説明

光拡散フィルム、光学モジュールおよび表示装置

【課題】光源光の利用効率を改善することによって光学特性を調節し得る光学モジュールを提供する。
【解決手段】光学モジュール20は、偏光子41および偏光子41に接合された保護シート50を有する偏光板40と、偏光板の保護シートに直面する位置に配置された発光体26を含む光源25と、を備える。保護シートは、バインダー部と、バインダー部中に分散された拡散成分と、を有する光拡散フィルム60を含む。拡散成分の屈折率はバインダー部の屈折率よりも低い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた光拡散機能を有するとともに高い光利用効率を呈する光拡散フィルムに関する。また、本発明は、この光拡散フィルムを保護フィルムとして含んだ偏光板と、偏光板に対面する位置に配置された発光体と、を有する光学モジュール、並びに、この光学モジュールを含んだ表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、偏光子を含んだ偏光板と、偏光板に対面する位置に配置された発光体と、を有する光学モジュールが、光学デバイスに組み込まれて使用されている。典型的な使用例として、この光学モジュールは、表示装置、とりわけ、液晶表示装置に用いられる。液晶表示装置は、液晶表示パネルと、液晶表示パネルを照明するバックライトとして機能する面光源装置と、を有している。
【0003】
図17に示すように、面光源装置は、発光体を含んだ光源と、発光体からの光の進行方向を変化させるための多数の光学シートと、を含んでおり、所望の光学特性で液晶表示パネルを照明することができるように設計されている。図17に示された面光源装置の一例では、光源25の発光体26の側から順に、拡散板A、下拡散シートB、集光シートCおよび上拡散シートDが設けられている。このうち、集光シートCは、光の進行方向を正面方向へ絞り込み正面方向輝度を向上させる機能(集光機能)を有している。拡散板A、下拡散シートBおよび上拡散シートDは、光源25の発光体26からの光を拡散させて発光体26の像を隠す(目立たなくさせる)光拡散機能を有している。
【0004】
一方、図17に示されているように、液晶表示パネルは、画素毎に液晶の配向を制御し得る液晶セル11と、液晶セルの入光側に配置された下偏光板13と、液晶セル11の出光側に配置された上偏光板12と、を有している。一対の偏光板12,13は、特定の偏光成分の光を透過させ、前記特定の偏光成分以外の成分の光を吸収する偏光子と、偏光子に接着され偏光子を保護する保護フィルムと、を有している。
【0005】
このうち保護フィルムは、通常、コスト上の制約から単なる透光性フィルムとして形成されており、透過光に対して積極的に光学的作用を及ぼすことはない。また、光学的機能を付与された保護フィルムが存在しない訳ではないが、偏光子との接着性や偏光子を保護する保護機能を考慮すると、実際上、保護フィルムの偏光子に対面しない側の面を単にマット面化したといった程度にとどまっている(例えば、特許文献1)。
【0006】
ただし、保護フィルムの一方の表面をマット面化する程度では、保護フィルムに十分な拡散機能を付与することはできない。このため、図17に示すように、従来の表示装置においては、偏光板の入光側に、多数の光学シートを設ける必要が生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−258013号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、各光学シートは、入射光を全て透過させるわけでなく、入射光の一部は光学シートで反射される。光学シートで反射した光は、発光体26の背面に設けられた反射板21(図17参照)或いは他の光学シートで反射され、再利用され得る。しかしながら、各光学シートでの反射の度に、光の一部が吸収されてしまう。とりわけ、光拡散シートは、典型的に光を反射させることによって、発光体の構成に応じた明るさのムラ(輝度ムラ)を目立たなくさせることができるが、その反面、反射時に多量の光量損失を生じさせてしまう。そして、このような反射損失(光量損失)は、光学シートの数量が一枚増えるだけで、大幅に上昇してしまう。したがって、面光源装置(表示装置)に多数の光学シートが含まれる場合には、光源の発光体で発光される光の利用効率が著しく低下してしまっている。
【0009】
実際に市販されている表示装置の面光源装置では、多数の発光体によって光源が構成されている。そして、図17に示された例のように、多数の発光体の構成に応じた明るさのムラ(輝度ムラ)を解消するため、複数の光拡散シートが設けられている。このような従来の装置によれば、面光源装置の発光面上において、結果として表示装置の表示面上において、所望の光学特性、典型的には高い正面方向輝度および広い視野角を確保することができるが、その一方で光源光の利用効率は犠牲にされていることになる。昨今においては、エネルギー問題への関心が高まっていることもあり、光源光の利用効率を改善して、その結果として、高い正面方向輝度および広い視野角の両立を図ることができれば非常に好ましい。
【0010】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、光源光の利用効率を改善することによって光学特性を調節し得るようにすることを目的とする。
【0011】
なお、面光源装置および表示装置においては、偏光板と発光体との間に多数の光学シートが設けられることに起因して、その他の問題も生じている。
【0012】
例えば、光学シートの数量が増えると、表示装置の製造コストが直接的に上昇してしまう。また、面光源装置(表示装置)に多数の光学シートが含まれる場合、面光源装置の組み立て時に行う光学シート間の位置決めや、光学シートと発光体との間での位置決めが煩雑となり、このことも、表示装置の製造コストを上昇させてしまう原因となる。
【0013】
また、発光体からの発熱により、光学シートが加熱され、当該光学シートには曲がり、撓み、反り等の変形が生じ得る。このとき、多数の光学シートが設けられている面光源装置(表示装置)では、隣り合う光学シート同士が接触または擦れ合うこともある。光学シート同士が密着している箇所は、もはや期待した光学機能を発揮することができず、さらに、密着箇所が視認されてしまうこともある。また、光学シート同士が擦れ合うと、光学シートに傷が生じ、さらには、カスが生じることもあり、著しく表示画質が劣化することになる。
【0014】
本発明によって、偏光板と発光体との間に多数の光学シートが設けられることに起因した問題にも対処することができれば、非常に好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本件発明者らは、鋭意研究を重ねた結果として、光量損失の少ない光拡散フィルムを偏光板用の保護シートに含ませるとともに、従来の光学シートを排除して偏光板に直面する位置に発光体を配置することによって、表示装置として十分な光学特性を確保することを可能にした。とりわけ、この装置では、光源光の利用効率が大幅に改善されるため、例えば光拡散フィルムの光学特性や光源と偏光板との相対配置位置等を調節することによって、線状に延びる1本の発光体のみによって光源を形成することも可能とすることも可能とすることができる。本発明は、このような本件発明者らの知見に基づくものである。
【0016】
本発明による光学モジュールは、
偏光子と、前記偏光子と接合された保護シートと、を有する偏光板と、
前記偏光板の前記保護シートに直面する位置に配置された発光体を含む光源と、を備え、
前記保護シートは、バインダー部と、前記バインダー部中に分散された拡散成分と、を有する光拡散フィルムを含み、前記拡散成分の屈折率は前記バインダー部の屈折率よりも低い。
【0017】
本発明による光学モジュールにおいて、前記光源は、線状に延びる1本の発光体のみを含むようにしてもよい。
【0018】
本発明による表示装置は、上述した本発明による光学モジュールのいずれかを備える。
【0019】
本発明による表示装置が、
前記偏光板と積層された液晶セルと、
前記液晶セルの前記偏光板に対面する側とは反対の側に積層された更なる偏光板と、
前記発光体の前記偏光板に対面する側とは反対の側に設けられた反射板と、をさらに備えるようにしてもよい。
【0020】
本発明による光拡散フィルムは、
バインダー部と、
前記バインダー部中に分散された拡散成分と、を備え、
前記拡散成分の屈折率は前記バインダー部の屈折率よりも低い。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、光源光の利用効率を改善することが可能となり、このことに起因して、光学特性を改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明による一実施の形態を説明するための図であって、表示装置および光学モジュールの概略構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、表示装置および光学モジュールの概略構成を示す側面の断面図である。
【図3】図3は、偏光板の法線方向に沿った断面において、偏光板を示す断面図である。
【図4】図4は、図3と同様の断面において偏光板を示す図であって、保護シートの一変形例を説明するための図である。
【図5】図5は、図3と同様の断面において偏光板を示す図であって、保護フィルムの他の変形例を説明するための図である。
【図6】図6は、拡散成分の屈折率がバインダー部の屈折率よりも低くなっている光拡散フィルムを保護シートとして含んだ光学モジュールの偏光板の出光側面における正面方向輝度の面内分布を示す図である。
【図7】図7は、拡散成分の屈折率がバインダー部の屈折率よりも高くなっている光拡散フィルムを保護シートとして含んだ光学モジュールの偏光板の出光側面における正面方向輝度の面内分布を示す図である。
【図8】図8は、拡散成分の屈折率がバインダー部の屈折率と同一となっている光拡散フィルムを保護シートとして含んだ光学モジュールの偏光板の出光側面における正面方向輝度の面内分布を示す図である。
【図9】図9は、拡散成分の屈折率がバインダー部の屈折率よりも低くなっている光拡散フィルムを保護シートとして含んだ光学モジュールの偏光板の出光側面の中央で測定された輝度の角度分布を示す図である。
【図10】図10は、拡散成分の屈折率がバインダー部の屈折率よりも高くなっている光拡散フィルムを保護シートとして含んだ光学モジュールの偏光板の出光側面の中央で測定された輝度の角度分布を示す図である。
【図11】図11は、拡散成分の屈折率がバインダー部の屈折率と同一となっている光拡散フィルムを保護シートとして含んだ光学モジュールの偏光板の出光側面の中央で測定された輝度の角度分布を示す図である。
【図12】図12は、保護シートのさらに他の変形例を説明するための偏光板の斜視図である。
【図13】図13は、図2に対応する図であって、図12の偏光板が組み込まれた表示装置の概略構成を示す断面図である。
【図14】図14は、図3と同様の断面において偏光板を示す図であって、保護シートのさらに他の変形例を説明するための図である。
【図15】図15は、図3と同様の断面において偏光板を示す図であって、保護シートのさらに他の変形例を説明するための図である。
【図16】図16は、保護シートを示す斜視図であって、保護シートのさらに他の変形例を説明するための図である。
【図17】図17は、従来の面光源装置を含んだ表示装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0024】
図1〜図3は本発明による一実施の形態を説明するための図である。このうち図1及び図2は、表示装置および光学モジュールの概略構成を示す斜視図および側面図である。図3は、光学モジュールの偏光板に含まれる保護シートを示す正面方向に沿った断面図である。
【0025】
図1に示された表示装置10は、液晶表示装置であって、液晶表示パネル15と、液晶表示パネル15の背面側(画像観察者側とは反対側)に配置された光源25と、光源25を背面側から覆う反射板21と、を有している。光源25は、液晶表示パネル15を背面側から照明する。一方、液晶表示パネル15は、光源25の発光体26で発光された光の透過または遮断を画素毎に制御するシャッターとして機能し、画像を形成する装置である。
【0026】
液晶表示パネル15は、詳しくは後述するように、一対の偏光板12,40と、一対の偏光板間に配置された液晶セル11と、を有している。そして、液晶表示パネル15の一対の偏光板のうちの入光側の偏光板40と、光源25と、によって、光学モジュール20が形成されている。なお、以下においては、液晶表示パネル15に含まれる一対の偏光板を区別するため、表示装置10の配置状態に関係なく、入光側の偏光板40を下偏光板と呼び、出光側の偏光板12を上偏光板と呼ぶ。なお、図3に示すように、本実施の形態において、液晶表示パネル15、並びに、液晶表示パネル15をなす構成要素としての一対の偏光板12,40および液晶セル11は、平面視において四角形形状となるように構成されている。
【0027】
この表示装置10は、直下型の面光源装置を有する構成の液晶表示装置として構成されており、光源25をなす線状発光体26は、液晶表示パネル15と正面方向ndに直面する位置に、配置されている。すなわち、光源25をなす発光体26は、液晶表示パネル15の最入光側に位置する下偏光板40と正面方向ndに直面する位置に、配置されている。したがって、光源25をなす発光体26と、液晶表示パネル15の最入光側に位置する下偏光板40と、の間には、他の部材が介在しておらず、発光体26で発光された光は、直接、下偏光板40に入射することができる。
【0028】
図1および図2に示すように、光源25は、線状に延びる発光体26を含んでいる。図1および図2から理解され得るように、線状の発光体26は、その長手方向が、液晶表示パネル15のパネル面と平行となるように、配置されている。発光体26としては、種々の既知な線状発光体を用いることができ、典型的には、冷陰極管(CCFL: Cold Cathode Fluorescent Lamp)が用いられ得る。
【0029】
また、反射板21は、光源25の発光体26で発光された光を液晶表示パネル15の側へ向けるための部材である。反射板21の少なくとも内側表面は、例えば金属等の高い反射率を有する材料からなっている。
【0030】
なお、本明細書において、「出光側」とは、進行方向を折り返されることなく光源25の発光体26から液晶表示パネル15を経て画像観察者(以下、単に観察者とも呼稱する)へ向かう光の進行方向における下流側(観察者側、図1および図2においては紙面の上側)のことであり、「入光側」とは、進行方向を折り返されることなく光源25の発光体26から液晶表示パネル15を経て観察者へ向かう光の進行方向における上流側のことである。
【0031】
また、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」はフィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。一具体例として、「保護シート」には、「保護フィルム」と呼ばれる部材も含まれ、また、「光拡散フィルム」には、「光拡散シート」と呼ばれる部材も含まれる。
【0032】
さらに、本明細書において、「シート面(フィルム面、板面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の表裏面の平面方向と一致する面のことを指す。そして、本実施の形態においては、液晶表示パネル15のパネル面、下偏光板40の板面、後述する保護シート50のシート面、後述する光拡散フィルム60のフィルム面等は、互いに平行となっている。また、本明細書において、「正面方向」とは、表示装置10の表示面10aへの法線方向ndと平行な方向のことを指し、本実施の形態においては、下偏光板40の板面への法線方向と平行となっている。
【0033】
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、「平行」、「直交」等の用語については、厳密な意味に縛られることなく、同様の光学的機能を期待し得る程度の誤差を含めて解釈することとする。
【0034】
次に、液晶表示パネル15について説明する。液晶表示パネル15は、上述したように、一対の偏光板12,40と、一対の偏光板12,40の間に配置された液晶セル11と、を有している。このうち偏光板12,40は、入射した光を直交する偏光成分に分解し、一方の偏光成分を透過させ、もう一方の偏光成分を吸収する機能(吸収型の偏光分離機能)を有している。
【0035】
一方、液晶セル11は、一対の透明基板と、この透明基板間に設けられた液晶層と、を有している。液晶層に対して、一つの画素を形成する領域毎に、電界印加がなされ得るようになっている。そして、電界印加された液晶層の配向は変化するようになる。入光側に配置された下偏光板40を透過した特定方向(透過軸と平行な方向)の偏光成分は、一例として、液晶セル11のうちの電界印加されている液晶層の領域を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、電界印加されていない液晶層を通過する際にその偏光方向を維持する。このため、液晶層の各領域への電界印加の有無によって、下偏光板40を透過した特定方向の偏光成分が、下偏光板40の出光側に配置された上偏光板12をさらに透過するか、あるいは、上偏光板12で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。
【0036】
ここで、図3を参照して、下偏光板40についてさらに詳述しておく。下偏光板40は、吸収型の偏光分離機能を発揮し得る偏光子41と、偏光子41と接着された保護シート50と、を有している。図3に示すように、保護シート50は、液晶セル11に対面しない側から、言い換えると入光側から偏光子41に積層されており、偏光子41を外部から保護用の部材として機能するようになっている。
【0037】
また、偏光子41および保護シート50に隣接するようにして偏光子41および保護シート50の間に位置し、偏光子41および保護シート50を互いに接着する接着層(図示せず)を、設けるようにしてもよい。偏光子41および保護シート50の密着性を高めるための接着層は、従来からある種々の接着剤を用いて形成され得る。一具体例として、例えばポリビニルアルコール系樹脂を主成分とする水性接着剤を用いて接着層を形成することができる。なお、本明細書における接着は、粘着や糊付けを含む概念であり、同様に、本明細書における接着剤とは、粘着剤や糊を含む概念である。
【0038】
今日まで種々の偏光子が開発されてきており、これらの任意の偏光子を偏光子41として用いることができる。一具体例として、ポリビニルアルコール系フィルムを基材とした偏光子41を用いることができる。ポリビニルアルコール系フィルムを基材とした偏光子41は、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素や染料などの二色性色素を吸着あるいは染色させ、その後、一軸延伸して配向させることによって、光の吸収異方性がポリビニルアルコール系フィルムに付与され得る。
【0039】
次に、保護シート50について説明する。図3に示されているように、保護シート50は、樹脂材料からなるバインダー部(主部、母材部)60aと、バインダー部60a中に分散された拡散成分60bと、を有した光拡散フィルム60を含んでいる。とりわけ本実施の形態においては、図3に示すように、保護シート50は、光拡散フィルム60のみから構成され、光拡散フィルム60は、バインダー部60aおよび当該バインダー部60a中に分散された拡散成分60bのみから構成されている。バインダー部60aをなす樹脂材料として、優れた光学特性を有する種々の樹脂材料、例えば、ポリカーボネート系樹脂を用いることができる。
【0040】
一方、拡散成分60bは、バインダー部60aをなす樹脂材料よりも低屈折率の粒状物等から構成され得る。この拡散成分60bをなす粒状物は、樹脂、金属化合物であってもよいし、気体を含有した多孔質物であってもよいし、さらには、単なる気泡であってもよい。また、粒状物からなる拡散成分60bの形状は、特に問われることはない。したがって、拡散成分60bは、図示された例のように球状(粒子状)である必要はなく、例えば回転楕円体形状や線状等の種々の形状を有することができる。なお、図1および図2において、拡散成分60bは図示を省略している。
【0041】
このようにバインダー部60a中に分散された拡散成分60bに起因して、光拡散フィルム60(保護シート50)は、光を拡散させる拡散機能を発現することができる。とりわけ、拡散成分60bの屈折率が当該拡散成分を含有して保持するバインダー部60aの屈折率よりも低くなっているので、後述する本件発明らの実験結果によって実証されているように、光量損失を抑えて光源25からの光を高い利用効率で利用することが可能となり、結果として、高い正面方向輝度および広い視野角の両立を実現することを可能することができる。
【0042】
なお、内添された拡散成分60bに起因した光拡散フィルム60(保護シート50)の拡散機能の程度は、バインダー部60aをなす樹脂材料、バインダー部60aの厚み、拡散成分60bの構成(形状、大きさ(粒径)、屈折率等)、拡散成分60bの濃度等を適宜設定することにより、極めて広い範囲内で調節可能である。具体的には、単なる表層部をマット面化しただけでは通常到達することが不可能な程度、例えば60%以上90%以下の範囲内に、保護シート50のヘイズ値を設定することも可能である。
【0043】
また、図3に示されているように、保護シート50の偏光子41に対面するようになる出光側面50a(光拡散フィルム60の出光側面にも相当する面)は、平坦面として形成されており。これにより、空気等の混入を防止しながら、保護シート50(光拡散フィルム60)と偏光子41とを安定して積層および接着することが可能となる。ここで、本明細書において、保護シート50(光拡散フィルム60)の偏光子41に対面する側の面50aに対して用いる「平坦」とは、保護シート50(光拡散フィルム60)と偏光子41との安定した積層および接着を確保し得る程度の平坦を指す。例えば、保護シート50(光拡散フィルム60)の偏光子41に対面する側の面50aの表面粗さが、JISB0601(1982年)に準拠して十点平均粗さRzとして測定された場合に、1.0μm以下であれば平坦と言える。
【0044】
このように保護シート50が拡散成分60bを内添された光拡散フィルム60から構成されているにもかかわらず、保護シート50の出光側面50a(光拡散フィルム60の出光側面)が平坦であることから、いわゆる「水貼り」によって、保護シート50および偏光子41を積層および接着することができる。具体的には、水、或いは、界面活性剤等の好適な添加剤が混合された水溶液(または、懸濁液)を間に介在させた状態で、保護シート50および偏光子41を互いに重ね合わせていく。これにより、空気等の異物の混入を防止しながら、保護シート50および偏光子41を積層することができる。またこの際、水あるいは水溶液(または懸濁液)に接着剤(例えば糊等)を混合しておくことにより、あるいは、保護シート50および偏光子41の少なくとも一方に接着層を予め設けておき、保護シート50および偏光子41を積極的に接着するようにしてもよい。
【0045】
なお、「水貼り」後に、保護シート50および偏光子41からの水分の除去を促進するため、保護シート50の透湿度が、温度40℃、湿度90%RHでの状況下で、10g/m2・24hr以上となっていることが好ましい。ただし、透湿度が高すぎると、吸湿に起因した反りや曲がりが発生し得るため、透湿度が、温度40℃、湿度90%RHで測定して400g/m2・24hr以下であることが好ましい。なお、本明細書における透湿度とは、JISZ0208に準拠してカップ法を用いて測定された数値を指す。
【0046】
また、図3に示された例においては、保護シート50の偏光子41に対面する側とは反対側の入光側面50b(光拡散フィルム60の入光側面にも相当する面)も、平坦面として形成されている。ただし、図3に示された例に限られることなく、図4および図5の示す例のように、保護シート50の入光側面50bが凹凸面として形成されていてもよい。保護シート50の入光側面50bは、下偏光板40の入光側面40bをなすだけでなく、液晶表示パネル15の入光側面を形成している。このため、図4または図5に示された保護シート50は、上述したバインダー部60a中に分散された拡散成分60bだけでなく、入光側面50bの凹凸にも起因して、拡散機能も発現するようになる。
【0047】
なお、図4に示された例において、保護シート50の入光側面50bに設けられた凹凸は、バインダー部60a中に分散された拡散成分60bに起因しており、より具体的には、拡散成分60bが露出して或いは拡散成分60bの輪郭が浮き出て形成されている。一方、図5に示された例において、保護シート50の入光側面50bに設けられた凹凸は、バインダー部60aの表面に賦型された凹凸パターンによって形成されている。
【0048】
以上のような保護シート50をなす光拡散フィルム60は、一例として、押し出し成形によって押し出された押し出し材として作製され得る。具体的には、バインダー部60aをなすようになる熱可塑性樹脂材料を、拡散成分60bをなすようになる粒状物とともに、押し出し機で押し出すことによって、すなわち、溶融押し出し法によって、保護シート50をなす光拡散フィルム60が得られる。とりわけ、押し出し材をシート状に成形している間の当該押し出し材への一方の側からの冷却量と他方の側からの冷却量とを調節することによって、入光側面50bが凹凸面として形成され出光側面50aが平坦面として形成された図4の光拡散フィルム60(保護シート50)を作製することができる。この際、成形中における冷却量が多かった側が平坦面となり、冷却量が少なかった側が凹凸面となる。また、押し出し材をシート状に成形している間に、一方の面の側から押し出し材に賦型を行うことによって、入光側面50bが賦型凹凸面として形成され出光側面50aが平坦面として形成された図5の光拡散フィルム60(保護シート50)を作製することができる。
【0049】
次に、表示装置10の作用について説明する。
【0050】
図2及び図3において、光源25をなす発光体26で発光された光の多くは、直接、液晶表示パネル15に入射する。また、発光体26で発光されたその他の光も、反射板21によって高い反射率で反射された後に、液晶表示パネル15に入射する。すなわち、光源25をなす発光体26で発光された光は、概ね光量損失することなく、液晶表示パネル15に入射する。
【0051】
液晶表示パネル15の最入光側には下偏光板40が設けられている。そして、下偏光板40の保護シート50が、液晶表示パネル15の最入光側面を形成している。本実施の形態では、下偏光板40の保護シート50が、拡散機能を有した光拡散フィルム60からなり、入射してきた光に対して光拡散機能を発揮するようになる。このようにして、液晶表示パネル15へ入射した光を偏光板40の保護シート50で或る程度拡散させることができる。これにより、明るさの面内ばらつき及び明るさの角度ばらつきを或る程度均一化させることができる。
【0052】
以上のようにして、下偏光板40の保護シート50で拡散された光は、その後、保護シート50の出光側に配置された下偏光板40の偏光子41、液晶セル11および上偏光板12に向かうことになる。この際、液晶セル11は、画素毎に光を選択的に透過させ、これにより、表示装置10の観察者が、映像を観察することができるようになる。
【0053】
ところで、本実施の形態においては、図17に示された従来の表示装置10と比較すると、従来必須と考えられていた種々の光学シート類が排除され、表示装置の構成が大幅に簡略化されている。このため、表示装置10の表示面10a上において、所望の光学特性、とりわけ所望の明るさ(所望の輝度)および所望の視野角を確保することができず、さらには、明るさのムラ(輝度ムラ)が生じてしまうことも予想される。しかしながら、本件発明者らが、鋭意研究を重ねたところ、本実施の形態による表示装置によっても、表示装置に対して今般求められている光学特性を十分に確保し得ることが確認された。構成が大幅に簡略化された本実施の形態に係る表示装置10の表示面10a上で十分な光学特性を確保することが可能となるメカニズムは明らかではないが、以下に、その一要因と考えられ得るメカニズムについて説明する。ただし、本件発明は、以下の推定メカニズムに限定されるものではない。
【0054】
まず、保護シート50をなす光拡散フィルム60は、バインダー部60aと、バインダー部60a中に分散された拡散成分60bと、を有している。この内添された拡散成分60bに起因した光拡散フィルム60での拡散は、賦型によって表面をマット面化すること或いは表層部に粒状物を設けることによって表面をマット面化することに起因した拡散と比較して、程度(拡散の強さ)および質(拡散の均一性)において格段に優れる。具体的には、単にマット化された凹凸形状に起因した光拡散機能であれば、図4に二点鎖線で示されているように、素抜けしてしまう光L43が生じ得る。その一方で、内添された拡散成分60bに起因した光拡散機能によれば、平面方向だけでなく厚さ方向にも拡散成分60bが分散し得ることになるので、保護シート50(光拡散フィルム60)の入光側面50bでの凹凸形状によって十分に拡散されなかった光L41,L42も、その後において拡散成分60bに到達した際に、進行方向を十分に変更され得る。
【0055】
加えて、保護シート50をなす光拡散フィルム60において、拡散成分60bの屈折率はバインダー部60aの屈折率よりも低くなっている。このような光拡散フィルム60内における拡散成分60bとバインダー部60aとの界面では、全反射が生じ得る。とりわけ、拡散成分60bとバインダー部60aとの間での屈折率差が、0.10以上、より好ましくは0.14以上である場合には、極めて効果的全反射現象が生じ得る。このような全反射は、単なる屈折率差を有した界面での反射や、拡散成分の表面の反射能に専ら起因した反射等と異なり、反射損失を引き起こさない。すなわち、光拡散フィルム60での光拡散作用によって、損失される光量を、極めて効果的に減少させることが可能となる。尚、該屈折率差は理論上は上限は無いが、現実的に入手出来、且つ使用可能な材料の屈折率の範囲に限りも有り、且つ実用上ある程度屈折率差が大きくなると全反射性も飽和する為、最大でも0.5程度の該屈折差が有れば十分である。
【0056】
したがって、この光拡散フィルム60によれば、程度(拡散の強さ)および質(拡散の均一性)において極めて優れた光拡散機能を発揮すること、並びに、光源25をなす発光体26で発光された光を極めて高い利用効率で利用することが可能となる。この結果として、本実施の形態による表示装置10の表示面10a上において、十分な光学特性、具体的には、十分な明るさ(十分な輝度)および十分な視野角の両方を確保することが可能になるとともに、さらに、明るさのムラ(輝度ムラ)を十分に解消することが可能になるものと予想される。
【0057】
また、本実施の形態では、光源25が、単一の線状発光体26から構成されている。そして、線状発光体26を液晶表示パネル15に直面する平行面内の中心に配置しておくことにより、すなわち、線状発光体26が液晶表示パネル15の中心に直面する位置を延びるように発光体26を配置しておくことにより、観察者が明るさを最も敏感に感じ取ることができる表示面10aの中心における明るさ、典型的には正面方向輝度を向上させることができる。すなわち、本実施の形態によれば、光源25の構成によっても、効果的に明るさの改善を図ることができている。
【0058】
さらに、本実施の形態によれば、光源25が単一の線状発光体26から構成されているため、複数の発光体を液晶表示パネルの直下に配置する場合と比較して、観察者が感じる明るさの面内バラツキを効果的に目立たなくさせることができる。液晶表示パネル15の直下に発光体を配置する場合には、発光体の直上の位置における明るさが上昇する傾向が強い。したがって、液晶表示パネル15の直下に複数の発光体が配置される場合には、通常、発光体の配置位置に応じて、表示面10a上に複数の明るい領域が発生してしまう可能性がある。このような明るさの面内バラツキは、観察者によって敏感に感じ取られやすい。その一方で、本実施の形態によれば、観察者による明るさの感知が最も敏感となる表示面10aの中央で最も明るく、観察者による明るさの感知が鈍感となる表示面10aの縁部に向けてしだいに暗くなっていく明るさの面内分布が形成される。そして、このような本実施の形態によれば、実際に測定された輝度値に基づく評価以上に、観察者によって感じ取られる明るさの面内バラツキを効果的に解消することができる。
【0059】
さらにこのことは、本実施の形態において、光源の構成に応じた明るさの面内バラツキを解消するための光拡散を過度に生じさせる必要が無いことを意味している。したがって、本実施の形態によれば、この点からも、光源25をなす発光体26で発光された光を有効に利用することができる。
【0060】
加えて本実施の形態では、光拡散フィルム60の構成および光源25の構成との組み合わせにおいて、さらに、液晶表示パネル15の入光面をなす偏光板40に直面する位置に光源25をなす発光体26が配置されている。すなわち、液晶表示パネル15と光源25との間から、従来設けられていた光学シート類、例えば、図17に示された従来の面光源装置(表示装置1)に組み込まれていた拡散板A、下拡散シートB、集光シートCおよび上拡散シートD等が、排除されている。
【0061】
従来の表示装置1に組み込まれていた光学シート類は、光の進行方向を補正するための部材であったが、その反面、入射光の一部を吸収してしまっていた。加えて、従来の表示装置1においては、多くの光が、いずれかの光学シートにおいて反射し、その進行方向を一回以上折り返した後に表示パネル内に入射していた。結果として、光源25となる発光体26で発光された光の多くが、いずれかの光学シートに吸収され、映像の表示に使用され得なかった。一方、上述した本実施の形態によれば、光源25をなす発光体26が偏光板40の保護シート50に直面、すなわち、間に何らの部材を介すことなく対面している。したがって、発光体26で発光された光は、直接、液晶表示パネル15の偏光板40へ入射することができ、仮に反射されたとしても、反射板21における概ね一回の反射だけで、液晶表示パネル15の偏光板40へ再入射することができる。このため、発光体26で発光された光の利用効率を大幅に上昇させることができる。この結果、例えば、従来の表示装置1と比較して、光源25をなす発光体26で発光された光を有効に利用することによって、光学特性を調整することが可能となる。
【0062】
ここで、図6〜図11には、本件発明者らが、サンプル1〜3に係る三種類の光学モジュールを実際に作製し、各サンプルに係る光学モジュールの出光側面上における輝度の分布を調査した結果を示している。調査対象とした光学モジュールは、図1および図2に示されたように、1本の冷陰極管からなる光源と、冷陰極管に直面する位置に配置された偏光板と、光源を背面側から覆う反射板と、から構成した。偏光板は、冷陰極管に対面する位置に配置された光拡散フィルムのみからなる保護シートと、保護シートに積層された偏光子と、から構成した。光拡散フィルムは、樹脂からなるバインダー部と、バインダー中に分散された光拡散粒子(拡散成分)と、から構成した。次の表1に示すように、サンプル1〜3の間で、光拡散フィルムにおけるバインダー部の屈折率と光拡散粒子(拡散成分)の屈折率とを変化させた。その他の光拡散フィルムの構成、例えば、光拡散粒子の濃度や光拡散フィルムの厚み等はサンプル1〜3の間で同一とした。また、光拡散フィルム(保護シート)以外の構成、すなわち、偏光子、光源および反射板は、サンプル1〜3の間で同一とした。
【0063】
【表1】

【0064】
図6〜図8には、それぞれ、サンプル1〜3に係る光学モジュールについて測定された正面方向輝度(偏光板の板面への法線方向から測定された輝度)の面内分布が示されている。図6〜図8中において、四角形の枠で囲まれた領域は、光学モジュールが表示装置に組み込まれた際に、偏光板上における表示面10aに対面する領域である。そして、図6〜図8中における二点鎖線で示した位置に、水平方向に延びる1本の冷陰極管が配置されている領域である。図6〜図8では、各サンプルの偏光板の出光側面(冷陰極管に対面する側とは反対の側の面)上で測定された最高の正面方向輝度に対する割合として、偏光板の出光側面上の各位置で測定された正面方向輝度の値を評価した。図6〜図8において、各サンプルで測定された最高の正面方向輝度値の75%以上100%以下の正面方向輝度が測定された領域をS1として示し、各サンプルで測定された最高の正面方向輝度値の50%以上75未満の正面方向輝度が測定された領域をS2として示し、各サンプルで測定された最高の正面方向輝度値の25%以上50%未満の正面方向輝度が測定された領域をS3として示し、各サンプルで測定された最高の正面方向輝度値の0以上25%未満の正面方向輝度しか測定されなかった領域をS4として示している。
【0065】
図9〜図11には、それぞれ、サンプル1〜3に係る光学モジュールの出光側面の中心において各測定方向から測定された輝度の角度分布が正面方向輝度に対する輝度の割合として示されている。図9〜図11における円状グラフにおける「左」と「右」とを結ぶ方向における輝度の分布は、水平面(この光学モジュールにおいて線状の冷陰極管が延びている方向と平行な面)内の各測定方向において測定された輝度の角度分布を示しており、同様に、円状グラフにおける「上」と「下」とを結ぶ方向における輝度の分布は、鉛直面(この光学モジュールにおいて線状の冷陰極管の長手方向と直交する面)内の各測定方向において測定された輝度の角度分布を示している。また、円状グラフの中心が正面方向で測定された輝度を表し、円状グラフの中心から半径方向へ離間するにしたがって、より大きな測定角度(輝度を測定する方向が正面方向に対してなす角度)で測定された輝度の値(正面方向に対する割合)を示している。また、図9〜図11において、各サンプルで測定された正面方向輝度値の75%以上100%以下の輝度が測定された角度域をA1として示し、各サンプルで測定された正面方向輝度値の50%以上75%未満の輝度が測定された角度域をA2として示し、各サンプルで測定された正面方向輝度値の25%以上50%未満の輝度が測定された角度域をA3として示し、各サンプルで測定された正面方向輝度値の0以上25%未満の輝度しか測定されなかった角度域をA4として示している
【0066】
また、表1には、サンプル1〜3で測定された最高の正面方向輝度を相対比として示している。さらに、表1には、鉛直面内で測定された輝度の角度分布における半値角、すなわち、正面方向輝度の値の半分以上の輝度値が確保された鉛直面内での測定方向の角度範囲を、各サンプルについて鉛直方向半値角として示している。同様に、表1には、水平面内で測定された輝度の角度分布における半値角、すなわち、正面方向輝度の値の半分以上の輝度値が確保された水平面内での測定方向の角度範囲を、各サンプルについて水平方向半値角として示している。
【0067】
図6〜図11および表1に示された結果によって実証されているように、拡散成分60bの屈折率がバインダー部60aの屈折率よりも低くなっている光拡散フィルム60を保護シート50として用いた場合(サンプル1)、拡散成分の屈折率がバインダー部の屈折率よりも高くなっている光拡散フィルムを保護シートとして用いた場合(サンプル2)や、拡散成分の屈折率がバインダー部の屈折率と同一となっている光拡散フィルムを保護シートとして用いた場合(サンプル3)と比較して、正面方向輝度を改善すること及び視野角を拡大することの両方を実現することができた。このことは、拡散成分60bの屈折率がバインダー部60aの屈折率よりも低くなっている光拡散フィルム60を保護シート50として用いることによって、光源をなす発光体で発光された光を高い利用効率で利用し得たことを意味する。
【0068】
また、図6〜図11に示された結果とともに、実際の目視での判断においても、拡散成分60bの屈折率がバインダー部60aの屈折率よりも低くなっている光拡散フィルム60を保護シート50として用いた場合(サンプル1)は、拡散成分の屈折率がバインダー部の屈折率よりも高くなっている光拡散フィルムを保護シートとして用いた場合(サンプル2)や、拡散成分の屈折率がバインダー部の屈折率と同一となっている光拡散フィルムを保護シートとして用いた場合(サンプル3)と比較して、明るさの面内バラツキや明るさの角度バラツキを、より緩和することができた。
【0069】
ところで、本実施の形態によれば、上述してきたように、光源25からの光の利用効率を改善することによって光学特性を適切に調節し得るようになる。この際、例えば、光拡散フィルム60が発現し得る光拡散機能の程度(強さ)や、光源25をなす発光体26から偏光板40までの距離x(図2参照)等を調節することによって、光学特性を制御することができる。本件発明者らが図1および図2に示された光学モジュール20を実際に作製し、光拡散フィルム60の拡散の強さ及び発光体26から偏光板40までの距離x(図2参照)が正面方向輝度や明るさの面内バラツキに与える影響を調査した結果の一部を、表2に示す。
【0070】
表2に示された実験の対象となったサンプルA〜Fに係る光学モジュールは、図1および図2に示されたように、1本の冷陰極管からなる光源と、冷陰極管に直面する位置に配置された偏光板と、光源を背面側から覆う反射板と、から構成した。偏光板は、冷陰極管に対面する位置に配置された光拡散フィルムのみからなる保護シートと、保護シートに積層された偏光子と、から構成した。光拡散フィルムは、樹脂からなるバインダー部と、バインダー中に分散された光拡散粒子(拡散成分)と、から構成した。表2に示すように、サンプルA〜Fの間で、光拡散フィルムにおけるバインダー部の屈折率および光拡散粒子(拡散成分)の屈折率と、光拡散フィルムの厚みを変化させた。ただし、それ以外の光拡散フィルムの構成、例えば光拡散粒子の濃度等はサンプルA〜Fの間で同一とした。また、表2に示すように、光源25をなす発光体26から偏光板40までの偏光板40の板面への法線方向に沿った距離xをサンプルA〜Cでは50mmとし、サンプルD〜Fでは100mmとした。
【0071】
各サンプルA〜Fに係る光学モジュールの出光側面での明るさ(正面方向輝度)を相対的に評価した結果を、表2の「明るさ」の欄に示す。評価は、最も明るく観察されたサンプルについて◎を付し、暗くなっていく順に、○、△を付した。また、各サンプルA〜Fに係る光学モジュールの出光側面上での明るさのムラの程度を相対的に評価した結果を、表2の「ムラ」の欄に示す。評価は、最も明るさのムラが少なかったサンプルについて◎を付し、明るさのムラが顕著になっていく順で、○、△を付した。
【0072】
表2の結果でも実証されているように、光拡散フィルム60の拡散の程度を強くすると、正面方向輝度が低下するが輝度の面内バラツキが緩和され、その逆に、光拡散フィルム60の拡散の程度を弱くすると、輝度の面内バラツキが強くなるが正面方向輝度が上昇する、といった傾向が確認された。一方、発光体26から偏光板40までの距離xを長くすると、正面方向輝度が低下するが輝度の面内バラツキが緩和され、その逆に、発光体26から偏光板40までの距離xを短くすると、輝度の面内バラツキが強くなるが正面方向輝度が上昇する、といった傾向が確認された。
【0073】
【表2】

【0074】
また、本実施の形態では、上述したように、液晶表示パネル15と光源25との間から、従来設けられていた光学シート類、例えば、図17に示された従来の面光源装置(表示装置1)に組み込まれていた拡散板A、下拡散シートB、集光シートCおよび上拡散シートD等が、排除されている。したがって、以上の作用効果に加えて、本実施の形態によれば、次の作用効果を享受することもできる。
【0075】
まず、本実施の形態によれば、表示装置10に組み込まれる部材(光学シート)の数量を大幅に減じることができ、表示装置10の製造コストを直接的に大幅に低減することができる。また、表示装置あるいは面光源装置の組み立て時に必要となる光学シート類の位置決めといった煩雑な作業を省くことが可能となり、この点からも表示装置10の製造コストを低減することができる。さらに、表示装置10に組み込まれる部材(光学シート)を省くことにより、表示装置10の薄型化も可能となる。また、優れた光学機能を付与され表示装置10の輝度特性や視野角特性について大きな自由度を付与し得る光拡散フィルム60を含んだ保護シート50は、偏光子41を保護する保護用の部材として機能し、この保護用の部材は、従来、偏光板に必須の要素と考えられていた部材である。この点から、本実施の形態による製造コストの低減や薄型化といった効果は極めて有用であると考える。
【0076】
光源25をなす発光体26と偏光板40の保護シート50との間に光学シート類が配置されていないので、光学シートの曲がり、撓み、反り等の変形に起因した表示画質の劣化といった不具合を回避することができる。なお、従来の表示装置では、図17に示すように、発光体に直面する部材(拡散板A)の厚みは、発光体からの発熱で変形してしまわないように、さらには、当該部材の出光側に位置する部材(拡散シートや集光シート)へ向けた熱移動を遮断できるよう、厚くなっていた。このように、拡散板Aの厚みが増すと、拡散板Aの材料費が嵩み、結果として、表示装置の製造コストが上昇してしまうといった不具合が生じていた。また、或る程度の厚みを有した拡散板Aを面光源装置に組み込もうとすると、それなりの支持機構を設置する必要も生じていた。一方、本実施の形態によれば、発光体26に直面する保護シート50は、偏光板40の一部として、液晶表示パネル15に積層されている。すなわち、保護シート50は液晶表示パネル15に直接支持されているので、保護シート50を支持するための特別の支持機構は不要であるとともに、液晶表示パネル15によって保護シート50の変形が拘束される。したがって、保護シート50の厚みは、保護シート50に期待される光学作用および偏光子の保護作用の観点から決定され得り、結果として、表示装置10の製造コストを低減することができる。
【0077】
上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を適宜参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いており、重複する説明を省略する。
【0078】
上述した実施の形態において、保護シート50の入光側面50bが、平坦面または光拡散機能を発現させるための凹凸面として構成されている例を説明した。しかながら、図12および図13に示すように、保護シート50の入光側面50bが、並べて配置された単位光学要素(単位プリズム、単位レンズ)52によって形成された光学要素面(プリズム面、レンズ面)として構成されていてもよい。以下、図12および図13に示された変形例について説明する。
【0079】
図12に示された例において、保護シート50は、シート状の本体部51と、本体部51の入光側面51bに並べて配置された単位光学要素52と、を有している。各単位光学要素52は、その配列方向と交差する方向であって且つ保護シート50のフィルム面と平行な方向に、延びている。また、保護シート50に含まれる単位光学要素52は、互いに同一に構成されている。
【0080】
ところで、液晶表示パネル15は、多数の画素を画成する。液晶表示パネル15は、この画素毎に光の透過および遮断を制御することによって、映像を形成する。そして、単位光学要素52の配列方向は、下偏光板40の板面への法線方向ndと平行な方向から観察した場合、液晶表示パネル15の液晶セル11の画素の配列方向と交差、すなわち、画素の配列方向に対して傾斜していることが好ましい。具体的には、下偏光板40の板面への法線方向と平行な方向から観察した場合に、単位光学要素52の配列方向と液晶セル11の画素の配列方向とが、1°以上45°未満の角度で傾斜していることが好ましく、5°以上30°以下の角度で傾斜していることがさらに好ましい。この場合、画素の規則的な配列に起因した周期性と、単位光学要素52の規則的な配列に起因した周期性と、の干渉によって生じるモアレ(干渉縞)を効果的に目立たなくさせることができる。また、モアレを目立たなくさせる観点からすれば、単位光学要素52の配列ピッチが、30μm以下となっていることが好ましい。
【0081】
図13に示された断面は、単位光学要素52の配列方向と保護シート50のシート面への法線方向ndとの両方向に沿った断面(以下において、主切断面と呼ぶ)である。各単位光学要素52は、主切断面において、三角形形状となっている。とりわけ図示する例においては、単位光学要素52の主切断面における断面形状は、保護シート50のフィルム面への法線方向を中心として左右対称に配置された二等辺三角形状となっている。この二等辺三角形形状の頂角の角度θa(図13参照)は、集光機能を考慮して、例えば30°以上70°以下とすることができる。
【0082】
図12に示された保護シート50をなす光拡散フィルム60においては、拡散成分60bが厚み方向に偏って配置されている。すなわち、保護シート50をなす光拡散フィルム60は、バインダー樹脂部60aおよび拡散成分60bを含んだ光拡散層59aと、拡散成分60bを含有していない樹脂層59bと、から構成されている。図示する例において、樹脂層59bは、光拡散層59aよりも入光側に配置されている。すなわち、光拡散層59aは、樹脂層59bよりも偏光子41の側に配置されている。樹脂層59bは、上述した単位光学要素52と、本体部51の入光側の部分と、を構成している。一方、光拡散層59aは、樹脂層59bに隣接する本体部51の出光側の部分を構成している。
【0083】
このような保護シート50をなす光拡散フィルム60は、共押し出し成形により、光拡散層59aおよび樹脂層59bを二層押し出し、さらに、成形時に単位光学要素52を賦型することによって、製造され得る。このような製造方法で作製された保護シート50(光拡散フィルム60)では、光拡散層59aのバインダー部60aと樹脂層59bとの間に、光学界面が存在しない。すなわち、光は、保護シート50(光拡散フィルム60)内において樹脂層59bから光拡散層59aへ、光学作用を及ぼされることなく入射する。
【0084】
図12に示された光拡散フィルム60からなる保護シート50は、光拡散層59aでの光拡散機能だけでなく、樹脂層59bの単位光学要素52に起因した集光機能も発揮し得る。図13には、集光機能を期待された保護シート50(光拡散フィルム60)の使用態様の一例が示されている。図13に示すように、保護シート50(光拡散フィルム60)の単位光学要素52は、その長手方向が、光源25をなす線状の発光体26の長手方向と平行になるようにして、配置されている。そして、正面方向ndから大きく傾斜した方向に沿って液晶表示パネルに向かう光は、単位光学要素52の一方の面52b1を介して保護シート50へ入射し、その後、単位プリズム52の他方の面52b2で反射(とりわけ、全反射)して進行方向を正面方向nd側へ偏向する。このようにして、保護シート50は集光機能を発揮することができる。
【0085】
なお、単位光学要素52の主切断面における断面形状は、三角形形状に限られることなく、種々の形状に適宜設計され得る。例えば、保護シート50の主切断面における単位光学要素52の断面形状をなす三角形形状の頂部が面取りされていてもよい。また、保護シートの主切断面において、本体部51から延び出る三角形形状の二辺が、外方に膨出した曲線となるように変形されてもよい(図示せず)。
【0086】
さらに、図14に示すように、保護シート50の主切断面において、単位光学要素52が、曲線状の外輪郭を有するようにしてもよい。すなわち、単位光学要素52の入光面が曲面として構成されてもよい。具体的な形状の例として、保護シート50の主切断面において、単位光学要素52が、楕円の一部(一例として半楕円)または円の一部(一例として半円)に相当する形状を有するようにしてもよい。さらに、図15に示すように、保護シート50の主切断面において、単位光学要素52が、上述した主切断面における三角形形状の頂部を取り除いてなる形状を有するようにしてもよい。具体的な形状の例として、保護シート50の主切断面において、単位光学要素52が、図15に示すように等脚台形形状となるようにしてもよいし、或いは、当該等脚台形形状の上底を曲線に変更してなる形状を持つようにしてもよい。なお、図14および図15に示された保護シート50をなす光拡散フィルム60は、共に、図12に示された光拡散フィルムと同様に押し出し成形材として準備され得る。ただし、図14および図15に示された光拡散フィルム60の例では、図12に示された光拡散フィルムとは異なり、拡散成分60bが厚み方向の全域に分散しており、光拡散層59aのみから構成され、上述した樹脂層59bを含んでいない。
【0087】
さらに、上述した実施の形態において、光拡散フィルム60が押し出し成形によって得られた押し出し材からなる例を示したが、これに限られない。射出成型等のその他の製造方法によって製造された光拡散フィルム60を用いることもできる。
【0088】
さらに、上述した実施の形態において、保護シート50が、押し出し成形によって得られた光拡散フィルム60のみからなる例を示したが、これに限られない。例えば、保護シート50が、特定の偏光成分を透過させるとともに、その他の偏光成分を反射して再び光源側へ戻す機能を有した偏光分離フィルムであって、光拡散フィルム60の出光側に配置された偏光分離フィルムを、さらに有するようにしてもよい。この例によれば、偏光分離フィルムを設けることによって、偏光子41を透過し得る偏光成分の光を選択的に偏光子41へ入射させ、その他の光を光源側に戻すことができる。光源側に戻された光は、その後の反射及び拡散によって、偏光状態を変化させて偏光分離フィルムへ再度入射し得る。輝度の向上に役立ち得る偏光分離フィルムとして、米国3M社から入手可能な「DBEF」(登録商標)を用いることができる。また、「DBEF」以外にも、韓国Shinwha Intertek社から入手可能な高輝度偏光シート「WRPS」や、あるいは、ワイヤーグリッド偏光子等を、偏光分離フィルムとして用いることができる。
【0089】
またその他の例として、保護シート50が、光拡散フィルム60の出光側に配置された単なる樹脂フィルム、例えば、一対の平行な主面を有するトリアセチルセルロース製フィルム(TAC製フィルム)を、さらに有するようにしてもよい。
【0090】
さらに、上述した実施の形態において、保護シート50(光拡散フィルム60)が水貼りによって偏光子41に接合される例を示したが、これに限られない。例えば、接着剤と、接着剤内に分散された拡散成分と、を含有した接着層が、保護シート50と偏光子41との間に配置されるようにしてもよい。この態様によれば、保護シート50に含まれる光拡散フィルム60に起因した光拡散機能の程度から独立して、接着層よる光拡散機能の程度を適宜調節することができる。これにより、下偏光板40が発揮し得る光拡散機能の程度をより自由に設計することができる。なお、接着層に含有される拡散成分は、保護シート50(光拡散フィルム60)に含まれ得る拡散成分60bとして例示したものを同様に用いることができる。また、接着層による光拡散機能の程度は、保護シート50(光拡散フィルム60)における光拡散機能の程度と同様の手法により、適宜調節され得る。なお、接着層の光拡散機能は、等方性であってもよいし、例えば次に説明するような異方性であってもよい。また、接着層が光拡散機能を有さないようにしてもよい。
【0091】
さらに、上述した実施の形態における保護シート50をなす光拡散フィルム60の光拡散機能は、等方性光拡散機能であってもよいし、異方性光拡散機能であってもよい。一例として、図16に示すように、長手方向ldを有する拡散成分60bを、所定の方向odへの配向を持つようにして、光拡散フィルム60内に配置することにより、異方性光拡散機能を光拡散フィルム60に付与することができる。ここで、拡散成分60bの長手方向とは、対象となる拡散成分60bの最も長さが長くなる方向として特定することができる。また、「長手方向ldを有する拡散成分60bが、所定の方向odへの配向を持つ」とは、各拡散成分60bの長手方向ldが所定の方向odに対してなす角度が、0°以上45°以下となることであり、拡散成分60bが、所定の方向odを基準とした方向的な規則性を持って配置されることを意味している。
【0092】
なお、図16に示された光拡散フィルム60は、長手方向を有する拡散成分60bを、バインダー部60aをなすようになる樹脂材料とともに、原料として用い、押し出し成形で製造され得る。長手方向を有する拡散成分60bは、押し出し機のダイを樹脂材料とともに通過する際に、高圧下でその長手方向ldが押し出し方向(機械方向)に沿うように、向けられる。これにより、押し出し材中の拡散成分60bが、特定の方向odへの配向を持つようにして、光拡散フィルム60内に分散されるようになる。
【0093】
長手方向ldを有する拡散成分60bの形状としては、一例として、板状、粒状(米粒状)、針状、鱗状、微細板状等の種々の形状を採用することができる。また、具体的な例として、平均アスペクト比(長手方向ldに沿った拡散成分60bの長さの、長手方向ldに直交する方向に沿った当該拡散成分60bの長さに対する比の平均値)が、1.5以上50以下であって、拡散成分60bの平均粒径(体積相当法で算出された粒径、すなわち体積相当径の算術平均、以下同様)が0.5μ以上100μm以下の気泡を、長手方向ldを有した拡散成分60bとして、用いることができる。また、有機繊維からなる拡散成分60b、例えば、アラミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリイミド繊維等の耐熱性有機繊維からなる拡散成分60bを用いることもできる。また、無機繊維からなる拡散成分60b、例えば、ガラス繊維、シリカ繊維、アルミナ繊維、ジルコニア繊維等の繊維状フィラーからなる拡散成分60bを用いることもできる。さらに、薄板状フィラー(マイカ)からなる拡散成分60bを用いることもできる。さらに、不定形フィラーからなる拡散成分60b、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、クレー、タルク、二酸化チタン等の無機系白色顔料からなる拡散成分60bを用いることもできる。
【0094】
長手方向ldを有する拡散成分60bは、その長手方向と平行な方向よりも、その長手方向に直交する方向へ、強い光拡散機能を呈するようになる。例えば、上述した実施の形態において、光源25は、長手方向を有した線状の1本の発光体26をから構成されている。したがって、上述した実施の形態においては、線状発光体26の長手方向に直交する方向に沿った光の成分を主として拡散させることが好ましい。この点から、長手方向ldを有する拡散成分60bの配向方向odが、線状発光体26の長手方向と平行になっていることが好ましい。結果として、保護シート50へ入射した光を必要以上に拡散することが効果的に防止され、光のさらなる有効利用を図ることが可能なる。
【0095】
さらに、上述した実施の形態において、下偏光板40が、偏光子41と、偏光子41に入光側から接合された保護シート50と、からなる例を示したが、これに限られず、偏光子41の出光側にも、例えばTACフィルムからなる保護シートが設けられていてもよい。また、光の位相差を補償するための位相差板が下偏光板40と液晶セル11との間に設けられることもがあるが、この場合、下偏光板40の出光側の保護シートが、位相差板の入光側の保護シートを兼ねるようにしてもよい。
【0096】
以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
【符号の説明】
【0097】
10 表示装置
11 液晶セル
15 液晶表示パネル
20 光学モジュール
25 光源
26 発光体
40 偏光板、下偏光板
40b 入光側面
41 偏光子
50 保護シート、光学シート
50a 出光側面
50b 入光側面
51 本体部
52 単位光学要素、単位形状要素、単位レンズ、単位プリズム
59a 光拡散層
59b 樹脂層
60 光拡散フィルム
60a バインダー部、母材部、主部
60b 拡散成分、拡散粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏光子と、前記偏光子と接合された保護シートと、を有する偏光板と、
前記偏光板の前記保護シートに直面する位置に配置された発光体を含む光源と、を備え、
前記保護シートは、バインダー部と、前記バインダー部中に分散された拡散成分と、を有する光拡散フィルムを含み、前記拡散成分の屈折率は前記バインダー部の屈折率よりも低い、光学ジュール。
【請求項2】
前記光源は、線状に延びる1本の発光体のみを含む、請求項1に記載の光学モジュール。
【請求項3】
請求項1または2に記載の光学モジュールを備える表示装置。
【請求項4】
バインダー部と、
前記バインダー部中に分散された拡散成分と、を備え、
前記拡散成分の屈折率は前記バインダー部の屈折率よりも低い、光拡散フィルム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−203105(P2012−203105A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66067(P2011−66067)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】