説明

光学系、およびそれを用いた光学機器

【課題】結像性能の低下を抑え、さらには耐環境性にも優れた光学系を提供する。
【解決手段】少なくとも2つ以上のレンズ2、3を有する光学系1であって、レンズ2,3のうち少なくとも1つは、光線有効面3aの一部または全面に、ウェット法により形成した反射防止膜8を備え、反射防止膜8を備えるレンズ3以外のレンズのうち少なくとも1つは、該レンズ2と該レンズ2を保持する鏡筒6との隙間に充填されるエネルギー硬化性樹脂7を介して固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系、およびそれを用いた光学機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラなどの撮像装置に用いられるレンズやプリズムなどの光学素子は、その光学面に、入射光の光量損失、または反射光に起因するフレアやゴーストなどの不要光の発生を防ぐための反射防止膜を付設している。例えばカメラ用のレンズでは、反射防止膜として、一般にマルチコートと呼ばれる誘電体薄膜を積層した多層膜が採用されている。この多層膜は、屈折率の異なる薄膜をそれぞれ適切な厚さで積層することで、各膜の表面(界面)で発生する反射波の位相と振幅とを調整し、それらを干渉させることで反射光を低減するものである。しかしながら、この多層膜では、設計段階にて用いた波長および入射角の光線によれば高い反射防止性能が得られるが、広い波長帯域や広い入射角に渡って高い反射防止性能を維持することが難しい。そこで、このような広い波長帯域または入射角においても高い反射防止性能を維持するためのサブ波長構造による反射防止膜が知られている。例えば、特許文献1は、光学素子の少なくとも1つ以上の光学面に、可視光波長よりも短い周期の微細凹凸構造(微細凹凸周期構造)を備える光学系を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−157119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示す光学系では、微細凹凸構造を備えたレンズ(光学素子)を光学系内部の鏡筒へ組み付ける方法に関しては、何ら記載されていない。一般に鏡筒へのレンズの組み付けには、(1)押え環を用いる方法、(2)カシメによる方法、または(3)接着剤を用いる方法などが用いられる。ここで、(1)、(2)の方法では、レンズに局所的な圧力(応力)が加わり、それによりレンズが歪み、光学系の結像性能が低下する可能性がある。この影響は、特にレンズの外径に対して中心の厚さが10分の1以下となるような薄いレンズで受けやすい。一方、(3)の方法では、硬化収縮率が小さい適切な接着剤(樹脂)を選定することで圧力の影響を抑えられ、レンズの歪みを発生させることがない。しかしながら、接着剤を利用する場合、その種類によって溶媒やモノマーなどの含有成分が揮発、飛散する場合があり、鏡筒の内部などの密閉空間で使用すると、組み立て後にレンズが曇り、反射防止性能の悪化を招く可能性がある。この影響は、特に微細凹凸構造や多孔質膜などでは表面積が非常に大きいために、光学面が平坦である通常の誘電体薄膜に比べて受けやすい。
【0005】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、結像性能の低下を抑え、さらには耐環境性にも優れた光学系を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、少なくとも2つ以上のレンズを有する光学系であって、レンズのうち少なくとも1つは、光線有効面の一部または全面に、ウェット法により形成した反射防止膜を備え、反射防止膜を備えるレンズ以外のレンズのうち少なくとも1つは、該レンズと該レンズを保持する鏡筒との隙間に充填されるエネルギー硬化性樹脂を介して固定されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、結像性能の低下を抑え、さらには耐環境性にも優れた光学系を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態に係る光学系の構成を示す断面図である。
【図2】第1実施形態に係る反射防止膜の構造を示す断面図である。
【図3】平均ピッチを説明するための平面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る光学系の構成を示す断面図である。
【図5】他の例に係る反射防止膜の構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態について図面等を参照して説明する。
【0010】
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態に係る光学系について説明する。図1は、本実施形態に係る光学系1の構成を示す概略断面図である。この光学系1は、例えばカメラなどの撮像装置が備えるレンズ(光学素子)部、またはレンズ鏡筒の内部に構成される結像光学系である。光学系1は、光軸方向に並ぶ、少なくとも2つ以上のレンズを有し、特に本実施形態では、光入射側から順に、接合レンズである第1レンズ2と、反射防止膜を有する第2レンズ3とを備える。
【0011】
第1レンズ2は、光入射側の両凸レンズ4と光出射側の両凹レンズ5との2つのレンズを接合したものである。例えば、両凹レンズ5の寸法を、レンズ外径D=33mm、および中心厚さt=1.6mm(t/D=0.048)とする。この第1レンズ2は、鏡筒6の内部において、エネルギー硬化性樹脂7を介して鏡筒6の内周部に固定されている。これにより、固定時に第1レンズ2に対して負荷される力が非常に小さくなるので、例えば押え環やカシメなどで固定した場合に歪んでしまうようなt/Dの値が0.1以下のレンズでも歪むことなく、良好な結像性能を実現できる。
【0012】
第2レンズ3は、例えば、寸法をD=34mm、およびt=2.1mm(t/D=0.062)とする両凹レンズである。この第2レンズ3は、鏡筒6の内部において、第1レンズ2に隣接しつつ、鏡筒6の内周部に直接固定されている。また、第2レンズ3は、その光線有効面の一部または全面に反射防止膜を備える。特に本実施形態では、第2レンズ3は、その光入射側の凹面3aの全面に、反射防止膜8(図中、破線)を備えるものとする。この反射防止膜8は、例えば、反射防止膜8の形成前の凹面3aに対して、酸化アルミニウムを含有するゾル液をスピンコート法などで塗布し、焼成後に温水浸漬することで形成した微細凹凸構造を有する。このように、ウェット法を用いて形成した反射防止膜8は、フレアやゴーストなどの望まない光の発生を好適に抑えることができる。
【0013】
図2は、反射防止膜8の構成を示す概略断面図である。反射防止膜8は、第2レンズ3の表面上に、上記のようなウェット法を用いて形成した酸化アルミニウムを含有する材料からなる凹凸構造体である。この凹凸構造体は、平均ピッチを400nm以下、平均高さを200nm以上とすることが望ましい。これは、平均ピッチを400nmよりも大きくすると、可視光が回折して、光学系1にとって望まない光が発生してしまい、一方、平均高さを200nm以下とすると、十分な反射防止性能が得られないためである。
【0014】
ここで、本実施形態における平均ピッチと平均高さと定義について説明する。図3は、凹凸構造体を上部(本実施形態では光入射側)から見た平面図である。特に、図3(a)は、凹凸構造体が周期的に配列している場合を示し、一方、図3(b)は、凹凸構造体が非周期的に配列している場合を示す。なお、図3の各図において、凹凸構造体を構成する凹凸部8aの平面形状は、説明のために模式的に丸としている。まず、図3(a)に示すように凹凸構造体が三角格子状に周期的に配列している場合には、平均ピッチは、1つの凹凸部8aと、それに隣接する他の凹凸部8aとの間隔に等しいと定義できる。これに対して、図3(b)に示すように凹凸構造体が非周期的に配列している場合には、例えば、以下のような方法で平均ピッチを定義付けできる。まず、1つの凹凸部8aから近い順に複数(図3(b)では6つ)の凹凸部8aを選定し、基準となる凹凸部8aからのそれぞれの間隔の平均値を算出する。次に、前記複数(6つ)の全ての凹凸部8aについて同様に平均値を算出し、最後に、それらの平均値について再度平均を取ることで、平均ピッチを確定すればよい。なお、本実施形態のように、光学面(第2レンズ3の凹面3a)に形成された全ての凹凸構造について測定することは、実質的に難しい。したがって、光学面の1ヶ所または数カ所について、例えばSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察、測定し、得られた値を平均ピッチとしてもよい。次に、平均高さは、全ての凹凸部8aの高さを、例えばSPM(走査型プローブ顕微鏡)を用いて測定し、その平均値とすることができる。なお、この場合も、光学面の1ヶ所または数カ所について観察、測定し、得られた値を平均高さとしてもよい。
【0015】
次に、第1レンズ2の保持に採用するエネルギー硬化性樹脂7について説明する。本実施形態のエネルギー硬化性樹脂7としては、例えば、エポキシ系の紫外線硬化性樹脂を採用する。なお、紫外線硬化性樹脂とは、紫外線を受光することにより硬化する性質を有する樹脂である。このエポキシ系紫外線硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を30重量%含有し、さらに1重量%のシリカを含有している。ここで、このエポキシ系紫外線硬化性樹脂は、アクリレート・モノマーや、メタクリレート・モノマーを成分として含有していない。したがって、樹脂を第1レンズ2と鏡筒6との隙間に充填したとき、揮発、飛散する成分がほとんどないため、微細凹凸構造を有する反射防止膜8を曇らせるなど、反射防止特性に影響を及ぼすことがなく、耐環境性にも有利である。さらに、エポキシ系紫外線硬化性樹脂は、硬化前の粘度が26Pa・sであるため、ディスペンサー(塗布装置)などを用いて充填する際の作業を容易にするという利点もある。
【0016】
なお、エネルギー硬化性樹脂7としては、上記のようなエポキシ系紫外線硬化性樹脂に限定せず、例えば、エポキシ樹脂を10重量%以上含有するものであれば同様の効果が得られる。また、シリカについても、含有は必須ではないが、硬化後の樹脂の強度を高めるために、0.5重量%以上含有させることが望ましい。特に本実施形態では、上記のとおり、アクリレート・モノマーなどを含有していないことが重要となる。このようにエポキシ系紫外線硬化性樹脂の含有成分の含有量を変更する場合、硬化前の樹脂の粘度が、1Pa・s以上、50Pa・s以下となるようにすることが望ましい。これは、硬化前の樹脂の粘度を1Pa・s以下とすると、所望の場所以外に樹脂が浸透してしまい、第1レンズ2の光線有効面を汚染する可能性があるからである。一方、硬化前の樹脂の粘度を50Pa・s以上とすると、ディスペンサーの吐出部の先端が細い場合、ディスペンサーが樹脂の吐出を安定して行うことができないためである。
【0017】
以上のように、本実施形態の光学系によれば、歪みを発生させることなくレンズを鏡筒内に固定することができるため、結像性能の低下を抑えることができる。さらに、レンズと、それを保持する鏡筒との隙間に、揮発、飛散する成分がほとんどないエネルギー硬化性樹脂を採用するため、反射防止膜に対する影響を抑える耐環境性に優れた光学系とすることができる。
【0018】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る光学系について説明する。本実施形態に係る光学系の特徴は、エネルギー硬化性樹脂として、第1実施形態ではエポキシ系紫外線硬化性樹脂を単体で採用したのに対して、エポキシ系紫外線硬化性樹脂と、アクリル系紫外線硬化性樹脂とを併用する点にある。図4は、本実施形態に係る光学系10の構成を示す概略断面図である。この光学系10も、第1実施形態と同様に、光軸方向に並ぶ、少なくとも2つ以上のレンズを有し、光入射側から順に、2つのレンズの組み合わせである第1レンズ11と、反射防止膜を有する第2レンズ12とを備える。なお、本実施形態の第2レンズ12の形状は、第1実施形態の第2レンズ3と同様に両凹レンズであり、例えば、寸法をD=38mm、およびt=1.7mm(t/D=0.045)とする。また、第2レンズ12に形成される反射防止膜8は、第1実施形態と同様に微細凹凸構造を有する。
【0019】
第1レンズ11は、光入射側の両凸レンズ13と光出射側の両凹レンズ14との2つのレンズを隣接させたものである。例えば、両凹レンズ14の寸法を、レンズ外径D=37mm、および中心厚さt=1.8mm(t/D=0.049)とする。この第1レンズ11は、鏡筒6(第1実施形態と同様)の内部において、2種の樹脂層で構成されるエネルギー硬化性樹脂部15を介して鏡筒6の内周部に固定されている。特に本実施形態では、エネルギー硬化性樹脂部15は、エポキシ系紫外線硬化性樹脂からなる第1層15aと、アクリル系紫外線硬化性樹脂からなる第2層15bとが、第1レンズ11と鏡筒6との隙間で隣り合うように充填される。このとき、第1層15aが配置されるのは、第2レンズ12側であり、第2層15bは、第2レンズ12に形成された反射防止膜からは空間的に封止されている。この場合も、第1実施形態と同様に、固定時に第1レンズ11に対して負荷される力が非常に小さくなるので、押え環などで固定した場合に歪んでしまうようなt/Dの値が0.1以下のレンズでも歪むことなく、良好な結像性能を実現できる。
【0020】
ここで、第1層15aは、エポキシ樹脂を40重量%含有することが望ましい。また、第1層15aは、第1実施形態と同様に、アクリレート・モノマーやメタクリレート・モノマーを成分として含有させない。したがって、本実施形態においても、樹脂を第1レンズ11と鏡筒6との隙間に充填したとき、揮発、飛散する成分がほとんどないため、反射防止膜8を曇らせるなど、反射防止特性に影響を及ぼすことがなく、さらに耐環境性にも有利である。また、この場合のエポキシ系紫外線硬化樹脂は、硬化前の粘度が35Pa・sであるため、ディスペンサーなどを用いて充填する際の作業を容易にする。なお、第1層15aとして、上記のようなエポキシ系紫外線硬化性樹脂に限定せず、例えば、エポキシ樹脂を10重量%以上含有するものであれば同様の効果が得られる。特に本実施形態でも、アクリレート・モノマーなどを含有していないことが重要となる。このようにエポキシ系紫外線硬化性樹脂の含有成分の含有量を変更する場合、硬化前の樹脂の粘度が、1Pa・s以上、50Pa・s以下となるようにすることが望ましい。
【0021】
また、第2層15bは、第1層15aを構成するエポキシ系紫外線硬化樹脂が、硬化後の靭性が低く脆いため、光学系10に衝撃や振動が加わった際に第1レンズ11がずれたり、外れたりしてしまうことを防止する役割を有する。しかしながら、この第2層15bは、アクリレート・モノマーを含有しているため、第1レンズ11と鏡筒6との間に充填した際に、揮発、飛散する可能性がある。そこで、本実施形態では、上記のように、第2層15bを、第1層15aを介して第2レンズ12に形成された反射防止膜からは空間的に封止させているので、揮発成分が反射防止膜に向かって浸入することはない。なお、アクリル系紫外線硬化樹脂は、硬化前の粘度が15Pa・sであるため、ディスペンサーなどを用いて充填する際の作業を容易にする。また、第2層15bとして、アクリル系紫外線硬化性樹脂に代えて、シリコーン系紫外線硬化性樹脂など、靭性が高く、かつ硬化収縮率が小さい他の樹脂を採用しても同様の効果を奏する。
【0022】
このように、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することに加え、耐衝撃性に優れた光学系とすることができる。
【0023】
なお、反射防止膜8の構成およびその形成方法は、ウェット法を用いたものであればよく、具体的な方法については上記実施形態に示す方法に限定しない。このウェット法の他の例として、例えば、蒸着法などで形成した誘電体薄膜の上に、フッ化物微粒子や中空シリカ微粒子などを含有するゾル液を塗布、乾燥し、多孔質で低屈折率の膜を形成するものでもよい。図5は、この場合の反射防止膜20の構造を示す概略断面図である。反射防止膜20は、第2レンズ3(12)の表面上に、蒸着法で形成した誘電体薄膜21が形成してあり、さらに、誘電体薄膜21上に、フッ化物微粒子を含有し、ウェット法を用いて形成した多孔質でn=1.3の低屈折率膜22が形成してある膜である。このように、最上層の膜の屈折率を通常の蒸着法で形成する膜に比べて低くすることでフレネル反射率を低減することができるため、高性能な反射防止膜を実現できる。
【0024】
また、上記実施形態では、光学系を構成する2つのレンズのうち、1つのレンズの鏡筒との固定にエネルギー硬化性樹脂を用いるものとして説明したが、本発明は、これに限定するものではない。例えば、光学系を構成するレンズが多数であれば、反射防止膜を備えたレンズ以外のうち1つ以上のレンズと鏡筒との固定にエネルギー硬化性樹脂を用いられ得る。
【0025】
さらに、上記実施形態では、光学系を結像光学系として、カメラなどの撮像装置に用いるものとして説明したが、本発明の光学系は、例えば望遠鏡や双眼鏡などの観察光学系や走査光学系として、あらゆる光学機器に採用され得る。
【0026】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
【符号の説明】
【0027】
1 光学系
2 第1レンズ
3 第2レンズ
6 鏡筒
7 エネルギー硬化性樹脂
8 反射防止膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つ以上のレンズを有する光学系であって、
前記レンズのうち少なくとも1つは、光線有効面の一部または全面に、ウェット法により形成した反射防止膜を備え、
前記反射防止膜を備えるレンズ以外の前記レンズのうち少なくとも1つは、該レンズと該レンズを保持する鏡筒との隙間に充填されるエネルギー硬化性樹脂を介して固定されることを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記エネルギー硬化性樹脂は、エポキシ系の紫外線硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記エネルギー硬化性樹脂は、エポキシ系の紫外線硬化性樹脂と、アクリル系、またはシリコーン系の紫外線硬化性樹脂とを隣接させることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項4】
前記エポキシ系の紫外線硬化性樹脂は、前記反射防止膜を備えるレンズの側に配置されることを特徴とする請求項3に記載の光学系。
【請求項5】
前記エポキシ系の紫外線硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を10重量%以上含有することを特徴とする請求項2または3に記載の光学系。
【請求項6】
前記エポキシ系の紫外線硬化性樹脂は、シリカを0.5重量%以上含有することを特徴とする請求項2または3に記載の光学系。
【請求項7】
前記エポキシ系の紫外線硬化性樹脂は、硬化前の粘度が、1Pa・s以上、50Pa・s以下であることを特徴とする請求項2または3に記載の光学系。
【請求項8】
前記反射防止膜は、平均ピッチが400nm以下である微細凹凸構造を有することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項9】
前記微細凹凸構造を構成する凹凸構造体は、酸化アルミニウムを含有することを特徴とする請求項8に記載の光学系。
【請求項10】
前記反射防止膜は、フッ化物微粒子、または中空シリカ微粒子を含有することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項11】
前記エネルギー硬化性樹脂を介して保持されるレンズは、少なくとも1つの凹レンズを接合した、または隣接させたレンズであり、
前記凹レンズの外径をD、および中心厚さをtとすると、t/Dの値は、0.1以下であることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項12】
光学系を有する光学機器であって、
前記光学系は、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の光学系であることを特徴とする光学機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−230211(P2012−230211A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97767(P2011−97767)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】