説明

光学防振装置および光学機器

【課題】光学防振装置において、防振用光学素子の倒れ調整を容易に行えるようにする。
【解決手段】光学防振装置3は、ベース部材301と、防振用素子L3を保持し、ベース部材に対して光軸方向に直交するシフト方向に移動可能なシフト部材313と、ベース部材とシフト部材との間に配置され、該シフト部材のシフト方向への移動に伴ってベース部材およびシフト部材に対して転動する3つ以上のボール304とを有する。ベース部材は、該3つ以上のボールのうち少なくとも2つのボールが転動可能に当接するボール受け部材309を光軸方向に移動可能に保持するとともに、該ボール受け部材を光軸方向に移動させる調整部材310を備えている。そして、調整部材は、ボール受け部材の光軸方向での位置を決めるカム面を有し、光軸方向に直交する方向に延びる軸回りで回転可能なカム部材である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラおよび交換レンズ等の光学機器に搭載される光学防振装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学防振装置は、光学機器に加わった手振れ等の振動による像振れを低減するために、撮影光学系の一部を構成するレンズや撮影光学系により形成された被写体像を光電変換する撮像素子といった防振用素子を光軸方向に直交するシフト方向に移動させる。
【0003】
このような光学防振装置において、防振用素子が、撮影光学系の基準となる光軸に対して倒れを有すると、光学機器の光学性能が低下する。
【0004】
特許文献1には、レンズを保持する可動保持部材とベース部材との間の3箇所に可動保持部材をシフト方向にガイドするボールを配置した、いわゆるボールガイド式光学防振装置が開示されている。この光学防振装置では、3つのボールのうち少なくとも2つのボールの光軸方向での位置を変化させることで、可動保持部材(つまりはレンズ)のベース部材に対する倒れを低減させる。具体的には、光軸方向にてボールに当接するボール受け面を有するネジ部材をベース部材に螺合させている。そして、ネジ部材を光軸方向に延びる軸回りで回転させることで、ボールをボール受け面とともにベース部材に対して光軸方向に移動させ、可動保持部材(レンズ)の倒れを低減するように調整を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−085771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1にて開示された光学防振装置では、ネジ部材の回転操作量を大きくしすぎると、該ネジ部材がベース部材から脱落する可能性がある。
【0007】
また、ネジ部材の回転操作は光軸方向から行われる。このため、この光学防振装置を、撮影光学系を構成する他のレンズ等の光学素子とともにレンズ鏡筒内に組み込んだ状態でその光軸方向前後に光学素子が存在すると、ネジ部材の回転操作(可動保持部材の倒れ調整)を行うことが困難になる。
【0008】
本発明は、ボールガイド式光学防振装置において、防振用光学素子の倒れ調整を、部材の脱落を生じることなく、かつ容易に行えるようにした光学防振装置およびこれを備えた光学機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面としての光学防振装置は、ベース部材と、防振用素子を保持し、ベース部材に対して光軸方向に直交するシフト方向に移動可能なシフト部材と、ベース部材とシフト部材との間に配置され、該シフト部材のシフト方向への移動に伴ってベース部材およびシフト部材に対して転動する3つ以上のボールとを有する。ベース部材は、該3つ以上のボールのうち少なくとも2つのボールがそれぞれ転動可能に当接する少なくとも2つのボール受け部材を光軸方向に移動可能に保持するとともに、該ボール受け部材を光軸方向に移動させる調整部材を備えている。そして、調整部材は、ボール受け部材の光軸方向での位置を決めるカム面を有し、光軸方向に直交する方向に延びる軸回りで回転可能なカム部材であることを特徴とする。
【0010】
なお、上記光学防振装置を備えた光学機器も、本発明の他の一側面を構成する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、調整部材としてのカム部材はベース部材により定位置に保持された軸回りで回転し、またボール受け部材は光軸方向においてカム部材のカム面の位置が変化する範囲でのみ移動するに過ぎない。このため、特別な脱落防止機構を設けることなく、カム部材の回転操作のしすぎによるカム部材自体やボール受け部材のベース部材からの脱落が生じない。しかも、カム部材の回転中心となる軸が光軸に直交する方向に延びているので、光学防振装置を光学機器のレンズ鏡筒に組み込んだ状態にて該レンズ鏡筒の外側からカム部材の回転操作を行うことができる。したがって、防振用光学素子の倒れ調整を、部材の脱落を生じることなく、かつ容易に行える光学防振装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例である光学防振装置の分解斜視図。
【図2】実施例の光学防振装置を備えた撮像装置の外観図。
【図3】実施例の光学防振装置を含むレンズ鏡筒の分解斜視図。
【図4】図3に示したレンズ鏡筒の断面図。
【図5】実施例の光学防振装置(基準状態)の部分拡大断面図。
【図6】実施例の光学防振装置(最大リフト状態)の部分拡大断面図。
【図7】実施例の光学防振装置(最小リフト状態)の部分拡大断面図。
【図8】実施例におけるボールの中心移動範囲とボール受け部材の厚さとの関係を示す図。
【図9】図8に対する比較例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0014】
図2には、本発明の実施例であるビデオカメラやデジタルカメラ等の撮像装置(以下、カメラという)の外観を示している。図2において、Lはズーミングが可能なレンズ鏡筒であり、Bはカメラ本体を示す。カメラ本体B内には、レンズ鏡筒L内の撮影光学系により形成された被写体像を光電変換する撮像素子(CCDセンサ又はCMOSセンサ)が収納されている。
【0015】
図3および図4には、図2に示したレンズ鏡筒Lの構成を示している。撮影光学系は、物体側(各図の左側)から順に、凸凹凸凸の4つのレンズ群により構成された変倍光学系(ズームレンズ系)である。
【0016】
これらの図において、L1は第1レンズ群、L2は光軸方向に移動することにより変倍を行う第2レンズ群である。L3は防振用素子としての第3レンズ群である。第3レンズ群L3は、光軸AXL(図4参照)が延びる光軸方向に直交する面(以下、光軸直交面という)内において互いに直交する2方向(以下、シフト方向という)に移動して像振れを低減する防振作用を有する。L4は光軸方向に移動して焦点調節を行う第4レンズ群である。601は上述した撮像素子(光電変換素子)である。
【0017】
7は撮影光学系を通して撮像素子601に入射する光量を変化させる光量調節ユニットであり、2枚の絞り羽根702,703を開閉方向に移動させて絞り開口径を変化させる。また、光量調節ユニット7には、NDフィルタ706が、絞り羽根702,703とは独立して光路に対して進退可能に設けられている。
【0018】
401,402,403はそれぞれ、第4レンズ群L4を光軸方向に移動させるフォーカスモータ(ボイスコイルモータ)を構成するコイル、ドライブマグネットおよび磁束を閉じるためのヨーク部材である。コイル401に電流を流すと、マグネット402とコイル401との間に作用するローレンツ力が推力となって、コイル401と第4レンズ群L4を保持するフォーカス移動枠4が、ガイドバー10,11によりガイドされながら光軸方向に移動する。
【0019】
フォーカス移動枠4は、光軸方向に多極着磁された不図示のセンサマグネットを保持しており、後部鏡筒5におけるセンサマグネットに対向した位置には、センサマグネットの移動に伴う磁力線の変化を読み取るMRセンサ404がビスにより固定されている。MRセンサ404からの信号を用いることで、フォーカス移動枠4、つまりは第4レンズ群L4の所定の基準位置からの移動量を検出することができる。
【0020】
201は第2レンズユニットL2を光軸方向に移動させるステッピングモータである。ステッピングモータ201の出力軸には、リードスクリュー202が形成されている。ステッピングモータ201は、支持部材210を介して固定鏡筒5にビスにより固定される。リードスクリュー202には、バリエータ移動枠2に取り付けられたラック203が噛み合っている。このため、ステッピングモータ201に通電されてリードスクリュー202が回転すると、第2レンズユニットL2が、ガイドバー8,9によりガイドされながら光軸方向に移動する。
【0021】
ラック203、バリエータ移動枠2、ガイドバー8,9およびリードスクリュー202は、ねじりコイルバネ204の付勢力によって互いのガタつきが阻止されている。
【0022】
205はバリエータ移動枠2の基準位置を検出するためのズームリセットスイッチであり、バリエータ移動枠2に形成された遮光部206の光軸方向への移動による遮光状態と透光状態の切り換わりを検出するフォトインタラプタにより構成されている。
【0023】
3は第3レンズ群L3をシフト方向に移動させる防振動作を行う光学防振装置としてのシフトユニットである。以下、シフトユニット3を分解して示した図1を併せ用いて、シフトユニット3の構成について説明する。
【0024】
301,302はそれぞれ、ベース部材としての第1の地板および第2の地板であり、光軸方向において互いに結合される。313は第1の地板301および第2の地板302の間に配置されたシフト部材としてのシフト枠であり、第3レンズ群L3を保持する。
【0025】
シフト枠313は、第3レンズ群L3の光軸回りにおける互いに90度異なる位相に2つのコイル308を保持している。また、第1の地板301は、2つのコイル308に光軸方向にて対向する位置(互いに90度異なる位相)に2つのベースマグネット303を保持している。
【0026】
各コイル308に電流を流すと、該コイル308とこれに対向するベースマグネット303との間に作用するローレンツ力が推力となって、該コイル308とともにシフト枠313がシフト方向に移動する。互いに90度位相が異なる2組のコイル308とベースマグネット303が設けられているため、シフト枠313を互いに直交する2つのシフト方向に移動させることができる。これらコイル308とベースマグネット303によりシフトアクチュエータが構成される。
【0027】
また、シフト枠313における周方向3箇所には、ボール受け面が形成されている。図1では、これら3箇所のボール受け面のうち2つのみを、符号313a,313bを付して示している。
【0028】
一方、第1の地板301は、上記ボール受け面313a,313bに光軸方向にて対向する位置に、ボール受け部材309を光軸方向に移動可能に保持している。また、第1の地板301における図示していないボール受け面に光軸方向にて対向する位置には、ボール受け面が形成されている。
【0029】
そして、シフト枠313側の3つのボール受け面と、第1の地板301側の2つのボール受け部材309および1つのボール受け面(以下、基準ボール受け面という)との間には、3つのボール304が配置されている。ボール受け部材309においてボール304が転動可能に当接する面も、以下、ボール受け面という。各ボール304は、これに当接するボール受け面に対してシフト方向に転動可能である。このため、シフト枠313が第1の地板301に対してシフト方向に移動するのに伴い、各ボール304は、それが当接するボール受け面に対して転動しながらシフト枠313をシフト方向にガイドする。
【0030】
各ボール304は、2つのコイル308と2つのベースマグネット303との間に作用する光軸方向での吸引力によって、シフト枠313側のボール受け面と第1の地板301側のボール受け面との間に挟み込まれる。これにより、シフト枠313の第1の地板301に対する光軸方向での位置が決められる。
【0031】
さらに、第1の地板301側の2つのボール受け部材309の光軸方向での位置を変化させることにより、光軸AXLに対するシフト枠313(つまりは第3レンズ群L3)の倒れを低減するように、倒れ調整を行うことができる。シフト枠313の傾きは、上述した基準ボール受け面に当接しているボール304とシフト枠313のボール受け面との当接位置を支点として変化する。
【0032】
図5、図6および図7には、第1の地板301に備えられた、ボール受け部材309の光軸方向での位置を変化させるための構造を示している。301aはボール受け部材309を光軸方向に移動可能に保持および案内するための貫通穴部である。310は調整部材としての偏心カム(カム部材)である。
【0033】
偏心カム310は、ボール受け部材309におけるボール受け面とは反対側の面に当接してボール受け部材309の光軸方向での位置を決める円筒形状のカム面(外周面)を有する。そして、偏心カム310は、そのカム面の中心に対して偏心した軸回りで回転可能となるように、該偏心軸の位置にてビスにより第1の地板301に取り付けられている。
【0034】
偏心カム310を偏心軸回りで回転させると、偏心カム310のカム面のうちボール受け部材309に当接する部分の光軸方向での位置が変化する。これにより、ボール受け部材309の光軸方向の位置を変化させることができ、該ボール受け部材309に当接しているボール304を介してシフト枠313の第1の地板301(つまりは光軸AXL)に対する倒れ調整を行うことができる。
【0035】
図5には、ボール受け部材309の光軸方向での位置を基準位置に設定した状態(基準状態)を示している。このとき、シフト枠313の第1の地板301に対する倒れは最小となる。図6は、図5の状態から偏心カム310を90度時計回り方向に回転させて、ボール受け部材309を第1の地板301に対して最も光軸方向(第2の地板302側)に押し出した状態(最大リフト状態)を示している。このとき、シフト枠313の第1の地板301に対する第2の地板302側への倒れが最大となる。
【0036】
一方、図7は、図5の状態から偏心カム310を90度反時計回り方向に回転させて、ボール受け部材309を第1の地板301に対して最も光軸方向(第2の地板302とは反対側)に引っ込めた状態(最小リフト状態)を示している。このとき、シフト枠313の第1の地板301側への倒れが最大となる。
【0037】
このようにして、2つの偏心カム310を回転操作して2つのボール受け部材309の光軸方向での位置を変化させることで、光軸直交面内において互い直交する2軸回りでのシフト枠313(第3レンズ群L3)の倒れ調整を行うことができる。
【0038】
偏心カム310は、その偏心軸がシフトユニット3の径方向(光軸方向に直交する方向)に延び、該シフトユニット3の径方向外側から回転操作できるように第1の地板301に取り付けられている。このため、シフトユニット3をレンズ鏡筒Lに組み込んだ状態にて、レンズ鏡筒Lの外周壁に形成した穴や開口を通して、その径方向外側から不図示の工具を用いて偏心カム310を回転操作することができる。したがって、撮影光学系を含むレンズ鏡筒Lの組み立てが完了した状態でシフトユニット3の光軸方向前後にレンズ群L1,L2,L4や光量調節ユニット7が存在していても、容易に偏心カム310を回転操作してシフト枠313の倒れ調整を行うことができる。
【0039】
また、偏心カム310をいくら回転させても、偏心カム310やそのカム面との当接部分の光軸方向での位置が変化する範囲でのみ移動するに過ぎないボール受け部材309が、第1の地板301から脱落することはない。したがって、偏心カム310やボール受け部材309の脱落を気にすることなく倒れ調整を行うことができる。
【0040】
次に図8および図9を用いて、ボール304の中心移動範囲とボール受け部材309の厚さとの関係について説明する。ここにいうボール304の中心移動範囲とは、第1の地板301に対するシフト枠313のシフト方向への移動に伴ってボール304がこれに当接するボール受け面に対して転動するときに該ボール304の中心が移動する最大の範囲である。中心移動範囲は、光軸方向視では、ボール受け面の中央を中心とした円形の範囲となる。以下の説明において、このボール304の中心移動範囲の幅(径)をAで表す。一方、ボール受け部材309の厚さとは、光軸方向におけるボール受け部材309のボール受け面と偏心カム310に当接する面との間の厚さである。
【0041】
ボール受け部材309は、前述したコイル308とベースマグネット303間に作用する吸引力によって偏心カム310のカム面に対して押圧されている。
【0042】
図9には、ボール304の中心移動範囲の幅Aに比べて、ボール受け部材309の厚さBが薄く(A>>B)設定されている比較例を示している。この比較例において、図9の右側に示すように、偏心カム310の中心からシフト方向にずれた位置に移動したボール304が、ボール受け部材309を光軸方向に対してθ1の角度で押圧する場合を考える。
【0043】
この場合、BがAよりも薄く設定されていると、ボール受け部材309は、光軸直交面に対して角度θ1とほぼ同じ角度θ2だけ傾く。このため、ボール304の光軸方向での位置が、図9の左側の図に示すようにボール受け部材309が傾いていない状態に比べて大きく変化し、該ボール304に当接するシフト枠313の倒れが大きくなる。つまり、シフト枠313のシフト方向への移動量が大きくなると、光学性能が低下するおそれが生ずる。
【0044】
これに対して、図8には、ボール304の中心移動範囲の幅Aに比べて、ボール受け部材309の厚さBが同じか又はそれ以上厚く(A≦B)設定されている本実施例を示している。この場合も、図8の右側の図に示すように、偏心カム310の中心からシフト方向にずれた位置に移動したボール304が、ボール受け部材309を光軸方向に対してθ1′の角度で押圧する場合を考える。θ1′はθ1とほぼ同じ角度である。
【0045】
しかし、BがA以上に設定されていると、ボール受け部材309は、光軸直交面に対して角度θ1′よりもかなり小さいθ2′だけしか傾かない。このため、ボール304の光軸方向での位置が、図8の左側の図に示すようにボール受け部材309が傾いていない状態に比べてほとんど変化しない。つまり、シフト枠313のシフト方向への移動量が大きくなっても、光学性能が低下するおそれはない。
【0046】
したがって、ボール受け部材309の厚さBは、ボール304の中心移動範囲の幅A以上(A≦B)となるように設定することが望ましい。より望ましくは、ボール304の中心移動範囲の幅Aより厚く(A<B)なるように設定するとよい。
【0047】
本実施例では、シフト枠313を第1の地板301に対して3つのボールによって支持する場合について説明したが、ボールは4つ以上設けてもよい。また、本実施例では、光軸方向に移動可能なボール受け部材を第1の地板301の2箇所に設ける場合について説明したが、ボール受け部材の数は3つ以上であってもよい。すなわち、少なくとも2つのボールに対してボール受け部材を設ければよい。
【0048】
また、本実施例では、カム部材が、円筒形状のカム面を有する偏心カムである場合について説明したが、他の形状のカム面を有するカム部材を用いてもよい。
【0049】
さらに、上記実施例では、レンズをシフト方向に移動させることで防振動作を行う光学防振装置について説明した。しかし、本発明は、被写体像を光電変換する撮像素子を防振用素子として用い、これをシフト方向に移動させることで防振動作を行う光学防振装置にも適用することができる。
【0050】
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0051】
良好な光学性能を得るための調整が容易な光学防振装置を備えたビデオカメラやデジタルカメラ等の光学機器を提供できる。
【符号の説明】
【0052】
301,302 地板
304 ボール
309 ボール受け部材
310 偏心カム
313 シフト枠
L3 第3レンズ群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部材と、
防振用素子を保持し、前記ベース部材に対して光軸方向に直交するシフト方向に移動可能なシフト部材と、
前記ベース部材と前記シフト部材との間に配置され、該シフト部材の前記シフト方向への移動に伴って前記ベース部材および前記シフト部材に対して転動する3つ以上のボールとを有し、
前記ベース部材は、前記3つ以上のボールのうち少なくとも2つのボールがそれぞれ転動可能に当接する少なくとも2つのボール受け部材を前記光軸方向に移動可能に保持するとともに、該ボール受け部材を前記光軸方向に移動させる調整部材を備えており、
前記調整部材は、前記ボール受け部材の前記光軸方向での位置を決めるカム面を有し、前記光軸方向に直交する方向に延びる軸回りで回転可能なカム部材であることを特徴とする光学防振装置。
【請求項2】
前記ボール受け部材に当接する前記ボールが転動することによる該ボールの中心の移動範囲をAとし、前記ボール受け部材の前記光軸方向での厚さをBとするとき、
A≦B
であることを特徴とする請求項1に記載の光学防振装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光学防振装置を備えたことを特徴とする光学機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−64812(P2013−64812A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202572(P2011−202572)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】