説明

光学素子の製造方法

【課題】切断加工の際のアライメント作業に必要な時間を短縮し、ビーム整形素子等の光学素子を高精度且つ高い生産性で製造するための製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの光学面と側面とを有するガラス成形体を固定治具に固定した状態で切断して光学素子を得る。側面の少なくとも1つは成形転写面を有し、固定治具は複数のガラス成形体の成形転写面を当接するための配列基準面を有する。ガラス成形体の成形転写面を固定治具の配列基準面に当接し、複数のガラス成形体を直線上に配列して固定した状態で切断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体レーザから出力される楕円形状の出力ビームを円形に整形するためのビーム整形素子等の光学素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
DVD等の光情報記録媒体に情報を記録・再生するためのピックアップ装置には、一般に、光源として半導体レーザが用いられている。半導体レーザからの出力ビームは薄い活性層の端面から出射されるため、楕円形の断面を有するビームとなる。このような楕円形のビームを、ビーム整形素子を用いて円形のビームに整形した上で利用することにより、ビームの利用効率を高め、記録や再生の正確度を向上させることが可能となる。特に、青色半導体レーザは出力ビームの強度が不足しがちであることから、青色半導体レーザを光源として用いるピックアップ装置においてはかかるビーム整形素子の重要性が特に高く、注目されている。
【0003】
楕円形のビームを円形のビームに整形するための光学素子であるビーム整形素子として、例えば、ビーム断面の短軸方向に対応する方向のみに曲率を有するシリンドリカル面を備えたビーム整形素子(レンズ)が知られている(例えば、特許文献1を参照)。また、このようなビーム整形素子の製造方法としては、成形金型によってガラス素材を加圧成形するプレス成形法による製造方法が提案されている(例えば、特許文献2、3を参照)。
【0004】
一般にこのようなビーム整形素子は、組み込みの際、光源等に対する高い位置決め精度が要求される。そのため、特許文献2では、ガラス成形体の側面を成形による転写によって形成し、その成形転写面を組み込みの際の位置決め基準面として用いる方法が提案されている。また、特許文献3では、生産性向上の観点から、複数個のビーム整形素子が並んだ成形品を作製し、該成形品を個々のビーム整形素子に切断する方法が提案されている。
【特許文献1】特開2002−208159号公報
【特許文献2】特開2006−301249号公報
【特許文献3】特開2006−298692号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ビーム整形素子の小型化・軽量化の要求が高まり、製造上の制約から、特許文献2で提案されているガラス成形体の成形転写面を組み込みの際の位置決め基準面とする方法を用いることが困難な場合がある。このような場合には、ガラス成形体を所定寸法に切断して小型化した上で、得られた切断面を組み込みの際の位置決め基準面として用いることが行われている。
【0006】
ガラス成形体の切断は、ダイシングブレードを回転させて切断する方式の切断装置(ダイサー)を用いて行うのが一般的である。ダイサーは直線的な切断加工を高精度に行うのに適しているが、切断位置と角度を調節するためのアライメント作業が必要である。アライメント作業は、ガラス成形体の拡大画像を観察しながら作業者が直接行う場合と、画像処理装置等を用いて自動化されている場合とがある。しかし、ビーム整形素子は非常に高い位置決め精度が要求されることから、何れの場合であってもこのアライメント作業には多くの時間が必要であり、多数のビーム整形素子を製造する際の生産性を阻害する大きな要因となっていた。
【0007】
このことは、特許文献3で提案されている複数個のビーム整形素子が並んだ成形品を個々のビーム整形素子に切断する場合についても同様であり、切断のためのアライメント作業に必要な時間をいかに短縮するかが大きな課題となっていた。
【0008】
本発明は上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、切断加工の際のアライメント作業に必要な時間を短縮し、ビーム整形素子等の光学素子を高精度且つ高い生産性で製造するための製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
【0010】
1. 少なくとも1つの光学面と側面とを有するガラス成形体を固定治具に固定した状態で切断して光学素子を得るための光学素子の製造方法において、前記側面の少なくとも1つは成形転写面を有し、前記固定治具は複数の前記ガラス成形体の前記成形転写面を当接するための配列基準面を有し、前記成形転写面を前記配列基準面に当接し、複数の前記ガラス成形体を直線上に配列して固定した状態で切断する切断工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
【0011】
2. 前記固定治具は複数の前記配列基準面を有し、前記切断工程は、複数の前記ガラス成形体を互いに平行な複数列の直線上に配列して固定した状態で、互いに平行な複数の切断ライン上を切断する工程であることを特徴とする前記1に記載の光学素子の製造方法。
【0012】
3. 前記固定治具は、対向する2つの配列基準面を有する配列部材を備えていることを特徴とする前記2に記載の光学素子の製造方法。
【0013】
4. 対応する前記配列基準面の間隔がそれぞれ略同一である複数の前記固定治具を用いて、前記切断工程における切断ラインの間隔を、複数の前記固定治具の何れを用いる場合であっても同一の設定として切断することを特徴とする前記2又は3に記載の光学素子の製造方法。
【0014】
5. 前記光学面の少なくとも1つはシリンドリカル面であることを特徴とする前記1乃至4の何れか1項に記載の光学素子の製造方法。
【0015】
6. 前記光学素子は、半導体レーザから出力される楕円形状の出力ビームを円形に整形するためのビーム整形素子であることを特徴とする前記1乃至5の何れか1項に記載の光学素子の製造方法。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、1回のアライメント作業で多数のガラス成形体の切断加工を行うことができる。その結果、光学素子1個当たりに必要なアライメント作業時間が短縮され、ビーム整形素子等の光学素子を高精度且つ高い生産性で製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
(ガラス成形体と光学素子)
本発明は、半導体レーザから出力される楕円形状の出力ビームを円形に整形するためのビーム整形素子の製造に特に好適に用いられる。しかし、本発明が対象とする光学素子はこれに限定されるものではなく、各種のレンズ、ミラー等、少なくとも1つの光学面を有する光学素子の製造に適用することができる。
【0019】
図5は本発明で用いるガラス成形体10を、図6はガラス成形体10を切断して製造したビーム整形素子20を示している。
【0020】
ガラス成形体10は、光学面11c(面CDEedc)を含む成形面11、光学面12c(面JKLlkj)を含む成形面12、及び側面13、14、15、16を有している。光学面11cはシリンドリカル面であり、光軸(図5のz方向)に垂直な面内において、所定方向(図5のy方向。以下、母線方向ともいう。)には曲率を有さず、それに垂直な方向(図5のx方向。以下、子線方向ともいう。)のみに曲率を有している。光学面12cも同様のシリンドリカル面である。光学面11cと光学面12cの母線方向は互いに平行となっている。
【0021】
ここでは、対向する2つの光学面11c、12cがいずれもシリンドリカル面である場合を例にとって説明するが、本発明が対象とするガラス成形体(ビーム整形素子)はこれに限られるものではない。例えば、一方の光学面がシリンドリカル面で他方の面が平面又は球面のガラス成形体や、一方の光学面がシリンドリカル面で他方の面が母線方向にも曲率を有し母線方向と子線方向の曲率が異なるトロイダル面を有するガラス成形体等にも適用することができる。シリンドリカル面は、母線方向に垂直な面と交わる線(CDE、JKL等)が円弧状でも良いし、非球面成分を有するものであっても良い。
【0022】
ガラス成形体10の大きさに特に制限はなく、用途に応じて種々の大きさのものを用いることができる。一般的には、シリンドリカル面の母線方向の長さが1mm〜20mm、子線方向の長さが1mm〜20mm、光軸方向の厚みが0.5mm〜10mm程度の大きさのものが用いられる場合が多い。
【0023】
ビーム整形素子20は、ガラス成形体10を面BbmMと面FfiIとで切断して両端部を除去することによって製造される。このとき、切断面17(面BbmM)と18(面FfiI)の少なくとも一方は、光学面11c、12cの子線方向に垂直で光学面11c、12cから所定の距離に形成する。従って、切断面17、18の少なくとも一方を組み込みの際の位置決め基準面として用いることができる。位置決め基準面として用いる切断面は、光学面からの距離のバラツキが小さい方が好ましく、通常は、50μm以下であることが好ましい。
【0024】
ガラス成形体10の、切断面17、18に平行な2つの側面15、16は成形転写面である。成形転写面は成形金型面の転写によって形成されるため、光学面からの距離のバラツキが非常に少ない。本発明においては、この成形転写面を後述する固定治具の配列基準面に当接し複数のガラス成形体を直線上に配列して切断を行うため、1回の切断作業で多数のガラス成形体を高精度に切断することができる。
【0025】
図7は本発明で用いるガラス成形体の別の例を示す図であり、シリンドリカル面の母線方向に垂直な断面を示している。図7(a)に示すガラス成形体10aと図7(b)に示すガラス成形体10bは、いずれも図5に示したガラス成形体10と同様に対向する2つのシリンドリカル面を有しているが、成形転写面の範囲が異なっている。ガラス成形体10aの側面16aは、厚み方向の中央部のみに成形転写面17aが存在し、両端部には成形金型と接触せずに形成された部分18aを有している。また、ガラス成形体10bの側面16bは、成形転写面17bの他、成形金型と接触せずに外側にはみ出た部分18bを有している。このように、本発明で用いるガラス成形体は、側面の少なくとも一部に成形転写面を有していれば良く、側面に成形金型と接触せずに形成された部分が含まれていても良い。また、ガラス成形体の全ての側面が成形転写面を有している必要はなく、少なくとも1つの側面が成形転写面を有していればよい。
【0026】
ガラス成形体は、成形金型によってガラス素材を加圧成形するプレス成形法によって作製する。プレス成形の方法や成形条件に特に制限はなく、ガラス製光学素子のプレス成形法として公知の方法を用いることができる。例えば、(1)予め所定質量及び形状を有する成形用ガラス素材を作製し、該成形用ガラス素材を上下の成形型とともにガラスが変形可能な温度まで加熱した後、成形用ガラス素材を上下の成形型にて加圧成形して光学面の転写されたガラス成形体を得る方法や、(2)予め上下の成形型を所定温度に加熱しておき、下型の表面に溶融ガラスを供給して、供給されたガラス素材が未だ変形可能な温度にある間に上下の成形型にて加圧成形して光学面の転写されたガラス成形体を得る方法等を用いることができる。
【0027】
図8はガラス成形体10を成形するための成形金型の一例を示す断面図である。図8に示す成形金型30は、ガラス成形体10の成形面12を形成するための成形面34を有する上型31と、ガラス成形体10の成形面11を形成するための成形面35を有する下型32と、ガラス成形体の側面15、16を形成するための成形面36を有する側面部材33とを備えている。
【0028】
供給されたガラス素材を成形金型30でプレス成形することで、光学面11cを含む成形面11、光学面12cを含む成形面12、及び側面15、16が転写によって形成されたガラス成形体10を得ることができる。この際、上型31及び下型32と、側面部材33との嵌め合い部の寸法を適宜設定することで、ガラス成形体10の側面15、16に形成される成形転写面を光学面から所定の距離とすることができる。この距離は、多数のガラス成形体を作製する際におけるバラツキも非常に小さく抑えることができるため、この成形転写面を直線上に配列した状態で固定し、複数のガラス成形体をまとめて切断することで、1回の切断作業で多数のガラス成形体を高精度に切断することができる。
【0029】
使用できるガラスの種類に特に制限はなく、ガラス製光学素子に用いられる公知のガラスを適宜選択して用いることができる。例えば、リン酸系ガラス、ランタン系ガラスなどが挙げられる。
【0030】
(切断工程)
次に、本発明における切断工程について説明する。本発明における切断工程は、ガラス成形体の成形転写面を固定治具の配列基準面に当接し、複数のガラス成形体を直線上に配列して固定した状態で切断する工程である
(固定治具)
図1、図2は、本発明で用いる固定治具の一例を示す図である。図1は複数のガラス成形体10が固定された固定治具40をガラス成形体10の成形面11側から見た図であり、図2はそのA−A’断面図である。固定治具40は本体44に形成された配列基準面41を有している。バネ43により付勢された押圧板42でガラス成形体10を配列基準面41に押し付け、成形転写面である側面16を配列基準面41に当接してガラス成形体10を直線上に配列させた状態で、ガラス成形体10の成形面12を固定治具40の本体41に固定する。
【0031】
固定治具40にガラス成形体10を固定するための方法に特に制限はなく、公知の方法を適宜用いることができる。例えば、ホットメルト型接着剤等の各種接着剤や粘着剤を用いて固定する方法や、ダイシングテープ等の粘着テープを用いて固定する方法が挙げられる。
【0032】
図2に示した固定治具40の配列基準面41は平面であるが、本発明において配列基準面41の形状はこれに限定されるものではなく、成形転写面を当接してガラス成形体10を直線上に配列させることができる形状であれば良い。例えば、テーパーや曲面を有する形状であっても良い。また、固定治具の材質や大きさに特に制限はない。
【0033】
固定されたガラス成形体10は、アライメント作業後に切断ライン46に沿って直線的に切断される。固定治具40の本体44には、切断ライン46に沿った逃げ溝45が設けられている。逃げ溝45は、切断の際にダイシングブレードが本体44に接触しないような深さ及び幅に形成しておく。このような逃げ溝45を設けておくことで、切断時にダイシングブレードに余計な負荷がかかることを防止でき、ガラス成形体10を更に高精度に切断することが可能となる。
【0034】
(アライメント)
固定治具40にガラス成形体10を固定した後、切断ラインの位置及び角度を調節するアライメント作業を行う。
【0035】
先ず、ガラス成形体10が固定された固定治具40を、移動、回転が可能な切断ステージに固定する。固定方法は、真空吸着による方法、粘着テープや接着剤を用いる方法、ピエゾ素子等を用いた冷凍固定による方法など、公知の方法を適宜用いればよい。その後、切断装置の切断ラインがガラス成形体の切断ライン46とほぼ一致するように切断ステージを移動、回転させて固定治具40の位置及び角度を調節する。本発明においては、複数のガラス成形体が直線上に配列しているため、ガラス成形体1つずつについてアライメントを行う必要がなく、一度のアライメントでまとめて切断を行うことができる。
【0036】
固定治具40の位置及び角度の調節は、拡大撮影された画像を基に行う。作業者が画像を見ながら切断ステージを操作する手動式の調節でも良いし、撮影画像の処理と切断ステージ制御をコンピュータによって行う自動調節方式であっても良い。
【0037】
(切断)
切断装置の種類に制限はないが、直線的な切断加工を高精度に行うことが容易なダイシングブレードを用いた切断装置(ダイサー)を用いることが好ましい。ダイシングブレードの種類にも特に制限はなく、GC砥石、ダイヤモンドブレード、メタルソーなど公知のダイシングブレードを適宜選択して用いればよい。
【0038】
図3、図4は、本発明で用いる固定治具の別の例を示す図である。図3は複数のガラス成形体10bが固定された固定治具50をガラス成形体10bの成形面11側から見た図であり、図4はそのB−B’断面図である。固定治具50は本体54、押圧板52、バネ53を有し、本体54には逃げ溝55が設けられている。また、固定治具50は、対向する2つの配列基準面51を有する配列部材58を有している。
【0039】
固定治具50の2つの配列基準面51にガラス成形体10bの成形転写面17bを当接してガラス成形体を互いに平行な2本の直線上に配列した状態で固定する。ガラス成形体10bの1列につき2本ずつの切断ライン56があり、2列のガラス成形体10bで合計4本の切断ライン56がある。このうち、同じ列のガラス成形体10bの2本の切断ラインの間隔L1は作製しようとするビーム整形素子の寸法であるため既知である。また、予め2つの配列基準面51の間隔L3を測定しておけば、異なる列のガラス成形体の切断ラインの間隔L2を求めることができる。従って、アライメント工程においていずれか1つの切断ラインを基準にして固定治具の位置及び角度を調節し、所定の間隔(L1、L2)で互いに平行に切断を行うことで、各列毎にアライメントを行うことなく、複数列に配列された多数のガラス成形体10bを高精度に切断することができる。
【0040】
ここで、固定治具50の2つの配列基準面51は、配列部材58の対向する2つの面である。このように、対向する2つの配列基準面51を有する配列部材58を用いることで、配列されたガラス成形体10bの成形転写面17bが互いに平行になるような複数の配列基準面51を有する固定治具50を容易に作製することができる。
【0041】
また、多数のガラス成形体10bを切断する際、更に効率良く加工を行うためにこのような固定治具50を複数準備して順に使用こともできる。この場合の固定治具50は、配列基準面51の間隔L3を略同一に形成しておくことが好ましい。配列基準面51の間隔L3を略同一とすることで、固定治具を取り替える毎に切断ラインの間隔の設定を変更することなく、複数準備した固定治具の何れを用いる場合であっても切断ラインの間隔は同一の設定のまま切断を行うことができる。従って、固定治具の取り替えに必要な時間が短縮されると共に、設定変更のミスによる不良品の発生を防止でき、ビーム整形素子等の光学素子を更に高い生産性で製造することが可能となる。なお、この場合の略同一とは、製造する光学素子の仕様上、位置決め基準面として用いる切断面と光学面との距離のバラツキとして許容できる範囲であれば良く、通常は50μm程度以下であることが好ましい。
【0042】
更に、配列基準面を3つ以上有する固定治具を用いることも好ましい。この場合、1つの固定治具の配列基準面の間隔が全て等しい必要はなく、異なっていても良い。上述のように固定治具を複数準備する場合には、対応する位置の配列基準面の間隔が全ての固定治具で等しいことが好ましい。例えば、x番目の固定治具のy本目とz本目の配列基準面の間隔をLxyzと書くとすると、L112(1番目の固定治具の1本目と2本目の配列基準面の間隔)とL212とL312、L123とL223とL323とはそれぞれ等しいことが好ましい。しかし、L112とL123とが異なっていても、固定治具を取り替える際に切断ラインの間隔の設定を変更する必要はなく問題とはならない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】複数のガラス成形体10が固定された固定治具40をガラス成形体10の成形面11側から見た図である。
【図2】複数のガラス成形体10が固定された固定治具40のA−A’断面図である。
【図3】複数のガラス成形体10bが固定された固定治具50をガラス成形体10bの成形面11側から見た図である。
【図4】複数のガラス成形体10bが固定された固定治具50のB−B’断面図である。
【図5】本発明で用いるガラス成形体10を示す図である。
【図6】ガラス成形体10を切断して製造したビーム整形素子20を示す図である。
【図7】本発明で用いるガラス成形体の別の例を示す図である。
【図8】ガラス成形体10を成形するための成形金型の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0044】
10、10a、10b ガラス成形体
11c、12c 光学面(シリンドリカル面)
13、14、15、16、16a、16b 側面
17a、17b 成形転写面
30 成形金型
40、50 固定治具
41、51 配列基準面
45、55 逃げ溝
46、56 切断ライン
58 配列部材
L3 配列基準面の間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの光学面と側面とを有するガラス成形体を固定治具に固定した状態で切断して光学素子を得るための光学素子の製造方法において、
前記側面の少なくとも1つは成形転写面を有し、
前記固定治具は複数の前記ガラス成形体の前記成形転写面を当接するための配列基準面を有し、
前記成形転写面を前記配列基準面に当接し、複数の前記ガラス成形体を直線上に配列して固定した状態で切断する切断工程を有することを特徴とする光学素子の製造方法。
【請求項2】
前記固定治具は複数の前記配列基準面を有し、
前記切断工程は、複数の前記ガラス成形体を互いに平行な複数列の直線上に配列して固定した状態で、互いに平行な複数の切断ライン上を切断する工程であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
【請求項3】
前記固定治具は、対向する2つの配列基準面を有する配列部材を備えていることを特徴とする請求項2に記載の光学素子の製造方法。
【請求項4】
対応する前記配列基準面の間隔がそれぞれ略同一である複数の前記固定治具を用いて、前記切断工程における切断ラインの間隔を、複数の前記固定治具の何れを用いる場合であっても同一の設定として切断することを特徴とする請求項2又は3に記載の光学素子の製造方法。
【請求項5】
前記光学面の少なくとも1つはシリンドリカル面であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の光学素子の製造方法。
【請求項6】
前記光学素子は、半導体レーザから出力される楕円形状の出力ビームを円形に整形するためのビーム整形素子であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の光学素子の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2008−216419(P2008−216419A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−51200(P2007−51200)
【出願日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願人】(303000408)コニカミノルタオプト株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】