説明

光情報担体

情報を搬送するデータ層と,この情報を読取るための光ビームを受ける外表面と,前記データ層へと当該光ビームを伝達する透明層とを有する光情報担体である。この透明層は前記光ビームを局所的に変形させるための物理的な損傷パターンを有する。前記物理的損傷は,外表面とデータ層との間の深さの透明層に埋め込まれている。この物理的損傷のパターンの中に追加の情報が符号化されている。この追加情報は,コピープロテクションの目的に使うことが可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,情報を有するデータ層と,この情報を読取るための光ビームを受ける外表面と,前記データ層へと当該光ビームを伝達する透明層とを有する光情報担体であって,この透明層が前記光ビームを変形させるための追加情報を含んだ変形パターンを有するものに関する。
【0002】
本発明は他に,この光情報担体を製造する方法に関する。
【0003】
本発明は他に,前記光情報担体から情報を読取る装置にも関する。
【背景技術】
【0004】
認証されていないコピーに対して光記憶媒体のコンテンツを守るために,音楽及びソフトウエアプログラム並びにビデオの光メディア経由の配布に関連して,多くの試みがコンテンツ産業によってなされてきた。ハードウエアによる解決と同様,ソフトウエアによる解決がこの目的のために用いられてきた。殆どの解決は公認されないコピーの量を制限するが,しかしハッカーによって簡単に破られ得る。
【0005】
これまでに記述されているハードウエアによる解の一つは,米国特許US 5,572,589に開示されている光ディスクの一部への物理的な損傷の意図的な導入がある。この特許は,光ディスクと物理的に損傷のあるトラック又はセクタとを開示している。当該トラックを選択的に損傷するためにレーザが使われているか,又はディスク表面を引っ掻くために鋭利な道具が使われている。損傷された部分は,当該ディスクに対するある識別値を表すパターンを形成する。ディスク表面では光ビームの直径は比較的大きい。前記光ビームが透明層を通過するにつれ,このビームの直径はより小さくなる。ディスク上の小さな引っ掻き傷は前記光ビームの比較的小さな部分を変形させるに過ぎず,検知することは困難である。従って,読取り装置によって検知されるのが可能な物理的損傷を与えるには,この物理的損傷は比較的大きくなくてはならない。比較的大きな物理的損傷に起因して,追加情報のデータ密度が比較的に低いことが,前記米国特許US 5,572,589に準拠する光ディスクの短所である。更にハッカー達は,鋭利な道具を用いて外表面の物理的損傷を有する情報担体のコピーを作り出すことが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は,高いデータ密度を持った追加データを有する変形パターンのある光情報担体を供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば,前記変形パターンが外表面とデータ層との間の深さで透明層に組込まれた冒頭に述べられた光情報担体が供される。
【0008】
この変形は,屈折率変調又は複屈折を招く,例えば泡であったり,又はキャビティであることが出来る。この変形は基板に組込まれているので,これらはディスク表面の物理的損傷よりはデータ層に近く,そして従来技術で開示されているようなデータトラックそのものを壊すことがない。これゆえ,より高密度の追加データを持った信頼性のあるパターンを可能にする比較的小さな変形を使うことができる。
【0009】
本発明による情報担体の長所は,従来ディスク技術での前記物理的損傷に比べてこの変形は変更やコピーがより困難であることである。特にこの損傷が比較的に大きくかつ機械的に作り得るとき,情報担体の外表面に損傷を追加するのは比較的容易である。より小さな変形を前記透明層の内部構造に与えるには,特別な装置が必要とされる。
【0010】
本発明による光情報担体の有利な実施例では,少なくとも情報の一部がロックされ,かつ前記変形パターンはロックされた情報の少なくとも一部をロック解除するための鍵を構成している。このロックされた情報は,例えば,パスワードによってプロテクトされることが出来たり,又はPGP(Pretty Good Privacy)のような暗号技術を使って暗号化されることが出来る。従ってこの鍵は,読取り装置がデータ層から情報の抜出し開始を可能にする(又は許す)パスワードであるかも知れないし,又は暗号化された情報を元に戻すために必要であるかも知れない。たとえもし,ハッカーが前記変形にも拘らず情報を他の情報担体のデータ層にコピーするのに成功したとしても,ハッカーがこの鍵をコピーするのは不可能であろうし,そしてこの複写物は役に立たないことであろう。
【0011】
前記データ層の情報は,そのプログラムが実行されるとき鍵を要求するソフトウエア・アプリケーションを有することが出来る。このソフトウエア・アプリケーションが,読取り装置に鍵の読取りを指示し,そして正しい鍵が見つからなかったときは,当該データ(の一部)は入手されない。
【0012】
本発明による光情報担体の実施例において,前記変形パターンは外表面とデータ層との間の透明層に少なくとも二つの異なる深さで組込まれた変形を有する。この変形が透明層の異なる深さに組込まれたとき,当該変形を含んでこの情報担体を複写するのはより一層困難になることであろう。異なる層を異なる鍵を有するために使うことが可能である。例えば,2個の異なる鍵がロックされた情報を解除するのに必要とされたり,又はデータ層の情報の異なる部分をロック解除するには異なる鍵が必要とされる。
【0013】
各タイプの変形が光ビームを局所的にそのタイプに応じて変形させている異なるタイプの変形として,この変形は実現され得る。例えば,ある変形は読取り装置の光検知ユニットが,ディスク表面の光ビームの総反射量の変化を検知するような変形である。代替的には特定のタイプの変形は,読取り装置にて検知可能な自動ゲイン制御,フォーカスエラー,又はトラッキングエラー信号に小さな変化を生じるものでもよい。
【0014】
本発明はまた,本発明による光情報担体から情報を読取るための装置であって,この装置が光ビームからの情報を得るための光検知ユニットを有し,この光検知ユニットが,組込まれた変形の検知用の光検知ユニット上の光強度分布を解析するよう構成されている装置にも関する。前記透明層中のこの変形は当該情報を読取るための光ビームを局所的に変形させる。透明層中のこの変形は,光ビームの強度パターンからその存在を推察することが可能であるような変形である。この光検知ユニットは例えばデータ層上にある情報を表している通常のデータブロックのパターン,及び前記透明層中の変形を表している欠陥ブロックのパターンを検知する。このパターンから前記データの一部のロックを解除するための鍵が推測される。
【0015】
ソフトウエア・アプリケーションがこの鍵を要求するときは,当該鍵が予想される情報担体の部位からデータを読取るよう当該アプリケーションは読取り装置に指示する。光検知ユニットによって測定された光ビームの強度パターンから,この鍵がこの情報担体中に存在するかどうかが推測され得る。ソフトウエア・アプリケーションは,例えば,特定の欠陥データブロックを探すかもしれない。もしも前記装置が関連した信号を供するように構成されている場合,かつこの関連信号が前記変形中に符号化されている場合,フォーカス誤差信号,トラッキング誤差信号,又は自動ゲイン制御信号が当該鍵を有するかも知れない。
【0016】
本発明はまた,外表面とデータ層との間の深さで情報担体の透明層中に変形パターンを組込むステップを有する本発明による光情報担体の製造方法にも関する。
【0017】
この変形パターンを組込むステップは,例えば,透明層に組込む変形を作り出すための照射源からの照射を,マスクを介して透明層に露光するステップを有することが出来る。
【0018】
本発明によるこの方法の好ましい実施例においては,当該照射源は光源であり,かつ透明層中に前記変形を作り出すために透明層中の特定の深さにこの光源を集束させるマイクロレンズアレイを当該マスクは有する。この光ビームは例えばNd-Yagレーザユニットにより供される。集束したNd-Yagレーザは基板中に変形を起こす。この変形は例えば泡,又はキャビティの形状をしていることであろう。
【0019】
本発明のこれらの態様,及び他の態様は,これ以降に説明される実施例を引用して明らかに説明されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は本発明による情報担体1の実施例を概観的に示す。この情報担体1は,どのような実現可能な幾何学的形状をも取り得る。この情報担体1は,例えばCDやDVDのような円盤形状でも良いし,又はクレジットカードのような長方形でも良い。情報を読取るための光ビーム7は,この情報担体1の外表面2で当該情報担体1の透明層3に入射する。この透明層3は当該光ビーム7をデータ層4へと伝達する。情報はデータ層4中に有り,そしてこの情報は,例えばCD,DVD,又はBlurayディスクではピットのパターンとして格納され,またCD-R又はCD-RWでは明暗領域のパターンとして格納されている。CD及びDVDにおいて,当該透明層は一般にはポリカーボネートの基板層である。Blurayディスクでは,この透明層は一般には保護カートリッジのカバーである。光ビームは反射層5で反射される。この反射されたビームは読取り装置によって情報の検知のために使われる。この反射層5を保護するため,及び/又は視覚的なラベルを付けるためのカバー層8を,情報担体1は更に有する。
【0021】
変形6は前記透明層3に組込まれ,当該変形は透明層3の材料を変形させることにより実現される。図1に示される情報担体1において,この変形は記録担体のデータ層4と外表面2との間で,そしてこれらと平行な面9に存在する。前記光ビーム7が透明層3を通してデータ層4に到達するとき,この変形が局所的にこの光ビーム7を変形させる。反射ビームからこの情報を得るため,及び前記透明層3中の変形6に対応したこの光ビーム7の変形を検知するために読取り装置がある。追加データがこの透明層3の変形6中に符号化され,そしてこのデータは前記読取り装置によって検知される。この追加データは,例えばコピープロテクションのために,唯一性のあるディスク認識コードのために,又は製造工程に関する情報のために使うことが可能である。
【0022】
この追加データは,ロックされた情報をロック解除するために必要とされる鍵を有することが出来る。データ層4に格納された当該情報の一部をロックすることが出来る。このロックされた情報は,例えばパスワードにより保護されていても良いし,又はPGPのような暗号化技術を用いて暗号化されていても良い。従ってこの鍵はこの読取り装置がデータ層4から当該情報を抜き出すのを開始するのを可能にする(又は認める)パスワードでも良いし,又は暗号化された情報を元に戻すために必要であっても良い。この鍵が当該情報(の一部)を得るために必要とされるときは,この情報担体1のコピーは透明層中の変形6を有さねばならない。例えもし,ハッカーが前記変形にも拘わらず情報を他の情報担体のデータ層にコピーするのに成功したとしても,ハッカーがこの鍵をコピーするのは不可能であろうし,そしてこの複写物は役に立たないであろう。
【0023】
本発明による情報担体1の実施例において,情報担体1は音楽を有するCDである。前記変形6は,一般的なCDプレイヤーで行われるエラー訂正手段がこれらの変形を十分に容易に訂正できる程度に前記光ビーム7が変形されるに過ぎないような変形である。好ましくはこの変形はまた,記録ディスク上にデータを書込む一般的な書込み装置がこれらの変形を訂正できないような変形である。この変形は,エラーの書き込みに起因してコピープロセスが中断される原因となり得るかも知れないし,又は同変形はディスクに書かれたデータが訂正不能なエラーを有する原因となり得るかも知れない。前記ディスクがPCと共に使われるときに常時実行されるアプリケーション・ソフトウエアもまたこのディスク内に格納されることが出来る。このアプリケーションは変形6のパターンを検知するための特定の場所でこのディスクに照会を行う。もしもこのアプリケーションが変形6のパターン中に符号化されている鍵が有効であると判断すると,このアプリケーションは音楽を再生させる。
【0024】
図2は異なる深さにある変形6を有する本発明による情報担体1の実施例を概観的に示す。この実施例において,変形6は透明層3中に組込まれていて,かつ二つの別々の面9aと面9bとに存在する。異なる深さに変形6が組込まれていることは,変形6を持つこの情報担体をコピーすることをより一層難しくする。前記データ層4に近接している面9b中の変形6は,もう一方の面9a中の変形6よりもより小さい。同様に前記集束光ビーム7も外表面に近接している部分よりもこのデータ層4に近い部分の方がより小さい。これゆえ,面9a及び面9bの両方にある変形6は,光ビーム7上では同じ変形効果を持ち,そして読取り装置は異なる深さに組込まれた複数の変形間の差別化をしない。代替的には,面9a及び面9bの両方にある変形6は,光ビーム7上で異なる変形効果を持つことが可能である。この差異は,読取り装置が異なる深さに組込まれた複数の変形間の差別化を可能にする。
【0025】
図3は,二つのデータ層4a及び4bを有する本発明による情報担体1の実施例を概観的に示す。図3に示される実施例において,変形6は両データ層4aと4bとの間の透明層3に設けられているに過ぎない。このような情報担体1においては,第1のデータ層4a上の情報はプロテクトされていないものの,第2のデータ層4b上の情報をコピーからプロテクトすることが可能である。
【0026】
図4は,二つのデータ層及び異なる深さの変形を有する本発明による情報担体の実施例を概観的に示す。図4に示される実施例において,変形6は透明層3中のデータ層4a及び4bの直上にあり,両データ層4a及び4bのデータが,コピープロテクトされ得る。
【0027】
図5は本発明による読取り装置51の実施例を概観的に示す。この読取り装置51は,情報を読むための光ビーム7を作り出す光ビーム生成ユニット52を有する。光情報担体1から情報を読み出す殆どの装置において,この光ビーム7はレーザビームであろう。対物レンズ54は,この光ビーム7を前記光情報担体1のデータ層4上に光スポットを形成するよう集束する。次にこの光ビーム7は当該情報担体1の反射層5で反射され,そして,この反射されたビームは対物レンズ54を再び通過し,ハーフミラー53はこの光ビームを,光検知器56上で集束させる第2のレンズ55へと導く。この光検知器56で検知された光スポットの強度は,この収束光スポットが前記データ層4に当たった位置にあるデータ層4に格納された情報に依存する。この光検知器56上の強度パターンから,この情報担体のデータ層4にある情報が得られる。この情報担体1の透明層3にある変形6は,前記光検知器56上の光スポットの強度パターンに影響を及ぼす。例えばこの変形6は,間違いのあるデータブロックを生じたり,また検知器56上の光スポットの総強度のばらつきを生じたりするかも知れない。
【0028】
図5に示される読取り装置51は,自動ゲイン制御ユニット57a,フォーカス誤差検知ユニット57b,及びトラッキング誤差検知ユニット57cを更に有する。通常の読取り装置では,これらのユニットは前記データ層からの情報の読取りに関連したあらゆる種類のエラーの検知及び/又は訂正のために用いられる。前記透明層3中の特定の変形6は,自動ゲイン制御信号,フォーカス誤差信号,又はトラッキング誤差信号に小さな変化を生じさせることが可能である。この変形6は,例えばフォーカス誤差信号に,当該読取り装置のフォーカス誤差訂正能力に否定的な影響を与えることはない高周波信号を加えるかも知れない。この信号の小さな変化は,例えば高域通過フィルタ又は特定の信号要素の信号パターン検知を用いて前記検知器ユニット57aと,57bと,57cとで検知されることが出来る。
【0029】
図6は本発明による方法のフローチャートを示す。図6に示された方法は,データ層にあるロックされた情報を解除するために追加情報が必要とされる本発明による光情報担体を可能にする。この方法は次のステップを有する:
- 前記情報担体のデータ層に記録されている情報を得るためのデータ読取りステップ61。
- この情報担体からデータを読むために必要とされるであろう鍵を作り出す鍵生成ステップ62。
- 作り出された鍵に応じて情報をロックするためのデータロック・ステップ63。
- 前記情報担体のデータ層へロックした情報を書込むためのデータ書込みステップ64。このステップは,当該データ層に情報を書込むため,データ層上に情報をプレスするためのガラス・マスタを用いる,及び/又は作り出すためのレーザ装置の使用を含むことが出来る。斯様なステップは光記録技術においては良く知られている。
- 鍵生成ステップ62で生成された鍵を情報担体の透明層に適用するための鍵適用ステップ65。この鍵は情報担体の透明層の中の外表面とデータ層の間の何れかに変形パターンによって表現されている。鍵適用ステップ65は,ステップ62で生成された鍵と前記透明層中の変形の組込みとに基づいた変形のパターンの計算を含む。この変形の組込みは,例えば,照射源からの照射をマスクすることにより実現され得る。この照射源は,Nd-Yagレーザモジュールのような強力な光源であることが好ましい。当該マスクは,透明層中に所望の変形パターンを作り出すために透明層中の特定の深さに光を集束するマイクロレンズアレイを有することが出来る。代替的には, 照射源及び/又は情報担体の機械的な移動手段を使って前記透明層の特定の場所にNd-Yagレーザ又は他の照射源を集束させるステップを有する書込みプロセスを用いて,前記の鍵を適用することが出来る。
【0030】
図7a及び図7bは,本発明による情報担体1を製造するプロセスにて使用するマスク70を概観的に示す。図7aはこのマスクの平面図であり,図7bは側面図である。このマスク70は光を集束させるためのマイクロレンズアレイを有する。図7a中の線A-Bに沿ったマスクの断面を示す側面図7bでは,前記光源からの光72もまた示されている。前記光情報担体1の透明層中に所望の変形パターンを作り出すために,このマイクロレンズ71は,当該光を透明層中の特定の深さに集束させる。
【0031】
上述の実施例は本発明を制限する以上のものを例示していること,及びこれらの当業者は本請求項の範囲からはずれることなく多くの代替物を設計することが可能であろうことに注意すべきである。本請求項中で,括弧の間に置かれたいかなる参照記号も,本請求項を制限するものとして解釈されるべきではない。「有する」という動詞,及びその活用変化形の使用は,請求項で記述された以外のステップ又は要素の存在を排除するものではない。ある要素に先行する「a」又は「an」は,斯様な要素の複数の存在を排除するものではない。本発明は,幾つかの明白な要素を有するハードウエアによって実行されることが出来,又は適切にプログラムされたコンピュータによって実行されることが可能である。幾つかの手段を列挙している装置の請求項において,これらの手段の幾つかは一つの,かつ同じアイテムのハードウエアによって実現可能である。特定の手段が相互に異なる従属した請求項の中で繰り返されているという単なる事実は,これらの手段の組合わせが長所のために使われることが出来ないとは示していない。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明による情報担体の実施例を概観的に示す。
【図2】異なる深さに変形を有する本発明による情報担体の実施例を概観的に示す。
【図3】二つのデータ層を有する本発明による情報担体の実施例を概観的に示す。
【図4】異なる深さにある複数の変形を有し,かつ二つのデータ層を有する本発明による情報担体の実施例を概観的に示す。
【図5】本発明に準拠した読取り装置の実施例を概観的に示す。
【図6】本発明に準拠した方法のフローチャートを示す。
【図7a】本発明による情報担体の製造プロセスにおいて使用するマスクを概観的に示す。
【図7b】図7aのA-Bについての断面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を有するデータ層と,この情報を読取るための光ビームを受ける外表面と,この光ビームを前記データ層に伝達するための透明層とを有する光情報担体であって,当該透明層が前記光ビームを局所的に変形させるための追加情報を有する当該透明層の変形パターンを有し,この変形が前記外表面と前記データ層との間の深さで前記透明層中に組込まれている光情報担体。
【請求項2】
少なくとも情報の一部がロックされ,前記変形パターンはロックされた情報の少なくとも一部をロック解除するための鍵を構成している,請求項1に記載の光情報担体。
【請求項3】
前記情報は,プログラムが実行されるとき前記鍵を要求するソフトウエア・アプリケーションを有する,請求項2に記載の光情報担体。
【請求項4】
前記変形パターンは外表面とデータ層との間の透明層に少なくとも二つの異なる深さで組込まれた変形を有する,請求項1に記載の光情報担体。
【請求項5】
複数のデータ層及び複数の透明層を有し,前記変形が前記外表面と少なくともデータ層の一つとの間の透明層の少なくとも一つに組込まれている,請求項4に記載の光情報担体。
【請求項6】
各タイプの変形が光ビームを局所的にそのタイプに応じて変形させている異なるタイプの変形として前記変形が実現される,請求項1に記載の光情報担体。
【請求項7】
請求項1に記載の光情報担体から情報を読取るための装置であって,この装置が光ビームからの情報を得るための光検知ユニットを有し,この光検知ユニットが,組込まれた変形の検知用の光検知ユニット上の光強度分布を解析するよう構成されている装置。
【請求項8】
自動ゲイン制御ユニット及び/又はフォーカスエラー検知ユニット及び/又はトラッキングエラー検知ユニットを更に有し,前記ユニットの少なくとも一つは前記組込まれた変形の検知用である,請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記外表面と前記データ層との間の深さで前記光情報担体の前記透明層中に変形パターンを組込むステップを有する,請求項1に記載の光情報担体を製造する方法。
【請求項10】
前記変形パターンを組込むステップが,前記透明層に組込む変形を作り出すために照射源からの照射を,マスクを介して透明層に露光するステップを有する,請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記照射源は光源であり,前記透明層中に前記変形を作り出すために前記透明層中の特定の深さにこの光源を収束させるマイクロレンズを前記マスクは有する請求項10に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【公表番号】特表2008−522337(P2008−522337A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−542484(P2007−542484)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【国際出願番号】PCT/IB2005/053907
【国際公開番号】WO2006/056961
【国際公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】