光拡散カバー及び該光拡散カバーを使用してなる照明器具
【課題】本発明は、導光板を必要とせず、拡散と透過とを一つの材料でLED光源からの発光を、発光方向の垂直な方向で、かつ、360度の立体的な方向に光のぎらつきのない発光とする照明カバー材料であって、点光源であるLED出射光を減衰させることなく、全方向に立体的に拡散、透過又は反射させる光拡散カバー及び点光源であるLEDを使用した照明器具を提供するものである。
【解決手段】
本発明に係る光拡散カバーは、LEDを光源とする照明器具の光拡散カバーであって、該光拡散カバーは、光源から発せられる光の拡散部にPTFEの多孔質膜が使用されてなることを特徴とするものである。
【解決手段】
本発明に係る光拡散カバーは、LEDを光源とする照明器具の光拡散カバーであって、該光拡散カバーは、光源から発せられる光の拡散部にPTFEの多孔質膜が使用されてなることを特徴とするものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(以下、「LED」という。)を光源とする照明器具に使用する光拡散カバーに関し、特にポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という。)の多孔質膜を使用してなる光拡散カバー及び該光拡散カバーを使用した照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LEDは、LEDの有する多くの利点から各種照明用の光源として利用される傾向にあり、種々の開発がなされている。LEDの発光効率は白熱電球よりも優れているとしても、LED1個では大電力においても数ワット程度であるために利用が限られている。すなわち、全方向に照射する場合には光束が低くても機能する常夜灯あるいはLEDの指向角を広くするよりもむしろその直進性を生かして狭くした信号などの発光体や懐中電灯等の照明器具に広く使用されている。
【0003】
しかしながら、一般的な室内灯のように空間全体を明るく照らし出す照明器具としては光束が不足し、明るさや照射範囲などは白熱電球や電球型蛍光灯には及ばない。また、直管蛍光灯と同形状で同口金のものが開発されているが、当然LED1個では十分な光束が得られないため、複数(場合によっては100個以上)のLEDを使用する必要がある(特許文献1)。
【0004】
また、LEDは点光源であるために眩しさやぎらつきがあり、不均一な発光であるため、図10及び図11に示すように、そのまま照明に活用することは適切でない。
【0005】
そのための解決手段として、たとえば均一なLED面発光照明のために導光板、拡散板、透過板を使用して課題の一部が解決されているが、この解決手段は、導光板、拡散板、透過板等の別途の材料を必要とするものである。また、LED光源は平面の素子から直角に発光するためにライトとしては指向性の強さに欠点がある。そこで、光源にレンズを配置して発光の指向角度を120度の広角にする工夫も行われている。例えば砲弾型LEDランプ製品(株式会社トリコン)が市販されているがコヒーレント性の光源に変わりはない。例えばLED光源からなる携行ライトは小さいワット数でも直接人の目に入射することは危険である。LED光源を自動車のランプに使用すると眩しすぎるため、対向する車や自転車の運転を誤らせる危険がある。また、蛍光灯型LED照明器具においては多数個のLED光源を管の長手方向に配置して照射するようにしているがLED光源毎の光束が見え、ぎらつきが問題になっている。
【0006】
そこで、このような障害を防止するために開発された光拡散カバーとして、特許文献2には、複数のLED構造体の全体を包囲する光透過性カバーを備えた照明器具が示されており、該光透過性カバーにより照明器具全体から発光している印象を与え、LEDだけから発光している印象を与えないために、照明器具を直視しても眩しくないようになっている。該光透過性カバーは、LED構造体から入射した光の実質的に全部若しくは一部が透過するような透明体であってもよく、入射した光の一部の特定の波長が透過し難くなっているような透明着色体であってもよく、入射した光の少なくとも一部が散乱するような磨ガラス状若しくは曇りガラス状であってもよい。すなわち、光透過性カバーの透過率、色調、ヘイズ等には特に限定はないが、LED構造体から入射した光の少なくとも一部が散乱して外部に出るような磨ガラス状若しくは曇りガラス状であることが、照明器具全体から発光している印象を与え、照明器具を直視してもLED構造体によって眩しくないため等の理由で好ましい。光透過性カバーは、内部に包囲している個々のLED構造体の輪郭が目視で識別できない程度に曇っているものであることが上記理由から特に好ましい。光透過性カバーの形状は管状であり、並置された複数のLED構造体の前面長手方向にシリンドリカルレンズの効果を有する光屈折体を有しているものが好ましい。光屈折体は、LEDや照明器具から距離が離れても照度が落ちず、LEDの照射方向から角度的にずれても照度が落ちないという効果を得るために設けられている。光透過体もこの効果を得るために設けられるが、光透過性カバーに光屈折体を設けることによって、この効果を助長させる。光屈折体の形状は、凸レンズの効果を持たせるため中心線に向かって膨らんでいることが必要である。光屈折体の下面(LED側の面)はほぼ平らであり、全体としてカマボコレンズのような形状をしているが、下面は凹面でも、凸面でもよい。光屈折体は、単に上記したシリンドリカルレンズの効果を有すればよく、すなわち、光屈折体の場所によって焦点距離が異なるようなものでもよく、歪みがあっても収差があってもよい。従って、実像としては一か所に形成される必要はない。光屈折体の材質は、ガラス、石英等の無機物;(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂等のビニル系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂等の有機高分子化合物等の何れでもよく、光学特性、強度、耐久性、コスト、加工性等を考慮して選択される。透過性カバーがガラスの場合又は汎用の蛍光灯に類似させるためには、光屈折体はガラスであることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−122933号公報
【特許文献2】特開2009−199863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献2に示される従来の光拡散カバーは、LEDからの発光を減衰させるものであった。すなわち、従来の光拡散カバーにLEDの光を照射すると、光の一部はカバーを透過してカバー外に放射され、一部はカバーに反射されてカバー内に戻り、さらに一部はカバー層内を進行する。前記の反射した光は再びカバーに照射されて前記の三つの光に分散される。カバー層内を進行する光は層内を進行しながらカバー外又はカバー内に放射されることになるが、層内進行中に減衰するために進行方向に長くは進まず、したがって、光源の近くのカバーは明るく発光するが、光源から離れると暗くなるという結果となる。
【0009】
本発明は、導光板を必要とせず、拡散と透過とを一つの材料でLED光源からの発光を、発光方向の垂直な方向で、かつ、360度の立体的な方向に光のぎらつきのない発光とする照明カバー材料であって、点光源であるLED出射光を減衰させることなく、全方向に立体的に拡散、透過又は反射させる光拡散カバー及び点光源であるLEDを使用した照明器具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る光拡散カバーは、発光ダイオードを光源とする照明器具の光拡散カバーであって、該光拡散カバーは、光源から発せられる光の拡散部にポリテトラフルオロエチレンの多孔質膜が使用されてなることを特徴とするものである。このように構成したことにより、本発明に係る光拡散カバーは、光源、特にLEDからの照射を一つの膜体、すなわち反射・拡散・透過の性能を備えたPTFE多孔質膜体をカバー材とすることにより、特にLEDを光源とする照明にあって立体的に形成されたPTFE多孔質膜によって光源からの射光の進行方向に対して垂直な方向にも拡散反射して全方向に立体的に透過光を発する光拡散カバーとなる。なお、前記光拡散カバーは、その一部に透明部を有する構成としてもよく、例えば透明部は膜体の一部を切り裂いても良いし、透明性の物質を含浸しても良い。前記透明性の物質としては、例えばシリコンオイル、フッ素オイルなどの有機液体、例えばエポキシ、ウレタンなどの架橋が起こる反応性樹脂がある。このように構成すると、LEDからの射光を拡散部により全方向に立体的に透過光を発するとともにPTFE多孔膜の透明開口部からより照度の大きい反射光を発するので、より一層明るい光を放つことができる。また、前記光拡散カバーは、PTFE多孔質膜の内面又は外面あるいは両面に透明性材料よりなる剛性シート等の剛性体で構造的補強が施されることが好ましい。PTFE多孔質膜は微細な凹凸表面の存在よって他の材料と接着・粘着することができる。接着剤としては株式会社スリーボンド製のプライマーTB7797と接着剤TB7781とがあり、これらの接着剤を使用すれば、PTFE多孔質膜を金属面、ガラス面又は樹脂面に容易に接着することができる。また、両面テープなどの粘着テープを使用してもよい。このPTFE多孔質膜は溶剤などに溶解する有色染料や蛍光染料などで着色することができる、例えばマジックインク(株式会社内田洋行の登録商標)などで色づけすることができる。したがって、多様な色合いや模様の照明カバー材とすることもできる。
【0011】
前記光拡散カバーに使用されるPTFEの多孔質膜としては、PTFEのペースト押出成形物を焼成又は半焼成して形成した成形体を膨張又は延伸によって作成され、表面粗さが0.2μmRa〜0.5μmRaで、60度の光沢計の測定による鏡面光沢が光沢度30%以上、比重が0.9〜1.3、厚みが20μm〜130μm、通気度ガーレー数が100秒/100CC〜10000秒/100CCである多孔質膜を使用するのが好ましい。このように構成したPTFE多孔質膜は、LED光源から照射された光をよく反射し拡散させる。さらに厚みが100μm程度になると光もよく透過する。PTFE多孔質膜の性状を選択する理由は次のとおりである。PTFEのペースト成形から得られるPTFEの融点以上で焼成又は半焼成した成形品は、滑らかな表面により光を良好に反射し、100μmレベルの厚み以下の膜体では光りを良好に透過させる。コモノマー変性されたPTFEが光透過の点ではさらに好ましい。PTFEのペースト成形とは、PTFEの乳化重合で得られた粉末粒子に成形助剤、たとえばナフサ等の溶剤を約20重量%添加したペースト状態物をチューブ状やロッド状に押し出し、チューブ状のものはそのままで、ロッド状のものは圧延してフィルム状とした後、成形助剤を加熱して除去する。除去しただけのものは未焼成物とよばれる。乾燥除去後にPTFEの融点以上で加熱処理すると焼成物ができる。PTFEの融点には、重合粉末の融点が340度近辺にあり、焼成品の融点は326度付近になる。前記助剤乾燥のものをPTFEの重合粉末の融点と焼成品の融点の間で加熱処理すると重合粉末の中に含まれる一部が溶融した半焼成品ができる。該成形品の多孔質膜は延伸又は膨張加工により白色化する。白色化する理由は光の波長領域サイズでの複雑な凹凸の形成による光の乱反射、つまり光の拡散が起こり、厚み方向に連続した迷路的な造孔による光の乱反射を繰り返して、光源より、より白色でインコヒーレントな光として透過してくるものと考えられる。膜の物性は、連続した造孔のサイズは迷路的であるが、流体ガスや親和性のある液の透過によって判断でき、孔径を決めることができる。一つの方法はイソプロピルアルコールに浸し片側から空気圧を作用させてバブルが発生する初期圧から最大径を計算する方法が知られている。また、フッ素系オイルで浸しガスが透過してくる圧力の初期点から流量増大変化と流量の変化がなくなるまでの透過量を測定する装置としてコールタポロメーターがある。本発明に適用されるPTFE多孔質膜はこれらによって測定される平均孔径が0.1μm以下である。コールタポロメータは、その作用圧力の最大値に限界があり最小径の測定は困難である。該PTFE多孔質膜の造孔状態は空気の透過量を測定するガーレーメーターによって測定できるガーレー数(JIS P 8117:1998に準拠した方法で測定され、100CCの空気が通過する時間)100秒から10000秒の間である。PTFE多孔質膜の比重は0.9〜1.3であり、ボイド率約50%前後である。その理由は比重0.8以下では造孔サイズが大きくなり反射率が落ちる。比重1.4以上では造孔部が少なく拡散が不十分になる。なお、本発明のPTFE多孔質体は特開昭51−30277号で開示されているPTFEペースト成形品を未焼結状態で延伸膨張させて得られる多孔質体とは異なるものである。特に、特開昭51−30277号で得られる膜体はPTFEが未焼結状態で延伸膨張が行われるので、PTFE材料が約0.2〜0.3μmの粒子からなっているために、この膜体は光の反射率が低下する欠点がある。透過光量はPTFE多孔質膜の厚みと相関があり、薄くなるほど光量は増大する。このような物性のPTFE多孔質体よりなる光拡散カバーにLEDの光を照射すると、光の一部はカバーを透過してカバー外に放射され、一部はカバーに反射してカバー内に戻り、さらに一部はカバー層内を進行する。前記の反射した光は再びカバーに照射されて前記の三つの光に分散される。カバー層内を進行する光は層内を進行しながらカバー外又はカバー内に放射されることになるが、層内進行中に光の減衰がないため進行方向に長く進み、したがって、光源の近くのカバーは明るく発光するのみならず、光源から離れても明るく発光する結果となる。
【0012】
また、本発明に係る照明器具は、前記構成の光拡散カバーを使用し、光源としてLEDを使用してなることを特徴とするものである。本発明の照明カバーを部品として用いることにより照明器具とすることができる。照明器具とする場合、光が反射拡散する内部の構造に透明な材料で充実することができる。例えば、ガラスやポリカーボネートから構成することができる。本発明の照明カバーによる被照射体の照度は、携帯電話などに搭載されているCMOSイメージセンサで識別できる程度あれば良い。
【0013】
前記照明器具おいて、光拡散カバーが両端を閉塞した中空の筒状体よりなり、筒状体の一方又は両方の端部に、筒状体内に向けて射光するように光源を配した構成としてもよい。PTFE多孔質膜が筒状である照明カバー材料の形状であることが好ましい。カバー材料の形状はPTFE多孔質膜を立体的に構成、例えば円筒状やドーム状に構成してLED光源を一端に配置すると、その一端から出光した光は反射拡散され入射角が面に直交方向になるにしたがってPTFE多孔質膜を透過し立体的、三次元的に光を放射することができる。円筒状のPTFE多孔質体は特公平5−33650号に記載された方法により製造することができる。この方法の中で好適に選ばれるものは比重0.9〜1.2の多孔性物品である。これらの物品の物性は特開平9−185282号(筒状フィルム)に開示されている。厚みは25μmから130μmの範囲が好適である。さらに、前記照明器具おいて、光拡散カバーが円錐状又はドーム状の形態をなしている構成としてもよい。PTFE多孔質膜が円錐状またはドーム状にすることによって拡散を高め、より明るくすることができる。前記円筒状、円錐状、ドーム状あるいは半円筒状の立体形状に形成する手段は円筒成形物から作成された製法に限定されるものではなく、平膜状から形成しても良い。ドーム状のPTFE多孔質体は未延伸膨張可能なPTFE材料を任意のドーム状に加熱膨張して得ることができる。例えば、PTFE半焼成フィルムをポリエチレンテレフタレートのシートで挟み、そのポリエチレンテレフタレートの融点(約260℃)以上に加熱して金型中で膨張成形することによってドーム状に成形することができる。PTFE半焼成フィルムはPTFEのペースト押出と圧延によって得られたフィルムを未焼結PTFEの融点以下と焼結PTFEの融点以上の間で加熱処理することによって得られる。このことは特開昭58−145735等によって知られている。
【0014】
また、前記筒状体の他方の端部に反射鏡を配し、当該反射鏡の鏡面が一方の端部の光源に向かい合うように配した構成としてもよい。多孔質膜が筒状の場合にLED光源が一端に配置され、他端に反射ミラーを配置することによって放出光量が増し、より明るくすることができる。また、一端に配置されるLED光源の素子数は複数にすることにより、明るさを増大させることができる。さらに両端に光源を配置して筒状部を長くすることもできる。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、導光板を必要とせず、拡散と透過とを一つの材料、すなわち反射・拡散・透過の性能を備えたPTFE多孔質膜を使用することにより、LED光源からの発光を、発光方向の垂直な方向で360度の立体的な方向に、光のぎらつきのない発光とする照明カバー材料を提供することが可能となった。これによってLED光源の光量を有効活用でき、エネルギー的にも高効率な照明ができるので省エネルギー化の促進ができる。カバー材料のコスト削減、軽量化及び難燃化を果たし、また、照明器具の軽量化や携行用に供することができる。さらに、カバー材がプラスチックの中でもっとも耐熱性があり、難燃性であるので火災時における避難時に照明を持続することができる。紫外線領域から赤外線領域までの全領域にわたって全く劣化せず、水や油などすべての生活環境下にある物質にも優れた耐性があるので厳しい環境下においても使用することが可能である。また、本発明はLED光源を使用する携行ライト、浴槽内ライト、目印や標識用照明器具の照明カバー材となる。たとえば、真っ暗闇の中でもどの方向からも見える目印、標識となる。さらに携行ライトの照明カバー材にすると、夜中のテントの中で全範囲が見渡せる照明器具とすることができる。カバー材には着色剤で文字や図柄を自由に私的描写することができる。災害時などの停電化での非常照明器具、非難ガイド照明器具とすることができる。本発明は上記のように生活の場において様々な優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】光源として使用したLEDライト照明器具の写真である。
【図2】比較例1における光の明るさの広がりを示す模式図である。
【図3】比較例1の測定実験において、周囲を暗くして点灯し、その光の広がりをセクションシート上に表した写真である。
【図4】実施例1における測定材料の写真である。
【図5】実施例1における測定材料をLEDライトの先端に取り付けた状態を示す写真である。
【図6】実施例1における測定材料をLEDライトの先端に取り付け、周囲を暗くして点灯し、その光の広がりをセクションシート上に表した写真である。
【図7】実施例1における光の明るさの広がりを示す模式図である。
【図8】実施例2における測定材料の写真である。
【図9】実施例3における光拡散カバーの変更例である。
【図10】従来の蛍光灯型LED照明器具の光の広がり状態を示す写真である。
【図11】従来の蛍光灯型LED照明器具の光の広がり状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施例を以下に説明するが、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0018】
比較例1として、下記の光源及び照度計を使用し、LEDライトの光源からの明るさの広がりとその照度の測定を行った。
【0019】
光源として使用したLEDライトは、図1に示す「ELPA 0.5W LEDLIGHT DOP−10SL(朝日電器株式会社製)」を使用した。図1は、光源として使用したLEDライト照明器具の写真である。照度計は、「TM−204(台湾TENMARS ELECTRONICS CO., LTD.製)」である。
【0020】
次に照度計による測定方法について説明する。まず、照度計による照度の測定点及び測定方向を次のように定めた。光源における発光の中心線を光軸とし、光源に対して当該光軸に平行な方向を照度計の受光方向とする測定方向を対向測定方向と称して、光源から光軸方向100mmの位置における対向測定方向を測定点A、同じく200mmの位置における対向測定方向を測定点Dと定めた。また当該測定点2点の位置A、Dから光軸の垂直方向に50mm離れた位置における対向測定方向を測定点B、Eと定めた。さらに当該2点の位置A、Dから光軸の垂直方向に100mm離れた位置における対向測定方向を測定点C、Fと定めた。そして、光源に対して光軸に垂直な方向を照度計の受光方向とする測定方向を垂直測定方向と称し、光源から光軸方向100mmの位置における光軸の垂直方向に50mm離れた位置における垂直測定方向を測定点L、同じく100mm離れた位置における垂直測定方向を測定点Hと定めた。また、光源から光軸方向200mmの位置における光軸の垂直方向に50mm離れた位置における垂直測定方向を測定点M、同じく100mm離れた位置における垂直測定方向を測定点Nと定めた。
【0021】
図2は、比較例1における明るさの広がりを示す模式図であり、図2中に上記の測定点A〜F、L、H、M、Nが示されている。図3は、測定実験において、周囲を暗くしてセクションシート上に表した光の明るさの広がりを示す写真である。
【0022】
上記の測定結果を下記表1に示す。表1は、LEDライト照明器具を光拡散カバーを使用しないで照射した状態における各測定点における照度である。この表1に示されるように、光軸上の光源に対する照度は、光源から100mmの位置と200mmの位置とで照度が約半減している。しかし、光軸から垂直方向に離れた位置においては、光軸に平行な方向、すなわち対向測定方向で測定した光源に対する照度は、光軸から離れるに従って極端に低下している。また、光軸に垂直な方向、すなわち垂直測定方向で測定した光源に対する照度はかなり低い結果となった。このことから、比較例1におけるライトの照明は、ライトの光軸方向には照明効果が認められるが、光軸から離れた位置では極端に照度が低下し、周囲全体を照らす照明器具としての役目を果たし得ないことが判る。
【表1】
【0023】
比較例2として、PTFE多孔質膜による照度の立体的広がりについて考察した。つまり、ライトの発光面をカバー材料にて被覆し、ライトを点灯したときの対向方向の照度を測定した。なお、測定材料であるカバー材料は、特公平5−33650号に記載された方法により加工製造したPTFE多孔質膜であり、その性状は、表面粗さが0.2μmRa、60度の光沢計による鏡面光沢が光沢度40%、空孔率が45%である。その測定結果を表2に示す。表2は、カバー材を平膜にして正面に貼り付けた時の対向測定方向の照度である。その結果、出射光の軸線に対向する位置にカバー材料を平膜にして設置した場合には照度の大きな分布が現れ、光源のぎらつきとなる欠陥がある。
【表2】
【実施例1】
【0024】
実施例1は、PTFE多孔質膜により筒状に形成したチューブを光拡散用のカバー材料としてLEDライトの先端部に取り付けたものを使用し、比較例1と同様の測定を行った。すなわち、光源として使用したLEDライトは、図1に示す「ELPA 0.5W LEDLIGHT DOP−10SL(朝日電器株式会社製)」を使用した。照度計は、「TM−204(台湾TENMARS ELECTRONICS CO., LTD.製)」である。測定材料であるPTFE多孔質膜製チューブは、特公平5−33650号に記載された方法により加工製造したPTFE多孔質膜より形成したものであり、当該PTFE多孔質膜の性状は、表面粗さが0.2μmRa、60度の光沢計による鏡面光沢が光沢度40%、空孔率が45%である。このPTFE多孔質膜により内径37mm、肉厚100μmのチューブを形成して測定材料とした。なお、チューブの形状維持のためにチューブの内面及び外面に厚み50μmのポリエチレンテレフタレートのフィルムで補強したものを測定材料とし、この測定材料をLEDライトの先端に取り付け、LEDライトを点灯した。図4は測定材料の写真、図5は取付状態を示す写真、図6は点灯した状態を示す写真、図7は光の明るさの広がりを示す模式図である。表3は、各測定点における照度を示す。
【表3】
【0025】
実施例1における測定材料を使用すると、表3に示されるように、ライトの軸線方向に対して立体的で多面な方向に、かつ、垂直な方向に、照度がより一層上がった結果が得られた。
【実施例2】
【0026】
実施例2は、実施例1におけるチューブの一部を幅20mm、長さ160mm程切り欠いて開口させたスリット部(透明部)を設け、実施例1と同様にポリエチレンテレフタレートで補強した測定材料を使用して、実施例1と同様の方法にて測定した。図8は、測定材料の写真である。表4は、各測定点における照度を示す。
【表4】
【0027】
実施例2における測定材料を使用すると、表4に示されるように、実施例1における測定結果に比べてスリット部からより照度の上がった結果が得られた。
【0028】
[考察]
以上の比較例1及び2、実施例1及び2の測定結果を踏まえてPTFE多孔質体による照度の立体的広がりについて考察した。なお、表5は上記測定結果の一覧表である。ライトの正面に当該PTFE多孔質体を平膜にして点灯したときの対向測定方向の照度を測定した。出射光の軸線に対向する位置にカバー材料を平膜にして設置した場合には照度の大きな分布が現れ、光源のぎらつきとなる欠陥がある。本発明の実施例のカバー材設置時の垂直測定方向の照度を比較してみるとカバー材1から反射・透過してくる出射光は立体的に広がっていること、及び照度の分布が平均化されていることが判る。
【0029】
また、比較例1における測定点L、H、M、Nにおける照度は、実施例1における測定点L、H、M、Nにおける照度と比較すると、光軸方向100mmの地点における光軸から垂直方向50mmの測定点Lでの照度は大差がないが、同地点における光軸から垂直方向100mmの測定点Hでの照度はかなりの差があり、このことから実施例1の方が光軸から垂直方向への光が遠くまで伝わっていることが判る。また、光軸方向200mmの地点における光軸から垂直方向50mmの測定点Mでの照度の差が大きく、このことから、実施例1の方が、光源から発せられた光が光軸方向により遠くまで伝わり、かつ、光軸から垂直方向への光が遠くまで伝わっていることが判る。
【0030】
以上のことから、光源から発せられた光は、PTFE多孔質膜の層内を減衰することなく進行していることが推定できる。更に、実施例2における測定点L、H、M、Nにおける照度が比較例1及び実施例1に比べてかなり大きいことから、チューブ内を通過又は反射している光が透明部まで減衰することなく伝わっていることが判る。
【0031】
以上の考察の結果、PTFE多孔質膜を使用すればLEDの光が全方向に均等に拡散するので、LED照明の光拡散カバーのカバー材料として優れていることが証明される。
【表5】
【実施例3】
【0032】
本実施例は、筒状体の変形例であって、図9に示すように、円錐状に形成したものである。その材質は、実施例1に記載したPTFE多孔質膜を使用し、その内面及び外面にポリエチレンテレフタレートのフィルムを積層して形状保持及び強度維持したものである。
【符号の説明】
【0033】
A:光源から光軸方向100mmの位置における対向測定方向の測定点
B:測定点Aの位置から光軸の垂直方向に50mm離れた位置における対向測定方向の測定点
C:測定点Aの位置から光軸の垂直方向に100mm離れた位置における対向測定方向の測定点
D:光源から光軸方向200mmの位置における対向測定方向の測定点
E:測定点Dの位置から光軸の垂直方向に50mm離れた位置における対向測定方向の測定点
F:測定点Dの位置から光軸の垂直方向に100mm離れた位置における対向測定方向の測定点
L:光源から光軸方向100mmの位置における光軸の垂直方向に50mm離れた位置における垂直測定方向の測定点
H:光源から光軸方向100mmの位置における光軸の垂直方向に100mm離れた位置における垂直測定方向の測定点
M:光源から光軸方向200mmの位置における光軸の垂直方向に50mm離れた位置における垂直測定方向の測定点
N:光源から光軸方向200mmの位置における光軸の垂直方向に100mm離れた位置における垂直測定方向の測定点
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(以下、「LED」という。)を光源とする照明器具に使用する光拡散カバーに関し、特にポリテトラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という。)の多孔質膜を使用してなる光拡散カバー及び該光拡散カバーを使用した照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LEDは、LEDの有する多くの利点から各種照明用の光源として利用される傾向にあり、種々の開発がなされている。LEDの発光効率は白熱電球よりも優れているとしても、LED1個では大電力においても数ワット程度であるために利用が限られている。すなわち、全方向に照射する場合には光束が低くても機能する常夜灯あるいはLEDの指向角を広くするよりもむしろその直進性を生かして狭くした信号などの発光体や懐中電灯等の照明器具に広く使用されている。
【0003】
しかしながら、一般的な室内灯のように空間全体を明るく照らし出す照明器具としては光束が不足し、明るさや照射範囲などは白熱電球や電球型蛍光灯には及ばない。また、直管蛍光灯と同形状で同口金のものが開発されているが、当然LED1個では十分な光束が得られないため、複数(場合によっては100個以上)のLEDを使用する必要がある(特許文献1)。
【0004】
また、LEDは点光源であるために眩しさやぎらつきがあり、不均一な発光であるため、図10及び図11に示すように、そのまま照明に活用することは適切でない。
【0005】
そのための解決手段として、たとえば均一なLED面発光照明のために導光板、拡散板、透過板を使用して課題の一部が解決されているが、この解決手段は、導光板、拡散板、透過板等の別途の材料を必要とするものである。また、LED光源は平面の素子から直角に発光するためにライトとしては指向性の強さに欠点がある。そこで、光源にレンズを配置して発光の指向角度を120度の広角にする工夫も行われている。例えば砲弾型LEDランプ製品(株式会社トリコン)が市販されているがコヒーレント性の光源に変わりはない。例えばLED光源からなる携行ライトは小さいワット数でも直接人の目に入射することは危険である。LED光源を自動車のランプに使用すると眩しすぎるため、対向する車や自転車の運転を誤らせる危険がある。また、蛍光灯型LED照明器具においては多数個のLED光源を管の長手方向に配置して照射するようにしているがLED光源毎の光束が見え、ぎらつきが問題になっている。
【0006】
そこで、このような障害を防止するために開発された光拡散カバーとして、特許文献2には、複数のLED構造体の全体を包囲する光透過性カバーを備えた照明器具が示されており、該光透過性カバーにより照明器具全体から発光している印象を与え、LEDだけから発光している印象を与えないために、照明器具を直視しても眩しくないようになっている。該光透過性カバーは、LED構造体から入射した光の実質的に全部若しくは一部が透過するような透明体であってもよく、入射した光の一部の特定の波長が透過し難くなっているような透明着色体であってもよく、入射した光の少なくとも一部が散乱するような磨ガラス状若しくは曇りガラス状であってもよい。すなわち、光透過性カバーの透過率、色調、ヘイズ等には特に限定はないが、LED構造体から入射した光の少なくとも一部が散乱して外部に出るような磨ガラス状若しくは曇りガラス状であることが、照明器具全体から発光している印象を与え、照明器具を直視してもLED構造体によって眩しくないため等の理由で好ましい。光透過性カバーは、内部に包囲している個々のLED構造体の輪郭が目視で識別できない程度に曇っているものであることが上記理由から特に好ましい。光透過性カバーの形状は管状であり、並置された複数のLED構造体の前面長手方向にシリンドリカルレンズの効果を有する光屈折体を有しているものが好ましい。光屈折体は、LEDや照明器具から距離が離れても照度が落ちず、LEDの照射方向から角度的にずれても照度が落ちないという効果を得るために設けられている。光透過体もこの効果を得るために設けられるが、光透過性カバーに光屈折体を設けることによって、この効果を助長させる。光屈折体の形状は、凸レンズの効果を持たせるため中心線に向かって膨らんでいることが必要である。光屈折体の下面(LED側の面)はほぼ平らであり、全体としてカマボコレンズのような形状をしているが、下面は凹面でも、凸面でもよい。光屈折体は、単に上記したシリンドリカルレンズの効果を有すればよく、すなわち、光屈折体の場所によって焦点距離が異なるようなものでもよく、歪みがあっても収差があってもよい。従って、実像としては一か所に形成される必要はない。光屈折体の材質は、ガラス、石英等の無機物;(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂等のビニル系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂等の有機高分子化合物等の何れでもよく、光学特性、強度、耐久性、コスト、加工性等を考慮して選択される。透過性カバーがガラスの場合又は汎用の蛍光灯に類似させるためには、光屈折体はガラスであることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−122933号公報
【特許文献2】特開2009−199863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献2に示される従来の光拡散カバーは、LEDからの発光を減衰させるものであった。すなわち、従来の光拡散カバーにLEDの光を照射すると、光の一部はカバーを透過してカバー外に放射され、一部はカバーに反射されてカバー内に戻り、さらに一部はカバー層内を進行する。前記の反射した光は再びカバーに照射されて前記の三つの光に分散される。カバー層内を進行する光は層内を進行しながらカバー外又はカバー内に放射されることになるが、層内進行中に減衰するために進行方向に長くは進まず、したがって、光源の近くのカバーは明るく発光するが、光源から離れると暗くなるという結果となる。
【0009】
本発明は、導光板を必要とせず、拡散と透過とを一つの材料でLED光源からの発光を、発光方向の垂直な方向で、かつ、360度の立体的な方向に光のぎらつきのない発光とする照明カバー材料であって、点光源であるLED出射光を減衰させることなく、全方向に立体的に拡散、透過又は反射させる光拡散カバー及び点光源であるLEDを使用した照明器具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る光拡散カバーは、発光ダイオードを光源とする照明器具の光拡散カバーであって、該光拡散カバーは、光源から発せられる光の拡散部にポリテトラフルオロエチレンの多孔質膜が使用されてなることを特徴とするものである。このように構成したことにより、本発明に係る光拡散カバーは、光源、特にLEDからの照射を一つの膜体、すなわち反射・拡散・透過の性能を備えたPTFE多孔質膜体をカバー材とすることにより、特にLEDを光源とする照明にあって立体的に形成されたPTFE多孔質膜によって光源からの射光の進行方向に対して垂直な方向にも拡散反射して全方向に立体的に透過光を発する光拡散カバーとなる。なお、前記光拡散カバーは、その一部に透明部を有する構成としてもよく、例えば透明部は膜体の一部を切り裂いても良いし、透明性の物質を含浸しても良い。前記透明性の物質としては、例えばシリコンオイル、フッ素オイルなどの有機液体、例えばエポキシ、ウレタンなどの架橋が起こる反応性樹脂がある。このように構成すると、LEDからの射光を拡散部により全方向に立体的に透過光を発するとともにPTFE多孔膜の透明開口部からより照度の大きい反射光を発するので、より一層明るい光を放つことができる。また、前記光拡散カバーは、PTFE多孔質膜の内面又は外面あるいは両面に透明性材料よりなる剛性シート等の剛性体で構造的補強が施されることが好ましい。PTFE多孔質膜は微細な凹凸表面の存在よって他の材料と接着・粘着することができる。接着剤としては株式会社スリーボンド製のプライマーTB7797と接着剤TB7781とがあり、これらの接着剤を使用すれば、PTFE多孔質膜を金属面、ガラス面又は樹脂面に容易に接着することができる。また、両面テープなどの粘着テープを使用してもよい。このPTFE多孔質膜は溶剤などに溶解する有色染料や蛍光染料などで着色することができる、例えばマジックインク(株式会社内田洋行の登録商標)などで色づけすることができる。したがって、多様な色合いや模様の照明カバー材とすることもできる。
【0011】
前記光拡散カバーに使用されるPTFEの多孔質膜としては、PTFEのペースト押出成形物を焼成又は半焼成して形成した成形体を膨張又は延伸によって作成され、表面粗さが0.2μmRa〜0.5μmRaで、60度の光沢計の測定による鏡面光沢が光沢度30%以上、比重が0.9〜1.3、厚みが20μm〜130μm、通気度ガーレー数が100秒/100CC〜10000秒/100CCである多孔質膜を使用するのが好ましい。このように構成したPTFE多孔質膜は、LED光源から照射された光をよく反射し拡散させる。さらに厚みが100μm程度になると光もよく透過する。PTFE多孔質膜の性状を選択する理由は次のとおりである。PTFEのペースト成形から得られるPTFEの融点以上で焼成又は半焼成した成形品は、滑らかな表面により光を良好に反射し、100μmレベルの厚み以下の膜体では光りを良好に透過させる。コモノマー変性されたPTFEが光透過の点ではさらに好ましい。PTFEのペースト成形とは、PTFEの乳化重合で得られた粉末粒子に成形助剤、たとえばナフサ等の溶剤を約20重量%添加したペースト状態物をチューブ状やロッド状に押し出し、チューブ状のものはそのままで、ロッド状のものは圧延してフィルム状とした後、成形助剤を加熱して除去する。除去しただけのものは未焼成物とよばれる。乾燥除去後にPTFEの融点以上で加熱処理すると焼成物ができる。PTFEの融点には、重合粉末の融点が340度近辺にあり、焼成品の融点は326度付近になる。前記助剤乾燥のものをPTFEの重合粉末の融点と焼成品の融点の間で加熱処理すると重合粉末の中に含まれる一部が溶融した半焼成品ができる。該成形品の多孔質膜は延伸又は膨張加工により白色化する。白色化する理由は光の波長領域サイズでの複雑な凹凸の形成による光の乱反射、つまり光の拡散が起こり、厚み方向に連続した迷路的な造孔による光の乱反射を繰り返して、光源より、より白色でインコヒーレントな光として透過してくるものと考えられる。膜の物性は、連続した造孔のサイズは迷路的であるが、流体ガスや親和性のある液の透過によって判断でき、孔径を決めることができる。一つの方法はイソプロピルアルコールに浸し片側から空気圧を作用させてバブルが発生する初期圧から最大径を計算する方法が知られている。また、フッ素系オイルで浸しガスが透過してくる圧力の初期点から流量増大変化と流量の変化がなくなるまでの透過量を測定する装置としてコールタポロメーターがある。本発明に適用されるPTFE多孔質膜はこれらによって測定される平均孔径が0.1μm以下である。コールタポロメータは、その作用圧力の最大値に限界があり最小径の測定は困難である。該PTFE多孔質膜の造孔状態は空気の透過量を測定するガーレーメーターによって測定できるガーレー数(JIS P 8117:1998に準拠した方法で測定され、100CCの空気が通過する時間)100秒から10000秒の間である。PTFE多孔質膜の比重は0.9〜1.3であり、ボイド率約50%前後である。その理由は比重0.8以下では造孔サイズが大きくなり反射率が落ちる。比重1.4以上では造孔部が少なく拡散が不十分になる。なお、本発明のPTFE多孔質体は特開昭51−30277号で開示されているPTFEペースト成形品を未焼結状態で延伸膨張させて得られる多孔質体とは異なるものである。特に、特開昭51−30277号で得られる膜体はPTFEが未焼結状態で延伸膨張が行われるので、PTFE材料が約0.2〜0.3μmの粒子からなっているために、この膜体は光の反射率が低下する欠点がある。透過光量はPTFE多孔質膜の厚みと相関があり、薄くなるほど光量は増大する。このような物性のPTFE多孔質体よりなる光拡散カバーにLEDの光を照射すると、光の一部はカバーを透過してカバー外に放射され、一部はカバーに反射してカバー内に戻り、さらに一部はカバー層内を進行する。前記の反射した光は再びカバーに照射されて前記の三つの光に分散される。カバー層内を進行する光は層内を進行しながらカバー外又はカバー内に放射されることになるが、層内進行中に光の減衰がないため進行方向に長く進み、したがって、光源の近くのカバーは明るく発光するのみならず、光源から離れても明るく発光する結果となる。
【0012】
また、本発明に係る照明器具は、前記構成の光拡散カバーを使用し、光源としてLEDを使用してなることを特徴とするものである。本発明の照明カバーを部品として用いることにより照明器具とすることができる。照明器具とする場合、光が反射拡散する内部の構造に透明な材料で充実することができる。例えば、ガラスやポリカーボネートから構成することができる。本発明の照明カバーによる被照射体の照度は、携帯電話などに搭載されているCMOSイメージセンサで識別できる程度あれば良い。
【0013】
前記照明器具おいて、光拡散カバーが両端を閉塞した中空の筒状体よりなり、筒状体の一方又は両方の端部に、筒状体内に向けて射光するように光源を配した構成としてもよい。PTFE多孔質膜が筒状である照明カバー材料の形状であることが好ましい。カバー材料の形状はPTFE多孔質膜を立体的に構成、例えば円筒状やドーム状に構成してLED光源を一端に配置すると、その一端から出光した光は反射拡散され入射角が面に直交方向になるにしたがってPTFE多孔質膜を透過し立体的、三次元的に光を放射することができる。円筒状のPTFE多孔質体は特公平5−33650号に記載された方法により製造することができる。この方法の中で好適に選ばれるものは比重0.9〜1.2の多孔性物品である。これらの物品の物性は特開平9−185282号(筒状フィルム)に開示されている。厚みは25μmから130μmの範囲が好適である。さらに、前記照明器具おいて、光拡散カバーが円錐状又はドーム状の形態をなしている構成としてもよい。PTFE多孔質膜が円錐状またはドーム状にすることによって拡散を高め、より明るくすることができる。前記円筒状、円錐状、ドーム状あるいは半円筒状の立体形状に形成する手段は円筒成形物から作成された製法に限定されるものではなく、平膜状から形成しても良い。ドーム状のPTFE多孔質体は未延伸膨張可能なPTFE材料を任意のドーム状に加熱膨張して得ることができる。例えば、PTFE半焼成フィルムをポリエチレンテレフタレートのシートで挟み、そのポリエチレンテレフタレートの融点(約260℃)以上に加熱して金型中で膨張成形することによってドーム状に成形することができる。PTFE半焼成フィルムはPTFEのペースト押出と圧延によって得られたフィルムを未焼結PTFEの融点以下と焼結PTFEの融点以上の間で加熱処理することによって得られる。このことは特開昭58−145735等によって知られている。
【0014】
また、前記筒状体の他方の端部に反射鏡を配し、当該反射鏡の鏡面が一方の端部の光源に向かい合うように配した構成としてもよい。多孔質膜が筒状の場合にLED光源が一端に配置され、他端に反射ミラーを配置することによって放出光量が増し、より明るくすることができる。また、一端に配置されるLED光源の素子数は複数にすることにより、明るさを増大させることができる。さらに両端に光源を配置して筒状部を長くすることもできる。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、導光板を必要とせず、拡散と透過とを一つの材料、すなわち反射・拡散・透過の性能を備えたPTFE多孔質膜を使用することにより、LED光源からの発光を、発光方向の垂直な方向で360度の立体的な方向に、光のぎらつきのない発光とする照明カバー材料を提供することが可能となった。これによってLED光源の光量を有効活用でき、エネルギー的にも高効率な照明ができるので省エネルギー化の促進ができる。カバー材料のコスト削減、軽量化及び難燃化を果たし、また、照明器具の軽量化や携行用に供することができる。さらに、カバー材がプラスチックの中でもっとも耐熱性があり、難燃性であるので火災時における避難時に照明を持続することができる。紫外線領域から赤外線領域までの全領域にわたって全く劣化せず、水や油などすべての生活環境下にある物質にも優れた耐性があるので厳しい環境下においても使用することが可能である。また、本発明はLED光源を使用する携行ライト、浴槽内ライト、目印や標識用照明器具の照明カバー材となる。たとえば、真っ暗闇の中でもどの方向からも見える目印、標識となる。さらに携行ライトの照明カバー材にすると、夜中のテントの中で全範囲が見渡せる照明器具とすることができる。カバー材には着色剤で文字や図柄を自由に私的描写することができる。災害時などの停電化での非常照明器具、非難ガイド照明器具とすることができる。本発明は上記のように生活の場において様々な優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】光源として使用したLEDライト照明器具の写真である。
【図2】比較例1における光の明るさの広がりを示す模式図である。
【図3】比較例1の測定実験において、周囲を暗くして点灯し、その光の広がりをセクションシート上に表した写真である。
【図4】実施例1における測定材料の写真である。
【図5】実施例1における測定材料をLEDライトの先端に取り付けた状態を示す写真である。
【図6】実施例1における測定材料をLEDライトの先端に取り付け、周囲を暗くして点灯し、その光の広がりをセクションシート上に表した写真である。
【図7】実施例1における光の明るさの広がりを示す模式図である。
【図8】実施例2における測定材料の写真である。
【図9】実施例3における光拡散カバーの変更例である。
【図10】従来の蛍光灯型LED照明器具の光の広がり状態を示す写真である。
【図11】従来の蛍光灯型LED照明器具の光の広がり状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施例を以下に説明するが、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0018】
比較例1として、下記の光源及び照度計を使用し、LEDライトの光源からの明るさの広がりとその照度の測定を行った。
【0019】
光源として使用したLEDライトは、図1に示す「ELPA 0.5W LEDLIGHT DOP−10SL(朝日電器株式会社製)」を使用した。図1は、光源として使用したLEDライト照明器具の写真である。照度計は、「TM−204(台湾TENMARS ELECTRONICS CO., LTD.製)」である。
【0020】
次に照度計による測定方法について説明する。まず、照度計による照度の測定点及び測定方向を次のように定めた。光源における発光の中心線を光軸とし、光源に対して当該光軸に平行な方向を照度計の受光方向とする測定方向を対向測定方向と称して、光源から光軸方向100mmの位置における対向測定方向を測定点A、同じく200mmの位置における対向測定方向を測定点Dと定めた。また当該測定点2点の位置A、Dから光軸の垂直方向に50mm離れた位置における対向測定方向を測定点B、Eと定めた。さらに当該2点の位置A、Dから光軸の垂直方向に100mm離れた位置における対向測定方向を測定点C、Fと定めた。そして、光源に対して光軸に垂直な方向を照度計の受光方向とする測定方向を垂直測定方向と称し、光源から光軸方向100mmの位置における光軸の垂直方向に50mm離れた位置における垂直測定方向を測定点L、同じく100mm離れた位置における垂直測定方向を測定点Hと定めた。また、光源から光軸方向200mmの位置における光軸の垂直方向に50mm離れた位置における垂直測定方向を測定点M、同じく100mm離れた位置における垂直測定方向を測定点Nと定めた。
【0021】
図2は、比較例1における明るさの広がりを示す模式図であり、図2中に上記の測定点A〜F、L、H、M、Nが示されている。図3は、測定実験において、周囲を暗くしてセクションシート上に表した光の明るさの広がりを示す写真である。
【0022】
上記の測定結果を下記表1に示す。表1は、LEDライト照明器具を光拡散カバーを使用しないで照射した状態における各測定点における照度である。この表1に示されるように、光軸上の光源に対する照度は、光源から100mmの位置と200mmの位置とで照度が約半減している。しかし、光軸から垂直方向に離れた位置においては、光軸に平行な方向、すなわち対向測定方向で測定した光源に対する照度は、光軸から離れるに従って極端に低下している。また、光軸に垂直な方向、すなわち垂直測定方向で測定した光源に対する照度はかなり低い結果となった。このことから、比較例1におけるライトの照明は、ライトの光軸方向には照明効果が認められるが、光軸から離れた位置では極端に照度が低下し、周囲全体を照らす照明器具としての役目を果たし得ないことが判る。
【表1】
【0023】
比較例2として、PTFE多孔質膜による照度の立体的広がりについて考察した。つまり、ライトの発光面をカバー材料にて被覆し、ライトを点灯したときの対向方向の照度を測定した。なお、測定材料であるカバー材料は、特公平5−33650号に記載された方法により加工製造したPTFE多孔質膜であり、その性状は、表面粗さが0.2μmRa、60度の光沢計による鏡面光沢が光沢度40%、空孔率が45%である。その測定結果を表2に示す。表2は、カバー材を平膜にして正面に貼り付けた時の対向測定方向の照度である。その結果、出射光の軸線に対向する位置にカバー材料を平膜にして設置した場合には照度の大きな分布が現れ、光源のぎらつきとなる欠陥がある。
【表2】
【実施例1】
【0024】
実施例1は、PTFE多孔質膜により筒状に形成したチューブを光拡散用のカバー材料としてLEDライトの先端部に取り付けたものを使用し、比較例1と同様の測定を行った。すなわち、光源として使用したLEDライトは、図1に示す「ELPA 0.5W LEDLIGHT DOP−10SL(朝日電器株式会社製)」を使用した。照度計は、「TM−204(台湾TENMARS ELECTRONICS CO., LTD.製)」である。測定材料であるPTFE多孔質膜製チューブは、特公平5−33650号に記載された方法により加工製造したPTFE多孔質膜より形成したものであり、当該PTFE多孔質膜の性状は、表面粗さが0.2μmRa、60度の光沢計による鏡面光沢が光沢度40%、空孔率が45%である。このPTFE多孔質膜により内径37mm、肉厚100μmのチューブを形成して測定材料とした。なお、チューブの形状維持のためにチューブの内面及び外面に厚み50μmのポリエチレンテレフタレートのフィルムで補強したものを測定材料とし、この測定材料をLEDライトの先端に取り付け、LEDライトを点灯した。図4は測定材料の写真、図5は取付状態を示す写真、図6は点灯した状態を示す写真、図7は光の明るさの広がりを示す模式図である。表3は、各測定点における照度を示す。
【表3】
【0025】
実施例1における測定材料を使用すると、表3に示されるように、ライトの軸線方向に対して立体的で多面な方向に、かつ、垂直な方向に、照度がより一層上がった結果が得られた。
【実施例2】
【0026】
実施例2は、実施例1におけるチューブの一部を幅20mm、長さ160mm程切り欠いて開口させたスリット部(透明部)を設け、実施例1と同様にポリエチレンテレフタレートで補強した測定材料を使用して、実施例1と同様の方法にて測定した。図8は、測定材料の写真である。表4は、各測定点における照度を示す。
【表4】
【0027】
実施例2における測定材料を使用すると、表4に示されるように、実施例1における測定結果に比べてスリット部からより照度の上がった結果が得られた。
【0028】
[考察]
以上の比較例1及び2、実施例1及び2の測定結果を踏まえてPTFE多孔質体による照度の立体的広がりについて考察した。なお、表5は上記測定結果の一覧表である。ライトの正面に当該PTFE多孔質体を平膜にして点灯したときの対向測定方向の照度を測定した。出射光の軸線に対向する位置にカバー材料を平膜にして設置した場合には照度の大きな分布が現れ、光源のぎらつきとなる欠陥がある。本発明の実施例のカバー材設置時の垂直測定方向の照度を比較してみるとカバー材1から反射・透過してくる出射光は立体的に広がっていること、及び照度の分布が平均化されていることが判る。
【0029】
また、比較例1における測定点L、H、M、Nにおける照度は、実施例1における測定点L、H、M、Nにおける照度と比較すると、光軸方向100mmの地点における光軸から垂直方向50mmの測定点Lでの照度は大差がないが、同地点における光軸から垂直方向100mmの測定点Hでの照度はかなりの差があり、このことから実施例1の方が光軸から垂直方向への光が遠くまで伝わっていることが判る。また、光軸方向200mmの地点における光軸から垂直方向50mmの測定点Mでの照度の差が大きく、このことから、実施例1の方が、光源から発せられた光が光軸方向により遠くまで伝わり、かつ、光軸から垂直方向への光が遠くまで伝わっていることが判る。
【0030】
以上のことから、光源から発せられた光は、PTFE多孔質膜の層内を減衰することなく進行していることが推定できる。更に、実施例2における測定点L、H、M、Nにおける照度が比較例1及び実施例1に比べてかなり大きいことから、チューブ内を通過又は反射している光が透明部まで減衰することなく伝わっていることが判る。
【0031】
以上の考察の結果、PTFE多孔質膜を使用すればLEDの光が全方向に均等に拡散するので、LED照明の光拡散カバーのカバー材料として優れていることが証明される。
【表5】
【実施例3】
【0032】
本実施例は、筒状体の変形例であって、図9に示すように、円錐状に形成したものである。その材質は、実施例1に記載したPTFE多孔質膜を使用し、その内面及び外面にポリエチレンテレフタレートのフィルムを積層して形状保持及び強度維持したものである。
【符号の説明】
【0033】
A:光源から光軸方向100mmの位置における対向測定方向の測定点
B:測定点Aの位置から光軸の垂直方向に50mm離れた位置における対向測定方向の測定点
C:測定点Aの位置から光軸の垂直方向に100mm離れた位置における対向測定方向の測定点
D:光源から光軸方向200mmの位置における対向測定方向の測定点
E:測定点Dの位置から光軸の垂直方向に50mm離れた位置における対向測定方向の測定点
F:測定点Dの位置から光軸の垂直方向に100mm離れた位置における対向測定方向の測定点
L:光源から光軸方向100mmの位置における光軸の垂直方向に50mm離れた位置における垂直測定方向の測定点
H:光源から光軸方向100mmの位置における光軸の垂直方向に100mm離れた位置における垂直測定方向の測定点
M:光源から光軸方向200mmの位置における光軸の垂直方向に50mm離れた位置における垂直測定方向の測定点
N:光源から光軸方向200mmの位置における光軸の垂直方向に100mm離れた位置における垂直測定方向の測定点
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光ダイオードを光源とする照明器具の光拡散カバーであって、該光拡散カバーは、光源から発せられる光の拡散部にポリテトラフルオロエチレンの多孔質膜が使用されてなることを特徴とする光拡散カバー。
【請求項2】
多孔質膜が、ポリテトラフルオロエチレンのペースト押出成形物を焼成又は半焼成して形成した成形体を膨張又は延伸によって作成され、当該多孔質膜の表面粗さが0.2μmRa〜0.5μmRaで、60度の光沢計の測定による鏡面光沢が光沢度30%以上、比重が0.9〜1.3、厚みが20μm〜130μm、通気度ガーレー数が100秒/100CC〜10000秒/100CCであることを特徴とする請求項1に記載の光拡散カバー。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光拡散カバーを使用し、光源として発光ダイオードを使用してなることを特徴とする照明器具。
【請求項4】
光拡散カバーが両端を閉塞した中空の筒状体よりなり、筒状体の一方又は両方の端部に筒状体内に向けて射光するように、光源を配したことを特徴とする請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
筒状体の他方の端部に、鏡面が一方の端部の光源に向かい合うように反射体を配したことを特徴とする請求項4に記載の照明器具。
【請求項1】
発光ダイオードを光源とする照明器具の光拡散カバーであって、該光拡散カバーは、光源から発せられる光の拡散部にポリテトラフルオロエチレンの多孔質膜が使用されてなることを特徴とする光拡散カバー。
【請求項2】
多孔質膜が、ポリテトラフルオロエチレンのペースト押出成形物を焼成又は半焼成して形成した成形体を膨張又は延伸によって作成され、当該多孔質膜の表面粗さが0.2μmRa〜0.5μmRaで、60度の光沢計の測定による鏡面光沢が光沢度30%以上、比重が0.9〜1.3、厚みが20μm〜130μm、通気度ガーレー数が100秒/100CC〜10000秒/100CCであることを特徴とする請求項1に記載の光拡散カバー。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光拡散カバーを使用し、光源として発光ダイオードを使用してなることを特徴とする照明器具。
【請求項4】
光拡散カバーが両端を閉塞した中空の筒状体よりなり、筒状体の一方又は両方の端部に筒状体内に向けて射光するように、光源を配したことを特徴とする請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
筒状体の他方の端部に、鏡面が一方の端部の光源に向かい合うように反射体を配したことを特徴とする請求項4に記載の照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−171104(P2011−171104A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33582(P2010−33582)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(506020492)有限会社ヤマカツラボ (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(506020492)有限会社ヤマカツラボ (9)
【Fターム(参考)】
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