようになっている[ 1 ]に記載のディスプレイシステム。
[ 5 ] 前記光送信機(12)は、前記デジタル画像情報(16、28)を複数のシリアルビットストリーム(20、40)として光送信するように構成され、該ビットストリーム(20、40)の各々は、前記画像情報(16、28)の少なくとも一部分を含み、前記サブアレイ(22)のうちの選択された1つに対応する[ 4 ]に記載のディスプレイシステム。
[ 6 ] それぞれが画像の一部分を表示するように構成される複数の空間的に別個の表示サブアレイ(22)を備えるアクティブディスプレイであって、該サブアレイ(22)の各々は、該サブアレイ(22)上に配置される、電気刺激に応答して可視光を生成するように構成される複数の発光コンポーネント(emissive component)(32)と、該発光コンポーネント(32)に電気的に結合される、前記サブアレイ(22)上に表示する前記画像の一部分に対応する光送信された画像情報(16、28)のシリアルビットストリーム(20、40)を受信するように構成されるデコーダ(30)とを含み、該デコーダ(30)は、前記シリアルビットストリーム(20、40)を基に複数の制御信号(58)を生成するようにさらに構成され、該制御信号(58)は、前記発光コンポーネント(32)を制御して、該発光コンポーネント(32)に集合的に前記画像の一部分を表示させるようになっているアクティブディスプレイ。
[ 7 ] 表示する画像に関連した画像情報(16、28)を光送信する送信手段(12)と、複数のサブアレイ(22)を含むアクティブディスプレイ(14)とを備えるディスプレイシステム(10)であって、前記サブアレイ(22)の各々は、電気刺激に応答して可視光を生成する可視光生成手段(32)と、前記画像情報(16、28)の一部分を光受信して、該画像情報(16、28)の一部分を基に複数の制御信号(58)を生成するデコーダ手段(30)とを有し、該デコーダ手段(30)は、前記可視光生成手段(32)に結合され、前記制御信号(58)を前記可視光生成手段(32)に印加して前記画像の一部分を表示させるように構成されるディスプレイシステム。
[ 8 ] 画像をアクティブに表示する方法であって、表示する画像に関連したデジタル画像情報(16、28)を光送信することと、該デジタル画像情報(16、28)をアクティブディスプレイデバイス(14)において光受信することと、前記デジタル画像情報を処理して、前記アクティブディスプレイデバイス(14)上に設けられる複数の個々の発光表示素子(32)のうちの1つにそれぞれ対応する複数の電気制御信号(58)を生成することと、該電気制御信号(58)を前記発光表示素子(32)に印加して該発光表示素子(32)が生成する可視光を調整し、それによって前記画像を表示することを含む方法。
[ 9 ] それぞれが可視光を選択的に生成するように構成される複数の表示素子(32)を含むアクティブディスプレイ(14)と、デジタル画像情報(16、28)を空間的に分離した光線(20、40)の形態で光送信するように構成される1つまたは複数のエミッタ(18)を含む光送信機(12)とを備えるディスプレイシステム(10)であって、前記光線の各々は、前記アクティブディスプレイ(14)の一部分に対応し、該アクティブディスプレイ(14)の前記表示素子(32)の各々の上に入射して該表示素子(32)にそれぞれ制御信号(58)を供給し、それによって、該表示素子(32)がそれぞれ生成した可視光を個別に調整して画像の表示を行うディスプレイシステム。
[ 10 ] 可視光を選択的に生成するように構成される表示素子(32)を有するアクティブディスプレイ(14)の送信機(12)であって、デジタル画像情報(16、28)を空間的に分離した光線(20、40)の形態で光送信するように構成される1つまたは複数のエミッタ(18)を備え、前記光線の各々は、前記アクティブディスプレイ(14)の一部分に対応し、該アクティブディスプレイ(14)の前記表示素子(32)の各々の上に入射して該表示素子(32)にそれぞれ制御信号(58)を供給し、それによって、該表示素子(32)がそれぞれ生成した可視光を個別に調整して画像の表示を行う送信機。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態に係るアクティブディスプレイシステムの概略図である。
【図2】図1のシステムとともに実施され得る例示的なサブアレイを、当該サブアレイの動作を制御するために用いられる画像情報とともに示す概略図である。
【図3】入ってくる画像情報のシリアルビットストリームを処理するために図2のサブアレイに用いられ得る構造および方法論の概略図である。
【図4】図1および図2の実施形態とともに実施され得る例示的な発光素子群の概略図である。
【符号の説明】
【0037】
 10  ディスプレイシステム
 12  光送信機
 14  アクティブディスプレイ
 16  画像情報
 18  エミッタ
 20  赤外線光線
 22  アクティブディスプレイの一部分、サブアレイ
 30  デコーダ手段
 32  表示素子、可視光生成手段
 40  シリアルビットストリーム
 44  コントローラ
 46  記憶装置
 48  ピクセル
 50  赤色発光ダイオード
 52  正電源
 58  制御信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示する画像に関連したデジタル画像情報を光送信するように構成される光送信機と、可視光を生成するように構成される複数の表示素子に結合されるデコーダを含むアクティブディスプレイとを備えるディスプレイシステムであって、前記デコーダは、前記デジタル画像情報を受信し、これに応答して前記表示素子の各々に制御信号を生成するように構成され、該制御信号は、前記素子が生成する可視光を個別に調整して前記画像の表示を行うために用いることができるディスプレイシステム。
【請求項2】
前記光送信機は、前記デジタル画像情報を赤外線によりシリアルビットストリームとして送信するように構成される請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項3】
前記デコーダは、前記シリアルビットストリームを基に前記制御信号を生成し、該制御信号を前記複数の表示素子にパラレルで印加するように構成される請求項2に記載のディスプレイシステム。
【請求項4】
前記アクティブディスプレイは、可視光を生成するように構成される複数の表示素子に電気的に結合されるデコーダをそれぞれ有する複数のサブアレイを含み、該サブアレイそれぞれの該デコーダの各々は、前記デジタル画像情報の一部分に応答して前記サブアレイに前記画像の一部分を表示させるように構成されて、該サブアレイが集合的に前記画像を表示するようになっている請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項5】
前記光送信機は、前記デジタル画像情報を複数のシリアルビットストリームとして光送信するように構成され、該シリアルビットストリームの各々は、前記デジタル画像情報の少なくとも一部分を含み、前記サブアレイ(22)のうちの選択された1つに対応する請求項4に記載のディスプレイシステム。
【請求項6】
それぞれが画像の一部分を表示するように構成される複数の空間的に別個の表示サブアレイを備えるアクティブディスプレイであって、該サブアレイの各々は、該サブアレイ上に配置される、電気刺激に応答して可視光を生成するように構成される複数の発光構成要素と、該発光構成要素に電気的に結合される、前記サブアレイ上に表示する前記画像の一部分に対応する光送信された画像情報のシリアルビットストリームを受信するように構成されるデコーダとを含み、該デコーダは、前記シリアルビットストリームを基に複数の制御信号を生成するようにさらに構成され、該制御信号は、前記発光構成要素を制御して、該発光構成要素に集合的に前記画像の一部分を表示させるようになっているアクティブディスプレイ。
【請求項7】
表示する画像に関連した画像情報を光送信する送信手段と、複数のサブアレイを含むアクティブディスプレイとを備えるディスプレイシステムであって、前記サブアレイの各々は、電気刺激に応答して可視光を生成する可視光生成手段と、前記画像情報の一部分を光受信して、該画像情報の一部分を基に複数の制御信号を生成するデコーダ手段とを有し、該デコーダ手段は、前記可視光生成手段に結合され、前記制御信号を前記可視光生成手段に印加して前記画像の一部分を表示させるように構成されるディスプレイシステム。
【請求項8】
画像をアクティブに表示する方法であって、表示する画像に関連したデジタル画像情報を光送信することと、該デジタル画像情報をアクティブディスプレイデバイスにおいて光受信することと、前記デジタル画像情報を処理して、前記アクティブディスプレイデバイス上に設けられる複数の個々の発光表示素子のうちの1つにそれぞれ対応する複数の電気制御信号を生成することと、該電気制御信号を前記発光表示素子に印加して該発光表示素子が生成する可視光を調整し、それによって前記画像を表示することとを含む方法。
【請求項9】
それぞれが可視光を選択的に生成するように構成される複数の表示素子を含むアクティブディスプレイと、デジタル画像情報を空間的に分離した光線の形態で光送信するように構成される1つまたは複数のエミッタを含む光送信機とを備えるディスプレイシステムであって、前記光線の各々は、前記アクティブディスプレイの一部分に対応し、該アクティブディスプレイの前記表示素子の各々の上に入射して該表示素子にそれぞれ制御信号を供給し、それによって、該表示素子がそれぞれ生成した可視光を個別に調整して画像の表示を行うディスプレイシステム。
【請求項10】
可視光を選択的に生成するように構成される表示素子を有するアクティブディスプレイの送信機であって、デジタル画像情報を空間的に分離した光線の形態で光送信するように構成される1つまたは複数のエミッタを備え、前記光線の各々は、前記アクティブディスプレイの一部分に対応し、該アクティブディスプレイの前記表示素子の各々の上に入射して該表示素子にそれぞれ制御信号を供給し、それによって、該表示素子がそれぞれ生成した可視光を個別に調整して画像の表示を行う送信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2004−38180(P2004−38180A)
【公開日】平成16年2月5日(2004.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−272178(P2003−272178)
【出願日】平成15年7月9日(2003.7.9)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】