説明

光床システム、光床用セット及び光床工法

【課題】 ガラス床全面にわたって均一な明るさに面発光して明るさにグラデーションが生ぜず、支持枠の格子型模様がシャープな輪郭で浮き出る装飾性に優れた光床を施工現場で簡単に組立てることができ、かつメンテナンス容易な光床システムを提供する。
【解決手段】(a)建築物の床面に縦方向及び横方向に一定間隔で配置されているスタンド群と、(b)合決(あいじゃくり)加工部を所定間隔で有している2種類の角型アルミニウム管の合決加工部同士を嵌合して格子型に形成されており、各嵌合部において前記各スタンドの天面台板に固定されている格子型支持フレーム体と、(c)前記格子型フレーム体の各格子内に嵌め込み配置され、互いに電気的に直列に連結されている均一面発光ライトパネル群と、(d)前記格子型支持フレーム体上に各側縁部が支持されている状態で矩形強化ガラス板群が碁盤目状に配置され、隣接する矩形強化ガラス板間の隙間に着脱自在なガスケット部材が嵌め込まれて一体的に固定されているガラス床、からなる光床システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物のガラス床を構成する照明装置を備えた光床システムと該光床を構築するための部材群からなる光床用セット、及び該光床用セットを使用した光床組立て工法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
各種商業施設、展示会場、マンションのエントランス部等の建築物の床面にガラス床を形成する方式には、建築物の床面に敷設した支持フレーム上に透明又は不透明なガラス板や装飾性のガラスブロックを配置し、各ガラス板やガラスブロック間の隙間に湿式目地材を埋め込んでガラス板間を固定し、全体を一体化したガラス床を構成する方式があり、そのように敷設されたガラス床の床下に照明器具を配置するものや、透明なガラス板やガラスブロックを透して装飾性床下構造を観察できるもの等が実用化されている。
【0003】
また、ガラスブロックやガラス板を複雑な構造の格子状支持枠で支持してガラス床を組立てる方式のガラス床組立体やガラス床ユニットも提案されている(特許文献1、特許文献2)。このような支持枠を組立ててガラス床を組立てる方式の場合、ガラス床を構成するガラス板やガラスブロックを部分的に交換する必要が生じた場合に交換が必要な部分のガラス板やガラスブロックだけを支持枠から取り外して新しいものと交換することができる点で、前記したガラス板やガラスブロックの間の隙間に湿式目地材を埋め込んで固定一体化する方式のガラス床に比べて保守管理性に優れている。
【0004】
【特許文献1】特開平3−115640号公報
【特許文献2】特開2005−299306号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的な光床構造としては、上記したように、保守管理が容易な支持枠にガラス板やガラスブロックを嵌め込み固定して形成したガラス床の床下部分に照明手段を配置し、透明ガラス床を透して装飾性床下構造を鑑賞できる方式のものや、乳白色不透明ガラスで構成したガラス床を床下側から照射して柔和な印象を与える光床を形成する方式のものが挙げられ、特に、乳白色不透明ガラスで構成したガラス床を床下側から照射して柔和で高級感のある雰囲気を醸し出す光床方式が好まれる傾向がある。
【0006】
しかし、上記のような組立て支持枠にガラス板やガラスブロックを嵌め込み固定して形成されているガラス床の床下に照明手段を配置した場合、支持枠部分が陰影となり、支持枠部分から該支持枠で囲まれているガラス板やガラスブロックの中央部にかけてガラス床の明るさにグラデーションが生じることは避けられず、支持枠部分の綺麗な輪郭が形成されるようにガラス体部分が均一な明るさに発光するタイプのガラス床を形成した事例は見当たらない。
【0007】
本発明は、建築物の床面の状態の違いに的確に対応して、常にガラス床を水平支えることができる格子型の支持枠を作業者が施工現場で容易かつ正確に組み立てることができると共に、ガラス床を構成する個々の矩形ガラス板が支持枠部分を除いて全面にわたって均一な明るさに面発光してガラス床の明るさにグラデーションが生ぜず、支持枠の格子型模様がシャープな輪郭で浮き出る装飾性に優れた光床システムを提供することを目的とするものである。
また本発明は、上記したような装飾性に優れた光床システムを構築し得る部材群からなる光床用セットと、該光床用セットを使用した光床工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決することができる本発明は、基本的には、建築物の床面の状態の違いに的確に対応して常に格子型の支持フレーム体を水平に支持することができるスタンド群と、ガラス床を構成する矩形の強化ガラス板と密に面接触した状態で支持することができる均一平坦な支持面を有する格子型支持フレーム体と、ガラス床の明るさにグラデーションを生じさせない均一面発光ライトパネル群と、ガラス床の固定及び部分解体を容易に行い得る機能を有するガスケット部材群を用いて形成されている強化ガラス床によって構築される光床システムと、該光床システム構築用部材群からなる光床用セットと該光床を構築するための光床工法に関するものであり、以下の各発明を包含する。
【0009】
(1)(a)基台部と天面台板部とを有し、建築物の床面に縦方向及び横方向に一定間隔で配置されているスタンド群と、
(b)互いを直交する方向に接(は)ぎ合せることが可能な合決(あいじゃくり)加工部を所定間隔で有している2種類の角型アルミニウム管を格子型に嵌合して形成されており、各嵌合部において前記各スタンドの天面台板に固定されている格子型支持フレーム体と、
(c)前記スタンド群の各スタンドの天面台板部上に各角部が支持されている状態で前記格子型フレーム体の各格子内に嵌め込み配置され、各均一面発光ライトパネル同士が電気的に直列に連結されている均一面発光ライトパネル群と、
(d)前記均一面発光ライトパネル群の個々の均一面発光ライトパネル上面を覆って前記格子型支持フレーム体上に各側縁部が支持されている状態で矩形強化ガラス板群が碁盤目状に配置され、隣接する矩形強化ガラス板間の隙間に着脱自在なガスケット部材が嵌め込まれて一体的に固定されているガラス床、
からなることを特徴とする光床システム。
【0010】
(2)前記スタンド群は、天面台板部と一体形成されていて該台板部下方に突出しているボルト部と、基台板と一体形成されていて該基台板上方に筒状に突出している前記ボルト部と対をなすナット部とが組み合わさって構成されている高さ調整可能な胴部を有するスタンドからなることを特徴とする(1)項記載の光床システム。
【0011】
(3)前記格子型支持フレーム体を構成する2種類の角型アルミニウム管は、互いを直交する方向に嵌合して格子型支持フレーム体を形成した状態におけるそれぞれの上壁面に長さ方向全長にわたる帯状切り欠き部部を有しており、合決(あいじゃくり)加工部は、格子型支持フレームを形成している下側のアルミニウム管においては該帯状切り欠き部部を有する上壁側から厚さ方向に1/2の深さの切り欠き部として形成されており、上側のアルミニウム管においては下壁側から厚さ方向に1/2の深さの切り欠き部として形成されていることを特徴とする(1)項又(2)項に記載の光床システム。
【0012】
(4)前記均一面発光ライトパネル群を形成する矩形の均一面発光ライトパネルは、少なくとも一対の相対する側縁部の端面に発光ダイオードを固定配置した均一面発光導光板を間に挟んで上層側の合成樹脂製光拡散板と下層側の金属製放熱板を重ね合わせ、発光ダイオードが配置されている側縁部を前記上層側の合成樹脂製光拡散板面から下層側の金属製放熱板面にかけて断面コ字状の放熱性押さえフレームにより挟み込み固定することによって積層一体化され、前記金属製放熱板面に前記電力の入力手段と出力手段と発光ダイオードへの接続手段とを備えた電気系接続ユニットを固定配置して形成されていることを特徴とする(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の光床システム。
【0013】
(5)前記均一面発光導光板は、下面全面にドット印刷加工により透明樹脂製凸部が形成されており、該凸部の配置数が下面の前記発光ダイオードを有する側縁部領域において最も少なく、該側縁部から中央部方向に徐々に多くなるように形成されていて、一対の相対する側縁部端面に配置されている発光ダイオードから照射される光が導光板全面にわたって均一に上方に照射される構造であることを特徴とする(4)項に記載の光床システム。
【0014】
(6)前記合成樹脂製光拡散板は、乳白色樹脂板であることを特徴とする(4)項又は(5)項に記載の光床システム。
【0015】
(7)前記ガラス床に用いられている矩形の強化ガラス板は、上面にスリップ防止用の凹凸部が形成されているノンスリップ形強化ガラス板であることを特徴とする(1)項〜(6)項のいずれか1項に記載の光床システム。
【0016】
(8)前記ガラス床に用いられているガスケット部材は、前記矩形の強化ガラス板の厚さに相当する上下幅を有する硬質樹脂製の長尺板状体の両側面に、板状体の長さ方向全長に延びる軟質樹脂製の線状凸部が形成されていて、各矩形の強化ガラス板間の隙間に該凸部の弾力性により着脱自在に嵌め込まれていることを特徴とする(1)項〜(7)項のいずれか1項に記載の光床システム。
【0017】
(9)基台部と天面台板部とを有し、建築物の床面に該基台部を固定することができるスタンド群と、
2種類の角型アルミニウム管からなり、一方の種類の角型アルミニウム管群と他方の種類の角型アルミニウム管群は、互いに直交する方向に嵌合することができる合決(あいじゃくり)加工部を一定間隔で有していて格子型支持フレーム体を組立て形成することができる角型アルミニウム管群と、
前記スタンド群の各スタンドの天面台板部上に各角部が支持されている状態で前記格子型フレーム体の各格子内に嵌め込み配置することができ、かつ、各均一面発光ライトパネル同士を電気的に直列に連結することができる均一面発光ライトパネル群と、
前記格子型支持フレーム体にそれぞれの4側縁部が支持された状態で碁盤目状に配置されてガラス床を形成することができる矩形の光床用強化ガラス板群と、
前記光床用の矩形強化ガラス板間の隙間に着脱自在に嵌め込み可能な長尺の合成樹脂板製のガスケット部材群、
とよりなることを特徴とする光床用セット。
【0018】
(10)前記スタンド群は、天面台板部下方に突出しているボルト部を有する天面台板部と、基台板上方に筒状に突出しているナット部を有する基台部とが組み合わさって構成されている高さ調整可能な胴部を有するスタンドからなることを特徴とする(9)項記載の光床用セット。
【0019】
(11)前記角型アルミニウム管群を構成する2種類の角型アルミニウム管は、互いを直交する方向に嵌合して格子型支持フレーム体を形成した状態におけるそれぞれの上壁面となる面に長さ方向全長にわたる帯状切り欠き部部を有しており、合決(あいじゃくり)加工部が、該帯状切り欠き部部を有する上壁側から厚さ方向に1/2の深さの切り欠き部として形成されている種類の角型アルミニウム管と、下壁側から厚さ方向に1/2の深さの切り欠き部として形成されている種類の角型アルミニウム管とよりなることを特徴とする(9)項又は(10)項に記載の光床用セット。
【0020】
(12)前記均一面発光ライトパネル群は、一対の相対する側縁部の端面に発光ダイオードを配置した均一面発光導光板を間に挟んで上層側の光拡散性樹脂製の光拡散板と下層側の金属製放熱板を重ね合わせ、該発光ダイオードが配置されている側縁部を前記上層側の光拡散板面から下層側の金属製放熱板面にかけて断面コ字状の放熱性押さえフレームにより挟み込み固定することによって積層一体化されており、前記金属製放熱板下面に前記電力の入力手段と出力手段と、発光ダイオードへの接続手段とを備えた電気系接続ユニットが固定配置されていることを特徴とする(9)項〜(11)項のいずれか1項に記載の光床用セット。
【0021】
(13)前記均一面発光導光板は、下面全面にドット印刷加工により透明樹脂製凸部が形成されており、該凸部の配置数が下面の前記発光ダイオードを有する側縁部領域において最も少なく、該側縁部から中央部方向に徐々に多くなるように形成されていて、一対の相対する側縁部端面に配置されている発光ダイオードから照射される光が導光板全面にわたって均一に上方に照射される構造であることを特徴とする(12)項に記載の光床用セット。
【0022】
(14)前記合成樹脂製光拡散板は、乳白色に着色された樹脂板からなることを特徴とする(12)項又は(13)項に記載の光床用セット。
【0023】
(15)前記光床用強化ガラス板は、上層側の透明ガラス板の上面全面わたってスリップ防止用の凹凸加工が施されているノンスリップ型の強化ガラス板であることを特徴とする(9)項〜(14)項のいずれか1項に記載の光床用セット。
【0024】
(16)前記ガスケット部材は、前記矩形の強化ガラス板の厚さに相当する上下幅を有する硬質樹脂製の長尺板状体の両側面に、板状体の長さ方向全長に延びる軟質樹脂製の線状凸部が形成されていて、各矩形の強化ガラス板間の隙間に該凸部の弾力性により着脱自在に嵌め込み可能な部材であることを特徴とする(9)項〜(15)項のいずれか1項に記載の光床用セット。
【0025】
(17)前記(9)項〜(16)項のいずれか1項に記載の光床用セットを使用する光床工法であって、
建築物の床面に予め設定された均一間隔で縦方向及び横方向に前記スタンド群を配置し、該スタンド群の各基台部を該床面に固定する、スタンド群設置工程、
前記2種類の角型アルミニウム管からなる角型アルミニウム管群のうちの上壁側に合決(あいじゃくり)加工部を有する角型アルミニウム管群を、それらの合決(あいじゃくり)加工部が前記固定配置された各スタンドの天面台板上に位置するように並列に配置し、前記角型アルミニウム管群のうちの管下壁側に合決(あいじゃくり)加工部を有する角型アルミニウム管群を前記上壁側に合決(あいじゃくり)加工部を有する角型アルミニウム管群と直交する方向に並列に配置し、互いの合決加工部同士を嵌合して格子型フレームを形成し、該フレームの嵌合部を前記天面台板に固定する、格子型支持フレーム体形成工程、
前記各スタンドの天面台板面の空き面部に、前記均一面発光ライトパネルの各角部が支持されるように該均一面発光ライトパネル群を前記格子型支持フレーム体の格子内に嵌め込み配置し、各均一面発光ライトパネル群を電気的に直列に接続する、均一面発光ライトパネル部形成工程、
前記格子状支持フレーム体上面に各側縁部が支持された状態で、前記個々の均一面発光ライトパネルをそれぞれ覆うように前記光床用強化ガラス板を碁盤目状に配置し、各強化ガラス板間の隙間に前記ガスケット部材を着脱可能に嵌め込んで強化ガラス板同士を一体的に固定する、ガラス床形成工程、
の各工程からなることを特徴とする光床工法。
【0026】
(18)前記格子状支持フレーム体上面に前記光床用強化ガラス板群を碁盤目状に配置する際に、各強化ガラス板間の隙間の十字型交差部に、板状体を十字型に噛み合わせて形成されている間隔部材を仮設し、該十字型の間隔部材の4隅に各強化ガラス板の角部が接するように配置して各強化ガラス板の位置決めをすることを特徴とする(17)項記載の光床工法。
【0027】
(19)前記格子状支持フレーム体上面に各側縁部が支持された状態で、前記個々の均一面発光ライトパネルをそれぞれ覆うように前記光床用強化ガラス板群を碁盤目状に配置する際に、該格子状支持フレーム体上面における少なくとも前記光床用強化ガラス板の側縁部を支持する箇所に該光床用強化ガラス板の滑り止め部材を配置することを特徴とする(17)項又は(18)項に記載の光床工法。
【0028】
(20)前記光床用強化ガラス板の滑り止め部材は、アクリル樹脂発泡体シートからなるクッション材であることを特徴とする(19)項記載の光床工法。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、建築物の床面の状態の違いに的確に対応して、常にガラス床を水平支えることができる格子型の支持フレーム体を作業者が施工現場で容易かつ正確に組み立てることができると共に、床下の照明手段に均一面発光ライトパネルを採用していることと、格子型支持フレーム体を角型アルミニウム管に形成した合決加工部を嵌合して、ガラス床の支持面に段差が生じていない支持フレーム体を形成していることとに基づいて、ガラス床を構成する個々の矩形ガラス板が支持枠部分を除いて全面にわたって均一な明るさに面発光してガラス床の明るさにグラデーションが生ぜず、支持枠の格子型模様がシャープな輪郭で浮き出る装飾性に優れた光床を提供することができる。
また、ガラス床を着脱自在なガスケット部材を採用して形成していることに基づいて、光床の設置後に均一面発光ライトパネルの一部に故障が発生した場合にも、簡単な作業で故障パネルに対応するガラス床を部分的に解体し、該故障パネルのみを取り外して新部材と交換するだけで正常な状態の光床を復元することができるメンテナンス性をも有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
図1は、本発明の光床システム1の基本構成を説明するための図であり、横方向に隣接配置されている2基のスタンド間を上下方向に垂直に切断した状態を示す断面図である。
図2は、図1の光床システムにおける支持フレーム体をスタンド上に固定配置した状態を示す平面図である。
図3は、図2に示されている支持フレーム体を形成する2種の角型アルミニウム管のそれぞれに形成されている合決加工部の形状を示す図である。
図4は、図1に示されている均一面発光ライトパネルの構造を示す平面図(1)と側面図(2)である。
図5は、図1に示す高さ調整可能な胴部を有するスタンドの側面図である。
【0031】
図1に示すように、本発明の光床システム1は、建築物の床10上に形成される組立て構造体であり、スタンド2と、該スタンドの天面台板部2a上に載置されている格子状に組み合わせて形成されている格子型支持フレーム体3と、該支持フレーム体3の格子内空間3h部分に嵌め込み配置されている均一面発光ライトパネル4と、支持フレーム体3の格子内空間3hを覆って支持フレーム体3の上面に載置されている強化ガラス板5によって構成されている。
【0032】
図1の光床システムにおいて、支持フレーム体3は、図3の(央部)及び(端部)を示す図に見られるように、管内に仕切壁3dを有する上側の角型アルミニウム管3bと下側の角型アルミニウム管3aを互いに直交するように、それぞれに形成している互いに嵌合することができる切り欠き加工部、すなわち、合決(あいじゃくり)加工部乃至合欠(あいがき)加工部3cを嵌合することによって格子型に形成されており、図2に示すように、該嵌合部において上側の角型アルミニウム管3bの帯状切り欠き部3gを通って仕切壁3dを貫き、下側角型アルミニウム管3aの帯状切り欠き部3gを通って下壁を貫いた状態でスタンド2の天面台板部にビス3eによって固定されている。下側の角型アルミニウム管3aは、必要に応じて、ビス3fによりさらに天面台板部に固定されていてもよい。
なお、本発明においては、上記「合決(あいじゃくり)加工部」又は「合欠(あいがき)加工部」と称されることが多い互いには嵌合することができる切り欠き加工部を「合決加工部」という。
【0033】
上記支持フレーム体は、2種類の角型アルミニウム管の切り欠き部を互いに嵌合して組立てられているが、切り欠き加工部が合決加工部となっているので、支持フレーム体における嵌合箇所に段差は形成されず、均一平坦な支持フレーム体面が形成される。
支持フレーム体3の上面には、前記スタンド2の天面台板部に合決加工部3c同士を嵌合して固定されている箇所囲んで光床用強化ガラス板の滑り止め部材3jがクッション部材を兼ねて固定配置されていることが好ましい。滑り止め部材としては、アクリル樹脂発泡体シートからなる市販のクッション材を使用することができる。
【0034】
図1には、上側の角型アルミニウム管3aとして、管内空間を上下に二分して長手方向に延びる仕切壁3dを有しているものを使用する例を示したが、角型アルミニウム管は全長にわたる仕切壁3dを有していないものを使用することも可能である。
また、スタンド2は、支持フレーム体と結合された後、建築物の光床を敷設するコンクリート等の床面に載置され、任意の固定手段によって固定されるのが一般的であるが、予め建築物のコンクリート床面に上記支持フレーム体の接ぎ合わせ部と正確に結合できるように位置決めして配置し、固定されていてもよい。
【0035】
本発明の光床システムにおいて、均一面発光ライトパネル4は、図1に示すように、スタンド2上に固定されている格子型支持フレーム体3の格子内空間3h部分に嵌め込まれ、それぞれが有する4つの角部によりスタンド2の天面台板部2a上に支持されている状態で、隣り合う均一面発光ライトパネルと電気的に直列に接続されている。
均一面発光ライトパネル4は、図4の(1)に示すように、相対する1対の側縁部に発光ダイオード(LED)4eを有し、裏面中央部には、隣接する均一面発光ライトパネルを経て供給される電力の入力手段4gとしてのコンセント部と、後続する他の均一発光ライトパネルにおける該コンセント部に接続するための電力出力手段4hとしての差し込みプラグを有するコード部と、発光ダイオードへの接続手段4fとしてのコード部とを有している電気系接続ユニット4dが配置固定されている。
【0036】
均一面発光ライトパネル4は、図4の(1)のA−A方向矢視図である図4の(2)に示すように、均一面発光導光板4aを間に挟んで上層側の合成樹脂製光拡散板4cと下層側の金属製放熱板4bを重ね合わせ、発光ダイオード4eが配置されている側縁部を前記上層側の合成樹脂製光拡散板4c面から下層側の金属製放熱板4b面にかけて断面コ字状の放熱性押さえフレーム4mにより挟み込み固定されている積層構造体であり、前記電気系接続ユニット4dは、裏面金属製放熱板4b面に固定されている。断面コ字状の放熱性押さえフレーム4mは、2枚の板状体4kの間に管状放熱体4jを挟んで断面コ字状に一体化された押さえ部材である。
【0037】
均一面発光ライトパネル4における均一面発光導光板4aは、透明アクリル板のような透明樹脂板の下面に、前記発光ダイオード4eが配置されている両側縁部から中央部方向に徐々に配置状態が密になるように透明樹脂製の小凸部群がドット印刷加工等によって形成されて配置されており、このような配置密度(配置数及び配置間隔)に傾斜を設けた小凸部の配置構造に基づいて、側縁部に配置された発光ダイオードから照射される光を導光板全面から均一に上方に照射させる機能を有している。このような機能を備えている均一面発光ライトパネルとしては、例えば、広告用のLED発光パネルとして実用化されているものと同タイプのものを採用することができる。
【0038】
均一面発光ライトパネル4における上面の光拡散板4cは、乳白色アクリル板のような光拡散機能を備えた半透明樹脂板からなる。
また、下面側の金属性放熱板4bは、例えばアルミニウム板からなり、前記均一面発光導光板側の面に光反射シートを貼り合わせた積層体構造を有しているものが好適に採用される。
【0039】
本発明の光床システムにおいて、前記均一面発光ライトパネル4を覆って支持フレーム体上に碁盤目状に強化ガラス板5が載置されてガラス床を構成している。強化ガラス板5としては、透明乃至半透明の強化ガラスであれば特に制限なく採用できるが、例えば、中間層としての乳白色樹脂シートの上下に透明ガラス板を配置して積層一体化して形成されている矩形の強化ガラス板であって、上面側に滑り止めのための凹凸部が形成されているノンスリップタイプの強化ガラス板が好ましく使用される。
【0040】
本発明の光床システムでは、支持フレーム体上に碁盤の目状に配置された強化ガラス5群を一体的に固定するために、強化ガラス5間の隙間に着脱自在なガスケット部材6が嵌め込まれる。
ガスケット部材6としては、隣接する強化ガラス間に着脱自在に嵌め込まれて強化ガラス群を一体的に固定化できるものであれば特に制限はないが、本発明の光床システムでは、好ましくは、矩形の強化ガラス板の厚さに相当する上下幅を有する硬質樹脂製の長尺板状体の両側面に、板状体の長さ方向全長に延びる軟質樹脂製の弾力性のある線状凸部を形成したガスケット部材が採用される。
このような構造のガスケット部材6は、各矩形の強化ガラス板間の隙間に嵌め込まれた状態で、該凸部の弾力性により強化ガラス間を柔軟に接合固定すると共に、光床の補修を行うためにガラス床を部分的に解体する必要が生じた場合には、強化ガラス板間の隙間から容易に取り除くことができるという利点がある。
【0041】
本発明の光床システムにおいて、スタンド2は、図5に示すように、建築物の床面に固定することができる基台部2bと前記格子型支持フレーム体を支持し固定するための天面台板部2aと、該基台部2bと天面台板部2aを接続している胴部2cを有している。
スタンド2は、高さ調整が可能な胴部を有するものが好ましい。図5に示すスタンドの場合、胴部2cが、天面台板部2aの下部に該台板部と一体的に形成されているボルト部2dと、基台部2bと一体的に形成されている前記ボルト部と対を成す筒状のナット部2eとを組み合わせて構成されており、該ボルト−ナット構造の胴部2cにより高さを調整できる機能を有している。
このようなスタンド2を採用することにより、建築物の床面がある程度の凹凸部分を有する床面であっても、前記支持フレーム体3を常に水平に保持することが可能となり、該スタンド群によって支持される前記格子型支持フレーム体上に水平な強化ガラス床を構築することが可能となる。
【0042】
本発明の光床システムは、前記したように、建築物のコンクリート床等からなる床面に等間隔で縦横両方向に配置し固定することができるスタンド群と、前記した格子型支持フレーム体を組み立て形成することができる2種類の合決加工部を有する角型アルミニウム管群と、全体を電気的に直列に接続することができる均一発光ライトパネル群と、強化ガラス板群と、該強化ガラス板間に嵌め込んで一体的に固定して強化ガラス床を形成するためのガスケット部材群によって形成されるが、これらの各部材は、個々に市販されているか、又は工場で予め製造して施工現場に持ち込むことができる部材であり、持ち運び性や施工現場での取り扱い性に優れているので、全部材の必要数を事前に組み合わせて光床用セットを構成して保管し、必要時に施工現場に持ち込んで使用することが可能であり、また、光床用セットとして商品化することも可能である。
【0043】
本発明の光床システムは、上記光床用セットを施工現場に持ち込み、スタンド群を建築物の床上に格子状に配置し固定するスタンド群設置工程と、前記した合決加工部を有する2種類の角型アルミニウム管群を組み合わせて格子型支持フレーム体を形成し、前記スタンド群上に取り付け固定する格子型支持フレーム体の設置工程と、前記均一面発光ライトパネル群を、それらの角部が前記スタンド群上に支持されている状態に前記格子型支持フレーム体の格子内空間に嵌め込み配置し、互いを電気的に直列に接続する均一面発光ライトパネル群設置工程と、該均一面発光ライトパネル群の上面を覆って、前記強化ガラス板を格子型支持フレーム体上に碁盤目状に配置し、隣接する強化ガラス体間の隙間に着脱自在なガスケット部材を嵌め込んで一体的に固定する強化ガラス床設置工程、とからなる光床工法によって構築されるものである。
【0044】
上記光床工法において、格子型支持フレーム体上に強化ガラス板による強化ガラス床を設置する工程では、矩形の強化ガラス板を格子型支持フレーム体上に碁盤目状に配置し、その状態で各強化ガラス板間の隙間にガスケット部材を嵌め込んで一体的に固定するという手順で強化ガラス床が形成されるが、この工程で矩形の強化ガラス板を支持フレーム体上に碁盤目状に均等間隔で配置する作業は、先に配置した強化ガラス板が引き続く強化ガラス板の配置作業中に動いてしまい配置間隔が不均等になる場合が多いことから、碁盤目状に均等間隔で強化ガラス板を配置し一体的に固定する作業は熟練を要する作業である。
本発明の光床工法では、強化ガラス板を配置する前記格子型支持フレーム体の角型アルミニウム管上面に強化ガラスの滑り止め部材として、クッション性のある緩衝シートを貼付することにより、既に配置した強化ガラスのズレを防止するという手段を採用することができる。
【0045】
また、強化ガラス板を碁盤目状に配置する際に、該強化ガラス間に設けられる隙間に相当する厚さの板状体を十字型に噛み合わせて形成されている十字型の間隔保持部材を碁盤目の十字型の交差部に配置して、隣接する強化ガラス板間に間隔保持部材の厚みに相当する均一な隙間を形成しつつ強化ガラス板群を配置し、その状態で強化ガラス板間の隙間にガスケット部材を嵌め込んで強化ガラス群全体を一体的に固定することにより、熟練技術者に頼らず容易に強化ガラス床を構築することができる。
【0046】
以上のように、本発明の光床システムは、従来、公告用のライトパネル等に採用されているタイプのLED素子を内蔵する面発光ライトパネルの特性を活かして、強化ガラス床を支持する床下構造の影響を受けることがなく発光ムラもない均一面発光する光床を簡単な作業で構築することを可能ならしめることを目的として構築されたシステムであり、従来型の均一面発光ライトパネルに前記した電気的な接続ユニットを設置するという改良を加えることと、該均一面発光ライトパネル群上に配置される強化ガラス床の構築のために、各強化ガラス間を着脱可能な弾力性を備えたガスケット部材によって一体的に固定する方式を採用するという工夫を加えることを併せて、交換が必要な均一面発光ライトパネル部分を覆う強化ガラス板を簡単な作業で取り除き、前記電気的接続ユニットによる隣接するパネルとの接続を解除するだけで交換が必要なパネルを新しいパネルと交換することができ、交換作業終了後は簡単に元の状態の強化ガラス床を復元することを可能としたシステムである。
【0047】
また、上記均一面発光ライトパネルの構造と強化ガラス床構造における工夫により光床のメンテナンス性を改善し得たことに加えて、該均一面発光ライトパネル群や強化ガラス床構造を建築物の床面に浮き床式に支持するための床下構造を構築する部材として、前記した構造のスタンド群と前記格子型支持フレーム体を組立てるための合決加工部を有する2種類の角型アルミニウム管群を採用するという工夫により、強化ガラス板下面を常に平坦な面で支持することができる支持フレーム体を形成することができるし、熟練作業者を必要とせずに簡単なマニュアルにしたがった施工現場での単純な組立て作業によって前記構造の光床システムを構築することを可能ならしめたものある。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の光床システムは、該光床形成に必要な部材一式を施工現場に持ち込んで、現場状況に対応した堅固で装飾性に富む均一面発光する光床を施工現場での簡単な組み立て作業によって短期間で構築でき、また、不要となった場合には簡単に解体して再利用可能な状態で保管することができる部材によって構築されるので、マンションのエントランス部等の半永久的な建築物に於ける堅固でかつメンテナンスが容易な光床の構築に有用であるばかりでなく、各種商業施設、展示会場、イベント会場等の床構造のうち、建築物内に一時的に設置され、利用後は撤去されるタイプの光床の構築にも好適なシステムである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の光床システムの構造を示す断面図である。
【図2】支持フレーム体をスタンド上に固定配置した状態を示す平面図である。
【図3】2種の角型アルミニウム管の合決加工部の形状を示す図である。
【図4】均一面発光ライトパネルの構造を示す図である。
【図5】高さ調整可能な胴部を有するスタンドの側面図である。
【符号の説明】
【0050】
1:光床システム
2:スタンド
2a: 天面台板部
2b:基台部
2c:胴部
2d:ボルト部
2e:筒状ナット部
3:格子型支持フレーム体
3a:下側角型アルミニウム管
3b:上側角型アルミニウム管
3c:合決加工部
3d:仕切壁
3e,3f:固定用ビス
3g:帯状切り欠き部
3h:格子内空間
3j:滑り止め部材(クッション部材)
4:均一面発光ライトパネル
4a:均一面発光導光板
4b:金属製放熱版
4c:光拡散板
4d:電気系接続ユニット
4e:発光ダイオード
4f:接続コード
4g:電力入力手段
4h:電力出力手段
4j:放熱管
4k:押さえ版
4m:断面コ字状の放熱性押さえフレーム
5:強化ガラス板
6:ガスケット部材
10:コンクリート床






【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台部と天面台板部とを有し、建築物の床面に縦方向及び横方向に一定間隔で配置されているスタンド群と、
互いを直交する方向に嵌合することが可能な合決(あいじゃくり)加工部を所定間隔で有している2種類の角型アルミニウム管の合決加工部を嵌合して格子状に形成されており、各嵌合部において前記各スタンドの天面台板に固定されている格子型支持フレーム体と、
前記スタンド群の各スタンドの天面台板部上に各角部が支持されている状態で前記格子型フレーム体の各格子内に嵌め込み配置され、それぞれが電気的に直列に連結されている均一面発光ライトパネル群と、
前記均一面発光ライトパネル群の個々の均一面発光ライトパネル上面を覆って前記格子型支持フレーム体上に各側縁部が支持されている状態で矩形強化ガラス板群が碁盤目状に配置され、隣接する矩形強化ガラス板間の隙間に着脱自在なガスケット部材が嵌め込まれて一体的に固定されているガラス床、
からなることを特徴とする光床システム。
【請求項2】
前記スタンド群は、天面台板部と一体形成されていて該台板部下方に突出しているボルト部と、基台板と一体形成されていて該基台板上方に筒状に突出している前記ボルト部と対をなすナット部とが組み合わさって構成されている高さ調整可能な胴部を有するスタンドからなることを特徴とする請求項1記載の光床システム。
【請求項3】
前記格子型支持フレーム体を構成する2種類の角型アルミニウム管は、それぞれの合決加工部において互いを直交する方向に嵌合して格子型支持フレーム体を形成した状態におけるそれぞれの上壁面に長さ方向全長にわたるスリット部を有しており、合決加工部は、格子型支持フレームを形成している下側のアルミニウム管においては該スリット部を有する上壁側から厚さ方向に1/2の深さの切り欠き部として形成されており、上側のアルミニウム管においては下壁側から厚さ方向に1/2の深さの切り欠き部として形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光床システム。
【請求項4】
前記均一面発光ライトパネル群を形成する矩形の均一面発光ライトパネルは、少なくとも一対の相対する側縁部の端面に発光ダイオードを固定配置した均一面発光導光板を間に挟んで上層側の合成樹脂製光拡散板と下層側の金属製放熱板を重ね合わせ、発光ダイオードが配置されている側縁部を前記上層側の合成樹脂製光拡散板面から下層側の金属製放熱板面にかけて断面コ字状の放熱性押さえフレームにより挟み込み固定することによって積層一体化され、前記金属製放熱板面に前記電力の入力手段と出力手段と発光ダイオードへの接続手段とを備えた電気系接続ユニットを固定配置して形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光床システム。
【請求項5】
前記均一面発光導光板は、下面全面にドット印刷加工により透明樹脂製凸部が形成されており、該凸部の配置数が下面の前記発光ダイオードを有する側縁部領域において最も少なく、該側縁部から中央部方向に徐々に多くなるように形成されていて、一対の相対する側縁部端面に配置されている発光ダイオードから照射される光が導光板全面にわたって均一に上方に照射される構造であることを特徴とする請求項4に記載の光床システム。
【請求項6】
前記合成樹脂製光拡散板は、乳白色樹脂板であることを特徴とする請求項4又は5に記載の光床システム。
【請求項7】
前記ガラス床に用いられている矩形の強化ガラス板は、上面にスリップ防止用の凹凸部が形成されているノンスリップ形強化ガラス板であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光床システム。
【請求項8】
前記ガラス床に用いられているガスケット部材は、前記矩形の強化ガラス板の厚さに相当する上下幅を有する硬質樹脂製の長尺板状体の両側面に、板状体の長さ方向全長に延びる軟質樹脂製の線状凸部が形成されていて、各矩形の強化ガラス板間の隙間に該凸部の弾力性により着脱自在に嵌め込まれていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光床システム。
【請求項9】
基台部と天面台板部とを有し、建築物の床面に該基台部を固定することができるスタンド群と、
2種類の角型アルミニウム管からなり、一方の種類の角型アルミニウム管群と他方の種類の角型アルミニウム管群は、互いに直交する方向に嵌合することができる合決加工部を一定間隔で有していて格子型支持フレーム体を組立て形成することができる角型アルミニウム管群と、
前記スタンド群の各スタンドの天面台板部上に各角部が支持されている状態で前記格子型フレーム体の各格子内に嵌め込み配置することができ、かつ、それぞれを電気的に直列に連結することができる均一面発光ライトパネル群と、
前記格子型支持フレーム体にそれぞれの4側縁部が支持された状態で碁盤目状に配置されてガラス床を形成することができる矩形の光床用強化ガラス板群と、
前記光床用の矩形強化ガラス板間の隙間に着脱自在に嵌め込み可能な長尺の合成樹脂板製のガスケット部材群、
とよりなることを特徴とする光床用セット。
【請求項10】
前記スタンド群は、天面台板部下方に突出しているボルト部を有する天面台板部と、基台板上方に筒状に突出しているナット部を有する基台部とが組み合わさって構成されている高さ調整可能な胴部を有するスタンドからなることを特徴とする請求項9記載の光床用セット。
【請求項11】
前記角型アルミニウム管群を構成する2種類の角型アルミニウム管は、互いを直交する方向に嵌合して格子型支持フレーム体を形成した状態におけるそれぞれの上壁面となる面に長さ方向全長にわたるスリット部を有しており、合決加工部が、該スリット部を有する上壁側から厚さ方向に1/2の深さの切り欠き部として形成されている種類の角型アルミニウム管と、下壁側から厚さ方向に1/2の深さの切り欠き部として形成されている種類の角型アルミニウム管とよりなることを特徴とする請求項9又は10に記載の光床用セット。
【請求項12】
前記均一面発光ライトパネル群は、一対の相対する側縁部の端面に発光ダイオードを配置した均一面発光導光板を間に挟んで上層側の光拡散性樹脂製の光拡散板と下層側の金属製放熱板を重ね合わせ、該発光ダイオードが配置されている側縁部を前記上層側の光拡散板面から下層側の金属製放熱板面にかけて断面コ字状の放熱性押さえフレームにより挟み込み固定することによって積層一体化されており、前記金属製放熱板下面に前記電力の入力手段と出力手段と、発光ダイオードへの接続手段とを備えた電気系接続ユニットが固定配置されていることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の光床用セット。
【請求項13】
前記均一面発光導光板は、下面全面にドット印刷加工により透明樹脂製凸部が形成されており、該凸部の配置数が下面の前記発光ダイオードを有する側縁部領域において最も少なく、該側縁部から中央部方向に徐々に多くなるように形成されていて、一対の相対する側縁部端面に配置されている発光ダイオードから照射される光が導光板全面にわたって均一に上方に照射される構造であることを特徴とする請求項12に記載の光床用セット。
【請求項14】
前記合成樹脂製光拡散板は、乳白色に着色された樹脂板からなることを特徴とする請求項12又は13に記載の光床用セット。
【請求項15】
前記光床用強化ガラス板は、上層側の透明ガラス板の上面全面わたってスリップ防止用の凹凸加工が施されているノンスリップ型の強化ガラス板であることを特徴とする請求項9〜14のいずれか1項に記載の光床用セット。
【請求項16】
前記ガスケット部材は、前記矩形の強化ガラス板の厚さに相当する上下幅を有する硬質樹脂製の長尺板状体の両側面に、板状体の長さ方向全長に延びる軟質樹脂製の線状凸部が形成されていて、各矩形の強化ガラス板間の隙間に該凸部の弾力性により着脱自在に嵌め込み可能な部材であることを特徴とする請求項9〜15のいずれか1項に記載の光床用セット。
【請求項17】
前記請求項9〜16のいずれか1項に記載の光床用セットを使用する光床工法であって、建築物の床面に予め設定された均一間隔で縦方向及び横方向に前記スタンド群を配置し、該スタンド群の各基台部を該床面に固定する、スタンド群設置工程、
前記2種類の角型アルミニウム管からなる角型アルミニウム管群のうちの上壁側に合決加工部を有する角型アルミニウム管群を、それらの合決加工部が前記固定配置された各スタンドの天面台板上に位置するように並列に配置し、前記角型アルミニウム管群のうちの管下壁側に合決加工部を有する角型アルミニウム管群を互いに直交する方向に並列に配置し、互いの合決加工部同士を嵌合して格子型フレームを形成し、該フレームの嵌合部を前記天面台板に固定する、格子型支持フレーム体形成工程、
前記各スタンドの天面台板面の空き面部に、前記均一面発光ライトパネルの各角部が支持されるように該均一面発光ライトパネル群を前記格子型支持フレーム体の格子内に嵌め込み配置し、各均一面発光ライトパネル群を電気的に直列に接続する、均一面発光ライトパネル部形成工程、
前記格子状支持フレーム体上面に各側縁部が支持された状態で、前記個々の均一面発光ライトパネルをそれぞれ覆うように前記光床用強化ガラス板を碁盤目状に配置し、各強化ガラス板間の隙間に前記ガスケット部材を着脱可能に嵌め込んで強化ガラス板同士を一体的に固定する、ガラス床形成工程、
の各工程からなることを特徴とする光床工法。
【請求項18】
前記格子状支持フレーム体上面に前記光床用強化ガラス板群を碁盤目状に配置する際に、各強化ガラス板間の隙間の十字型交差部に、板状体を十字型に噛み合わせて形成されている間隔部材を仮設し、該十字型の間隔部材の4隅に各強化ガラス板の角部が接するように配置して各強化ガラス板の位置決めをすることを特徴とする請求項17記載の光床工法。
【請求項19】
前記格子状支持フレーム体上面に各側縁部が支持された状態で、前記個々の均一面発光ライトパネルをそれぞれ覆うように前記光床用強化ガラス板群を碁盤目状に配置する際に、該格子状支持フレーム体上面における少なくとも前記光床用強化ガラス板の側縁部を支持する箇所に該光床用強化ガラス板の滑り止め部材を配置することを特徴とする請求項18又は19に記載の光床工法。
【請求項20】
前記光床用強化ガラス板の滑り止めシート材は、アクリル樹脂発泡体シートからなるクッション材であることを特徴とする請求項19記載の光床工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−264060(P2009−264060A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−117478(P2008−117478)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【出願人】(502339082)株式会社グラスキューブ (3)
【出願人】(000205498)オー・ジー株式会社 (12)
【出願人】(000010065)フクビ化学工業株式会社 (150)